JP2004359550A - つわり緩和性混合ハーブおよびハーブティー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のつわり緩和性混合ハーブおよびハーブティーは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブが、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されていることを特徴としている。
【効果】本発明のつわり緩和性混合ハーブから得られるハーブティーは、感性が鋭敏になっているつわり期の妊婦に忌避されにくく、つわり期の妊婦のおう吐感を低減し、妊婦の水分摂取を容易にするなど、つわり症状を軽減することができる。
【選択図】 なし
【効果】本発明のつわり緩和性混合ハーブから得られるハーブティーは、感性が鋭敏になっているつわり期の妊婦に忌避されにくく、つわり期の妊婦のおう吐感を低減し、妊婦の水分摂取を容易にするなど、つわり症状を軽減することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、つわりを緩和することができる混合ハーブおよび混合ハーブより抽出されたハーブティーに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
妊娠初期のつわりの時期には、嗜好が著しく変化し、吐き気などが激しく、食欲が減退するのは勿論、水分の摂取すらも満足にできなくなることがある。このようなつわりの時期に特に問題になるのが脱水状態である。すなわち、つわりの時期には嗜好感が著しく変化することにより、食欲が減退し、さらには充分な水分補給もできず、さらにおう吐などを繰り返すために、水分摂取量が不充分になることが多く、一般につわりの時期には、妊婦は脱水状態になりやすいといわれている。
【0003】
このようなつわりを緩和するために古くからジンジャーが有効であるとされており、乾燥ジンジャーを煎じた液が飲用されている。ところが、このような乾燥ジンジャーは刺激が強すぎて、つわり期の妊婦の胃痛を逆に誘発することがある。また、制吐作用のあるハーブとしてペパーミントが知られているが、このペパーミントも乾燥ジンジャーと同様に妊婦に多量に使用すると、逆に胃痛やおう吐等を誘発することがある。
【0004】
このように妊娠初期のつわりの時期には、臭覚、味覚などが非常に鋭敏になると共に、嗜好の著しい変化もあって、このつわり時期におう吐感等を抑制し、妊婦が充分な水分を摂取してつわり症状を緩和するために好適なハーブを調製することは大変難しい。すなわち、ハーブは、それぞれが個性的な味、および、香りを有しており、通常の状態においては、胃のむかつきおよびおう吐感等を抑制することができるハーブであっても、つわり期における様々な嗜好の変化に対応することができないことが多く、つわり期特有の胃のむかつき、おう吐感等を緩和することができ、妊婦に充分な量の水分を摂取させることが可能なようにハーブを調合することは非常に難しい。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、妊娠初期におけるつわりの時期に飲用することにより、おう吐感等を抑制し、充分に水分を摂取することが可能なハーブティーを調製できる混合ハーブおよび混合ハーブより抽出されたハーブティーを提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブを、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明のハーブティーは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブが、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されているつわり緩和性混合ハーブより抽出されたことを特徴としている。
【0008】
つわり症状の緩和に乾燥ジンジャーあるいはペパーミントが使用され、これらはつわり症状の緩和に有効であることが知られているが、これらは刺激が強すぎて、臭気、味覚などに対する感性が高くなっている妊娠初期のつわり期の女性は、こうした強い刺激によって、これらを忌避することが多い。したがって、つわり症状の緩和に乾燥ジンジャーあるいはペパーミントが有効であると知りながらも、これらを摂取できない妊婦が多い。
【0009】
本発明のつわり緩和性ハーブは、このようなつわり症状の緩和に有効であるハーブとしてペパーミントやペパーミントに類似するミントを使用すると共に、ペパーミントの強い刺激を和らげて感性が鋭くなっているつわり期の妊婦に忌避されにくくしたものである。本発明の混合ハーブから得られるハーブティーを摂取することにより、つわり期の胃のむかつきおよびおう吐感等を抑えることができ、さらにつわり期の妊婦に不足しがちな水分を充分に摂取することができる。
【0010】
