JP2010274339A - 研削装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】研削装置1は、いずれも超仕上げ砥石を保持するための第1の砥石保持装置2および第2の砥石保持装置2と、保持される超仕上げ砥石7の研削面16が向く側に対して第1の砥石保持装置を前進および後退させ、かつ第2の砥石保持装置を、第1の砥石保持装置の前進または後退に同期させて保持される超仕上げ砥石の研削面が向く側に対して後退および前進させる移動装置6と、を有し、第1の砥石保持装置の前進方向と第2の砥石保持装置の前進方向とが、180度逆方向であって互いに遠ざかる方向であり、第1の砥石保持装置および第2の砥石保持装置が一体に振動するように形成される。
【選択図】 図1
Description
円すいころ軸受の超仕上げに関し、複列ではない単列の円すいころ軸受の外輪における内側を向く軌道面の超仕上げを行う研削装置が、特許文献1に開示されている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、複列円すいころ軸受の外輪の超仕上げを1度に行うことができる研削装置を提供することを目的とする。
好ましくは、前記第1の砥石保持装置および前記第2の砥石保持装置は、保持する前記超仕上げ砥石をその研削面が向く側に押し出すためのエアシリンダを有する。
研削装置1は、第1砥石押圧装置2、第2砥石押圧装置3、主アーム4、副アーム5、移動装置6およびオシレーション装置等からなる。
第1砥石押圧装置2は、ベース11、加圧シリンダ12および砥石保持部13で構成される。
ベース11は、主要部分が肉厚の矩形板状の金属で形成され、その幅広の面の一方に、長手方向に伸びる溝である凹溝21が設けられている。凹溝21は、建築物におけるあり継ぎのほぞ穴と同一の形状であり、その(長手方向に直交する)断面の形状は、穴底22を下底とする台形である。凹溝21は後に説明する押圧装置保持部材17の凸帯43とともにアリスライドを形成する。
加圧シリンダ12は、その軸心をラック23の長手方向に一致させて、ベース11における凹溝21設けられた面に平行な他方の面に固定されている。加圧シリンダ12は、押し型の単動型エアシリンダ装置である。
案内部25は、砥石規制部27および側板28からなる。砥石規制部27は、断面が矩形の溝である砥石溝29を備えて、「コ」字状の断面形状を有する。砥石溝29の断面形状は、砥石保持部13が保持を予定する超仕上げ砥石7の断面の形状に略等しい。
側板28は、平板状であって、砥石溝29に超仕上げ砥石7を収めたのちに砥石溝29の開口全体を覆ってボルト31,32により砥石規制部27と一体化される。
押出部材26は、超仕上げ砥石7の断面形状と略等しい断面形状を有する四角柱状の押圧部34と、押圧部34の長手方向の一端部で直交する方向に拡がる受圧部35からなる。押圧部34は、受圧部35とは反対側の端部が、案内部25における砥石規制部27の砥石溝29に挿入されている。
超仕上げ砥石7の先端の研削面16は、角柱の軸に直交する母線を有する湾曲面でなく角柱の軸に対して傾斜した母線を有する湾曲面となっている。
超仕上げ砥石7は、凸側が押しつけられて両端がボルト37,38により案内部25に取り付けられた、湾曲する板ばね33により、砥石保持部13からの脱落が防止される。
第1砥石押圧装置2は、流体圧シリンダの12のロッド36と押出部材26の受圧部35とが常に一体となって移動し、押出部材26の押圧部34と超仕上げ砥石7とが常に一体となって移動するように形成されている。
第2砥石押圧装置3は、ベース11B、加圧シリンダ12および砥石保持部13で構成される。第2砥石押圧装置3は、ベース11Bが連結部20を備えていない点を除き、ベース11B、加圧シリンダ12および砥石保持部13の構成は、第1砥石押圧装置2におけるベース11、加圧シリンダ12および砥石保持部13の構成と同一である。
主アーム4は、副アーム5と対向する表面に、ピニオン軸41を挟んで1対の押圧装置保持部材17,17が固定されている。押圧装置保持部材17は、(主アーム4の)伸びた方向に略75度傾斜し突出する帯状に伸びる凸帯43を備えている。2つの凸帯43,43は平行に伸び、いずれもその断面形状が、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3のベース11,11Bにおける凹溝21,21の断面形状と同一(台形)である。
移動装置6は、ピニオン軸41および駆動シリンダ14からなる。
ピニオン軸41は、一端が主アーム4に、他端が副アーム5に、それぞれ回動自在に保持される。ピニオン軸41は、主アーム4側にピニオン(小歯車)42を有する。ピニオン42は、ラック23にちょうど噛み合う形状である。
駆動シリンダ14は、複動型エアシリンダ装置である。駆動シリンダ14は、主アーム4における副アーム5に対向する表面に直交して副アーム5側に拡がる基部15に固定されている。駆動シリンダ14は、ロッド44の往復移動(伸縮)方向が、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3の加圧シリンダ12,12におけるロッド36,36の移動(伸張)方向と一致している。ロッド44の先端は、ベース11の連結部20に固着されている。
次に、研削装置1の超仕上げ加工における動作について説明する。
図1を参照して、研削対象物である複列円すいころ軸受における外輪(以下「ワークW」という)は、自由回転する1対のサポートローラ46に乗せられる。また、ワークWは、軸方向の一端がバッキングプレート47に当接され、軸方向の他端が自由回転するプレッシャローラ48によりバッキングプレート47側に押圧される。
研削装置1は、駆動シリンダ14が収縮した状態で、主アーム4に保持された第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3が、ワークWの内側の所定の位置に差し入れられる。このとき、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3が保持するそれぞれの超仕上げ砥石7,7は、案内部25,25から所定の寸法、例えば3mm外方に飛び出している。
