JP2010274862A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2010274862A
JP2010274862A JP2009131631A JP2009131631A JP2010274862A JP 2010274862 A JP2010274862 A JP 2010274862A JP 2009131631 A JP2009131631 A JP 2009131631A JP 2009131631 A JP2009131631 A JP 2009131631A JP 2010274862 A JP2010274862 A JP 2010274862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
tire
stiffener
radial direction
rim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009131631A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5399778B2 (ja
Inventor
Takashi Okane
俊 大金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2009131631A priority Critical patent/JP5399778B2/ja
Publication of JP2010274862A publication Critical patent/JP2010274862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5399778B2 publication Critical patent/JP5399778B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】圧縮歪抑制による、カーカス折返し部の耐疲労向上即ち、ビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス本体部2と、該カーカス本体部2から各ビードコア1の周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びるカーカス折返し部3とを有するカーカスを骨格とし、該ビードコア1のタイヤ径方向外側に硬スティフナー8を具え、該硬スティフナー8のタイヤ径方向外側に軟スティフナー9を具え、該カーカス本体部2とカーカス折返し部3との間のコード間距離は、該ビードコア1からタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦最小値となり、次いで漸増して最大値となり、Hが、Hよりも大きく、Hが、Hよりもタイヤ径方向内側にあり、かつ、該軟スティフナー9の少なくとも一部が、該コード間距離が最小値となるコード間領域に含まれることを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特にビード部の耐久性を向上した空気入りタイヤに関する。
建設車両用の空気入りタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部と、該カーカス本体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びる該プライからなるカーカス折返し部を有する。この種のタイヤは、大きな荷重が負荷されながら、突起物または岩石などの凹凸の激しい荒れ地を走行する機会が多いため、苛酷な環境下においても、その使用に耐えられるように、ビード部の耐久性を向上させることが知られている。
しかし、大きな荷重が加わりタイヤが撓むと、ビード部の耐久性の向上に寄与するカーカス折返し部に圧縮歪みが発生し、特に苛酷な環境下において、この圧縮歪が繰り返しカーカス折返し部に発生すると疲労破断が生じてしまう。このようなカーカス折返し部の疲労破断は、タイヤの寿命を著しく低下させることになるため、カーカス折返し部の疲労破断を抑制することが、この種のタイヤに要求される課題の一つとなっている。
カーカス折返し部の疲労破断を引き起こす圧縮歪の発生は、ビード部が倒れ込んだ際に生じる、略カーカス本体を曲げの中立軸とした曲げ変形において、カーカス折返し部が圧縮側にあることが原因とされている。そこで、カーカス折返し部の圧縮歪を抑制するために、カーカス折返し部をカーカス本体部にできる限り近づけることが圧縮歪を低減できる代表的な手法として一般的に知られている。さらに、この手法は、適用リムのリムフランジとビード部との接触部分におけるカーカス折返し部の変形によって発生する、ビード部の外側表面とカーカス折返し部との間のゴムのせん断歪を抑制する効果もあり、カーカス折返し部に沿って発生するゴムのセパレーションを抑制するのにも有効である。
しかしながら、カーカス折返し部とカーカス本体部を近づけただけでは、カーカス折返し部とカーカス本体部との間に存在するゴムのせん断歪みを助長することになり、カーカス折返し部とカーカス本体部との間のゴムのセパレーションを、タイヤの使用期間の中で早期に発生させてしまうことになる。さらに、カーカス折返し部とカーカス本体部を近づけて圧縮歪を抑制させたとしても、圧縮歪を抑制させた箇所からタイヤ径方向外側の部分では、カーカス折返し部をカーカス本体部に近づけたことによって、逆にカーカス折返し部の曲げ剛性を低下させてしまうことになる。
すなわち、カーカス折返し部の圧縮歪を抑制するには、カーカス折返し部をカーカス本体部に近づけることが有効な対策として知られているが、一方で、カーカス折返し部とカーカス本体部との間のゴムのせん断歪みを助長してしまい、カーカス折返し部の曲げ剛性が低下してしまうことが問題となっている。
そこで、特許文献1では、カーカス本体部とカーカス折返し部との間のコード間距離が、ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって、漸減して一旦最小値となり、次いで漸増して一旦最大値となり、さらに漸減してカーカス折返し部の端部において最小値となるようにカーカス形状を構成し、このタイヤを適用リムに装着した際に、適用リムのリムベースラインから最小値および最大値のカーカス本体部の点までの高さとリムフランジの高さを調整することによって、カーカス折返し部とカーカス折返し部との間のゴムのせん断歪を抑制し、かつカーカス折返し部の曲げ剛性の低下を抑制して、カーカス折返し部の圧縮歪を低減する技術が提案されている。
