JP2010275885A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮行程で気筒内へ燃料を噴射して成層燃焼を実施する筒内噴射式火花点火内燃機関において、燃料噴射時の筒内壁面への燃料付着を抑制することで排ガス性状を改善するとともに、点火時点で成層燃焼を実施するのに良好な混合気を形成することを可能とする。
【解決手段】マルチホールインジェクタ6の取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、および噴口配置角度θPの設定により、マルチホールインジェクタ6より噴射される燃料噴霧の自身運動エネルギーによる噴霧到達距離が、筒内に形成される縦旋回主流の内部領域となるように燃料を噴射する。
【選択図】図1

Description

この発明は筒内噴射式火花点火内燃機関に関するものである。
筒内噴射式火花点火内燃機関では、吸気行程で気筒内に直接燃料を噴射することにより、気筒内に均質な混合気を形成して均質燃焼を実施するものや、圧縮行程で気筒内に直接燃料を噴射することにより、点火時点において点火プラグ近傍だけに着火性の良好な可燃混合気を形成し、気筒内全体としては希薄な混合気の燃焼を可能とする成層燃焼を実施するものがある。
成層燃焼を良好に実施するには、圧縮行程で噴射された燃料噴霧を点火時期までの短い期間で十分に気化させるとともに、燃料噴霧および混合気を点火プラグ近傍にのみ集め、燃焼室内に広く拡散させないことが重要である。
これに対して、従来の筒内噴射式火花点火内燃機関の中には、成層燃焼時に、吸気行程で燃焼室に形成された筒内縦旋回主流方向に対して燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧が正対して衝突する設定とすることで、燃料噴霧と流動の相対速度が最大となり、燃料が微粒化されると共に流体摩擦を最大限に利用できることにより燃料噴霧の気化および可燃混合気の形成が促進され、しかも、ピストンの冠面に設けた燃料の噴射軸線に対して左右方向への拡散を抑制する一対の立壁により燃料噴霧の拡散を抑制し、局所的な可燃混合気を形成することで良好な成層燃焼を可能とするものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−104550号公報(4〜5頁、図1)
しかしながら、従来の筒内噴射式火花点火内燃機関にあっては、前述のように筒内縦旋回主流と燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧が正対して衝突するように設定されているため、相対速度の増大により燃料噴霧の気化が促進される一方で、燃料噴霧は筒内縦旋回主流による反対向きの力を受けて、その運動方向が変わりやすく、衝突後の燃料噴霧は様々な方向に飛散しやすい。
この時、筒内縦旋回主流と燃料噴霧が衝突する位置の左右近傍には、燃料噴霧の拡散を抑制する一対の立壁が設けてあるため、飛散した燃料噴霧は、十分に気化されないうちに立壁壁面に衝突、液膜を形成する。
上記立壁壁面を含め、シリンダ壁面やピストン冠面に形成された液膜は、燃焼時においてスモークや未燃炭化水素の発生要因となると共に、付着した燃料が筒内壁面にデポジットとして堆積することにより、燃焼効率が低下し、燃料消費率が悪化する。
したがって、成層燃焼に際して、今後一層厳しくなる排ガス規制に対応するためには、点火プラグ近傍に良好な可燃混合気を形成することによる燃焼改善に加えて、シリンダ壁面やピストン冠面への燃料付着を抑制することが必要である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、燃料噴射時のシリンダ壁面やピストン冠面への燃料付着を抑制することで排ガス性状を改善するとともに、点火時点で成層燃焼を実施するのに良好な混合気を形成することを目的とする。
この発明における筒内噴射式火花点火内燃機関においては、複数の噴口から筒内に直接燃料を噴射するマルチホールインジェクタを備えており、成層燃焼に際して前記マルチホールインジェクタの取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、および噴口配置角度θPの設定により、マルチホールインジェクタより噴射される燃料噴霧の自身運動エネルギーによる噴霧到達距離が、筒内に形成される縦旋回主流の内部領域となるように燃料を噴射することを特徴とする。
この発明における筒内噴射式火花点火内燃機関では、圧縮行程においてマルチホールインジェクタより噴射される燃料噴霧は噴射直後に筒内に形成される縦旋回主流と衝突するが、噴射直後における燃料噴霧の運動エネルギーは流動に比べて相対的に大きく、かつ燃料噴霧の運動方向と縦旋回主流の運動方向はほぼ直交し、瞬間的な影響しか受けないことから、燃料噴霧の運動方向と縦旋回主流の運動方向とが正対する場合と異なり、燃料噴霧の運動方向は大きく変わらない。その結果、燃料噴霧は縦旋回主流との衝突により筒内に飛散しないため、シリンダ壁面やピストン冠面への燃料付着を抑制できる。
また、マルチホールインジェクタより噴射された燃料噴霧は、上記のように運動方向を大きく変えられずに縦旋回主流内部に入り、その内部領域で運動エネルギーを失う。このとき縦旋回主流内部には、縦旋回主流と中心を同一とする旋回半径の小さな同様の旋回流が生じているため、運動エネルギーを失った燃料噴霧はこの旋回流に乗って移動し、縦旋回主流内部を旋回浮遊する。したがって、マルチホールインジェクタから噴射された燃料噴霧は縦旋回主流内部領域に保持され外部領域に飛散しないため、燃料噴霧がシリンダ壁面に衝突、付着することを抑制でき、成層燃焼時の排ガス性状を改善することができる。
さらに縦旋回主流内部領域に保持された燃料噴霧は旋回流により生じる流動乱れにより微粒化され、蒸発が促進すると共に、旋回流が燃料噴霧および混合気を縦旋回主流内部領域で攪拌するため、混合気の濃度ムラが軽減され、成層度の高い安定的な混合気を形成することができる。
このように形成された成層度の高い安定的な混合気は、筒内圧縮におけるピストン上昇に伴い筒内上部に押し上げられ、点火時期においては点火プラグ近傍に混合気が配されることになるため、安定した成層燃焼を行うことが可能となる。
この発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の実施形態を示す概略図。 マルチホールインジェクタの先端部分を示す拡大断面図。 この発明の実施形態におけるマルチホールインジェクタから噴射された燃料噴霧の概略縦断面図。 この発明の実施形態におけるマルチホールインジェクタ噴口プレートの噴口配置図。 圧縮行程において燃料を噴射した際の燃料噴射開始、燃料噴射終了クランク角におけるピストン冠面位置、縦旋回主流の概略形状を示す図。 マルチホールインジェクタの取り付け角度θIの設定方法を示す図。 マルチホールインジェクタの燃料噴霧傾き角θα、および燃料噴霧のペネトレーションの設定方法を示す図。 燃料噴霧のペネトレーションと噴口特性L/Dの関係を示す図。 燃料噴霧のペネトレーションと燃圧の関係を示す図。 噴口配置角度θPの設定方法を示す図。
図1はこの発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の実施形態を示す概略図である。図1において、1はシリンダ壁面、2はピストン、3はピストンの往復運動を回転運動に変えるためのクランクシャフト、4はクランクシャフトとピストンをつなぐコネクティングロッド、5はシリンダヘッドを示している。
シリンダヘッド5には、複数の噴口から筒内に直接燃料を噴射するマルチホールインジェクタ6が取り付け角度θIで取り付けられており、マルチホールインジェクタ6からの燃料噴射により筒内に燃料噴霧7が形成される。8はマルチホールインジェクタ6に供給する燃料の圧力を調整する燃圧制御手段であり、シリンダヘッド5の中心近傍には筒内に形成された混合気に点火するための点火プラグ9が設けてある。
シリンダヘッド5には、2つの吸気ポート10と2つの排気ポート11が設けてあり、吸気ポート10は吸気バルブ12を介して、排気ポート11は排気バルブ13を介して、それぞれ気筒内へ通じている。吸気ポート10は、吸気行程において吸気ポート10を介して気筒内へ供給された吸入新気が、気筒内の排気バルブ13側を下降して、気筒内の吸気バルブ12側を上昇する順タンブル方向の縦旋回主流14を形成するように設置してある。
吸気ポート10には、吸気ポートを上下に分割するための上下分離板15、上下分離板15によって分割された吸気ポート10の下部の開口面積を制御する流動制御バルブ16が設けてあり、流動制御バルブ16の開口面積をバルブ制御手段17により制御することで、上下分離板15の上部、下部をそれぞれ通過する吸入新気の流量割合を変更し、筒内に形成される縦旋回主流14の旋回力を調整できる。
例えば低エンジン回転数のように、吸入新気の流速が遅く、筒内に形成される縦旋回主流の旋回力が弱い条件では、流動制御バルブ16を閉じて上下分離板15の上部のみに吸入新気を通過させることで、吸入新気は吸気ポート10の上部側に偏流し、吸気バルブ上部から主に筒内に流入するため、筒内に形成される縦旋回主流14の旋回力を強めることができる。
なお、縦旋回主流14の内部には縦旋回主流14と中心を同一とし、旋回半径の小さな旋回流14aが形成されている。
図2は、マルチホールインジェクタ6の先端部分の拡大縦断面図である。ここでマルチホールインジェクタ6の先端部分は対称であるため、図2はマルチホールインジェクタ6の中心軸線18から左側部分のみを示している。図2において19はニードルであり、ニードル19は上下方向の移動によりバルブシート20と着座、および離座することで燃料通路21を遮蔽、および開口することができる。燃料噴射に際して、ニードル19が上方向へと移動し、燃料通路21が開口されると、バルブシート20と噴口プレート22の間に設けられた燃料キャビティ23に高圧の燃料が供給され、噴口プレート22に設けられた複数の噴口24を通して筒内へと噴射される。
図3は本実施形態におけるマルチホールインジェクタ6から噴射された燃料噴霧7の概略縦断面図である。各噴口から噴射される燃料噴霧7のマルチホールインジェクタ中心軸線18に対する傾きθαは、図2に示す噴口24の傾き角θNとほぼ一致するため、θNの設定によりθαが決まる。また燃料噴霧の自身運動エネルギーによる噴霧到達距離(以下、ペネトレーションという)Pは、図2に示す噴口長さLと噴口有効直径Dの比で表される噴口形状特性L/D、およびマルチホールインジェクタ6に供給する燃料の圧力(燃圧)により調整できる。
図4は本実施形態におけるマルチホールインジェクタ6において、噴口プレート22に設けられた複数の噴口24の配置を示したものである。ここで図4においてA−Aで示される断面が図2の縦断面に相当する。噴口24は、図4に示すように、縦断面A−Aを噴口24の中心Oを基準に±θPだけ回転させた範囲内に同心円上に設けてあり、燃料噴霧はOを中心として放射状に噴射されるため、噴口配置角度θPにより筒内水平方向の燃料噴霧の拡がりを調整できる。
この発明の実施形態における筒内噴射式火花点火内燃機関は以上のように構成されており、上述したマルチホールインジェクタ6の取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、および噴口配置角度θPの設定により、マルチホールインジェクタ6より噴射される燃料噴霧7のペネトレーションが、筒内に形成される縦旋回主流14の内部領域となるように燃料を噴射することを可能としている。
本実施形態によれば、図1に示すように、圧縮行程においてマルチホールインジェクタ6より噴射された燃料噴霧7は筒内に形成されている縦旋回主流14の内部領域で運動エネルギーを失う。このとき縦旋回主流14内部には、縦旋回主流14と中心を同一とする旋回半径の小さな同様の旋回流14aが生じているため、運動エネルギーを失った燃料噴霧はこの旋回流14aに乗って移動し、縦旋回主流14内部を旋回浮遊する。したがって、マルチホールインジェクタ6から噴射された燃料噴霧7は縦旋回主流14内部領域に保持され外部領域に飛散しないため、燃料噴霧7がシリンダ壁面1に衝突、付着することを抑制でき、成層燃焼時の排ガス性状を改善することができる。
さらに、縦旋回主流14内部領域に保持された燃料噴霧7は旋回流14aにより生じる流動乱れにより微粒化され、蒸発が促進すると共に、旋回流14aが燃料噴霧7および混合気を縦旋回主流14内部領域で攪拌するため、混合気の濃度ムラが軽減され、成層度の高い安定的な混合気を形成することができる。その結果、安定した成層燃焼を行うことが可能となる。
なお、マルチホールインジェクタ6より噴射された燃料噴霧7は、図1に示すように、噴射直後に筒内に形成される縦旋回主流14と干渉することになるが、噴射直後における燃料噴霧7の運動エネルギーは流動に比べて相対的に大きく、かつ燃料噴霧7の運動方向と縦旋回主流14の運動方向はほぼ直交し、瞬間的な影響しか受けないことから、燃料噴霧7の運動方向は大きく変わらず、縦旋回主流14の内部領域に燃料噴霧7を噴射することが可能である。
次に、本実施形態におけるマルチホールインジェクタ6の取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、噴口配置角度θPの設定方法について、図5〜図9を用いて詳細に説明する。
図5は圧縮行程において燃料を噴射した際の燃料噴射開始クランク角、および燃料噴射終了クランク角におけるピストン冠面位置、縦旋回主流の概略形状を示したものである。図5において破線で示す2S、14Sはそれぞれ燃料噴射開始クランク角におけるピストン冠面位置、縦旋回主流の概略形状を示しており、実線で示す2F、14Fはそれぞれ燃料噴射終了クランク角におけるピストン冠面位置、縦旋回主流の概略形状を示している。
図5に示すように、燃料の噴射開始から噴射終了にかけて、筒内に形成される縦旋回主流はピストンの上昇と共に小さくなっていく。そのため、全噴射燃料を筒内に形成される縦旋回主流の内部領域に入れるためには、燃料噴射終了クランク角において筒内に形成されている縦旋回主流14Fの内部領域に向けて燃料を噴射する必要がある。したがってマルチホールインジェクタ6の取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、噴口配置角度θPの各設定値は、燃料噴射終了クランク角における縦旋回主流14Fを基準にして定める。
図6はマルチホールインジェクタ6の取り付け角度θIの設定方法を示す図であり、燃料噴射終了クランク角における筒内縦断面図を示している。圧縮行程においては、一般的に筒内のほぼ中心位置を中心とする縦旋回主流が形成されるため、燃料噴霧を縦旋回主流の内部領域に入れるためには、燃料噴射終了クランク角における筒内中心位置Cをマルチホールインジェクタ6の中心軸線18が通るようにマルチホールインジェクタ6の取り付け角度θIを定めると良い。bをシリンダ直径、dをコネクティングロッド長さ、eをクランク径、hを上死点におけるピストン冠面とシリンダヘッド5頂部の距離、zを上死点におけるピストン冠面位置を基準とするピストン冠面変位とすると、筒内中心位置Cは図6に示すように定まる。ここで、θRは燃料噴射終了クランク角 [deg](図6のように定義)とすると、zは式(1)で表される。
Figure 2010275885
マルチホールインジェクタ6の先端位置が上記筒内中心位置Cに対して、筒内水平方向にx、筒内垂直方向にyとなる位置にインジェクタが取り付けられる場合、マルチホールインジェクタ6の取り付け角度θIは式(2)で表される。
Figure 2010275885
次に、噴口24の傾き角θN、および噴口形状特性L/D、燃圧を定める。
図7はマルチホールインジェクタ6から噴射される燃料噴霧7の傾き角θα、および燃料噴霧のペネトレーションの設定方法を示す図であり、燃料噴射終了クランク角における筒内縦断面の概略図を示している。筒内に形成される縦旋回主流は一般的にピストン冠面とシリンダヘッド5頂部の間の距離の1/2以下とはならないため、燃料噴霧を縦旋回主流の内部領域に入れるためには、燃料噴射終了クランク角における筒内中心位置Cを中心とする半径(h+z)/4の円Sを想定し、噴口24から噴射される燃料噴霧7の中心軸線が円Sと接するようにθαを定めると良い。
ここで前述したように、マルチホールインジェクタ6の中心軸線18に対する燃料噴霧7の傾きθαは、噴口24の傾き角θNとほぼ等しくなる。したがって図7に示すように角度θIで取り付けられたマルチホールインジェクタ6の先端部と筒内中心位置Cの距離をmとすれば、噴口の傾き角θNは式(3)で表される。
Figure 2010275885
また、この時の燃料噴霧のペネトレーションPは、図7より式(4)で表すことができる。
Figure 2010275885
図8は燃料噴霧のペネトレーションPと噴口特性L/Dの関係を示すものであり、噴口特性L/Dを小さくすることで燃料噴霧のペネトレーションPを小さくできることを示している。また同様に図9は燃料噴霧のペネトレーションPと燃圧の関係を示すものであり、燃圧を調整することで燃料噴霧のペネトレーションを調整することができることを示している。
したがって,噴口特性L/Dと燃圧は、図8、図9を基に式(4)より得られた燃料噴霧のペネトレーションPとなるように設定する。ここで例えば、L/Dを2、燃圧を15MPaに設定すると燃料噴霧のペネトレーションは約50mmとすることができる。
図10は噴口配置角度θPの設定方法を示す図であり、筒内の概略上視図である。ここで25、26はそれぞれ、吸気バルブ12の中心軸を通る縦断面である。圧縮行程における縦旋回主流は、縦旋回流動を維持しやすい筒内中央部において一般的に形成される。そこで縦旋回流動が維持されやすい領域として、吸気バルブ中心縦断面25、26で挟まれる領域を想定し、燃料噴霧が上記領域に入るように燃料噴霧の筒内水平方向の拡がりを設定する。
図10に示すように吸気バルブの軸間距離をvとすると、図4より噴口配置角度θPは式(5)で表される。
Figure 2010275885
以上のように、この発明の筒内噴射式火花点火内燃機関によれば、マルチホールインジェクタの取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、および噴口配置角度θPの設定により、マルチホールインジェクタより噴射される燃料噴霧のペネトレーションが、筒内に形成される縦旋回主流の内部領域となるように燃料を噴射することを可能とし、シリンダ壁面やピストン冠面への燃料付着を抑制できて、排ガス性状を改善することができる。
1 シリンダ壁面、2 ピストン、3 クランクシャフト、4 コネクティングロッド、5 シリンダヘッド、6 マルチホールインジェクタ、7 燃料噴霧、8 燃圧制御手段、9 点火プラグ、10 吸気ポート、11 排気ポート、12 吸気バルブ、13 排気バルブ、14 縦旋回主流、14a 旋回流、15 上下分離板、16 流動制御バルブ、17 バルブ制御手段、18 マルチホールインジェクタ中心軸線、24 噴口、θ マルチホールインジェクタ取り付け角度。

Claims (5)

  1. 複数の噴口から筒内に直接燃料を噴射するマルチホールインジェクタを備えており、成層燃焼に際して前記マルチホールインジェクタは、燃料噴霧の自身運動エネルギーによる噴霧到達距離が、筒内に形成されている縦旋回主流の内部領域となるように燃料を噴射することを特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。
  2. 前記マルチホールインジェクタの取り付け角度θI、噴口の傾き角θN、噴口形状特性L/D、燃圧、噴口配置角度θPの設定により、噴霧到達距離が、筒内に形成されている縦旋回主流の内部領域となるようにした請求項1記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  3. 前記マルチホールインジェクタの燃料噴霧の運動方向と前記縦旋回主流の運動方向はほぼ直交していることを特徴とする請求項2記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  4. 燃料噴射終了クランク角における筒内中心位置をマルチホールインジェクタの中心軸線が通るようにマルチホールインジェクタの取り付け角度θIを定めたことを特徴とする請求項3記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  5. 上死点におけるピストン冠面とシリンダヘッド頂部の距離をh、上死点におけるピストン冠面位置を基準とするピストン冠面変位をzとしたとき、燃料噴射終了クランク角における筒内中心位置を中心とする半径(h+z)/4の円を想定し、噴口から噴射される燃料噴霧の中心軸線が前記円と接するように燃料噴霧の傾き角θαを定めるようにした請求項3記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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