JP2010272196A - 光ピックアップ装置用ピックアップフレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型のピックアップフレームにおける外力による変形や破損の発生を防ぐとともに、温度変化による光学素子の相対寸法位置ずれの発生を防ぐ。
【解決手段】光ピックアップ装置3において、メインシャフト7が貫通する2つの同芯丸孔形状からなるメイン軸受け6aを有する支持ベース18を合成樹脂で成形する。サブシャフト8が通るサブ軸受け6bを有すると共に発光素子11、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13及び受光素子17等を支持する光学ベース19を金属ダイカストで成形する。支持ベース18と光学ベース19を接着剤にて一体化してピックアップフレーム6を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、合成樹脂と金属を用いた複合材質からなるピックアップフレーム、ピックアップフレームを用いた光ピックアップ装置、および光ピックアップ装置を用いた光学式情報記録再生装置に関する。
光ディスク駆動装置により回転される光ディスクの信号面に光を入射して、その光ディスクに記録されている情報信号を読み取る手段として、または光ディスクに情報を書き込む手段として、光ピックアップ装置が記録再生装置に搭載されている。
近年、光ピックアップ装置を用いた光学式情報記録再生装置(光学ドライブ装置)は、モバイル用パーソナルコンピュータ(モバイルパソコン)に搭載され、その普及とともにより使いやすさを求められている。その具体的ファクターとしては、より小さく(薄く)、より軽くであり、これらのファクターは、光学ドライブ装置の構成要素のひとつである光ピックアップ装置にも求められている。また光ピックアップ装置としては、薄型化、軽量化に相反するファクターとなる、剛性の確保および外部環境信頼性(高温下、低温下、またその繰り返しでの保存および動作保証)の確保も併せて達成する必要がある。光ピックアップ装置を構成するピックアップフレームは、前記ファクターに大きく影響する。以下、そのピックアップフレームを中心に記載する。
モバイルパソコンに搭載される光学ドライブ装置は、普及が進んでいるものとして、その外装ケースの厚さ(高さ)は、12.7ミリメートルと9.5ミリメートルの2種類がある。
光学ドライブ装置の厚さ12.7ミリメートルのものでは、光ピックアップ装置の両端に形成されている軸受け部について、多くが両端の軸受け部の両方とも金属ダイカストで一体に成形されたピックアップフレームが採用されている。また、一部の装置では、合成樹脂で一体に成型されたピックアップフレームが採用されているものもある。前記ピックアップフレームでは、発光素子、受光素子がホルダーを介して支持され、光路変更等を行う光学素子の一部も前記ピックアップフレームに支持されている。
光学ドライブ装置の厚さ9.5ミリメートルのものでは、後述する理由により、光ピックアップ装置の両端に形成されている軸受け部の両方ともアルミニウムダイカストもしくマグネシウムダイカスト等の金属ダイカストで一体に成型されたピックアップフレームが採用されており、前記ピックアップフレームに発光素子、受光素子がホルダーを介して支持され、光路変更等を行う光学素子の一部も前記ピックアップフレームに支持されている。
また、光ピックアップ装置の両端に形成されている軸受け部の両方とも合成樹脂で一体に成型された支持ベースと、発光素子、受光素子および光路変更等を行う光学素子を支持する金属製の光学ベースとが接着により一体となったピックアップフレームが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−171498号公報
光ピックアップ装置両端の軸受け部の両方とも合成樹脂で一体に成型されたピックアップフレームでは、合成樹脂部分の強度は強くないので、光ピックアップ装置の厚さが薄くなると(例えば厚さが9.5ミリメートルの光学ドライブ装置)、合成樹脂部分の反りや歪によって光ピックアップ両端の軸受け部の間の精度の確保が困難となる。また、そのような反りや歪によって、前記両端の軸受け基準で位置調整を行った上で装着して支持される発光素子、受光素子および光路変更等を行う光学素子等の装着精度、また、それらの光学素子の相対位置精度の確保が困難になる。このような課題は、前記光学素子のピックアップフレームへの装着時、および光ピックアップ装置が高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時に起こり得るものである。
光ピックアップ装置両端の軸受け部には、光ディスクの内周側と外周側との間の光ピックアップ装置の移動をガイドする互いに平行関係にある2本のガイドシャフトが通される。光ピックアップ両端の軸受け部間の精度が確保できないと、光ピックアップ装置とガイドシャフトとの間の負荷が増えることとなり、光学ドライブ装置の動作に支障をきたすこととなる。
また、発光素子、受光素子および光路変更等を行う光学素子等の装着精度、またこれらの光学素子の相対寸法位置精度の確保ができない場合、光ディスクへ入射された光スポットの歪の発生や、光ディスクからの反射光を受ける受光素子の入射光のターゲット位置のずれにより、記録再生品質の劣化および光ピックアップ装置を制御するためのエラー信号の乱れが発生し、光学ドライブ装置の記録再生性能に重大な問題を発生させる。
また、同じく、光ピックアップ装置の厚さが薄くなると、光ピックアップ装置が受ける落下衝撃力にて、合成樹脂で成型された軸受け(特にUの字形状の軸受け)および軸受け部の周辺部が破損するという課題がある。
上記のような課題があるため、特に厚さ9.5ミリメートルの光学ドライブ装置で用いられるピックアップフレームは、アルミダイカストもしくマグネシウムダイカスト等の金属で一体に成型されたピックアップフレームが採用されている。
しかしながら、金属ダイカスト製、特に軽量化を図ったアルミニウムダイカスト、マグネシウムダイカスト製のピックアップフレームは、コストが樹脂製に比べて高いという課題がある。
