JP2010271150A - 試験機支持台、締結具の引張試験方法、引張試験用ユニット、建築構造物への器物取付施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】引張試験機20が載置される台板部31から突出する一対の脚部32の下端に、建築構造物の屋根材6に当接される細長形状の円弧板部341(細長当接部)が互いに平行に設けられている試験機支持台30、この試験機支持台30をその一対の円弧板部341が屋根を支持する母屋7に垂直となる向きで屋根上に設置して行う締結具の引張試験方法、試験機支持台30の台板部31に引張試験機20を設置してなる引張試験用ユニット10、引張試験後の締結具5を器物の取り付けに利用する建築構造物への器物取付施工方法を提供する。
【選択図】図5
Description
前記屋根材としては、金属製あるいはスレート製の波形屋根材や、金属製の折板屋根材が多用されている。
前記ルーフボルト(以下、単にボルトとも言う)を用いた前記屋根材の締結固定は、前記ボルトの長手方向片端を母屋に取り付け(例えばいわゆるフックボルトのフック部の母屋への係合等)、前記ボルトの反対側の端部を前記屋根材に形成されているボルト挿通孔に貫通させて屋根材上に突出させ、この突出部分に螺着したナットの締め付け力によって前記屋根材を母屋に押し付けるようにして締結固定するものである。
屋根材の前記ボルトが突出されている箇所の下側には母屋が存在する。前記引張試験機は、複数本の脚柱が機体の外周部から下方に突出するように設けられ(例えば特許文献1の図1等を参照)ている構成が一般的であり、機体の中央部に貫設されたセンターシャフトの下端の連結用ナットをボルトの突出先端部に螺着したとき、前記脚柱の屋根材に対する当接位置が前記母屋からずれた位置となることが多い。このため、ボルトに引張荷重を載荷したときに脚柱が屋根材を押圧する押圧力によって、屋根材の母屋に支持された部位と脚柱が当接されている部位との間の曲げ応力が与えられ、これが屋根材の局所的な変形や破壊の原因となる。
また、特に波板屋根材を用いて構築した屋根のように、凹形に湾曲する谷面が形成された溝状谷部が多数並列に存在する屋根面(屋根上面)を持つ屋根について上述のような引張試験機を用いたボルトの引張試験を行う場合は、引張試験機の脚柱下端を溝状谷部の底部に当接させることが、屋根に対する脚柱の当接位置の安定や脚柱が屋根材を押圧する押圧力による屋根材の変形防止の点で適切であるが、上述のように脚柱の設置位置が一定の構成の引張試験機では屋根面の形状に柔軟に対応することができない、といった問題があった。
また、これらの問題は、外装部(例えば屋根や外壁)から突出している締結具を利用して器物を取り付ける工法を行う場合に限定されず、外装材の締結固定に用いられている締結具の引張耐力の確認に共通して発生するものであることも言うまでも無い。
第1の発明は、建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体への締結固定に用いられた締結具の引張耐力を確認するための引張試験を、引張試験機として、引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端に前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機を用いて行う際に使用する可搬型の試験機支持台であって、前記引張試験機が設置される台板部に一対の脚部が突設され、前記台板部には前記引張試験機の前記センターシャフトを通すためのシャフト挿通孔が形成され、前記一対の脚部は、それぞれ前記台板部から延出する脚部本体の先端に前記外装材に当接される外観棒状あるいは細長板状の細長当接部を有し、各脚部の前記細長当接部は互いに並行となるように向きを揃えて設けられていることを特徴とする試験機支持台を提供する。
第2の発明は、前記細長当接部には、その長手方向に直交する断面において円弧状に湾曲し前記外装材に当接される湾曲当接面が長手方向全長にわたって延在形成されていることを特徴とする第1の発明の試験機支持台を提供する。
第3の発明は、前記細長当接部が前記脚部本体の先端から前記一対の脚部の脚部本体間の内側空間あるいは前記内側空間とは反対の側に突出し前記台板部の前記シャフト挿通孔の軸心に垂直の方向に延在する円弧板部であることを特徴とする第1又は2の発明の試験機支持台を提供する。
第4の発明は、前記円弧板部が、前記引張試験機によって前記締結具に引張荷重を与えたときに該円弧板部に作用する前記外装部への押圧力によって弾性変形可能とされていることを特徴とする第3の発明の試験機支持台を提供する。
第5の発明は、前記脚部には複数の前記細長当接部が1列に配列設置されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の試験機支持台を提供する。
第6の発明は、建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体に設けられている長尺の外装部支持材への締結固定に用いられた締結具の引張耐力を引張試験機を使用して確認する引張試験方法であって、引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端に前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機と、第1〜5のいずれかの発明の試験機支持台とを現場に搬入し、前記試験機支持台を、その前記一対の脚部の前記細長当接部を前記外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させて設置し、この試験機支持台の前記台板部にセットした前記引張試験機の前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記締結具あるいは前記外装材押さえ部材に係合させた状態で、前記シャフト移動機構によって前記センターシャフトを移動させて前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させることで前記締結具に引張荷重を作用させることを特徴とする締結具の引張試験方法を提供する。
