JP2011049228A - 太陽電池モジュール用裏面一体化シート - Google Patents
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Abstract
【課題】バックシート及び裏面側充填材を積層させて一体化シートを作製する場合に、一体化シートの反りを抑制できる太陽電池モジュール用裏面一体化シートを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートと、裏面側の充填材とを積層する太陽電池モジュール用裏面一体化シートであって、充填材層の0℃〜50℃における貯蔵弾性率が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比が0.05〜0.5の間である。この範囲の柔軟性を有していることで、封止性能などを損なわずに反りを抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートと、裏面側の充填材とを積層する太陽電池モジュール用裏面一体化シートであって、充填材層の0℃〜50℃における貯蔵弾性率が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比が0.05〜0.5の間である。この範囲の柔軟性を有していることで、封止性能などを損なわずに反りを抑制できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、太陽電池モジュール用裏面一体化シートに関し、さらに詳しくは、太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートと、裏面側の充填材とをあらかじめ積層してなる太陽電池モジュール用裏面一体化シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側充填材、太陽電池素子、裏面側充填材、及びバックシート(裏面保護シート等とも呼ばれる。)が順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
表面側充填材及び裏面側充填材は、太陽電池素子の表面側及び裏面側から太陽電池素子を挟むように設けられる部材であり、太陽電池素子を他の部材に接着させる接着剤としての機能と、外部からの衝撃から太陽電池素子を保護する機能を奏することが要求される。このような充填材シートとしては、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系、PVB(ポリビニルブチラール)系、シリコーン系等の樹脂が提案されている。また、バックシートは、太陽電池モジュールの裏面に設けられる部材であり、太陽電池素子に影響を与える水蒸気等が太陽電池モジュールの外部から進入することを防止する機能を奏することが要求される。このようなバックシートとしては、例えば、フッ素樹脂系フィルムと金属箔との複合フィルムなどが使用されている。
太陽電池モジュールを構成する透明前面基板、表面側充填材、太陽電池素子、裏面側充填材及びバックシートの各部材は、この順で積層され、例えば、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を使用して製造される。太陽電池モジュールを構成する各部材は、手作業で積層されることが多い。一般に太陽電池モジュールを構成する各部材は、大きな面積を有するものであるので、これらの部材を手作業で積層するのは多大な手間と労力を要する。このような労力を低減させる1つの方法として、複数の部材をあらかじめ積層した一体化シートを使用することが考えられる(特許文献1参照)。
例えば、2つのシート状部材をあらかじめ積層して一体化シートとしておけば、太陽電池モジュールの作製における工数を軽減できる他、部材の輸送や管理を簡略化できる等の面でメリットがあるといえる。積層する方法としては、ドライラミネート法、溶融押し出し法、熱ラミネーション法等の従来公知の積層方法が知られている。
しかし、これらの積層方法には、一体化するそれぞれの部材の収縮率の違いから生じる問題として、積層後の一体化シートの反り(カール)の発生がある。このような積層体の反りの問題は通常の積層包装材料などにおいても通常発生するものであるが、特に、上記のように太陽電池モジュールを構成する各部材は、通常手作業で平面的に積層される。しかも大面積であるので、一体化シートがカールすると重ねる作業が困難になり著しく作業性が低下する。また、充填材シートは通常数百ミクロンと厚いので、バックシートと一体化した場合にはカール発生の問題が顕著である。
そして、大きな反りが発生した状態で積層すれば、当然位置合わせの精度も狂い易く、モジュールの積層時に精度よく重ねることができずに品質面の問題が生じやすい。特に誤って反りによって一体化シートの端部を折り返した状態でモジュール化した場合には致命的な問題となり製品歩留まりにも大きく影響する。
このように、太陽電池モジュール部材において一体化シートの反りの問題は他の用途とは比較にならない程、解決すべき大きな課題となっている。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールを構成する部材のうち、特に、バックシート及び裏面側充填材をあらかじめ積層させて一体化シートを作製する場合に、一体化シートの反りを抑制でき生産性を大幅に向上させることのできる太陽電池モジュール用裏面一体化シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、裏面側充填材の弾性率、すなわち柔軟性を所定の範囲内とすることで、封止性能などの充填材としての基本特性を損なわずに、裏面一体化シートの反りを抑制できることを見出し本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、 太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートと、裏面側の充填材層と、が積層工程によりあらかじめ一体化された、太陽電池モジュール用裏面一体化シートであって、