更に、厚さ12.5ミリメートルの光学ドライブ装置で用いられるピックアップフレームにおいても、ピックアップ装置の両端に形成されている軸受け部の両方とも、合成樹脂ではなく、亜鉛ダイカスト、アルミニウムダイカストもしくマグネシウムダイカスト等の金属で一体に成型されたピックアップフレームが採用されている場合が多い。その理由としては、合成樹脂のみの成型でピックアップフレームに必要な強度を確保することが難しいからである。ピックアップフレームの強度確保が難しいのは、近年、CD、DVDおよびブルーレイディスク(BD)と記録再生対象が増えることにより、発光素子および必要な光路変更等を行う光学素子が増え、ピックアップフレーム内にこれらのレーザ素子や光学素子を配置する必要により、ピックアップフレームの強度を得られる部分の体積(形状)の確保が難しいからである。
またもうひとつの大きな課題として、光ピックアップ装置において発熱源となるレーザ素子、およびこれを駆動するレーザドライブICの放熱を効率的に行う必要がある。近年では記録倍速が速くなると同時にレーザの発光パワーも大きくなり、発熱量が増える傾向があり、そのような熱を効率良く逃がすためには金属製のピックアップフレームの方が都合がよいからである。
本発明は、モバイル用などの光学ドライブ装置に搭載の光ピックアップ装置に必要とされる、小型化(薄型化)、軽量化のファクターに伴って、ピックアップフレームに生じる上記課題を解決するものである。
本発明のフレームは、光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、前記フレームは、金属により成型された第1のベースと、樹脂により成型され前記第1のベースに固定された第2のベースとを備え、前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、前記第1のベースは、光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、前記第1の軸部と嵌合するための第1の軸受け部と、を備え、前記第2のベースは、前記第2の軸部と嵌合するための第2の軸受け部を備える。
ある実施形態によれば、前記第1の軸受け部および前記第2の軸受け部の一方は、対応する軸部を貫通させるための穴部を備え、他方は、対応する軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための規制部を備える。
ある実施形態によれば、前記第1の軸受け部は、前記第1の軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための規制部を備え、前記第2の軸受け部は、前記第2の軸部を貫通させるための穴部を備える。
ある実施形態によれば、前記第1のベースと前記第2のベースとは、接着により固定されている。
ある実施形態によれば、前記第1のベースは、出射されたレーザ光を前記光記憶媒体の盤面に垂直な方向に反射させる立ち上げミラーを支持するためのミラー支持部を備える。
ある実施形態によれば、前記第2のベースは、出射されたレーザ光を前記光記憶媒体の盤面に垂直な方向に反射させる立ち上げミラーを支持するためのミラー支持部を備える。
本発明の光ピックアップ装置は、前記フレームと、前記レーザ光を出射する発光素子と、前記出射されたレーザ光を前記光記憶媒体へ導く光学系とを備える。
また、本発明のフレームは、光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、前記フレームは、樹脂により成型されたベースと、前記第1の軸部と嵌合するための、金属により成型された第1の軸受け部と、を備え、前記ベースは、光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、前記第2の軸部と嵌合するための第2の軸受け部と、を備える。
また、本発明のフレームは、光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、前記フレームは、樹脂により成型されたベースを備え、前記ベースは、光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、前記第2の軸部と嵌合するための軸受け部と、前記第1の軸部と接触するための接触部と、を備え、前記フレームは、前記接触部とともに前記第1の軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための金属の規制部をさらに備える。
ある実施形態によれば、前記金属の規制部は板金である。
ある実施形態によれば、前記金属の規制部は前記フレームにネジ留めされている。
本発明に係るピックアップフレームは、発光素子から出射された光を立ち上げミラーで記録再生媒体(光ディスク)の盤面に対して垂直方向に反射させ、光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を受光素子で受ける光ピックアップ装置に用いられる。前記ピックアップフレームは、前記発光素子および前記受光素子を支持する金属製の光学ベースと、前記光学ベースと一体となった合成樹脂製の支持ベースとで形成されている。前記ピックアップフレームの両端には軸受け部が形成されており、第2の軸受け部が前記支持ベースと一体に成型されており、第1の軸受け部が前記光学ベースと一体に成型されている。
これにより、軸受け部に必要な強度を確保しつつ、低コスト化を実現したピックアップフレームを実現することができる。また、発熱源となる発光素子の熱を金属製の光学ベースに効率良く逃がすことができる。
本発明のある実施形態によれば、前記第2の軸受け部は、同芯関係にある2つの丸孔にて構成されている。これにより、第2の軸受け部が合成樹脂で成形されていても、必要な強度が得られる軸受け形状としている。
本発明のある実施形態によれば、第1の軸受け部は、前記ピックアップフレームの中心側とは反対の側(外側)に開放形状となるUの字形状を有する。この第1の軸受け部は、シンプルな形状であり、軸受けの大きさを小さくできるが、強度的に不利な形状であるので、必要な強度を確保できる金属製としている。
本発明のある実施形態によれば、光学ベースと支持ベースとが、接着により一体となっている。インサート成形もしくはアウトサート成型では光学ベースおよび支持ベース(特に合成樹脂製の支持ベース側に)に残留歪みが残ってしまう。しかし、接着により一体化することで、そのような残留歪みの発生を防止することができる。
