JP2010276070A - トルクコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】循環回路から戻し油路に作動オイルをスムーズに還流させて,作動オイルの冷却促進を図る。
【解決手段】ポンプインペラ2のハブ2hに連なるポンプ軸20及びステータ軸12間にオイル溜め53に連なる戻し油路51を形成し,循環回路6からスラストベアリング37′周りを通して戻し油路51に作動オイルを還流させるようにしたトルクコンバータにおいて,ステータ4のハブ4hの,スラストベアリング37′を支承する端面に,循環回路6及び戻し油路51間を連通する放射状の複数条の凹溝85を形成し,この凹溝85の溝底の半径方向内端に連続して戻し油路51に向かって突出する整流突起86をステータ4の,ポンプインペラ2に対向する端面に形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は,ポンプインペラ,このポンプインペラに対置されるタービンランナ及び,これらポンプインペラ及びタービンランナの内周部間に配置されるステータを備え,これら三者間に,作動オイルを循環させてポンプインペラ及びタービンランナ間の動力伝達を行う循環回路が画成され,タービンランナのハブには出力軸を連結し,この出力軸の外周に相対回転可能に配置される中空のステータ軸に,ステータのハブ内周に装着されるフリーホイールのインナレースを結合し,ポンプインペラのハブ及びステータのハブ間に第1スラストベアリングを,またタービンランナのハブ及びステータのハブ間に第2スラストベアリングをそれぞれ介装し,出力軸及びステータ軸間に油圧源に連なる供給油路を,またポンプインペラのハブに連なるポンプ軸及びステータ軸間にオイル溜めに連なる戻し油路をそれぞれ形成し,その供給油路から第1スラストベアリング周りを通して循環回路に作動オイルを供給すると共に,循環回路から第2スラストベアリング周りを通して戻し油路に作動オイルを還流させるようにしたトルクコンバータの改良に関する。
かゝるトルクコンバータは,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特開2008−175338号公報
かゝるトルクコンバータ内の循環回路と,トルクコンバータ外のオイル溜めとの間で作動オイルを速やかに循環させることは,作動オイルの冷却を促進して,作動オイル内での気泡の発生を極力抑えて循環回路での作動オイルによる伝動効率を上げると共に,トルクコンバータの耐久性を確保する上で重要であるが,従来のトルクコンバータでは,特に,第2スラストベアリング周りから戻し油路に至る流路がクランク状に屈曲しているため,その間を作動オイルが通過する際に渦流が発生し,これが流路抵抗を大きくし,作動オイルの戻し油路へのスムーズな還流を妨げる一因となっていることを本発明者等は究明した。
本発明は,上記究明の基づいてなされたもので,循環回路から第2スラストベアリング周りを通して戻し油路に作動オイルをスムーズに還流させ得るようにして,作動オイルの冷却,延いては循環回路での作動オイルによる伝動効率の向上,並びにトルクコンバータの耐久性向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,ポンプインペラ,このポンプインペラに対置されるタービンランナ及び,これらポンプインペラ及びタービンランナの内周部間に配置されるステータを備え,これら三者間に,作動オイルを循環させてポンプインペラ及びタービンランナ間の動力伝達を行う循環回路が画成され,タービンランナのハブには出力軸を連結し,この出力軸の外周に相対回転可能に配置される中空のステータ軸に,ステータのハブ内周に装着されるフリーホイールのインナレースを結合し,ポンプインペラのハブ及びステータのハブ間に第1スラストベアリングを,またタービンランナのハブ及びステータのハブ間に第2スラストベアリングをそれぞれ介装し,出力軸及びステータ軸間に油圧源に連なる供給油路を,またポンプインペラのハブに連なるポンプ軸及びステータ軸間にオイル溜めに連なる戻し油路をそれぞれ形成し,その供給油路から第1スラストベアリング周りを通して循環回路に作動オイルを供給すると共に,循環回路から第2スラストベアリング周りを通して戻し油路に作動オイルを還流させるようにしたトルクコンバータにおいて,ステータのハブの,第2スラストベアリングを支承する端面に,第2スラストニードルベアリングの内外周部間を連通する放射状の複数条の凹溝を形成し,この凹溝から戻し油路に向かう作動オイルを整流する整流突起をステータの,ポンプインペラに対向する端面に形成したことを第1の特徴とする。尚,前記供給油路は,後述する本発明の実施例中の第1供給油路50に対応し,前記第1及び第2スラストベアリングは,第1及び第2スラストニードルベアリング37,37′に対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記インナレースに,ポンプインペラのハブ内周側に入り込む案内筒部を一体に連設すると共に,この案内筒部の外周面と,これに対向するポンプインペラのハブの内周面との間に,戻し油路の上流端に連なると共に戻し油路側を小径とするテーパ状油路を画成し,前記整流突起に,前記凹溝の溝底の半径方向内端に連続し且つ前記テーパ状油路に向かってステータの軸線寄りに傾斜する整流面を形成したことを第2の特徴とする。
