JP2008164147A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008164147A
JP2008164147A JP2007000108A JP2007000108A JP2008164147A JP 2008164147 A JP2008164147 A JP 2008164147A JP 2007000108 A JP2007000108 A JP 2007000108A JP 2007000108 A JP2007000108 A JP 2007000108A JP 2008164147 A JP2008164147 A JP 2008164147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
stator
pump impeller
turbine runner
turbine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007000108A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4935360B2 (ja
Inventor
Hiroaki Takeuchi
博明 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007000108A priority Critical patent/JP4935360B2/ja
Publication of JP2008164147A publication Critical patent/JP2008164147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4935360B2 publication Critical patent/JP4935360B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

【課題】駆動するときの抵抗が小さいトルクコンバータを提供する。
【解決手段】トルクコンバータ1は、駆動力を出力するための出力シャフトとしての変速機のインプットシャフト6と、ステータ23を支持するためのワンウェイクラッチ51と、タービンランナ40を支持するためのタービンハブ7とを備える。インプットシャフト6は、タービンハブ7と嵌合するように形成されたスプライン部6aを有する。スプライン部6aは、インプットシャフト6を側方から見たときに、凸部の延びる方向がインプットシャフト6の回転軸80に対して傾斜するように形成されている。凸部の傾斜する向きは、エンジンの駆動力が入力されているときに、タービンハブ7がワンウェイクラッチ51から離れる向きに力が作用するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。特に、自動車に搭載されるトルクコンバータに関する。
動力伝達装置は、一の装置からの動力を他の装置に伝達するための装置である。動力伝達装置には、たとえば、自動車のトルクコンバータが挙げられる。トルクコンバータは、エンジンやモータなどの駆動装置と変速機との間に取付けられる装置である。トルクコンバータは、駆動装置からの動力を変速機に伝達する機能を有する。
特開2004−132526号公報においては、トルクコンバータのステータを支持する支持装置が開示されている。この支持装置においては、ステータの内周に配置されるアウタレースと、トルクコンバータの回転軸の外周に配置されるインナレースとの隙間を保持するエンドベアリングと、アウタレースの端面に隣接するように配置され、エンドベアリングが変速機回転軸の方向に移動することを規制するスラストベアリングレースと、スラストベアリングレースの転送面に配置され、アウタレースに作用する荷重を支持するためのスラストベアリングとを含むことが開示されている。
実開昭63−80361号公報においては、ロックアップ式トルクコンバータにおいて、タービンランナおよびワンウェイクラッチ間のスラスト受け部をスラストワッシャで構成し、このスラストワッシャとタービンランナおよびワンウェイクラッチとの摺接部に、ロックアップ制御室の作動流体を導く潤滑路を設けたロックアップ式トルクコンバータのスラスト軸受装置が開示されている。
特開2004−132526号公報 実開昭63−80361号公報
トルクコンバータなどの動力伝達装置においては、ポンプインペラとタービンランナとが互いに対向するように配置され、ポンプインペラとタービンランナとの間に作動流体が配置される。ポンプインペラには駆動装置の駆動力が入力される。ポンプインペラが回転することにより、タービンランナに向かって作動流体が流れ、タービンランナが回転する。タービンランナは、動力伝達装置の出力軸に接続されている。タービンランナが回転することにより、出力軸が回転する。
