以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の構成を示す斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる前面枠3を備える。前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光が発光される装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された各種LED基板9a(図3参照)が備えられている。各種LED基板9aを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ30が備えられている。また、ガラス枠18の上方には照明ユニット11が備えられている。照明ユニット11の内部には、前述した各種LED基板9aが備えられている。
照明ユニット11の右側には、遊技機1において異常が発生したことを報知するための異常報知LED29が備えられている。
前面枠3の下部に開閉可能に取り付けられる開閉パネル20には、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する上皿21が備えられる。さらに、開閉パネルの下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には灰皿15、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10aに発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための3種類の演出ボタンが備えられている。演出ボタンには、セレクトボタン61、実行ボタン62及び決定ボタン63が含まれる。
遊技者は、セレクトボタン61を操作することによって、表示装置53(図2参照)における変動表示ゲームの演出内容を選択することができる。さらに、遊技者が実行ボタン62を操作することによって、変動表示ゲームに遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能である。また、通常遊技状態で遊技者が演出ボタンを操作することによっても演出パターンを変更することが可能である。なお、通常遊技状態とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。
さらに、本発明の実施の形態では、演出ボタンを操作することによって、変動表示ゲーム中に実行されている変動パターン(変動表示態様)に対応する履歴情報を表示することができる。また、変動表示ゲーム中に予告演出がさらに実行された場合には、変動パターン及び予告演出に対応する履歴情報を表示することが可能である。なお、変動表示ゲーム中でない場合であっても、演出ボタンを操作することによって、参照したい履歴情報を表示することが可能である。
本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの2種類の変動表示ゲームが実行される。特図変動表示ゲームでは、複数の識別情報が表示装置53に変動表示され、複数の識別情報の停止結果が予め定められた特別態様(ぞろ目等)となって大当りが発生すると、遊技者に有利な状態に遷移する。普図変動表示ゲームでは、普図表示器の複数のLEDの点灯結果が予め定められた特定態様(所定位置のLEDが点灯する等)となって当りが発生すると、例えば、特図変動表示ゲームが実行されやすい状態に遷移する。本発明の実施の形態では、主として、特図変動表示ゲームの履歴情報が表示装置53に表示される。なお、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの詳細については後述する。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材33が取り付けられている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース51が取り付けられている。センターケース51に形成された窓部52の後方には、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置53が配置されている。表示装置53は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース51の窓部52を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置53は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた特別図柄(例えば、「0」〜「9」までの図柄及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、遊技盤10には、普図始動ゲート34と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームに関する情報などを表示する普図・特図表示器35が設けられている。また、遊技領域10a内には、始動入賞領域をなす始動口36が設けられている。そして、遊技球が始動口36に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
さらに遊技領域10aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有し、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置42、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
この他、遊技領域10aには、一般入賞口44、打球方向変換部材としての多数の障害釘(図示略)などが配設されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた一般入賞口SW44a〜44n(図3参照)によって検出される。
一般入賞口44、始動口36、及び特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から払い出すように払出制御装置580(図3参照)が制御することによって、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
また、センターケース51は、遊技領域10aに向けて開口し、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れる流入口56aと、流入口56aから流入した遊技球がセンターケース51の内部を通過して、遊技領域10aに排出される排出口56bとを備える。排出口56bは始動口36の上方に配置されているため、排出口56bから排出された遊技球は始動口36に入賞しやすくなっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための普図始動ゲートSW34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態で普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図始動記憶数)が上限数未満であるならば、普図始動記憶数に1を加算し、当該普図変動表示ゲームが当りとなるか否かを示す乱数が普図始動記憶として一つ記憶される。
普図変動表示ゲームが開始できない状態とは、例えば、普図変動表示ゲームが既に行われ、該普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームで当りとなったために始動口36が開状態になっている状態である。
なお、普図始動記憶数は、LEDを備える普図・特図表示器35によって表示される。
普図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行される。なお、表示装置53の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしてもよく、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、この識別図柄を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
普図変動表示ゲームの停止表示が特別な結果態様になると、普図変動表示ゲームが当りとなり、始動口36の開閉部材36aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、始動口36に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームが始動しやすくなる。
始動口36には、左右一対の開閉部材36aが具備される。開閉部材36aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL36b、図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて始動口36に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
始動口36の内部には始動口SW36d(図3参照)が備えられ、始動口SW36dによって遊技球の入賞を検出し、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するように構成されている。特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。特図変動表示ゲームの始動記憶数(特図始動記憶数、保留記憶数)は、普図・特図表示器35に表示される。
そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(特図始動記憶数が0の状態)で、始動口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って抽出された乱数が始動記憶として記憶されて、特図始動記憶数に1が加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に特図始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動口36に遊技球が入賞すると、特図始動記憶数が上限数未満(例えば、4個未満)ならば、特図始動記憶数に1が加算され、始動口36に遊技球が入賞したタイミングで抽出された乱数が一つ記憶される。