本発明の第1又は第2の特徴に加えて,前記整流突起の,ステータの回転方向前方側の側面を,ステータから軸方向に離れるにつれてステータの回転方向後方へ後退する斜面に形成したことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,循環回路を出た作動オイルは,第2スラストニードルベアリングのみならず,ステータのハブ端面の放射状の複数の凹溝を通過すること,並びに凹溝を出た作動オイルは,整流突起により整流されながら,戻し油路へと向かうことになり,これにより循環回路から戻し油路に至る流路での渦流の発生を防ぐことができ,流路抵抗を効果的に減少させることができる。したがって,戻し油路に作動オイルをスムーズに還流させ,作動オイルの冷却,延いては循環回路での作動オイルによる伝動効率の向上,並びにトルクコンバータの耐久性向上に寄与し得る。
本発明の第2の特徴によれば,凹溝を出た作動オイルを,整流突起の整流面により整流させながら,インナレースとポンプインペラのハブとの間のテーパ状油路に誘導し,更にテーパ状油路から戻し油路に誘導することにより,循環回路から戻し油路に至る流路での渦流の発生を確実に防ぐことができ,流路抵抗を大幅に減少させることができる。
本発明の第3の特徴によれば,トルクコンバータTがカップリング状態となり,ポンプインペラ,タービンランナ及びステータの三者が共回りすると,ステータのハブと共に整流突起も回転するので,整流突起の,ステータから軸方向に離れるにつれてステータの回転方向後方へ後退する斜面が,それに接する作動オイルをテーパ状油路側に押し出し,これにより第2スラストベアリングを通過した戻し油路側へ積極的に送り出すことになり,作動オイルを戻し油路に一層スムーズに還流させることができる。
本発明の実施例に係るトルクコンバータの半部縦断面図。 図1の2部拡大断面。 図1中のステータのハブ周りの斜視図。 図2の4−4線断面図。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
先ず,図1において,トルクコンバータTは,ポンプインペラ2と,それと対置されるタービンランナ3と,それらの内周部間に配置されるステータ4とを備え,これら三者2,3,4間に作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。
ポンプインペラ2には,タービンランナ3の背面を覆う伝動カバー5が溶接等により一体的に結合され,この伝動カバー5の外周面には,始動用のリングギヤ7が溶接されており,クランク軸1にボルト9で結合される駆動板8がこのリングギヤ7にボルト9′で固着される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置される。伝動カバー5は,その外方及び内方に突出する一対の第1及び第2ハブ5a,5bを有しており,上記出力軸10は,それら第1及び第2ハブ5a,5bに軸受ブッシュ18a,18bを介して回転自在に支承される。またタービンランナ3のハブ3hの端面と,伝動カバー5の第2ハブ5bの端面との間にスラストニードルベアリング15が介装される。出力軸10は図示しない多段変速機の主軸となる。
出力軸10の外周には,ステータ4のハブ4hをフリーホイール11を介して支承する円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸受ブッシュ13が介裝される。ステータ軸12の外端部はミッションケース14に回転不能に支持される。フリーホイール11は,図2に示すように,ステータ4のハブ4hの一側面に開口する有底円筒状の嵌合孔16に圧入されるアウタレース11aと,ステータ軸12の外周面にスプライン嵌合するインナレース11bと,これらアウタ及びインナレース11a,11b間に介装される複数のスプラグ11cとからなる公知のものである。
同じく図2に示すように,ステータ4のハブ4hと,これに対向するタービンランナ3及びポンプインペラ2の各ハブ3h,2hとの間には第1及び第2スラストニードルベアリング37,37′がそれぞれ介裝される。
