JP2010109038A - 太陽電池バックシート及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性に優れるフッ素樹脂と、ガスバリア性に優れる透明蒸着フィルムとを有する太陽電池バックシートにおいて、フッ素樹脂と透明蒸着フィルムとの接着が強く、耐候性、耐久性に優れた太陽電池バックシートを提供する。
【解決手段】外層及び最内層がフッ素樹脂、ガスバリア性中間層が透明蒸着フィルムの、少なくとも3層以上で構成された太陽電池バックシートにおいて、ガスバリア性を有する透明蒸着フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂層を押し出しラミネートによって形成してなり、前記フッ素樹脂層がポリマー鎖末端または側鎖の一方にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電に使用する太陽電池モジュールを構成する太陽電池バックシート(裏面保護シート)及びそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、石油や石炭などの化石エネルギー源の枯渇が問題とされ、加えて、それらの燃焼時に発生するCO2の増加に起因する地球温暖化現象等の環境破壊が重要な問題となっている。そのような状況の下、太陽光発電は、無尽蔵の太陽輻射エネルギーを利用するクリーンな代替エネルギー源として実用化されている。太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気に変える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイド、化合物半導体等の光起電力素子からできている。その構造としては、光起電力素子単体をそのままの状態で使用することはなく、一般的に、数枚〜数十枚の光起電力素子を直列、並列に配線し、長期間に亘って素子を保護するために種々パッケージングが行われ、太陽電池モジュールとしてユニット化されている。
太陽電池モジュールの基本的な機能は、太陽の輻射エネルギーを効率よく光起電力素子へと導くと共に、光起電力素子及び内部配線を長期に亘って過酷な自然環境に耐え得るように保護することにある。太陽電池モジュールは一般的に、太陽光が当たる面のガラスや透明なプラスチック等からなる上部透明材料と、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂からなる充填剤層と、光起電力素子としての複数枚の太陽電池セルと、前記充填剤層と同様の充填剤層と、太陽電池バックシートとがこの順に積層され、真空加熱ラミネーション法等により一体成形されている。
従来、太陽電池バックシートとしては、例えば、構成例:PET50μm/透明蒸着PET12μm/白色PET50μmのように、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた構成が多く使用されている。一般に、透明蒸着フィルムが中間に積層されており、水蒸気及び酸素等のガスバリア性が高く、金属配線等の劣化防止に役立ち、また、PETフィルムの価格が安価であるという特徴も持ち合わせている。しかしながら、長期耐久性を求める用途では、一般のPETフィルムの耐候性にはやや問題があり、屋外での長期使用においてフィルムの加水分解が発生するという問題を抱えている。
一方、従来からPVF(ポリフッ化ビニル)等のフッ素フィルムを使用した、例えば、構成例:PVF38μm/接着剤/PET50μm/接着剤/PVF38μmのように、フッ素フィルムを用いた構成も多く採用されている。フッ素樹脂は、優れた耐熱性、耐薬品性、耐薬品性、耐候性、電気絶縁性、難燃性を有しているが、一方、フッ素樹脂は、一般的に機械的強度や寸法安定性が不十分で、価格が高いということ、また、接着剤を用いてフィルム同士を接着しているため、接着剤の加水分解等により、長期使用で層間の浮きが発生する等の問題も抱えていた。
そこで、フッ素樹脂の上記した長所を最大限に生かし、欠点を最小とするために、フッ素樹脂と他の有機材料または無機材料との接着または積層化の検討が行われてきた。特許文献1には、特定のモノマー構成でカーボネート末端であり、特定のメルトフローレート及び90〜200℃の融点を有する、テトラフルオロエチレン共重合体からなる層と他の材料の層とを含む積層体が開示されており、太陽電池用の表面フィルムまたは透明充填剤としての適用も提案されている。しかしながら、積層対象が汎用の樹脂との接着の場合、太陽電池バックシートとしてはバリア性が不足している。また、金属箔との積層によりバ
リア性を発現させることも可能であるが、その場合導電性の金属箔を積層することになり、積層体全体の絶縁性向上のためには、大きな厚みのフッ素樹脂フィルムを使用することになり、価格が高くなってしまう問題がある。
特許第3981981号公報
本発明は上記した問題点に鑑みなされたものであり、耐候性に優れるフッ素樹脂と、ガスバリア性に優れる透明蒸着フィルムとを有する太陽電池バックシートにおいて、フッ素樹脂と透明蒸着フィルムとの接着が強く、耐候性、耐久性に優れた太陽電池バックシートを提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、外層及び最内層がフッ素樹脂、中間層がガスバリア性透明蒸着フィルムの少なくとも3層以上で構成された太陽電池バックシートにおいて、ガスバリア性を有する透明蒸着フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂層を押し出しラミネートによって形成してなり、前記フッ素樹脂層がポリマー鎖末端または側鎖の一方にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体であることを特徴とする太陽電池バックシートである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記透明蒸着フィルムを形成するガスバリア性薄膜が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの金属酸化物、及びそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシートである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記フッ素樹脂層の外層面に、耐候性ポリエステル樹脂層が、接着剤を介さずに熱接着により積層されていることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシートである。