ポンプインペラとタービンランナとの間にはステータが配置されている。ステータは、たとえば、ワンウェイクラッチを介して固定軸に固定されている。ワンウェイクラッチは、ポンプインペラを支持するポンプインペラ支持部材と、タービンランナを支持するためのタービンランナ支持部材との間に配置されている。このため、ワンウェイクラッチとポンプインペラとの間、およびワンウェイクラッチとタービンランナとの間にはスラストベアリングが配置される。
上記の実開昭63−80361号公報においては、タービンランナを支持するためのタービンランナ支持部材とワンウェイクラッチとの間にスラストワッシャを配置して、このスラストワッシャに作動流体を供給することが開示されている。しかしながら、この構造においても、スラストワッシャの両側の表面に荷重がかかった結果、抵抗が生じるという問題があった。すなわち、摺動抵抗が生じるため、トルクコンバータの性能が低下するという問題があった。
本発明は、駆動するときの抵抗が小さい動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく一の局面における動力伝達装置は、駆動装置の駆動力を入力するためのポンプインペラと、上記ポンプインペラと対向するように配置されているタービンランナとを備える。駆動力を出力するための出力シャフトを備える。上記ポンプインペラと上記タービンランナとの間に配置されているステータを備える。上記ステータを支持するためのステータ支持部材を備える。上記タービンランナを支持するためのタービンランナ支持部材を備える。上記出力シャフトは、上記タービンランナ支持部材と係合する第1の係合部を有する。上記第1の係合部は、上記タービンランナ支持部材と嵌合するように形成された凸部を有する。上記第1の係合部は、上記出力シャフトを側方から見たときに、上記凸部の延びる方向が上記出力シャフトの回転軸に対して傾斜するように形成されている。上記凸部の傾斜する向きは、上記駆動装置の上記駆動力が入力されているときに、上記タービンランナ支持部材が上記ステータ支持部材から離れる向きに力が作用するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記タービンランナ支持部材と上記ステータ支持部材との間に配置されている第1のワッシャを備える。上記第1のワッシャにより、上記タービンランナ支持部材と上記ステータ支持部材との間の距離が定められている。
本発明に基づく他の局面における動力伝達装置は、駆動装置の駆動力を入力するためのポンプインペラと、上記ポンプインペラと対向するように配置されているタービンランナとを備える。上記ポンプインペラと上記タービンランナとの間に配置されているステータを備える。上記ステータを支持するためのステータ支持部材を備える。上記ポンプインペラを支持するためのポンプインペラ支持部材を備える。上記ステータ支持部材を支持するための固定シャフトを備える。上記固定シャフトは、上記ステータ支持部材と係合する第2の係合部を有する。上記第2の係合部は、上記ステータ支持部材と嵌合するように形成された凸部を有する。上記第2の係合部は、上記固定シャフトを側方から見たときに上記凸部の延びる方向が上記ステータの回転軸に対して傾斜するように形成されている。上記凸部の傾斜する向きは、上記駆動装置の上記駆動力が入力されているときに、上記ステータ支持部材が上記ポンプインペラ支持部材から離れる向きに力が作用するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記ポンプインペラ支持部材と上記ステータ支持部材との間に配置されている第2のワッシャを備える。上記第2のワッシャにより、上記ポンプインペラ支持部材と上記ステータ支持部材との距離が定められている。
本発明によれば、駆動するときの抵抗が小さい動力伝達装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図5を参照して、実施の形態1における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に搭載されるトルクコンバータである。トルクコンバータは、エンジンなどの駆動装置の駆動力を変速機などに伝達する機能を有する。
図1は、本実施の形態におけるトルクコンバータの概略断面図である。図1の紙面の左側にエンジンが配置され、図1の紙面の右側に変速機が配置される。
トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフトから変速機のインプットシャフト6にトルクを伝達する。本実施の形態において、トルクコンバータの駆動力を出力するための出力シャフトは、変速機のインプットシャフトになっている。
