JP2010270600A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気量およびEGR量に応じて燃料噴射時期を適切に制御することによって、良好な燃焼状態を確保することができ、それにより、燃焼音を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】この内燃機関3の燃料噴射制御装置1は、吸気量の目標値GAIRCMDに対する、検出された吸気量GAIRの乖離度合いDGAIRに応じて、第1補正量CAIRを算出し、EGR量パラメータの目標値REGRCMDに対する、取得されたEGR量パラメータREGRの乖離度合いDREGRに応じて、第2補正量CEGR算出する。そして、内燃機関3の回転数NEおよび負荷PMCMDの少なくとも一方が高いほど、第1補正量に対する第2補正量の比率がより大きくなるように、第1および第2補正量を修正し、修正された第1および第2補正量によって、燃料の噴射時期を補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、気筒内に燃料を噴射する内燃機関において、燃料の噴射時期を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来の内燃機関の燃料噴射制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この燃料噴射制御装置では、内燃機関の回転数およびアクセル開度に応じて、吸気量の目標値を算出し、この目標値とエアフローセンサで検出した実際の吸気量との偏差を算出する。そして、この偏差に基づき、吸気量が不足していると判定されたときに、燃料噴射時期を早め、それにより、NOxの排出量を抑制するようにしている。
また、従来の他の内燃機関の燃料噴射制御装置として、例えば特許文献2に開示されたものが知られている。この内燃機関は、排気通路に排出された排ガスの一部を吸気通路に還流させるEGR装置を有している。この燃料噴射制御装置では、内燃機関の回転数に応じて、排ガスの還流量(以下「EGR量」という)の目標値を算出し、この目標値と算出した実際のEGR量との偏差を算出する。そして、この偏差に応じて、燃料噴射時期を遅角側に制御するための補正量を算出し、それにより、燃料の噴射時期を制御することによって、大きな燃焼音の発生を防止するようにしている。
特開2000−54901号公報 特許第3606112号公報
以上のように、従来の燃料噴射制御装置では、吸気量の目標値と実値との偏差、またはEGR量の目標値と実値との偏差に応じて、燃料噴射時期を補正する。しかし、後述するように、これらの偏差が同じでも、内燃機関の回転数などの運転状態が異なれば、燃焼音の発生の仕方が変化することが確認された。したがって、従来のように、単に吸気量またはEGR量の目標値と実値との偏差に応じて燃料噴射時期を補正するだけでは、内燃機関の運転状態によっては燃料噴射時期を適切に補正できないことがあり、その場合、熱発生率が過大になり、大きな燃焼音が発生するおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、吸気量およびEGR量に応じて燃料噴射時期を適切に制御することによって、良好な燃焼状態を確保することができ、それにより、燃焼音を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、気筒3a内に燃料を噴射する内燃機関3において、燃料の噴射時期(実施形態における(以下、本項において同じ)燃料噴射時期TINJ)を制御する内燃機関3の燃料噴射制御装置1であって、気筒3a内に吸入される吸気量を検出する吸気量検出手段(エアフローセンサ22)と、吸気量の目標となる目標値(目標吸気量GAIRCMD)を設定する吸気量目標値設定手段(ECU2、図4のステップ21)と、設定された吸気量の目標値に対する、検出された吸気量GAIRの乖離度合い(吸気偏差DGAIR)に応じて、燃料の噴射時期を補正するための第1補正量(吸気補正量CAIR)を算出する第1補正量算出手段(ECU2、図3のステップ12)と、排気通路6に排出された排ガスの一部をEGRガスとして気筒3a内に還流させるEGR装置10と、EGR装置10により気筒3a内に還流するEGRガスの量を表すEGR量パラメータ(EGR率REGR)を取得するEGR量パラメータ取得手段(EGRリフトセンサ23、ECU2、図6のステップ52)と、EGR量パラメータの目標となる目標値(目標EGR率REGRCMD)を設定するEGR量パラメータ目標値設定手段(ECU2、図6のステップ51)と、設定されたEGR量パラメータの目標値に対する、取得されたEGR量パラメータの乖離度合い(EGR偏差DREGR)に応じて、燃料の噴射時期を補正するための第2補正量(EGR補正量CEGR)を算出する第2補正量算出手段(ECU2、図3のステップ13)と、内燃機関3の回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ24、ECU2)と、内燃機関3の負荷(要求トルクPMCMD)を検出する負荷検出手段(アクセル開度センサ25)と、検出された内燃機関3の回転数および負荷の少なくとも一方が高いほど、第1補正量に対する第2補正量の比率がより大きくなるように、第1および第2補正量を修正する補正量修正手段(ECU2、図4のステップ24〜27、図6のステップ55〜58)と、修正された第1および第2補正量によって、燃料の噴射時期を補正する燃料噴射時期補正手段(ECU2、図3のステップ14)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、吸気量の目標値を設定するとともに、この目標値に対する、検出された吸気量の乖離度合いに応じて、燃料の噴射時期を補正するための第1補正量を算出する。このように、第1補正量は、吸気量の目標値に対する検出値の乖離度合いに応じて算出されるため、この第1補正量により燃料の噴射時期を補正することによって、目標値に対する吸気量の実際のずれに応じて、燃料の噴射時期を適切に補正することができる。