次に、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜3いずれか1項に記載する太陽電池バックシートを具備することを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の太陽電池バックシートは、耐候性に優れるフッ素樹脂が、ガスバリア性に優れる透明蒸着フィルムに、押し出しラミネートによって形成されている。つまり、接着剤を用いずに熱接着により積層されているため、接着剤での積層で見られる接着剤の加水分解等により長期使用で層間の浮きが発生する等の問題が発生しない、耐候性、耐久性に優れた太陽電池バックシートを提供できる。
また、本発明の太陽電池バックシートは、フッ素樹脂としてポリマー鎖末端または側鎖にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体を用いて、フッ素樹脂自身を熱溶融して透明蒸着フィルムに直接押し出し積層しているため、層間の接着が強いバックシートが得られる。なお、フッ素樹脂を予めフィルム化した上で、透明蒸着フィルムと合わせ、熱・圧をかけて熱接着で積層することも可能であるが、フッ素樹脂を透明蒸着フィルムに直接押し出しラミネーションすることで、フッ素樹脂のフィルム化の工程が不要となり、大幅な価格低減が可能となる。
また、本発明の太陽電池バックシートは、ガスバリア性中間層として透明蒸着フィルムを用い、そのバリア性薄膜を構成する無機化合物が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの金属酸化物及びその混合物であるため、高く安定したバリア性のあるバッ
クシートが得られる。電気絶縁性が高く機械強度に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等をベースとする透明蒸着フィルムを中間層とする構成では、価格の高いフッ素樹脂フィルムを薄くすることが可能であり、太陽電池バックシートの価格低減が可能となる。
また、透明蒸着フィルムのガスバリア性中間層を外側から積層している外層のフッ素樹脂の更に外側に、耐候性ポリエステル樹脂層を接着剤を用いずに熱接着で積層した構成では、機械的強度に優れた耐候性ポリエステルの樹脂層の厚みを相対的に厚くすることで、高価なフッ素樹脂の厚みを減らすことが可能となる。更にまた、一般の包装材料製造に用いられる公知のタンデム押し出しラミネーターを用いて、耐候性ポリエステル樹脂層をベース基材として走行させながら、ポリマー鎖末端または側鎖にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体を、該耐候性ポリエステル層に溶融押し出しして透明蒸着フィルムとサンドラミネートを行い、引き続いて、透明蒸着フィルムの他の面に同様フッ素樹脂を溶融押し出しして最内層を形成することで、一工程で本発明の太陽電池バックシートを製造することが可能であり、価格低減はもとより製品の性能安定化・品質向上に役立ち、ひいては太陽電池の普及拡大につながる。
更に、本発明の太陽電池バックシートは、最内面側がポリマー鎖末端または側鎖にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体であるため、充填剤に多く用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体とも安定した強固な熱接着が可能であり、モジュール製造工程が安定化し、耐久性のある太陽電池モジュールを得ることが出来る。
本発明の太陽電池バックシートを一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は本発明の太陽電池バックシート1の一例を断面で示した概略図である。また、図2は本発明の太陽電池バックシート1の他の例を断面で示した概略図である。また、図3は本発明の太陽電池バックシートが使用される太陽電池モジュールの一例の部分を断面で説明する概略図である。図1において、外層10及び最内層30がフッ素樹脂、ガスバリア性中間層20が透明蒸着フィルムの、少なくとも3層以上で構成されており、外層10のフッ素樹脂と透明蒸着フィルム20のフィルム基材面側と、内層30のフッ素樹脂と透明蒸着フィルム20の蒸着面側とは、接着剤を用いずに熱接着により積層されている。また、図2では外層10のフッ素樹脂の更に外側に、耐候性ポリエステル層40が接着剤を用いずに熱接着により積層された構成となっている。図3に示すように、太陽電池モジュールは、上部透明材料のガラス5と、充填剤6のEVAと、配線された太陽電池セル7とバックシート1とが重ねあわされて真空ラミネートされた状態で一体化されており、リード線8がモジュール外に引き出されて電力が取り出される構成となっている。