本発明のある実施形態によれば、立ち上げミラーの支持部を支持ベースが有する。支持ベースに立ち上げミラー用の支持面を有する構成とすることにより、支持ベースにアングル形状が加わり、支持ベースの強度をより増すことができる。
本発明のある実施形態によれば、立ち上げミラーの支持面を光学ベースが有する。これにより、ピックアップフレームが支持する光学素子間の相対寸法位置のずれをより精度よく抑えることができる。
本発明によれば、光ピックアップ装置の両端の軸受けの一方を合成樹脂製の支持ベースが含み、他方を金属製の光学ベースが含み、それら支持ベースと光学ベースを一体化してピックアップフレームが形成されている。これにより、ピックアップフレームが薄型化および軽量化しても、ピックアップフレームの反りや変形等による、両端の軸受け部間の精度劣化を防ぐことができる。また、光ピックアップ装置が受ける落下衝撃による軸受けおよびその周辺部の破壊も防ぐことができる。また、レーザ光の熱も光学ベースに逃がすことができ、レーザ発光素子の熱破壊も防ぐことができる。さらには、薄型化された光ピックアップ装置においては、両端に軸受けを持つピックアップフレームを従来は金属のみで成形する必要があり、コストが高くなっていたが、本発明では上記課題を安価で解決することができる。
第1実施形態に係る光学式情報記録再生装置の斜視図である。 第1実施形態に係る光ピックアップ装置の斜視図である。 第1実施形態に係るピックアップフレームの構成と光学素子を示す斜視図である。 第2実施形態に係るピックアップフレームの構成と光学素子を示す斜視図である。 第3実施形態に係るピックアップフレームの構成を示す図である。
<第1実施形態>
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る光学式情報記録再生装置を説明する。図1は、第1実施形態に係る光学式情報記録再生装置(以下、「光学ドライブ装置」という。)1の斜視図である。本実施形態の特徴部分を分かり易く説明するために、各図は装置の構成要素の一部を省略した図になっている。なお、以降の説明では、図1で光ピックアップ装置3が光ディスク2の内周側から外周側に動く方向をX軸方向とし、これに直行し光ディスク2の盤面に平行な方向をY軸方向とし、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸方向とする。図1において、右斜め下側をX軸方向正側、右斜め上側をY軸方向正側、上側をZ軸方向正側とする。
図1に示すように、光学ドライブ装置1は、光ディスク(記録媒体の一例)2が回転可能に載置されるターンテーブル4と、ターンテーブル4上に載置された光ディスク2を回転させるスピンドルモータ5と、光ディスク2に対して情報の記録および再生を行う光ピックアップ装置3と、光ディスク2に対する光ピックアップ装置3の移動をガイドするメインシャフト7およびサブシャフト8と、光ピックアップ装置3を移動させる移動機構(図示せず)とを備える。
移動機構は主に、光ピックアップ装置3を移動させるために平行に配置されたメインシャフト7およびサブシャフト8と、メインシャフト7を回転させるモータ(図示せず)を備えた固定台9とから構成されている。メインシャフト7は、固定台9にX軸方向に沿って配置されており、光ピックアップ装置3のピックアップフレーム6(図2)に螺合するねじ部(図示せず)を有している。メインシャフト7が回転することで、光ピックアップ装置3が光ディスク2の半径方向と平行なX軸方向に移動する。メインシャフト7は、ピックアップフレーム6がX軸方向以外に移動するのを規制する機能も有している。サブシャフト8は、メインシャフト7周りにピックアップフレーム6が回動するのを規制するとともに、ピックアップフレーム6をX軸方向に移動可能に支持している。光ピックアップ装置3はメインシャフト7に沿って移動する。これにより、光ピックアップ装置3は、光ディスク2の外周側(X軸正方向)および内周側(X軸負方向)に移動可能である。なお、光ピックアップ装置3を光ディスク2に対して移動させる機構は、上述の機構に限定されない。
<光ピックアップ装置の構成>
図2を用いて、第1実施形態に係る光ピックアップ装置3を説明する。図2は、第1実施形態に係る光ピックアップ装置3の斜視図である。図2では、説明をシンプルにするために、説明に必要な部品のみを図示し、例えば、電気信号を伝達するフレキシブルパターン、これを光ピックアップ装置内に収めるための外装板金、レンズ等の光学素子の一部は省略している。
図2に示すように、光ピックアップ装置3は、金属製の部材と合成樹脂製の部材とからなるピックアップフレーム6と、レーザ光を出射する発光素子11と、発光素子11からの出射光を透過させ、光ディスク2で反射されたレーザ光の戻り光を受光素子17へと反射させるビームスプリッタ12と、発光素子11からの発散出射光を平行光にするコリメートレンズ13と、光ディスク2の盤面に対して垂直方向となるように光路を変更する立ち上げミラー14と、光ディスク2の情報記録面に光を集光させる対物レンズ15と、光ディスク2で反射されたレーザ光の戻り光を検出して電流に変換する受光素子17と、対物レンズ15を光ディスク2に対してフォーカス方向(Z軸方向)およびトラッキング方向(X軸方向)に駆動させる対物レンズ駆動装置16とを備えている。なお、ピックアップフレーム6に支持される光学素子のうち図示を省略されたものとしては、例えば、発光素子とビームスプリッタの間にあるグレーティング、ビームスプリッタと立ち上げミラーの間にある波長板、受光素子とビームスプリッタの間にある検出レンズ等がある。
ピックアップフレーム6のY軸方向の両端の一方には、ピックアップフレーム6がX軸方向以外の方向に可動するのを規制するメイン軸受け6aが設けられ、他方には、ピックアップフレーム6がX軸周りに回動するのを規制するサブ軸受け6bが設けられている。
<ピックアップフレームの構成>
図3を用いて第1実施形態に係る光ピックアップ装置3を説明する。図3は、ピックアップフレーム6の構成を示す斜視図であり、図2にならったピックアップフレーム6に装着される光学素子も示している。
図3に示すように、ピックアップフレーム6は、対物レンズ駆動装置16(図2)および立ち上げミラー14を支持する支持ベース18と、発光素子11、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13および受光素子17を支持する光学ベース19とを備える。光学ベース19には、このような出射光を光ディスクへ導く光学系が搭載される。