第7の発明は、前記外装部は、その外面側に前記外装部支持材に直交する向きで互いに並行に突設された複数の突条部を有し、前記締結具の片端が前記突条部に設けられている構成であり、前記試験機支持台として、一対の脚部の前記細長当接部の間に、一対の前記細長当接部を前記外装部の前記突条部を介して両側に位置する前記外装材に当接可能とする離隔寸法が確保されているものを用いることを特徴とする第6の発明の締結具の引張試験方法を提供する。
第8の発明は、前記外装部が、前記外装部支持材に直交する向きで延在する山部と谷部とが交互に配列されてなる波形の外面を有し、前記山部が前記突条部とされた構成のものであり、前記試験機支持台として、前記細長当接部にその長手方向に直交する断面において前記谷部に一致する曲率あるいは前記谷部に比べて小さい曲率で湾曲し前記外装材に当接される湾曲当接面が長手方向全長にわたって延在形成され、しかも、一対の脚部の前記細長当接部の間に、各細長当接部の前記湾曲当接面における前記台板部からの距離が最も大きい箇所である頂部付近を前記山部の両側の谷部の底部に当接させて配置することを可能とする離隔寸法が確保されているものを用いることを特徴とする第7の発明の締結具の引張試験方法を提供する。
第9の発明は、前記引張試験機及び/又は前記試験機支持台に、前記引張試験機に対して前記試験支持台を固定した固定状態と、前記引張試験機に対して前記試験支持台が離脱可能な分離可能状態とを切り換え可能な取付具が設けられていることを特徴とする第6〜8のいずれかの発明の締結具の引張試験方法を提供する。
第10の発明は、前記引張用係合治具は、前記締結具の前記外装部から突出された部分の外周に張り出された張出部あるいは前記外装材押さえ部材に係合するための係合爪を有する一対の係合爪ブロックを備え、一対の係合爪ブロックは互いの離隔距離が可変とされており、前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材の前記外装材に当接された押さえ用当接部から突出され前記外装材との間に前記係合爪ブロックの前記係合爪を挿入可能な空間を確保して設けられた突部に、対向する両側から前記一対の係合爪ブロックの前記係合爪を係合させた状態で、前記引張用係合治具を介して前記センターシャフトから伝達される引張荷重を前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材に作用させることを特徴とする第6〜9のいずれかの発明の締結具の引張試験方法を提供する。
第11の発明は、建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体への締結固定に用いられた締結具に引張荷重を作用させて前記締結具の引張耐力を確認するための引張試験用ユニットであって、引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端には前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機と、第1〜5のいずれかの発明の試験機支持台とを具備し、前記一対の脚部の前記細長当接部を前記締結具の両側に位置する前記外装部に当接させて設置した前記試験機支持台の前記台板部に前記引張試験機をセットし、前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記締結具あるいは前記外装材押さえ部材に係合させた状態で、前記締結具の引張耐力の確認に用いられることを特徴とする引張試験用ユニットを提供する。
第12の発明は、前記引張試験機及び/又は前記試験機支持台に、前記引張試験機に対して前記試験支持台を固定した固定状態と、前記引張試験機に対して前記試験支持台が離脱可能な分離可能状態とを切り換え可能な取付具が設けられていることを特徴とする第11の発明の引張試験用ユニットを提供する。
第13の発明は、前記引張用係合治具は、前記締結具の前記外装部から突出された部分の外周に張り出された張出部あるいは前記外装材押さえ部材に係合するための係合爪を有する一対の係合爪ブロックを備え、一対の係合爪ブロックは互いの離隔距離が可変とされており、前前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材の前記外装材に当接された押さえ用当接部から突出され前記外装材との間に前記係合爪ブロックの前記係合爪を挿入可能な空間を確保して設けられた突部に、対向する両側から前記一対の係合爪ブロックの前記係合爪を係合させるようになっていることを特徴とする第11又は12の発明の引張試験用ユニットを提供する。
第14の発明は、建築構造物の外側に器物を取り付ける取付施工方法であって、
前記第6〜10のいずれかの発明の締結具の引張試験方法による引張試験を行った後、前記引張試験の結果、前記締結具に予め決めておいた引張耐力が確保されている場合に、前記締結具の前記外装部から突出されている部分への器物の取り付けを行うことを特徴とする建築構造物への器物取付施工方法を提供する。
本発明に係る試験機支持台は、一対の脚部に、外装材に当接される外観棒状あるいは細長板状の細長当接部を有し、各脚部の前記細長当接部が互いに並行となるように向きを揃えて設けられている構成であるため、上述のように、各脚部の前記細長当接部を前記外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させることに有利である。 したがって、この試験機支持台を使用して組み立て(試験機支持台の台板部に引張試験機をセットした状態)た引張試験用ユニットによって締結具の引張試験を行う場合に、試験機支持台の各脚部の前記細長当接部を前記外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させることを容易に実現でき、締結具への引張荷重の載荷時に、一対の脚部が外装材を押圧する押圧力による外装材の変形や破壊を確実に防止することができる。