従来、熱成形用として使用されているフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)等がある。しかし、これらフッ素樹脂は、表面エネルギーが小さいので、一般に他の材料との親和性に乏しく、接着力が低く、フッ素樹脂と他の材料を熱融着しても接着強度は不十分であった。
本発明の太陽電池バックシートにおいて、フッ素樹脂は、ポリマー鎖末端または側鎖の一方に反応性基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体であって、該反応性基としてはカルボニル基が好ましい。カルボニル基を有するフッ素樹脂とは、カーボネート基及び/またはカルボン酸ハライド基を有するエチレン性単量体を、含フッ化エチレン性単量体と共重合して得られる含フッ化エチレン性重合体の構造を有するものである。エチレン
性単量体に含まれるカーボネート基には、一般に、−OC(=O)O−の結合を有する基であり、具体的には、−OC(=O)O−R基(Rは水素原子、C1〜C20のアルキル基、エーテル結合を有するC2〜C20のアルキル基などの有機基、一価金属などである)の構造のものであり、またカルボン酸ハライド基は、具体的には−COY(Yはハロゲン元素である)の構造のもので、−COF、−COClなどが挙げられる。
中でも、好ましいフッ素樹脂は、ポリマー鎖の末端にカルボニル基を有するフッ素樹脂で、他のフッ素樹脂、ポリアミドやポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ガラス等の珪素質材料以外にも広く接着性を示し、耐熱性、耐薬品性、機械特性、生産性等もすぐれている。このようなフッ素樹脂は、市販品としても入手可能であり、市販品としては、例えば、ダイキン工業社製のネオフロンEFEP(商品名)が挙げられる。フッ素樹脂の厚みは10〜200μmが使用でき、加工性やコスト等を考慮すると、10〜50μmが好適に用いられる。また、色は無色透明に加え、顔料等の添加により白色や黒色に着色して使用することも出来る。
次に、ガスバリア性中間層の透明蒸着フィルムについて説明する。無機化合物からなるバリア性薄膜層は、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐものである。バリア性薄膜層を形成する材料は特に限定されるものではなく、珪素、アルミニウム、クロム、マグネシウム等の金属の酸化物、窒化物、フッ化物等、透明で且つ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものが使用できる。なかでも、金属酸化物およびその混合物は好ましく用いることが出来る。その中でも、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムは、高いガスバリア性が得られることから好ましい。蒸着基材としては、強度、耐熱性、透明性ならびに安価なことから、2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用できるが、これに限定されるものではない。
透明蒸着フィルムのバリア性は、その水蒸気透過度が0〜5g/m2・day・40℃90%RHであることが好ましい。本発明の太陽電池バックシートでは、特に、水蒸気透過度が1.0g/m2・day・40℃90%RH以下の低い領域すなわち高バリア性でその有効性が発揮される。このような高バリアの透明蒸着フィルムは、市販品としても入手可能であり、市販品としては、例えば、凸版印刷社製の酸化アルミニュウムの透明蒸着フィルムGL−ARH(商品名)12μmが挙げられる。なお、GL−AHRの単体の水蒸気バリア性はカタログ値によれば0.05g/m2/day・40℃90%RHである。ここで用いられる水蒸気透過度は、JIS K7129B法に準じて、水蒸気透過率測定装置(モコン社製 PERMATRAN 3/31)を使用し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定できる。
酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物からなるバリア性薄膜層をプラスチック基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を更に向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
ガスバリア性薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には1.0nm〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が1.0nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではな
いことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、折り曲げ、引っ張り、あるいは温度変化による伸縮などの外的要因により、薄膜に亀裂(クラック)を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることであり、この時高いバリア性が得られる。
本発明の太陽電池バックシートでは、外層のフッ素樹脂の外側に、耐候性ポリエステル層を、接着剤を用いずに、熱接着により積層することができる。ここで、耐候性ポリエステルとしては、長期間の耐久性を求める上で、数平均分子量が18000〜40000の範囲で、環状オリゴマー含有量が1.5質量%以下、固有粘度が5×10-53/g以上の耐加水分解性を有するポリエステル基材が好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)は寸法安定性、作業性が良く、安価であるので好ましく用いることができる。
