JP2010275678A - 抗菌性と吸水性を有する極細繊維及び極細繊維布帛 - Google Patents

抗菌性と吸水性を有する極細繊維及び極細繊維布帛 Download PDF

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Abstract

【課題】極細繊維からなる繊維、糸や布帛は隙間が小さくて多く有るので汚れ成分が溜まりやすく、特に吸水性の場合はこの汚れ成分が菌により腐敗したり、菌の栄養分になり菌が付着した場合には繁殖しやすい状態になる。この様な極細繊維からなる吸水性の繊維、糸や布帛に抗菌性を付与して菌の繁殖を防止する。
【解決手段】カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維に抗菌性の金属化合物を吸着させて作った抗菌性の繊維、糸や布帛を利用する方法。この場合には非常に低濃度の金属の吸着量で抗菌性能が得られる事、抗菌剤が強固に繊維と結合しているので抗菌剤が溶出し難く(非溶出性)で使用時の安全性が高い抗菌性の繊維、糸、布帛が作られる。これらの場合に繊維構成で極細繊維化率を50%以上にすることで吸水が付与されて、抗菌性で吸水性の極細繊維、極細糸、極細布帛になる。
【選択図】なし

Description

極細繊維使いの吸水性の布帛に付着した細菌がその上で繁殖する事で害を及ぼすような用途分野、及び菌が繁殖し、繁殖した菌が拡散して害を発生させるような用途分野、例えば一般衣料、手術着、カーテン、掃除用具、フキン、マスク、衛生商品等に使用されている極細繊維使いで吸水性の布帛の用途分野に新機能の抗菌性を付加して新たな用途分野に利用可能であると考えられる。
布帛上に付着した菌が、更に繁殖して色々な害がもたらされている事が明らかになってきた。
布帛上の菌が健康にも影響する事が指摘されるようにもなり、菌の繁殖を阻止したり、減菌させたりする事が要求されるようになってきた。
また人々の清潔感意識の向上もあって、布帛を使用した色々の分野で抗菌性、殺菌性の要望が強まっている。
特に菌の繁殖に好適な環境を提供する吸水性が求められる商品、吸水状態になる商品で抗菌性の必要性が新たに求められつつある。
殺菌・抗菌技術の新展開 発行 (株)東レリサーチセンター 1994年11月25日第1刷発行には抗菌剤として、銀の抗菌作用機構の記載はあるが具体的な繊維や商品の記載は見当たらない。
特願平2−41141には抗菌剤として銀を使用して抗菌性繊維を作る方法の記載がある。又、使用量も1〜1000ppmで本願発明の好ましい条件の記載と同様である。しかしながら本願発明の基本構成である、極細繊維を使い、抗菌性で吸水性の繊維や布帛を作る必要性や本願発明の構成を示唆する記述は全く見当らない事から本願発明は新規性のある発明である。
又、本引用の特許文献1には抗菌性繊維、樹脂を製造する方法はポリエステルのガラス転移温度以上で行うこと特徴としている。
それに対して本願発明の実施の一形態としての好ましい条件として、ガラス転移温度以上ではあるが抗菌性の銀等の抗菌剤を繊維表面に集中分布させることが好ましく、その為には100〜120℃の温度範囲や処理時間を調整する事が好ましいとしている点では全く異なる。更にまた、本願発明では布帛を構成するカチオン染料に染色性を有する繊維の割合を少なくとも30%以上必要と規定している点も新しく、これらの内容についての記載も、また示唆する記述も本引例の特許文献1には見当たらない。
また布帛全体の銀含有量が同じであればほぼ同様の抗菌性効果が得られるとの効果の発見の記述も、また示唆する記述も見当たらない。
特願平7−061072(特開平8−260347)(特許3279120)の脱臭繊維構造物の製造方法には銀等の金属を、カルボン酸基および/またはスルホン酸基を有する繊維構造物に染色した後、カルボン酸基および/またはスルホン酸基の水素イオンをAg+等の金属イオンを使い、アルカリ剤で処理した後またはアルカリ条件下で置換する方法の記載がある。また、カルボン酸基および/またはスルホン酸基を繊維構造物に導入するにはこれらの基を有するビニールモノマーを繊維ポリマーに共重合する方法、これらの基を有するポリマーを繊維ポリマーにブレンドする方法などがあると記載されている。 本引例の特許文献2は脱臭繊維構造物である点で吸水性と抗菌性を目的とした本願発明品と用途分野、狙いとする効果、効能が異なる。
また、本引例の特許文献2は金属を置換する方法がアルカリ剤で処理した後にまたはアルカリ条件下で、染色した後に実施することが特許請求範囲の請求項1に記載がある点も本願発明とは異なる。
さらにまた、本願発明の請求範囲に記載の必須の構成要件である、極細繊維の使用と、吸水性についての記載が引例の特許文献2には全く見当たらない。
以上を総合して判断すると本引例の特許文献2には本願発明の目的および手段が異なると共に本願発明の構成の記載もなく、また示唆する記述も見当たらない。
特開平5−214671の消臭抗菌繊維は消臭性と抗菌性の両性能を満足させる為の発明に関するものである。 抗菌作用を有する金属イオンと消臭作用を有するイオンで置換されているイオン交換繊維で構成されていることを特徴とする消臭抗菌繊維が本引例の特許文献3の発明である。本引例の特許文献3には抗菌性を示す金属として銀が記載されている点は本願発明と同じである。