そして、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される。
補助遊技としての特図変動表示ゲームは、遊技盤10に設けられた普図・特図表示器35で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置53にて特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる。具体的に説明すると、特図変動表示ゲームが開始されると、表示装置53は、前述した複数種類の識別情報の変動表示を、左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に開始する。つまり、表示装置53では、普図・特図表示器35の表示に対応する特別図柄の変動表示が行われる。普図・特図表示器35は、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らせ、表示装置53は、興趣向上のために多様な表示を演出する。
さらに、始動口36への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当たり乱数値が当たり値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置53の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、普図・特図表示器35によらずに表示装置53のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口開閉ソレノイド(大入賞口SOL)42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。また、特別変動入賞装置42への遊技球の入賞は、カウントSW42d(図3参照)によって検出される。
また、本発明の実施の形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、特別遊技状態とは別の複数の遊技状態を生起することが可能となっている。例えば、通常遊技状態と比較して変動表示ゲームを多く実行することが可能な状態である。このような遊技状態には、具体的には、変動表示ゲームにおいて当選確率が通常遊技状態と比較して高く設定される確変遊技状態がある。
さらに別の遊技状態として、特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて表示装置53における特図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮する時短遊技状態(時短動作状態)が挙げられる。時短遊技状態は、始動口36の開閉部材36aの動作状態が、通常遊技状態と比較して開放状態となりやすい状態になる。
時短遊技状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が、通常遊技状態における長い実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの始動口36の開閉部材36aの開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって始動口36の開閉部材36aが開放される場合に、開放時間が通常遊技状態の短い開放時間より長くされるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短遊技状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、始動口36の開閉部材36aが1回ではなく、複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短遊技状態においては普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常遊技状態より高くなるように制御される。すなわち、通常遊技状態よりも始動口36の開閉部材36aの開放回数が増加され、始動口36に遊技球が入賞しやすくなる。
なお、確変遊技状態と時短遊技状態はそれぞれ独立して発生させることが可能であり、両方を同時に発生させてもよいし、一方のみを発生させてもよい。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置500を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置である。演出制御装置550は、遊技制御装置500からの指示に基づいて、演出を制御する。電源装置300は、遊技制御装置500及び演出制御装置550に電力を供給する。
遊技制御装置500は、マイクロプロセッサ(CPU)502、ROM(Read Only Memory)503、RAM(Random Access Memory)504、入力I/F(Interface)505、出力I/F506、及び外部通信端子507を備える。
マイクロプロセッサ502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動口SW36d、一般入賞口SW44a〜44n、普図始動ゲートSW34a、カウントSW42d、枠開放SW18a、及び球切れSW54)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、マイクロプロセッサ502は、出力I/F506を介して、特図表示器35a、普図表示器35b、普電SOL36b、大入賞口SOL42b、及び払出制御装置580に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時のワークエリアとして利用される。外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に接続するためのインターフェースである。
枠開放SW18aは、遊技盤10を覆うカバーガラスを備えるガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。また、前面枠3の開放も検出することも可能である。
普図・特図表示器35(図2参照)は、特図表示器35a及び普図表示器35bを有する。特図表示器35aは、特図変動表示ゲームの識別情報(特別図柄)の変動表示、及び特図始動記憶数(保留記憶数)の表示を行う。普図表示器35bは、普図変動表示ゲームの識別情報(普通図柄)の変動表示、及び普図始動記憶数の表示を行う。
普電SOL36bは、始動口36の開閉部材36aを所定時間拡開するように動作させる。
大入賞口SOL42bは、特別変動入賞装置42の大入賞口が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
また、遊技制御装置500は、遊技機データ(例えば、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号、及び特別遊技状態(大当り)の発生を示す特賞信号等)を、外部端子板508を介して、情報収集端末装置に出力する。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、出力I/F506を介して、演出制御装置550に送信する。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から送信された演出制御指令信号に基づいて、表示装置53の表示、各種LED基板9aによる装飾光の発光状態、及び、スピーカ30からの効果音の出力を制御する。
演出制御装置550は、CPU551、ROM552、RAM553、通信I/F554、及び入出力I/F555を備える。
CPU551は、遊技制御装置500からの指令に基づいて、各種演出を制御する。ROM552は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM553は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。通信I/F554は、遊技制御装置500に接続するためのインターフェースである。
演出制御装置550には、入出力I/F555を介して、実行ボタンSW62a、セレクトボタンSW61a及び決定ボタンSW63aを含む演出ボタンSWが接続される。演出ボタンSWは、遊技者による演出ボタンの操作を検出する。演出制御装置550は、遊技者によって実行ボタン62が操作されたことを検出すると、検出された操作内容に基づく演出を実行する。また、変動表示ゲームの履歴情報などを表示するための操作にも利用される。
電源装置300は、電源回路などの通常電源310及びバックアップ電源320を備える。電源装置300には、さらに、図示しない停電監視回路が備えられている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置500等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。
遊技制御装置500は、停電検出信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けるとマイクロプロセッサ(CPU)502の動作を停止させる。
バックアップ電源320は、遊技制御装置500のRAM504等に電力を供給し、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報(変動表示ゲームに関する情報等を含む))などを保持させる。
次に、遊技制御装置500における遊技の制御について説明する。遊技を制御する処理には、主として、メイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に実行されるタイマ割込み処理とが含まれる。
図4A及び図4Bは、本発明の実施の形態の遊技制御装置500におけるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機に電源が投入された場合又は停電が復旧した場合に遊技制御装置500のマイクロプロセッサ502によって実行が開始される。メイン処理は、初期化処理、メインループ処理(遊技機が通常稼動している状態の処理)、及び停電発生時の処理を含む。