前記充填材層の0℃〜50℃における貯蔵弾性率が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比が0.05〜0.5の間であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
前記充填材層の0℃〜50℃における貯蔵弾性率が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比が0.05〜0.5の間であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
(2)また本発明は、下記の測定方法による前記太陽電池モジュール用裏面一体化シートの反り量Y1が30mm以下である(1)に記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
測定方法:太陽電池モジュール用裏面一体化シートから、MD(流れ方向)がA4サイズ(297mm×210mm)の長辺297mmとなるようにA4サイズの試験片を切り出し、23℃下で充填材層側を上側に向けて水平板上に広げた時の長辺端部における充填材層側反りの水平板からの高さをY1(mm)とする。
測定方法:太陽電池モジュール用裏面一体化シートから、MD(流れ方向)がA4サイズ(297mm×210mm)の長辺297mmとなるようにA4サイズの試験片を切り出し、23℃下で充填材層側を上側に向けて水平板上に広げた時の長辺端部における充填材層側反りの水平板からの高さをY1(mm)とする。
(3)また本発明は、前記バックシートの積層面側には、150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材が設けられている(1)又は(2)記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
(4)また本発明は、前記充填材が、酢酸ビニル含量が23〜38質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主として含む(1)から(3)いずれか記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
(5)また本発明は、前記充填材が、密度0.870〜0.890g/cm3の範囲であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを主として含む(1)から(3)いずれか記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シートである。
本発明によれば、太陽電池モジュールを構成する部材のうち、特に、バックシート及び裏面側充填材をあらかじめ積層させて裏面一体化シートを作製する場合に、裏面一体化シートの反りを効果的に防止でき生産性と品質を大幅に向上させることのできる太陽電池モジュール用裏面一体化シートの製造方法を提供できる。
以下、本発明の太陽電池モジュール用裏面一体化シート(以下、単に裏面一体化シートともいう)の製造方法の一実施態様について説明する。
<裏面一体化シート>
まず、図1に示す本発明の裏面一体化シートの一実施形態について説明する。本実施形態の裏面一体化シート1は、後述する本発明の裏面一体化シートの製造方法の一実施態様によって製造される。本発明の裏面一体化シート1は、バックシート2及び裏面側充填材3が接合されて形成される。以下、これらの部材について説明する。なお、図2に示す太陽電池モジュール10には、本発明の裏面一体化シート1に含まれる充填材3(図1参照)と、太陽電池素子11及び透明前面基板13の間に設けられる充填材12とが存在するが、以下の説明において、前者を裏面側充填材3と、後者を表面側充填材12とそれぞれ呼ぶことにする。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称としてシートという用語を使用するが、この用語は、フィルムも含む概念として使用される。
まず、図1に示す本発明の裏面一体化シートの一実施形態について説明する。本実施形態の裏面一体化シート1は、後述する本発明の裏面一体化シートの製造方法の一実施態様によって製造される。本発明の裏面一体化シート1は、バックシート2及び裏面側充填材3が接合されて形成される。以下、これらの部材について説明する。なお、図2に示す太陽電池モジュール10には、本発明の裏面一体化シート1に含まれる充填材3(図1参照)と、太陽電池素子11及び透明前面基板13の間に設けられる充填材12とが存在するが、以下の説明において、前者を裏面側充填材3と、後者を表面側充填材12とそれぞれ呼ぶことにする。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称としてシートという用語を使用するが、この用語は、フィルムも含む概念として使用される。
[バックシート]
本実施形態の裏面一体化シート1で使用されるバックシート2は、裏面保護シートとも呼ばれ、太陽電池モジュール10に含まれる太陽電池素子11に悪影響を与える水蒸気やガスが侵入することを防止するために設けられる。このため、バックシート2は、高い水蒸気バリア性や高いガスバリア性を有する素材から形成されることが好ましい。
本実施形態の裏面一体化シート1で使用されるバックシート2は、裏面保護シートとも呼ばれ、太陽電池モジュール10に含まれる太陽電池素子11に悪影響を与える水蒸気やガスが侵入することを防止するために設けられる。このため、バックシート2は、高い水蒸気バリア性や高いガスバリア性を有する素材から形成されることが好ましい。
本発明においては、このバックシート2の積層面側に、150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材が少なくとも設けられていることが好ましい。ここで積層面とは、後に溶融押し出しされる面である。ここで、熱収縮率は、JIS C2150:2003に従って測定された値である。