本実施の形態においては、変速機のインプットシャフト6の回転軸がトルクコンバータ1の回転軸80となる。本実施の形態においては、エンジンの回転力がフロントカバー3に入力されることにより、矢印90に示す向きにフロントカバー3が回転する。フロントカバー3の回転力が伝達され、矢印91に示す向きに変速機のインプットシャフト6が回転する。
トルクコンバータ1は、3個の羽根車として、タービンランナ40、ポンプインペラ30を備える。トルクコンバータ1は、ステータ23を備える。トルクコンバータ1は、ロックアップ機構70を備える。
トルクコンバータ1のエンジン側には円盤形状のフロントカバー3が配置されている。フロントカバー3は、回転軸から外側に延びるように、すなわちラジアル方向に延びるように形成されている。フロントカバー3は、トルクコンバータ1の前面筐体として作用する。
フロントカバー3には、ポンプシェル33が固定されている。フロントカバー3とポンプシェル33とにより所定の空間が形成されている。この空間内には、トルクコンバータ1のさまざまな要素が配置されている。フロントカバー3とポンプシェル33とで取囲まれる空間はほぼ密閉された空間である。この空間内には、作動流体としてのオートマチックトランスミッションフルード(ATF)が封入されている。
ポンプインペラ30は、ポンプシェル33を含む。ポンプシェル33は、ポンプインペラ30の外側の構成部材である。エンジンからフロントカバー3に動力が入力されるとフロントカバー3が回転して、この回転力がポンプシェル33に伝達される。
ポンプインペラ30は、回転軸80を中心として回転することが可能である。ポンプインペラ30は、作動流体をタービンランナ40へ向かって押し出すような形状のブレード31を有する。ポンプインペラ30が回転することにより、ポンプインペラ30近傍の作動流体はブレード31によりタービンランナ40へ向かって押し出される。ポンプインペラ30は、ポンプインペラ支持部材34に支持されている。
ステータ23は、タービンランナ40からポンプインペラ30へ戻る作動流体の流れを整流するための羽根である。ステータ23は、樹脂またはアルミニウム合金などにより構成される。ステータ23は、ポンプインペラ30とタービンランナ40との間に配置されている。ステータ23は、タービンランナ40からポンプインペラ30へ流れる作動流体の流れ方向を変える働きをする。
本実施の形態におけるトルクコンバータ1は、ステータ23を支持するためのステータ支持部材としてのワンウェイクラッチ51を備える。ステータ23は、ワンウェイクラッチ51を介して固定シャフト39に取付けられている。固定シャフト39は、回転せずに固定されている。ワンウェイクラッチ51は、ステータ23が、一方向にのみ回転するように形成されている。ワンウェイクラッチ51としては、ローラ、スプラグまたはラチェット等を用いる構造を採用することができる。本実施の形態におけるワンウェイクラッチ51は、スプラグ56を含む。
タービンランナ40は、作動流体を循環させる空間を形成するタービンシェル43を含む。タービンランナ40は、ポンプインペラ30と向かい合うように配置されている。タービンランナ40には、ポンプインペラ30からの作動流体を受けて回転する形状のブレード41を含む。タービンランナ40は、矢印92に示すように、ポンプインペラ30が送り出す作動流体を受取り、この作動流体により回転力が付与される。タービンランナ40に送られた作動流体は、内周側へ移動してステータ23を介して、ポンプインペラ30へ送られる。タービンランナ40は、ポンプインペラ30と別個独立に回転することが可能である。
ポンプインペラ30は、フロントカバー3と一体回転するのに対し、タービンランナ40はロックアップピストン4と一体的に回転する。タービンシェル43と接触するように伝達部材77が配置されている。伝達部材77は、リベットまたはボルトなどの締結具でタービンシェル43と一体化されている。伝達部材77は、タービンシェル43と共に回転する。
タービンランナ40は、タービンランナ支持部材としてのタービンハブ7に支持されている。伝達部材77およびタービンシェル43は、共にタービンハブ7に固定されている。伝達部材77およびタービンシェル43は、タービンハブ7と共にインプットシャフト6を回転軸として回転することが可能である。
タービンハブ7は、インプットシャフト6にスプラインで嵌合している。タービンハブ7は、インプットシャフト6の外周面に配置されている。タービンハブ7は、インプットシャフト6とタービンランナ40とを接続する。タービンハブ7は、タービンランナ40に入力された回転力をインプットシャフト6へ伝える働きをする。
トルクコンバータのトルク増幅作用が必要なときには、矢印92に示すように流れる作動流体により、タービンランナ40が回転する。タービンランナ40の回転力は、タービンハブ7を介してインプットシャフト6に伝達される。
