JP2010268774A - 麦茶入り飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】麦茶入り飲料本来の風味を損なうことなく、容器詰め麦茶入り飲料における好ましくない後味を改善した嗜好性を十分に満足させる、容器詰め麦茶入り飲料を提供すること。
【解決手段】焙煎された大麦及び/又はハト麦の水抽出物(A)と、ハーブの水抽出物の粉末体(B)とを配合してなる、飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、焙煎された大麦及び/又はハト麦の水抽出物に、ハーブの水抽出物の粉末体を配合することにより、適度な焙煎香を有しながらも後味のキレと清涼感とを向上させた、嗜好性の高い飲料(麦茶入り飲料)に関する。
イネ科に属する大麦(Hordeum vulgare)やハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)の各子実の焙煎物の水抽出物が、麦茶、ハトムギ茶として、またこれらの混合物がブレンド茶として、古くより飲用されている(本明細書中、これらを総称して「麦茶入り飲料」と表記することもある)。これらの麦茶入り飲料(主に、麦茶)は、焙煎由来の香ばしい香りを有する飲料であり、カフェイン含量が少なく胃等への刺激が少ないこと、体温を下げる、血流を改善する等の生理効果を有することなどの理由から、日常的に、特に夏場において冷たくして飲用されている。
一方、近年のストレス社会において、リラックス作用、あるいはリフレッシュ作用をもたらすものとしてハーブティが注目されている。ハーブは独特の風味や香りを有することから、各種植物と混合して飲用に供されている。例えば、特定の明度に焙煎されたトウモトコシの子実と細砕ハーブ(ハーブ末)の混合物とからなるティーバッグ製品(特許文献1)、果実飲料、ハーブ飲料及びティー飲料からなる群から選択される成分と、担体成分とからなるインスタント・ティー製品(特許文献2)、水を溶媒、日本茶を溶質としてできた溶液と、水を溶媒、ハーブを溶質としてできた溶液を混ぜ合わせてできた溶液を溶媒として、花粉を添加した蜂蜜を希釈する、花粉症サプリメント・ドリンク(特許文献3)、ハーブを乾燥、粉砕して粉末化した粉末ハーブと、粉末果汁と粉末香料とを混合してなる、粉末ハーブティ(特許文献4)、果実成分と水性溶液で抽出したハーブエキスとを含む飲料(特許文献5)等が開示されている。また、レモングラスの葉及び茎部を粗切断して乾燥し、これをさらに細かくした乾燥物と、細断し乾燥された有用植物(ウコン)とを混合し、所定時間自然熟成させた後、焙煎して得られるハーブティが開示され、自然熟成してから焙煎することにより、ウコンなどきつい味の薬用植物の強い臭いや強い味がまろやかになること、レモングラスの味でウコンの苦味がまろやかになることが記載されている(特許文献6)。
特開平4−207178号公報 特開平10−165097号公報 特開2001−348339号公報 特開平11−178552号公報 特開平11−215973号公報 特開2002−51754号公報
日常的に飲用しやすい形態として、容器詰め飲料が普及している。容器詰め飲料は、長期間の保存を可能とするために、通常、加熱殺菌処理が行われるが、この加熱殺菌によって、麦茶入り飲料の好ましい焙煎香が変化或いは消失してしまうという問題があった。具体的には、加熱に伴う加熱臭や雑味が相俟って、焙煎由来の苦味が増強され、後味が悪くなるという課題があった。
また、長期に渡る保存中に大麦及び/又はハトムギに含まれる澱粉質由来のぬめりが発生することもあった。この解決には、焙煎を強くして澱粉質を分解したり、焙煎香によりぬめりをマスキングする方策が考えられていたが、この場合、加熱殺菌処理による焙煎香の変化が一層顕著となった。
