JP2010272761A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

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晃次郎 大川
Daido Chiba
大道 千葉
Mikiko Hirose
美紀子 廣瀬
Yuji Matsumoto
裕司 松本
Yasuki Takayama
泰樹 高山
Norio Akita
紀雄 秋田
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Abstract

【課題】無機酸化物が樹脂のシートに蒸着されたバリアフィルムからなる層を複数使用してバリア性を向上した場合であっても、層と層の間に発生する気泡の発生を低減することのできる太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供すること。
【解決手段】本発明は、裏面に耐候性を有する耐候性樹脂層2を備える太陽電池モジュール用裏面保護シート1であり、耐候性樹脂層2と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜32を有する第1蒸着樹脂層3と、表面に金属酸化物の蒸着膜を持たない中間樹脂層4と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜52を有する第2蒸着樹脂層5と、を第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5の蒸着膜32、52が中間樹脂層4側に配置されるように、ドライラミネート加工により積層されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、充填材、太陽電池素子、充填材及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
これらの構成部材のうち、裏面保護シートは、高い耐候性が要求されるとともに、太陽電池素子を水分や酸素等から保護するために、高い防湿性やガスバリア性を有することが求められている。このような観点から、従来、裏面保護シートとして、耐候性を有する基材に、アルミニウム箔等の金属箔を積層させた積層シートが使用されてきた。
しかし、金属箔は、導電性を有するので、裏面保護シートの端面における箇所や、裏面保護シート等を構成する樹脂シートの一部が損傷した場合において、太陽電池モジュール内部での短絡の原因になることがある。また、太陽電池モジュールの内部に導電性の金属箔が存在すると、太陽電池モジュール全体の耐圧性が低下するおそれもある。
このような背景から、例えば、特許文献1には、金属箔の代わりに、無機酸化物が樹脂のシートに蒸着されたバリアフィルムを使用した太陽電池モジュール用の裏面保護シートが提案されている。
特開2001−44472号公報
ところで、樹脂等からなる多層構造を有する裏面保護シートを作製する場合、層間の剥離を防止するために、層と層との間の接着法として、ドライラミネート加工を採用することが一般的である。ドライラミネート加工は、積層させようとする層と層との間の接着に、ウレタン系等の反応性の接着剤を使用する積層方法であり、層と層との間の強固な接着が得られる一方で、反応性接着剤が反応することに伴う二酸化炭素を主成分とする気泡が発生する。層と層との間に発生した気泡は、通常、樹脂シートからなる層の内部を透過して外部へ放出されるので、積層後に適切なエージング期間を設けることにより、層と層との間に発生した気泡は、自然に消滅する。
しかし、裏面保護シートのバリア性を向上させるために、無機酸化物が樹脂のシートに蒸着されたバリアフィルムを複数積層させた場合、層と層との間に発生した気泡がバリアフィルムからなる層を透過できずに、層と層との間、特に無機酸化物が蒸着されたバリア膜に面した層間に残留することがある。この場合、気泡の存在による応力の影響で、無機酸化物の蒸着膜からなるバリア膜に亀裂を生じ、バリア性能が低下する要因となる。そのため、このようなバリアフィルムからなる層を複数積層させて、裏面保護シートの防湿性やガスバリア性等を向上させることは困難である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、無機酸化物が樹脂のシートに蒸着されたバリアフィルムからなる層を複数使用してバリア性を向上した場合であっても、層と層の間の気泡の量を低減することのできる太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法、及びそのような製造方法によって製造された太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第1蒸着樹脂層と、表面に金属酸化物の蒸着膜を持たない中間樹脂層と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第2蒸着樹脂層と、を前記第1蒸着樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層の蒸着膜が前記中間樹脂層側に配置されるようにドライラミネート加工で積層させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)裏面に耐候性を有する耐候性樹脂層を備え、前記耐候性樹脂層と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第1蒸着樹脂層と、中間樹脂層と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第2蒸着樹脂層と、が積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、前記第1蒸着樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層の蒸着膜が前記中間樹脂層側に配置されることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