次に、ロックアップ機構70について説明する。ロックアップ機構70は、フロントカバー3の回転力をインプットシャフト6に直接的に伝えるための装置である。ロックアップ機構70は、摩擦部材としてのフェーシング76を含む。フェーシング76がフロントカバー3の内周面に接触することによりフロントカバー3の回転力がインプットシャフト6に伝えられる。ロックアップ機構70は、フェーシング76を取り付けるためのロックアップピストン4を有する。
ロックアップピストン4は、インプットシャフト6の軸方向に移動することができるように形成されている。ロックアップピストン4は、フェーシング76がフロントカバー3に当接することを可能にしている。ロックアップピストン4は回転の半径方向(ラジアル方向)に向かって延びる円盤形状に形成されている。ロックアップピストン4は、フロントカバー3に向かい合うように配置されている。フェーシング76は、ロックアップピストン4の外周側に配置されている。ロックアップピストン4は、タービンハブ7に固定されている。
本実施の形態においては、フロントカバー3とロックアップピストン4との間の空間が第一油圧室10aである。また、ロックアップピストン4と伝達部材77との間の空間が第二油圧室10bである。それぞれの第一および第二油圧室10a,10bには作動流体が満たされている。第一および第二油圧室10a,10bの油圧を変更することにより、ロックアップピストン4をフロントカバー3に近づく方向およびフロントカバー3から遠ざかる方向に移動させることが可能である。
ロックアップ機構70には、ロックアップダンパ74が設けられている。ロックアップダンパ74は、入力変動を緩和する役割を果たす。ロックアップダンパ74は、ばね部材を含む。ロックアップダンパ74は、トルクが加わるとばね部材の作用により変動を和らげる働きを有する。ロックアップダンパ74は、ロックアップピストン4と伝達部材77との間に配置されている。
ロックアップ機構70の動作について説明すると、トルクコンバータ1のトルク増幅作用を必要としないときには、フェーシング76をフロントカバー3に直接接触させることにより、フロントカバー3の回転力をインプットシャフト6に直接伝える。具体的には、第一油圧室10aの作動流体をインプットシャフト6に形成されている貫通孔6hを介して放出する。これにより、第一油圧室10aの油圧は、第二油圧室10bの油圧よりも低くなる。その結果、ロックアップピストン4が、フロントカバー3へ近づく方向に移動する。フェーシング76は、フロントカバー3に接触する。これにより、フロントカバー3の動力がフェーシング76、ロックアップピストン4およびタービンハブ7を介してインプットシャフト6へ伝えられる。この状態では、トルクコンバータ1による動力の損失を回避できる。
トルクコンバータ1のトルク増幅作用が必要な場合には、貫通孔6hを介して第一油圧室10aに作動流体を送り込む。これにより、第一油圧室10aの圧力が高くなる。ロックアップピストン4は、フロントカバー3から遠ざかる方向へ押し戻される。フロントカバー3とフェーシング76との間に隙間が生じる。この状態では、フロントカバー3の回転力がフェーシング76に直接伝えられることを回避できる。
ステータ23は、ワンウェイクラッチ51を介して、固定シャフト39に支持されている。ワンウェイクラッチ51は、ステータ23の内周面に配置されている。本実施の形態におけるワンウェイクラッチ51は、アウタレース52とインナレース55とスプラグ56とを含む。
アウタレース52とインナレース55との間には、複数のスプラグ56が配置されている。さらに、アウタレース52とインナレース55との間には、エンドベアリング54が配置されている。エンドベアリング54は、アウタレース52とインナレース55との間隔を一定に保持する。さらにエンドベアリング54は、スプラグ56が移動することを規制する。アウタレース52の両端面には、スラストベアリングレース53が隣接するように配置されている。スラストベアリングレース53は、エンドベアリング54およびインナレース55の移動を規制する。
ワンウェイクラッチ51の変速機側の側面には、スラストベアリング61が配置されている。スラストベアリング61は、ワンウェイクラッチ51とポンプインペラ支持部材34との間の介在部材として、ワンウェイクラッチ51とポンプインペラ支持部材34との距離を定める。スラストベアリングレース53の表面は、ベアリングの転動体(ころ、またはボールなど)が滑らかに転がるように表面加工あるいは表面処理が施されている。スラストベアリング61は、スラストベアリングレース53に隣接するように配置されている。
本実施の形態においては、ワンウェイクラッチ51のエンジン側の側面には、第1のワッシャとしてのワッシャ62が配置されている。タービンハブ7とワンウェイクラッチ51との間には、タービンハブ7とワンウェイクラッチ51との距離を定める介在部材として、ワッシャ62が配置されている。