また、イオン交換繊維に抗菌性の金属を置換反応させる点でも本願発明と類似している。
また、イオン交換繊維とはポリスチレン等のベースポリマーにカチオン交換基が導入されたイオン交換繊維と例示されている。この記述からカチオン染料と反応する可能性は想像出来なくもないが、反応するとしても染色性を有するとの表現とは異なるものである。しかも、本願発明のカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維の記載もなく、またこれを示唆する記述も見当たらない。即ち例示されている具体例のイオン交換繊維のポリマー記述にポリエステルポリマーの記述もなく、ポリエステルポリマーを示唆する記載もない。更に例示のポリマーにキレート基が導入されたイオン交換用ポリマーは補強用ポリマーとからなる繊維が良いとしている。これは機械的強度ならびに形態保持性を有しているので良いとしている。これらの点から本願発明のカチオン染料に染色性を有し補強を必要としないポリエステル繊維を示唆する事は出来ないわけである。
更に本引例の特許文献3は消臭性と抗菌性を有する繊維であり本願発明の抗菌性と吸水性を有する繊維とは全く異なる。
又、本願発明は極細繊維を使って吸水性を付与しているが、本引例の特許文献3にはイオン交換繊の繊維径が0.1〜100μmと記載されている点からは本願発明の極細繊維も含まれていると言えるが細い繊維径で吸水性の構成を考案するとの構想もこれを示唆する記述も見当たらない。
用途からの必要性でイオン交換繊維の含水度は通常は0.5〜10と記述し、好ましい範囲として1〜5と上限も規定している。
余り大きすぎると通液(通気)抵抗が大きくなるとの理由からの規制と記載されている。この点は吸水性が大きければ大きいほど好ましい本願発明品とは目的、効果、効能が異なる。
更にまた本引例の特許文献3に言う含水度は言葉の定義通り、定義された条件下で布帛が組織構造の中で保持できる水分量を規定したものにすぎず、本願発明のように特許構成の極細繊維の毛細管機能を積極的に活用して水をくみ上げる機能を付与した本願発明の思想と異なるだけでなく、特許構成が全く異なるものである。
特開2004−255256(分割型複合繊維からなる吸収材)には、0.001dtex〜3dtexの極細繊維使用の記載がある。また本引例の特許文献4は抗菌剤を繊維中に含有または表面に付着させた布帛状吸収材に関する発明である。 構成に極細繊維を使う点、吸水性の布帛である点は共通しているが極細繊維を構成しているポリマー構成が本願発明と異なる。
即ち特許文献4は成分Aがポリカプラミドポリマーで、もう一方の成分Bがポリエステルポリマーの少なくとも2成分からなる分割型極細繊維を用いている。
一方の本願発明は、カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維が少なくとも必須である点で異なっている。
特許文献4のポリエステルポリマー成分にはカチオン染料に反応する事を想像させるポリマーの記載はあるがこのポリマーに抗菌剤を反応させて抗菌性を繊維や布帛に付与するとの記述もなければ、その事を示唆する記述も見当らない。
単に極細繊維を作る為の成分Bの組成として記載されているに過ぎない。
好ましい抗菌剤の例として銀担持リン酸ジリコニウムが記載されているが、本願発明の抗菌剤は担持状態でない銀または銀イオンを好ましく使用する点で異なる。
更に本引例の特許文献4には銀担持リン酸ジリコニウムの使用量も0.1wt%以下では、肝心の抗菌効果を満足できないため、好ましくないと記載されていて、本願発明に於いては抗菌剤の銀そのものが繊維に担持(吸着)されるおり、その量の好ましい範囲が30〜10000ppm、非溶出性が要求される場合には30〜1000ppmでありこの点でも異なる。
又、本引例の特許文献4はA成分としてポリカプラミドポリマーが必須であるが、本願発明のカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維と組合せて使用出来る繊維としてはポリカプラミドポリマーであるナイロン繊維は本願発明の好ましい抗菌性付与方法の後加工法に於いて、銀の吸着(汚染)が発生するために多く使用することは好ましくない。この点でも本願発明は引例の特許文献4と全く異なる。従って本引例の特許文献4は特許構成が本願発明と全く異なると共に本願発明の特許構成を示唆する記述も見当たらない。
抗菌性の市場の必要性は色々の分野で要求されていて、各種の抗菌性技術や抗菌性商品が開発されて市場に提供されている。
本発明は吸水性の極細繊維、極細繊維使いの吸水性の糸や布帛上での菌の繁殖を阻止する目的で開発されたものである。菌の繁殖には温度、水分、養分が必要と言われている。
これらの要因の内、日常に使う繊維製品では温度の選択は基本的には出来なく、一般的には色々な温度条件の下で使用される。
また特に吸水性を目的に使われる商品は水分が吸収され、保持されやすい様に工夫がなされており菌の繁殖には好都合に構成されているとも言える。
また従来から吸水性を付与するする方法の一つの手段として極細繊維が使用される場合があった。
極細繊維は表面積が多く隙間が多く存在し、菌の繁殖に必要な水分や養分がそこに溜まる事が多く、菌の繁殖の原因になると推察される。
本発明は水分や栄養分が溜まり菌の繁殖に好都合なこの極細繊維使いの、吸水性布帛や吸水性繊維、吸水性の繊維からなる糸に抗菌性を付与する事を目的として開発されたものである。