また本発明は、(2)前記中間樹脂層の厚さが、前記第1蒸着樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層の厚さよりも厚いことを特徴とする(1)項記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
また本発明は、(3)前記中間樹脂層の厚さが25μm〜250μmであることを特徴とする(1)項又は(2)項記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
また本発明は、(4)前記耐候性樹脂層、前記第1蒸着樹脂層、前記中間樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層を構成する樹脂がポリエチレンテレフタレートである(1)項から(3)項のいずれか1項記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
本発明によれば、無機酸化物が樹脂のシートに蒸着されたバリアフィルムからなる層を複数使用してバリア性を向上した場合であっても、層と層の間の気泡の量を低減することのできる太陽電池モジュール用裏面保護シートが提供される。
本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの一実施形態を示す拡大断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールの一例を示す拡大断面図である。
<太陽電池モジュール用の裏面保護シート1の一実施形態>
以下、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの一実施形態を示す拡大断面図である。図2は、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールの一例を示す拡大断面図である。
本実施形態の太陽電池モジュール用の裏面保護シート1は、裏面1b側に耐候性を有する耐候性樹脂層2を備え、耐候性樹脂層2の表面に、第1蒸着樹脂層3、中間樹脂層4、第2蒸着樹脂層5及びヒートシール樹脂層6が順に積層されたものである。本実施形態において、これらの層は、ドライラミネート加工により積層される。以下、これらの層について順に説明する。
[耐候性樹脂層2]
本実施形態における耐候性樹脂層2は、機械的あるいは化学的強度に優れ、具体的には、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、耐薬品性、耐突き刺し性等の諸堅牢性に優れた樹脂シートである。このような樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを使用することができる。これらの樹脂シートの中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、フッ素系樹脂のETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)のフィルム又はシートが好ましく使用される。中でも、例えば、特開2008−311680号公報に記載されるような二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルム又はシートが特に好ましい。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
本実施形態において、上記の各種の樹脂シートとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種又はそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法を用いて成膜したものが挙げられる。本実施形態において、耐候性樹脂層2として使用される樹脂シートの厚さは、5〜250μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、20〜80μmが最も好ましい。樹脂シートの厚さが5μm以上であることにより、太陽電池モジュール用裏面保護シート1に十分な耐候性を付与することができ、樹脂シートの厚さが250μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
なお、上記の各種の樹脂を成膜するに際して、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
また、樹脂シートは、二軸延伸加工されたものであることが好ましい。二軸延伸加工された樹脂を使用することにより、太陽電池モジュールの作製時や経時変化による樹脂シートの寸法の狂いを防止することができる。
[第1蒸着樹脂層3]
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、上記耐候性樹脂層2の表面に、第1蒸着樹脂層3が設けられる。なお、ここでいう「耐候性樹脂層2の表面」とは、耐候性樹脂層2の表面のうち、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の表側面1a方向側の表面という意味である。本実施形態における第1蒸着樹脂層3は、樹脂シート31と金属酸化物の蒸着膜32とからなり、樹脂シート31の一方の表面に、金属酸化物の蒸着による蒸着膜32が形成されたものである。樹脂シート31の一方の表面に、このような蒸着膜32が形成されることにより、そのシートにガスバリア性及び防湿性が付与される。したがって、本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1は、第1蒸着樹脂層3を備えることにより、ガスバリア性及び防湿性が付与される。