メイン処理が開始されると、最初に、初期化処理が実行される。初期化処理には、停電発生時の状態に復帰するための処理が含まれている。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、割込みを禁止する(ステップ401)。続いて、割込みベクタ及びスタックポインタをセットし(ステップ402)、さらに、割込みモードの設定及びRAM504へのアクセス許可を行う(ステップ403)。その後、全出力ポートをOFFに設定する(ステップ404)。
次に、遊技制御装置500は、RAMクリアスイッチ(クリアSW)がONであるか否かを判定する(ステップ405)。前述のように、停電発生時には、電源装置300のバックアップ電源320によって、遊技制御装置500のRAM504の記憶内容がバックアップされる(バックアップ記憶手段)。
遊技制御装置500は、電源投入時にRAMクリアスイッチがONに設定されている場合には(ステップ405の結果が「YES」)、RAM504の記憶内容を初期化する。具体的な手順としては、まず、使用するRAM504の記憶内容をクリアし(ステップ412)、電源投入時に設定される所定の初期値をRAM504に設定する(ステップ413)。そして、電源投入コマンド編集処理を実行する(ステップ414)。電源投入コマンド編集処理については図5Bで後述する。
遊技制御装置500は、電源投入時にRAMクリアスイッチがONに設定されていない場合には(ステップ405の結果が「NO」)、停電復旧を行うか否かを判定し、必要に応じて停電復旧を行う。
遊技制御装置500は、停電によって遊技機1の電源が遮断された場合には、停電直前の遊技状態などを含む停電検査領域チェックデータを停電検査領域に保存する。さらに、停電の発生を示す停電フラグも記録される。これに対し、なお、通常の電源遮断時には、停電検査領域チェックデータを保存しない。そこで、遊技制御装置500は、停電検査領域をチェックし(ステップ406)、停電フラグが記録されているか否かを判定することによって停電復旧を行うか否かを判定する(ステップ407)。
遊技制御装置500は、停電復旧を行わない場合には(ステップ407の結果が「NO」)、通常の電源投入時と同様に、ステップ412以降の処理を実行することによってRAM504を初期化する。
遊技制御装置500は、停電復旧を行う場合には(ステップ407の結果が「YES」)、停電検査領域チェックデータのチェックサムの値が正常であるか否かを判定する(ステップ408)。具体的には、停電時にバックアップされたRAM504の記憶内容から生成されるチェックサムと停電時に記録されたチェックサムとを比較し、両者が一致すれば正常と判定し、一致しなければ異常と判定する。
遊技制御装置500は、チェックサムが正常でない場合には(ステップ408の結果が「NO」)、停電前の状態に復旧させることができないため、通常の電源立ち上げ時と同様に、ステップ412以降の処理を実行してRAM504を初期化する。
RAM504のデータとチェックデータが一致しない場合としては、例えば、落雷による異常電流等によってデータが破壊された場合や電源の遮断時間がバックアップ可能な時間を超過した場合が考えられる。また、何らかの理由で電源装置300と遊技制御装置500との接続が遮断され、バックアップ電源320から電力が供給されなくなったためにRAM504が初期化された場合なども考えられる。さらに不正な遊技制御装置500では、RAM504がバックアップされていないことが多いため、不正な遊技制御装置500が取り付けられた場合も考えられる。
遊技制御装置500は、チェックサムが正常である場合には(ステップ408の結果が「YES」)、RAM504を停電発生時の状態に復帰させるための処理を実行する。具体的には、まず、RAM504に停電復旧時の初期値を設定する(ステップ409)。さらに、遊技状態に係る領域をクリアし、さらに、遊技状態の表示(例えば、LEDなどによる装飾表示)をクリアする(ステップ410)。その後、停電復旧コマンド編集処理を実行する(ステップ411)。停電復旧コマンド編集処理については図5Aで後述する。
そして、遊技制御装置500は、停電前の特図変動表示ゲームの抽選確率が低確率状態であったか否かを判定する(ステップ415)。すなわち、停電前の状態の遊技状態を選択する。具体的には、遊技状態は、通常遊技状態、時短遊技状態又は確変遊技状態の何れかが選択される。低確率状態には、通常遊技状態が該当する。停電前の特図変動表示ゲームの抽選確率が低確率状態でなかった場合、すなわち、時短遊技状態又は確変遊技状態だった場合には(ステップ415の結果が「NO」)、表示データを対応する高確率時の表示データにセットする(ステップ416)。
以上の処理が初期化処理である。遊技制御装置500は、初期化処理が終了すると、メインループ処理を実行する。
メインループ処理においては、遊技制御装置500は、まず、図6にて後述するタイマ割込処理を実行するための割込みを所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で発生させるための割込みタイマを起動させる(ステップ417)。
続いて、遊技制御装置500は、各種乱数の初期値となる初期値乱数を更新する。これらの乱数には、特図変動表示ゲームの大当りを決定するための乱数(大当り乱数)、特図変動表示ゲームの大当り図柄を決定するための乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当たりを決定するための乱数(当り乱数)及び普図変動表示ゲームの当たり図柄を決定するための乱数に対応する初期値乱数が含まれる。
各種初期値乱数を更新する処理を具体的に説明すると、まず、割込みを禁止し(ステップ418)、初期値乱数更新処理を実行して、各種初期値乱数を更新する(ステップ419)。初期値乱数の更新後、割込みを許可する(ステップ420)。このように乱数の初期値を設定する際に割込みを禁止して、遊技制御装置500は、各種初期値乱数が更新されてからタイマ割込み処理が実行されるように制御する。
さらに、遊技制御装置500は、RAM504の停電検査領域をチェックすることによって(ステップ421)、停電が発生したか否かを判定する(ステップ422)。前述のように、停電検査領域には、停電によって遊技機1の電源が遮断されると、チェックデータが記録される。したがって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
遊技制御装置500は、停電の発生を検出しなかった場合には(ステップ422の結果が「NO」)、ステップ418の処理に戻り、以降の処理を順次実行する。ステップ418からステップ422までの処理がメインループ処理に対応する。
遊技制御装置500は、停電の発生を検出した場合には(ステップ422の結果が「YES」)、メインループ処理から抜け、停電発生時の処理を実行する。なお、停電発生時には、バックアップ電源320によって、以下に示す停電発生時の処理を実行するために必要な電力が供給されている。
停電発生時の処理において、遊技制御装置500は、まず、割込みを禁止する(ステップ423)。次に、すべての出力ポートをOFFに設定し(ステップ424)、停電検査領域をクリアする(ステップ425)。さらに、停電検査領域に停電検査領域チェックデータ(停電フラグ)を保存し(ステップ426)、RAM504の電源遮断時のチェックサムを算出して記録する(ステップ427)。最後に、RAM504へのアクセスを禁止し(ステップ428)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。
以上のように、停電検査領域に停電検査領域チェックデータ(停電フラグ)を保存するとともに、停電発生時のRAM504の記憶内容に基づいて算出されたチェックサムを記憶することによって、停電復旧時にバックアップされた情報が正しいか否かを判断することができる。
図5Aは、本発明の実施の形態の遊技制御装置500における停電復旧コマンド編集処理の手順を示すフローチャートである。
停電復旧コマンド編集処理は、電源投入時に停電前の状態に演出制御装置550の状態を復旧させるための処理である(図4Aのステップ411)。具体的には、停電発生時にRAM504に保存された情報から必要な情報を取得し、演出制御装置550に指示するためのコマンドを編集する。
遊技制御装置500は、まず、機種指定コマンド及び図柄指定コマンドをセットする(ステップ501)。機種指定コマンドとは、遊技機の機種を設定するコマンドである。また、同一機種であっても複数のスペックに分かれている場合には、スペックを特定する情報も機種指定コマンドに含まれる。図柄指定コマンドとは、電源遮断時にRAM504に設定されていた図柄情報を設定するコマンドである。なお、電源遮断時にRAM504に設定されていた図柄情報は、停電検査領域チェックデータから取得することができる。
続いて、遊技制御装置500は、遊技状態情報コマンドをセットする(ステップ502)。遊技状態情報コマンドとは、停電前の遊技状態を設定するためのコマンドである。遊技状態には、前述のように、通常遊技状態、時短遊技状態又は確変遊技状態が対応する。RAM504には、遊技状態を識別可能な情報が格納されているが、遊技状態そのものを示す情報であってもよいし、変動表示ゲームの抽選確率のように遊技状態に対応する情報であってもよい。
さらに、遊技制御装置500は、保留記憶数コマンドをセットする(ステップ503)。保留記憶数コマンドは、演出制御装置550に保留記憶数(特図始動記憶数)を通知するためのコマンドである。保留記憶数(特図始動記憶数)は、RAM504から取得することができる。また、表示装置53で普図変動表示ゲームが実行される場合など、必要に応じて普図始動記憶数も演出制御装置550に通知するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置500は、停電復旧コマンドをセットし(ステップ504)、本処理を終了する。停電復旧コマンドは、演出制御装置550に停電復旧を行う旨を通知するためのコマンドである。
図5Bは、本発明の実施の形態の遊技制御装置500における電源投入コマンド編集処理の手順を示すフローチャートである。
電源投入コマンド編集処理は、開店時などの場合に、遊技機1に電源を投入してRAMクリアSWが操作された際に実行される処理である(図4Aのステップ414)。なお、停電が発生した場合であっても、復旧できない場合には本処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、機種指定コマンド及び図柄指定コマンドをセットする(ステップ551)。機種指定コマンドとは、停電復旧コマンド編集処理と同様に、遊技機の機種を設定するコマンドである。
そして、遊技制御装置500は、電源投入コマンドをセットし(ステップ552)、本処理を終了する。電源投入コマンドは、演出制御装置550に電源を投入することを通知するためのコマンドである。