脚部間離隔距離(詳細には細長当接部間の離隔距離)が互いに異なる試験機支持台の選択使用は、溝状谷部が多数並列に存在する外装部の外面形状に対応して行うことに限定されず、様々な外面形状の外装部に対応して、脚部の外装部に対する当接位置の安定や引張荷重の載荷時における外装材の変形防止のために応用可能であり、これにより外装部の外面形状に対して幅広く対応して適正な引張試験を行えるようになる。また、この試験機支持台の選択使用は、外装部外面側の突出物や、外装部外面側に存在する既設設置物の回避にも有効であることは言うまでも無い。
図1、図2に示すように、引張試験用ユニット10は、引張試験機20(以下、単に試験機とも言う)と、試験機支持台30(以下、単に支持台とも言う)とを具備して構成されている。この引張試験用ユニット10は、例えば図5等に示されるように、建築構造物1にその外装部2(図示例では具体的には屋根)を構成する外装材3の前記建築構造物1の躯体4への締結固定に用いられた締結具5に引張荷重を載荷し(引張荷重を作用させる)て前記締結具5の引張耐力を確認する引張試験を行うための装置である。
図示例の支持台30は、具体的には、その全体が1枚の金属板の成形によって形成されたものである。この支持台30の前記一対の脚部32は、前記台板部31に対して垂直に形成された板状の脚部本体33と、この脚部本体33の先端に設けられた細長当接部34とを具備し、図2に示すように一対の脚部32の細長当接部34を外装部2に当接させて設置して締結具5の引張試験に使用される。
また、前記脚部本体33は、台板部31の四辺の内のうちの互いに平行な2辺31a、31bから屈曲されて前記台板部31から延出されている。一対の脚部本体33の先端33a(図2、図4(b)において下端)は、台板部31の前記2辺31a、31bに平行であり、前記2辺31a、31bに沿う方向の長さも台板部31の前記2辺31a、31bと略同等(図示例では前記2辺31a、31bの長さと一致)になっている。
また、前記細長当接部34は、その延在方向に垂直の断面が前記脚部本体33の先端33aから前記台板部31とは反対の側へ膨出するように湾曲するアーチ形をなす円弧板状に形成されている。この細長当接部34を、以下、円弧板部341とも言う。
また、本明細書において、前記試験機20から試験機脚部26を取り外したものを、以下、「機体」(図中、符号20Aを付記する)と称して説明する場合がある。この機体20A自体も本発明に係る引張試験機として機能する。前記試験機脚部26は、脚部固定具216によって機体20Aに対して脱着可能に取り付けられている。
図1〜図3、図5に例示した試験機20の係合治具40は、具体的には、図5に示すように、前記締結具5の貫通部材(具体的には後述の貫通ボルト51)の外装部2からその外面側(図5において上側)に突出された部分(突出部51a)の先端に螺着される連結用ナット41である。また、この係合治具40としては、例えば、図7に示すように一対の係合爪ブロック421、422からなるもの(係合治具42)や、図10に示すように貫通ボルト51を収納するための貫通部材収納用切り込み部432aが長穴状に形成されているもの(係合治具43)、図13に例示するように全ねじボルトであるセンターシャフト22の先端に螺着される中央ブロック441の両側に係合爪ブロック442、443を具備する構成のもの(係合治具44)なども採用できる。
すなわち、係合治具40は、センターシャフト22を係合させる対象物(係合対象物)の形状や寸法に対応して、適宜、選択使用される。
図示例の試験機20において前記本体機構部214は油圧シリンダ(シャフト移動機構)、前記移動機構駆動装置24は前記本体機構部214に油圧を供給するための手動回転式油圧ポンプである。前記移動機構駆動装置24には油圧発生用の回転ハンドル241が設けられている。この試験機20は、前記移動機構駆動装置24の前記回転ハンドル241の回転操作によって前記移動機構駆動装置24から前記本体機構部214へ油圧を供給することで、前記本体機構部214(油圧シリンダ)から背面側に突出するピストンロッド23の突出量を増大させ、円筒状のピストンロッド23に内挿されている前記センターシャフト22を試験機20の背面側へ移動させる(背面側から突出寸法を増大させる)。図示例の本体機構部214はその筐体である外装カバー213の内側空間のうち、ピストンロッド23に固定して前記外装カバー213内に配置された受圧プレート23aの下側が、手動回転式油圧ポンプ24から油圧が供給される油圧室となっている。本体機構部214は、その背面側への前記ピストンロッド23の突出量を増大させたとき、該本体機構部214から背面側へ突出させたピストンロッド23の先端によって、センターシャフト22の前記試験機本体21の背面側に突出された部分に固定してフランジ状に突設した受圧部材22aを押圧することで、センターシャフト22を移動させる。
試験機本体21に貫設されている前記センターシャフト22はその軸心回りに回転自在になっている。したがって、例えばセンターシャフト22先端への係合治具40の螺着、センターシャフト22先端に螺着されている係合治具40の取り外しを、前記操作用部材27の操作によってセンターシャフト22を軸回り回転させることで行うことも可能である。
なお、センターシャフト22は、試験機本体21に対してその背面側から挿脱可能である。前記操作用部材27は、試験機本体21に対するセンターシャフト22の挿脱作業にも利用することができる。
なお、母屋7は、建築構造物1の躯体の一部を構成する長尺部材であり、屋根2Aを支持する外装部支持材として機能するものである。