また、EGR装置により気筒内に還流させるEGR量を表すEGR量パラメータを取得する。さらに、このEGR量パラメータの目標値を設定するとともに、この目標値に対する、取得されたEGR量パラメータの乖離度合いに応じて、燃料の噴射時期を補正するための第2補正量を算出する。このように、第2補正量は、EGR量パラメータの目標値に対する取得された値の乖離度合いに応じて算出されるため、この第2補正量により燃料の噴射時期を補正することによって、目標値に対するEGR量の実際のずれに応じて、燃料の噴射時期を適切に補正することができる。
また、前述したように、燃焼音の発生の仕方は内燃機関の運転状態に応じて変化する。具体的には、燃焼音の大きさは、内燃機関の回転数および/または負荷が低い場合、吸気量の影響を受けやすく、内燃機関の回転数および/または負荷が高い場合、EGR量の影響を受けやすい。これは、以下の理由に基づく。
図11は、吸気量およびEGR量と筒内圧変化率の最大値dP/dθmaxとの関係を示している。この筒内圧変化率の最大値dP/dθmax(以下「dP/dθmax値」という)は、噴射された燃料の燃焼によって気筒内に発生する筒内圧の変化率の最大値を表すものであり、燃焼に伴って発生する燃焼音の大きさと密接な関係を有し、その値が大きいほど、燃焼音はより大きくなる。同図(a)の実線に示すように、内燃機関の回転数および/または負荷が低い場合において、吸気量が一定の状態で、EGR量が変化したときには、dP/dθmax値はあまり変化しないのに対し、同図(a)の破線に示すように、EGR量が一定の状態で、吸気量が変化したときには、dP/dθmax値が大きく変化するという特性がある。これは、低回転時および/または低負荷時には、気筒内に供給される吸気量および燃料量がいずれも少なく、燃焼温度およびEGRガスの温度がもともと低いため、そのような低温のEGRガスの量を変化させても、熱発生率があまり変化しないことが原因であると考えられる。これに対して、吸気量を変化させた場合にdP/dθmax値が大きく変化するのは、吸気量をもともと少ない状態から変化させるので、熱発生率が大きく変化するためと考えられる。
一方、図11(b)の実線に示すように、内燃機関の回転数および/または負荷が高い場合において、吸気量が一定の状態で、EGR量が変化したときには、dP/dθmax値が大きく変化するのに対し、同図(b)の破線に示すように、EGR量が一定の状態で、吸気量が変化したときには、dP/dθmax値はあまり変化しないという特性がある。これは、高回転時および/または高負荷時には、気筒内に供給される吸気量および燃料量がいずれも多く、燃焼温度およびEGRガスの温度がもともと高いため、そのような高温のEGRガスの量を変化させることによって、熱発生率の変化が大きくなることが原因であると考えられる。これに対して、吸気量を変化させてもdP/dθmax値があまり変化しないのは、吸気量をもともと多い状態から変化させるので、熱発生率があまり変化しないためと考えられる。
以上のような観点に基づき、本発明によれば、検出された内燃機関の回転数および/または負荷が高いほど、吸気量に応じて設定された第1補正量に対する、EGR量パラメータに応じて設定された第2補正量の比率がより大きくなるように、第1および第2補正量を修正する。これにより、内燃機関の運転状態に応じて、第1および第2補正量のうち、dP/dθmax値の変化に及ぼす影響が大きいものの比率をより大きくするので、吸気およびEGRガスの影響度合いを反映させながら、燃料の噴射時期を効果的かつ適切に補正することができる。その結果、筒内圧変化率の過度な上昇を回避するなど、良好な燃焼状態を確保できることによって、燃焼音を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、補正量修正手段は、内燃機関3の回転数および負荷の少なくとも一方が低いほど、第1補正量に対する第2補正量の比率がより小さくなるように、第1および第2補正量を修正することを特徴とする。
前述したように、内燃機関の回転数および/または負荷が低いほど、燃焼音の発生の仕方は、吸気量の影響を受けやすい。本発明によれば、内燃機関の回転数および/または負荷が低いほど、吸気量に応じて設定された第1補正量に対する、EGR量パラメータに応じて設定された第2補正量の比率がより小さくなるように、第1および第2補正量を修正する。これにより、内燃機関の運転状態に応じて、第1および第2補正量のうち、熱発生率の最大値の変化に及ぼす影響が大きいものの比率を大きくするので、低回転時および/または低負荷時においても、吸気およびEGRガスの影響度合いを反映させながら、燃料の噴射時期を効果的かつ適切に補正することができる。その結果、熱発生率の過度な上昇を回避するなど、良好な燃焼状態を確保できることによって、燃焼音を抑制することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の内燃機関3の燃料噴射制御装置1において、EGR装置10は、EGRガスを冷却するための冷却装置(EGRクーラ13)を有し、気筒3a内の圧力を筒内圧として検出する筒内圧検出手段(筒内圧センサ21、ECU2)と、検出された筒内圧PCYLに応じて、着火状態を表す着火状態パラメータ(実着火遅れ期間IGLACT)を算出する着火状態パラメータ算出手段(ECU2、図4のステップ23)と、着火状態パラメータの目標となる目標値(目標着火遅れ期間IGLCMD)を設定する着火状態パラメータ目標値設定手段(ECU2、図4のステップ22)と、をさらに備え、第1補正量算出手段は、吸気量GAIRの乖離度合いに加え、設定された着火状態パラメータの目標値に対する、算出された着火状態パラメータの乖離度合いに応じて、第1補正量を算出し、筒内圧に応じて、燃焼期間(実燃焼期間STSACT)を算出する燃焼期間算出手段(ECU2、図9のステップ77)と、燃焼期間の目標となる目標値(目標燃焼期間STSCMD)を設定する燃焼期間目標値設定手段(ECU2、図6のステップ53)と、をさらに備え、第2補正量算出手段は、EGR量パラメータの乖離度合いに加え、設定された燃焼期間の目標値に対する、算出された燃焼期間の乖離度合いに応じて、第2補正量を算出することを特徴とする。