対物レンズ駆動装置16は、支持ベース18の開口部18aに隙間を空けて収まり、前記隙間に充填された接着剤により支持される。立ち上げミラー14は、支持ベース18に設けられた立ち上げミラー支持面18bに密着するように、ミラー支持面18bに塗布された接着剤によりミラー支持面18bに接着されて支持される。
ビームスプリッタ12およびコリメートレンズ13は、光学ベース19に設けられたビームスプリッタ支持面19aおよびコリメートレンズ支持面19cに密着するように、ビームスプリッタ支持面19aおよびコリメートレンズ支持面19cに塗布された接着剤、もしくはその周辺に塗布された接着剤により接着されて支持される。発光素子11は、これを別途保持するホルダー(図示せず)に保持された上で、光学ベース19に設けられた発光素子支持面19dに、前記ホルダーが密着するように、発光素子支持面19dに塗布された接着剤により接着されて支持される。受光素子17は、これを別途保持するホルダー(図示せず)に保持された上で、光学ベース19に設けられた受光素子支持面19eに隙間を空けて収まり、前記隙間に充填された接着剤により接着されて支持される。
なお、第1実施形態では、発光素子11は、波長が異なる複数種類の光を出射する一つの発光素子である。また、受光素子17は、それらの反射光である波長が異なる複数種類の光を受光する一つの受光素子である。なお、発光素子としては、発光波長別に複数の発光素子が、上記同様にこれらを保持するホルダーに保持され、光学ベース19に支持されてもよい。また、受光素子についても、受光する反射光の波長別に複数の受光素子が、これらを保持するホルダーに保持され、上記同様に光学ベース19に支持されてもよい。
また、支持ベース18のY軸方向の第1端(図3右上端)には、メインシャフト7(図1)が貫通する2つの同心丸孔形状からなるメイン軸受け6aが成形されている。光学ベース19のY軸方向の第2端(図3左下端)には、Y軸方向の第2端側に開放形状となるUの字形状のサブ軸受け6bが形成され、サブシャフト8(図1)がUの字形状の間を通る。サブ軸受け6bは、サブシャフト8を上下から挟み込むことにより、フレームの上下方向の移動を規制するための規制部として機能する。ここで上下方向とは、Z軸方向であり、光ディスク2の盤面や固定台9の平面に垂直な方向である。
メイン軸受け6aはメインシャフト7と嵌合し、サブ軸受け6bは、サブシャフト8と嵌合している。フレーム6は、実質的に互いに平行なメインシャフト7とサブシャフト8との間に設置されて、シャフト7および8と嵌合した状態において、シャフト7および8の長手方向に平行に移動する。
支持ベース18は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)や液晶ポリマー樹脂(LPC)等を主成分とする合成樹脂製であり、機械的強度は相対的に小さいが、金属ダイカスト製のものに比べて軽量とすることができ、さらにはコストも安くすることができる。
例えば、支持ベース18には、レーザ駆動用ICの収納空隙18c、レーザ出力調整用ボリュームの収納空隙18dおよび調整用孔18e、および受光素子17を保持するホルダーを位置調整のために保持するチャッキング装置用の空隙18f等が設けられており、ピックアップフレームを合成樹脂のみで形成する場合においては、十分な機械的強度を確保することが困難となる要因となっている。
光学ベース19は、例えば亜鉛やマグネシウムやアルミニウム等を主成分とする金属ダイカスト製であり、熱伝導性が良好であるとともに、機械的強度が高い。
ピックアップフレームを金属ダイカストのみで形成する場合を考えると、亜鉛ダイカスト製では、コストは金属ダイカスト製の中では、比較的安価であるが、比重が大きく、モバイルパソコン用として、軽量化を要望される光ピックアップ装置3(図1)においては不向きとなる。また比重が小さいマグネシウムダイカスト、アルミニウムダイカストでは、コストアップが課題となる。
支持ベース18と光学ベース19は、両者の間に僅かに設けられた隙間の複数個所に接着剤を充填することで一体化されている。図3を参照して、例えば、支持ベース18に設けられた接着面18g、18h、18i、18jと、光学ベース19に設けられた接着面19g、19h、19i、19jのそれぞれの接着面間の隙間に接着剤が充填され固着される。なお、光学ベース18と支持ベース19とは、溶着により一体化されてもよい。
<第1実施形態の作用効果>
上述したように、合成樹脂でも必要な機械的強度を確保できるメイン軸受け6a、対物レンズ駆動装置16を収納する開口部18a、立ち上げミラー14の支持面18b、光学ベース19との接着面18g、18h、18i、18jを有する支持ベース18は合成樹脂で成形している。また、合成樹脂製では機械的強度が弱くなってしまうUの字形状のサブ軸受け6bと、発光素子11、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13および受光素子17の支持面、支持ベース18との接着面19g、19h、19i、19jを有する光学ベース19を金属ダイカストで成形している。そして、支持ベース18と光学ベース19を接着剤にて一体化してピックアップフレーム6を形成している。このような第1実施形態に係る光ピックアップ装置3の作用効果を以下の(A)〜(D)に示す。
(A)光ピックアップ装置3では、サブ軸受け6bを含む一部分を金属ダイカスト製としている。このような構成により、光ピックアップ装置3の光学ドライブ装置1への取り付け基準となる、メイン軸受け6aとサブ軸受け6bの間の機械的強度、サブ軸受け6b自体の機械的強度、およびサブ軸受け6bの周辺部の必要な機械的強度は、光ピックアップ装置3が薄型化した場合でも、合成樹脂製のみで形成されたピックアップフレームと比べて、確保することができる。
(A−1)より詳細には、ピックアップフレーム6が薄型化しても、ピックアップフレーム6の強度不足を抑えることができる。これにより、光学素子の装着時の取り付け位置(角度)精度が安定して得られることより、光ピックアップ装置の安定した生産が可能になる。