上述の様に菌が繁殖しやすい極細繊維使いの繊維や糸、布帛、特に吸水性を目的とした極細繊維使いの吸水性の繊維や糸、布帛に抗菌性を付与する目的で開発されたものである。
極細繊維使いの抗菌性で吸水性の繊維や糸、布帛を作る方法を鋭意研究した結果、極細繊維自身が抗菌性極細繊維であるようにする方法と極細繊維と抗菌性繊維を適宜、組合わせる事で目的とする抗菌性で吸水性の極細繊維や極細繊維使いの糸、極細繊維布帛が得られる事を見出し本発明に到達した。
抗菌性と吸水性を併せ持つ極細繊維使いの繊維や糸、布帛が得られ、この繊維や糸、布帛を使って今までには無かった性能のタオル、フキン、シーツ、マスク等の製品を作る事が出来るようになった。
本発明の吸水性と抗菌性を併せ持つ極細繊維や極細繊維使いの糸、極細繊使いの布帛を作る方法を詳細に記載する。
本発明の極細繊維としては単糸繊度が1.1デニール以下の繊維を言う。1.1デニール以下の細い糸を使用して繊維や糸、布帛を作った場合には毛細管現象で水が吸収されやすくなる。1.1デニール以下の極細繊維の中で細くても強度が強く、耐熱性でも優れ、使用耐久性に優れたポリエステル系繊維は好ましい繊維である。
本発明の抗菌性と吸水性を併せ持つ極細繊維や極細繊維使いの糸、極細繊維使いの布帛の病院用途や食品関連用途分野での用途を考える場合には布帛からの発塵が問題になる。
この場合の極細繊維は強度が強く、撥塵性や耐熱性も優れているポリエステル系の極細繊維が好ましく、また一層に発塵性が少ない点で長繊維タイプのポリエステル系の極細繊維が特に好ましい。
また、布帛に使用する極細繊維は上述のように發塵性からは長繊維タイプが好ましいが、吸水量の大きい繊維や布帛を作る点からは長繊維タイプのポリエステル繊維を嵩高で顕縮性のある加工糸タイプや極細繊維が主体の混繊糸、意匠撚糸等の形態で複合糸タイプの状態にして使用するのが好ましい。
布帛の抗菌性能は抗菌性の繊維を使用することで得られるが、抗菌性の繊維は極細繊維自身が抗菌性であっても、或いは極細繊維と複合して使用される繊維が抗菌性の繊維であっても良い。抗菌性布帛として充分な抗菌性能を得る為には抗菌性を示す繊維の繊維、糸、布帛中での重量割合は少なくとも30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上含まれている事が必要である。
これら繊維、糸や布帛中の抗菌性を示す繊維は抗菌剤を適宜繊維に担持させた抗菌性の繊維を繊維形成や糸形成時、布帛形成時に使用することで作る事が可能である。
抗菌性繊維、糸を作る方法は、例えば繊維を製造する工程で繊維を構成する主ポリマーに抗菌剤をブレンドする方法が一般的に良く知られている。
抗菌剤の例として例えば銀担持ゼオライト、銅担持ゼオライト等を例示できる。(本願発明では原糸タイプと呼ぶ)
原糸タイプで抗菌性ポリエステル繊維を作る場合には抗菌剤粒子径が一般に繊維径に対して10分の1程度以下の大きさにする必要があり、主にこの理由から、1.1デニール以下の抗菌性の極細繊維を作る事は難しいとされている。
抗菌性のポリエステル繊維、糸を作る別の方法は抗菌性ポリエステル系繊維と抗菌性のないポリエステル繊維の複合化よっても作る事が可能である。この場合の抗菌性ポリエステル繊維の割合は繊維の抗菌性能面からは30%以上が必要であり、好ましくは40%以上更に好ましくは50%以上である。
抗菌性ポリエステル繊維は後述の抗菌後加工が実施可能なポリエステル系繊維に後加工を施して作ることも可能である。(後加工タイプと呼ぶ)
後加工可能なポリエステル抗菌性繊維の場合に於いて、抗菌性の後加工が可能なポリエステル系繊維の重量含有率は30%以上が必要であり、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上である。後加工タイプの抗菌性繊維は原糸タイプの抗菌性繊維に比べて抗菌剤の量が非常に少なくて済む点、又抗菌剤の分布を繊維断面の繊維表面方向に高濃度に分布をコントロール出来る点や極細繊維の抗菌性繊維を作れる点に於いて好ましい抗菌性繊維を作る方法である。
本願発明に言う抗菌性と吸水性を併せ持つ抗菌性で吸水性の極細繊維、極細糸、極細布帛とは極細繊維化率が50%以上の繊維、糸、布帛を言う。
本願発明の抗菌性繊維を含む繊維、糸、布帛を得る方法は、原糸タイプの抗菌性繊維、後加工タイプの抗菌性繊維を使って作る方法と後加工可能な繊維を使って繊維、糸や布帛を形成した後に後加工を実施することで作る事が出来る。
更にこれらを組合せても実施可能である。即ち、原糸タイプや後加工タイプの抗菌性繊維と後加工可能な繊維を使って繊維、糸や布帛を形成し、更に後加工による抗菌加工を実施して抗菌性の繊維、糸、抗菌性の布帛を作るも可能である。
この場合は、抗菌性繊維製造(原糸タイプ)に使う抗菌剤と後加工で使う抗菌剤の種類を変えることで、より広い範囲の種類の菌に対して抗菌性を示す糸や布帛を作る場合には好ましい方法である。
上述の抗菌性の繊維、糸や布帛でも充分な抗菌性能を得るには抗菌性の繊維の含有割合は30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上である。