第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂としては、上記耐候性樹脂層2を構成する樹脂と同様のものを使用することができ、特に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリル、フッ素系樹脂、CPO(環状ポリオレフィン)、CPC(環状ポリオレフィンコポリマー)、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、ポリブチルテレフタレート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PSF(ポリサルフォン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PAR(ポリアリレート)、ポリアミド、塩化ビニル系樹脂等が好ましく使用される。第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂は、既に説明した成膜法により、樹脂シート31に加工される。
第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂シート31の厚さは、6〜150μmが好ましく、9〜50μmであることがより好ましい。第1蒸着樹脂層3の厚さが6μm以上であることにより、寸法安定性や、蒸着時に必要な耐熱性を付与することができ、第1蒸着樹脂層3の厚さが150μm以下であることにより、加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
また、樹脂シート31は、二軸延伸加工されたものであることが好ましい。二軸延伸加工された樹脂シート31を使用することにより、太陽電池モジュールの作製時や経時変化による樹脂シートの寸法の狂いを防止することができる。
第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂シート31の表面のうち一方の表面には、金属酸化物の蒸着膜32が形成される。すなわち、第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂シート31には、片面のみ金属酸化物の蒸着膜32が形成される。次に、金属酸化物の蒸着膜32について説明する。
第1蒸着樹脂層3を構成する樹脂シート31の表面に、金属酸化物の蒸着膜32を形成する方法は、特に限定されず、公知の蒸着方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)や、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)が挙げられる。
金属酸化物の蒸着膜32としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能であり、例えば、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。これらの中でも、特に、珪素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜が好ましく使用される。
金属酸化物の蒸着膜32の厚さは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜60nmであることがより好ましい。金属酸化物の蒸着膜32の厚さが5nm以上であることにより、十分なガスバリア性や防湿性が付与され、金属酸化物の蒸着膜32の厚さが100nm以下であることにより、蒸着膜32の割れやクラック発生の抑止ができる。
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、第1蒸着樹脂層3の蒸着膜32が、後述する中間樹脂層4側に配置される。蒸着膜32がこのように配置されることにより、ドライラミネート加工によって蒸着膜32と中間樹脂層4との間に気泡が発生しても、その気泡は、中間樹脂層4の表面に溶け込むことができ、中間樹脂層4の表面又は内部を移動して、最終的に太陽電池モジュール用裏面保護シート1の端面から外部に放出される。このため、ガスバリア性を有する蒸着膜32が存在しても、ドライラミネート加工で生じた気泡が蒸着膜32と中間樹脂層4との間に滞留することが抑制され、気泡の存在による応力の影響で蒸着膜32に亀裂を生じることが抑制される。
[中間樹脂層4]
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、上記第1蒸着樹脂層3の表面に、中間樹脂層4が設けられる。なお、ここでいう「第1蒸着樹脂層3の表面」とは、第1蒸着樹脂層3の表面のうち、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の表側面1a方向側の表面という意味である。
中間樹脂層4を構成する樹脂としては、上記耐候性樹脂層2を構成する樹脂と同様のものを使用することができ、特に、一般のあるいは耐候性を付与したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、ポリエチレンナフタレート、環状ポリオレフィン等が好ましく使用される。中間樹脂層4を構成する樹脂は、既に説明した成膜化法により、シート状に加工される。
本実施形態において、中間樹脂層4の厚さは、既に説明した第1蒸着樹脂層3及び後述する第2蒸着樹脂層5よりも厚い。中間樹脂層4の厚さが第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5よりも厚いことにより、太陽電池モジュール用裏面保護シート1に曲げ応力が生じた場合に、中間樹脂層4の存在による応力緩和が生じ、金属酸化物の蒸着膜32、52に曲げ応力による亀裂が生じることが抑制される。