従来バックシートとして好ましく用いられてきたフッ素系樹脂のETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)PVFや(ポリフッ化ビニリデン)は、フッ素置換エチレンの単独重合体又はエチレンとの共重合体であり、上記の熱収縮率が1.5%を超えるものである。また、裏面充填材もその流動性を確保するべく柔軟性を有するため、上記の熱収縮率が1.5%を超えるものである。そして、このように互いに伸びる素材同士の積層においては反りの発生は小さい。
一方、近年バックシートの基材としては二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)や二軸延伸PEN(ポリエチレンナフタレート)などの耐熱性二軸延伸基材が多く用いられてきており、また、これらに金属酸化物を蒸着などで付与したバリア性シート、更にはアルミなどの金属箔との積層体も、バックシートとして多く用いられている。これらは低コストで容易に入手可能である反面、裏面充填材のような軟らかい層と積層すると大きな反りを発生するという問題がある。
150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材の一例としては、寸法変動の小さい二軸延伸基材が挙げられる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、などが例示できる。耐熱性としては、後の溶融押し出し法(60℃から270℃)に耐えるだけの温度であることが好ましい。本実施形態において、上記の各種の樹脂シートとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種又はそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法を用いて成膜したものが挙げられる。なお、上記の各種の樹脂を成膜するに際して、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、着色性等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
これらの二軸延伸基材は1又は複数毎が積層されていてもよく、層間又は表裏面に金属薄膜又は金属酸化物薄膜が形成されたバリア膜付与二軸延伸基材であってもよい。また、層間又は表裏面に金属箔が積層されていてもよい。
150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材の他の例としては、架橋基材が挙げられる。ここで、架橋とは化学的又は物理的な架橋を含み、より具体的な例としては電子線照射によって架橋させたポリエチレンなどの架橋ポリオレフィンが例示できる。
バックシート2の具体的な積層構成としては、例えば、PET単独の他、裏面のバックシート側から裏面充填材側に向けて順に、PET/アルミ箔、PET/PET、PET/シリカ蒸着PET、PET/シリカ蒸着PET/PET、ETFE/PET、PET/架橋ポリエチレン、などが例示できる。積層方法は従来公知のドライラミネート法などが用いられ特に限定されない。
バックシート2の総層厚さは25μm以上500μm以下が好ましく、より厚いほうが反りが減少する。反り抑制の観点からは50μm以上であることが好ましい。
[裏面側充填材]
次に、裏面側充填材3について説明する。本実施形態の裏面一体化シート1で使用される裏面側充填材3は、表面側充填材12とともに太陽電池素子11を挟むように設けられる部材であり、太陽電池素子11を他の部材に接着させる接着剤として機能するとともに、外部からの衝撃から太陽電池素子11を保護するように機能する。裏面側充填材3は、熱可塑性樹脂を主成分とし、上述のバックシート2の表面に後述する方法で積層される。
次に、裏面側充填材3について説明する。本実施形態の裏面一体化シート1で使用される裏面側充填材3は、表面側充填材12とともに太陽電池素子11を挟むように設けられる部材であり、太陽電池素子11を他の部材に接着させる接着剤として機能するとともに、外部からの衝撃から太陽電池素子11を保護するように機能する。裏面側充填材3は、熱可塑性樹脂を主成分とし、上述のバックシート2の表面に後述する方法で積層される。
ここで、本発明において裏面側充填材3を構成する樹脂は、0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比(tanδ)が周波数10Hzで0.05〜0.5の間であることを特徴とする。なお、測定条件は以下の通りである。
測定機器:UBM社製レオゲルE4000
測定条件 昇温速度:3℃/min、周波数:10Hz、歪:10μm
チャック間距離:20mm、サンプル幅:5mm
測定機器:UBM社製レオゲルE4000
測定条件 昇温速度:3℃/min、周波数:10Hz、歪:10μm
チャック間距離:20mm、サンプル幅:5mm
この範囲内の弾性率であれば、封止性能などの充填材としての基本特性を損なわずに、裏面一体化シートの反りを抑制できる。0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が1.0×108Paを超えると樹脂が硬くなるので好ましくなく、1.0×106未満であると軟らかすぎて好ましくない。また、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比が0.05未満であると結晶性成分が多すぎるので好ましくなく、0.5を超えるとアモルファス成分が多すぎるので好ましくない。
貯蔵弾性率及びtanδが上記の範囲内である樹脂としては、例えば、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系の樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)系の樹脂、シリコーン系の樹脂、所定の密度を有するポリエチレン系の樹脂等が例示される。これらの樹脂は、必要とされる性能に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