後加工タイプの抗菌性繊維、糸を作る場合、バインダーを用いて抗菌剤を繊維や糸の表面に塗布する方法もあるが、その後の製織や製編工程、シート化工程、染色や染色仕上げ工程での生産性と共に抗菌剤の脱落を考えるとこの塗布する方法は好ましくはない。好ましい方法は、繊維と強固に吸着乃至は反応するタイプの抗菌剤を使った抗菌後加工方法による方法である。
具体的に例示すると、カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維に金属を吸着反応させることで得られる抗菌性繊維、糸を得る後加工タイプ抗菌加工方法は好ましい抗菌性繊維、糸の製造方法である。吸水性で抗菌性の糸は抗菌性の繊維と極細繊維を複合して作ることでも出来る。抗菌性の繊維、糸自身が極細繊維、糸であれば敢えて複合化する必要もない。(極細化率100%)
同様に抗菌加工可能な繊維を使った繊維、糸や布帛を使って抗菌性の繊維、糸や布帛を得る方法にも抗菌性繊維を作る場合と同じこの後加工タイプの加工方法が実施できる。
この後加工方法を後加工可能な繊維、糸を使用した布帛に適用した場合、抗菌性薬剤の量の調整が必要に応じて任意に調整可能であり、布帛の企画が一定のものでも抗菌レベルを任意に調整できるので、生産や企画面からは大変に効率的で好ましい方法である。
吸着や反応タイプの抗菌剤を使う後加工方式で得られる抗菌性の繊維、糸や布帛はバイダンダー方式の後加工に比べて抗菌剤が繊維に強固に吸着乃至は反応している為に洗濯耐久性等に優れた抗菌性の繊維、糸、布帛を作る事が可能である。
本発明の抗菌性の繊維、糸、布帛をバインダー方式の後加工方法で繊維、糸や布帛の一部またはすべてを抗菌性にした場合には、繊維、糸や布帛表面の抗菌剤が洗濯等で脱落し、抗菌性能の使用耐久性に欠けるので好ましくない。
又、後加工方法でも単に繊維や糸、布帛に抗菌剤を吸着させたものでは使用条件によっては抗菌剤が使用中に再び溶出されるので抗菌剤の安全性が問われるような用途分野では好ましいものではない。
好ましいのは繊維と強固に反応し結合するタイプの抗菌後加工が最も好ましい。
繊維状、糸状で後加工する場合も布帛状で後加工する場合に於いても、強固に反応、結合している事の確認は抗菌性を評価するハローテストでハローが確認出来ないか、ハローの大きさが一定の基準以下であることで確認することが出来る。本願発明ではこのハローが出来ないか一定水準以下(1mm以下)で有る場合を非溶出型抗菌性繊維と定義する。
本発明品の抗菌性は非溶出型の抗菌性が好ましい。
本願発明の吸水性で抗菌性の繊維、糸、布帛を作る方法に於いて、抗菌性は上記に詳述したような各種の方法で付与するが、もう一つの構成要件を成す吸水性は極細繊維を含有させる事で達成する。
極細繊維とは単糸デニールが1.1デニール以下の太さの糸を言う。また本発明に言う極細繊維、極細繊維糸または極細繊維布帛とは単糸デニールが1.1デニール以下の繊維を50%以上含む繊維、糸及び布帛を言う。(極細化率が50%以上)
極細化の方法は繊維製造時に於ける太さが1.1デニール以下の糸であっても、また糸や布帛にした後に分割や溶割により最終的に1.1デニール以下の繊維が含まれた繊維、糸や布帛であっても良い。繊維、糸、布帛全体に占める極細繊維の割合は少なくとも50%以上、好ましくは60%以上であることが吸水性の面からは好ましい。
又必要に応じて吸水性能を一層向上させる目的で一般に行われている吸水(吸汗)加工等の後加工を抗菌後加工と併用しても、又抗菌加工の前または後に実施することは何ら差し支えがない。
後加工方式で抗菌性を繊維や糸、布帛に付与する場合にカチオン染料に染色性を有する繊維や糸、布帛が100%すべてであれば抗菌性の薬剤が繊維に反応、吸着して問題がないが、カチオン染料に染色性は有しないが一部吸着や汚染が起こる繊維と複合化した繊維や、複合化した繊維を用いた糸、布帛、交織や交編した複合布帛の場合には抗菌剤が一部吸着や汚染を起し、この為に使用中に変色を起したり、脱落を起したりするのでこれら繊維の使用は繊維や糸、布帛中で重量比率が30%以下にするのが好ましい。特に抗菌剤の非溶出性が望まれる用途分野では脱落しやすい状態で吸着する素材との組合せは好ましくない。
このような危険のある好ましくない繊維や糸の例としてポリアミド繊維、アセテート繊維、再生セルローズ繊維、綿、ウール等を例示できる。
汚染が発生した場合に抗菌剤が洗浄等で除去できる場合や酸化、還元等で不活性化が可能である場合であれば特に問題にはならない。
最も好ましく組合せて使用可能な繊維は汚染や一部吸着を起さないポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニール繊維である。
この中でも耐熱性や強度の強いポリエステル繊維は最も好ましい。
ハローを発生させない非溶出型抗菌性の繊維、糸や布帛を作る方法は抗菌剤を繊維製造時にブレンドする方法で作った繊維、糸を使用するか、カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維、糸や布帛に金属を吸着反応させる方法で作る事が可能である。
特にカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維、糸や布帛に金属を吸着反応させる後加工による抗菌加工方法は吸水性で抗菌性の極細繊維使いの繊維、糸、布帛にも適用できるので好ましい方法である。即ちカチオン染料に染色性を有する極細繊維を用いて繊維や糸、布帛を作り、抗菌後加工を実施する事で容易に本願発明の吸水性で抗菌性の繊維や布帛を作ることが出来るので最も好ましい。