一般に、ポリエステルは、モノマーを縮合重合させたポリマーからなり、モノマーとポリマーの中間体であるオリゴマーが1.6〜2質量%含まれている。また、このようなポリエステルは分子末端がカルボン酸の場合、熱、水、さらには酸触媒としての作用が働き加水分解に影響を受ける。この末端カルボン酸基をカルボジイミド系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物により封止することも可能であるが、この末端カルボン酸基を上昇させることなく重合反応を高度に進める、すなわち、数平均分子量を増加させるために固相重合法を用いることで重合反応が進んでオリゴマー含有量1.5質量%以下好ましくは、1.0質量%以下に低くすることができ、加水分解しにくく耐久性に優れたバリア性を有する太陽電池バックシートの外側の基材とすることが出来る。このようなポリエステル基材は、市販品としても入手可能であり、市販品として、例えば、東レ株式会社製のルミラーX10S(商品名)が挙げられる。ここで、オリゴマーの含有量は、核磁気共鳴(NMR)等の方法を用いて知ることができる。
また耐候性ポリエステル層は、上記した樹脂の混合物からなるフィルムや積層フィルムも用いられる。また、公知の添加剤、滑剤、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤を添加することが可能であり、着色剤の添加も可能である。また、耐候性ポリエステルフィルムは、太陽電池バックシートとしての積層等の後加工適性等を考慮すると、機械的強度や寸法安定性を有するものが良く、二軸方向に任意に延伸されたフィルムが好ましい。耐候性ポリエステル層の厚さはとくに制限を受けるものではなく、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に30〜150μmとすることが好ましい。
以上説明した材料を用いて、まず、透明蒸着フィルムの蒸着面側にフッ素樹脂を押し出しラミネートし、さらに透明蒸着フィルムの反対面側にフッ素樹脂を押し出しラミネートして、外層及び最内層がフッ素樹脂、ガスバリア性中間層が透明蒸着フィルムの、3層で構成された本発明の太陽電池バックシートが得られる。また、前述したように、タンデム押し出しラミネーターを用いて、透明蒸着フィルムのガスバリア性中間層を外側から積層している外層のフッ素樹脂の更に外側に、耐候性ポリエステル層を積層した4層構成の太陽電池バックシートが得られる。なお、積層の順序ならびに方法は、上記のみに限定されるものではない。
この得られた太陽電池バックシートを、上部透明材料のガラスと、充填剤のEVAシート、配線された太陽電池セル、EVAシート、本発明の太陽電池バックシートと重ね合わせて、150℃/10分間/1.33×102Pa等の条件で真空加熱ラミネートし、必要な加工を施すことで、図3の概略断面図に示す如く、本発明の太陽電池バックシートを使用した太陽電池モジュールが得られる。
以下に本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
透明蒸着フィルム(凸版印刷社製 GL−ARH)12μmの蒸着面側に、フッ素樹脂(ダイキン工業社製ネオフロン EFEP)50μmを樹脂温度245℃で押し出し、引き続いて反対面に同様にフッ素樹脂50μmを押し出し、外側から、フッ素樹脂50μm/透明蒸着フィルム12μm/フッ素樹脂50μmの構成の積層体を得て、これを太陽電池バックシートとした。
<実施例2>
厚さ50μmの耐候性PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーX10S)の表面に、フッ素樹脂(ダイキン工業社製ネオフロン EFEP)25μmを樹脂温度245℃で押し出し、透明蒸着フィルム(凸版印刷社製 GL−ARH)12μmの一方の面とサンドラミネートした。引き続いて耐候性PETフィルムと積層された透明蒸着フィルムの他方の面に同様にフッ素樹脂25μmを押し出し、外側から、耐候性ポリエステルフィルム50μm/フッ素樹脂25μm/透明蒸着フィルム12μm/フッ素樹脂25μmの構成の積層体を得て、これを太陽電池バックシートとした。
<比較例1>
透明蒸着フィルム(凸版印刷社製 GL−ARH)12μmの蒸着面側に、2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製 タケラックA515/A50)固形分塗布量5g/m2を塗布し、一般の白色PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーE20)50μmをドライラミネート法により積層した。次に、この積層品の透明蒸着フィルム面に、同じく2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製 タケラックA515/A50)固形分塗布量5g/m2を塗布し、PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーS10)50μmとドライラミネート法により積層した。外側から、PETフィルム50μm/接着剤/透明蒸着フィルム12μm/接着剤/白色PET50μmの構成の積層体を得て、これを太陽電池バックシートとした。
<比較例2>
フッ素フィルム(デュポン社製PVF テドラー)38μmに、2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製 タケラックA515/A50)固形分塗布量5g/m2を塗布し、PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーS10)50μmをドライラミネート法により積層した。次に、この積層品のPETフィルム面に、同じく2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製 タケラックA515/A50)固形分塗布量5g/m2を塗布し、フッ素フィルム(デュポン社製PVF テドラー)38μmとドライラミネート法により積層した。外側から、フッ素フィルム38μm/接着剤/PETフィルム50μm/接着剤/フッ素フィルム38μmの構成の積層体を得て、これを太陽電池バックシートとした。