所定の密度を有するポリエチレン系の樹脂としては、裏面側充填材シート3に柔軟性を付与する観点から、エチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましく使用される。このような樹脂としては、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレン系樹脂は、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、密度が小さいポリエチレン系樹脂とすることができ、シートに柔軟性を付与することができる。反りの抑制の観点からは、密度が0.870〜0.890g/cm3の範囲であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましく、α−オレフィンが炭素数6から8であることが好ましい。
上記ポリエチレン系の樹脂は、更に、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物をコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を含むことが好ましい。このような樹脂を使用することにより、太陽電池素子11や表面側充填材12等といった部材と裏面側充填材3との接着性が得られる。α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの裏面側充填材3の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸適性に優れ、さらに、太陽電池モジュール10を製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を示し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュール10を製造することができる。このようなシラン共重合体は、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとし、必要に応じて、さらにその他の不飽和モノマーをコモノマーとして共重合して得られる共重合体であり、さらにその変性体又は縮合体も含むものである。
なお、他の裏面側充填材3を構成する樹脂としては、酢酸ビニル含量が23〜38質量%のEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系の樹脂も柔軟性の点から好ましく用いられる。柔軟な材料ほど、一体化シートの反りが小さい。なお、この点については後述する実施例において更に詳細に説明する。なお、EVA系においては適宜従来公知の架橋剤を含んでいてもよい。
裏面側充填材3は単独又は複数回の溶融押し出しにより形成されるが、総厚は反り抑制の観点から30μm以上1000μm以下が好ましく、30μm以上であれば充填材としての基本機能を損なうことがなく、1000μmを超えると反りが大きくなるので好ましくない。
図1に示すように、本実施形態において、裏面側充填材3における積層面側表面3b側とは反対側の表面3aには、凹凸状のエンボス加工が施されたエンボス加工面31が存在する。このため、太陽電池モジュール用裏面一体化シート1の製造に使用される裏面側充填材3の表面3aには、あらかじめ又は積層後にエンボス加工面31が設けられることが好ましい。裏面側充填材シート3の表面3aにエンボス加工面31を設けるにあたり、公知の方法を特に制限なく使用することができる。なお、エンボス加工面31は、太陽電池モジュール用裏面一体化シート1の作製後において、その表面1aに形成してもよい。
本実施形態の太陽電池モジュール用裏面一体化シート1の表面1aに、エンボス加工面31が設けられることにより、例えば、太陽電池モジュール用裏面一体化シート1を巻き取りで保管したり、シート状に積み重ねて保管したりした場合に、隣接する太陽電池モジュール用裏面一体化シート同士が張り付いてしまうブロッキング現象の発生を抑制することができる。また、太陽電池素子11が設けられる層は、素子の存在する箇所と存在しない箇所が有ったり、素子と素子とを電気的に結合するリボン線(図示せず)が存在したりして、所々に空間を有するものである。太陽電池モジュール10を組み立てる際、裏面側充填材シート3は、太陽電池素子11に接する部材となるが、太陽電池素子11に接する、裏面側充填材シート3側の表面1aにエンボス加工面31が設けられることにより、太陽電池モジュール10の組み立てにおける真空ラミネート加工の際に、太陽電池素子11の層に存在する空間の空気を効率良く排出することができる。以上のような観点からは、一体化後の積層エンボス加工面31の表面粗さRaは、2.0〜13.0μmが好ましく、2.0〜10.0μmがより好ましい。
<積層工程>
本実施態様の裏面一体化シートの製造方法は、既に説明した裏面一体化シート1を製造する方法である。積層方法としては特に限定されず、接着剤を介して張り合わせるドライラミネート法、充填材シートとバックシートとの間に変性オレフィン系などの接着性樹脂を溶融押し出ししてサンドラミネートする押し出し同時ラミネーション法、バックシート及び裏面側充填材シートをこれらの厚さ方向に加圧するのと同時に、バックシート側から加熱することによりバックシートに面した側を軟化又は溶融させる熱ラミネーション法、バックシート上に、充填材を構成する樹脂組成物を溶融押し出しする溶融充填材押し出し法などが挙げられる。