バッキングプレート47が回転を始め、バッキングプレート47に押圧されたワークWが所定回転数で回転する。
また、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3は、移動方向から見たときに重ならないように配されており、そのために、それぞれの超仕上げ砥石7,7を、ワークWの互いに異なる軌道面51a,51bに押し当てることができる。
駆動シリンダ14による第1砥石押圧装置2の移動、および回転するピニオン42による第2砥石押圧装置3の移動は、それぞれのベース11,11Bにおける凹溝21,21が、押圧装置保持部材17,17の凸帯43,43に案内されるアリスライドにより、精度良く行われる。
主アーム4および副アーム5が、軌道面51a,51bの傾斜方向に振動(オシレーション)を始め、超仕上げ加工が開始される。
超仕上げ加工が終了するとも加圧シリンダ12,12への空気圧の供給が停止され、駆動シリンダ14が収縮(後退)動作を行う。
図4は超仕上げ加工後の研削装置1の動作を示す図である。
研削装置1では、第1砥石押圧装置2の後退に同期して、第2砥石押圧装置2が保持する超仕上げ砥石7が後退する。
これと同時に、バッキングプレート47の回転および主アーム4および副アーム5の振動が停止される。
主アーム4および副アーム5は、ワークWの内側から引き出され、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3がワークWから抜き出される。
なお、ワークWの回転開始および回転停止のタイミング、超仕上げ砥石7,7の振動開始および振動停止のタイミング等の諸条件は、任意に設定可能である。
研削装置1は、複列円すいころ軸受における外輪の2つの軌道面51a,51bを、超仕上げ砥石7,7の押圧力等の条件を略同一として1度に超仕上げ加工することができる。
また、研削装置1は、複列円すいころ軸受における外輪の2つの軌道面51a,51bを1チャッキングで超仕上げ加工することにより、個々に超仕上げ加工する場合には実現し難い軌道面51a,51bの軸心を一致させる(同軸度を高くする)ことができる。そのため、研削装置1で超仕上げ加工された軌道面51a,51bを有する複列円すいころ軸受は、芯ブレの発生が抑えられ、摩耗が減少し、長期間の使用に耐えることができる。
また、ベース11,11Bに凸帯43,43を設け、押圧装置保持部材17,17に凹溝21,21を設けて、第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3の凸帯43,43が凹溝21,21に案内されるように構成してもよい。第1砥石押圧装置2が凹溝21を備え、第2砥石押圧装置3が凸帯43を備える、変則的な形態でもよい。
また、スライド機構を、主アーム4側に加え副アーム5と第1砥石押圧装置2および第2砥石押圧装置3との間に設けてもよい。
その他、研削装置1、および研削装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
2 第1の砥石保持装置(第1砥石押圧装置)
3 第2の砥石保持装置(第2砥石押圧装置)
4 アーム(主アーム)
6 移動装置
7 超仕上げ砥石
12 エアシリンダ(加圧シリンダ)
14 流体圧シリンダ装置(駆動シリンダ)
16 (超仕上げ砥石の)研削面
23 ラック
42 ピニオン
Claims (3)
- いずれも超仕上げ砥石を保持するための第1の砥石保持装置および第2の砥石保持装置と、
保持される超仕上げ砥石の研削面が向く側に対して前記第1の砥石保持装置を前進および後退させ、かつ前記第2の砥石保持装置を、前記第1の砥石保持装置の前進または後退に同期させて保持される超仕上げ砥石の研削面が向く側に対して後退および前進させる移動装置と、を有し、
前記第1の砥石保持装置の前進方向と前記第2の砥石保持装置の前進方向とが、180度逆方向であって互いに遠ざかる方向であり、
前記第1の砥石保持装置および前記第2の砥石保持装置が一体に振動するように形成された
ことを特徴とする研削装置。 - 前記第1の砥石保持装置および前記第2の砥石保持装置は、それぞれの前進後退が移動方向から見たときに重ならない位置で行われるように配され、
前記移動装置は、
前記第1の砥石保持装置と前記第2の砥石保持装置との間に配されてこれらの移動方向に直交する方向に軸心を有するピニオンと、
前記第1の砥石保持装置および前記第2の砥石保持装置にそれぞれ設けられて前記ピニオンと噛み合わされたラックと、
前記第1の砥石保持装置を前進および後退させる流体圧シリンダ装置と、を有する
請求項1に記載の研削装置。 - 前記第1の砥石保持装置および前記第2の砥石保持装置は、
保持する前記超仕上げ砥石をその研削面が向く側に押し出すためのエアシリンダを有する
請求項1または請求項2に記載の研削装置。
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Citations (3)
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JPH1158216A (ja) * | 1997-08-20 | 1999-03-02 | Nisshin Seisakusho:Kk | ホーニング加工方法およびホーニング装置 |
JP2002326153A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-11-12 | Nsk Ltd | 円錐ころ軸受の超仕上方法及び装置 |
JP2008246589A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Ntn Corp | 複列転走面の同時超仕上げ加工装置 |
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