図6は、本発明の実施形態の遊技制御装置500におけるタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500では、メイン処理のステップ1103の処理で起動される割込みタイマによって、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)でタイマ割込みが発生する。遊技制御装置500は、タイマ割込みが発生すると、以下に示すタイマ割込み処理を実行する。ただし、タイマ割込み処理(ステップ1201〜ステップ1215の処理)は、タイマ割込み発生毎に必ずしもすべての実行が完了してなくてもよい。
遊技制御装置500は、まず、マイクロプロセッサ502のレジスタを退避させ(ステップ601)、入出力処理を実行する(ステップ602)。入出力処理には、出力I/F506を介して、演出制御装置550及び払出制御装置580に遊技制御に関する情報を出力し、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する出力処理と、入力I/F505を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理を行い、入力情報を確定させる入力処理が含まれる。
遊技制御装置500は、次に、各種コマンドを演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ603)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数及び当り乱数にランダム性を付与するために大当り乱数カウンタ及び当り乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理1を行う(ステップ604)。なお、乱数更新処理1では、停止図柄を決定する大当り図柄乱数カウンタの値にも1ずつ加算する。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数及び当り乱数等の初期値乱数を更新する処理である初期値乱数更新処理を実行する(ステップ605)。
そして、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームを進行させる際の演出又は装飾(変動パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための演出決定用乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理2を行う(ステップ606)。
次に、遊技制御装置500は、始動口SW36dによる検出信号の入力を監視する入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップ607)。
次に、遊技制御装置500は、遊技機に不正が行われていないかを監視するエラー監視処理を実行する(ステップ608)。この場合の不正とは、例えば、始動口36等に遊技球を入賞させるために、遊技者が遊技機に磁石を近づけて遊技球の進路を変える磁石不正や、遊技者によってガラス枠が開放される開放不正等がある。
そして、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの進行を制御する特図ゲーム処理(ステップ609)、普図変動表示ゲームの進行を制御する普図ゲーム処理(ステップ610)を実行する。特図ゲーム処理については、図13で詳細を説明する。
普図ゲーム処理(ステップ610)は、普図始動ゲートSW34aによって検出された普図始動ゲート34への遊技球の通過に基づいて当りか否かを判定するための当り乱数を抽出し、普図表示器35bにおける変動表示を実行するための処理を行う。
遊技制御装置500は、その後、特図表示器35a及び普図表示器35bのセグメントLEDに出力するためのパラメータを編集する特図・普図LED編集処理を実行する(ステップ611)。
具体的には、特図ゲーム処理(ステップ609)では、特図変動表示ゲームが実行されると、特図始動記憶数(保留記憶数)を減じ、遊技制御装置500から特図表示器35aのLEDに出力するためのパラメータを編集する。
同様に、普図ゲーム処理(ステップ610)では、普図変動表示ゲームが実行されると、普図始動記憶数を減じ、遊技制御装置500から普図表示器35bのLEDに出力するためのパラメータを編集する。
次に、遊技制御装置500は、外部端子板508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップ612)。
そして、遊技制御装置500は、タイマ割込み処理の終了を宣言する(ステップ613)。
その後、遊技制御装置500は、一時退避していたレジスタの復帰処理(ステップ614)及び禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可する(ステップ615)。そして、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に戻る。
図7は、本発明の実施の形態の遊技制御装置500における特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、始動入賞があるか否かを判定する(ステップ701)。具体的には、遊技制御装置500に、始動口SW36dから遊技球の検出信号が入力されたか否かを判定する。始動入賞がないと判定した場合には(ステップ701の結果が「NO」)、保留記憶数(特図始動記憶数)を更新する必要がないため、後述するステップ709以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、始動入賞があると判定した場合には(ステップ701の結果が「YES」)、現在の保留記憶数を取得する(ステップ702)。さらに、ステップ702の処理で取得された保留記憶数が上限値(図7では“4”)以上であるか否かを判定する(ステップ703)。取得された保留記憶数が4以上の場合には(ステップ703の結果が「YES」)、保留記憶数が上限値に達しているため、ステップ709以降の処理を実行する。
取得された保留記憶数が4未満、すなわち、保留記憶数が上限値よりも小さい場合には(ステップ703の結果が「NO」)、遊技制御装置500は、保留記憶数に1を加算する(ステップ704)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数カウンタから大当り乱数を抽出し、抽出した大当り乱数を、ステップ704の処理で加算された保留記憶数に対応する記憶領域(特図始動記憶)に記憶する(ステップ705)。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数カウンタから大当り図柄乱数を抽出し、抽出した大当り図柄乱数を、ステップ704の処理で加算された保留記憶数に対応する記憶領域(特図始動記憶)に記憶する(ステップ706)。
さらに、遊技制御装置500は、演出決定用乱数カウンタから演出乱数を抽出し、抽出した演出決定用乱数を、ステップ704の処理でインクリメントされた保留記憶数に対応する記憶領域(特図始動記憶)に記憶する(ステップ707)。
そして、遊技制御装置500は、保留記憶数コマンドをセットし(ステップ708)、演出制御装置550に送信する。
次に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの進行状況によって更新される特図ゲーム処理番号を取得する(ステップ709)。そして、遊技制御装置500は、ステップ709の処理で取得した特図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する特図ゲーム分岐処理を実行する(ステップ710)。なお、特図ゲーム分岐処理については、図8で後述する。
最後に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの実行を制御する特図変動制御処理を実行する(ステップ711)。その後、特図ゲーム処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
図8は、本発明の実施の形態の遊技制御装置500における特図ゲーム分岐処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号が「0」であるか否かを判定する(ステップ801)。特図ゲーム処理番号が「0」でないと判定された場合には(ステップ801の結果が「NO」)、ステップ803の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「0」であると判定された場合には(ステップ801の結果が「YES」)、変動を開始する特図変動表示ゲームにおいて、遊技状態(確変遊技状態か通常遊技状態か)に応じて特別遊技状態を発生させるか否かを判定する特図普段処理を実行する(ステップ802)。なお、特図普段処理については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「1」であるか否かを判定する(ステップ803)。特図ゲーム処理番号が「1」でないと判定された場合には(ステップ803の結果が「NO」)、ステップ805の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「1」であると判定された場合には(ステップ803の結果が「YES」)、演出決定用乱数に基づいて変動パターンを決定し、決定した変動パターンを演出制御装置550に通知する特図変動開始処理を実行する(ステップ804)。
特図変動開始処理についてさらに説明すると、遊技制御装置500は、まず、最先の特図始動記憶の格納された演出決定用乱数に基づいて、変動パターンを設定する。そして、特図始動記憶を記憶している記憶領域をシフトし、変動パターンが設定された特図変動表示ゲームの特図始動記憶を消去する。さらに、設定された変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御装置550に通知する。