本発明の課題は、麦茶入り飲料本来の風味を損なうことなく、容器詰め麦茶入り飲料における好ましくない後味(苦味、渋味、くせ)を改善した嗜好性を十分に満足させる、容器詰め麦茶入り飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、植物体のハーブから水抽出して得られるハーブエキスをスプレードライなどにより粉末化して得られるハーブの水抽出物の粉末体が、麦茶入り飲料本来の風味を損なわずに加熱殺菌処理に伴う麦茶入り飲料の好ましくない後味を改善する作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
1.焙煎された大麦及び/又はハト麦の水抽出物(A)と、ハーブの水抽出物の粉末体(B)とを配合してなる、飲料、
2.ハーブの水抽出物の粉末体(B)の割合が、飲料全体に対し0.003〜0.02重量%である、前記1に記載の飲料、
3.ハーブが、レモンバーム及び/又はハニーブッシュである、前記1又は2に記載の飲料、及び
4.容器詰め飲料である、前記1〜3のいずれかに記載の飲料。
本発明によると、麦茶入り飲料本来の適度な焙煎香を有しながらも、後味のすっきり感(後味又は後口のキレともいう)、清涼感を向上させた麦茶入り飲料、特に容器詰麦茶入り飲料が提供される。本発明の麦茶入り飲料は、カテキンやカフェインの含量が少ないので、胃等への刺激も少なく、容器詰め飲料の形態で日常的に摂取可能である。
(麦茶入り飲料)
本発明の麦茶入り飲料とは、大麦及び/又はハトムギの焙煎物を水で抽出して得られる飲料をいう。
麦茶入り飲料の原料として用いる大麦は、イネ科の植物である大麦(Hordeum vulgare)であればどのようなものであってもよく、例えば、二条オオムギ、六条オオムギ、裸麦等が挙げられる。また、ハトムギも、イネ科の植物であるハトムギ(Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)であればどのようなものであってもよい。
原料となる大麦及び/又はハトムギの焙煎が強すぎると、焙煎由来の香りや味(以下、焙煎香という)が強くなり過ぎて焦げ臭となり、本発明のハーブの水抽出物の粉末体による後味改善作用の効果が顕れない場合がある。したがって、大麦及び/又はハトムギは、色差計による明度(L値)が、25〜60程度、好ましくは30〜50程度となるような焙煎にするのがよい。焙煎手段は限定されず、例えば、熱風焙煎、ドラム焙煎、砂炒り焙煎、フクレ炒り焙煎、カラ炒り焙煎、アルファ化焙煎、炭火焙煎等、公知の手段を用いることができる。
本発明の大麦及び/又はハトムギの焙煎物の水抽出物(麦茶入り飲料)は、上記焙煎物に水を加えて抽出し、ろ液を回収することにより得られる。抽出溶媒となる水は飲用可能であればどのようなものでもよいが、水中にイオンが多量に溶解している場合、抽出効率が低下したり、ハーブ抽出物中の成分と反応して不溶解物を生じたり、色の変化が生じたりすることがあることから、純水やイオン交換水を用いるのが好ましい。
抽出条件は、抽出効率、所望する麦茶入り飲料の風味等により適宜設定すればよいが、通常、抽出溶媒量は上記焙煎物1重量部に対して5〜500重量部、好ましくは10〜50重量部であり、抽出溶媒の温度は60〜100℃、好ましくは80〜100℃程度である。抽出温度が高いと、焙煎物の香ばしい焙煎香を引き出すことができる。抽出時間は、3〜60分であり、焙煎物の香味成分を十分に溶出させ、かつ過剰なでんぷん質等の溶出を抑えることを目的とする場合には、好ましくは5〜30分程度である。抽出方法も限定されず、例えば浸漬(ニーダー抽出)法、散水(カラム抽出)法等を用いることができる。特に、カラム抽出は、大麦及び/又はハトムギの焙煎物由来の香ばしい焙煎香を引き出すことができ好適である。
(ハーブの水抽出物の粉末体)