図5に例示した前記貫通ボルト51は具体的にはフックボルトであり、前記突出部51aとは反対側の端部に設けられたフック部51bを前記母屋7に係合して設けられている。そして、この締結具5は、貫通ボルト51の前記突出部51aに螺着されている前記ナット52の締め付け力によって、前記屋根材6を母屋7に押さえ込むようにして固定(締結固定)している。
図5に例示した前記試験用ユニット10は、具体的には、締結具5の貫通ボルト51の前記突出先端部51cに連結用ナット41を螺着して、前記貫通ボルト51について引張試験を行い、その引張耐力を確認するものである。
なお、前記貫通ボルト51は、ナット52の締め付けによって屋根材6を母屋7に押さえ込む締め付け力を発生するために、突出部51aとは反対側の端部が母屋7に固定あるいは係合されている構成であれば良く、この貫通ボルト51の母屋7に対する取付構造には特には限定は無い。この点、貫通ボルト51は上述のフックボルトに限定されるものでは無い。
図5に例示した引張試験用ユニット10は、具体的には、屋根2A上に設置した支持台30の台板部31上(試験機設置面311上)に試験機20を載置して組み立てられている。前記試験機20は、前記試験機本体21に突設されている試験機脚部26の先端を前記支持台30の台板部31の試験機設置面311に載置して支持台30に設置されている。試験機脚部26は支持台30の台板部31に固定していないため、台板部31に対する試験機脚部26の当接位置は任意に調整することができる。
支持台30としては、一対の脚部32の円弧板部341の前記台板部31とは反対の側に、その長手方向に直交する断面において前記波板屋根材6の谷部6bに一致する曲率あるいは前記谷部6bに比べて小さい曲率で湾曲し前記波形屋根材6の前記谷部6b内面に当接される湾曲当接面342が長手方向全長にわたって延在形成され、かつ、一対の円弧板部341の湾曲当接面342の下側頂部343(湾曲当接面342において台板部31からの距離が最も大きい箇所)間の離隔距離(離隔寸法)が、前記湾曲当接面342の下側頂部343付近を試験対象の締結具5(詳細には貫通ボルト51)が貫通している山部6aの両側の谷部6bの底部6cに当接させるべく、試験対象の締結具5(詳細には貫通ボルト51)が貫通している山部6aの両側の谷部6bの底部6c間の距離L1と略一致するものを採用する。
上述のような支持台30を採用して締結具5の引張試験を行った場合、締結具5の貫通ボルト51に引張荷重が載荷された際に支持台30の円弧板部341が波形屋根材6の谷部6bの底部6cに線接触あるいは前記底部6c及びその近傍に面接触される。このため、支持台30の脚部32から波板屋根材6に作用する押圧力による波形屋根材6の変形や破壊といった不都合の発生を回避することができる。
例えば波形屋根材6の複数箇所に腐食等による劣化箇所が存在(点在)する場合であっても、細長当接部34(円弧板部341)が波形屋根材6の劣化していない箇所に当接されることで、締結具5の引張試験を正常に行うことができる。
本発明に係る締結具の引張試験方法にあっては、図6に示すように、支持台30の前記一対の脚部32の前記細長当接部34(円弧板部341)を、前記母屋7(外装部支持材)に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記屋根2Aを介して前記母屋7に重なるようにして前記波形屋根材6(詳細には谷部6b内面)に当接させて設置して引張試験を行うことが肝要である。
また、円弧板部341が波形屋根材6を押圧する押圧力が、前記谷部6bの底部6cのうち母屋7上に位置する部位を介して母屋7に伝達され、母屋7が前記押圧力を負担するようになるため、前記押圧力に起因して波形屋根材6に生じる曲げ等の応力を軽減することができ、波形屋根材6の変形や破壊をより確実に防ぐことができるのである。
但し、上述のように、支持台30の前記円弧板部341が、前記引張試験機によって前記締結具5に引張荷重を与えたときに該円弧板部341に作用する屋根2Aへの押圧力によって若干の弾性変形が可能とされている構成であれば、円弧板部341の湾曲当接面342の下側頂部343の位置が波形屋根材6の谷部6bの底部6cから若干ずれていても、円弧板部341が波形屋根材6を押圧する押圧力を波形屋根材6の谷部6bの底部6c付近に作用させて引張試験を正常に行うことが可能である。このため、波形屋根材6の試験対象の締結具5(詳細には貫通ボルト51)が貫通している山部6aの両側の谷部6bの底部6c間の距離L1に対する支持台30(一対の円弧板部341間の距離)の汎用性を確保できるという利点がある。
図7において、前記係合治具42は、センターシャフト22の先端に着脱可能に螺着された係合爪ブロック421(以下、固定側爪ブロックとも言う)と、この固定側爪ブロック421にボルト423を用いて取り付けられる係合爪ブロック422(以下、可動側爪ブロックとも言う)とを具備している。
一方、可動側爪ブロック422は、前記ボルト423を通すためのボルト孔422aが貫設されている主ブロック部422bに、プレート状の爪支持壁422c及びプレート状の係合爪422dからなるL字板状の係合片部422eを突設した構成の概略コ字状の部材となっている。そして、この可動側爪ブロック422は、前記ボルト孔422aに貫通させたボルト423の該可動側爪ブロック422から突出させた先端側を、前記固定側爪ブロック421の主ブロック部421bに形成されているボルト締結用雌ねじ孔421fにねじ込んで固定側爪ブロック421に取り付けられる。
この可動側爪ブロック422は、ボルト423を回転操作して前記ボルト締結用雌ねじ孔421fから抜き出すことで固定側爪ブロック421から取り外すことができる。
なお、前記固定側爪ブロック421のボルト締結用雌ねじ孔421fは、前記雌ねじ穴421aに軸心に垂直の向きで形成されており、可動側爪ブロック422のボルト孔422aに通して前記ボルト締結用雌ねじ孔421fにねじ込まれるボルト423は、図7に示すように前記雌ねじ穴421aに螺着されたセンターシャフト22に対して垂直の向きに配置される。