本実施態様の裏面一体化シートの製造方法は、既に説明した裏面一体化シート1を製造する方法である。積層方法としては特に限定されず、接着剤を介して張り合わせるドライラミネート法、充填材シートとバックシートとの間に変性オレフィン系などの接着性樹脂を溶融押し出ししてサンドラミネートする押し出し同時ラミネーション法、バックシート及び裏面側充填材シートをこれらの厚さ方向に加圧するのと同時に、バックシート側から加熱することによりバックシートに面した側を軟化又は溶融させる熱ラミネーション法、バックシート上に、充填材を構成する樹脂組成物を溶融押し出しする溶融充填材押し出し法などが挙げられる。
なかでも、反り抑制の観点からは、積層時の裏面側充填材の内部応力を小さくできる、熱ラミネーション法、ドライラミネート法、溶融充填材押し出し法が好ましく、なかでも溶融状態でラミネートする溶融充填材押し出し法が最も好ましい。
ドライラミネート法、押し出し同時ラミネーション法、熱ラミネーション法は、いずれも裏面充填材シートをあらかじめ形成し、これをロールtoロールで張り合わせて積層するものである。このとき所定の張力をかけるために、それぞれのフィルムにどうしても応力が発生して、これが積層後に内部応力として存在して反りの発生の原因となる。一方、溶融押し出し法においては、溶融状態でバックシート上に押し出すためにこの内部応力が小さく反りを抑制できるのである。
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の一実施形態である裏面一体化シート1が使用される太陽電池モジュール10の一例について、図2を参照しながら説明する。
次に、本発明の一実施形態である裏面一体化シート1が使用される太陽電池モジュール10の一例について、図2を参照しながら説明する。
太陽電池モジュール10は、図2に示すように、太陽電池モジュール10の裏面10b側から、裏面一体化シート1、太陽電池素子11、表面側充填材シート12及び透明前面基板13の順に積層されて構成される。なお、裏面一体化シート1は、そのバックシート2の側1bが太陽電池モジュールの裏面10bと一致するように積層される。このため、裏面一体化シート1に含まれる裏面側充填材シート3は、太陽電池素子11と接するように設けられる。また、太陽電池モジュール10における表面側充填材シート12は、特に限定されないが、既に説明した裏面側充填材シート3と同様のものを使用することができる。
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成型して製造することができる。
以上、本発明の太陽電池モジュール用裏面一体化シートの製造方法について、実施形態及び実施態様を示して具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施態様に限定されるものではなく、本発明の構成の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
<裏面充填材(MS)>
充填材組成物A(EVA系)及び充填材シートA(実施例):
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA;メルトマスフローレート2g/10分、酢酸ビニル顔料25質量%)をベース樹脂として使用した。
このベース樹脂100質量部に対し、架橋剤(2,5−ジメチルヘキサン,2,5−ジハイドロパーオキサイド)1.5質量部、シランカップリング剤(γ−クロロプロピルトリメトキシシラン)0.2質量部、及び架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)2.0質量部を加え、充填材組成物Aを得た。この充填材組成物Aをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートAを作製した。
図4に示すように、この充填材シートAの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比(tanδ)が周波数10Hzで0.05〜0.5の間であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA;メルトマスフローレート2g/10分、酢酸ビニル顔料25質量%)をベース樹脂として使用した。
このベース樹脂100質量部に対し、架橋剤(2,5−ジメチルヘキサン,2,5−ジハイドロパーオキサイド)1.5質量部、シランカップリング剤(γ−クロロプロピルトリメトキシシラン)0.2質量部、及び架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)2.0質量部を加え、充填材組成物Aを得た。この充填材組成物Aをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートAを作製した。
図4に示すように、この充填材シートAの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比(tanδ)が周波数10Hzで0.05〜0.5の間であった。
充填材組成物B(ポリエチレン系)及び充填材シートB(実施例):
エチレンと1−ヘキセンとの共重合体で密度0.880g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが3.4g/10分である、直鎖状低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、このベース樹脂をマスターバッチB1とした。
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが1g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100質量部に、ビニルメトキシシラン3質量部と、ラジカル発生剤としてのt−ブチル−パーオキシイソブチレート0.1質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性樹脂を得た。このシラン変性樹脂をマスターバッチB2とした。
