JP2010271488A - 液晶セル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスキング工程を経ることなく基板の額縁領域に凹凸を形成する。
【解決手段】第1基板11及び第2基板21のガラス基板12,22の片面全体にITOからなる無機膜14,24を形成して第1基板11及び第2基板21の表示領域A1対応箇所を透明電極14a,24aとした後、透明電極14a,24a外側の無機膜14,24にUV波長のレーザービームBを照射して当該箇所の無機膜14,24を溶解しつつ、ガラス基板12,22のレーザービームB照射箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成する。第1基板11及び第2基板21をシール材Sを介在させて接続することで、各々の微小凹部12a,22aにシール材Sの基板12,22との接触部分を嵌着させる。
【選択図】図1
【解決手段】第1基板11及び第2基板21のガラス基板12,22の片面全体にITOからなる無機膜14,24を形成して第1基板11及び第2基板21の表示領域A1対応箇所を透明電極14a,24aとした後、透明電極14a,24a外側の無機膜14,24にUV波長のレーザービームBを照射して当該箇所の無機膜14,24を溶解しつつ、ガラス基板12,22のレーザービームB照射箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成する。第1基板11及び第2基板21をシール材Sを介在させて接続することで、各々の微小凹部12a,22aにシール材Sの基板12,22との接触部分を嵌着させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、液晶ディスプレイを構成する液晶セル及びその製造方法の改良に関し、特に基板の剥離対策に関するものである。
昨今、液晶セルでは、互いに対向する2枚の基板の表示領域外周り、つまり表示領域を額縁状に囲むいわゆる額縁領域の狭額縁化の要求が高まっている。
この狭額縁化の要求に答えるためには、互いに対向する2枚の基板の額縁領域に位置してこれら基板との間に液晶を密封するシール材の幅を狭める必要がある。
しかし、シール材の幅を狭めると、基板とシール材との接触面積が自ずと小さくなり、接着強度は接着面積に比例するため、両者の接着強度が低下することになる。
これでは、液晶セル自体や、液晶セルが組み込まれた液晶ディスプレイに搬送過程等で衝撃や歪みが加わると、基板が剥がれるおそれがある。
ところで、基板の剥離対策として、額縁領域を拡大させることなく、基板とシール材との接触面積を増大させて接着強度を高めるようにした技術が過去に出願されている。
例えば、特許文献1,2では、ガラス基板にフッ化水素等によるエッチングで凹部を形成し、ガラス基板とシール材との接触面積を増大させている。
特許文献3では、ガラス基板上に形成した保護膜やオーバーコート膜に研磨材を吹き付けて凹部を形成し、ガラス基板とシール材との接触面積を増大させている。
しかし、上記の特許文献1〜3ではいずれも、凹部形成箇所の外周りをマスキングしなければならず、マスキング工程が必要で製造効率が低下するとともに製造コストが嵩む。この傾向は、液晶パネルの大型化に伴い顕著になる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マスキング工程を経ることなく基板の額縁領域に凹凸を形成することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、凹部形成手段としてレーザービームを採用し、かつレーザービームの照射を効率良く行わせることを特徴とする。
具体的には、第1の発明は、互いに対向する第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、上記第1基板及び第2基板を接続する前段階で、これら第1基板及び第2基板の表示領域外周りにUV波長の吸収率の高い無機膜を形成した後、上記第1基板及び第2基板の無機膜形成領域にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、第1基板及び第2基板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、上記無機膜は、SiN又はITOからなることを特徴とする。
第3の発明は、ベース板に表示領域に対応するように透明電極がそれぞれ形成された第1基板及び第2基板を上記透明電極が対向するように配置した状態で、上記第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第3の発明は、上記第1基板及び第2基板のベース板の片面全体にITOからなる無機膜をそれぞれ形成して第1基板及び第2基板の表示領域対応箇所を透明電極とした後、該透明電極外側の無機膜にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、上記ベース板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする。