また、特許文献2では、一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部と、該カーカス本体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びる該プライからなるカーカス折返し部を有するカーカスを骨格とする空気入りタイヤであって、該カーカス本体部とカーカス折返し部との間のコード間距離は、該ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦最小値となり、次いで漸増して最大値となり、さらに、該タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最小値および最大値となるカーカス本体部の点まで測った高さHおよびHと、適用リムのフランジ高さHとが、1.26×H≦H≦2.14×H、2.43×H≦H≦3.75×Hを満足し、かつコード間距離の最小値aおよびコード間距離の最大値bの比b/aが1.00を超えることを特徴とする空気入りタイヤが開示されている。かかる構成を採用し、上記したコード間距離の最大値及び最小値を設けることにより、カーカス折返し部への圧縮入力低減による、カーカス折返し部における疲労破断が抑制される。また、コード間距離の最大値を設けたことにより、カーカス折返し部とカーカス本体部間距離が広がることにより両者の間に存在するゴムのせん断歪みが緩和され、かかる歪みの緩和されたゴムのカーカスからのセパレーションが抑制される。更に、コード間距離の最小値を設けたことにより、カーカス折返し部と外側表面間の間隔が広がることにより、両者の間に存在するゴムのせん断歪みが緩和され、かかる歪みの緩和されたゴムのセパレーションが抑制される。上述したような効果により、ビード部耐久性が向上することとなる。
特開平4−185510号公報 特願2007−291026号公報
しかしながら、近年の建設車両用タイヤでは、タイヤの大型化や重荷重化が進む中さらに疲労破断を抑制すること、特に苛酷な環境下での使用に耐えられる高い耐久性を有するタイヤの実現が望まれている。
そこで、本発明は、カーカス折返し部の圧縮歪をさらに抑制して、特にカーカス折返し部の疲労破断を抑制することによって、ビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤについて提供することを目的とする。
発明者は、コード間距離の最小値が存在する領域において、カーカス折返し部とカーカス本体部間に存在するゴムのせん断歪みをついて、抑制の余地が残されており、現状以上の市場使用条件を想定した場合に、上記ゴムのせん断歪みの抑制は必須事項であることを発見した。そこで、以下に示す構成を採用することにより、コード間距離の最小値が存在する領域において、カーカス折返し部とカーカス本体部間に存在するゴムのせん断歪みを有効に抑制し、ビード部の耐久性を向上し得ることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部と、該カーカス本体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びる該プライからなるカーカス折返し部とを有するカーカスを骨格とし、該ビードコアのタイヤ径方向外側に、サイドウォールを構成するゴムよりもゴム硬度が大きいゴムからなる硬スティフナーを具え、該硬スティフナーのタイヤ径方向外側に該硬スティフナーを構成するゴムよりもゴム硬度が小さいゴムからなる軟スティフナーを具える空気入りタイヤであって、
該カーカス本体部とカーカス折返し部との間のコード間距離を、該ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦最小値となり、次いで漸増して最大値となる形状に形成するとともに、
該タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最大値となるカーカス本体部の点まで測った高さをH、該適用リムのベースラインから該硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置までを測った高さをH、適用リムのフランジ高さをHとしたとき、
該硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置Hが、Hよりも大きく、
該Hが、Hよりもタイヤ径方向内側にあり、かつ、
該軟スティフナーの少なくとも一部が、該コード間距離が最小値となるコード間領域に含まれることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記硬スティフナーを構成するゴムの硬度は、前記軟スティフナーを構成するゴムの硬度に比して、15〜25°大きい、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最小値となるカーカス本体部の点まで測った高さをH、該適用リムのベースラインから測ったタイヤ高さをHとし、H=1、H≧8.00としたとき、
1.26×H≦H≦2.14×H
2.43×H≦H≦3.75×H
1.00×H≦H≦2.25×Hf、
を満足し、
コード間距離の最小値aおよびコード間距離の最大値bの比b/aが1.00を超える、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)比b/aが1.40以上4.00以下である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)比b/aが2.00以上3.00以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記空気入りタイヤにおいて、タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最小値となるカーカス本体部の点まで測った高さをHとしたとき、H<Hを満足する、(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明は、コード間距離の最小値が存在する領域に適当なスティフナーを配置することにより、コード間距離の最小値が存在する領域において、カーカス折返し部とカーカス本体部間に存在するゴムのせん断歪みを有効に抑制し、ビード部の耐久性が向上する。