特に、発光素子11(のホルダー)、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13、および立ち上げミラー14の装着時には、ピックアップフレーム6に設けられた発光素子支持面19d、ビームスプリッタ支持面19a、コリメートレンズ支持面19c、立ち上げミラー支持面18bに密着支持させる。このとき、少なからず密着させるための力がピックアップフレーム6にかかることとなる。このため、ピックアップフレームが合成樹脂のみで成形され、必要な機械的強度がピックアップフレームの薄型化に伴い確保できない場合は、ピックアップフレームが変形してしまうこととなる。この場合は、メイン軸受けとサブ軸受けからなるピックアップフレーム基準に対する各光学素子の装着時の取り付け位置(角度)精度が安定しないという問題が発生する。本発明では、ピックアップフレーム6の一端にあるメイン軸受け6aと、別の一端にあるサブ軸受け6bを結ぶピックアップフレーム6を一つの梁と考えた場合、梁の一部を金属製の光学ベース19とすることで、必要な機械的強度を確保し、光学素子の装着時の取り付け位置(角度)精度が安定しないという問題を解決することができる。
(A−2)また、ピックアップフレーム6が薄型化しても、光ピックアップ装置3に加わる落下衝撃力に対してサブ軸受け6bおよびその周辺部の破損を防ぐことができる。
光学ドライブ装置が搭載されるモバイルパソコンの落下等で、光ピックアップ装置に衝撃力が加わる時がある。ここで、比較例として、メイン軸受けを有する合成樹脂製の支持ベースにサブ軸受けも一体に成形されたピックアップフレームを考える。この比較例では、発光素子、ビームスプリッタ、コリメートレンズ、受光素子等の光学素子を支持する金属ダイカスト製の光学ベースと、上記支持ベースとが接着剤にて接着されている。この比較例と第1実施形態のピックアップフレームとを比較しながら、本実施形態の効果を説明する。
比較例のピックアップフレームでは、ピックアップフレームの薄型化が進むと、サブ軸受けの機械的強度が弱くなってしまう。例えば厚さ9.5ミリメートルの光学ドライブ装置では、サブ軸受けの接触面となるボスの厚さ(Uの字形状の片側のボス厚さ)は、0.8ミリメートル程度しかない。更にメイン軸受けとサブ軸受けの間に、複数の光学素子を支持した比重の大きな金属ダイカスト製光学ベースが存在している。このため、落下衝撃力は、金属ダイカスト部からのモーメント力として、サブ軸受け部にかかることとなる。そのため、光学ドライブ装置の落下衝撃により、簡単にサブ軸受け部のボスの破損(欠落)、また落下方向によってはサブ軸受け部周辺の樹脂部にクラックが入る等の破損が発生してしまう。
本実施形態のピックアップフレーム6では、サブ軸受け6bを機械的強度のある金属ダイカスト製とすることにより、サブ軸受け6bのボス6cの破損を防止する。また、支持ベース側の接着面18gおよび光学ベース側の接着面19gを幅広く取り、接着面(接着剤)に加わる落下衝撃力を分散させることで、サブ軸受け周辺の破損も防ぐことができるという効果がある。
次に、本発明の実施形態のさらなる作用効果を説明する。
(B)光ピックアップ装置3が薄型化した場合において、光ピックアップ装置3が高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時でも、メイン軸受け6aとサブ軸受け6bの相対寸法精度、およびピックアップフレーム6が支持している光学素子間の相対寸法精度を確保することができる。
(B−1)そのような本発明の実施形態の作用効果をより詳細に説明する。ピックアップフレーム6が薄型化しても、光ピックアップ装置3が高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時に、メイン軸受け6aとサブ軸受け6bの相対寸法精度を維持できるという効果がある。
ここで、ピックアップフレームが合成樹脂のみで形成されている場合や、メイン軸受けとサブ軸受けの両方を合成樹脂で成形した上記比較例の場合を考える。これらの場合では、合成樹脂部分の射出成形時の内部歪が、外部環境の温度変化により開放される時、合成樹脂部分の強度不足により、メイン軸受けとサブ軸受けの相対寸法精度が狂うという問題が発生する。この場合、メイン軸受けおよびサブ軸受けと、ガイドシャフトとの関係において、ピックアップフレームの移動負荷が増えることとなり、光学ドライブ装置の動作に支障をきたすこととなる。
本発明では、サブ軸受け6bを金属製の光学ベース19の一部とする構成であり、この構成は合成樹脂製の支持ベース18の機械的強度の補強も兼ねている。従って、外部環境の温度変化を受けた場合でも、メイン軸受けとサブ軸受けの相対寸法精度を確保でき、上記問題の発生を防ぐことができるという効果がある。
(B−2)また、ピックアップフレーム6が薄型化した場合において、光ピックアップ装置3が高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時でも、光学ベース19に支持された発光素子11、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13、受光素子17といった光学素子間の相対寸法精度を維持できるという効果がある。
合成樹脂のみでピックアップフレームを形成した場合は、前述したようにメイン軸受けとサブ軸受けの間の相対寸法の維持が困難になるのと同様に、前述の光学素子間の相対寸法精度の維持も困難となる。光ピックアップ装置として問題となる光学素子間の相対寸法ずれは、例えば、発光素子と受光素子間のでは、数10マイクロメートルのずれとなる。合成樹脂のみでピックアップフレームを形成した場合、樹脂射出成形時の内部歪が、外部環境の温度変化により開放される時、ピックアップフレームの強度不足により、光学素子の支持部にも変形や反りが少なからず発生することとなり、光学素子をピックアップフレームに固着させる接着剤の変位も含め、問題となる数10マイクロメートルレベルのずれを発生させてしまう。
本実施形態のピックアップフレーム6では、光学ベース19を金属ダイカスト製としている。金属ダイカストの機械的強度は合成樹脂に比べ高く、また射出成形時に生じるに内部歪についても、成形後に熱処理を加える等、内部歪を低減する技術も発達している。よって、高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時でも、光学ベース19の変形や反りの発生はほとんどなく、支持している発光素子11、ビームスプリッタ12、コリメートレンズ13、受光素子17の相対寸法精度を確保することができる。このことにより、光ディスク2へ入射される光スポットの歪の発生を防ぐことができ、光ディスク2からの反射光を受ける受光素子17への入射光のターゲット位置のずれのない、また記録再生品質の劣化および光ピックアップ装置3を制御するためのエラー信号の乱れの発生しない、外部環境の温度変化に強い光ピックアップ装置3を実現できる。