ペパーミントが制吐作用があることは知られているが、制吐作用の強いペパーミントを単独で使用すると、このペパーミントの強いミント臭がかえっておう吐感やそれに伴う食欲不振を誘発することがある。
【0011】
本発明者は、ミント系のハーブについて詳細に検討したところ、ミント系のハーブには、早期にミント臭を感ずるが、長時間はミント臭が維持されないタイプのミントハーブ(早感性ミント)と、飲用した直後はそれほど強いミント臭を感じないが、時間の経過と共に口腔内にミント臭が広がり、しかもそのミント臭が比較的長時間にわたって残存するタイプのミントハーブ(遅感性ミント)とがあることがわかった。ペパーミントは遅感性ミントであり、遅感性ミントの方がより強い刺激を残す。
【0012】
ペパーミントのような遅感性ミントは単独で使用したハーブティーを飲用すると、刺激が強く、口腔内にしつこいいがらっぽさが残り、所謂「えぐい」感じになってしまうが、この遅感性ミントをスペアミントのような早感性ミントと共に使用することにより、この早感性ミントが刺激の強い遅感性ミントの導入を容易にすることができることがわかった。すなわち、このような早感性ミントと遅感性ミントとを同時に摂取すると、最初に早感性ミントのミント香が口腔内に広がり、次いで、この早感性ミントのミント香が順次遅感性ミントのミント香に置き換わり、このように遅感性ミントの導入初期に早感性ミントを使用することにより、本来強い刺激を有するペパーミントを、強い刺激を与えずに導入することができる。このような早感性ミントと遅感性ミントとを同時に使用する場合、忌避感を生ずることなく遅感性ミントを使用するためには、早感性ミントを遅感性ミントよりも多量に使用することが必要である。
【0013】
さらに、このように二種類のミントを特定の割合で配合したハーブティーは、酸味のあるハーブ味を付加することによって味と香りとのバランスがよく、さらに単純な酸味ではなく、わずかに甘みがある深みのある酸味とすることが好適である。また、つわり期にある妊婦は、色に関する感性も非常に敏感になり、統計的にみて、種々の色の中でも「完熟トマトのような深い赤色」に対しては、多くの妊婦が忌避感を示さないことがわかった。
【0014】
本発明において酸味ハーブとして好適に使用される例えばハイビスカスフラワーの有する酸味は、複合されたミント香を際立たすことができると共に、ハイビスカスフラワーの酸味と複合されたミント香とが一体化して非常に心地よい清涼感を与える。さらに、本発明の混合ハーブに代謝促進性ハーブとして好適に使用される例えばクランベリーは、その控え目な甘味が酸味ハーブであるハイビスカスフラワーの酸味に深みを与える。さらに、例えばハイビスカスフラワーを用いることにより、得られるハーブティーが、透明でありながら深い赤色を呈し、視覚的にもこのハーブティーはつわり期の妊婦に忌避されにくくなる。
【0015】
さらに、このように透明な深い赤色を有し、複雑にミント香が複合され、深みのある酸味を有するハーブティーは、香り、味、色のバランスがよく、つわり期の妊婦によって忌避されることはほとんどなく、ほとんどの妊婦が好む香り、味、色のバランスを有している。そして、このハーブティーを摂取することにより、おう吐感等が緩和されると共に、むかつき感が解消し、さらに、このハーブティーは、精神的な沈静感をも与える。また、各ミントや酸味ハーブによってすっきりとした風味とされて、つわりの時期に特有の口腔内のべたつきも解消することができ、結果的に水分を摂取することとなる。
【0016】
したがって、本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーを用いることにより、おう吐感等を抑え、胃痛あるいは胃のむかつきを緩和して、水分の摂取を容易にすることが可能になると共に、水分代謝、消化代謝などの代謝機能の停滞を解消することができるので、つわり期における諸症状を低減し、つわり期における不快感および体調不良などを改善することができる。
【0017】
【発明の具体的説明】
次に本発明のつわり緩和性混合ハーブおよびハーブティーについて具体的に説明する。
【0018】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、少なくとも二種類のミント系のハーブが特定の割合で配合されている。
【0019】
この二種類のミント系ハーブには、早感性ミントと、遅感性ミントとがある。
【0020】