中間樹脂層4の厚さは、25〜250μmであることが好ましく、35〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。中間樹脂層4の厚さが25μm以上であることにより、十分な応力緩和作用を得ることができるとともに、蒸着膜32、52と中間樹脂層4との間に生じた気泡をすみやかに除去することができる。また、中間樹脂層4の厚さが250μm以下であることにより、加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
気泡の除去の観点からは、中間樹脂層4の気体透過性も問題となる。ここで、中間樹脂層4の気体透過性を単位厚さあたりの数値で表記することにする。これは、中間樹脂層4が厚くなればフィルム全体としてのガスバリア性は高くなるが、ガスの逃れる経路は大きくなるためである。中間樹脂層4の気体透過性は、10μmの厚さあたりの数値が70〜130cc/m・day(23℃)であることが好ましい。10μmの厚さあたりの気体透過性が70cc/m・day以上とすることにより、蒸着膜32、52と中間樹脂層4との間に生じた気泡をすみやかに除去することができる。なお、ここで言う気体透過度とは、JIS7126Bで規定される酸素透過度の値ある。
また、中間樹脂層4を構成する樹脂シートは、二軸延伸加工されたものであることが好ましい。二軸延伸加工された樹脂を使用することにより、太陽電池モジュールの作製時や経時変化による樹脂シートの寸法の狂いを防止することができる。具体的には、厚さ35〜200μmの2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
[第2蒸着樹脂層5]
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、上記中間樹脂層4の表面に、第2蒸着樹脂層5が設けられる。なお、ここでいう「中間樹脂層4の表面」とは、中間樹脂層4の表面のうち、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の表側面1a方向側の表面という意味である。本実施形態における第2蒸着樹脂層5は、樹脂シート51と金属酸化物の蒸着膜52とからなり、樹脂シート51の一方の表面に、金属酸化物の蒸着による蒸着膜52が形成されたものである。樹脂シート51の一方の表面に、このような蒸着膜52が形成されることにより、そのシートにガスバリア性及び防湿性が付与される。したがって、本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1は、第2蒸着樹脂層5を備えることにより、ガスバリア性及び防湿性が付与される。
第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂としては、上記耐候性樹脂層2を構成する樹脂と同様のものを使用することができ、特に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリル、フッ素系樹脂、CPO(環状ポリオレフィン)、CPC(環状ポリオレフィンコポリマー)、SPS、ポリブチルテレフタレート、PPS、PES、PSF、PEEK、PAR(ポリアリレート)、ポリアミド、塩化ビニル系樹脂等が好ましく使用される。第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂は、既に説明した成膜化法により、樹脂シート51に加工される。
第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂シート51の厚さは、6〜150μmが好ましく、9〜50μmであることがより好ましい。第1蒸着樹脂層3の厚さが6μm以上であることにより、寸法安定性や、蒸着時に必要な耐熱性を付与することができ、第1蒸着樹脂層3の厚さが150μm以下であることにより、加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂シート51の表面のうち一方の表面には、金属酸化物の蒸着膜52が形成される。すなわち、第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂シート51には、片面のみ金属酸化物の蒸着膜52が形成される。第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂シート51の表面に金属酸化物の蒸着膜52を形成する方法、及び蒸着膜52の種類については、第1蒸着樹脂層3における蒸着膜32と同様であるので、ここでの説明は省略する。
金属酸化物の蒸着膜52の厚さは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜60nmであることがより好ましい。金属酸化物の蒸着膜32の厚さが5nm以上であることにより、十分なガスバリア性や防湿性が付与され、金属酸化物の蒸着膜32の厚さが100nm以下であることにより、蒸着膜32の割れやクラック発生の抑止ができる。
また、樹脂シート31は、二軸延伸加工されたものであることが好ましい。二軸延伸加工された樹脂シート31を使用することにより、太陽電池モジュールの作製時や経時変化による樹脂シートの寸法の狂いを防止することができる。
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、第2蒸着樹脂層5の蒸着膜52が、後述する中間樹脂層4側に配置される。蒸着膜52がこのように配置されることにより、ドライラミネート加工によって蒸着膜52と中間樹脂層4との間に気泡が発生しても、その気泡は、中間樹脂層4の表面に溶け込むことができ、中間樹脂層4の表面又は内部を移動して、最終的に太陽電池モジュール用裏面保護シート1の端面から外部に放出される。このため、ガスバリア性を有する蒸着膜52が存在しても、ドライラミネート加工で生じた気泡が蒸着膜52と中間樹脂層4との間に滞留することが抑制され、気泡の存在による応力の影響で蒸着膜52に亀裂を生じることが抑制される。
[ヒートシール樹脂層6]