また、前述の外部環境の温度変化に強い光ピックアップ装置3を実現するために、光学ベース19と支持ベース18を一体化してピックアップフレームとする方法として、接着により一体とする方法がある。
一体成形(インサート成形もしくはアウトサート成型)で両者を一体化することも可能であるが、この場合は、特に合成樹脂製の支持ベースに残留歪みが残ることとなり、外部環境の温度変化に強い光ピックアップ装置3の実現は困難である。
また、本実施形態では、受光素子17がホルダーを介して、光学ベース19との隙間に接着剤を充填され支持されるのと同様に、支持ベース18と光学ベース19を接着剤により一体化する。支持ベースと光学ベースを一体成形(インサート成形もしくはアウトサート成型)する場合に生じる、樹脂部の溶解状態から固体化するまでに、光学ベースおよび支持ベース自体に生じる熱歪みに比べて、接着剤の硬化による歪は極微少である。このことにより、支持ベース18と光学ベース19に生じる残留歪みがほとんどないため、これまで説明してきた(B)の効果を実現できる。
(C)また、さらなる本実施形態の作用効果として、サブ軸受け6bを、発光素子11を支持する光学ベース19と同じ金属ダイカスト製とすることにより、発光素子11から発生した熱を効率的に光学ベース19およびサブシャフト8へ逃がすことができる。
光ディスク2への情報記録時、発光素子11の発光パワーは大きくなり、同時に発熱量も増大する。発光素子11は、高温での動作限度があり、発光素子11自体の温度が例えば90℃以上になった場合、記録に必要な光パワーを出せなくなったりする。更に発光素子11の温度が上がると、発光素子11自体が熱暴走状態となったり、発光素子11が破壊してしまうなど、光ピックアップ装置3の記録動作不良や、光ピックアップ装置3の破損を招くこととなる。
合成樹脂のみでピックアップフレームを形成した場合は、発光素子を保持するホルダーに金属ダイカスト部品を使用し、なお且つ、放熱性を上げるため、その体積を大きくするなどの対策が取られる。
本発明では、金属ダイカスト製の光学ベース19において、その必要な体積を確保しているとともに、サブ軸受け6bも光学ベースと一体に成形しているので、金属製(ほとんどの場合そうである)のサブシャフト8にも熱を逃がすことが可能である。このようにして発光素子11自体の温度上昇を防ぐことにより、光ピックアップ装置3の安定した記録動作の保証、および光ピックアップ装置3の破損防止を実現できる。
(D)更なる本実施形態の作用効果として、光ピックアップ装置3の薄型化と、軽量化を同時に達成することができ、且つ安価なピックアップフレーム6を実現できる。
前述の本実施形態の作用効果(A)、(B)、(C)と同じ作用効果を得る方法として、ピックアップフレームをアルミニウムダイカスト、マグネシウムダイカスト、もしくは亜鉛ダイカストで成形する方法がある。しかし、亜鉛ダイカスト製では比重が重く(例えば、合成樹脂の比重は1.4程度、マグネシウムダイカストの比重は1.8程度、アルミニウムダイカストの比重は2.7程度に対して、亜鉛ダイカストの比重は6.7程度である)、モバイルパソコン用の光ピックアップ装置としては、不向きとなる。
また、アルミニウムダイカスト、マグネシウムダイカストでピックアップフレームを成形する場合は、合成樹脂製のピックアップフレームに比べ、4倍から5倍程度のコストアップとなってしまう。そして、ピックアップフレームを合成樹脂のみで成形する場合では、当然、機械的強度不足が原因となる前述の問題が発生する。
本発明では、支持ベース18を合成樹脂で成形し、光学ベース19を金属ダイカストで成形し、両者を一体としてピックアップフレームとする。このことにより、金属ダイカストのみでピックアップフレーム成形を行っていた光ピックアップ装置と比較して、必要な機械的強度を確保しながら、更に軽量化を実現できる。
また、金属ダイカストのみでピックアップフレーム成形を行う場合にコストが高くなる要因としては、原材料費が高いことの他に、高精度の金型が必要であることが挙げられる。必要寸法精度を確保するために射出成形時の条件が厳しいことから、金型の取り数(1回の射出成形で製品(ピックアップフレーム)が出来上がる個数)が1個取りとしかできない。また、射出成形の回数の増加とともに、必要寸法精度の維持のために、金型のメンテナンスを実施する必要がある。ピックアップフレームの寸法精度の確保、維持が厳しい理由は、ピックアップフレームの両端のメイン軸受けとサブ軸受けの相対寸法位置精度を確保すると同時に、前記メイン軸受けと前記サブ軸受けを基準として、光学素子の支持面(取り付け面)の寸法位置精度を更に確保する必要があるためである。
金属ダイカストのみで成形されたピックアップフレームで寸法位置精度の確保が最も厳しい部分としては、本実施形態の光学フレームに相当する箇所と、メイン軸受け部6aとの相対寸法位置精度を出すことにある。両者の間に対物レンズ駆動装置用の開口部があり、ダイカスト成形の湯回りとして最適な形状とはなっていないことが要因として挙げられる。本実施形態のピックアップフレーム6では、メイン軸受け6aを持つ合成樹脂製の支持フレームと、サブ軸受け6bと光学素子の支持面を持つ金属ダイカスト製の光学フレームとを分けている。このことにより、支持フレームはメイン軸受け6aを形成するのみの寸法精度でよく、また、光学フレームはサブ軸受け6bと各光学素子の支持面間の寸法位置精度のみを確保するだけでよい。このことより、本実施形態の金属ダイカスト製光学フレームの金型の取り数は、複数の取り数(例えば2個取り、もしくは4個取り)が可能となり、金型メンテナンスの頻度が減少し、メンテナンスレベルも軽くなり、ピックアップフレームのコストを大幅に削減することが可能となる。以上、説明したように、本発明によれば、薄型化と軽量化を果たし、更に安価である光ピックアップ装置を実現できる。
<第2実施形態>