係合治具42の一対の係合爪ブロック421、422の係合爪421d、422dは、例えば、前記可動側爪ブロック422の前記固定側爪ブロック421とは反対の側に配置された前記ボルト423の頭部423aの回転操作による前記ボルト423の締め付け力を利用して、シール材54と外装材3(屋根材6)との間に圧入することができる。
図7は、一対の係合爪ブロック421、422の係合爪421d、422dの閉じ合わせ先端421g、422g同士を閉じ合わせ、両係合爪421d、422dの貫通部材収納用凹所421h、422hが一体化してなる貫通部材収納孔内に前記貫通ボルト51を収納した状態を示す。
締結具5の外装部2(屋根2A)から突出された部分を両側から挟み込むようにして一対の係合爪ブロック421、422の係合爪421d、422dを前記張出部に係合する際の一対の係合爪ブロック421、422の間の離隔距離は、固定側爪ブロック421のボルト締結用雌ねじ孔421fに対するボルト423のねじ込み量によって変更可能であるから、貫通ボルト51の径や、張出部のサイズ等に応じて幅広く対応できる。
なお、前記固定側爪ブロック424のボルト締結用雌ねじ孔424fは、前記雌ねじ穴424aに軸心に垂直の向きで形成されており、可動側爪ブロック425のボルト孔425aに通して前記ボルト締結用雌ねじ孔424fにねじ込まれるボルト426は、前記雌ねじ穴424aに螺着されたセンターシャフト22に対して垂直の向きに配置される。
図示例の係合治具43は金属製の一体成形品であるが、これに限定されず、複数部材の組み合わせによって構成されたものであっても良い。
また、前記底板部432の前端部には、前記切り込み部432aの両側に、先端が尖った形状の先端爪432bが突設されている。
一対の先端爪432bは底板部432の一部であり、前記切り込み部432aは、一対の先端爪432bの先端の間から背板部435に向かって延在する長穴状に形成されている。
なお、図11においては、支持台30、試験機20の図示を省略している。
図11において、具体的には、係合治具43は、前記底板部432の前記切り込み部432aを介して両側に位置する部分を、前記シール材54と外装部2の外装材3(屋根材6)との間に挿入して前記シール材54に係合(シール材54を介して亀座53に係合、とも言える)している。また、貫通ボルト51を切り込み部432aに収納している。ナット52、亀座53、シール材54は、一対の側壁部433、434と天板部431と底板部432とによって取り囲まれる内側の内側空間43S内に収納されている。
図12(a)〜(d)に示すように、前記中央ブロック441には、前記センターシャフト22が螺着される雌ねじ穴441aが形成されている。
中央ブロック441の両側の爪ブロック442、443は、該爪ブロック442、443を前記中央ブロック441に取り付けるためのボルト444を通すためのボルト孔442a、443aが貫設された板状の部材であり、前記ボルト孔442a、443aに通したボルト444の該爪ブロック442、443から突出させた先端を、前記中央ブロック441に前記雌ねじ穴441aに垂直の向きで形成されたボルト締結用雌ねじ孔441bにねじ込んで前記中央ブロック441に取り付けられている。前記ボルト442は、その頭部442aが爪ブロック442、443を介して中央ブロック441とは反対の側に配置されている。また、前記ボルト442は、前記雌ねじ穴441aに対して垂直の向きに配置されている。
前記中央ブロック441の雌ねじ穴441には、試験機20のセンターシャフト22が中央ブロック441の上部に開口する雌ねじ穴441の開口部(上部開口部)からねじ込まれる。
前記一対の爪ブロック442、443は、前記中央ブロック441から下側に突出する下方張出部442b、443bを有し、この下方張出部442b、443bの先端(下端)には係合爪442c、443cが突設されている。この係合爪442c、443cは、互いに離隔して設けられている前記下方張出部442b、443bの先端(下端)から、互いに対面する相手側の下方張出部の側に向かって突出するように形成されている。
図13に示す屋根2Bは、母屋7上に設けられた野地71(例えば、野地板を複数配列設置してなる野地)及び該野地71を覆う防水層72(例えば防水シート)からなる下地層73上に複数設置された板状の屋根材8を、隣り合う屋根材8の間にて前記下地層73上に設置して締結具55(具体的にはドリルねじ)を用いて前記母屋7に固定された通し吊り子91と、この通し吊り子91の上側に配置されて前記通し吊り子91及び該通し吊り子91をその両側の屋根材8に係合した係合部を覆って防水性を確保するキャップ92とを具備する前記瓦棒9を用いて前記母屋7に押さえ込むとともに、隣り合う屋根材8を防水性を確保して接続したものである。
また、屋根2Bにおいて、前記瓦棒9は、母屋7(外装部支持材)に直交する向きで互いに並行に突設された複数の突条部を構成するものである。
前記キャップ92は、前記通し吊り子91の一対の立板部91bの上端に架け渡すようにして設けられたプレート状の部材であり、前記通し吊り子91の一対の立板部91bの上端及び前記屋根材8の立ち上げ部82の上端の前記折り返し部83に係合された係合片部91cを覆うように配置され、その幅方向(図13において左右)両端に設けられている折り曲げ係合片92aを、前記通し吊り子91の前記係合片部91cに重ね合わせ、さらに前記屋根材8の前記折り返し部83と前記立ち上げ部82の上端部との間に折り込むようにして、前記屋根材8の前記折り返し部83と前記通し吊り子91の前記係合片部91cと係合して設けられている。
前記通し吊り子91は、上述のように締結具55によって母屋7に固定されていることで、該通し吊り子91の両側に配置されている前記屋根材8をその立ち上げ部82の上端の前記折り返し部83に係合された係合片部91cによって前記下地層73及び母屋7に押さえ込んで固定する機能を果たす(つまり、本発明に係る外装材押さえ部材として機能する)。
また、前記頭部55bは、このドリルネジを回転操作する際に工具を係合する工具係合部として機能する。