ステータ4のハブ4hの外周部には,軸方向に突出する左右一対の第1及び第2環状鍔部75a,75bが形成されており,その第1環状部75aの内周にスプライン嵌合すると共にインナレース11bの外周面に嵌合するサイドプレート76がアウタレース11aの外側面に当接するように配置される。前記第1スラストニードルベアリング37は,そのサイドプレート76に隣接して第1環状鍔部75aにスプライン嵌合する内側スラスト板77と,タービンランナ3のハブ3hの内端面に当接する外側スラスト板78と,その両スラスト板77,78間に環状に配列される多数のニードルローラ79とで構成される。また第2スラストニードルベアリング37′は,前記第1スラストニードルベアリング37と対称的構造を有しているので,その構造中,第1スラストニードルベアリング37と対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。この第2スラストニードルベアリング37′の内側スラスト板77は,第2環状鍔部75bにスプライン嵌合すると共にステータ4のハブ4hの端面に当接し,また外側スラスト板78はポンプインペラ2のハブ2hの内端面に当接するように配置される。
また図1及び図2に示すように,ステータ軸12の外周には,ポンプインペラ2のハブ2hに一体に連設したポンプ軸20が相対回転可能に配置され,このポンプ軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動される。
タービンランナ3及び伝動カバー5間にクラッチ室22が画成され,このクラッチ室22には,伝動カバー5及びタービンランナ3間を直結し得るロックアップクラッチLと,このロックアップクラッチLのロックアップ時,伝達トルクを緩衝するトルクダンパDとが収容される。
図1において,ロックアップクラッチLは,伝動カバー5の内側壁に溶接により固着されるクラッチアウタ25と,このクラッチアウタ25に囲繞されるよう配置されるクラッチインナ26と,クラッチアウタ25に形成されたシリンダ部27内にOリング28を介して軸方向往復動可能に嵌合されるクラッチピストン29と,このクラッチピストン29の軸方向往復動を許容しつゝクラッチアウタ25及びクラッチピストン29相互を回転方向に連結する回転連結手段30と,クラッチアウタ25及びクラッチインナ26間に設けられる摩擦連結手段31とよりなっており,クラッチピストン29のハブ29hは,伝動カバー5の前記第2ハブ5bの外周面にOリング32を介して摺動可能に支承される。
クラッチインナ26は,タービンランナ3の背面と,タービンランナ3にリベット33により固着される支持板34との間において,その支持板34に形成される環状肩部34aの外周面に回転可能に支承される。このクラッチインナ26はトルクダンパDを介してタービンランナ3に連結される。
前記シリンダ部27は,伝動カバー5の内壁に溶接されるシリンダ側壁27aと,このシリンダ側壁27aの外周端からタービンランナ3側に屈曲したシリンダ周壁27bとで構成され,そのシリンダ周壁27bの内周面にクラッチピストン29がOリング28を介して摺動自在に嵌装される。
前記回転連結手段30は,伝動カバー5及びクラッチピストン29の対向面の一方に溶接される内歯ギヤ部材35と,それら対向面の他方に溶接され内歯ギヤ部材35に軸方向摺動自在に係合する外歯ギヤ部材36とで構成される。
またクラッチアウタ25には,前記シリンダ周壁27bより大径でそれに隣接する雌スプライン38が形成され,またクラッチインナ26には雄スプライン39が形成され,その雌スプライン38に複数枚の駆動摩擦板40と,これらの外側に配置される1枚の受圧板41とが摺動自在にスプライン嵌合され,その受圧板41の外側方への移動を阻止する止環42が雌スプライン38の内周面に係止される。また雄スプライン39には,上記駆動摩擦板40及び受圧板41と交互に重ねられる複数枚の従動摩擦板43が摺動自在にスプライン嵌合される。上記駆動摩擦板40,受圧板41,止環42及び従動摩擦板43により前記摩擦連結手段31が構成される。伝動カバー5及びクラッチピストン29間には油圧室44が画成される。
而して,油圧室44に油圧を供給すれば,クラッチピストン29は,受圧板41に向かって軸方向に往動し,受圧板41と協働して駆動摩擦板40及び従動摩擦板43を相互に圧接させるので,これら駆動摩擦板40及び従動摩擦板43を介してクラッチアウタ25及びクラッチインナ26間を摩擦連結することができる。即ち,ロックアップクラッチLの接続状態を得ることができる。また油圧室44から油圧を解放すれば,クラッチピストン29は,クラッチ室22の油圧により上記と反対に軸方向に復動するので,駆動摩擦板40及び従動摩擦板43から圧接力が解放され,クラッチアウタ25及びクラッチインナ26間の摩擦連結を解除することができる。即ち,ロックアップクラッチLの遮断状態を得ることができる。