図2に、本実施の形態におけるインプットシャフトの先端の概略斜視図を示す。インプットシャフト6は、円筒状に形成されている。インプットシャフト6の先端には、第1の係合部としてのスプライン部6aが形成されている。スプライン部6aは、複数の凸部を有する。スプライン部6aは、タービンハブ7とスプライン嵌合するように形成されている。
タービンハブ7の嵌合面においては、インプットシャフト6のスプライン部6aと嵌合するように、スプライン部が形成されている。本実施の形態におけるスプライン部6aは、捩れ角を有するように形成されている。
図3に、本実施の形態におけるインプットシャフトの先端の側面図を示す。図1および図3を参照して、スプライン部6aは、側方から見たときに、凸部の延びる方向が、インプットシャフト6の回転軸に対して傾斜するように形成されている。
図1から図3を参照して、スプライン部6aは、エンジンの駆動力が入力されているときに、矢印93に示すタービンハブ7がワンウェイクラッチ51から離れる向きに力が作用するように形成されている。たとえば、エンジンの回転数が上昇しているとき、または、エンジンの回転数が定速の時に、タービンハブ7に対して、ワンウェイクラッチ51から離れる向きに力が作用する。
エンジンの駆動力が入力されているときには、矢印92に示す向きに作動流体が流れる。このときに、タービンランナ40に対してポンプインペラ30に近づく向きに力が作用する。すなわち、タービンランナ40は、矢印94に示す向きに移動しようとする。このように、タービンランナ40には、インプットシャフト6の回転軸に沿う方向の力が作用する。しかしながら、本実施の形態においては、インプットシャフト6とタービンハブ7とが、傾斜する凸部を有するスプラインにより嵌合しているため、この力を打消す向きに力が作用する。すなわち、矢印93に示す向きに力が作用する。
このため、ワンウェイクラッチ51とタービンハブ7との距離を定めるための介在部材に力が加わることを抑制することができる。この結果、ワンウェイクラッチ51と介在部材、またはタービンハブ7と介在部材の摺動抵抗を低減することができ、トルクコンバータの性能を向上することができる。
また、ワンウェイクラッチ51とタービンハブ7との間に配置する介在部材として、スラストベアリングを用いる必要がなく、ワッシャ62を配置することができる。介在部材として、ワッシャを用いても摺動抵抗を小さくすることができる。また、ワッシャの摩耗を抑制することができる。このように本実施の形態におけるトルクコンバータは、構造が複雑で高価なスラストベアリングを用いる必要がなく、構成を簡易にすることができる。
ワンウェイクラッチ51とタービンハブ7との間の介在部材として、スラストベアリングが配置されている場合においても、スラストベアリングに加わる荷重を小さくすることができ、回転するときの抵抗をより小さくすることができる。
次に、本実施の形態におけるスプライン部の凸部の捩れ角度について説明する。図3を参照して、本実施の形態におけるスプライン部6aの凸部は、捩れ角θにて延びている。
図4は、タービントルクとスラスト方向にかかるスラスト荷重との関係を示すグラフである。横軸はタービントルクを示し、縦軸は軸方向に作用するスラスト荷重を示す。図4に示すように、タービントルクとスラスト荷重とは比例関係を有する。
ここで、タービントルクをTtとしたときに、軸方向のスラスト荷重Fは、以下の式(1)で与えられる。
F=a×Tt・・・(1)
ここで、aは比例定数である。
図5に、インプットシャフトのスプライン部の概略断面図を示す。矢印95に示す長さは、スプライン部6aの凸部の中点同士を結ぶ線である。この径の大きさは、PCD(ピッチ円直径)と言われる。スプライン部6aのPCDをDとしたときに、捩れ角θの上限は、次式で表される。
tanθ=F/(Tt(D/2))・・・(2)
スプライン部は、上記の式(2)で示される捩れ角θ以下の角度でも、スラスト荷重を低減する効果を有する。上記の捩れ角θを有するスプライン部を形成することにより、それぞれのタービントルクにおいてスラスト荷重を相殺することができる。この結果、ワンウェイクラッチとタービンハブとの間に配置するワッシャに印加されるスラスト荷重を最小にすることができる。この結果、たとえば、ワッシャの磨耗をより抑制することができ、トルクコンバータの性能低下をより抑制することができる。
また、本実施の形態においては、フロントカバー3とタービンハブ7との間に、スラストベアリング63が配置されている。エンジンの駆動力が入力されていないときには、タービンハブ7に対して、矢印93に示す向きに力が加わる。すなわち、タービンハブ7に対して、フロントカバー3に向かう力が作用する。しかしながら、本実施の形態においては、インプットシャフト6とタービンハブ7とが、捩れ角を有するスプラインにより嵌合されているために、エンジンの駆動力が入力されないときには、矢印94に示す向きにタービンハブ7に力が作用する。このため、タービンハブ7がフロントカバー3に近づくことを抑制することができる。この結果、スラストベアリング63を排除することができる。または、スラストベアリング63をワッシャに置換えることができる。