図13に示すように、この引張試験方法では、前記係合治具44の一対の爪ブロック442、443の係合爪442c、443cを、前記瓦棒9をその両側の屋根材8に係合した箇所である係合部93に係合(係合部93の下端にその下側から係合)している。そして、引張試験用ユニット10の試験機20によって発生した引張荷重を、前記係合治具44から前記瓦棒9(より具体的には通し吊り子91)を介して締結具55に伝達して前記締結具55の引張試験を行う。
前記係合治具44の係合爪442c、443cは、前記瓦棒9を前記屋根材8に係合した部分である前記係合部93と屋根材8の上面84との間の空間を利用して、前記係合部93の屋根材上面84側(母屋7側)に係合している。
これにより、引張試験にて脚部32から屋根2Bに作用する押圧力による屋根材8の変形や破壊を確実に防ぐことができ、また、締結具55の引張試験を適正に行うことができる。
図14(a)〜(d)、図15に示す係合治具44Aは、中央ブロックとして、一対の爪ブロック442、443の主ブロック部442d、443dの前記突壁部442e、443eの下方に突出する突壁状の下方突出部441cを具備する構成の中央ブロック441Aを採用した点が図12(a)〜(d)、図13を参照して説明した既述の係合治具44と異なる。既述の係合治具44の中央ブロック441は、一対の爪ブロック442、443の主ブロック部442d、443dの前記突壁部442e、443eの下方に突出する部分を有していない。この係合治具44Aは、下方突出部441cを具備する構成の中央ブロック441Aを採用した点のみが既述と係合治具44と異なるものであり、他の構成は既述の係合治具44と同様である。また、この係合治具44Aの中央ブロック441Aは、前記下方突出部441cを具備する点以外は、既述の係合治具44の中央部ブロック441と同様の構成になっている。
既述の係合治具44と異なるのは、一対の爪ブロック442、443の係合爪442c、443cを前記係合部93に係合させた際に、キャップ92に形成されている凹所92sに中央ブロック441Aの下方突出部441cが挿入される点である。
係合治具44Aの中央ブロック441Aの下方突出部441cは、前記主板部92bの内側空間である凹所92sに挿入することで、通し吊り子91の一対の立板部91b及び該立板部91bに重ね合わされた屋根材8の立ち上げ部82が、引張試験中にキャップ92の凹所92s側へ内倒れすることを防止するストッパ(内倒れ防止ストッパ)として機能させることができる。係合治具44Aの前記中央ブロック441Aとしては、キャップ92の主板部92bの両端の立ち上げ部92cの間の距離に対応して該距離に略一致する幅寸法(中央ブロック441Aに貫設されているボルト締結用雌ねじ孔441bの延在方向に一致する方向(幅方向)の寸法)の下方突出部441cを具備するものを採用する。
また、図13に例示した瓦棒9の通し吊り子91を母屋7に固定するための締結具としては、既述のドリルねじに限定されず、例えば通し吊り子91の固定板部91a及び下地層73を貫通するボルトを有し、母屋7に連結された前記ボルトの固定板部91aから母屋7とは反対側に突出された部分(突出部)に螺着されたナットの締め付けによって、通し吊り子91を下地層73及び母屋7に対して押さえ込むようにして固定する構成の締結具も採用可能である。
前記脚部先端ボルト262は、試験機20に対して支持台30Aを固定した固定状態と、前記試験機20に対して支持台30Aが離脱可能な分離可能状態とを切り換え可能として、前記試験機20に支持台30Aを固定する取付具として機能する。
前記脚柱261の先端は前記孔35に入り込まない太さ、前記脚部先端ボルト262の頭部262bは前記孔35に入り込まず前記孔35の周囲の台板部31に当接可能な大きさに形成されている。
例えば外壁を構成する外装材の建築構造物の躯体への固定に使用されている締結具の引張試験を行う場合は、建築構造物の躯体の胴縁等が、前記締結具によって前記外壁を構成する外装材が固定される長尺の外装部支持材として機能する。そして、引張試験は、前記支持台の細長当接部を、前記外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させて、前記支持台を外装部に対して設置した状態にて行う。
また、試験機20と支持台30Aとを、互いに分離した状態とすれば、試験機と支持台とを個々に搬送できるため、試験機及び支持台の現場への搬入、試験終了後の撤去、試験現場の移動等を楽に行える。
このため、例えば、試験機20から試験機脚部26を取り外し、機体20A自体を直接台板部31の試験機設置面311に当接させて、支持台に設置することも可能である。また、このとき、例えば、前記脚部固定具216(ボルト)の脚部固定部材215から突出された先端を孔35に通し、この脚部固定具216の台板部31から支持台の内側空間S側に突出させた部分にナットを螺着して、機体20Aを支持台30Aに固定することも可能である。
なお、引張試験用ユニット10Aは、ここで説明する支持台130の台板部131に既述の試験機20を設置して構成されるものである。
また、図18、図19において、上側を上、下側を下として説明する。
この支持台130の前記一対の脚部132は、前記台板部131に対して垂直に固定された棒状の支持台脚柱133(脚部本体)と、この支持台脚柱133の先端に設けられた棒状当接部材134(細長当接部)とを具備し、図18に示すように一対の脚部132の細長当接部134を外装部2(屋根2A)に当接させて設置して締結具5の引張試験に使用される。
また、前記支持台脚柱133は、台板部131の四隅部にそれぞれ取り付けられている。 台板部131には計4本の前記支持台脚柱133が取り付けられている。
また、この支持台130において一対の脚部132は、前記棒状当接部材134が互いに平行になるようにして設けられている。また、各脚部132の棒状当接部材134は前記台板部131に平行に設けられている。