クラッチピストン29の前面には,それに隣接する駆動摩擦板40に向かって開口する環状のばね収容溝45が形成され,このばね収容溝45に,クラッチピストン29の前面より突出して駆動摩擦板40に接する,皿ばねよりなるクッションばね46が収容される。
次に,図1及び図2により,トルクコンバータT及びロックアップクラッチLに対する作動オイルの循環経路について説明する。
出力軸10とステータ軸12との間には第1供給油路50が,またポンプ軸20とステータ軸12との間には戻し油路51が,出力軸10の中心部には第2供給油路52がそれぞれ形成される。
第1供給油路50の上流側は,オイル溜め53から作動オイルOを汲み上げる前記オイルポンプ21の吐出ポートに接続され,その下流側は,ステータ軸12の横孔54,フリーホイール11のインナレース11b内周面の通溝55及び前記第1ニードルベアリング37を介して循環回路6の内周側一側部に連通する。したがって,オイルポンプ21から吐出される作動オイルOは,第1供給油路50を通して循環回路6に供給されることになり,その循環回路6内の油圧を伝動状態に応じて制御するトルクコンバータ制御弁56が第1供給油路50に設けられる。
前記タービンランナ3のハブ3hには,前記通溝55を,クラッチピストン29の前面が臨むクラッチ室22に連通する複数の通孔57が設けられる。また前記クラッチインナ26には,それを半径方向に貫通する複数の通孔58が,また前記クラッチアウタ25にも,それを半径方向に貫通する複数の通孔59がそれぞれ設けられる。したがって,第1供給油路50から前記ステータ4のハブ4h内周面の通溝55を通過した作動オイルは,通孔57を経てクラッチ室22にも流入し,そしてクラッチインナ26の通孔58及びクラッチアウタ25の通孔59を通過しながら,ロックアップクラッチLの各部を潤滑,冷却した後,ポンプインペラ2及びタービンランナ3の外周部間から循環回路6へと移る。
前記フリーホイール11のインナレース11bには,ポンプインペラ2の内周側に入り込むように突出する案内筒部81が一体に形成され,この案内筒部81と,ポンプインペラ2のハブ2hとの間に,戻し油路51の上流端に連なる,戻し油路51側を小径とするテーパ状油路82が画成される。戻し油路51の下流側はオイル溜め53に開放される。
図2及び図3に示すように,前記第2スラストニードルベアリング37′の内側スラスト板77が当接するステータ4のハブ4hの端面には,第2スラストニードルベアリング37′の内外周部間を連通する複数の放射状凹溝85が形成される。更にステータ4のハブ4hの端面には,凹溝85を出た作動オイルを整流させながら前記テーパ状油路82に誘導する整流突起86が形成される。具体的には,整流突起86の半径方向外向きの面86aが,凹溝85の溝底の半径方向内端から連続的に延びてテーパ状油路82の大径端部もしくはその近傍に達するよう,テーパ状油路82に向かってステータ4の軸線側に寄る傾斜した整流面86aに形成される。
また図4に示すように,整流突起86の,ステータ4の回転方向前方側の側面は,ステータ4から軸方向に離れるにつれてステータ4の回転方向後方へ後退する斜面86bに形成される。
上記整流突起86は,図3に示すように,凹溝85の一つ置き毎に形成してもよく,全ての凹溝85毎に設けもよいが,何れの場合でも,複数の凹溝85は,ステータ4のハブ4hの周方向等間隔に配列することが望ましい。
図2及び図3に示すように,前記サイドプレート76には,アウタレース11a及びインナレース11b間を第1スラストニードルベアリング37側に連通する複数の通孔87が設けられ,またステータ4のハブ4hの端壁には,一部又は全部の凹溝85をフリーホイール11のアウタレース11a及びインナレース11b間に連通する通孔88が設けられ,これら通孔87,88を通してフリーホイール11内が潤滑されるようになっている。
第2供給油路52の上流側は,第1供給油路50と同様にオイルポンプ21の吐出ポートに接続され,その下流側は,出力軸10の横孔60及び伝動カバー5の第2ハブ5bの横孔61を通して,伝動カバー5及びクラッチピストン29間の前記油圧室44に連通する。第2供給油路52には油圧室44の油圧を制御するロックアップ制御弁62が設けられる。上記横孔60,61は前記軸受ブッシュ18a,18b間に配置される。