本実施の形態においては、動力伝達装置のうち、自動車の変速機に接続されるトルクコンバータを例に挙げて説明したが、この形態に限られず、任意の動力伝達装置に本発明を適用することができる。
(実施の形態2)
図6および図7を参照して、本実施の形態における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に搭載されるトルクコンバータである。
図6は、本実施の形態におけるトルクコンバータの概略断面図である。本実施の形態におけるトルクコンバータ2は、ステータ支持部材としてのワンウェイクラッチ51と固定シャフト39とがスプラインで嵌合されている。
固定シャフト39は、ワンウェイクラッチ51とスプライン嵌合するように形成された第2の係合部としてのスプライン部39aを有する。本実施の形態における固定シャフト39の軸は、トルクコンバータ2の回転軸80と同じである。
ワンウェイクラッチ51の内面には、固定シャフト39のスプライン部39aと嵌合するようにスプライン部が形成されている。本実施の形態においては、インナレース55の内面にスプライン部が形成されている。
本実施の形態においては、ワンウェイクラッチ51とタービンハブ7との間には、介在部材であるスラストベアリング65が配置されている。ワンウェイクラッチ51とポンプインペラ支持部材34との間には、介在部材である第2のワッシャとしてのワッシャ64が配置されている。
図7に、本実施の形態における固定シャフト39の先端の概略斜視図を示す。本実施の形態における固定シャフト39は、円筒状に形成されている。スプライン部39aは、固定シャフト39の軸方向に沿って延びるように形成されている。スプライン部39aは、複数の凸部を有する。
図6および図7を参照して、スプライン部39aの複数の凸部は、固定シャフト39を側方から見たときに、延びる方向が固定シャフトの軸方向に対して傾斜するように形成されている。スプライン部39aは、エンジンの駆動力が入力されているときに、ワンウェイクラッチ51がポンプインペラ支持部材34から離れる向きに力が加わるように形成されている。すなわち、スプライン部39aは、エンジンの駆動力が入力されているときに、ワンウェイクラッチ51に対して、矢印93に示す向きに力が作用するように形成されている。
エンジンの駆動力が入力されているときには、矢印92に示すように、ポンプインペラ30からタービンランナ40に向かって作動流体が流れる。ステータ23は、ワンウェイクラッチ51の作用により、ポンプインペラ30の回転数が低いときには回転せずに固定状態である。一方で、ステータ23は、ポンプインペラ30の回転数が高いときには、エンジンの回転する向きと同じ向きに回転する回転状態である。ステータ23が固定状態および回転状態のいずれの状態においても、ステータ23には、矢印94に示す向きに力が作用する。ワンウェイクラッチ51には、ポンプインペラ支持部材34に向かう向きに力が作用する。
しかしながら、固定シャフト39とワンウェイクラッチ51とが、傾斜する凸部を有するスプライン部により嵌合されていることにより、この力とスプライン嵌合による力との少なくとも一部が相殺される。このため、ワンウェイクラッチ51とポンプインペラ支持部材34との間に介在する介在部材に加わる力を小さくすることができる。この結果、介在部材の表面における摺動抵抗を低減することができ、トルクコンバータの性能を向上することができる。また、本実施の形態のように、ワンウェイクラッチ51とポンプインペラ支持部材34との間の介在部材として、スラストベアリングの代わりにワッシャ64を配置することができる。
本実施の形態においては、ワンウェイクラッチとタービンハブとの間にスラストベアリングが配置されているが、この形態に限られず、実施の形態1に示したように、インプットシャフトとタービンハブとを凸部が傾斜するスプラインにより嵌合して、ワンウェイクラッチとタービンハブとの間にワッシャを配置しても構わない。さらに、フロントカバーとタービンハブとの間に配置されているスラストベアリングを排除したり、スラストベアリングに代えてワッシャを配置したりしても構わない。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰り返さない。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
実施の形態1におけるトルクコンバータの概略断面図である。 実施の形態1におけるインプットシャフトの先端の概略斜視図である。 実施の形態1におけるインプットシャフトの先端の概略側面図である。 実施の形態1におけるタービントルクとスラスト荷重との関係を説明するグラフである。 スプラインのPCDを説明する概略断面図である。 実施の形態2におけるトルクコンバータの概略断面図である。 実施の形態2における固定シャフトの先端の概略斜視図である。