この構成によれば、EGRガスは、冷却装置によって冷却される。また、気筒内の圧力を筒内圧として検出し、この筒内圧に応じて、着火状態を表す着火状態パラメータを算出する。筒内圧は、燃料の着火状態と高い相関性を有するため、筒内圧に応じて、着火状態パラメータが適切に算出される。
吸気量は、着火遅れ期間や着火時期などの着火状態を表す着火状態パラメータと高い相関性を有する。これは、吸気量が変化すれば、総ガス量が変化し、圧縮上死点における筒内圧も変化することで、着火状態パラメータも変化するためである。具体的には、着火状態パラメータは、EGR量が一定の場合、図12に示すように、吸気量が多いほど、筒内圧が大きくなり、着火タイミングが早まることで、より小さくなる。したがって、設定された着火状態パラメータの目標値に対する、着火状態パラメータの乖離度合いは、吸気量検出手段による吸気量の検出精度を表す。以上のような観点に基づき、本発明によれば、吸気量の目標値に対する乖離度合いに加え、着火状態パラメータの目標値に対する算出値の乖離度合いに応じて、第1補正量を算出するので、吸気量検出手段の検出精度にかかわらず、吸気量に応じて第1補正量を適切に算出することができる。
また、EGR量は、燃焼期間と高い相関性を有する。これは、EGR量が変化すれば、燃料と酸素との接触確率が変化することで、燃焼期間が変化するためである。具体的には、燃焼期間は、吸気量が一定の場合、図13に示すように、EGR量が多いほど、酸素の濃度が低くなり、燃料との接触確率が低くなることで、より長くなる。また、同量のEGRガスを気筒内に還流させようとしても、EGRガスの温度が高いほど、その体積が大きくなることで、還流するEGRガスの実質的な量は少なくなる。したがって、設定された燃焼期間の目標値に対する、燃焼期間の乖離度合いは、冷却装置の冷却性能を表す。以上のような観点に基づき、本発明によれば、EGR量パラメータの目標値に対する乖離度合いに加え、燃焼期間の目標値に対する算出値の乖離度合いに応じて、第2補正量を算出するので、冷却装置の冷却性能にかかわらず、EGR量に応じて第2補正量を適切に算出することができる。
以上のように、吸気量検出手段の検出精度および冷却装置の冷却性能にかかわらず、第1および第2補正量を適切に算出するので、さらに良好な燃焼状態を確保でき、燃焼音をより適切に抑制することができる。
本発明の実施形態による燃料噴射制御装置を内燃機関とともに示している。 燃料噴射制御処理のメインフローを示すフローチャートである。 燃料噴射時期の算出処理を示すサブルーチンである。 燃料噴射時期を吸気量に応じて補正するための吸気補正量の算出処理を示すサブルーチンである。 実着火遅れ期間の算出処理を示すサブルーチンである。 燃料噴射時期をEGR率に応じて補正するためのEGR補正量の算出処理を示すサブルーチンである。 図4の処理で用いられるマップの一例である。 図6の処理で用いられるマップの一例である。 実着火時期の算出処理を示すサブルーチンである。 クランク角に対する熱発生率の推移の一例を示している。 吸気量およびEGR量と熱発生率の最大値との関係を、(a)低回転時および/または低負荷時において、(b)高回転時および/または高負荷時において示す図である。 吸気量と着火状態パラメータとの関係を示す図である。 EGR量と燃焼期間との関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態による燃料噴射制御装置1を、内燃機関3とともに示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)3は、車両(図示せず)に搭載されたディーゼルエンジンである。エンジン3は、例えば4つの気筒3a(1つのみ図示)を有しており、各気筒3aのピストン3bとシリンダヘッド3cとの間には、燃焼室3dが形成されている。
シリンダヘッド3cには、気筒3aごとに燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)4が燃焼室3dに臨むように取り付けられている。このインジェクタ4の開弁時間および開弁タイミングは、ECU2からの駆動信号によって制御され、それにより、燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期TINJが制御される。
インジェクタ4には、筒内圧センサ21が一体に取り付けられている。筒内圧センサ21は、圧電素子で構成され、インジェクタ4とシリンダヘッド3cの間に挟持されており、エンジン3の気筒3a内の圧力の変化量(以下「筒内圧変化量」という)DPを検出し、その検出信号をECU2に出力する。ECU2は、筒内圧変化量DPに基づいて、筒内圧PCYLを算出する。
エンジン3の吸気通路5には、エアフローセンサ22が設けられている。このエアフローセンサ22は、例えば熱線式のものであり、エンジン3に吸入される吸気の流量に応じて変化する熱線の抵抗値を吸気量GAIRとして検出し、その検出信号をECU2に出力する。
また、エンジン3には、EGR装置10が設けられている。このEGR装置10は、排気通路6に排出された排ガスの一部を、EGRガスとして吸気通路5に還流させるものであり、吸気通路5および排気通路6に接続されたEGR通路11と、このEGR通路11を開閉するEGR制御弁12と、EGRガスを冷却するEGRクーラ13などで構成されている。EGRクーラ13は、水冷式のものであり、EGR制御弁12の下流側に配置されている。
EGR制御弁12は、そのリフトが連続的に変化する電磁弁で構成され、ECU2に電気的に接続されている。ECU2は、EGR制御弁12を介して、EGR通路11の開度を変化させることにより、EGRガスの還流量すなわちEGR量を制御する。
また、EGR制御弁12のリフト(以下「EGRリフト」という)LEGRは、EGRリフトセンサ23によって検出され、その検出信号はECU2に出力される。
エンジン3のクランクシャフト3eには、クランク角センサ24が設けられている。クランク角センサ24は、クランクシャフト3eの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定クランク角(1°)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、いずれかの気筒3aにおいてピストン3bが吸気行程の開始時の上死点よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、本実施形態のようにエンジン3が4気筒の場合には、クランク角180゜ごとに出力される。
また、エンジン3には、気筒判別センサ(図示せず)が設けられている。この気筒判別センサは、気筒3aを判別するためのパルス信号である気筒判別信号を、ECU2に出力する。ECU2は、気筒判別信号、クランク角センサ24で検出されたCRK信号およびTDC信号に基づいて、クランク角CAを気筒3aごとに算出する。具体的には、このクランク角CAは、TDC信号の発生時に値0にリセットされ、1°ごとに出力されるCRK信号が発生するごとにインクリメントされる。したがって、クランク角CAは、TDC信号の発生角度を基準(0°)とするクランク角を表す。
また、ECU2には、アクセル開度センサ25から、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。前述したセンサ21〜25の検出信号はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CPUに入力される。
CPUは、これらの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期TINJを制御する燃料噴射制御処理を実行する。この燃料噴射制御処理は、気筒判別信号に基づいて、気筒3aごとに行われるため、以下では、説明の便宜上、1つの気筒3aについて説明を行うものとする。
なお、本実施形態では、ECU2が、回転数検出手段、吸気量目標値設定手段、第1補正量算出手段、EGR量パラメータ取得手段、EGR量パラメータ目標値設定手段、第2補正量算出手段、補正量修正手段、燃料噴射時期補正手段、筒内圧検出手段、着火状態パラメータ算出手段、着火状態パラメータ目標値設定手段、燃焼期間算出手段および燃焼期間目標値設定手段に相当する。
図2は、燃料噴射制御処理のメインフローを示している。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、燃料噴射量QINJを算出する。なお、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって算出される。
次に、燃料噴射時期TINJを算出し(ステップ2)、本処理を終了する。このようにして算出された燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期TINJに基づいて、インジェクタ4の開弁時間および開弁タイミングを制御することによって、燃料噴射が実行される。
図3は、燃料噴射時期TINJの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ11において、燃料噴射時期の基本値TINJBASEを算出する。具体的には、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、基本値TINJBASEを算出する。なお、これらの燃料噴射時期TINJおよび基本値TINJBASEなどはクランク角CAで表される。
次に、吸気量GIARに応じた燃料噴射時期の補正量(以下「吸気補正量」という)CAIRを算出する(ステップ12)とともに、後述するEGR率REGRに応じた燃料噴射時期の補正量(以下「EGR補正量」という)CEGRを算出する(ステップ13)。これらの吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRの算出処理については後述する。そして、算出した基本値TINJBASEに吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRを加算した値(=TINJBASE+CAIR+CEGR)を、燃料噴射時期TINJとして算出し(ステップ14)、本処理を終了する。
図4は、吸気補正量CAIRの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ21において、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、目標吸気量GAIRCMDを算出する。
次に、目標着火遅れ期間IGLCMDを算出する(ステップ22)。この目標着火遅れ期間IGLCMDは、着火遅れ期間(燃料噴射時期TINJから着火の開始時までの期間)の目標値であり、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、算出される。
次いで、実際の着火遅れ期間(以下「実着火遅れ期間」という)IGLACTを算出する(ステップ23)。図5は、この実着火遅れ期間IGLACTの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ41において、実着火時期CAACTを算出する。この実着火時期CAACTの算出処理については後述する。次に、実着火時期CAACTから図2のステップ2で算出した燃料噴射時期TINJを減算する(=CAACT−TINJ)ことによって、実着火遅れ期間IGLACTを算出し(ステップ42)、本処理を終了する。
図4に戻り、前記ステップ23に続くステップ24では、目標着火遅れ期間IGLCMDと実着火遅れ期間IGLACTとの偏差(=IGLCMD−IGLACT)に応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、センサ劣化係数KAIRを算出する。このセンサ劣化係数KAIRは、エアフローセンサ22の劣化度合いに応じて吸気補正量CAIRを補正するためのものであり、エンジン3が定常運転状態のときのみ算出される。前述したように、エアフローセンサ22は、熱線式のものであるため、劣化によって検出精度が低下すると、検出された吸気量GAIRは実際の吸気量に対して小さい側にずれる特性がある。また、吸気量は着火状態を表す着火遅れ期間と高い相関性を有する。このため、目標着火遅れ期間IGLCMDに対する実着火遅れ期間IGLACTの乖離度合いは、エアフローセンサ22の劣化度合いを表し、その乖離度合いが大きいほど、エアフローセンサ22の劣化度合いがより大きいことを表す。以上から、上記のマップでは、センサ劣化係数KAIRは、目標着火遅れ期間IGLCMDと実着火遅れ期間IGLACTとの偏差が値0のときに値1に設定され、偏差が大きいほど、すなわちエアフローセンサ22の劣化度合いが大きいほど、検出精度の低下による吸気量のずれを補償するために、より大きな値に設定されている。
次に、検出された吸気量GAIRに前記ステップ24で算出したセンサ劣化係数KAIRを乗算する(=GAIR×KAIR)ことによって、補正後吸気量CGAIRを算出する(ステップ25)。
次いで、前記ステップ21で算出した目標吸気量GAIRCMDから補正後吸気量CGAIRを減算する(=GAIRCMD−CGAIR)ことによって、吸気偏差DGAIRを算出し(ステップ26)、この吸気偏差DGAIRに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、吸気補正量CAIRの基本値CAIRBASEを算出する(ステップ27)。
次に、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、図7に示すマップを検索することによって、第1係数K1を算出する(ステップ28)。この第1係数K1は、吸気補正量CAIRとEGR補正量CEGRの和に対する、吸気補正量CAIRの比率を表す。このマップでは、第1係数K1は、エンジン回転数NEが高回転側の第1所定値NEH以上で、かつ要求トルクPMCMDが高トルク側の第1所定値PMCMDH以上のときに、値0に設定され、エンジン回転数NEが低回転側の第2所定値NEL以下で、かつ要求トルクPMCMDが低トルク側の第2所定値PMCMDL以下のときに、値1に設定されている。また、エンジン回転数NEが第1所定値NEHと第2所定値NELの間にあり、また要求トルクPMCMDが、第1所定値PMCMDHと第2所定値PMCMDLの間にあるときには、エンジン回転数NEが低いほど、また要求トルクPMCMDが低いほど、より大きな値に設定されている。
そして、基本値CAIRBASEに第1係数K1を乗算した値(=CAIRBASE×K1)を吸気補正量CAIRとして算出し(ステップ29)、本処理を終了する。
図6は、EGR補正量CEGRの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ51において、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、目標EGR率REGRCMDを算出する。この目標EGR率REGRCMDは、EGR率REGR(吸気量GAIRとEGR量GEGRとの和である総ガス量に対するEGR量GEGRの比率)の目標値である。なお、EGR量GEGRは、EGRリフトセンサ23で検出されたEGRリフトLEGRに応じて算出される。
次に、吸気量GAIRおよびEGR量GEGRを用い、次式(1)に従って、EGR率REGRを算出する(ステップ52)。
REGR=GEGR/(GAIR+GEGR) …(1)
次いで、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、目標燃焼期間STSCMDを算出する(ステップ53)。次に、実際の燃焼期間(以下「実燃焼期間」という)STSACTを読み込む(ステップ54)。この実燃焼期間STSACTは、実着火時期CAACTの算出サブルーチンにおいて、実着火時期CAACTと併せて算出される。
次に、目標燃焼期間STSCMDと実燃焼期間STSACTとの偏差(=STSCMD−STSACT)に応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、クーラ劣化係数KEGRCを算出する(ステップ55)。このクーラ劣化係数KEGRCは、EGRクーラ13の劣化度合いに応じてEGR補正量CEGRを補正するためのものであり、エンジン3が定常運転状態のときのみ算出される。前述したように、EGRクーラ13の劣化によって冷却性能が低下すると、還流するEGRガスの実質的な量は少なくなる。また、EGR量は燃焼期間と高い相関性を有する。このため、目標燃焼期間STSCMDに対する実燃焼期間STSACTの乖離度合いは、EGRクーラ13の劣化度合いを表し、その乖離度合いが大きいほど、EGRクーラ13の劣化度合いがより大きいことを表す。以上から、上記のマップでは、クーラ係数KEGRCは、目標燃焼期間STSCMDと実燃焼期間STSACTとの偏差が値0のときに値1に設定され、偏差が大きいほど、すなわちEGRクーラ13の劣化度合いが大きいほど、冷却性能の低下によるEGR量のずれを補償するために、より小さな値に設定される。
次いで、前記ステップ52で算出したEGR率REGRにクーラ劣化係数KEGRCを乗算(=REGR×KEGRC)することによって、補正後EGR率CREGRを算出する(ステップ56)。
次に、前記ステップ51で算出した目標EGR率REGRCMDから補正後EGR率CREGRを減算する(=REGRCMD−CREGR)ことによって、EGR偏差DREGRを算出する(ステップ57)。次に、このEGR偏差DREGRに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、EGR補正量CEGRの基本値CEGRBASEを算出する(ステップ58)。
次いで、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、図8に示すマップを検索することによって、第2係数K2を算出する(ステップ59)。この第2係数K2は、吸気補正量CAIRとEGR補正量CEGRの和に対する、EGR補正量CEGRの比率を表す。このマップでは、第2係数K2は、エンジン回転数NEが高回転側の第1所定値NEH以上で、かつ要求トルクPMCMDが高トルク側の第1所定値PMCMDH以上のときに、値1に設定され、エンジン回転数NEが低回転側の第2所定値NEL以下で、かつ要求トルクPMCMDが低トルク側の第2所定値PMCMDL以下のときに、値0に設定されている。また、エンジン回転数NEが第1所定値NEHと第2所定値NELの間にあり、また要求トルクPMCMDが、第1所定値PMCMDHと第2所定値PMCMDLの間にあるときには、エンジン回転数NEが高いほど、また要求トルクPMCMDが高いほど、より大きな値に設定されている。なお、前述したように、第1係数K1は吸気補正量CAIRの比率を表すため、第1係数K1と第2係数K2との和は1になる。
そして、基本値CEGRBASEに第2係数K2を乗算した値(=CEGRBASE×K2)をEGR補正量CEGRとして算出し(ステップ60)、本処理を終了する。
図9は、図5の前記ステップ41で実行される実着火時期CAACTの算出処理のサブルーチンを示している。本処理は、実着火時期CAACTを実燃焼期間STSACTと併せて算出するものであり、CRK信号の発生に同期して実行される。本処理では、まずステップ71において、算出中フラグF_CALが「1」であるか否かを判別する。この算出中フラグF_CALは、TDC信号の発生に同期して「1」にセットされるものである。この判別結果がYESのときには、筒内圧センサ21で検出された筒内圧PCYLを用い、次式(2)に従って、単位クランク角当たりの熱発生量である熱発生率dQHRを算出する(ステップ72)。
dQHR=(κ×PCYL×1000×dVθ+dPCYL×1000×Vθ)/(κ-1) …(2)
dQHR:熱発生率
κ:混合気の比熱比
PCYL:筒内圧
dVθ:筒内容積変化率
dPCYL:筒内圧変化率
Vθ:筒内容積
ここで、比熱比κは所定値(例えば1.34)に設定されている。また、筒内容積変化率dVθおよび筒内容積Vθは、いずれもクランク角CAに基づいて算出される。
次いで、算出した熱発生率dQHRを、前回までの熱発生量QHRに加算することにより、熱発生量QHRを算出する(ステップ73)。このようにして算出された熱発生量QHRを、順次、記憶する。次に、クランク角CAが540°であるか否かを判別する(ステップ74)。この判別結果がNOのときには、本処理をそのまま終了する。
一方、ステップ74の判別結果がYESで、クランク角CAが排気行程の開始時、すなわち膨張行程の終了時のときには、算出された熱発生量QHRを総熱発生量SQHRとする(ステップ75)とともに、記憶された複数の熱発生量QHRのうち、総熱発生量SQHRの1/2に相当する熱発生量QHRが得られたときのクランク角CA50(図10参照)を、実着火時期CAACTとして算出する(ステップ76)。
次に、図10に示すように、上記のクランク角CA50から、総熱発生量SQHRの1/5に相当する熱発生量QHRが得られたときのクランク角CA20を減算した値を、実燃焼期間STSACTとして算出する(ステップ77)。
そして、算出中フラグF_CALを「0」にリセットし(ステップ78)、本処理を終了する。このステップ78の実行により、前記ステップ71の判別結果がNOになり、その場合には、本処理をそのまま終了する。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じて設定した目標吸気量GAIRCMDと補正後吸気量CGAIRとの偏差である吸気偏差DGAIRに応じて、燃料噴射時期TINJを補正するための吸気補正量CAIRを算出するので、この吸気補正量CAIRにより、目標吸気量GAIRCMDに対する吸気量GAIRの実際のずれに応じて、燃料噴射時期TINJを適切に補正することができる。
また、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じて設定した目標EGR率REGRCMDと補正後EGR率CREGRとの偏差であるEGR偏差DREGRに応じて、燃料噴射時期TINJを補正するためのEGR補正量CEGRを算出するので、このEGR補正量CEGRにより、目標EGR率REGRCMDに対するEGR率REGRの実際のずれに応じて、燃料噴射時期TINJを適切に補正することができる。
さらに、吸気補正量CAIRは、その基本値CAIRBASEに第1係数K1を乗算することによって算出され、EGR補正量CEGRは、その基本値CEGRBASEに第2係数K2を乗算することによって算出される。エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDが高いほど、第1係数K1はより小さな値に設定され、第2係数K2はより大きな値に設定される。したがって、このようなエンジン3の運転状態では、吸気量GAIRに応じた吸気補正量CAIRに対する、EGR率REGRに応じたEGR補正量CEGRの比率がより大きくなるように、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRがそれぞれ修正される。
これに対して、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDが低いほど、第1係数K1はより大きな値に設定され、第2係数K2はより小さな値に設定される。したがって、このようなエンジン3の運転状態では、吸気量GAIRに応じた吸気補正量CAIRに対する、EGR率REGRに応じたEGR補正量CEGRの比率がより小さくなるように、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRがそれぞれ修正される。
以上のように、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRを算出する際には、エンジン3の運転状態に応じて、筒内圧変化率の最大値dP/dθmaxの変化に及ぼす影響が大きいものの比率をより大きくするので、それに応じて算出された吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRによって、吸気およびEGRガスの影響度合いを反映させながら、燃料噴射時期TINJを効果的かつ適切に補正することができる。その結果、筒内圧変化率の過度な上昇を回避するなど、良好な燃焼状態を確保できることによって、燃焼音を抑制することができる。
さらに、目標着火遅れ期間IGLCMDと実着火遅れ期間IGLACTとの偏差に応じて吸気量GARIを補正するので、エアフローセンサ22の劣化度合いに応じて、補正後吸気量CGAIRを適切に算出することができる。また、目標燃焼期間STSCMDと実燃焼期間STSACTとの偏差に応じてEGR率REGRを補正するので、EGRクーラ13の劣化度合いに応じて、補正後EGR率CREGRを適切に算出することができる。そしてこれらの補正後吸気量CGAIRおよび補正後EGR率CREGRを用いて、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRを算出するので、さらに良好な燃焼状態を確保できる結果、燃焼音をより適切に抑制することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、目標吸気量GAIRCMDに対する吸気量GAIRの乖離度合いとして、両者の偏差DGAIRを用いているが、両者の比を用いてもよい。このことは、目標EGR率REGRCMDに対するEGR率REGRの乖離度合い、さらに目標着火遅れ期間IGLCMDに対する実着火遅れ期間IGLACTの乖離度合い、および目標燃焼期間STSCMDに対する実燃焼区間STSACTの乖離度合いについても同様である。
また、実施形態では、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRのそれぞれの比率を表す第1および第2係数K1,K2を、それぞれのマップを検索することによって設定しているが、これに限らず、例えば第1および第2係数K1,K2のいずれか一方をマップに応じて設定し、値1から設定した一方の値を減算することによって、他方を算出してもよい。
さらに、吸気補正量CAIRおよびEGR補正量CEGRを算出する際に、上記の第1および第2係数K1,K2を用いるのに代えて、第1係数K1と基本値CAIRBASEを乗算したもの、および第2係数K2と基本値CEGRBASEを乗算したものを、エンジンの運転状態に応じてあらかじめマップ化し、そのマップ値を用いてもよい。
また、実施形態では、第1および第2係数K1,K2を、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDの双方を用いて設定しているが、いずれか一方を用いて設定してもよい。この場合、エンジン3の要求トルクPMCMDに代えて、エンジンの負荷を表す他のパラメータ、例えば吸気量を用いてもよい。
さらに、実施形態では、EGR量を表すEGR量パラメータとして、EGR率REGRを用いているが、これに限らず、例えばEGR量を用いてもよい。その場合、EGR量は、EGRリフトセンサで検出されたEGRリフトに応じて推定してもよく、またEGR通路に設けられたEGR量センサによって直接、検出してもよい。
また、実施形態では、EGR装置10は、EGRガスを、吸気通路5を介して気筒3a内に還流させるものであるが、吸気通路を介さずに、気筒内に直接、還流させるものでもよい。さらに、実施形態では、エアフローセンサ22として、熱線式のものを用いているが、これに限らず、例えばカルマン式のものを用いてもよい。
さらに、実施形態では、着火状態パラメータとして、着火遅れ期間を用いているが、これに限らず、例えば着火時期を用いてもよい。また、実施形態では、吸気補正量CAIRの算出を、実際の吸気量GAIRをエアフローセンサ22の劣化度合いに応じて補正した補正後吸気量CAIRを用いて行っているが、この算出手法はこれに限らず、例えば、実際の吸気量を用いて算出した基本値を劣化度合いに応じて補正することによって、補正吸気量を算出してもよい。このことは、EGR補正量CEGRについても同様である。