但し、支持台130としては、この孔131cの形成を省略したものも採用可能であることは言うまでも無い。
この引張試験は、支持台として、例えば図4(a)〜(d)を参照して説明した支持台30を用いる場合と同様に行うことができる。図18に例示したように、波板屋根材を用いて構成された屋根2A上に設置して締結具5の引張試験に使用することも可能である。
また、試験機20から試験機脚部26を取り外した機体20Aを直接台板部131に設置して引張試験用ユニットを組み立てて引張試験を行うことも可能である。
図18では、係合治具40として、図8(a)〜(d)を参照して説明した係合治具42を用いた例を図示しているが、係合治具40は試験対象の締結具の構成や、締結具によって建築構造物の躯体に固定されている外装材押さえ部材の構成に応じて適宜選択可能であることは言うまでも無い。
また、図11では、前記高ナット56は、その軸心方向の一端側から中央部までの範囲を前記貫通ボルト51の突出先端部51cに螺着しており、軸心方向他端側から別途ねじ込まれたボルト13(以下、延長ボルトとも言う)と前記貫通ボルト51とを連結している。前記延長ボルト13も器物の固定等に利用することができる。
例えば、図19に例示した支持台130は、一対の脚部132にそれぞれ棒状当接部材134が1本ずつ設けられた構成になっているが、ひとつの脚部132を構成する支持台脚柱133を3本以上とし、これら支持台脚柱133に支持した複数本の棒状当接部材を一列に配列設置した構成とすることも可能である。例えば、図21は、2本の支持台脚柱133の先端にそれぞれ1本ずつ固定した棒状当接部材134bを一列に配列設置した構成の脚部133を採用した構成の支持台130Aを例示する。
同様に、細長当接部材として円弧板部を採用した構成の支持台についても、複数本の円弧板部を一列に配列設置してなる構成の脚部を採用することも可能である。
このように湾曲当接面が形成されていない細長当接部を具備する支持台を用いて引張試験用ユニットを組み立て、引張試験を行う(締結具の引張試験方法)場合も、前記細長当接部を、建築構造物の躯体の長尺の外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させて、支持台を設置することで、外装材に変形や破壊を生じさせることなく引張試験を行うことができる。
10、10A…引張試験用ユニット、
20…引張試験機、20A…機体、21…試験機本体、214…シャフト移動機構(本体機構部)、22…センターシャフト、26…脚部、262…取付具(脚部先端ボルト)、
30…試験機支持台、31…台板部、311…試験機設置面、312…シャフト挿通孔、32…脚部、33…脚部本体、33a…(脚部本体の)先端、34…細長当接部、341…細長当接部(円弧板部)、342…湾曲当接面、343…下側頂部、
40…引張用係合治具、41…引張用係合治具(連結用ナット)、42…引張用係合治具、421、422…係合爪ブロック、421d、422d…係合爪、43…引張用係合治具、431、432…係合爪ブロック、431d、432d…係合爪、44、44A…引張用係合治具、442、443…係合爪ブロック、442c、443c…係合爪、
130…試験機支持台、131…台板部、131a…試験機設置面、131b…シャフト挿通孔、132…脚部、133…脚部本体(支持台脚柱)、134、134b…細長当接部(棒状当接部材)、134a…湾曲当接面(外周面)。
Claims (14)
- 建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体への締結固定に用いられた締結具の引張耐力を確認するための引張試験を、引張試験機として、引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端に前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機を用いて行う際に使用する可搬型の試験機支持台であって、
前記引張試験機が設置される台板部に一対の脚部が突設され、前記台板部には前記引張試験機の前記センターシャフトを通すためのシャフト挿通孔が形成され、前記一対の脚部は、それぞれ前記台板部から延出する脚部本体の先端に前記外装材に当接される外観棒状あるいは細長板状の細長当接部を有し、各脚部の前記細長当接部は互いに並行となるように向きを揃えて設けられていることを特徴とする試験機支持台。 - 前記細長当接部には、その長手方向に直交する断面において円弧状に湾曲し前記外装材に当接される湾曲当接面が長手方向全長にわたって延在形成されていることを特徴とする請求項1記載の試験機支持台。
- 前記細長当接部が前記脚部本体の先端から前記一対の脚部の脚部本体間の内側空間あるいは前記内側空間とは反対の側に突出し前記台板部の前記シャフト挿通孔の軸心に垂直の方向に延在する円弧板部であることを特徴とする請求項1又は2記載の試験機支持台。
- 前記円弧板部が、前記引張試験機によって前記締結具に引張荷重を与えたときに該円弧板部に作用する前記外装部への押圧力によって弾性変形可能とされていることを特徴とする請求項3記載の試験機支持台。
- 前記脚部には複数の前記細長当接部が1列に配列設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の試験機支持台。
- 建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体に設けられている長尺の外装部支持材への締結固定に用いられた締結具の引張耐力を引張試験機を使用して確認する引張試験方法であって、
引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端に前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機と、請求項1〜5のいずれかに記載の試験機支持台とを現場に搬入し、