上記、実施例1、2、及び、比較例1,2で作成した太陽電池バックシートについて、バックシート単体でのバリア性として水蒸気透過度を、JIS K7129B法に準じて、水蒸気透過率測定装置(モコン社製 PERMATRAN 3/31)を使用し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した。その測定結果を表1に示す。
また、上記、実施例1、2、及び、比較例1,2で作成した太陽電池バックシートをそれぞれ用いて、上部透明材料のガラスと、充填剤のEVAシート(三井化学ファブロ社製
RCO2Bタイプ)、配線された太陽電池セル、同様のEVAシート、各実施例及び比較例の太陽電池バックシートと重ね合わせて、150℃/10分間/1.33×102
a等の条件で真空加熱ラミネートして、試験用の太陽電池モジュールを作成した。この試験用の太陽電池モジュールを、85℃−85%RHの環境下で3000時間保存試験をした後、耐候性・耐久性としてバックシートの外観特性と充填剤であるEVAとの接着性を評価した。外観特性の評価は目視で行った。また、EVAとの接着性の測定は、日本工業規格JIS K6854−1:1999「接着剤―剥離接着強さ試験方法−第1部:90度剥離」で規定されている試験方法に従って測定した。試験にはオリエンテック社テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。その評価結果と測定結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2010109038
実施例1及び実施例2で作成した本発明の太陽電池バックシートは、水蒸気バリア性が良好であり、外観的にも劣化が見られず、EVAとの接着強度は3000時間の高温多湿条件下での保存後も、太陽電池バックシートで実用上必要とされる40N/10mm以上の値が保持され、耐久性にすぐれた結果が明らかとなった。それに対して、比較例1では、バリア性の高い透明蒸着フィルムをガスバリア性中間層としているため、バリア性は良好な結果となったが、外側のPETフィルムにクラックが発生し、部分的に層間での剥離が発生する結果となった。また、EVAとの接着性も不十分なものとなった。また、接着剤を用いてPETフィルムをフッ素樹脂フィルムで両側からサンドイッチする構成の比較例2では、EVAとの接着性は良好であったが、バリア性が不足し、また、部分的に層間での剥離が発生する結果となった。
本発明の太陽電池バックシートの一例を断面で示した概略図。 本発明の太陽電池バックシートの他の例を断面で示した概略図。 本発明の太陽電池バックシートが使用される太陽電池モジュールの一例の部分断面概略図。
符号の説明
1・・・太陽電池バックシート 10・・・外層(フッ素樹脂)
20・・・ガスバリア性中間層(透明蒸着フィルム)
30・・・最内層(フッ素樹脂)
40・・・耐候性ポリエステル層 5・・・ガラス 6・・・充填剤(EVA)7・・・太陽電池セル 8・・・リード線

Claims (4)

  1. 外層及び最内層がフッ素樹脂、中間層がガスバリア性透明蒸着フィルムの少なくとも3層以上で構成された太陽電池バックシートにおいて、
    ガスバリア性を有する透明蒸着フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂層を押し出しラミネートによって形成してなり、前記フッ素樹脂層がポリマー鎖末端または側鎖の一方にカルボニル基を有する4フッ化エチレン−エチレン共重合体であることを特徴とする太陽電池バックシート。
  2. 前記透明蒸着フィルムを形成するガスバリア性薄膜が、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの金属酸化物、及びそれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシート。
  3. 外側の前記フッ素樹脂層の外層面に、耐候性ポリエステル樹脂層が接着剤を介さずに熱接着により積層されていることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池バックシート。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載する太陽電池バックシートを具備することを特徴とする太陽電池モジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012091462A3 (en) * 2010-12-28 2012-10-04 Youl Chon Chemical Co., Ltd. Back sheet for solar cells and method for preparing the same
JP2014522575A (ja) * 2011-06-07 2014-09-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 封止剤に対して改善された接着性を有する太陽電池バックシート
JP2016025274A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 三菱化学株式会社 太陽電池モジュール一体型膜体
KR20170078436A (ko) 2015-12-29 2017-07-07 코오롱글로텍주식회사 섬유 기반 백시트

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