次に、密度0.924g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂91.5質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定化剤4.6質量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.4質量部、リン系熱安定化剤0.5質量部を混合して、溶融・加工し、マスターバッチB3とした。
マスターバッチB1の80質量部に対し、マスターバッチB2を20質量部及びマスターバッチB3を5質量部加えて充填材組成物Bを得た。この充填材組成物Bをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートBを作製した。
図5に示すように、この充填材シートBの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比(tanδ)が周波数10Hzで0.05〜0.5の間であった。
エチレンと1−ヘキセンとの共重合体で密度0.880g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが3.4g/10分である、直鎖状低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、このベース樹脂をマスターバッチB1とした。
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが1g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100質量部に、ビニルメトキシシラン3質量部と、ラジカル発生剤としてのt−ブチル−パーオキシイソブチレート0.1質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性樹脂を得た。このシラン変性樹脂をマスターバッチB2とした。
次に、密度0.924g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂91.5質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定化剤4.6質量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.4質量部、リン系熱安定化剤0.5質量部を混合して、溶融・加工し、マスターバッチB3とした。
マスターバッチB1の80質量部に対し、マスターバッチB2を20質量部及びマスターバッチB3を5質量部加えて充填材組成物Bを得た。この充填材組成物Bをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートBを作製した。
図5に示すように、この充填材シートBの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率E’’/貯蔵弾性率E’の比(tanδ)が周波数10Hzで0.05〜0.5の間であった。
充填材組成物C(ポリエチレン系)及び充填材シートC(比較例):
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、このベース樹脂をマスターバッチC1とした。
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが1g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100質量部に、ビニルメトキシシラン3質量部と、ラジカル発生剤としてのt−ブチル−パーオキシイソブチレート0.1質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性樹脂を得た。このシラン変性樹脂をマスターバッチC2とした。
次に、密度0.924g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂91.5質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定化剤4.6質量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.4質量部、リン系熱安定化剤0.5質量部を混合して、溶融・加工し、マスターバッチC3とした。
マスターバッチC1の80質量部に対し、マスターバッチC2を20質量部及びマスターバッチC3を5質量部加えて充填材組成物Cを得た。この充填材組成物Cをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートCを作製した。
図6に示すように、この充填材シートCの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’は、周波数10Hzで1.0×107〜1.0×109Paの範囲にあり本発明の範囲外であった。
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンをベース樹脂とし、このベース樹脂をマスターバッチC1とした。
密度0.901g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが1g/10分である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100質量部に、ビニルメトキシシラン3質量部と、ラジカル発生剤としてのt−ブチル−パーオキシイソブチレート0.1質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性樹脂を得た。このシラン変性樹脂をマスターバッチC2とした。
次に、密度0.924g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂91.5質量部に対し、ヒンダードアミン系光安定化剤4.6質量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤3.4質量部、リン系熱安定化剤0.5質量部を混合して、溶融・加工し、マスターバッチC3とした。