カチオン染料に染色性を有する繊維、糸、布帛に後加工方式で抗菌性を付与する方法は、公知の方法が適用できる。硝酸銀、乳酸銀、塩化亜鉛、硫酸銅等の水溶性の銀、亜鉛、銅等の抗菌性を示す金属化合物を例示できる。これらの金属化合物の中では安全性と反応性、抗菌性能からは特に銀化合物が好ましく、取扱い性と繊維との反応性からは硝酸銀が特に好ましい。これらの金属化合物は水に溶解した状態でカチオン性となり反応過程でカチオン染料に染色性を有する繊維とイオン結合的に強固に結合する。
これらの水溶性抗菌剤を使って繊維を水溶液で反応処理する場合には金属化合物の金属と水に含まれる不純物とが反応して抗菌剤の有効利用率を低下させたり、トラブルの原因となることがある。
これらのトラブルの原因が水に含まれる金属イオンと反応するイオンが原因であることが多いのでイオン交換水を用いた後加工方法が好ましい方法である。
極細繊維使いで、カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維使いの繊維や糸、布帛に後加工方法で抗菌性の付与を実施する場合、抗菌性の繊維となるカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維の割合は、少なくとも30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上使用した繊維、糸や布帛であり、この繊維、糸や布帛に金属を吸着反応させることで本願発明の吸水性と抗菌性の繊維、糸や布帛を容易に作ることが可能である。
カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維、糸は通常のカチオン染料と反応する、例えばスルホン酸基やスルフォネート基を共重合した通常タイプのポリエステル繊維、糸でも良く、又カチオン染料と反応する基を共重合したポリマーと通常のポリエステル重合ポリマーとの芯鞘構造タイプのポリエステル繊維、糸、貼り合せタイプのポリエステル繊維、糸のいずれでも使用可能である。芯鞘構造タイプのポリエステル繊維、糸の場合、鞘部にカチオン染料と反応するスルホン酸基等を共重合したポリマーを配置し芯部に通常のポリエステル重合物を配置した構造が抗菌性と強度等の物性のバランスが自由に設計出来て好ましい。
即ち、抗菌性能を鞘部の表面で調整し、強度等の物性を芯部の部分で調整出来るからである。
繊維や糸の強度、布帛の強度が要求されるような用途分野には特に好適に利用可能である。
具体的には滅菌の為のスチーム処理等が実施される食品関連分野、病院関連分野にこの芯鞘構造タイプのポリエステル繊維を使用する場合には好ましい。
上述のように繊維や糸、布帛に抗菌性を付与するには繊維や糸、布帛の繊維と強固に反応し結合するタイプの抗菌後加工が好ましく、本発明を実施するうえで重要である。
この抗菌後加工は繊維状で加工する場合、糸状や布帛状で加工する場合に何れも適用可能な方法で好ましい方法である。
この後加工による抗菌性を付与する方法に於いては抗菌剤を繊維表面に多く配置するように、加工の温度、時間を選択することが可能であり、特に好ましい方法である。
例えば加工時間を短くするとか、加工温度を拡散、浸透し反応させるため二次転移温度は必要であるがその中でも低めに設定する事で表面に多くの抗菌剤を吸着させることが可能である。抗菌剤の繊維や糸の断面での表面から中心部に至る分布状況はEDS検出器付きの走査型電子顕微鏡で確認できる。
上述の後加工方法で抗菌剤を付与する場合、繊維断面の表面に抗菌剤を主に集中配置するように結合させる事が可能でありこの結果抗菌剤の吸着量は1000ppm以下の量で充分な抗菌効果が得られる。本発明では抗菌性の繊維の繊維、糸、布帛に占める割合が少なくとも30%以上と先に定義したが、吸着量が1000ppmの抗菌繊維を使用した抗菌性繊維、糸、布帛全体からすると300ppmの非常に少ない抗菌剤量で抗菌効果を発揮できる事を示している。(抗菌性繊維の割合が30%の場合)
このように表面に抗菌剤をより多く配置する方法や極細繊維自身に抗菌性を持たせる事で極細繊維の広表面積性を生かすことで本発明品の抗菌剤の使用量は少なくすることが可能である。本発明品の布帛重量に対する抗菌剤の好ましい範囲は30〜10000PPMである。非溶出性が重要になる好ましい抗菌剤の量は30〜1000PPMであり、この範囲でも十分な抗菌効果が得られる。
抗菌性能と吸水性能を併せ持つ極細繊維使いの繊維、糸や布帛には更に吸水性能を上げる為に通常行われている吸水加工を実施する事も可能である。
又必要に応じて制電加工や撥水加工も抗菌性能を阻害しない範囲で実施可能である。
本発明では抗菌性はJIS L 1902(菌液吸収法)で評価し、抗菌効果は社団法人 繊維技術評議会の抗菌防臭加工認証基準に記載の方法(JEC301)で評価した。
抗菌剤が強固に結合した抗菌性の評価は抗菌剤が布帛から溶出しないか、し難いことは非溶出性で評価する。
即ち、本発明に記載の非溶出型抗菌性の繊維、糸、布帛の非溶出性とは、抗菌性をJIS L 1902のハローテスト法で評価した場合に、菌の繁殖阻止円の大きさが1mm以下の大きさの場合を言う。
吸水性はJIS L 1096 A 法 (滴下法)、JIS L 1096 B 法 (バイレック法)等で評価した。
素材発塵性はJIS B 9223に記載のタンブリング法で評価した。
通気性はJIS L 1079に記載のフラジール法で評価した。
捕集効率はIES RP−3 001(1985)6法に準拠した方法で測定した。
以下実施例で具体的に説明する。
経糸及び緯糸にカチオン染料に染色性を有数するポリエステル長繊維加工糸75デニール、72フィラメント(単糸デニールは1.04)を使用してウーリツイル織物を作った。
本織物の経糸密度、緯糸密度はインチ当り153本、148本であった。本織物を通常の方法で精練、リラックス、セットを行って経糸密度、緯糸密度はインチ当り162本、164の生地を作り、これを抗菌加工用の生地とした(本発明品用織物)。カチオン染料に染色性を有しない普通のポリエステル長繊維加工糸75デニール、36フィラメントを使用して全く同様の生地を作り、同様の加工処理を行って得られた同規格のウーリツイル織物を比較用生地とした(比較用織物)。
これらの生地を下記の抗菌加工処理条件で処理して本発明の抗菌加工織物と比較用抗菌加工織物を作った。
抗菌加工処理条件は、対織物重量当り949PPMの硝酸銀を織物重量の40倍のイオン交換水に溶解して加工処理液とし、本加工処理液中で本発明品用織物や比較用織物を100℃の温度で60分間処理を行った。
加工処理後イオン交換水でよく洗浄した後、通常の方法で乾燥とセットを行って、本発明の抗菌加工織物(本発明品)と比較用抗菌加工織物(比較品)を作った。
抗菌加工処理した織物上の銀量を島津製作所製のICPS−8000を使用して定量分析した結果、本発明品には273PPM、比較品には5PPMの銀が付着されていた。
本発明品は比較品に比べて銀をよく吸着している事がわかる。比較品は測定誤差範囲の吸着量であった。
本発明の銀吸着織物と比較用の抗菌処理処理織物の抗菌性を調べた。
抗菌性能はJIS L 1902に記載の繊維製品の抗菌性試験方法(菌液吸収法)で行い、抗菌効果は社団法人 繊維技術評議会の抗菌防臭加工認証基準に記載の方法(JEC301)で評価した。黄色ブドウ球菌に対する静菌活性値は洗濯前と洗濯10回後で、本発明品が4.1と3.5、比較品が0.1と0で本発明品は洗濯耐久性に優れた抗菌性加工布帛であることがわかる。
洗濯は社団法人 繊維技術評議会の製品認証マークに記載のSEKマーク繊維製品洗濯マニュアル(JEC326)に記載の洗濯方法に準じて行った。
吸水性能をJIS L 1096Aに記載の滴下法でウィキング性を調べた。本発明品のウィキング性は5秒、比較品のウィキング性は20秒で本発明品は吸水性に優れていた。
素材撥塵性はIES RP−3 001(1985)5.5法に準拠した方法で評価した。本発明品、比較品ともポリエステル系フィラメント糸使いの織物であり、0.5ミクロン粒子径の素材撥塵量は本発明品、比較品共に120個/L、135個/Lと小さいものであった。実施例に記載の本発明品は抗菌性で吸水性、且つクリーンルームのクラス100対応の布帛と言える。
本発明品、比較品ともに素材撥塵量測定に際して洗濯後クリーン水で洗浄して測定を行った。
実施例1で作成した本発明品をJIS L 1902の抗菌性評価 定性試験(ハロー法)で抗菌性を測定した。ハローの幅は平均で1mm以下と殆んどハローが見られなかった。本発明品は本文で定義したような非溶出型の抗菌性と吸水性を有する極細繊維織物と言える。
実施例1で作成した本発明品を15倍の水量のイオン交換水を使用して100℃で60分間の処理を行なった後、溶出した銀量を定量したところ脱落した銀量は1.2%と測定誤差内の小さな値であった。本実験でも本発明品は非溶出性であることが証明された。
実施例1に記載の本発明品用織物、比較品用織物を本発明品織物は日本化薬(株)製カチオン染料のカヤクリル ブルー BG−EDを対繊維重量当り0.1%使用して120℃の通常染色条件で染色実施した後に、一方の比較品用織物は住友化学(株)製分散染料のスミカロン ブルー E−FBLを対繊維重量当り0.2%使用して130℃の通常染色条件で染色実施した後に、実施例1に記載の方法と同様の銀処理加工を実施した。更に引続いて通常行われているパッディング方法で高松油脂(株)社製の吸汗剤SR−1800を2%使用してパッディング法で吸汗処理の仕上加工を実施した。
抗菌性の静菌活性値、吸水性能のウイッキング性、撥塵性を実施例1に記載の方法で測定した。
洗濯前、洗濯10回後の黄色ブドウ球菌の静菌活性値は本発明品で 4.3、4.0 、比較品は 0.3,0.2であった。
ウイッキングは本発明品で1秒以下、比較品で3秒であった。
撥塵性は本発明品で140個/L,比較品で125個/Lであった。
染色後に銀処理加工を行っても、銀処理加工後に吸水加工を行っても優れた抗菌効果のある、吸水性で低撥塵性の本発明品が得られることがわかる。
実施例に記載の本発明品は抗菌性で吸水性、且つクリーンルームのクラス100対応の布帛と言える。
実施例1に記載の本発明品用織物を用いて、実施例1に記載の処理処方で100℃の温度と120℃の温度で40分間の処理を行った。
処理浴の初期銀量と処理後の銀濃度を実施例記載のICPS分析器で測定し、繊維に上に担持された銀量を算出した。
銀量は100℃加工品が294PPM、120℃加工品が296PPMであった。
抗菌性の指標の静菌活性値は100℃加工品が4.3、120℃加工品が4.0で何れも抗菌評価基準に合格していた。
これら加工品を日本電子(株)社製EDS検出器付き走査型電子顕微鏡JSM−7600F(EDS検出器:JED−2300、加速電圧:30kV)を用いて表面及び断面のカラー写真を撮影し銀の分布状況を調べた。
織物表面の写真で見る銀の分布状況からは差の見分けが付かないが、織物断面写真からみる繊維断面方向の銀の分布では120℃加工品が均一に内部まで分布しているのに較べて、100℃加工品は内部より表面に多くの偏った分布状況であった。
この事から抗菌性能が表面の銀で発揮されると考えた場合、表面濃度が重要であるが、このように処理温度を低くすることは、表面に集中的に抗菌剤を配置する方法の一つであることを示している。
カチオン染料に染色性を有するポリエステル加工糸75デニール144フィラメント糸(単糸デニール0.52)を3本使用してトライツイスター撚糸機で太さが277デニールの特殊リング糸を作成した。1本を芯糸、1本を鞘糸、更に1本を押さえ糸として使用した。この特殊リング糸を用いて極細繊維化率が100%の平二重織物を試作した。本織物の経糸密度、緯糸密度はインチ当り67本、54本であった。(本発明品加工用織物)
一方、通常のポリエステル加工糸75デニール36フィラメント糸を使用して同様の特殊リング糸を作成した(太さは277デニール)。糸の構成は上記とカチオン染料に染色性を有する糸と同様の構成とした。この特殊リング糸を用いて本発明品加工用織物と同様の規格の極細繊維化率0%の織物を作り、比較品加工用織物とした。
これらの織物を通常の方法で精練、リラックス、乾燥、熱セットした後、実施例1に記載の方法で銀処理加工を実施して本発明品と比較用品を作成した。
加工後の本発明品の経糸密度はインチ間当り72本、緯糸密度はインチ間当り58本であった。
比較品の経糸密度はインチ間当り72本、緯糸密度はインチ間当り59本であった。
これらの織物の銀担持量は発明品が236PPM、比較品が2.5PPMであった。
黄色ブドウ球菌の静菌活性値は本発明品が4.5、比較品が0.3であった。
吸水性のウイッキング性は本発明品が2秒、比較品は10秒であった。本発明品、比較品を縦横10cmの大きさに切断し、乾燥重量を測定し、水に5分間浸漬した後、洗濯機の脱水装置で1分間脱水し、生地重量を測定した。重量変化から算出した吸水率はそれぞれ73%と46%であった。
撥塵性は本発明品で210個/L,比較品で185個/Lであった。
これらの数値から本発明品は抗菌性と吸水性に優れた低撥塵性の織物である。
実施例に記載の本発明品は抗菌性で吸水性、且つクリーンルームのクラス100対応の布帛として使用できるものである。
比較品は低撥塵性では有るが吸水性が劣り抗菌性ではなかった。
実施例5の本発明品加工用織物の経糸密度をインチ間当り82本、緯糸密度をインチ間当り67本に増加させた本発明品加工用織物を試作した。其の他は実施例5に記載した方法と全く同様に加工、銀加工を行って本発明品を作った。
加工後の本発明品の経糸密度はインチ間当り85本、緯糸密度はインチ間当り70本であった。
このようにして得られた本発明品の銀担持量は205PPMであった。静菌活性値は4.0、吸水性のウイッキング性は1秒であった。また平方メータ当りの通気性の値は70cc/秒であった。0.5ミクロン以上の粒子の捕集効率は90%であった。本発明品の捕集効率は高く高機能性である。またマスクとしての通気性は平方メータ当り30cc以上必要とされるが、本発明品はこの基本性能を持っていることを示しており、本発明品を使用したマスクは抗菌性で高フィルター性能のマスクとしても使用可能である。また吸水性でもあるので使用快適性に優れた抗菌マスクとして使用可能である。更にまた極細繊維のみで構成されているので皮膚に当たった場合に柔らくて皮膚を刺激することも少ないマスク用の基布等に使用可能である。
経糸に実施例5に記載のカチオン染料に染色性を有するポリエステル加工糸75デニール144フィラメントを花糸と押さえ糸に、芯糸に通常のポリエステル加工糸75デニール144フィラメントを使用し特殊リング糸を経糸、緯糸に使用して実施例5と同規格の交織織物を作成した。本織物のカチオン染料に染色性を有するポリエステル加工糸の割合は重量比で72.5%であった。またこの織物の極細化率は100%である。
本織物を通常の方法で精練、リラックス、乾燥、熱セットした後、カチオン染料で染色した後、実施例1に記載の方法で銀処理加工を実施して本発明品を作成した。
本発明品の銀担持量は183PPMであった。黄色ブドウ球菌の静菌活性値は3.5であった。
吸水性のウイッキング性は2秒であった。実施例5に記載の方法で測定した吸水率は59%であった。
撥塵性は本発明品で235個/Lであった。
これらの数値から本発明品は抗菌性と吸水性に優れた低撥塵性の織物である。
実施例に記載の本発明品は抗菌性で吸水性、且つクリーンルームのクラス200対応でフキン等の布帛として使用可能である。
カチオン染料に染色性を有するポリエステル加工糸75デニール144フィラメントをチーズ染色機を使用してチーズ状で通常と同様の方法で精練、洗浄した後に抗菌加工を実施した。抗菌加工条件は、対糸重量当り949PPMの乳酸銀溶液をイオン交換水に溶解して加工処理液を準備し、本加工液を糸重量に対して10倍の割合で使用し、100℃の温度で20分間処理を行った。
加工処理後イオン交換水でよく洗浄し、通常の方法で乾燥とセットを行って本発明の抗菌剤が糸断面の表面に偏在して吸着されている抗菌性加工糸を得た。
本発明品の銀吸着量は185PPMであった。
抗菌剤の銀が繊維表面に偏在して吸着されている事は日本電子(株)社製EDS検出器付き走査型電子顕微鏡JSM−7600F(EDS検出器:JED−2300、加速電圧:30kV)を用いて測定した糸の銀分布を示す断面のカラー写真で確認した。
本発明の加工糸の抗菌性は実施例2に記載の方法で調べた。本発明品の抗菌性加工糸はハローが認められない非溶出型の抗菌糸であることが確認できた。
本発明品によれば抗菌性と吸水性を有した繊維、糸や布帛が得られる。
更にまた本発明品の抗菌性は非溶出型抗菌性である為、抗菌剤の溶出が問題になるような用途分野で使用した場合、本発明品は今までにない優れた特徴を発揮する。
また、使用する糸の構成をフィラメント糸だけで構成すれば低発塵性にすることも可能である。
更にまた布帛の密度を調整して設計すれば、通気性を調整したりまたは、及び塵埃の捕集効率を調整したりする事が可能である。
これらの機能はクリーンルーム関連の環境下での使用できる素材特性を有しており新規機能、新規用途の新商品の提案に繋げられる。
即ち、この様な性能や特徴を発揮できる産業上で利用出来る新規な分野は数多く考えられる。
具体的に列挙すれば病院や食品関連工場、生物関連の研究施設や工場でのユニホーム、食品を扱う飲食店、レストラン等のユニホーム、更にこれら施設や工場で使用するタオル、フキン、ワイピング材、包装材、マスク等の繊維資材としても使用可能である。
緻密な高密度織物を作れば、病院で使用済みの手術着、寝具、ベッドカバー等を入れておくハンバーバッグ用の生地としても利用可能である。
更にまた水関連設備での殺菌や減菌用のシート、フィルター等にも好ましく利用可能である。水の汚濁除去性と水の殺菌、減菌を兼ね備えたフィルターとしても使用可能である。
工場や研究施設だけでなく日常生活に於いてもフキン、タオル、マスク、買い物袋等の身近な新規機能商品としても使用可能である。

Claims (8)

  1. カチオン染料に染色性を有する抗菌性ポリエステル繊維を含む抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  2. カチオン染料に染色性を有する抗菌性ポリエステル繊維が非溶出型抗菌性ポリエステル繊維である請求項1に記載の抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  3. カチオン染料に染色性を有する抗菌性ポリエステル繊維が銀担持の非溶出型抗菌ポリエステル繊維である請求項1、請求項2に記載の抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  4. カチオン染料に染色性を有する抗菌性ポリエステル繊維の割合が重量比率で30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、極細繊維化の割合が重量比率で50%以上、好ましくは60%以上である請求項1、請求項2、請求項3に記載の抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  5. カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維を含む極細繊維、極細糸、極細布帛を銀化合物で浴中吸着処理して得られる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載の抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  6. カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維の割合が重量比率で30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、極細繊維化の割合が重量比率で50%以上、好ましくは60%以上である繊維、糸、布帛を銀化合物で浴中吸着反応処理して得られる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5に記載の抗菌性と吸水性を有する極細繊維、極細繊維糸、極細繊維布帛
  7. カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維を含む繊維、糸、布帛を銀化合物で浴中吸着反応処理し、銀がカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維断面の表面方向に多く配置するように加工されていることを特徴とする抗菌性のポリエステル繊維、糸、布帛
  8. カチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維の割合が重量比率で30%以上、好ましくは50%以上の含む繊維、糸、布帛を銀化合物で浴中吸着反応処理し銀がカチオン染料に染色性を有するポリエステル繊維断面の表面方向に多く配置されていることを特徴とする抗菌性ポリエステル繊維、糸、布帛
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