再び図1において,前記トルクダンパDは,前記クラッチインナ26にリベット64により固着されて前記クラッチアウタ25より半径方向外方に延びるばね保持板66を備える。このばね保持板66は,クラッチアウタ25の外周面を囲繞する断面コ字状で環状のばね収容部67を一体に有しており,このばね収容部67内に,コイルばねよりなる複数のダンパばね68が環状に配置され,各隣接するダンパばね68間には,ばね収容部67にリベット65により固着される断面コ字状の駆動爪70と,タービンランナ3の背面に溶接される従動爪71とが配置される。これら駆動爪70及び従動爪71は,タービンランナ3の回転方向に沿って相対回転が可能であり,それらの相対回転によりダンパばね68が圧縮され,駆動爪70及び従動爪71間の伝達トルクを緩衝するようになっている。駆動爪70及び従動爪71の相対回転時,ばね保持板66に連結したクラッチインナ26は,タービンランナ3に固着された前記支持板34の環状肩部34a周りに回転することになる。ばね保持板66には,従動爪71と干渉しない位置でダンパばね68の外側面を押えて,それのばね収容部67からの離脱を防ぐ押え板72が固着される。
次に,この実施例の作用について説明する。
エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動板8,伝動カバー5,ポンプインペラ2へと伝達して,それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動する。オイルポンプ21の作動により,それから吐出された作動オイルは,第1供給油路50を通り,更に第1スラストニードルベアリング37のニードルローラ79間を通過して循環回路6に流入する。この間,循環回路6に供給される作動オイルは,トルクコンバータ制御弁56により伝動状態に応じた油圧に制御されながら循環回路6に流入する。
エンジンのアイドリングないし極低速運転域では,ロックアップ制御弁62は,図示しない電子制御ユニットにより,ロックアップクラッチLの油圧室44をオイル溜め53に解放するように制御される。したがって前述のように,ロックアップクラッチLは遮断状態に置かれるので,循環回路6に流入した作動オイルOは,ポンプインペラ2の回転に伴ない循環回路6を循環しながら,ポンプインペラ2の動力をタービンランナ3へと伝達した後,第2スラストニードルベアリング37′のみならず,ステータ4のハブ4h端面の放射状の複数の凹溝85を通過し,そして整流突起86の整流面86aにより整流された後,テーパ状油路82及び戻し油路51へと順次移行し,オイル溜め53に還流する。
その際,循環回路6を出た作動オイルは,第2スラストニードルベアリング37′のみならず,ステータ4のハブ4h端面の放射状の複数の凹溝85を通過すること,並びに凹溝85を出た作動オイルは,整流突起86の整流面86aにより整流されながら,インナレース11bとポンプインペラ2のハブ2hとの間のテーパ状油路82に誘導されることにより,循環回路6から戻し油路51に至る流路面積の急激な変化を無くすると共に,その流路での渦流の発生を防ぎ,これにより流路抵抗を大幅に減少させることができる。したがって,戻し油路51に作動オイルをスムーズに還流させ,作動オイルの冷却,延いては循環回路6での作動オイルによる伝動効率の向上,並びにトルクコンバータTの耐久性向上に寄与し得る。
また第1供給油路50を通過した作動オイルは,クラッチ室22にも流入して,ロックアップクラッチL及びトルクダンパDの各部を潤滑,冷却した後,ポンプインペラ2及びタービンランナ3間の隙間から循環回路6に移り,上記と同様の経路を経てオイル溜め53に還流することになる。したがってロックアップクラッチLの潤滑及び冷却をも効果的に行うことができ,その耐久性の向上に寄与し得る。
この間,ポンプインペラ2及びタービンランナ3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ4に負担され,ステータ4は,フリーホイール11のロック作用により固定される。
トルク増幅作用を終えると,ステータ4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール11を空転させながらポンプインペラ2及びタービンランナ3と共に同一方向へ回転するようになる。
トルクコンバータTがこのようなカップリング状態となったところで,電子制御ユニットによりロックアップ制御弁62が切換えられ,オイルポンプ21が吐出する作動オイルが,第2供給油路52を通してロックアップクラッチLの油圧室44にも供給され,その油圧によりクラッチピストン29が往動し,クッションばね46を介して駆動及び従動摩擦板40,43を受圧板41に対して押圧することで,前述のようにロックアップクラッチLは接続状態となり,その接続状態は,クッションばね46の緩衝作用により緩徐に行われる。