マスターバッチC1の80質量部に対し、マスターバッチC2を20質量部及びマスターバッチC3を5質量部加えて充填材組成物Cを得た。この充填材組成物Cをφ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いてシートとすることにより、総厚400μmである充填材シートCを作製した。
図6に示すように、この充填材シートCの0℃〜50℃における貯蔵弾性率E’は、周波数10Hzで1.0×107〜1.0×109Paの範囲にあり本発明の範囲外であった。
<バックシート(BS)>
BS1(実施例):片面コロナ処理の白色PET50μm(商品名:ルミラー)をそのままバックシート1とした。耐熱非伸張基材である白色PET50μmの150℃における熱収縮率は1.0%であった。
BS2(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と積層面側のアルミ箔20μmとをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート1を得た。耐熱非伸張基材である白色PET50μm/アルミ箔20μmの150℃における熱収縮率は0.6%であった。
BS3(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のアルミ箔20μmと積層面側のPET50μm(商品名:ルミラー)をウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート3を得た。耐熱非伸張基材であるPET50μmの150℃における熱収縮率はバックシート1と同じく0.9%であった。
BS4(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のアルミ箔20μmと積層面側のPET100μm(商品名:ルミラー)をウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート4を得た。耐熱非伸張基材であるPET100μmの150℃における熱収縮率は0.9%であった。
BS5(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と積層面側のシリカ蒸着PET12μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート5を得た。耐熱非伸張基材であるシリカ蒸着PET12μmの150℃における熱収縮率は0.6%であった。
BS6(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のPET100μmと積層面側の電子線架橋ポリエチレン(PE)120μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート4を得た。耐熱非伸張基材である電子線架橋PE120μmの150℃における熱収縮率は0.9%であった。
BS7(実施例):裏面側のETFE25μmと積層面側のPET100μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート7を得た。耐熱非伸張基材であるPET100μmの150℃における熱収縮率はバックシート4と同じく 0.9%であった。
BS8(比較例):片面コロナ処理の白色ETFE25μmをそのままバックシート8とした。耐熱非伸張基材である白色ETFE25μmの150℃における熱収縮率が 2.0%であった。
BS1(実施例):片面コロナ処理の白色PET50μm(商品名:ルミラー)をそのままバックシート1とした。耐熱非伸張基材である白色PET50μmの150℃における熱収縮率は1.0%であった。
BS2(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と積層面側のアルミ箔20μmとをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート1を得た。耐熱非伸張基材である白色PET50μm/アルミ箔20μmの150℃における熱収縮率は0.6%であった。
BS3(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のアルミ箔20μmと積層面側のPET50μm(商品名:ルミラー)をウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート3を得た。耐熱非伸張基材であるPET50μmの150℃における熱収縮率はバックシート1と同じく0.9%であった。
BS4(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のアルミ箔20μmと積層面側のPET100μm(商品名:ルミラー)をウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート4を得た。耐熱非伸張基材であるPET100μmの150℃における熱収縮率は0.9%であった。
BS5(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と積層面側のシリカ蒸着PET12μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート5を得た。耐熱非伸張基材であるシリカ蒸着PET12μmの150℃における熱収縮率は0.6%であった。
BS6(実施例):裏面側の白色PET50μm(商品名:ルミラー)と中間層のPET100μmと積層面側の電子線架橋ポリエチレン(PE)120μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート4を得た。耐熱非伸張基材である電子線架橋PE120μmの150℃における熱収縮率は0.9%であった。