第4の発明は、ベース板に表示領域に対応するように透明電極がそれぞれ形成され該透明電極上に配向膜がそれぞれ形成された第1基板及び第2基板を上記配向膜が対向するように配置した状態で、上記第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第4の発明は、上記第1基板及び第2基板の透明電極上にSiNからなる無機膜を表示領域外周りに亘るようにそれぞれ形成して表示領域対応箇所を配向膜とした後、該配向膜外側の無機膜にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、上記ベース板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜4の発明のいずれか1つに記載の液晶セルの製造方法により製造されたことを特徴とする液晶セル。
第1〜5の発明によれば、レーザービームの照射は位置精度が良いことから、UV波長のレーザービームを表示領域に入り込むことのないように所期の目的とする箇所、つまり第1基板及び第2基板の表示領域外周り(シール材配置箇所)に正確に照射することで、多数の微小凹部が当該箇所に位置ずれすることなく確実に形成される。しかも、当該箇所にはUV波長の吸収率の高い無機膜が形成されているため、第1基板及び第2基板の表示領域外周り(シール材配置箇所)に対する微小凹部の形成精度が高まる。
したがって、第1基板及び第2基板の表示領域をマスキングせずに済み、マスキング工程を経ない分だけ液晶セルの製造効率が高まるとともに、廉価な液晶セル、ひいては廉価な液晶ディスプレイが得られる。
また、製造された液晶セルでは、微小凹部にシール材の基板との接触部分が嵌着しているため、シール材の幅が狭くても、基材とシール材との接触面積が十分に確保されて両者の接着強度が高まる。
特に、第3の発明によれば、第1基板及び第2基板の透明電極外側(表示領域外周り)の無機膜は、上記透明電極を構成する無機膜(ITO)の一部で形成されているため、表示領域の透明電極とは別に、額縁領域に無機膜を形成せずに済み、液晶セルの製造効率がさらに高まる。
また、第4の発明によれば、第1基板及び第2基板の配向膜外側(表示領域外周り)の無機膜は、上記配向膜を構成する無機膜(SiN)の一部で形成されているため、表示領域の配向膜とは別に、額縁領域に無機膜を形成せずに済み、第3の発明と同様に、液晶セルの製造効率がさらに高まる。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る液晶セルの製造工程図を示す。ここで、液晶セルとは、第1基板と第2基板とを互いに対向配置して両基板間に液晶を封入した形態をいい、ゲートドライバやソースドライバ等の周辺回路を組み込む前の状態をいう。また、液晶セルは、一般には経済性等を考慮して、大判のガラス基板(マザーガラス)を用いて多面取りにより一度に複数個作製され、その後、個々の液晶セルに分断されるが、ここでは便宜上、最初から単一の液晶セルを作製するものとして説明している。
図1は実施形態1に係る液晶セルの製造工程図を示す。ここで、液晶セルとは、第1基板と第2基板とを互いに対向配置して両基板間に液晶を封入した形態をいい、ゲートドライバやソースドライバ等の周辺回路を組み込む前の状態をいう。また、液晶セルは、一般には経済性等を考慮して、大判のガラス基板(マザーガラス)を用いて多面取りにより一度に複数個作製され、その後、個々の液晶セルに分断されるが、ここでは便宜上、最初から単一の液晶セルを作製するものとして説明している。
本例では、図1(a)及び図1(c)に示すように、第1基板(TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)基板)11と、第2基板(CF(Color Filter:カラーフィルタ)基板)21とが既に形成されている状態からスタートする。
上記第1基板11は、図1(a)に示すように、ベース板であるガラス基板12を備え、該ガラス基板12の片面には、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)等からなる回路領域13が形成され、当該箇所を表示領域A1としている。また、ガラス基板12の表示領域A1(回路領域13)外周りを額縁領域A2としている。