本発明に必須ではないが、本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、上記第2蒸着樹脂層5の表面に、ヒートシール樹脂層6が設けられる。なお、ここでいう「第2蒸着樹脂層5の表面」とは、第2蒸着樹脂層5の表面のうち、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の表側面1a方向側の表面という意味である。
本実施形態において、ヒートシール樹脂層6は、太陽電池モジュール用裏面保護シート1を、太陽電池モジュール10の第1充填材11に熱融着させるために使用される。すなわち、太陽電池モジュール10の第1充填材11と太陽電池モジュール用裏面保護シート1とを重ねて加熱することにより、ヒートシール樹脂層6が溶融し、その後放冷することにより、第1充填材11と太陽電池モジュール用裏面保護シート1とが接合される。
このため、ヒートシール樹脂層6を構成する樹脂は、耐候性樹脂層2、第1蒸着樹脂層3、中間樹脂層4及び第2蒸着樹脂層5を構成する樹脂よりも、軟化点が低いものが使用される。このような樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が例示される。
[太陽電池モジュール]
次に、本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1が使用される太陽電池モジュール10の一例について、図2を参照しながら説明する。
太陽電池モジュール10は、図2に示すように、太陽電池モジュール10の裏面10b側から、太陽電池モジュール用裏面保護シート1、第1充填材11、太陽電池素子12、第2充填材13及び透明前面基板14の順に積層されて構成される。太陽電池モジュール用裏面保護シート1は、その表面1aが第1充填材11に接合される。したがって、太陽電池モジュール10の裏面10bと、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の裏面1bとは一致する。
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュール10は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子12の表面側及び裏面側のそれぞれに、第1充填材11及び第2充填材13を溶融積層して、太陽電池素子12を第1充填材11及び第2充填材13でサンドし、次いで、透明前面基板14及び太陽電池モジュール用裏面保護シート1を順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1によれば、第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5の蒸着膜32、52が中間樹脂層4側に配置される。そのため、ドライラミネート加工によって蒸着膜32、52と中間樹脂層4との間に気泡が発生しても、その気泡は、中間樹脂層4の表面に溶け込むことができ、中間樹脂層4の表面又は内部を移動して、最終的に太陽電池モジュール用裏面保護シート1の端面から外部に放出される。このため、ガスバリア性を有する蒸着膜32、52が存在しても、ドライラミネート加工で生じた気泡が蒸着膜32、52と中間樹脂層4との間に滞留することが抑制され、気泡の存在による応力の影響で蒸着膜32、52に亀裂を生じることが抑制される。
ところで、本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シート1において、中間樹脂層4は、太陽電池モジュール用裏面保護シート1に強度を付与する役割も担う。このため、例えば、ポリエステルの一種であるPET製のシートを中間樹脂層4として使用した場合等において、水蒸気に曝露によって中間樹脂層4が加水分解を受けると、太陽電池モジュール用裏面保護シート1の経時的な強度の低下の原因となる。この点、本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シート1では、第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5の蒸着膜32、52が中間樹脂層4側に配置されるため、中間樹脂層4への水蒸気の到達が抑制される。したがって、本実施態様の太陽電池モジュール用裏面保護シート1は、中間樹脂層4として耐湿熱性や耐加水分解性の付与された高価な材料を使用しなくても中間樹脂層4の加水分解が抑制され、経時的な強度の低下が抑制される。
また、本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート1によれば、中間樹脂層4の厚さは、第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5の厚さよりも厚い。そのため、太陽電池モジュール用裏面保護シート1に曲げ応力が生じた場合に、中間樹脂層4の存在による応力緩和が生じ、金属酸化物の蒸着膜32、52に曲げ応力による亀裂が生じることが抑制され、太陽電池モジュール用裏面保護シート1のガスバリア性や防湿性等が低下することを抑制することができる。
なお、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート1の製造方法は、耐候性樹脂層2と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜32を有する第1蒸着樹脂層3と、表面に金属酸化物の蒸着膜を持たない中間樹脂層4と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜52を有する第2蒸着樹脂層5と、を第1蒸着樹脂層3及び第2蒸着樹脂層5の蒸着膜32、52が中間樹脂層4側に配置されるように、ドライラミネート加工により積層すればよい。また、本実施態様では、さらに、第2蒸着樹脂層の表面に、ヒートシール樹脂層6がドライラミネート加工により積層すればよい。
耐候性樹脂層2、第1蒸着樹脂層3、中間樹脂層4、第2蒸着樹脂層5及びヒートシール樹脂層6は、ドライラミネート加工により積層される。ここで使用されるドライラミネート法は、公知の方法を特に制限なく使用することができる。
以上、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法について、実施形態及び実施態様を示して具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施態様に限定されるものではなく、本発明の構成の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態及び実施態様では、太陽電池モジュール用裏面保護シート1を太陽電池モジュール10の第1充填材11に接合させるためにヒートシール樹脂層6が設けられたが、ヒートシール樹脂層6を設けなくてもよい。この場合、太陽電池モジュール用裏面保護シート1は、太陽電池モジュール10の第1充填材11に他の手段により接合される。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[太陽電池モジュール用裏面保護シートの作製]
[実施例1]
耐候性樹脂シートとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)シート(東レ株式会社製、製品名X10s)を使用し、この耐候性樹脂シートの表面に、第1蒸着樹脂層として膜厚30nmのシリカがPVD法により蒸着された膜厚12μmの、40℃、90%RHにおける水蒸気バリアが0.2g/m・dayのPET樹脂シート(三菱樹脂株式会社製、製品名テックバリアーL)、中間樹脂層として膜厚100μmの一般的な2軸延伸PET樹脂シート、及び第2蒸着樹脂層として膜厚30nmのシリカが蒸着された膜厚12μmのPET樹脂シート(三菱樹脂株式会社製、製品名テックバリアーL)、厚さ60μmのポリエチレン系樹脂からなるヒートシール樹脂層を順に積層し、これらの層をドライラミネート加工により接合し、10日間35℃でエージングすることにより、実施例1の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。なお、第1蒸着樹脂層及び第2蒸着樹脂層は、それぞれ片面にのみ蒸着膜が設けられており、これらの蒸着膜は、いずれも中間樹脂層4側になるように配置した。
なお、ドライラミネート加工は、以下の手順で行った。
まず、ポリエステルポリウレタンを主成分とする接着剤(三井化学株式会社製)に硬化剤(三井化学株式会社製)を混合し、接着性混合液を調製した。次いで、第1蒸着樹脂層と対向する耐候性樹脂シートにグラビアロールコート法により、上記接着性混合液を1mあたり4.0〜6.0g/m(乾燥状態)になるようにコーティングして接着剤層を形成した。その後、この接着剤層に、第1蒸着樹脂層を重ね合わせ、上記耐候性樹脂シートと第1蒸着樹脂層とを積層させた。第1蒸着樹脂層と中間樹脂層との間も、中間樹脂層側に接着性混合液を塗布して同様に積層させ、中間樹脂層と第2蒸着樹脂層との間も、中間樹脂層側に接着性混合液を塗布して同様に積層させ、第2蒸着層とヒートシール樹脂層との間も、第2蒸着樹脂層側に接着性混合液を塗布して同様に積層させた。
[実施例2]
第1蒸着樹脂層として膜厚20nmのシリカがバリアーコート層を介して2層積層する形で、CVD法により蒸着された膜厚25μmの2軸延伸PET樹脂シートを用いたこと以外は、実施例1と同様の手順にて、実施例2の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。なお、実施例2で使用した第1蒸着樹脂層は、以下の手順で作製した。
(透明合成樹脂フィルム上への無機酸化物の蒸着薄膜の形成)
まず、透明合成樹脂フィルムとして、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、これに厚さ20nmの酸化珪素の第1蒸着薄膜を形成した。
(蒸着薄膜上へのガスバリア性塗布膜の形成)
エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)(日本合成化学株式会社製)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解してEVOH溶液を調製した。次いで、このEVOH溶液に、予め調製したエチルシリケート40(コルコート株式会社製)、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌し、更に予め調製したポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製)、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア塗工液を得た。
(ガスバリア性塗布膜上への蒸着薄膜の形成)
上記でガスバリア性塗布膜を形成した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、プラズマ化学気相成長装置の巻き出しロールに装着した。次いで、このフィルムを搬送しつつ、グロー放電プラズマ発生装置を使用して、アルゴンガスを導入し、プラズマ処理を行って、上記のガスバリア性塗布膜の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成した。次いで、そのプラズマ処理面に、厚さ20nmの酸化珪素の第2蒸着薄膜を形成した。
(蒸着薄膜上へのプライマー剤層の形成)
上記で形成したプラズマ処理面の面に、ポリエステル系樹脂の初期縮合物にエポキシ系のシランカップリング剤8.0質量%(東レ・ダウ・コーニング株式会社製)とブロッキング防止剤1.0質量%(富士シリシア化学株式会社製)とを添加し、十分に混練してなるプライマー樹脂組成物をグラビアロールコート法により、1mあたり0.2g/m(乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。これにより本発明に係る第2蒸着樹脂層(厚さ25μm)を製造した。
[比較例1]
中間樹脂層を耐候性樹脂層と第1蒸着樹脂層の間に積層させたこと以外は、実施例1と同様の手順にて、比較例1の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
[比較例2]
中間樹脂層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の手順にて、比較例2の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
[水蒸気バリア性能の測定及び評価]
実施例1及び2並びに比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートの防湿性を評価するために、40℃、90%RHにおける水蒸気バリア性能を測定した。測定は、モコン株式会社製のPERMATRANを使用し、JIS7129Bに準じて行なった。測定により得られた実施例1及び2並びに比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートの40℃、90%RHにおける水蒸気バリア性能(g/m・day)を表1に示す。
[破断強度]
実施例1及び2並びに比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートの破断強度をA&D株式会社製の引張り試験機(機種名:テンシロン)により評価した。破断強度は、それぞれの太陽電池モジュール用裏面保護シートを10mm幅に切断して試験片を作製し、この試験片が破断したときの力(N)を測定した。測定により得られた実施例1及び2並びに比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートの温度85℃、湿度85%、2000時間の環境試験前後での破断強度(MPa)を表1に示す。
[気泡発生状況]
ドライラミネート加工後のエージングが完了した実施例1及び2並びに比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートの内部における気泡の発生状況を目視で観察し、評価した。評価結果を表1に示す。なお、評価基準は以下の通りである。
○ 太陽電池モジュール用裏面保護シートの内部に気泡が観察されない
△ 太陽電池モジュール用裏面保護シートの内部に気泡が1cmあたり1個〜5個観察された
× 太陽電池モジュール用裏面保護シートの内部に気泡が1cmあたり6個以上観察された
Figure 2010272761
表1から明らかなように、実施例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートよりも高い水蒸気バリア性能を有することが確認され、太陽電池モジュール用裏面保護シートとして優れることがわかる。また、実施例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートに比べて、内部の気泡の発生が少ないことが確認された。
さらに、実施例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、比較例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートに比べて、促進前後の破断強度の低下が小さいことがわかる。促進前後での破断強度の低下は、中間樹脂層であるPET樹脂シートが水蒸気によって劣化することにより引き起こされると考えられる。この点、実施例1及び2の太陽電池モジュール用裏面保護シートでは、中間樹脂層であるPET樹脂シートが第1蒸着樹脂層及び第2蒸着樹脂層に挟まれて存在するため、水蒸気によるPET樹脂シート(中間樹脂層)の劣化が抑制され、促進前後での破断強度の低下が抑制されたと考えられる。このことから、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートでは、その補強の役目も担う中間樹脂層として、耐湿熱性や耐加水分解性の小さい安価なPET樹脂シートを使用することが可能であることがわかる。
1 太陽電池モジュール用裏面保護シート
2 耐候性樹脂層
3 第1蒸着樹脂層
32 蒸着膜
4 中間樹脂層
5 第2蒸着樹脂層
52 蒸着膜
6 ヒートシール樹脂層

Claims (4)

  1. 裏面に耐候性を有する耐候性樹脂層を備え、
    前記耐候性樹脂層と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第1蒸着樹脂層と、中間樹脂層と、一方の表面に金属酸化物の蒸着膜を有する第2蒸着樹脂層と、がドライラミネート加工により積層された太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、
    前記第1蒸着樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層の蒸着膜が前記中間樹脂層側に配置されることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記中間樹脂層の厚さは、前記第1蒸着樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記中間樹脂層の厚さが25μm〜250μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. 前記耐候性樹脂層、前記第1蒸着樹脂層、前記中間樹脂層及び前記第2蒸着樹脂層を構成する樹脂がポリエチレンテレフタレートである請求項1から3のいずれか1項記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
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