本発明では、上記麦茶入り飲料に植物体であるハーブの水抽出物の粉末体を添加混合することにより、適度な焙煎香を有する麦茶入り飲料本来の風味を損なうことなく、後味を改善することができる。ハーブの水抽出物の粉末体は、次のように製造される。
原料となる植物体のハーブとしては、レモンバーム、ハニーブッシュ、カモマイル、ハイビスカス、レモンバーベナ、マロー、ラベンダー、ローズマリー、タイム、リンデン、セージ、ジュニパー、バジル、オールスパイス、ジャスミン、シナモン、ファンネル、ウスベニアオイ、マサイ、ローレル、チコリ、ステビア、ジュニパーベリー、ミント、ヒソップ、ダンデライオン、オレンジフラワー、コーンフラワー、アルファルファ、クローブ、エルダー、キャラウェイ、サンフラワー、スイートバイオレット、オレガノ、タンポポ、マジョラム、セイボリー、ターメリック、ローゼル、メドゥスイート、マーシュマロウ、マリーゴールド、ワイルドストロベリー、ヤロウ、オレンジブロッサム、ユーカリ、セルピルム、バニラビーンズ、オレンジピール、レモンピール、アップルピール、ゼラニウム、ギンコウ、ジンジャー、スターアニス、グアバ、エルダーフラワー、クローブ、ミモザ、ローズ、アロエベラ、サフラン、レモングラス、カルダモン、リコリス、セントジョンズワート、ネトル、ベルガモット、オレガノ、コリアンダー、クミン、アニス、ジャスミン、パッションフラワー、ガラナ、ジンセンなどが挙げられ、その部位は、飲用可能な葉、茎、花、実、根、皮、種などである。これらは単独でもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
ハーブの水抽出物が、麦茶入り飲料の後味を改善するメカニズムは明らかでないが、本発明者らは、ハーブ由来の水溶性ポリフェノールが有効成分の一つであると推測している。ポリフェノールは収斂味を有するものが多いが、ハーブ由来の水溶性ポリフェノール、特にロズマリン酸及び/又はマンギフェリンを多く含むハーブの水抽出物をスプレードライ、ベルトドライ又はフリーズドライ等により粉末化したものは、収斂味が少なく、ハーブ独特の香りも少なく、麦茶入り飲料自体の風味に影響を及ぼすことなく、本発明の目的とする麦茶入り飲料の後味改善に顕著な効果を示すので好ましい態様である。ハーブの水抽出物にロズマリン酸及び/又はマンギフェリンを多く含有するハーブとしては、レモンバーム、ハニーブッシュを挙げることができる。
ハーブの抽出物は、上記ハーブ(好ましくは、レモンバームの葉、ハニーブッシュの葉)を必要に応じて乾燥、細砕し、これに水性溶媒を加えて抽出し、ろ液を回収することにより得られる。抽出原料の乾燥は、水分含量が15%以下、好ましくは10%以下程度としておくのがよい。
抽出溶媒は、水、エタノール等のアルコール、又はこれらの混合物等、飲食品の製造に可能な溶媒であればいずれのものを用いてもよいが、エタノール等のアルコールを用いると、収斂味を有する成分やハーブ独特の香りも多く抽出されるため、麦茶入り飲料に添加した場合に麦茶入り飲料本来の風味に影響を及ぼすことがあることから、水を用いることが好ましい(本明細書中、水抽出物と表記することもある)。抽出溶媒となる水は飲用可能であればどのようなものでもよいが、水中にイオンが多量に溶解している場合、抽出効率が低下したり、ハーブ抽出物中の成分と反応して不溶解物を生じたり、色の変化が生じたりすることがあることから、純水やイオン交換水を用いるのが好ましい。