符号の説明
1,2 トルクコンバータ、3 フロントカバー、4 ロックアップピストン、6 インプットシャフト、6a スプライン部、6h 貫通孔、7 タービンハブ、10a 第一油圧室、10b 第二油圧室、23 ステータ、30 ポンプインペラ、31 ブレード、33 ポンプシェル、34 ポンプインペラ支持部材、39 固定シャフト、39a スプライン部、40 タービンランナ、41 ブレード、43 タービンシェル、51 ワンウェイクラッチ、52 アウタレース、53 スラストベアリングレース、54 エンドベアリング、55 インナレース、56 スプラグ、61,63,65 スラストベアリング、62,64 ワッシャ、70 ロックアップ機構、74 ロックアップダンパ、76 フェーシング、77 伝達部材、80 回転軸、90〜95 矢印。

Claims (4)

  1. 駆動装置の駆動力を入力するためのポンプインペラと、
    前記ポンプインペラと対向するように配置されているタービンランナと、
    駆動力を出力するための出力シャフトと、
    前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に配置されているステータと、
    前記ステータを支持するためのステータ支持部材と、
    前記タービンランナを支持するためのタービンランナ支持部材と
    を備え、
    前記出力シャフトは、前記タービンランナ支持部材と係合する第1の係合部を有し、
    前記第1の係合部は、前記タービンランナ支持部材と嵌合するように形成された凸部を有し、
    前記第1の係合部は、前記出力シャフトを側方から見たときに、前記凸部の延びる方向が前記出力シャフトの回転軸に対して傾斜するように形成され、
    前記凸部の傾斜する向きは、前記駆動装置の前記駆動力が入力されているときに、前記タービンランナ支持部材が前記ステータ支持部材から離れる向きに力が作用するように形成されている、動力伝達装置。
  2. 前記タービンランナ支持部材と前記ステータ支持部材との間に配置されている第1のワッシャを備え、
    前記第1のワッシャにより、前記タービンランナ支持部材と前記ステータ支持部材との間の距離が定められている、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 駆動装置の駆動力を入力するためのポンプインペラと、
    前記ポンプインペラと対向するように配置されているタービンランナと、
    前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に配置されているステータと、
    前記ステータを支持するためのステータ支持部材と、
    前記ポンプインペラを支持するためのポンプインペラ支持部材と、
    前記ステータ支持部材を支持するための固定シャフトと
    を備え、
    前記固定シャフトは、前記ステータ支持部材と係合する第2の係合部を有し、
    前記第2の係合部は、前記ステータ支持部材と嵌合するように形成された凸部を有し、
    前記第2の係合部は、前記固定シャフトを側方から見たときに前記凸部の延びる方向が前記ステータの回転軸に対して傾斜するように形成され、
    前記凸部の傾斜する向きは、前記駆動装置の前記駆動力が入力されているときに、前記ステータ支持部材が前記ポンプインペラ支持部材から離れる向きに力が作用するように形成されている、動力伝達装置。
  4. 前記ポンプインペラ支持部材と前記ステータ支持部材との間に配置されている第2のワッシャを備え、
    前記第2のワッシャにより、前記ポンプインペラ支持部材と前記ステータ支持部材との距離が定められている、請求項3に記載の動力伝達装置。
JP2007000108A 2007-01-04 2007-01-04 動力伝達装置 Expired - Fee Related JP4935360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007000108A JP4935360B2 (ja) 2007-01-04 2007-01-04 動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007000108A JP4935360B2 (ja) 2007-01-04 2007-01-04 動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008164147A true JP2008164147A (ja) 2008-07-17