上記の第1実施形態のピックアップフレーム6では、立ち上げミラー14を支持ベース18で支持したが、立ち上げミラー14は光学ベース19で支持してもよい。本発明の第2実施形態のピックアップフレームでは、立ち上げミラーを光学ベースで支持する。
以降の説明において、光学ドライブ装置のうちのピックアップフレームの構成以外は第1実施形態と同様なため、その説明を省略する。また、本第2実施形態の特徴を分かりやすくシンプルに説明するために、ピックアップフレームについても第1実施形態と異なる部分のみ説明し、その他の同様の部分の説明は省略する。
第2実施形態に係る光ピックアップ装置の構成について説明する。図4は、ピックアップフレーム106の斜視図であり、ピックアップフレーム106に支持される光学素子も示している。第1実施形態と異なる部分は、立ち上げミラー114が光学ベース119で支持されていることである。
<第2実施形態の作用効果>
ピックアップフレーム106において、メインシャフト7(図1)が貫通する2つの同芯丸孔形状からなるメイン軸受け106aと、対物レンズ駆動装置16(図2)を収納する開口部118aを有する支持ベース118を、合成樹脂で成形する。支持ベース118は、光学ベース119との接着面118g、118h、118i、118jを有する。
サブシャフト8(図1)が通るUの字形状のサブ軸受け106bを有する光学ベース119を金属ダイカストで成形する。光学ベース119は、発光素子111の支持面119d、ビームスプリッタ112の支持面119a、コリメートレンズ113の支持面119c、受光素子117の支持面119eを有する。また、支持ベース118との接着面119g、119h、119i、119jを有する。光学ベース119は、さらに、立ち上げミラー114の支持面119bを有する。
前記支持ベース118と前記光学ベース119を接着剤にて一体化したピックアップフレーム106を形成することにより、本実施形態のさらなる作用効果として以下の作用効果(E)が得られる。
(E)光ピックアップ装置3(図1)が薄型化した場合において、光ピックアップ装置3が高温、低温、その繰り返し等の外部環境にさらされた時でも、光学ベース119に支持された発光素子111、ビームスプリッタ112、コリメートレンズ113、立ち上げミラー114、および受光素子17といった光学素子間の相対寸法精度を維持することができる。
本実施形態のピックアップフレーム106を採用することで、光ディスクへ入射する光スポットの歪の発生を防ぐことができ、光ディスクからの反射光を受ける受光素子117への入射光のターゲット位置のずれのない、また記録再生品質の劣化および光ピックアップ装置3を制御するためのエラー信号の乱れの発生しない、外部環境の温度変化に強い光ピックアップ装置3を実現できる。
第1実施形態における作用効果と異なる点は、立ち上げミラーが金属ダイカスト製の光学ベースに支持されているか、合成樹脂製の支持ベースに支持されているかである。外部環境の温度変化に対して、第2実施形態では、発光素子、ビームスプリッタ、コリメートレンズ、受光素子に加えて、立ち上げミラーが光学ベースに支持されている点で、光学素子間の相対寸法精度を確保しやすくなる。しかしながら、第1実施形態においても、外部環境の温度変化に対する光学素子間の相対寸法精度もほぼ同等に確保することができる。その理由は、図3のピックアップフレーム6にて、支持ベース18の立ち上げミラー用支持面18bの近傍の両サイドに、光学ベース19との接着箇所(支持ベース側18h、18iと光学ベース側19h、19i)を設けており、このことにより立ち上げミラー用支持面18bは、ほぼ光学ベース19に準じる外部環境の温度変化に対する安定性を有しているからである。第1実施形態では、立ち上げミラー用支持面18bの部分が増えるだけ、アングル形状による支持ベース18の補強もできる。よって光ピックアップ装置の光学素子の構成、配置等の条件により、支持ベース構造、強度、射出成形の安定性等を鑑みて、第1実施形態もしくは第2実施形態を選択することが可能である。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態のピックアップフレーム6では、合成樹脂製では機械的強度が弱くなってしまうUの字形状のサブ軸受け6bが、金属ダイカストで成型されており、その他のフレーム部分は合成樹脂で成型されている。上述したように、サブ軸受け6bが合成樹脂で成型されている場合は、落下した際に受ける落下衝撃力にてサブ軸受け6bが破損しやすいという問題がある。そこで、第3実施形態では、サブ軸受け6bを金属ダイカストで成型して破損を防止すると共に、その他の部分を合成樹脂で成型することにより、より安価なピックアップフレーム6を実現している。なお、この構成では、サブ軸受け6bと接着面19gに相当する梁部分とを接着することにより、合成樹脂部分と金属ダイカスト部分とを一体とすることができる。
また、発光素子11の放熱も考慮して、サブ軸受け6b、接着面19gに相当する梁部分、および発光素子支持面19dを金属ダイカストで成型して、その他のフレーム部分は合成樹脂で成型してもよい。この場合は、発光素子支持面19dの領域において、合成樹脂部分と金属ダイカスト部分とを接着することにより、両者を一体とすることができる。金属ダイカスト部分が発光素子11(またはそのホルダー)に直接的に接触しているか、あるいは近傍に位置することにより、放熱を効率よく行うことができる。
次に、Uの字形状のサブ軸受け6bの2つのボス6cの一方が金属製であり、他方が合成樹脂製である例を説明する。図5は、そのようなサブ軸受け6bを示す図である。図5(a)はサブ軸受け6bの斜視図であり、図5(b)は断面図である。
一方のボス6cは、フレーム6と一体の(フレーム自体からなる)合成樹脂製であり、他方のボス16cは、板金(すなわち金属製)であり、それらは、サブシャフト8(図1)に対して上下から挟むかたちで接触する接触部であり、そして、フレーム6の上下方向の移動を規制する規制部として機能する。板金のボス16cは、例えば、図5(c)および(d)に示すように、フレーム6にネジ16dでネジ留めされる。
ボス16cを板金にすることにより、フレーム厚さ(すなわち光ピックアップ装置の厚さ)を薄くすることができ、さらなる光学ドライブ装置の薄型化を図ることができる。また、ボス6cと板金のボス16cとでサブシャフト8をはさむことにより、サブシャフト8と間の隙間をゼロにすることができ、光ピックアップ装置の軸に沿っての移動時にガタが発生しないという効果が得られる。