このようにトルクコンバータTがカップリング状態となり,ポンプインペラ2,タービンランナ3及びステータ4の三者が共回りすると,ステータ4のハブ4hと共に整流突起86も回転するので,整流突起86の,ステータ4から軸方向に離れるにつれてステータ4の回転方向後方へ後退する斜面86bが,それに接する作動オイルをテーパ状油路82側に押し出し,これにより第2スラストニードルベアリング37′を通過した作動オイルをテーパ状油路82へ積極的に送り出すことになる。その結果,作動オイルを戻し油路51に一層スムーズに還流させることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,第1及び第2スラストニードルベアリング37,37′に代えて,ボール式等の他の形式のスラストベアリングを使用することもできる。
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ)
2・・・・・・ポンプインペラ
2h・・・・・ポンプインペラのハブ
3・・・・・・タービンランナ
3h・・・・・タービンランナのハブ
4・・・・・・ステータ
4h・・・・・ステータのハブ
6・・・・・・循環回路
10・・・・・出力軸
12・・・・・ステータ軸
20・・・・・ポンプ軸
21・・・・・油圧源(オイルポンプ)
37・・・・・第1スラストベアリング(第1スラストニードルベアリング)
37′・・・・第2スラストベアリング(第2スラストニードルベアリング)
50・・・・・供給油路(第1供給油路)
51・・・・・戻し油路
81・・・・・案内筒部
82・・・・・テーパ状油路
86・・・・・整流突起
86a・・・・整流面
86b・・・・斜面

Claims (3)

  1. ポンプインペラ(2),このポンプインペラ(2)に対置されるタービンランナ(3)及び,これらポンプインペラ(2)及びタービンランナ(3)の内周部間に配置されるステータ(4)を備え,これら三者間に,作動オイルを循環させてポンプインペラ(2)及びタービンランナ(3)間の動力伝達を行う循環回路(6)が画成され,タービンランナ(3)のハブ(3h)には出力軸(10)を連結し,この出力軸(10)の外周に相対回転可能に配置される中空のステータ軸(12)に,ステータ(4)のハブ(4h)内周に装着されるフリーホイール(11)のインナレース(11b)を結合し,ポンプインペラ(2)のハブ(2h)及びステータ(4)のハブ(4h)間に第1スラストベアリング(37)を,またタービンランナ(3)のハブ(3h)及びステータ(4)のハブ(4h)間に第2スラストベアリング(37′)をそれぞれ介装し,出力軸(10)及びステータ軸(12)間に油圧源(21)に連なる供給油路(50)を,またポンプインペラ(2)のハブ(2h)に連なるポンプ軸(20)及びステータ軸(12)間にオイル溜め(53)に連なる戻し油路(51)をそれぞれ形成し,その供給油路(50)から第1スラストベアリング(37)周りを通して循環回路(6)に作動オイルを供給すると共に,循環回路(6)から第2スラストベアリング(37′)周りを通して戻し油路(51)に作動オイルを還流させるようにしたトルクコンバータにおいて,
    ステータ(4)のハブ(4h)の,第2スラストベアリング(37′)を支承する端面に,第2スラストニードルベアリング(37′)の内外周部間を連通する放射状の複数条の凹溝(85)を形成し,この凹溝(85)から戻し油路(51)に向かう作動オイルを整流する整流突起(86)をステータ(4)の,ポンプインペラ(2)に対向する端面に形成したことを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 請求項1記載のトルクコンバータにおいて,
    前記インナレース(11b)に,ポンプインペラ(2)のハブ(2h)内周側に入り込む案内筒部(81)を一体に連設すると共に,この案内筒部(81)の外周面と,これに対向するポンプインペラ(2)のハブ(2h)の内周面との間に,戻し油路(51)の上流端に連なると共に戻し油路(51)側を小径とするテーパ状油路(82)を画成し,前記整流突起(86)に,前記凹溝(85)の溝底の半径方向内端に連続し且つ前記テーパ状油路(82)に向かってステータ(4)の軸線寄りに傾斜する整流面(86a)を形成したことを特徴とするトルクコンバータ。
  3. 請求項1又は2記載のトルクコンバータにおいて,
    前記整流突起(86)の,ステータ(4)の回転方向前方側の側面を,ステータ(4)から軸方向に離れるにつれてステータ(4)の回転方向後方へ後退する斜面(86b)に形成したことを特徴とするトルクコンバータ。
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