本発明に従う空気入りラジアルタイヤの幅方向半断面図を示す。 本発明に従うその他の空気入りラジアルタイヤの幅方向半断面図を示す。
以下、本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に従う空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」とする)の幅方向半断面図を示し、図2は、本発明に従うその他のタイヤの幅方向半断面図を示す。
図1において、1はビードコア、2は一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部であり、3はカーカス本体部2からプライを各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びるカーカス折返し部である。そして、カーカスは、カーカス本体部2とカーカス折返し部3からなる。このカーカス本体部2の径方向外側にベルト6を配置し、このベルト6のさらに径方向外側にトレッド部7を設け、タイヤ8が構成されている。なお、4は適用リム、5でリムフランジを示し、Lはタイヤの赤道を通って、タイヤの回転軸と平行に延びる適用リムのベースライン(以下、リムベースラインという)を示す。また。カーカス本体部2とカーカス折返し部3との間のコード間距離は、ビードコア1付近からタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦最小値となり、次いで、タイヤ径方向外側へ向かって漸増して最大値となる形態になる。
すなわち、カーカス折返し部3とカーカス本体部2との間のコード間距離を漸減して最小値としたことによって、カーカス折返し部3に作用する圧縮歪が低減される。なぜなら、カーカス折返し部3をカーカス本体部2に近づけたことによって、曲げの中立軸にカーカス折返し部3が近づき、その領域におけるカーカス折返し部3の圧縮作用が軽減されるからである。その結果、カーカス折返し部3の圧縮歪を抑制して、疲労破断を抑制することができる。
さらに、カーカス折返し部3とカーカス本体部2との間のコード間距離を漸減させたことによって、カーカス折返し部3と外側表面間との距離が開き、この領域におけるカーカス折返し部3と外側表面との間に生じるせん断歪が緩和されるため低減される。その結果、カーカス折返し部3とゴムとのセパレーションを抑制することができる。
また、最小値から径方向外側へ、カーカス折返し部3とカーカス本体部2との間のコード間距離を漸増して最大値をとることによって、その領域におけるカーカス折返し部が曲げの中立軸から離れ、引張り力が更に強くなるため引張り歪が増加する。そのため、その増加分だけ圧縮力の作用が低減することになる。その結果、カーカス折返し部3に作用する圧縮歪を低減することができるため、カーカスの疲労破断を抑制することができる。
ここで、最小値におけるカーカス本体部2のコードの中心点をA、最大値におけるカーカス本体部2のコードの中心点をBとし、Aからカーカス折返し部3に下ろした法線とカーカス折返し部3が交わるコードの中心点をA´、Bからカーカス折返し部3に下ろした法線とカーカス折返し部3が交わるコードの中心点をB´とした際に、コード間距離A〜A´をa、コード間距離B〜B´をbとする。
このとき、コード間距離最小値aは、ビードコアの断面最大径Lの0.18〜0.33倍であることが好ましい。すなわち、ビードコアの断面最大径Lの0.18倍未満では、ビード部の曲げ剛性が不足し、ビード部の倒れ込みが大きくなってしまう。そのため、カーカス折返し部とカーカス本体部との間に存在するゴムのせん断歪みの増大を招いてしまう。一方、ビードコアの断面最大径Lの0.33倍を超えると、カーカス折返し部3がカーカス本体部2から離れすぎてしまい、カーカス折返し部3に発生する圧縮歪が顕著に増加してしまう。また、ビード部の外側表面にカーカス折返し部3が近づきすぎることによって、ビード部の外側表面とカーカス折返し部3との間のゴムのせん断歪みが増加し、ビード部の耐久性を向上することができなくなってしまう。
また、図1に示すタイヤは、ビードコア1のタイヤ径方向外側に、サイドウォールを構成するゴムよりもゴム硬度が大きいゴムからなる硬スティフナー8を具え、かかる硬スティフナー8のタイヤ径方向外側に硬スティフナー8を構成するゴムよりもゴム硬度が小さいゴムからなる軟スティフナー9を具える。さらに、該タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最大値となるカーカス本体部の点まで測った高さをH、該適用リムのベースラインから該硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置までを測った高さをH、適用リムのフランジ高さをHとしたとき、硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置Hが、Hよりも大きい。また、Hが、Hよりもタイヤ径方向内側にあり、かつ、軟スティフナー9の少なくとも一部が、コード間距離が最小値となるコード間領域に含まれている。
すなわち、上記構成を採用し、ビードコア1のタイヤ径方向外側に硬スティフナー8を配置し、更にそのタイヤ径方向外側に軟スティフナー9を配置することにより、軟スティフナー9側に歪みが効果的に集中しつつも、硬スティフナー8によりビード部の倒れ込み変形が有効に抑制され、ビード部の耐久性が向上することとなる。また、軟スティフナー9の少なくとも一部が、コード間距離が最小値となるコード間領域に含まれていることから、かかるコード間領域において、軟スティフナー9が倒れ込み変形の際の緩衝材として機能し、硬スティフナーのみがコード間距離が最小値となるコード間領域に配置されている場合に比べ、当該コード間距離が最小値となるコード間領域におけるゴムの破壊が抑制され、ビード部の耐久性が向上することとなる。更に、硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置Hが、Hよりも大きく、該Hが、Hよりもタイヤ径方向内側にあることから、硬スティフナーが倒れ込み変形を有効に抑制しすることとなる。