JP4935360B2 JP4935360B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=39693880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007000108A Expired - Fee Related JP4935360B2 (ja) 2007-01-04 2007-01-04 動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4935360B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286064A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Yutaka Giken Co Ltd 流体継手及び除雪機

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6380361A (ja) * 1986-09-25 1988-04-11 Ricoh Co Ltd 言語情報処理装置
JPH01133559A (ja) * 1987-11-18 1989-05-25 Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp ナトリウムタンク用電磁ポンプ装置
JP2004239335A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Fuji Heavy Ind Ltd 変速機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6380361A (ja) * 1986-09-25 1988-04-11 Ricoh Co Ltd 言語情報処理装置
JPH01133559A (ja) * 1987-11-18 1989-05-25 Power Reactor & Nuclear Fuel Dev Corp ナトリウムタンク用電磁ポンプ装置
JP2004239335A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Fuji Heavy Ind Ltd 変速機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286064A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Yutaka Giken Co Ltd 流体継手及び除雪機

Also Published As

Publication number Publication date
JP4935360B2 (ja) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4935006B2 (ja) 流体伝動装置
JP4281771B2 (ja) トルクコンバータのステータ支持装置
JP4691932B2 (ja) 自動変速機のクラッチ装置
JP4929947B2 (ja) トルクコンバータ
US7036306B2 (en) One-way clutch
JP4788545B2 (ja) トルクコンバータ
JP4944459B2 (ja) 流体伝動装置のロックアップクラッチ
JP4873539B2 (ja) トルクコンバータ内蔵されるステータへのスラストレースの取付け構造
US5881556A (en) Stator and stator support structure for torque convertor
JP4935360B2 (ja) 動力伝達装置
WO2012023240A1 (en) Torque converter
JP5733390B2 (ja) 車両用トルクコンバータ
JP4946940B2 (ja) 動力伝達装置
US7832536B2 (en) Supporting structure for a one-way clutch
JP2009008139A (ja) ラジアル針状ころ軸受
JP5123892B2 (ja) トルクコンバータ
JP2006183707A (ja) 遊星歯車装置
JP4414206B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP2005308098A (ja) 流体伝動装置
JP4414203B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP4414205B2 (ja) 車両用動力伝達装置
WO2012144009A1 (ja) 車両用トルクコンバータ
JP4414204B2 (ja) 車両用動力伝達装置
KR100574394B1 (ko) 토크 컨버터
JP2005188618A (ja) 流体継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees