JP2012159064A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンウェットに起因する種々の問題を解消する。
【解決手段】シリンダ2内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁4を備えた内燃機関1の制御装置は、ピストン7がないと仮定した場合に筒内噴射弁4から噴射された燃料噴霧Fの噴霧軸Pに沿った燃料噴霧の起点f1から終点f2までの第1距離Hと、噴霧軸に沿った燃料噴霧の起点からピストンまでの第2距離Lとの比L/Hであって、燃料噴射開始後1msの時点における比L/Hが0.5以上の所定値となるように、筒内噴射弁から燃料を噴射させる制御手段30を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の制御装置に係り、特に、シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁を備えた内燃機関の制御装置に関する。
シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁を備えた直噴式内燃機関が公知である。この内燃機関によれば、燃料の気化潜熱を利用してシリンダ内の吸気を直接冷却することができ、これを以て吸気の充填効率を向上し高出力化を図ると共に、ガソリンエンジンのような火花点火式内燃機関では耐ノック性を向上できる。
特開2004−218603号公報
ところで、直噴式内燃機関において、燃料をピストンに向けて斜め下向きに噴射するようにしたものにあっては、燃料噴霧がピストンに衝突したときにピストンが燃料で濡らされるというピストンウェットが発生する。このピストンウェットに起因して、PM(パティキュレートマター)粒子数の増加、体積効率ηvの低下、全開(WOT)性能の低下、燃焼変動の増大などの問題が懸念される。特に、ピストンがまだ十分暖まっていないエンジン暖機中において、PM粒子数増加の問題が一層懸念される。
そこで以上の事情に鑑みて本発明は創案され、その目的は、ピストンウェットに起因する種々の問題を解消することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の一形態によれば、
シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁を備えた内燃機関の制御装置であって、
ピストンがないと仮定した場合に前記筒内噴射弁から噴射された燃料噴霧の噴霧軸に沿った燃料噴霧の起点から終点までの第1距離Hと、前記噴霧軸に沿った燃料噴霧の起点からピストンまでの第2距離Lとの比L/Hであって、燃料噴射開始後1msの時点における前記比L/Hが0.5以上の所定値となるように、前記筒内噴射弁から燃料を噴射させる制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
好ましくは、前記筒内噴射弁は、平面視において前記燃料噴霧がなす第1角度が、側面視において前記燃料噴霧がなす第2角度より大きい扇形の燃料噴霧を噴射する。
好ましくは、前記制御手段は、前記筒内噴射弁からの燃料噴射を吸気行程中に開始させる。
好ましくは、前記制御手段は、前記筒内噴射弁からの燃料噴射開始時期を圧縮上死点前310°CA以降で且つ180°CA以前の所定時期とする。
好ましくは、前記内燃機関が、ピストンに冷却用オイルを噴射するためのオイルジェットを有し、
前記所定値が、前記オイルジェットを有しない内燃機関に対して設定された所定値よりも大きい値に設定されている。
本発明によれば、ピストンウェットに起因する種々の問題を解消することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置を示す概略側面断面図である。 内燃機関の概略平面断面図である。 噴射時期とPM粒子数の関係を示すグラフである。 所定時点距離比とPM粒子数の関係を示すグラフである。 噴射角と所定時点距離比の関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に、本実施形態にかかる内燃機関の制御装置を概略的に示す。図示される内燃機関(エンジン)1は直噴式かつ火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)であり、図には1気筒のみ示すが、実際には多気筒エンジンとして構成されている。エンジン1の用途は問わないが、例えば自動車用である。シリンダ2内の燃焼室3に燃料を直接噴射する筒内噴射弁4が気筒毎に設けられている。
エンジン1はシリンダブロック5とシリンダヘッド6を有し、シリンダブロック5にシリンダ2が画成されている。シリンダ2内にピストン7が昇降可能に収容され、ピストン7はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連結されている。シリンダ中心軸を図中Cで示す。
シリンダヘッド6は、シリンダ2を上方から塞ぐようにシリンダブロック5の頂部に締結され、シリンダブロック5とシリンダヘッド6の間にはガスケット8が介設されている。シリンダヘッド6には、1気筒当たりに二つずつ、吸気ポート9および排気ポート10と、吸気弁11および排気弁12とが設けられている。またシリンダヘッド6には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ13が気筒毎に設けられている。
図1はエンジンの側面視における断面を示し、これに対し図2はエンジンの平面視における断面を示す。前者はシリンダ中心軸Cに平行な断面であり、後者はシリンダ中心軸Cに垂直な断面である。
ここで図2に示す平面視において、シリンダ中心軸Cを原点とする直交座標を定義し、図の左右方向に延びる軸をX軸、図の上下方向に延びる軸をY軸とする。Y軸はクランクシャフトの中心軸に平行であり、X軸はY軸と直交する。Y軸を境に図の左側が吸気側、右側が排気側である。またX軸を境に図の上側を前、下側を後とする。なおシリンダ中心軸Cに沿った図1の上側(図2の紙面厚さ方向手前側)を上、図1の下側(図2の紙面厚さ方向奥側)を下とする。
図示されるように、概ねY軸を境とする吸気側に二つの吸気ポート9がX軸方向に沿って延設されている。そしてこれら吸気ポート9の出口を開閉する二つの吸気弁11が並列に配置されている。
同様に、概ねY軸を境とする排気側に二つの排気ポート10がX軸方向に沿って延設されている。そしてこれら排気ポート10の入口を開閉する二つの排気弁12が並列に配置されている。こうしてエンジン1は1気筒当たりに4バルブの構成とされる。
吸気ポート9の出口および吸気弁11は、排気ポート10の入口および排気弁12より大径とされ、これらの間の中間位置は、Y軸に対し排気側に若干オフセットされている。点火プラグ13も同様に、Y軸に対し排気側に若干オフセットされて配置されている。但し点火プラグ13の中心軸はシリンダ中心軸Cと平行であり、且つX軸上にある。
筒内噴射弁4が吸気ポート9の下側に略平行に配置され、シリンダヘッド6に取り付けられている。シリンダヘッド6に取付穴14が設けられ、この取付穴14に筒内噴射弁4が挿入固定されている。
筒内噴射弁4は斜め下向きに配置され、その噴孔4Aから斜め下向きに燃料を噴射するようになっている。つまり筒内噴射弁4はシリンダ2の上端側方からシリンダ2内に斜め下向きに燃料を噴射する。噴射された燃料は燃料噴霧Fを形成する。ピストン7の頂面部には、燃料噴霧Fを衝突させるための凹部15が形成されている。凹部15は、シリンダ中心軸Cに垂直な底面15Aと、底面15Aから起立する側面15Bとを有し、底面15Aに衝突した燃料噴霧Fを側面15Bに沿って巻き上げ、シリンダ2内に拡散させるようになっている。
筒内噴射弁4は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUという)30により通電(オン)されることで開弁し、燃料を噴射し、ECU30により非通電(オフ)とされることで閉弁し、燃料噴射を停止する。また点火プラグ13も、ECU30からの点火信号に基づいて点火を実行する。
図1および図2に示されるように、燃料噴霧Fは、その中心軸たる噴霧軸Pを有する。また図1に示される側面視において燃料噴霧Fがなす角度はαであり、図2に示される平面視において燃料噴霧Fがなす角度はβである。前者を側面視噴霧角、後者を平面視噴霧角といい、それぞれ本発明の第2角度および第1角度に相当する。さらに、図1の側面視に示されるように、シリンダ中心軸Cに垂直な平面に対し噴霧軸Pがなす角度はγであり、これを噴射角という。図2の平面視に示されるように、噴霧軸PはX軸に平行であり、特にX軸上にある。
筒内噴射弁4は、平面視噴霧角βが側面視噴霧角αより大きい扇形の燃料噴霧Fを噴射する。
燃料噴霧Fは、噴霧軸Pに沿った起点f1を、筒内噴射弁4の噴孔4Aの出口位置に有する。また燃料噴霧Fは、噴霧軸Pに沿った終点f2を燃料噴霧Fの最大到達位置に有する。この燃料噴霧Fの噴霧軸Pに沿った起点f1から終点f2までの距離を噴霧距離Hという。噴霧距離Hは本発明の第1距離に相当する。
一方、噴霧軸Pに沿った燃料噴霧Fの起点f1からピストン7までの距離をピストン距離Lという。ピストン距離Lは本発明の第2距離に相当する。図1の例では、燃料噴霧Fの起点f1から、ピストン7の凹部15の底面15Aまでの距離がピストン距離Lをなす。
さて、上述したように、かかる直噴式エンジン1においては、燃料噴霧Fがピストン7に衝突したときにピストン7が燃料で濡らされるというピストンウェットが発生する。このピストンウェットに起因して、PM(パティキュレートマター)粒子数の増加、体積効率ηvの低下、全開(WOT)性能の低下、燃焼変動の増大などの問題が懸念される。特に、ピストンがまだ十分暖まっていないエンジン暖機中において、PM粒子数増加の問題が一層懸念される。
なお、燃焼変動とは、各気筒の燃焼サイクル毎の燃焼状態の変化をいう。等出力運転時であっても燃焼変動が大きいと、各気筒の燃焼サイクル毎に燃焼状態が変化し、燃費悪化や車両振動の原因となる。
本実施形態では、ピストンウェットに起因するこれらの種々の問題を解消するため、下記の観点に基づき筒内噴射弁4による燃料噴射時期の最適化を図った。
図3には、噴射時期とPM粒子数Nの関係を調べた試験結果を示す。これにおいては側面視噴霧角α、平面視噴霧角βおよび噴射角γの少なくとも一つが異なる4種類の筒内噴射弁a,b,c,dについて、それぞれ噴射時期とPM粒子数Nの関係を調べた。ここでいう噴射時期とは噴射開始時期のことである。噴射時期は圧縮上死点前(BTDC)のクランク角(°CA)で表示してある。
図示されるように、310°CAを境に特性が変化し、噴射時期が310°CA以降の場合にはPM粒子数Nは許容レベルにあるが、噴射時期が310°CAより前の場合だとPM粒子数Nが極端に悪化する傾向にあることが分かる。
ここで、噴射時期は360°CA以降で且つ180°CA以前の範囲内、つまり吸気行程中(あるいはピストン下降中)にある。このような吸気行程中に行われる燃料噴射を吸気行程噴射という。部分負荷燃焼やEGR燃焼(特に大量EGR燃焼)を行うときには、通常の圧縮行程中に行われる燃料噴射(圧縮行程噴射という)よりも、噴射時期を大幅に進角させる要請があるからである。
部分負荷燃焼に際しては、混合気の均質性が重要であり、昨今のように内部EGRを用いた燃費改善を行う際には特に混合気の均質性が重要となってくる。
また、EGR燃焼は通常暖機終了後に行われるが、EGR燃焼の開始温度をより低温側にし、暖機終了前にもEGR燃焼を行うことが検討されている。なおEGR燃焼とは、シリンダ内にEGRガスを含んだ状態で行われる燃焼をいい、EGRには内部EGRと外部EGRが含まれる。
部分負荷燃焼時にも暖機終了前のEGR燃焼時にも、より均質な混合気を得、ピストンウェットに起因する上記問題を解消するため、噴射時期を360〜180°CAの範囲内に設定し、吸気行程噴射を行うようにしている。なお、暖機終了の前後で噴射時期を連続的に変化させるのが好ましい。
特に本実施形態では、図3の結果に基づき、噴射時期を圧縮上死点前310°CA以降で且つ180°CA以前の所定時期とする。これにより、少なくともPM粒子数Nを許容レベル以下に抑えることが可能となる。
この範囲内で最適な噴射時期を得るため、本発明者は、所定時点におけるピストン距離Lと噴霧距離Hの比に着目した。この比を距離比Rという。R=L/Hである。特にここでいう所定時点とは、燃料噴射開始後1msの時点である。以下、燃料噴射開始後1msの時点における距離比を「所定時点距離比」という。
図4には、図3の結果に基づいて作成された所定時点距離比RとPM粒子数Nの関係を示す。これから分かるように、所定時点距離比Rが増大するにつれPM粒子数Nは低下する傾向にあり、特に所定時点距離比Rが0.5以上の場合、PM粒子数Nは許容レベルまで低下する。
従って本実施形態では、所定時点距離比Rが0.5以上の所定値となるように、ECU30が筒内噴射弁4から燃料を噴射させる。より具体的には、所定時点距離比Rが0.5以上の所定値となるような噴射時期において、ECU30が筒内噴射弁4による燃料噴射を開始させる。
これにより、ピストンウェットに起因したPM粒子数の増加、体積効率ηvの低下、全開(WOT)性能の低下、燃焼変動の増大などの問題を解消できる。特にピストンがまだ十分暖まっていないエンジン暖機中においても、PM粒子数増加の問題を解消できる。
そして部分負荷燃焼やEGR燃焼に際して、通常の圧縮行程噴射よりも噴射時期を大幅に進角して吸気行程噴射を行った場合でも、混合気の良好な均質性を確保できる。さらに暖機終了前にEGR燃焼を行った場合でも、均質な混合気を得、ピストンウェットに起因する上記問題を解消できる。こうして吸気行程中に燃料噴射を開始させた場合の噴射時期を最適化することが可能となる。
ここで留意すべきは、距離比ないし所定時点距離比Rの分母をなす噴霧距離Hが、ピストン7がないと仮定した場合の噴霧距離H(噴霧軸Pに沿った起点f1から終点f2までの距離)を指すことである。これに対し、距離比ないし所定時点距離比Rの分子をなすピストン距離Lは、本実施形態の如く、ピストン7がある場合のピストン距離L(噴霧軸Pに沿った起点f1からピストン7までの距離)を指す。
ある時点において、距離比Rが1より小さい場合、噴霧距離Hはピストン距離Lより長い。つまり燃料噴霧Fはピストン7に衝突している。本実施形態の如くピストン7がある場合、実際には、距離比Rが1より小さくなることはあり得ない。距離比Rが1になった時点で燃料噴霧Fがピストン7に衝突し、噴霧距離Hがピストン距離Lを超えることができないからである。
しかし、ここでいう、距離比Rが1以下のときの噴霧距離Hとは、ピストン7がないと仮定した場合の噴霧距離Hをいう。このような噴霧距離Hは、開発段階でエンジンからピストンを除くことにより取得あるいは把握可能である。つまり、ピストンの存在もしくは動作とは別に、燃料噴霧Fの挙動を個別に把握し、これにピストン7の存在もしくは動作を組み合わせることにより、上記のような所定時点距離比Rを1以下とする噴射時期を設定することが可能である。
なお、ある時点において、距離比Rが1より大きくなると、噴霧距離Hがピストン距離Lより短くなり、燃料噴霧Fがピストン7に到達しない状態となる。
1以下の所定時点距離比Rは、ピストン7に対する燃料噴霧Fの当たり強さを表している。1以下の所定時点距離比Rが大きくなるほど、ピストン距離Lに対して噴霧距離Hが相対的に短くなり、当たり強さは弱くなる。言い換えれば、1以下の所定時点距離比Rが小さくなるほど、ピストン距離Lに対して噴霧距離Hが相対的に長くなり、当たり強さは強くなる。
図4の結果は、所定時点距離比Rを0.5以上とするような噴射時期で燃料噴射を行えば、ピストン7に対する燃料噴霧Fの当たり強さを比較的弱くし、PM粒子数Nを許容レベルまで低下させられることを表している。
本実施形態のような扇形燃料噴霧の場合、噴射直後は燃料液滴の径および速度が大きく、噴霧の貫徹力が大きいが、噴霧が進行するにつれて液滴の径および速度が減少し、特に平面視噴霧角βの方向に拡散し、噴霧の貫徹力も弱まっていく。所定時点距離比Rを0.5未満とするような噴射時期だと、燃料噴霧Fの当たり強さが強すぎ、ピストンウェットが顕著となり、PM粒子数Nの増大等ピストンウェットに起因する問題が顕在化する。しかし、所定時点距離比Rを0.5以上とするような噴射時期では、燃料噴霧Fの当たり強さを適度に弱めることが可能であり、ピストンウェットに起因する問題を解消することが可能である。
なお、本実施形態は特に所定時点距離比Rが1以下の場合、つまり所定時点において噴霧距離Hがピストン距離L以上であり、燃料噴霧Fがピストン7に到達している場合に好適である。従って、噴射時期は、所定時点距離比Rが0.5以上で且つ1以下の所定値となるように定めるのが好ましい。
ところで図1に示すように、本実施形態のエンジン1において、ピストン7の底面部に冷却用オイルを噴射するためのオイルジェット16が設けられてもよい。この場合、距離比Rに関する前記所定値は、オイルジェットを有しないエンジンに対して設定された所定値よりも大きい値に設定される。例えば、オイルジェット無しの場合の所定値が0.6である場合、オイルジェット有りの場合の所定値を0.7などとすることができる。いずれにしても所定値は0.5以上である。
同一運転条件のとき、オイルジェット有りの場合は無しの場合に比べ、ピストン温度が低温である。このため本実施形態の如く、所定値を大きくするのが好ましい。ピストン7に対する燃料噴霧Fの当たり強さを弱め、ピストン7に付着した燃料の蒸発低下分を補償できるからである。
逆にいえば、オイルジェット無しの場合は有りの場合に比べ、ピストン温度が高温であるため、所定値を小さくするのが好ましい。ピストン7に付着した燃料がより積極的に蒸発するので、燃料噴霧Fの当たり強さをより強めることができるからである。
図5には噴射角γと所定時点距離比Rの関係を示す。ここでは三つの噴射時期e,f,gについて関係を調べた。eは300°CA BTDC、fは310°CA BTDC、gは320°CA BTDCである。eが最も遅角側である。なお所定時点(燃料噴射開始後1msの時点)における噴霧距離Hは一定である。
gに示すように、噴射時期を320°CA BTDCとした場合、0.5以上の所定時点距離比Rを得るためには、噴射角γはγ1以下にしなければならない。またfに示すように、噴射時期を310°CA BTDCとした場合、0.5以上の所定時点距離比Rを得るためには、噴射角γはγ2(>γ1)以下にしなければならない。eに示すように、噴射時期を300°CA BTDCとした場合には、図中の噴射角γの範囲内において所定時点距離比Rが常に0.5以上であるので、噴射角γは任意に定めることができる。
このように、0.5以上の所定時点距離比Rを得ようとした場合、噴射時期が遅角側であるほど噴射角γの上限値が増大する傾向にある。これは噴射時期が遅角側であるほど、噴射時期のピストン位置が下方であるため、より下向きに燃料噴射できることを意味する。すなわち、噴射時期が比較的早いときにはピストン7の凹部底面15Aに対し燃料噴霧Fを薄く(小さい噴射角γで)当て、逆に噴射時期が比較的遅いときにはピストン7の凹部底面15Aに対し燃料噴霧Fを厚く(大きい噴射角γで)当てることができる。こうして、噴射時期と噴射角γの関係も最適化することが可能である。
以上、本発明の好適実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが可能である。例えばエンジンは、筒内噴射弁に加えて別途、吸気通路特に吸気ポート内に燃料を噴射する吸気通路噴射弁を備えたいわゆるデュアル噴射式内燃機関であってもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
2 シリンダ
4 筒内噴射弁
7 ピストン
16 オイルジェット
30 電子制御ユニット(ECU)
F 燃料噴霧
f1 起点
f2 終点
P 噴霧軸
α 側面視噴霧角
β 平面視噴霧角
γ 噴射角

Claims (5)

  1. シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁を備えた内燃機関の制御装置であって、
    ピストンがないと仮定した場合に前記筒内噴射弁から噴射された燃料噴霧の噴霧軸に沿った燃料噴霧の起点から終点までの第1距離Hと、前記噴霧軸に沿った燃料噴霧の起点からピストンまでの第2距離Lとの比L/Hであって、燃料噴射開始後1msの時点における前記比L/Hが0.5以上の所定値となるように、前記筒内噴射弁から燃料を噴射させる制御手段を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記筒内噴射弁は、平面視において前記燃料噴霧がなす第1角度が、側面視において前記燃料噴霧がなす第2角度より大きい扇形の燃料噴霧を噴射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記筒内噴射弁からの燃料噴射を吸気行程中に開始させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記筒内噴射弁からの燃料噴射開始時期を圧縮上死点前310°CA以降で且つ180°CA以前の所定時期とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関が、ピストンに冷却用オイルを噴射するためのオイルジェットを有し、
    前記所定値が、前記オイルジェットを有しない内燃機関に対して設定された所定値よりも大きい値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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