早感性ミントは、ミントとしての清涼感はそれほど強くはないが、ミントの香りが、比較的早期に発現し、そのミントの香りはそれほど長続きはしない。このような早感性ミントとしては、たとえば、スペアミント(Mentha spicata L.)、アップルミント(Mentha suaveolens/Mentha routundifolia) 、パイナップルミント(Mentha suaveolens var. variegata)、グレープフルーツミント(Mentha suaveolens x piperita)、ジンジャーミント(Mentha gentilis)、スコッチスペアミント(Mentha gentilis var. parviflora) 、カーリーミント(Mentha spicata var. crispa(crispii))、イングリッシュミント(Mentha spicata van)、ベストミント(Mentha spicata cv. ’The Best Mint’)およびスコッチミント(Mentha spicata cv. ’Scotch Mint’)を挙げることができる。これらの早感性ミントは単独であるいは組み合わせて使用することができる、これらの早感性ミントとしてはスペアミント、アップルミント、パイナップルミント、グレープフルーツミント、カーリーミント、イングリッシュミント、ベストミント、スコッチミントが好ましく、特にスペアミントが最も好適に使用することができる。このスペアミントはミドリハッカやオランダハッカとも呼ばれており、清涼感を有しつつ、胃痛の緩和に有効でもあり、遅感性ミントと組み合わせて使用することで、飲みやすいだけでなく、つわりの緩和においても有効である。本発明で早感性ミントとして、スペアミントを使用する場合、スペアミントは、混合ハーブ100重量%中に、通常は40重量%以上、好ましくは40〜80重量%の範囲内の量、特に好ましくは40〜70重量%の範囲内の量で使用される。
【0021】
遅感性ミントは、比較的強いミントの香りを有するミントであるが、早感性ミントよりも遅く利き始め、さらにこの遅感性ミントの比較的強いミントの香りは、早感性ミントよりも長期間継続する。このような遅感性ミントとしては、たとえば、ペパーミント(Mentha piperita var. vulgaris)、ホワイトペパーミント(Mentha x piperita var offisinalis) 、ブラックペパーミント(Mentha x piperita var. piperita)、カールドミント(Mentha x piperita var. crispa(crispii)、オーデコロンミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Eau de Cologne’)、レモンミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lemon’)、オレンジミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Orange’)、ライムミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lime’)、キャンディーミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Candy’)、チョコレートミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Chocolate’)、ラベンダーミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lavender’)、コーンミント(Mentha arvensis)、ジャパニーズミント(Mentha arvensis var. piperascens)、ハッカ(Mentha arvensis var. piperascens cv. ’HOKUTO’)、中国ミント(Mentha arvensis var. glabrata)およびクールミント(Mentha arvensis var. agrestis))を挙げることができる。これらの遅感性ミントは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0022】
これらの遅感性ミントとしてはペパーミント、ホワイトペパーミント、ブラックペパーミント、カールドミント、オーデコロンミント、レモンミント、オレンジミント、ライムミント、キャンディーミント、チョコレートミント、ラベンダーが好ましく、特にペパーミントが最も好適に使用することができる。このペパーミントは西洋ハッカとも呼ばれており、胃腸の調整機能を有するため、制吐作用があり、つわり期におけるおう吐感を抑制し、このような効果を有するハーブティーを飲用することによってつわり期における妊婦の脱水状態を緩和することができる。しかしながら、ペパーミントは、刺激の強いミントであり、多量に配合すると、このペパーミントの香りが、表在化して感性が鋭敏化しているつわり期の妊婦に忌避されやすくなる。したがって、本発明では遅感性ミントとしてペパーミントを使用する場合には、このペパーミントは、混合ハーブ100重量%中に通常は20重量%未満の量で使用され、好ましくは1〜15重量%の範囲内の量、特に好ましく2〜10重量%の範囲内の量で使用される。
【0023】