さて、リムベースラインLから最小値となるカーカス本体部2の点Aまでの高さをH、リムベースラインLから最大値となるカーカス本体部2の点Bまでの高さをH、リムベースラインLからリムフランジ5の高さをHとし、H=1、H≧8.00とした際、
1.26×H≦H≦2.14×H
2.43×H≦H≦3.75×H
1.00×H≦H≦2.25×H
を満足することが肝要である。
すなわち、Hが1.26×H未満であると、ビードコア1からコード間距離の最小値の変化が最端に大きくなり、カーカス折返し部3をカーカス本体部2へ凸形状とするのに急な曲率変化を必要とすることから、タイヤ製造が困難となる。さらに、リムフランジ5の下端付近におけるビード部の曲げ剛性が低下してビード部の倒れ込み量が大きくなるため、カーカス折返し部3とカーカス本体部2との間のゴムに働くせん断歪の増加が顕著になる。これに加えて、カーカス折返し部3沿いのゴムのせん断歪の増加を顕著にさせ、カーカス折返し部3のカーカス本体部側およびリムフランジ側のゴムとのセパレーションを招くことになるため、タイヤの寿命が低下してしまう。
一方、Hが2.14×Hを超えると、カーカス折返し部3に圧縮歪が作用する領域に対し最小値の位置が径方向外側へ寄りすぎてしまうため、径方向内側(ビードコア側)の圧縮歪が大きくなってしまう。さらに、リムフランジ5付近のカーカス折返し部3が、カーカス本体部2と逆方向に凸となる形状となるため、ビード部の外側表面とカーカス折返し部3との間のゴムに働くせん断歪が増大して、カーカス折返し部3とゴムとのセパレーションの発生を抑制することが難しくなる。
なお、高さHは、カーカス折返し部3に生じる圧縮歪が顕著に増加し始める領域に設定することによって、本発明の有利な効果をさらに発揮することができるため、1.4×H≦H≦1.9×Hとすることが好ましい。
次に、Hが2.43×H未満であると、最大値となる位置でカーカス折返し部3に働く圧縮歪が強くなり、カーカス折返し部3に引張歪を作用させて圧縮歪を低減させる効果が減少してしまい、カーカス折返し部3の疲労破断を抑制することが難しくなる。
一方、Hが3.75×Hを超えると、圧縮力の作用領域から最大値が離れすぎてしまうため、カーカス折返し部3に引張歪を作用させて圧縮歪を低減させる効果が減少してしまい、カーカス折返し部3の疲労破断を抑制することができなくなる。
さらに、カーカス折返し部3の端部付近のサイドウォール部領域において、カーカス折返し部3に加わる張力が高くなり、この張力はカーカス折返し部の端部がビードコア1から引き抜ける方向に作用する。その結果、カーカス折返し部3の端部付近におけるゴムのせん断歪が増加し、カーカス折返し部3の端部に亀裂が発生する。
なお、高さHは、引張り力を強く作用させて、圧縮力が減少することによって、圧縮歪が顕著に減少する領域に設定することによって、本発明の有利な効果をさらに発揮できることから、2.8×H≦H≦3.4×Hとすることが好ましい。
次に、高さHが1.00×H未満の場合には、硬スティフナー8が充分に配置されていないことから、タイヤ負荷転動時の倒れ込み変形が有効に抑制されずに、ビード部の耐久性が有効に向上しない可能性がある。一方、高さHが2.25×Hを超える場合には、硬スティフナー8が配置されている領域が広くなりすぎて、軟スティフナー9の緩衝材としての機能が有効に発揮されないことから、上述したように、2種のスティフナーを配置することによる効果が充分に得られない可能性がある。
さらに、コード間距離最小値aおよびコード間距離最大値bによる比b/aが1.00を超えることが肝要である。すなわち、比b/aが1.00以下であると、圧縮歪を低減させることが不可能となってしまう。なぜなら、比b/aが1.00以下となる形状では、引張り変形が発生する領域Tにおいて、その引張り力が増加されないため、圧縮歪を十分低減する効果が失われてしまう。その結果、カーカス折返し部3の疲労破断の抑制ができなくなる。
ここで、ビード部全体の厚みが厚くなり、特に、最大値となる付近での増厚から、カーカス折返し部3およびカーカス本体部2との間のゴムにおける発熱や蓄熱の増加による、セパレーション発生を回避を解消するために、1.40以上4.00以下とすることが好ましい。さらに、重荷重環境下または低内圧環境下におけるカーカス折返し部3の疲労破断やカーカス折返し部3およびカーカス本体部2との間のゴムの発熱や蓄熱の増加を抑制するには、2.00以上3.00以下とすることが好ましい。
また、ビード部の倒れ込み変形を有効に抑制する観点から、硬スティフナー8を構成するゴムの硬度は、75°〜85°の範囲にあることが好ましく、軟スティフナー9を構成するゴムの硬度は、30°〜70°の範囲にあることが好ましく、かつ、軟スティフナー9を構成するゴムの硬度に比して、硬スティフナー8を構成するゴムの硬度が15〜25°大きいことが好ましい。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したものに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図2に示すように、硬スティフナー8をコード間距離が最小値となるコード間領域よりもタイヤ径方向内側に配置したような構成とすることも可能である。
図1に示すタイヤの基本構造に従って、表1及び2に示す種々の仕様の下、サイズ59/80R63の建設車両用の空気入りラジアルタイヤを試作した。得られたタイヤを、幅が1117.6mm、フランジ高さHが127mmのリムに組み込み、内圧を600kPaに調整して、ビード部の耐久試験を行った。その結果を表1及び2に示す。
Figure 2010274862
Figure 2010274862
ビード部の耐久性は、ドラム径が7mのドラム耐久試験機にて、ドラム速度を8km/hとし、ドラム荷重として、正規荷重996.4kNの150%〜180%の荷重を、ステップロード方式によって付与する試験にて評価した。なお、ステップロード方式は、測定対象の空気入りラジアルタイヤに、12時間にわたるドラム荷重を負荷する際、スタート時を正規荷重の150%として、以後正規荷重の10%を加えながら、最終的に正規荷重の180%を負荷するものである。その結果は、従来例の評価を100として、各々を指数化した。