抽出条件は、用いる抽出原料(ハーブの種類)、抽出効率等により適宜設定すればよいが、通常、抽出溶媒量は、上記乾燥、細砕されたハーブ1重量部に対して3〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であり、抽出溶媒の温度は50〜100℃、好ましくは60〜100℃程度であり、抽出時間は5分〜5時間程度である。例えば、抽出原料としてレモンバームの葉を用いた場合、乾燥原料に対して20〜30重量部の水(55〜80℃、好ましくは60〜75℃)を用い、30分〜数時間程度じっくりと抽出(中温長時間抽出)を行うとロズマリン酸を多く含む抽出物(水溶性画分)を得ることができる。また、抽出原料としてハニーブッシュの葉を用いた場合、乾燥原料に対して5〜20重量部の水(85〜100℃、好ましくは90〜99℃)を用い、1〜5時間、好ましくは2〜4時間で抽出(高温短時間抽出)を行うとマンギフェリンを多く含む抽出物(水溶性画分)を得ることができる。これら抽出物は、ロズマリン酸及び/又はマンギフェリンが高濃度となるように膜処理、吸着剤処理等の分離・精製を適宜行ってもよい。
上記ハーブ水抽出物を、公知の乾燥方法、例えばスプレードライ、ベルトドライ、フリーズドライなどの方法で乾燥させて、本発明のハーブの水抽出物の粉末体(ハーブエキスパウダー)とする。粉末化には、デキストリンなどの粉末化媒体(担体成分)を用いてもよい。粉末化は、粒子径が60メッシュパス程度にするとよい。
(ハーブ抽出液含有麦茶入り飲料)
本発明の飲料は、上記焙煎された大麦及び/ハトムギの水抽出物(A)(麦茶入り飲料)に、上記ハーブの水抽出液の粉末体(B)を添加して製造される。麦茶入り飲料に対するハーブの水抽出液の粉末体(ハーブエキスパウダー)の割合は、用いるハーブの種類、所望する効果の大きさ等により適宜選択すればよいが、通常、ハーブ由来の固形分で、飲料全体の0.003〜0.02重量%、好ましくは0.004〜0.015重量%、より好ましくは0.005〜0.01重量%程度配合する。ここでハーブ由来の固形分とは、ハーブエキスパウダー添加後の飲料のBrix(°)とハーブエキスパウダー添加前の飲料のBrix(°)の差で表されるものであり、ハーブエキスパウダーがデキストリン等の担体成分を含む場合には、これらハーブ由来成分以外を除いたものである。すなわち、次式で表される値である。
添加量(ハーブ由来固形分)
={〔飲料のBrix(°)〕―〔ハーブエキスパウダーを除く飲料のBrix(°)〕}
×〔ハーブエキスパウダー中のハーブ成分の純度(%)/100〕
上記の通り、本発明の飲料は、ハーブ(特に、レモンバーム及び/又はハニーブッシュ)の水抽出液の粉末体(ハーブエキスパウダー)の添加により、焙煎された大麦及び/ハトムギの水抽出物、特に加熱殺菌処理された焙煎された大麦及び/ハトムギの水抽出物の香味(特に、好ましくない後味)を改善するものであるが、飲料中、カテキン及びカフェインが過剰に存在すると、ハーブエキスパウダーの効果を阻害したり、麦茶入り飲料の焙煎香と相俟って、好ましくない後味が増強されることがある。また麦茶入り飲料がもともと有する胃に負担がかからず飲みやすい、という特徴も失うこととなる。したがって、飲料中にカテキンやカフェインが存在する場合には、それら濃度が100ppm以下、好ましくは90ppm以下となるように調整するのが好ましい。例えば、本発明の麦茶入り飲料に緑茶の有するコク(濃厚感)を付与する目的で緑茶抽出物を配合する場合には、PVPP処理等の公知のカテキンやカフェインを除く処理を行ったものが好適に用いられる。
本発明の飲料には、上記成分の他、通常飲料に添加される成分、好ましくはブレンド茶に配合されるような成分を添加してもよい。このような成分としては、玄米、発芽大麦、ハブ茶、ゴマ等の穀類抽出物、クコの実、ナツメ、バンザクロの実、ローズヒップ、サンザシ等の実の抽出物、茶類、クコの葉、カワラケツメイ、桑の葉、ドクダミ、スイカズラ、クマザサ、アマチャヅル、杜仲葉、柿の葉、グァバ葉、大麦若葉、月見草、ビワの葉、チコリ等の葉抽出物、甘草、タンポポの根、サツマイモ、高麗人参等の根抽出物、カモミール等の花抽出物、昆布等の海草抽出物、コフキサルノコシカケ、シイタケ、霊芝等の茸類抽出物等を挙げることができる。これら成分は、その原料を大麦及び/又はハトムギの焙煎物と混合して一緒に抽出処理に供してもよいし、それぞれの抽出物を混合して用いてもよい。大麦及び/又はハトムギの焙煎物と上記成分の原料を一緒に抽出する場合、その抽出原料の混合割合は、大麦及び/又はハトムギの焙煎物1重量部に対し、その他成分の総量が0〜4.5重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部程度であると、香味的に好ましい飲料となる。