上記回路領域13は、その形成過程で、上記ガラス基板12の片面全体に形成されたITO(Indium-Tin-Oxide:インジウム酸化スズ)からなる無機膜14をパターニングすることにより形成され、表示領域A1(回路領域13)に対応する箇所を透明電極(画素電極)14aとしている。また、上記ガラス基板12の表示領域A1外周りである額縁領域A2には、上記パターニングにより無機膜14が分断され、当該箇所(透明電極14aの外側)をレーザービームの照射によりUV波長の吸収率の高い高吸収膜14bとしている。また、上記透明電極14a上には、SiNからなる配向膜(図示せず)が形成されている。
一方、上記第2基板21は、図1(c)に示すように、ベース板であるガラス基板22を備え、該ガラス基板22の片面には、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3原色の色層からなるカラーフィルタ(CF)層23aや、該CF層23aのコントラストを得るための縁取りとしてのブラックマトリクス(BM)層23bが表示領域A1に対応して形成されている。なお、図1では便宜上、BM層23bをCF層23aの右端にまとめて模式的に表している。また、上記ガラス基板22の片面全体にも、ITOからなる無機膜24が上記CF層23a及びBM層23bを覆うように形成されている。そして、表示領域A1に対応する箇所(CF層23a及びBM層23b)を透明電極(対向電極)24aとし、該透明電極24a外側の無機膜、つまり表示領域A1外周りである額縁領域A2をレーザービームの照射によりUV波長の吸収率の高い高吸収膜24bとし、両者は連続している。また、上記透明電極24a上にも、SiNからなる配向膜(図示せず)が形成されている。
このように構成された第1基板11及び第2基板21のレーザービーム照射領域である高吸収膜(ITOからなる無機膜)14b,24bに、図1(b)及び図1(d)に示すように、高調波UV−YAGレーザー発振器101から3倍波、4倍波等のUV波長(波長:356nm)のレーザービームBを反射板102及びレンズ103を経て照射(30kW)し、該高吸収膜14b,24bを溶解しつつ、第1基板11及び第2基板21のガラス基板12,22のレーザービームB照射箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成する。
このように、高調波UV−YAGレーザー発振器101を用いるのは、UV波長の吸収率が高く、レーザービームB照射箇所を速やかに溶解することができるからである。また、レーザービームB照射箇所にUV吸収率の高いITOからなる無機膜14,24を設けるのは、UV吸収率の高い有機膜の場合には、レーザービームBの照射により有機膜のみが昇華してしまって最早、ガラス加工が不可能になるからである。
その後、第1基板11及び第2基板21を洗浄し、いずれか一方の表示領域A1外周りにシール材Sをエポキシ系接着剤等を用いてディスペンサやスクリーン印刷等により全周に亘って矩形枠状に形成する。これにより、シール材Sが微小凹部12a(又は22a)を覆っている。
しかる後、第1基板11又は第2基板21のシール材Sで囲まれた領域(表示領域A1)に液晶Lを所定量滴下した後、第1基板11及び第2基板21を透明電極14a,24a側が互いに対向するように配置して、所定圧力で加圧することによりシール材Sで貼り合わせ、シール材Sを硬化させて両基板11,21を接続する。この状態で、上記第1基板11及び第2基板21の表示領域A1外周りにシール材Sを介在させて両基板11,21が全周に亘って接続され、これら第1基板11、第2基板21及びシール材Sで囲まれた空間に液晶Lが封入される。また、シール材Sの両基板11,21との接触部分が両基板11,21の微小凹部12a,22aに嵌着している(図1(e)参照)。
その後、偏光フィルタ(図示せず)を第1基板11及び第2基板21の外面に接着して液晶セルCを得る。
このようにして作製した液晶セルCの剥離強度を測定した。測定の要領は、液晶セルCの額縁領域A2(シール材S配置箇所)に対応する一方の面を下に向けて固定治具に固定するとともに、上を向いた他方の面にセンサ治具を固定し、該センサ治具を引っ張ることで剥離強度を測定した。その結果、剥離強度は約118Nであった。これに対し、微小凹部12a,22aのない従来の液晶セルの剥離強度を同じ条件で測定したが、約59Nと半分の剥離強度しか得られなかった。
このように、実施形態1では、第1基板11及び第2基板21のガラス基板12,22の片面全体にITOからなる無機膜14,24を形成して第1基板11及び第2基板21の表示領域A1対応箇所を透明電極14a,24aとした後、該透明電極14a,24a外側の無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)にUV波長のレーザービームBを照射して該無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)を溶解しつつ、上記ガラス基板12,22のレーザービームB照射箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成し、上記第1基板11及び第2基板21を接続することで、各々の上記微小凹部12a,22aにシール材Sの基板11,21との接触部分を嵌着させるようにした。