また、故障箇所については、試験後の空気入りラジアルタイヤを試験後の空気入りラジアルタイヤを切断および解剖することによって調査した。
表1及び2に示す結果を比較するに、発明例の空気入りラジアルタイヤでは、上述した耐久試験を行いビード部の耐久性を測定すると、発明例の空気入りラジアルタイヤの方がビード部の耐久性において優れていることが分かる。
この発明によって、カーカス折返し部とカーカス本体部間に存在するゴムのせん断歪みを有効に抑制し、ビード部の耐久性が向上したタイヤを提供することが可能となった。
1 ビードコア
2 カーカス本体部
3 カーカス折返し部
4 適用リム
5 リムフランジ
6 ベルト
7 トレッド部
8 硬スティフナー
9 軟スティフナー

Claims (6)

  1. 一対のビードコア間にわたってトロイダル状に跨る複数本のコードをゴム被覆したプライからなるカーカス本体部と、該カーカス本体部から各ビードコアの周りにそれぞれタイヤの内側から外側へ巻き返してタイヤ径方向外側へ延びる該プライからなるカーカス折返し部とを有するカーカスを骨格とし、該ビードコアのタイヤ径方向外側に、サイドウォールを構成するゴムよりもゴム硬度が大きいゴムからなる硬スティフナーを具え、該硬スティフナーのタイヤ径方向外側に該硬スティフナーを構成するゴムよりもゴム硬度が小さいゴムからなる軟スティフナーを具える空気入りタイヤであって、
    該カーカス本体部とカーカス折返し部との間のコード間距離を、該ビードコアからタイヤ径方向外側へ向かって漸減して、一旦最小値となり、次いで漸増して最大値となる形状に形成すると共に、
    該タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最大値となるカーカス本体部の点まで測った高さをH、該適用リムのベースラインから該硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置までを測った高さをH、適用リムのフランジ高さをHとしたとき、
    該硬スティフナーのタイヤ径方向外側端位置Hが、Hよりも大きく、
    該Hが、Hよりもタイヤ径方向内側にあり、かつ、
    該軟スティフナーの少なくとも一部が、該コード間距離が最小値となるコード間領域に含まれることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記硬スティフナーを構成するゴムの硬度は、前記軟スティフナーを構成するゴムの硬度に比して、15〜25°大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最小値となるカーカス本体部の点まで測った高さをH、該適用リムのベースラインから測ったタイヤ高さをHとし、H=1、H≧8.00としたとき、
    1.26×H≦H≦2.14×H
    2.43×H≦H≦3.75×H
    1.00×H≦H≦2.25×Hf、
    を満足し、
    コード間距離の最小値aおよびコード間距離の最大値bの比b/aが1.00を超える、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記比b/aが1.40以上4.00以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記比b/aが2.00以上3.00以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記空気入りタイヤにおいて、タイヤを適用リムに装着した際に、該適用リムのベースラインから前記最小値となるカーカス本体部の点まで測った高さをHとしたとき、H<Hを満足する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
JP2009131631A 2009-05-29 2009-05-29 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5399778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131631A JP5399778B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131631A JP5399778B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010274862A true JP2010274862A (ja) 2010-12-09
JP5399778B2 JP5399778B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=43422226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009131631A Expired - Fee Related JP5399778B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5399778B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130192738A1 (en) * 2010-08-05 2013-08-01 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
WO2014005970A1 (fr) 2012-07-04 2014-01-09 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bourrelet de pneumatique pour vehicule lourd de type genie civil
JP2017065637A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ
WO2017057705A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ
JP2017065670A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ
US9796218B2 (en) 2012-12-13 2017-10-24 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bead of a tire for a heavy vehicle of the construction plant type

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002085647A1 (fr) * 2001-04-16 2002-10-31 Sumitomo Rubber Industries, Ltd Pneumatique

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002085647A1 (fr) * 2001-04-16 2002-10-31 Sumitomo Rubber Industries, Ltd Pneumatique

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130192738A1 (en) * 2010-08-05 2013-08-01 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
US8863800B2 (en) * 2010-08-05 2014-10-21 Bridgestone Corporation Pneumatic tire with specified carcass folded section and notched portion
WO2014005970A1 (fr) 2012-07-04 2014-01-09 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bourrelet de pneumatique pour vehicule lourd de type genie civil
JP2015525697A (ja) * 2012-07-04 2015-09-07 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン 建設プラント型重量物運搬車両用タイヤビード
US9796218B2 (en) 2012-12-13 2017-10-24 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bead of a tire for a heavy vehicle of the construction plant type
JP2017065637A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ
WO2017057705A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ
JP2017065670A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ブリヂストン 建設車両用タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5399778B2 (ja) 2014-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5216304B2 (ja) 建設車両用空気入りタイヤ
JP4659099B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ、及びその製造方法
JP4934178B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5022003B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5639596B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP5399778B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5973772B2 (ja) ランフラットタイヤ
CN106541788B (zh) 重载用轮胎
JP2009286225A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP4841456B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP2015145177A (ja) ランフラットラジアルタイヤ
JP2015145176A (ja) ランフラットラジアルタイヤ
JP6411059B2 (ja) 乗用車用サイド補強型ランフラットラジアルタイヤ
JP2011016337A (ja) 重荷重用ラジアルタイヤの製造方法
JP6196494B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4041479B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP6347979B2 (ja) サイド補強型ランフラットラジアルタイヤ
JP2020069992A (ja) 空気入りタイヤ
JP5536259B1 (ja) ランフラットタイヤ
JP4945136B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5069510B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP3890050B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP6396168B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5476109B2 (ja) 偏平重荷重用ラジアルタイヤ
JP2008088613A (ja) スチールコード、ゴム−スチールコード複合体および重荷重用空気入りラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5399778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees