JP2010270413A - 腰ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】バックルを備えた腰ベルトであって、負荷が大きな状態で使用しても、ベルトとバックルの固定箇所に損傷が少なく、また、ベルトの長さを調整しやすいものを提供する。
【解決手段】ベルト本体11に接着し一体化する裏革13に数個の掛け孔17を貫通して形成する。形成箇所はベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所とする。一方、バックル3のベルト2を固定する挟持片10に係合突起20を設け、挟持片10がベルト2を固定するとき係合突起20が裏革13の掛け孔17に係合する構造とする。掛け孔17は鳩目金具16により補強したり、裏革13に補強シート15を貼着したりするなどして補強する。
【選択図】図3

Description

本発明は、工事作業者、警察官、機動隊員などが腰回りに装着するベルトに関する。
工事作業者、警察官、機動隊員などが使用する腰ベルトは頑丈に作られているが、ベルトに吊り下げる道具の重量や体の大きな動きなどのためにバックルによる固定箇所に大きな負荷(引張り力)を受ける。また、体格にあわせて長さを調節できることが必要である。
図1に示す従来の腰ベルト1(特許文献1)は牛革など丈夫なベルト2に金属製のバックル3と尾錠金物5を備える。バックル3は表面板4の裏面右側に門形のガイド部6を、左側に挟持部7を備えている。ガイド部6はその先端側辺に2個のフック8を先端側へ突出して平行に備える。挟持部7は上下の軸支部9とその間に回動可能に軸支された挟持片10とからなる。挟持片10は、回動操作によってベルト2をバックル3の表面板4裏面との間で押圧し、その摩擦力でバックル3とベルト2を固定してある。挟持片10を固定位置から逆方向に回動するとベルト2の固定を解除できる。挟持部7の構造及び機能は周知である。尾錠金物5はベルトの後端部にカシメにより固定され、前記のフック8と係合できる(図2)。
この腰ベルト1は、ベルト2を腰にめぐらせ、尾錠金物5をバックル3のフック8に係合させて装着する。体格に応じたベルト長さの調整は挟持片10によるベルト2の固定を解除して調整する。
使用中、ベルト2に吊り下げた道具の重量や体の屈曲などでベルト2の長手方向に作用する引張り力はすべて挟持片10がベルト2を押圧している箇所に作用する。このため、この箇所のベルト表面は損傷しやすく、また、摩擦力が低下してすべりを生じるようになり、腰ベルト1を装着したときのフィット感が損なわれたり、すばやい行動が阻害されたりする。
特許文献2のウェストベルトは同種のベルトの固定に関して、挟着レバーの鋸歯状挟着縁で押圧状態とするだけでは、挟着力が低下してベルト主体がベルト挟着体から外れるようになる点に着目している。しかし、その解決手段は、ベルト主体の他端部に二個以上の掛止孔を幅方向に列設しておき、これをバックルの掛止突片に引掛ける構成である。
これにより、挟着レバーの鋸歯状挟着縁による挟着との協働でベルト主体の挟着連結を確実かつ長期に維持できるとしているが、この構造は、ベルト長さの調整が面倒で、掛止孔の形成を簡単に行えない。
実開平5−58010号公報 登録実用新案第3018848号公報
バックルを備えた腰ベルトであって、負荷が大きな状態で使用しても、ベルトとバックルの固定箇所に損傷が少なく、また、ベルトの長さを調整しやすいものを提供する。
ベルト本体に接着し一体化する裏革に数個の掛け孔を貫通して形成する。形成箇所はベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所とする。一方、バックルのベルトを固定する挟持片に係合突起を設け、挟持片がベルトを固定するとき係合突起が裏革の掛け孔に係合する構造とする。
掛け孔は鳩目金具により補強したり、裏革に補強シートを貼着したりするなどして補強することがある。
バックルにベルトを固定したとき、挟持片の係合突起が裏革の掛け孔と係合し、腰ベルト使用時の引張り力に抵抗するので、挟持片の摩擦による押圧固定箇所にすべりが生じにくく、固定箇所の損傷が防止される。その一方で、ベルトの長さ調整範囲にわたり掛け孔を複数としているので、体格に応じたベルトの調整を簡単に行える。
従来例の斜視図。 装着状態で示すバックル箇所の断面図(ハッチングを省略)。 腰ベルトの一部を示す斜視図(実施例)。 ベルトの長さ調整範囲を切り取り拡大して示す分解斜視図。 ベルトの長さ調整範囲の裏革を切り取り拡大して示す斜視図(裏面側)。 バックルの斜視図。 ベルトの固定操作を説明するための断面図(ハッチングを省略)。 バックルの平面図、操作段階〔イ〕〜〔ハ〕に対応している。
裏革に形成する掛け孔を鳩目金具による貫通孔とする。また、掛け孔形成箇所では補強シートを用い、掛け孔を補強する。さらに、挟持片によるベルト固定状態を強固なものとするために、挟持片が接するベルト面を摩擦抵抗の高い接触シートとする。挟持片に前記掛け孔に係合する係合突起を設ける。
図3は、本願の発明による腰ベルト1の先端側を示し、ベルト2とバックル3の固定箇所を示している。腰ベルト1の後端側は前記した従来のものと同じであり、同じ符号を用い、図と説明を省略する。
ベルト2は1200mmの長さと40mmの幅を有し、ベルト本体11に中芯12と裏革13を一体に接着してある(図4)。ベルト2の先端側であって、バックル固定箇所には裏革13の表面(ベルトの裏面側)に接触シート14を貼り付け、同裏面には強靭な補強シート15(図5)を縫い付けてある。バックル固定箇所はベルト2の裏面に生じるがその範囲は、体格に合わせてベルト2の長さ調整を行う際の範囲(約100mm)である。
ベルト本体11は牛多脂革(厚さ3.2mm)であり、ベルト2の幅と長さを決めている。
中芯12はナイロン6(厚さ約0.8mm)であって強靭なテープ状である。裏革13は合成皮革様の耐久力がある合成樹脂シート(厚さ約1.2mm)であり、ベルト2の幅と長さである。
接触シート14は、この実施例において表面に多数の小突起が面全体に形成された面ファスナー状のシートであり、ベルト2の幅にほぼ等しく、ベルトの長手方向に約130mmの長さを有し、前記の体格に合わせてベルトの長さを調整する範囲(100mm)の部分に重ねて貼り付けてある。
補強シート15はナイロン6(厚さ約0.5mm、幅約32mm)のテープ状で、ベルトの長手方向に約130mmの長さであって、裏革13を挟み前記接触シート14の中央部に重なる位置に縫着されている。
そして、体格に合わせてベルトの長さを調整する範囲において、ベルト2の長手方向に沿って幅方向の中央部に複数(5個)の鳩目金具16を貫通させて取り付け、掛け孔17を等間隔に形成してある。鳩目金具16は接触シート14、裏革13及び補強シート15の3枚を貫通し、これらを挟み込む格好で取付けられる。なお、裏革13は、鳩目金具16を取付けてからベルト本体11に接着し一体化される。
バックル3(図6)は、従来例と同様に表面板4の裏面であって右側に門形のガイド部6が、同左側に挟持部7が形成されている。ガイド部6の右辺にはフック8が形成され、また、挟持部7は、上下の軸支部9とこれに上下辺を軸支されて左右に回動(ベルト2の後端側から先端側へ、あるいはその逆への回動)が可能な挟持片10を備える。挟持片10は回動の軸線よりも下方となる押圧部18と上方の操作部19とが一体に形成されている。押圧部18はベルト2の幅方向に長く、左から右に回動されたとき先端縁が接触シート14を介してベルト2を裏面側から表面板4の方向へ強く押圧し、ベルト2をバックル3に固定する。固定状態は、押圧部18が軸線をわずかに左側へ越えた位置とされることで維持される。
そして、実施例の押圧部18(図6)では先端縁の幅方向中間箇所に二つの凹部を形成してその間を係合突起20に形成してある。二つの凹部は押圧部18の先端縁がベルト2を押圧するときに、前記鳩目金具16の表面に現れている環状壁を跨がせ、押し潰してしまわないようにするためのものである。
このため、挟持片10が固定方向に回動されると(図7)、当初(イ)の位置にあって、表面板4との間に間隔を持っていた係合突起20は、(ロ)のように操作部19が立ち上がるにつれてベルト2側に近接し、さらに、(ハ)のように操作部19を右方向の最終位置に移動させると、押圧部18が接触シート14を介してベルト2を押圧し、また、係合突起20が掛け孔17に入り込む。この結果、押圧部18の先端縁と接触シート14との摩擦係合と、掛け孔17と係合突起20との係合により、ベルト2の固定が完了する。この状態は前記のように押圧部18の先端縁が挟持片10の回動軸線を越えて左側に位置することにより維持される。
図8は係合突起20が掛け孔17と係合する状態を挟持片10の回動状態と共にバックル3の裏面側から見て平面的に示したものであり、図7における(イ)〜(ハ)の状態は図8の(イ)〜(ハ)と一致する。図8では、ベルト2が固定された状態での掛け孔17の位置を実線で示し、係合状態が完了するまでの状態を鎖線で示している。なお、押圧部18の係合突起20と掛け孔17の位置を合わせて固定操作を始めると、図8に破線で示すように、掛け孔17の位置によっては、係合が完了するまでに係合突起20の回動により、掛け孔17の位置がバックル3に対して左方向に少し移動させられることがある。
バックル3にベルト2を差し通し、体格に合わせてベルト2の長さを調整した後、挟持部7によってベルト2とバックル3を固定して腰ベルト1とする。腰ベルト1は、腰に廻らせ、後端をバックル3のフック8に係合することで装着できる。
この状態でベルト2に作用する引張り力(負荷)は、挟持部7の押圧部18によるベルト2との固定箇所に集中するが、固定箇所では接触シート14により摩擦抵抗が向上しており、また、係合突起20が掛け孔17に係合しているので、すべりを生じたり、緩んでしまったりすることがない。
体格が異なるなどベルトの長さを調整する必要があるときは挟持部7を操作し、掛け孔17を選択して固定しなおすことで簡単に調整することができる。なお、接触シート14はベルト2の裏面に目視できるので、バックル3を最初にベルトへ固定する際、選択すべき位置としての目安になる。
さらに、固定箇所の負荷が押圧部18と接触シート14間の摩擦による固定と係合突起20による固定とに分散されることと、固定箇所にすべりが生じないことからベルト2とバックル3との固定箇所の損傷が少なくなる。
以上、一つの実施例について説明した。
本願発明の技術的特徴として、裏革13に形成する掛け孔17を補強する必要があるが、補強材は接触シート14や補強シート15あるいは鳩目金具16以外の態様であってもよい。しかし、実施例の態様を利用することでより性能が良く、耐久性の高い腰ベルト1を得ることができる。その場合に、接触シート14や補強シート15の素材は耐久性のあるものであれば良い。
係合突起20と掛け孔17のベルト幅方向の数は必要に応じて増やすことができる。
掛け孔17のベルト長手方向の数やその間隔は必要に応じて増減することができる。
1 腰ベルト
2 ベルト
3 バックル
4 表面板
5 尾錠金物
6 ガイド部
7 挟持部
8 フック
9 軸支部
10 挟持片
11 ベルト本体
12 中芯
13 裏革
14 接触シート
15 補強シート
16 鳩目金具
17 掛け孔
18 押圧部
19 操作部
20 係合突起

Claims (4)

  1. ベルトとバックル及び尾錠金物を備え、ベルトに固定したバックルのフックにベルトの後端に固定した尾錠金物を引掛けて使用する腰ベルトであって、ベルトをベルト本体とこれに接着し一体化する裏革を備えたものとし、裏革のベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所に、数個の掛け孔を補強材と共に貫通して形成してあり、バックルは表面板との間でベルトを押圧することにより固定する挟持片を備え、挟持片に押圧時に前記掛け孔に係合する係合突起を備えていることを特徴とした腰ベルト。
  2. ベルトとバックル及び尾錠金物を備え、ベルトに固定したバックルのフックにベルトの後端に固定した尾錠金物を引掛けて使用する腰ベルトであって、ベルトをベルト本体とこれに接着し一体化する裏革を備えたものとし、裏革のベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所に、数個の掛け孔を鳩目金具により貫通して形成してあり、バックルは表面板との間でベルトを押圧することにより固定する挟持片を備え、挟持片に押圧時に前記掛け孔に係合する係合突起を備えていることを特徴とした腰ベルト。
  3. 裏革のベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所の表面に摩擦抵抗の高い素材からなる接触シートが貼着され裏革と接触シートを貫通して数個の掛け孔が鳩目金具により形成されていることを特徴とした請求項2に記載の腰ベルト。
  4. 裏革のベルトの長さ調整範囲にわたるバックル固定箇所の裏面に強靭な補強シートを取り付け、裏革と補強シートを貫通して数個の掛け孔が鳩目金具により形成されていることを特徴とした請求項2又は3に記載の腰ベルト。
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