したがって、UV波長のレーザービームBの照射は位置精度が良いことから、レーザービームBを表示領域に入り込むことのないように所期の目的とする箇所、つまり第1基板11及び第2基板21の表示領域A1外周り(シール材S配置箇所)に正確に照射することで、多数の微小凹部12a,22aを当該箇所に位置ずれすることなく確実に形成することができる。しかも、当該箇所はUV波長の吸収率の高い無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)が形成されているため、該無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)のレーザービームB照射箇所にレーザービームBを照射することで当該箇所を効率良く溶解し、微小凹部12a,22aの形成精度を高めることができる。
また、第1基板11及び第2基板21の表示領域A1をマスキングせずに済み、マスキング工程を経ない分だけ液晶セルCを効率良く製造することができるとともに、液晶セルC、ひいては液晶ディスプレイを廉価なものにすることができる。
さらに、第1基板11及び第2基板21の透明電極14a,24a外側(表示領域A1外周り)の無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)を、上記透明電極14a,24aを構成する無機膜(ITO)14,24の一部で形成しているので、透明電極14a,24aとは別に、額縁領域A2に無機膜を形成せずに済み、液晶セルCの製造効率をさらに高めることができる。
加えて、シール材Sの幅が狭くても、シール材Sの微小凹部12a,22aへの嵌着により、第1基板11及び第2基板21とシール材Sとの接触面積を十分に確保して両者を強固に接着することができる。
(実施形態2)
図2は実施形態2に係る液晶セルCの製造工程を示すブロック図である。以下の説明においては、図1をも参考にしている。その際、実施形態1と同じ構成要素には実施形態1と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略している。なお、実施形態2においては、実施形態1で符号14a,24aを付した透明電極を配向膜とし、同じく符号14a,24aを付し、透明電極には符号を付していない。
図2は実施形態2に係る液晶セルCの製造工程を示すブロック図である。以下の説明においては、図1をも参考にしている。その際、実施形態1と同じ構成要素には実施形態1と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略している。なお、実施形態2においては、実施形態1で符号14a,24aを付した透明電極を配向膜とし、同じく符号14a,24aを付し、透明電極には符号を付していない。
まず、第1基板11のガラス基板12片面の表示領域A1にTFT等からなる回路領域13を形成し、その上にITOからなる透明電極を形成する(第1基板の透明電極形成工程S1)。
次いで、上記透明電極上にSiNからなる無機膜14を表示領域A1外周りに亘るように形成した後、パターニングにより表示領域A1対応箇所を配向膜14aとするとともに、表示領域A1外周りである額縁領域A2対応箇所をレーザービームBの照射によりUV波長の吸収率の高い高吸収膜14bとする(配向膜形成工程S2)。
一方、第2基板21のガラス基板22片面の表示領域A1にCF層23a及びBM層23bを形成し、その上にITOからなる透明電極を形成する(第2基板の透明電極形成工程S3)。
次いで、上記透明電極上にSiNからなる無機膜24を表示領域A1外周りに亘るように形成した後、表示領域A1対応箇所を配向膜24aとするとともに、表示領域A1外周りである額縁領域A2対応箇所をレーザービームBの照射によりUV波長の吸収率の高い高吸収膜24bとし、両者は連続している(配向膜形成工程S4)。
このように構成された第1基板11及び第2基板21のレーザービームB照射領域である高吸収膜(SiNからなる無機膜)14b,24bに、高調波UV−YAGレーザー発振器101から3倍波、4倍波等のUV波長(波長:356nm)のレーザービームBを反射板102及びレンズ103を経て照射(30kW)し、該高吸収膜14b,24bを溶解しつつ、第1基板11及び第2基板21のガラス基板12,22のレーザービームB照射箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成する(レーザービームによる微小凹部形成工程S5)。
その後、実施形態1と同様に、洗浄工程S6、シール材形成工程S7、液晶滴下工程S8、貼り合わせ工程S9及び偏光フィルタ接着工程S10を経て液晶セルCを得る。