また、実施形態は、本発明を車両に搭載されたディーゼルエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、ディーゼルエンジン以外のガソリンエンジンなどの各種のエンジンに適用してもよく、また、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 燃料噴射制御装置
2 ECU(回転数検出手段、吸気量目標値設定手段、第1補正量算出手段、EGR量 パラメータ取得手段、EGR量パラメータ目標値設定手段、第2補正量算 出手段、補正量修正手段、燃料噴射時期補正手段、筒内圧検出手段、着火 状態パラメータ算出手段、着火状態パラメータ目標値設定手段、燃焼期間 算出手段および燃焼期間目標値設定手段)
3 エンジン
3a 気筒
6 排気通路
10 EGR装置
13 EGRクーラ(冷却装置)
21 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
22 エアフローセンサ(吸気量検出手段)
23 EGRリフトセンサ(EGR量パラメータ取得手段)
24 クランク角センサ(回転数検出手段)
25 アクセル開度センサ(負荷検出手段)
GAIR 吸入量
NE エンジン回転数(内燃機関の回転数)
PMCMD 要求トルク(内燃機関の負荷)
PCYL 筒内圧
REGR EGR率(EGR量パラメータ)
TINJ 燃料噴射時期(燃料の噴射時期)
CAIR 吸気補正量(第1補正量)
CEGR EGR補正量(第2補正量)
GAIRCMD 目標吸気量(吸気量の目標値)
REGRCMD 目標EGR率(EGR量パラメータの目標値)
DGAIR 吸気偏差(吸気量の目標値に対する、検出された吸気量の乖離度合い)
DREGR EGR偏差(EGR量パラメータの目標値に対する、取得されたEGR
量パラメータの乖離度合い)
IGLCMD 目標着火遅れ期間(着火状態パラメータの目標値)
IGLACT 実着火遅れ期間(着火状態パラメータ)
STSCMD 目標燃焼期間(燃焼期間の目標値)
STSACT 実燃焼期間(燃焼期間)

Claims (3)

  1. 気筒内に燃料を噴射する内燃機関において、燃料の噴射時期を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記気筒内に吸入される吸気量を検出する吸気量検出手段と、
    前記吸気量の目標となる目標値を設定する吸気量目標値設定手段と、
    当該設定された吸気量の目標値に対する、前記検出された吸気量の乖離度合いに応じて、前記燃料の噴射時期を補正するための第1補正量を算出する第1補正量算出手段と、
    排気通路に排出された排ガスの一部をEGRガスとして前記気筒内に還流させるEGR装置と、
    当該EGR装置により前記気筒内に還流するEGRガスの量を表すEGR量パラメータを取得するEGR量パラメータ取得手段と、
    前記EGR量パラメータの目標となる目標値を設定するEGR量パラメータ目標値設定手段と、
    当該設定されたEGR量パラメータの目標値に対する、前記取得されたEGR量パラメータの乖離度合いに応じて、前記燃料の噴射時期を補正するための第2補正量を算出する第2補正量算出手段と、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と、
    当該検出された内燃機関の回転数および負荷の少なくとも一方が高いほど、前記第1補正量に対する前記第2補正量の比率がより大きくなるように、前記第1および第2補正量を修正する補正量修正手段と、
    当該修正された第1および第2補正量によって、前記燃料の噴射時期を補正する燃料噴射時期補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記補正量修正手段は、前記内燃機関の回転数および負荷の少なくとも一方が低いほど、前記第1補正量に対する前記第2補正量の比率がより小さくなるように、前記第1および第2補正量を修正することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記EGR装置は、前記EGRガスを冷却するための冷却装置を有し、
    前記気筒内の圧力を筒内圧として検出する筒内圧検出手段と、
    当該検出された筒内圧に応じて、着火状態を表す着火状態パラメータを算出する着火状態パラメータ算出手段と、
    前記着火状態パラメータの目標となる目標値を設定する着火状態パラメータ目標値設定手段と、をさらに備え、
    前記第1補正量算出手段は、前記吸気量の乖離度合いに加え、前記設定された着火状態パラメータの目標値に対する、前記算出された着火状態パラメータの乖離度合いに応じて、前記第1補正量を算出し、
    前記筒内圧に応じて、燃焼期間を算出する燃焼期間算出手段と、
    前記燃焼期間の目標となる目標値を設定する燃焼期間目標値設定手段と、をさらに備え、
    前記第2補正量算出手段は、前記EGR量パラメータの乖離度合いに加え、前記設定された燃焼期間の目標値に対する、前記算出された燃焼期間の乖離度合いに応じて、前記第2補正量を算出することを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012154196A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Toyota Motor Corp 内燃機関
JP2013130098A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Denso Corp 内燃機関の制御装置

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