次に、遊技制御装置500は、停止図柄が、特別遊技状態を発生させ、かつ、確変遊技状態を発生させる確変大当り図柄であるか、特別遊技状態を発生させ、かつ、確変遊技状態を発生させない大当り図柄であるか、特別遊技状態を発生させないはずれ図柄であるかを、演出制御装置550に通知する。最後に、保留記憶数をデクリメントし、特図変動開始処理を終了し、特図ゲーム分岐処理に戻る。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「2」であるか否かを判定する(ステップ805)。特図ゲーム処理番号が「2」でないと判定された場合には(ステップ805の結果が「NO」)、ステップ807の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「2」であると判定された場合には(ステップ805の結果が「YES」)、特図変動表示ゲームにおいて設定された変動パターンに対応する変動時間が経過するまで、図柄(識別情報)を変動表示させる特図変動中処理を実行する(ステップ806)。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「3」であるか否かを判定する(ステップ807)。特図ゲーム処理番号が「3」でないと判定された場合には(ステップ807の結果が「NO」)、ステップ809の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「3」であると判定された場合には(ステップ807の結果が「YES」)、特図変動表示ゲームが特別遊技状態を発生させる場合に、停止図柄(識別情報の変動表示結果)を一定時間(例えば、1〜2秒)表示する特図表示中処理を実行する(ステップ808)。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「4」であるか否かを判定する(ステップ809)。特図ゲーム処理番号が「4」でないと判定された場合には(ステップ809の結果が「NO」)、ステップ811の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「4」であると判定された場合には(ステップ809の結果が「YES」)、大当りである場合にファンファーレ音等をスピーカ30から出力するファンファーレ/インターバル処理を実行する(ステップ810)。なお、大当りでない場合には、特図ゲーム処理番号を0に設定し、特図普段処理(S802)に戻る。また、大当りの場合、ファンファーレ/インターバル処理を実行後、特図ゲーム処理番号を5に設定する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「5」であるか否かを判定する(ステップ811)。特図ゲーム処理番号が「5」でないと判定された場合には(ステップ811の結果が「NO」)、ステップ813の処理に進む。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「5」であると判定された場合には(ステップ811の結果が「YES」)、特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開閉する大入賞口開閉処理を実行する(ステップ812)。大入賞口開閉処理では、大当り状態のラウンド毎に開閉扉42aを開放することによって大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これを所定ラウンド数繰り返し実行し、終了後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「6」であるか否かを判定する(ステップ813)。特図ゲーム処理番号が「6」であると判定された場合には(ステップ813の結果が「YES」)、大当り終了処理を実行する(ステップ814)。大当り終了処理では、例えば、大当りの終了を知らせる画面(エンディング画面)を表示装置53に表示させる。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号が「6」でないと判定された場合(ステップ813の結果が「NO」)、又はステップ814の処理が終了した場合には、特図ゲーム分岐処理を終了し、特図ゲーム処理に戻る。
図9Aは、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、保留記憶数(特図始動記憶数)があるか否かを判定する(ステップ901)。
遊技制御装置500は、保留記憶数がないと判定された場合には(ステップ901の結果が「NO」)、客待ちデモフラグが設定されているか否かを判定する(ステップ902)。客待ちデモフラグが設定されていると判定された場合には(ステップ902の結果が「YES」)、特図普段処理を終了し、特図ゲーム分岐処理に戻る。
一方、遊技制御装置500は、客待ちデモフラグが設定されていないと判定された場合には(ステップ902の結果が「NO」)、客待ちデモコマンドを設定し(ステップ903)、当該客待ちデモコマンドを演出制御装置550に送信し、客待ちデモフラグを設定する(ステップ904)。その後、特図普段処理を終了し、特図ゲーム分岐処理に戻る。
なお、演出制御装置550は、客待ちデモコマンドを受信してから、所定時間(例えば、30秒間)、他のコマンドを受信しない場合に、客待ちデモ画面を表示装置53に表示する。
一方、遊技制御装置500は、保留記憶数があると判定された場合には(ステップ901の結果が「YES」)、大当りフラグ設定処理を実行する(ステップ905)。大当りフラグ設定処理は、特図変動表示ゲームの実行結果が大当たりであるか否かを抽選する抽選手段である。具体的には、まず、最も先に記憶された特図始動記憶の大当り乱数を取得する。さらに、特別遊技状態を発生させるか否かを判定する判定値を決定し、大当り乱数と判定値とを比較することによって、最先の特図始動記憶による特図変動表示ゲームで特別遊技状態が発生するか否かを判定し、判定結果に基づいて大当りフラグを設定する。
その後、遊技制御装置500は、停止図柄を設定する特図停止図柄設定処理を実行する(ステップ906)。特図停止図柄設定処理では、最先の特図始動記憶の大当り図柄乱数を取得し、最先の特図始動記憶による特図変動表示ゲームの停止図柄を設定する。
さらに、遊技制御装置500は、最先の特図始動記憶の演出決定用乱数を取得し、取得した演出決定用乱数に基づいて、変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップ907)。
最後に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に1を加算し(ステップ908)、特図普段処理を終了し、特図ゲーム分岐処理に戻る。
図9Bは、本発明の実施の形態の遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されるコマンドの一例を示す図である。
遊技制御装置500は、遊技状態などに基づいて、演出制御装置550に指示するためにコマンドを送信する。演出制御装置550は、受信したコマンドに基づいて、指示された処理を実行する。
図9Bに示す表には、種別(MODE)、指示内容(ACTION)及び設定タイミングが含まれている。種別は、送信されるコマンドの種類を示している。図9Bを参照すると、特図変動表示ゲーム実行時に送信される特図ゲーム系や初期化時に送信される初期化系などが含まれている。
また、指示内容は、コマンドの内容を示している。ここでは、コマンドの内容を示す名称が示されているが、演出制御装置550には、コマンドに対応する処理があらかじめ定義されている。また、コマンドとともに処理に必要なパラメータ等も送信される場合がある。設定タイミングは、コマンドを送信するタイミングである。
例えば、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動時間を指定する変動パターン指定コマンドは、特図ゲーム系に分類され、特図変動表示ゲーム開始時(変動開始時)に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される。同様に、図柄指定コマンドは、特図変動表示ゲームにおいて、識別情報である図柄(通常図柄、確変図柄、ハズレ図柄等)を指定するコマンドである。そして、特図変動表示ゲーム開始時(変動開始時)に遊技制御装置500から演出制御装置550に送信される。また、停電復旧時に停電前に表示されていた図柄を表示するためにも当該コマンドが発行される。
なお、変動パターン指定コマンド及び図柄指定コマンドが遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されると、特図変動表示ゲームが開始されるため、これらのコマンドをあわせて変動開始コマンドとする。
また、変動停止コマンドを受信すると、演出制御装置550は、図柄の変動表示を停止させる。変動停止コマンドを受信する前に、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、図柄を仮停止状態にする。仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。その後、変動開始コマンドを受信すると、新たに特図変動表示ゲームが開始される。
図10Aは、本発明の実施の形態の演出制御装置550におけるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1に電源が投入された場合又は停電から復旧した場合に、演出制御装置550のCPU551によって実行される。
まず、演出制御装置550は、RAM553に初期値を設定する初期化処理を実行する(ステップ1001)。
次に、演出制御装置550は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための割込みタイマを起動させる(ステップ1002)。割込みが発生するタイミングには、図10Bに示す割込み処理が実行される。
そして、演出制御装置550は、遊技制御装置500から受信したメインコマンドを解析して、コマンドを特定するメインコマンド解析処理を実行する(ステップ1003)。続いて、特図変動表示ゲームの実行状況を管理するゲーム管理処理を実行する(ステップ1004)。なお、ゲーム管理処理については、図11にて後述する。
演出制御装置550は、さらに、特図変動表示ゲームなどの履歴情報を処理する履歴情報処理を実行する(ステップ1005)。前述のように、本発明の実施の形態の遊技機1では、特図変動表示ゲームの履歴情報を表示する機能が提供される。履歴情報処理には、履歴情報記録処理(履歴情報記録手段)と、履歴情報表示処理(履歴情報表示手段)とが含まれる。履歴情報処理の詳細については、図14Aにて後述する。また、履歴情報記録処理については図14B、履歴情報表示処理については図16及び図17にて後述する。
演出制御装置550は、表示装置53の表示画面を制御する表示制御処理を実行する(ステップ1006)。続いて、スピーカ30から出力される音声を制御する音制御処理を実行し(ステップ1007)、さらに、装飾部材9を制御する装飾制御処理を実行する(ステップ1008)。
演出制御装置550は、枠開放SW18aによってガラス枠18が開放された等のエラーを監視するエラー監視処理を実行する(ステップ1009)。最後に、変動パターン及び停止図柄を決定するための乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(ステップ1010)、ステップ1003の処理に戻る。以降、ステップ1003からステップ1010までの処理が繰り返される。
図10Bは、本発明の実施の形態の演出制御装置550における割込み処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を実行する(ステップ1051)。
続いて、演出制御装置550は、外部からの信号入力を監視及び受け付けるための入力処理を実行する(ステップ1052)。例えば、演出ボタンSWによる検出信号の入力を監視する。
さらに、演出制御装置550は、表示制御処理(ステップ1006)によって指示された画像を表示装置53から出力したり、音制御処理(ステップ1007)によって指示された音声をスピーカ30に出力したりする出力処理を実行する(ステップ1053)。
最後に、演出制御装置550は、遊技制御装置500から送信されたメインコマンドの入力を監視し、当該メインコマンドを受信するメインコマンド受信処理を実行し(ステップ1054)、割込み処理を終了する。
図11は、本発明の実施の形態の演出制御装置550におけるゲーム管理処理の手順を示すフローチャートである。
ゲーム管理処理は、特図変動表示ゲームの実行状況を管理する処理である。本処理は、遊技制御装置500によって送信されたコマンドを受け付け、受け付けられたコマンドに応じた処理を実行する。
演出制御装置550は、まず、初期化系コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1101)。初期化系コマンドには、例えば、電源投入コマンドや停電復旧コマンドが含まれる。初期化系コマンドを受け付けていない場合には(ステップ1101の結果が「NO」)、さらに、初期化中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1102)。
演出制御装置550は、初期化系コマンドを受け付けた場合(ステップ1101の結果が「YES」)、又は初期化中フラグがある場合には(ステップ1102の結果が「YES」)、電源投入・電源復旧時処理を実行する(ステップ1103)。電源投入・電源復旧時処理では、電源投入時の処理や停電発生前の状態に復旧させる処理を実行する。停電発生前の状態に復旧させる場合には、通常遊技状態や確変遊技状態といった遊技状態情報を設定し、また、停止図柄の指定があった場合には指定された停止図柄を設定する。また、初期表示中フラグを設定する。電源投入・電源復旧時処理が終了すると、初期表示中フラグは解除される。
続いて、演出制御装置550は、客待ちデモコマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1104)。客待ちデモコマンドは、保留記憶数がなくなると遊技制御装置500から送信される。演出制御装置550は、客待ちデモコマンドを受け付けていない場合には(ステップ1104の結果が「NO」)、さらに、デモ中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1105)。
演出制御装置550は、客待ちデモコマンドを受け付けた場合(ステップ1104の結果が「YES」)、又はデモ中フラグがある場合には(ステップ1105の結果が「YES」)、客待ち処理を実行する(ステップ1106)。客待ち処理では、客待ちデモコマンドを受け付けてから所定の時間(例えば、30秒)が経過すると、客待ちデモ画面を表示するように設定される。このとき、デモ中フラグが設定されていない場合には、デモ中フラグが設定される。
演出制御装置550は、変動表示系コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1107)。変動表示系コマンドは、図柄表示コマンドや変動停止コマンドなどの特図変動表示ゲームを制御するコマンドである。演出制御装置550は、変動表示系コマンドを受け付けていない場合には(ステップ1107の結果が「NO」)、さらに、変動中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1108)。
演出制御装置550は、変動表示系コマンドを受け付けた場合(ステップ1107の結果が「YES」)、又は変動中フラグがある場合には(ステップ1108の結果が「YES」)、特図変動表示ゲーム処理(変動表示ゲーム実行手段)を実行する(ステップ1109)。特図変動表示ゲーム処理については、図12で後述する。
演出制御装置550は、ファンファーレコマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1110)。ファンファーレコマンドは、大当り時にスピーカ30からファンファーレを出力するコマンドである。演出制御装置550は、ファンファーレコマンドを受け付けていない場合には(ステップ1110の結果が「NO」)、さらに、ファンファーレ中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1111)。
演出制御装置550は、ファンファーレコマンドを受け付けた場合(ステップ1110の結果が「YES」)、又はファンファーレ中フラグがある場合には(ステップ1111の結果が「YES」)、ファンファーレ処理を実行する(ステップ1112)。このとき、ファンファーレ中フラグが設定されていない場合には、ファンファーレ処理において、ファンファーレ中フラグが設定される。ファンファーレ処理終了後、ファンファーレ中フラグは解除される。
演出制御装置550は、インターバルコマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1113)。インターバルコマンドは、ラウンドのインターバル中に表示装置53に画像を出力するコマンドである。演出制御装置550は、インターバルコマンドを受け付けていない場合には(ステップ1113の結果が「NO」)、さらに、インターバル中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1114)。
演出制御装置550は、インターバルコマンドを受け付けた場合(ステップ1113の結果が「YES」)、又はインターバル中フラグがある場合には(ステップ1114の結果が「YES」)、インターバル処理を実行する(ステップ1115)。このとき、インターバル中フラグが設定されていない場合には、インターバル処理において、インターバル中フラグが設定される。インターバル処理終了後、インターバル中フラグは解除される。
演出制御装置550は、エンディングコマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1116)。エンディングコマンドは、大当りによるすべてのラウンドが終了し、表示装置53にエンディング画像を出力するコマンドである。演出制御装置550は、エンディングコマンドを受け付けていない場合には(ステップ1116の結果が「NO」)、さらに、エンディング中フラグがあるか否かを判定する(ステップ1117)。
演出制御装置550は、エンディングコマンドを受け付けた場合(ステップ1116の結果が「YES」)、又はエンディング中フラグがある場合には(ステップ1117の結果が「YES」)、エンディング処理を実行する(ステップ1118)。このとき、エンディング中フラグが設定されていない場合には、エンディング処理において、エンディング中フラグが設定される。エンディング処理終了後、エンディング中フラグは解除される。
図12は、本発明の実施の形態の特図変動表示ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、特図変動表示ゲームを開始するコマンドを遊技制御装置500から受け付けると、受け付けられたコマンドに基づいて演出を行う。
演出制御装置550は、受け付けたコマンドが変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド及び図柄指定コマンド)であるか否かを判定する(ステップ1201)。変動開始コマンドを受け付けたことによって特図変動表示ゲーム処理が開始された場合には(ステップ1201の結果が「YES」)、ステップ1202からステップ1208までの特図変動表示ゲームの初期設定を行う処理を実行する。
特図変動表示ゲームの初期設定において、演出制御装置550は、まず、各種フラグをリセットする(ステップ1202)。具体的には、初期表示中フラグ、デモ中フラグ、及びエンディング中フラグなどがリセットされる。
演出制御装置550は、受け付けられた変動パターン指定コマンドに対応する詳細な変動パターンを決定する変動パターン決定処理(変動表示態様決定手段)を実行する(ステップ1203)。さらに、決定された変動パターンに対応する変動時間を変動時間タイマに設定する(ステップ1204)。遊技制御装置500から送信される変動パターン指定コマンドには、必ずしも一つの変動パターンを特定するものでなくてもよく、変動パターン指定コマンドに複数の変動パターンを対応させ、演出制御装置550で具体的な変動パターンを特定するようにしてもよい。例えば、遊技制御装置500では変動時間に対応するように変動パターンが指定され、演出制御装置550が指定された変動時間の変動パターンを選択するように制御する。このような複数の変動パターンの例については図13にて後述する。
演出制御装置550は、停止図柄設定処理を実行し、図柄指定コマンドに対応する図柄を決定する(ステップ1205)。なお、遊技制御装置500から送信される図柄指定コマンドによって具体的な図柄(識別情報)を指定するようにしてもよいが、大当りに対応する図柄が複数存在する場合に、遊技制御装置500によって図柄指定コマンドでは大当りであることを通知し、演出制御装置550が具体的な図柄を設定するようにしてもよい。例えば、乱数によって実際の停止図柄を抽選してもよい。
演出制御装置550は、さらに、決定された変動パターン及び停止図柄に基づいて、予告演出決定処理(予告演出決定手段)を実行する(ステップ1206)。また、変動パターンのみに基づいて予告演出を決定するなど、変動パターン又は停止図柄のいずれか一方に基づいて、予告演出を決定するようにしてもよい。予告演出決定処理では、実行する予告演出を選択する他、予告演出を実行するタイミングなどを決定する。
また、本発明の実施の形態では、決定された変動パターン、予告演出の内容及び停止図柄に関する情報を履歴更新情報として演出制御装置550に記憶する(ステップ1207)。さらに、特図変動表示ゲームが実行中であることを示す変動中フラグを設定する(ステップ1208)。
演出制御装置550は、特図変動表示ゲームの初期設定が完了した場合、又は変動中フラグが設定されているために特図変動表示ゲームが開始された場合には(ステップ1201の結果が「NO」)、まず、変動時間が0であるか否かを判定する(ステップ1209)。この変動時間は、変動表示が実行される残り時間を示している。
演出制御装置550は、変動時間が0でない場合には(ステップ1209の結果が「NO」)、変動態様更新処理を実行し(ステップ1210)、さらに、予告演出実行処理(予告演出実行手段)を実行する(ステップ1211)。
演出制御装置550は、さらに、変動停止コマンドを受け付けたか否かを判定する(ステップ1212)。変動停止コマンドを受け付けていない場合には(ステップ1212の結果が「NO」)、本処理を終了する。
演出制御装置550は、変動停止コマンドを受け付けた場合には(ステップ1212の結果が「YES」)、停止図柄設定があるか否かを判定する(ステップ1213)。遊技機が正常に稼動している場合には、特図変動表示ゲームを開始するための変動開始コマンドに図柄指定コマンドが含まれているため、停止図柄は特定可能な状態になっている。しかし、停電復旧時などの場合には、設定されていた停止図柄を特定できないことがあり得る。
そこで、演出制御装置550は、変動停止コマンド受け付けた後、停止図柄が設定されていない場合には(ステップ1213の結果が「NO」)、停止図柄設定処理を実行する(ステップ1214)。なお、停電復旧時には、遊技制御装置500によって図柄指定コマンドがあらためて送信されている(図5Bのステップ501)。
演出制御装置550は、さらに、停止図柄を履歴更新情報として記憶する(ステップ1215)。さらに、変動パターンや予告演出を特定できなかったことを示す不確定変動フラグをセットする(ステップ1216)。以上、ステップ1214からステップ1216までの処理が停電復旧時のための処理である。
このように、特図変動表示ゲームの実行中に停電が発生した場合や、表示制御装置において変動開始指令情報の取りこぼしが発生した場合であっても、実行された分の特図変動表示ゲームの履歴情報をすべて記憶することが可能となり、履歴情報の正確性や信憑性を高めることができる。
その後、演出制御装置550は、設定されている停止図柄を表示する(ステップ1217)。そして、特図変動表示ゲームが終了したため、変動中フラグをリセットし(ステップ1218)、さらに、変動停止フラグを設定する(ステップ1219)。
図13は、本発明の実施の形態の遊技機1における変動パターンの一覧の一例を示す図である。
本発明の実施の形態の遊技機1では、複数の変動パターンの特図変動表示ゲームが実行可能である。図13に示す変動パターンの一覧には、変動パターン番号、変動時間、変動パターン、及び予告演出実行可否が含まれる。また、1つの変動パターン番号には、対応する変動時間が設定され、さらに、1又は複数の変動パターンが定義されている。
本発明の実施の形態では、遊技制御装置500から送信される変動パターン指定コマンドには、変動パターン番号が指定される。演出制御装置550は、変動パターン指定コマンドを受け付けると、変動パターン番号に対応する変動パターンを決定する(図12のステップ1203)。図13に示すように、変動パターン番号に対応する変動パターンが複数設定されている場合には、例えば、演出制御装置550が乱数に基づいて実際に実行する変動パターンを決定する。さらに、変動パターンに対応する変動時間に基づいて変動時間タイマを設定する(図12のステップ1204)。
そして、演出制御装置550は、予告演出を実行するか否か、予告演出を実行する場合にはどの予告演出を実行するかを予告演出実行可否の設定された情報に基づいて決定する(図12のステップ1205)。なお、図13には、予告A及び予告Bの2種類の予告のみが設定されているが、さらに多くの種類の予告演出が設定されていてもよい。
演出制御装置550は、例えば、変動パターン番号として4が設定された変動パターン指定コマンドを受信した場合には、まず、変動パターン4−1、4−2、4−3、及び4−4から一つの変動パターンを選択する。なお、変動時間は、いずれの変動パターンが選択された場合であっても35秒となっている。
さらに、変動パターン4−2が選択された場合には、予告A及び予告Bの両方の予告演出を実行することが可能となる。演出制御装置550は、予告Aの実行、予告Bの実行、又はいずれの予告演出も行わない、のいずれかを選択する。このとき、停止図柄を加味して予告選出を選択するようにしてもよい。例えば、大当りの場合だけ予告Bの演出を実行するようにしてもよい。
図14Aは、本発明の実施の形態の演出制御装置550における履歴情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
履歴情報処理は、演出制御装置550のメイン処理において、図10Aのステップ1005で実行される処理である。履歴情報処理は、履歴情報を記録する処理及び履歴情報を表示する処理を含む。
演出制御装置550は、履歴情報処理が開始されると、まず、変動停止フラグが設定されているか否かを判定する(ステップ1401)。変動停止フラグが設定されている場合には(ステップ1401の結果が「YES」)、特図変動表示ゲームの結果が確定しているため、履歴情報記憶処理を実行することによって履歴情報を記憶する(ステップ1402)。なお、履歴情報記憶処理の詳細については、図14Bで後述する。
演出制御装置550は、変動停止フラグが設定されていない場合(ステップ1401の結果が「NO」)、又は履歴情報記憶処理が実行された後には、必要に応じて、履歴情報を表示する処理を実行する。このとき、まず、変動中フラグが設定されているか否か、すなわち、特図変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップ1403)。
演出制御装置550は、変動中フラグが設定されていない場合には(ステップ1403の結果が「NO」)、任意の履歴情報を表示する履歴情報表示処理1を実行する(ステップ1404)。このとき、遊技機に設けられている実行ボタン62、セレクトボタン61及び決定ボタン63を操作することによって、履歴情報が表示される。なお、履歴情報表示処理1の詳細については、図16Aで後述する。
演出制御装置550は、変動中フラグが設定されている場合には(ステップ1403の結果が「YES」)、特図変動表示ゲームが実行中であるため、実行中の変動パターンに対応する履歴情報を表示する履歴情報表示処理2を実行する(ステップ1405)。このとき、履歴情報表示処理1と同様に、実行ボタン62、セレクトボタン61及び決定ボタン63を操作することによって履歴情報を表示するようにしてもよいし、変動パターンに対応する履歴情報を自動的に表示するようにしてもよい。なお、履歴情報表示処理2の詳細についは、図17で後述する。
図14Bは、本発明の実施の形態の履歴情報記録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
履歴情報記録処理では、特図変動表示ゲームの終了後に、実行された特図変動表示ゲームにおけるリーチの種類、予告演出の種類及び停止図柄などを履歴情報として記録する。リーチとは、特図変動表示ゲームにおいて、表示装置53で複数の表示結果(変動表示領域)の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様(特別結果態様)の組合せとなる条件を満たしている状態をいう。
演出制御装置550は、履歴情報記録処理が開始されると、履歴情報が二重に登録されることを防ぐために、変動停止フラグをクリアする(ステップ1451)。さらに、特図変動表示ゲームのスタート回数を更新する(ステップ1452)。
演出制御装置550は、続いて、履歴情報を取得する(ステップ1453)。履歴情報には、前述したように、特図変動表示ゲームにおけるリーチの種類、予告演出の種類及び停止図柄などの組み合わせが対応する。さらに、遊技状態を取得する(ステップ1454)。遊技状態には、前述のように、通常遊技状態、時短遊技状態、及び確変遊技状態が含まれる。
演出制御装置550は、さらに、不確定変動フラグが設定されているか否かを判定する(ステップ1455)。不確定変動フラグが設定されている場合には(ステップ1455の結果が「YES」)、正確な履歴情報を取得することができないため、遊技状態ごとに不確定変動として履歴情報を記録する(ステップ1458)。
一方、演出制御装置550は、不確定変動フラグが設定されていない場合には(ステップ1455の結果が「NO」)、特定の変動パターンであるか否かを判定する(ステップ1456)。例えば、ノーマルリーチのように頻繁に実行される変動パターンであって、遊技者に大当りの確率が低いことが認知されている変動パターンの履歴情報はあまり有用でないと考えられるためである。そこで、本発明の実施の形態では、特定の変動パターンに限定して記録する。当然のことながら、ノーマルリーチなどの頻繁に発生する変動パターンの履歴情報も取得し、リーチが発生しない変動パターン(ハズレ変動パターン)の場合だけ履歴情報を記録しないようにしてもよい。
図15Aから図15Cは、本発明の実施の形態の遊技状態ごとの履歴情報を示す図である。図15Aは通常遊技状態、図15Bは確変遊技状態、図15Cは時短遊技状態の履歴情報である。
本発明の実施の形態では、遊技状態ごとに履歴情報を作成し、変動パターンと予告演出の種類ごとの出現数及び当たり回数が記録される。なお、予告A又は予告Bの欄の「○」は予告演出が実行されたことを示し、「×」は予告演出が実行されなかったことを示している。
例えば、図15Aから図15Cを参照すると、変動パターンがSP2系リーチであって、予告演出Bのみが実行された場合には、通常遊技状態ではこの組み合わせが3回出現し、そのうち1回が大当りとなっている。同様に、確変遊技状態では、出現数が3回で当り回数が2回となり、時短遊技状態では、出現数が2回で当り回数が1回となっている。なお、履歴情報を格納する形式については、図15Aから図15Cに示した形式ではなく、例えば、予告演出ごとに履歴情報を格納してもよい
以上のように、予告演出の実行態様ごとに実行結果が累積して履歴情報を記憶するため、変動表示態様(変動パターン)のみに基づく履歴情報よりも有益な情報を遊技者に提供することが可能となる。
以下、履歴情報を表示する手順及び履歴情報を表示する画面の一例について説明する。まず、特図変動表示ゲームが実行されていない状態で履歴情報を表示する場合について説明し、次に、特図変動表示ゲーム実行中に履歴情報を表示する場合について説明する。
遊技者は、特図変動表示ゲームが実行されていない状態では、実行ボタン62や決定ボタン63を操作することによって履歴情報を表示装置53に表示させ、セレクトボタン61を操作することによって、参照したい履歴情報を選択することが可能となっている。
図16Aは、本発明の実施の形態の演出制御装置550における履歴情報表示処理1の手順の一例を示すフローチャートである。
履歴情報表示処理1は、前述のように、特図変動表示ゲームが実行されていない場合に履歴情報を表示するための処理である。
演出制御装置550は、まず、デモ中フラグが設定されているか否かを判定する(ステップ1601)。デモ中フラグが設定されていない場合には(ステップ1601の結果が「NO」)、特図変動表示ゲームが実行されているため、履歴情報表示処理1を実行することはできない。このとき、履歴情報を表示する場合には、図17で後述する履歴情報表示処理2が実行される。
演出制御装置550は、遊技者がセレクトボタン61などを操作することによって履歴表示操作が実行されたか否かを判定する(ステップ1602)。遊技者が履歴情報を選択するための画面については、図16Bに例示する。
演出制御装置550は、履歴表示操作が実行された場合には(ステップ1602の結果が「YES」)、操作内容に応じて履歴情報を取得し(ステップ1603)、履歴情報1の表示開始を設定する(ステップ1604)。
一方、演出制御装置550は、履歴表示操作が実行されなかった場合(ステップ1602の結果が「NO」)、又はステップ1604の処理が終了すると、遊技者によって履歴表示終了操作が実行されたか否かを判定する(ステップ1605)。履歴表示終了操作が実行された場合には(ステップ1605の結果が「YES」)、履歴情報1の表示を解除するように設定する(ステップ1606)。
図16Bは、本発明の実施の形態の特図変動表示ゲームが実行されていない場合に履歴情報を表示するための操作画面の一例を示す図である。
遊技者は、実行ボタン62などを操作することによって、図16Bのような履歴情報表示画面を表示することができる。また、セレクトボタン61を操作することによってカーソルを移動させ、「通常遊技状態履歴」、「確変遊技状態履歴」、又は「時短遊技状態履歴」のいずれかを選択することができる。さらに、表示したい遊技状態を選択し、決定ボタン63を操作することによって、対応する履歴情報が表示される。この操作は、図16Aのステップ1602の処理に示した履歴表示操作に対応する。
また、遊技状態が選択された後、変動パターン又は予告演出の選択をさらに受け付け、より詳細な履歴情報を表示するようにしてもよい。
また、遊技者は、「EXIT」を選択し、決定ボタン63を操作することによって、履歴情報の表示を中止することができる。
以上のように、遊技者が必要な履歴情報を選択し、参照したい情報だけをピックアップして表示することが可能となり、遊技者の利便性を高めることができる。
図16Cは、本発明の実施の形態の特図変動表示ゲームが実行されていない場合に表示される履歴情報の表示画面の一例を示す図である。
図16Bに示した操作画面で「通常遊技状態」が選択されると、図16Cに示すように、「通常遊技状態」に対応する履歴情報が表示される。表示される履歴情報の内容は、例えば、図15Aに示した履歴情報である。
また、遊技者によって「EXIT」が選択された場合には、履歴情報の表示が中止される。このとき、通常の表示画面を表示するようにしてもよいし、図16Bに示した操作画面に戻るようにしてもよい。この操作は、図16Aのステップ1605の処理に示した履歴表示終了操作に対応する。
図17は、本発明の実施の形態の演出制御装置550における履歴情報表示処理2の手順の一例を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、履歴情報表示処理1による履歴情報(履歴情報1)が表示されている場合には、当該履歴情報1の表示解除を設定する(ステップ1701)。さらに、実行中の特図変動表示ゲームにおける変動パターンが特定の変動パターンに該当するか否かを判定する(ステップ1702)。本発明の実施の形態では、特定の変動パターンに該当する場合に履歴情報が記録されているため、特定の変動パターンに該当するか否かを判定することによって、対応する履歴情報を表示可能であるか否かを判定することができる。
さらに、演出制御装置550は、リーチ発生後であるか否かを判定する(ステップ1703)。特図変動表示ゲーム開始直後などのリーチ発生前の状態では、遊技者が変動パターンの種類を認識できない可能性が高いため、特図変動表示ゲームが開始されてからリーチが発生するまでの間は(ステップ1703の結果が「NO」)、履歴情報を表示せずに履歴情報表示処理2を終了する。この時点で履歴情報を表示することによって、演出が実行される前に遊技者に変動パターンを特定されることを防ぐためである。
なお、特図変動表示ゲーム開始直後に予告演出が実行される場合など、リーチ発生前であっても遊技者が変動パターンを特定可能な場合には、履歴情報を表示するようにしてもよい。
また、演出制御装置550は、リーチ発生後の場合には(ステップ1703の結果が「YES」)、履歴情報2が表示装置53に表示中であるか否かを判定する(ステップ1704)。履歴情報2が表示されていない場合には(ステップ1704の結果が「NO」)、現在実行中の変動パターンに対応する履歴情報を取得する(ステップ1705)。
さらに、演出制御装置550は、履歴情報を表示する時間を管理するための履歴情報表示タイマを設定する(ステップ1706)。履歴情報表示タイマの初期値には、表示時間が設定される。表示時間は変動パターンに対応する変動時間に基づいて設定すればよい。履歴情報表示タイマには、残り表示時間が設定されている。そして、ステップ1705の処理で取得された履歴情報を、履歴情報2として表示装置53によって表示する(ステップ1707)。なお、履歴情報2が表示される画面の一例については、図18Aから図18Cで後述する。
また、演出制御装置550は、履歴情報2が表示装置53に表示されている場合には(ステップ1704の結果が「NO」、ステップ1707終了後)、画面の表示更新タイミングであるか否かを判定する(ステップ1708)。画面の表示更新タイミングの場合には(ステップ1708の結果が「YES」)、履歴情報2の表示内容を更新する(ステップ1709)。例えば、予告演出が実行された場合には、このタイミングで、実行された予告演出に基づいて履歴情報を絞り込んで表示するようにしてもよい。こうすることで、遊技者にとってより有用な情報をリアルタイムで提供することが可能となる。
演出制御装置550は、さらに、履歴情報表示タイマの値が0になったか否かを判定する(ステップ1710)。すなわち、表示時間が終了したか否かを判定する。履歴情報表示タイマの値が0になった場合には(ステップ1710の結果が「YES」)、履歴情報2の表示解除を設定する(ステップ1711)。
図18Aから図18Cは、本発明の実施の形態の特図変動表示ゲームの実行中に表示される履歴情報2が表示される画面の一例を示す図である。
図18Aでは、SP2系リーチに対応する変動パターンの特図変動表示ゲームが実行中であり、リーチ発生直後の状態を示している。このとき、SP2系リーチに対応する変動パターンとなっているが、予告演出は実行されていないため、対応するすべての履歴情報が表示されている。
また、予告演出の種類が多く、表示対象の履歴情報が多い場合には、予告演出ごとの履歴情報を表示するなどして、集約した履歴情報を表示するようにしてもよい。例えば、図18Aに示した状態では、予告Aと予告Bの実行状況によって4パターンの履歴情報が表示されているが、予告演出が実行されない場合、予告Aが実行された場合、及び予告Bが実行された場合の3パターンを表示するようにしてもよい。特に、予告演出の種類が多い場合には、表示する履歴情報の数を減らすことができる。例えば、予告演出の種類が5種類で、最大2種類の予告演出が実行される場合には、全部で21パターンの履歴情報が表示されることになる。このとき、予告演出ごとに履歴情報であれば、予告演出の全種類及び予告演出なしの合計6パターンの履歴情報を表示すればよい。その後、予行演出が実行された場合に、図18Cにて後述するように、履歴情報を絞り込んでより詳細な情報を遊技者に提示すればよい。
図18Bには、予告Aに対応する予告演出が実行された状態が示されている。予告演出が実行される場合には、予告演出に係る表示を前面に表示するようにしてもよいし、履歴情報を一時的に表示しないようにしてもよい。
図18Cには、予告Aに対応する予告演出が実行された後の状態が示されており、SP2系リーチの変動パターンで予告Aが実行された場合の履歴情報が表示されている。
なお、履歴情報を表示する方法については、図15Aから図15Cに示した内容を表形式でそのまま表示するのではなく、例えば、予告演出ごとに履歴情報を表示するようにしてもよいし、当り数の多い順(又は当選確率の高い順)に表示してもよい。また、出現数が0の履歴情報を除外して表示するようにしてもよい。
従来の遊技機では、変動表示ゲームの履歴情報を表示することが可能な場合であっても、実行中の変動表示ゲームに対応する履歴情報を出力するなど、遊技状態に応じたことが履歴情報を表示することができなかった。
これに対し、本発明の実施の形態によれば、特図変動表示ゲームの実行中に当該変動表示ゲームの変動表示態様(変動パターン)に対応する履歴情報が表示されるため、当該変動表示態様の発生状況や特別態様となった割合等を変動表示ゲーム中に遊技者が把握することが可能となる。したがって、初めて遊技する遊技者であっても変動表示ゲームの内容が理解し易くなり、利便性に富んだものとすることができる。
また、本発明の実施の形態によれば、予告演出なども加味して現在の遊技状態に応じた履歴情報を表示し、不必要な情報を除外して表示することが可能となるため、さらに信頼性の高い履歴情報を遊技者に提供することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲームの履歴情報を記録及び表示する形態を示したが、必要に応じて普図変動表示ゲームの履歴情報を記録及び表示してもよい。