BS7(実施例):裏面側のETFE25μmと積層面側のPET100μmをウレタン系接着剤を介してドライラミネート法で貼り合わせてバックシート7を得た。耐熱非伸張基材であるPET100μmの150℃における熱収縮率はバックシート4と同じく 0.9%であった。
BS8(比較例):片面コロナ処理の白色ETFE25μmをそのままバックシート8とした。耐熱非伸張基材である白色ETFE25μmの150℃における熱収縮率が 2.0%であった。
上記(A)から(C)の充填材又は充填材シートを、下記(a)から(d)の積層方法で、積層面コロナ処理済みのバックシート1から8と積層した。
(a)溶融充填材押し出し(実施例):表1の配合からなる樹脂組成物について、Tダイスを有するフィルム成形機を用いて、バックシート上に400μmを押し出して積層した。
(b)ドライラミネート(比較例):上記の充填材シートとバックシートとを、ウレタン系接着剤を介して積層後、45℃×72時間のエージング処理を行なった。
(c)熱ラミネート(比較例):上記の充填材シートとバックシートとをそれぞれ、120℃誘電ロール加熱の条件で熱ラミネートして積層した。
(d)押し出し同時ラミネーション(比較例):上記の充填材シートとバックシートとを、接着性変性オレフィン樹脂(商品名:アドマー)10μmを介してサンドラミして積層した。
(b)ドライラミネート(比較例):上記の充填材シートとバックシートとを、ウレタン系接着剤を介して積層後、45℃×72時間のエージング処理を行なった。
(c)熱ラミネート(比較例):上記の充填材シートとバックシートとをそれぞれ、120℃誘電ロール加熱の条件で熱ラミネートして積層した。
(d)押し出し同時ラミネーション(比較例):上記の充填材シートとバックシートとを、接着性変性オレフィン樹脂(商品名:アドマー)10μmを介してサンドラミして積層した。
評価例:上記の実施例及び比較例の裏面一体化シートについて反り量を下記の方法で測定した。その結果を表1にまとめて示す。
<反り量の測定方法>
図3に示すように裏面一体化シートからMD(流れ方向)がA4長辺(297mm)となるようにA4サイズの試験片を切り出し、充填材側を上側に向けて水平板上に広げた時の長辺端部における充填材側反りの高さをスケールでY1(mm)を測定した(図3(b)参照)。なお、反りが激しく図3(a)のようにY2が重なるほどカールする場合にはNGであり重なりと表示とした。その結果を表1から3に示す。
<反り量の測定方法>
図3に示すように裏面一体化シートからMD(流れ方向)がA4長辺(297mm)となるようにA4サイズの試験片を切り出し、充填材側を上側に向けて水平板上に広げた時の長辺端部における充填材側反りの高さをスケールでY1(mm)を測定した(図3(b)参照)。なお、反りが激しく図3(a)のようにY2が重なるほどカールする場合にはNGであり重なりと表示とした。その結果を表1から3に示す。
表1から3から明らかなように、実施例1、2では(d)の押し出し同時ラミネーション(サンドラミ)を除きいずれも30mm以下で反りが小さいのに対し、比較例ではいずれも60mm以上と反りが大きいこと解かる。
1 裏面一体化シート
2 バックシート
3 裏面側充填材
10 太陽電池モジュール
11 太陽電池素子
12 表面側充填材
13 透明前面基板
2 バックシート
3 裏面側充填材
10 太陽電池モジュール
11 太陽電池素子
12 表面側充填材
13 透明前面基板
Claims (5)
- 太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートと、裏面側の充填材層と、が積層工程によりあらかじめ一体化された、太陽電池モジュール用裏面一体化シートであって、
前記充填材層の0℃〜50℃における貯蔵弾性率が、周波数10Hzで1.0×106〜1.0×108Paの範囲にあり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比が0.05〜0.5の間であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面一体化シート。 - 下記の測定方法による前記太陽電池モジュール用裏面一体化シートの反り量Y1が30mm以下である請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シート。
測定方法:太陽電池モジュール用裏面一体化シートから、MD(流れ方向)がA4サイズ(297mm×210mm)の長辺297mmとなるようにA4サイズの試験片を切り出し、23℃下で充填材層側を上側に向けて水平板上に広げた時の長辺端部における充填材層側反りの水平板からの高さをY1(mm)とする。 - 前記バックシートの積層面側には、150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材が設けられている請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シート。
- 前記充填材が、酢酸ビニル含量が23〜38質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を主として含む請求項1から3いずれか記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シート。
- 前記充填材が、密度0.870〜0.890g/cm3の範囲であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンを主として含む請求項1から3いずれか記載の太陽電池モジュール用裏面一体化シート。
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-
2009
- 2009-08-25 JP JP2009194327A patent/JP2011049228A/ja active Pending
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