したがって、実施形態2では、第1基板11及び第2基板21の配向膜14a,24a外側(表示領域A1外周り)の無機膜14,24(高吸収膜14b,24b)を、上記配向膜14a,24aを構成する無機膜(SiN)14,24の一部で形成しているので、配向膜14a,24aとは別に、額縁領域A2に無機膜を形成せずに済み、実施形態1と同様に、液晶セルCの製造効率をさらに高めることができる。
そのほかについても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
なお、実施形態1,2では、表示領域A1を構成する透明電極(又は配向膜)14a,24aを利用して表示領域A1外周りにUV波長の吸収率の高い無機膜(高吸収膜14b,24b)を形成したが、これらとは別にSiN又はITOからなる無機膜を、表示領域A1は別に該表示領域A1外周りに形成し、UV波長のレーザービームB照射により上記無機膜を多数箇所で局所的に溶解するとともに、第1基板11及び第2基板21の当該溶解箇所に多数の微小凹部12a,22aを形成してもよい。
この発明は、剥離強度の優れた液晶セル及びその製造方法について有用である。
11 第1基板
12 ベース板
12a 微小凹部
14 無機膜
14a 透明電極、配向膜
14b 高吸収膜(表示領域外周りの無機膜)
21 第2基板
22 ベース板
22a 微小凹部
24 無機膜
24a 透明電極、配向膜
24b 高吸収膜(表示領域外周りの無機膜)
B レーザービーム
C 液晶セル
L 液晶
S シール材
12 ベース板
12a 微小凹部
14 無機膜
14a 透明電極、配向膜
14b 高吸収膜(表示領域外周りの無機膜)
21 第2基板
22 ベース板
22a 微小凹部
24 無機膜
24a 透明電極、配向膜
24b 高吸収膜(表示領域外周りの無機膜)
B レーザービーム
C 液晶セル
L 液晶
S シール材
Claims (5)
- 互いに対向する第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法であって、
上記第1基板及び第2基板を接続する前段階で、これら第1基板及び第2基板の表示領域外周りにUV波長の吸収率の高い無機膜を形成した後、上記第1基板及び第2基板の無機膜形成領域にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、第1基板及び第2基板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする液晶セルの製造方法。 - 請求項1に記載の液晶セルの製造方法において、
上記無機膜は、SiN又はITOからなることを特徴とする液晶セルの製造方法。 - ベース板に表示領域に対応するように透明電極がそれぞれ形成された第1基板及び第2基板を上記透明電極が対向するように配置した状態で、上記第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法であって、
上記第1基板及び第2基板のベース板の片面全体にITOからなる無機膜をそれぞれ形成して第1基板及び第2基板の表示領域対応箇所を透明電極とした後、該透明電極外側の無機膜にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、上記ベース板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、
上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする液晶セルの製造方法。 - ベース板に表示領域に対応するように透明電極がそれぞれ形成され該透明電極上に配向膜がそれぞれ形成された第1基板及び第2基板を上記配向膜が対向するように配置した状態で、上記第1基板及び第2基板の表示領域外周りにシール材を介在させて両基板を全周に亘って接続し、これら第1基板、第2基板及びシール材で囲まれた空間に液晶を封入してなる液晶セルの製造方法であって、
上記第1基板及び第2基板の透明電極上にSiNからなる無機膜を表示領域外周りに亘るようにそれぞれ形成して表示領域対応箇所を配向膜とした後、該配向膜外側の無機膜にUV波長のレーザービームを照射して当該箇所の無機膜を溶解しつつ、上記ベース板のレーザービーム照射箇所に多数の微小凹部を形成し、
上記第1基板及び第2基板をシール材を介在させて接続することで、各々の上記微小凹部に上記シール材の基板との接触部分を嵌着させることを特徴とする液晶セルの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶セルの製造方法により製造されたことを特徴とする液晶セル。
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