本発明に係る光ピックアップ装置用ピックアップフレーム、光ピックアップ装置および光学式情報記録再生装置では、メイン軸受けを有する合成樹脂製の支持ベースと、サブ軸受けを有する金属ダイカスト製の光学ベースとが一体となっている。これにより、薄型化および軽量化の達成と同時に、落下衝撃等の外力によるピックアップフレームの変形、破損を防止できる。更に、外部環境の温度変化によるメイン軸受けとサブ軸受けの寸法位置精度の確保、およびピックアップフレームが支持する光学素子間の相対位置精度の確保を図ることができる。また発光素子の熱も効率的に逃がすことができる。金属ダイカストのみで一体に成形されたピックアップフレームと比較して、本発明は、同様の効果を得ながらさらにコストを安価にできる。このため、薄型化、軽量化および発光素子のハイパワー化(高熱化)が必要とされる、モバイル用パソコン用の大容量の記録媒体からの読み出しや、高倍速記録を行う光学式情報記録再生装置の関連分野において特に有用である。
1 光学式情報記録再生装置(光学ドライブ装置)
2 光ディスク
3 光ピックアップ装置
4 ターンテーブル
5 スピンドルモータ
6、106 ピックアップフレーム
6a、106a メイン軸受け
6b、106b サブ軸受け
7 メインシャフト
8 サブシャフト
9 固定台
11、111 発光素子
12、112 ビームスプリッタ
13、113 コリメートレンズ
14、114 立ち上げミラー
15 対物レンズ
16 対物レンズ駆動装置
17 受光素子
18、118 支持ベース
18a、118a 開口部
18b 立ち上げミラー支持面
18c レーザ駆動用ICの収納空隙
18d レーザ出力調整用ボリュームの収納空隙
18e 調整用孔
18f チャッキング装置用の空隙
18g、18h、18i、18j、118g、118h、118i、118j 接着面
19、119 光学ベース
19a、119a ビームスプリッタ支持面
119b 立ち上げミラー支持面
19c、119c コリメートレンズ支持面
19d、119d 発光素子支持面
19e、119e 受光素子支持面
19g、19h、19i、19j、119g、119h、119i、119j 接着面

Claims (11)

  1. 光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、
    前記フレームは、金属により成型された第1のベースと、樹脂により成型され前記第1のベースに固定された第2のベースとを備え、
    前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、
    前記第1のベースは、
    光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、
    前記第1の軸部と嵌合するための第1の軸受け部と、
    を備え、
    前記第2のベースは、前記第2の軸部と嵌合するための第2の軸受け部を備えた、フレーム。
  2. 前記第1の軸受け部および前記第2の軸受け部の一方は、対応する軸部を貫通させるための穴部を備え、
    他方は、対応する軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための規制部を備える、請求項1に記載のフレーム。
  3. 前記第1の軸受け部は、前記第1の軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための規制部を備え、
    前記第2の軸受け部は、前記第2の軸部を貫通させるための穴部を備える、請求項1に記載のフレーム。
  4. 前記第1のベースと前記第2のベースとは、接着により固定されている、請求項1に記載のフレーム。
  5. 前記第1のベースは、出射されたレーザ光を前記光記憶媒体の盤面に垂直な方向に反射させる立ち上げミラーを支持するためのミラー支持部を備える、請求項1に記載のフレーム。
  6. 前記第2のベースは、出射されたレーザ光を前記光記憶媒体の盤面に垂直な方向に反射させる立ち上げミラーを支持するためのミラー支持部を備える、請求項1に記載のフレーム。
  7. 請求項1に記載のフレームと、
    前記レーザ光を出射する発光素子と、
    前記出射されたレーザ光を前記光記憶媒体へ導く光学系と、
    を備えた、光ピックアップ装置。
  8. 光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、
    前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、
    前記フレームは、
    樹脂により成型されたベースと、
    前記第1の軸部と嵌合するための、金属により成型された第1の軸受け部と、
    を備え、
    前記ベースは、
    光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、
    前記第2の軸部と嵌合するための第2の軸受け部と、
    を備えたフレーム。
  9. 光ピックアップ装置に用いられるフレームであって、
    前記フレームは、第1の軸部と、前記第1の軸部と実質的に平行な第2の軸部との間に設置されて、前記第1の軸部および前記第2の軸部と嵌合した状態において、前記第1の軸部と平行に移動可能であり、
    前記フレームは、樹脂により成型されたベースを備え、
    前記ベースは、
    光記憶媒体へのレーザ光の出射および前記光記憶媒体から反射した光の受光を行うための光学素子を支持するための光学素子支持部と、
    前記第2の軸部と嵌合するための軸受け部と、
    前記第1の軸部と接触するための接触部と、
    を備え、
    前記フレームは、
    前記接触部とともに前記第1の軸部を上下から挟み込むことにより、前記フレームの上下方向の移動を規制するための金属の規制部をさらに備える、フレーム。
  10. 前記金属の規制部は板金である、請求項9に記載のフレーム。
  11. 前記金属の規制部は前記フレームにネジ留めされている、請求項9に記載のフレーム。
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