本発明の麦茶入り飲料は、加熱殺菌における好ましくない後味を有意に改善するものである。容器詰め飲料は、上記の麦茶入り飲料にハーブエキスパウダーを加えて調製された調合液を、加熱殺菌処理して得られる。加熱殺菌処理は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば缶飲料とする場合には、上記調合液を缶に所定量充填し、レトルト殺菌(例えば、121℃、7分)を行い、ペットボトルや紙パック、瓶飲料とする場合には、例えば100〜150℃で1〜数分保持するUHT殺菌等を行う。
このようにして得られるハーブ抽出液含有麦茶入り飲料は、ハーブ抽出液や緑茶抽出液の苦みやクセのある香味を感じない、すなわち麦茶入り飲料本来の好ましい焙煎の風香味を損なうことなく、一方で後口の悪さとなる過度な焙煎香を抑制し、飲用時に後にひく苦味、渋味、加熱臭等のくせのある味を低減するので、すっきり感(清涼感)と喉越しの改善された麦茶入り飲料となる。さらに、風味を改善するだけでなく、麦茶入り飲料にコクも付与される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例(I)(ハーブエキスパウダー含有麦茶入り飲料)
焙煎された大麦及び/又はハトムギの水抽出物として、市販の麦茶入り飲料(商品名:爽健美茶(登録商標))を用いた。ハーブエキスパウダーには、以下の3種類を用い、添加料が表1の処方となるように混合し、溶解させた。ここで、表1に示す添加量とは、次式で示される値でハーブ由来の固形分として表される値である。
添加量(ハーブ由来固形分)
={〔飲料のBrix(°)〕―〔ハーブエキスパウダーを除く飲料のBrix(°)〕}
×〔ハーブエキスパウダー中のハーブ成分の純度(%)/100〕
対照として、ハーブエキスパウダーが無添加の前記市販の麦茶入り飲料(商品名:爽健美茶(登録商標))を使用した。これらの麦茶入り飲料について、評価項目1:ハーブ特有の香り又は好ましくない香りの強さ、項目2:喉で感じる清涼感(喉越しの良さ)、項目3:口中で感じるすっきり感(後口のキレ)、及び、項目4:胃に対する負担、について、対照と比較した5段階(1:対照と同程度、2:対照よりやや感じる、3:対照より感じる、4:対照よりやや強く感じる、5:対照より強烈に感じる)で評価した。
(A1)レモンバーム
市販のレモンバームエキスパウダー(商品名:Plantalin レモンバーム、コグニス ジャパン社)を用いた。この粉末体は、デキストリン50%を含有し(すなわち、ハーブ成分の純度50%)、60メッシュパスが80〜100%の粒子径を持つものであり、ロズマリン酸が2%w/w含まれていた。
(B1)ハニーブッシュ
市販のハニーブッシュエキスパウダー(商品名:Plantalin ハニーブッシュ、コグニス ジャパン社)を用いた。この粉末体は、デキストリン50%を含有し(すなわち、ハーブ成分の純度50%)、60メッシュパスが80〜100%の粒子径を持つものであり、マンギフェリンが1.5%w/w含まれていた。
(C1)ルイボス
市販のルイボスエキスパウダー(商品名:Plantalin ルイボス、コグニス ジャパン社)を用いた。この粉末体は、デキストリン50%を含有し(すなわち、ハーブ成分の純度50%)、60メッシュパスが80〜100%の粒子径を持つものであった。
比較例(ハーブエキス含有麦茶入り飲料)
実施例1と同様に、市販の麦茶入り飲料(商品名:爽健美茶(登録商標))を用い、これに以下の4種類のハーブ抽出液を表1の処方となるように添加して、4種類の麦茶入り飲料を得、実施例1と同様に対照と比較して評価した。なお、表1の添加量は、以下の式で表されるハーブ由来の固形分の値である。
添加量(ハーブ由来固形分)
={〔飲料のBrix(°)〕―〔ハーブエキスを除く飲料のBrix(°)〕}
(A2)レモンバーム抽出液
レモンバームエキスパウダー(A1)の製造に用いたレモンバームの葉(水分含量10%未満)をコグニス ジャパン社より入手し、抽出原料とした。この抽出原料に30倍量の水(100℃)を加えて5分間抽出した後、ろ液を回収し、レモンバーム抽出液とした。
(B2)ハニーブッシュ
ハニーブッシュエキスパウダー(B1)の製造に用いたハニーブッシュの葉(水分含量10%未満)をコグニス ジャパン社より入手し、抽出原料とした。この抽出原料に6倍量の水(100℃)を加えて5分間抽出した後、ろ液を回収し、ハニーブッシュ抽出液とした。
(C2)ルイボス
抽出原料として、ティーバッグタイプの市販のルイボスの葉(Kirin well Foods社)を用いた。ティーバッグに、6倍量の水(100℃)を加えて5分間抽出し、ルイボス抽出液とした。
(D2)ペパーミント
抽出原料として、市販のペパーミントの葉を用いた。抽出原料に30倍量の水(100℃)を加えて5分間抽出した後、ろ液を回収し、ペパーミント抽出液とした。
結果を表1に示す。表1より明らかなとおり、ハーブエキス(ハーブの水抽出液)を添加すると、ハーブ特有の香りが強くなり、添加前の麦茶入り飲料の香味に影響を及ぼすが、ハーブエキスパウダーを添加した場合には、ハーブ特有の香りがほとんど感じられず、麦茶入り飲料の香味に影響を及ぼさないことがわかった。驚くべきことに、レモンバームを用いた場合には、麦茶入り飲料に存在した独特のネガティブな香りをも低減した。
また、喉で感じる清涼感、喉越しや、口中で感じるすっきり感、後味(後口)のキレは、ハーブエキス、ハーブエキスパウダーの添加ともに向上した。さらに、胃に対する負担(飲用時の胃への刺激感)はハーブエキスの添加ではわずかながら強くなったが、ハーブエキスパウダーの場合には認められなかった。
以上より、ハーブエキスを添加すると、清涼感、すっきり感は感じられるものの、ネガティブな香りや胃への負担などを高めてしまうが、ハーブエキスパウダーを添加すると、清涼感、すっきり感を増強しながら、ネガティブな香りは増強することなく(場合により低減し)、胃への負担も高めないので、飲みやすい(嗜好性が高い)飲料となることが示唆された。
Figure 2010268774
実施例(II)
実施例(I)における対照、並びに実施例4及び8の麦茶入り飲料を容器(缶)に充填し、130℃、1分程度の加熱殺菌処理を行った。加熱殺菌処理前後での風味変化を確認したが、ハーブエキスパウダーが添加された実施例4及び8では、明らかに加熱殺菌処理前後での風味変化が少なく、ハーブ抽出液含有麦茶入り飲料のすっきり感、特に後味のすっきり感(キレの良さ)と、喉越しに優れた飲料であった。

Claims (4)

  1. 焙煎された大麦及び/又はハト麦の水抽出物(A)と、ハーブの水抽出物の粉末体(B)とを配合してなる、飲料。
  2. ハーブの水抽出物の粉末体(B)の割合が、飲料全体に対し0.003〜0.02重量%である、請求項1に記載の飲料。
  3. ハーブが、レモンバーム及び/又はハニーブッシュである、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 容器詰め飲料である、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
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