前記試験機支持台を、その前記一対の脚部の前記細長当接部を前記外装部支持材に直交する向きでその長手方向の少なくとも一部が前記外装部を介して前記外装部支持材に重なるようにして締結具の両側の外装材に当接させて設置し、この試験機支持台の前記台板部にセットした前記引張試験機の前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記締結具あるいは前記外装材押さえ部材に係合させた状態で、前記シャフト移動機構によって前記センターシャフトを移動させて前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させることで前記締結具に引張荷重を作用させることを特徴とする締結具の引張試験方法。 - 前記外装部は、その外面側に前記外装部支持材に直交する向きで互いに並行に突設された複数の突条部を有し、前記締結具の片端が前記突条部に設けられている構成であり、
前記試験機支持台として、一対の脚部の前記細長当接部の間に、一対の前記細長当接部を前記外装部の前記突条部を介して両側に位置する前記外装材に当接可能とする離隔寸法が確保されているものを用いることを特徴とする請求項6記載の締結具の引張試験方法。 - 前記外装部が、前記外装部支持材に直交する向きで延在する山部と谷部とが交互に配列されてなる波形の外面を有し、前記山部が前記突条部とされた構成のものであり、
前記試験機支持台として、前記細長当接部にその長手方向に直交する断面において前記谷部に一致する曲率あるいは前記谷部に比べて小さい曲率で湾曲し前記外装材に当接される湾曲当接面が長手方向全長にわたって延在形成され、しかも、一対の脚部の前記細長当接部の間に、各細長当接部の前記湾曲当接面における前記台板部からの距離が最も大きい箇所である頂部付近を前記山部の両側の谷部の底部に当接させて配置することを可能とする離隔寸法が確保されているものを用いることを特徴とする請求項7記載の締結具の引張試験方法。 - 前記引張試験機及び/又は前記試験機支持台に、前記引張試験機に対して前記試験支持台を固定した固定状態と、前記引張試験機に対して前記試験支持台が離脱可能な分離可能状態とを切り換え可能な取付具が設けられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の締結具の引張試験方法。
- 前記引張用係合治具は、前記締結具の前記外装部から突出された部分の外周に張り出された張出部あるいは前記外装材押さえ部材に係合するための係合爪を有する一対の係合爪ブロックを備え、一対の係合爪ブロックは互いの離隔距離が可変とされており、
前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材の前記外装材に当接された押さえ用当接部から突出され前記外装材との間に前記係合爪ブロックの前記係合爪を挿入可能な空間を確保して設けられた突部に、対向する両側から前記一対の係合爪ブロックの前記係合爪を係合させた状態で、前記引張用係合治具を介して前記センターシャフトから伝達される引張荷重を前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材に作用させることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の締結具の引張試験方法。 - 建築構造物の外装部を構成する外装材あるいは前記外装材を前記建築構造物の躯体に押さえ込む外装材押さえ部材を貫通する棒状の貫通部材を有し前記外装材あるいは前記外装材押さえ部材の前記躯体への締結固定に用いられた締結具に引張荷重を作用させて前記締結具の引張耐力を確認するための引張試験用ユニットであって、
引張力伝達用のセンターシャフトが貫通配置された試験機本体を有し、前記センターシャフトの前記試験機本体から突出された先端には前記締結具の前記外装部から突出された部分あるいは前記外装材押さえ部材に係合される引張用係合治具が設けられ、前記試験機本体に前記センターシャフトをその軸心方向に移動して前記引張用係合治具を前記試験機本体に接近させるためのシャフト移動機構を備える可搬型の引張試験機と、請求項1〜5のいずれかに記載の試験機支持台とを具備し、
前記一対の脚部の前記細長当接部を前記締結具の両側に位置する前記外装部に当接させて設置した前記試験機支持台の前記台板部に前記引張試験機をセットし、前記センターシャフト先端の前記引張用係合治具を前記締結具あるいは前記外装材押さえ部材に係合させた状態で、前記締結具の引張耐力の確認に用いられることを特徴とする引張試験用ユニット。 - 前記引張試験機及び/又は前記試験機支持台に、前記引張試験機に対して前記試験支持台を固定した固定状態と、前記引張試験機に対して前記試験支持台が離脱可能な分離可能状態とを切り換え可能な取付具が設けられていることを特徴とする請求項11記載の引張試験用ユニット。
- 前記引張用係合治具は、前記締結具の前記外装部から突出された部分の外周に張り出された張出部あるいは前記外装材押さえ部材に係合するための係合爪を有する一対の係合爪ブロックを備え、一対の係合爪ブロックは互いの離隔距離が可変とされており、
前前記締結具の前記張出部あるいは前記外装材押さえ部材の前記外装材に当接された押さえ用当接部から突出され前記外装材との間に前記係合爪ブロックの前記係合爪を挿入可能な空間を確保して設けられた突部に、対向する両側から前記一対の係合爪ブロックの前記係合爪を係合させるようになっていることを特徴とする請求項11又は12記載の引張試験用ユニット。 - 建築構造物の外側に器物を取り付ける取付施工方法であって、
前記請求項6〜10のいずれかに記載の締結具の引張試験方法による引張試験を行った後、前記引張試験の結果、前記締結具に予め決めておいた引張耐力が確保されている場合に、前記締結具の前記外装部から突出されている部分への器物の取り付けを行うことを特徴とする建築構造物への器物取付施工方法。
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