本発明において使用される遅感性ミントは、早感性ミントよりも刺激が強い。そこで、本発明の混合ハーブにおいては、早感性ミントを遅感性ミントよりも多量に使用する。特に本発明のつわり緩和性ハーブにおいては、遅感性ミントを、通常は、早感性ミントに対して1/2以下の量、好ましくは1/7〜1/3の範囲内の量で使用する。このような量で遅感性ミントおよび早感性ミントを使用することにより、刺激の強い遅感性ミントの特性が表在化しにくく、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーにおいては、最初に、非常にかるいミントの香りである早感性ミントが表在化し、このハーブティーを飲むにしたがって次第に、少量配合された刺激の強い遅感性ミントが、ミント全体のバックボーンのように効き始める。そして、本発明の混合ハーブ中にペパーミントなどの遅感性ミントが使用されているにもかかわらず、ペパーミントなどの遅感性ミントに特有の所謂「えぐい」感じのミント臭は、表れにくく、非常にかるいミント香から力強いミント香に移行し、全体として均一の取れた清涼感が発現する。
【0024】
本発明の混合ミントにおいて、上記のような早感性ミントおよび遅感性ミントは、混合ハーブ100重量%中に、通常は1/3以上の量(33.3重量%以上の量)、好ましくは40〜85重量%の範囲内の量、特に好ましくは45〜75重量%の範囲内の量で使用される。
【0025】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、酸味ハーブが含有されている。本発明で使用される酸味ハーブとしては、たとえば、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)、ローズヒップ(Rosa canina L.)、ウメ (Prunus mume(Sieb.)Sieb. Et Zucc.)、レモン (Citrus limon (L.) N. L. Burm.)、ビターオレンジ (Citrus aurantium L.)、ベルガモットオレンジ (Citrus bergamia Risso & Point.)、マンダリンライム(Citrus limnia Osbeck.)、マンダリンオレンジ (Citrus reticulata Bianco.)、ラズベリー (Rubus fruticosus L. /Rubus idaeus L./Rubus strigosus Michx.)およびアプリコット(Prunus armeniaca L.)を挙げることができる。これらの酸味ハーブは単独であるいは組み合わせて使用することができる。この時、ウメは果実が、レモン、ビターオレンジ、ベルガモットオレンジ、マンダリンライム、マンダリンオレンジは皮か果実が、ラズベリー、アプリコットは果実をそれぞれ使用することが好ましい。このような酸味ハーブは、単独であるいは組み合わせて使用することができる。特に本発明では酸味ハーブとして、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を使用することが好ましく、その中でも特にハイビスカスフラワーのガクを使用することが好ましい。このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)は、ローゼル カルカーデとも呼ばれ、非常に心地よい酸味を有すると共に、ハーブティーを透明な深い赤色にすることができる。前述のようにつわり期の妊婦は、味覚、臭覚などの感覚が非常に鋭くなることが知られており、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)の有する酸味は、忌避されにくい。また、つわり期の妊婦は、味覚、臭覚だけでなく、食物の色に対しても忌避感が表れる。そして、食物のさまざまな色の中で、完熟トマトの赤のような深い赤色は、つわり期の妊婦によって最も忌避されにくい色であり、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を用いることにより、得られるハーブティーが透明でありながらも深い赤色になり、ハーブティーが色によって忌避されるということがほとんどなくなる。さらに、他の色のハーブティーと比較してみると、このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を用いることにより得られる透明な深い赤色が、つわり期の妊婦に最も好まれる。さらに、このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を配合することにより、体内の水分停滞を改善し、消化機能の停滞等を緩和させることができる。
【0026】
本発明のつわり緩和性混合ハーブにおいて、上記の酸味ハーブは、混合ハーブ全量の2/3以下の量(66.7重量%以下の量)、好ましくは15〜60重量%の範囲内の量、特に好ましくは25〜55重量%の範囲内の量で含有されている。このような量で酸味ハーブを使用することにより、早感性ミントおよび遅感性ミントによって奏される清涼感とこの酸性ハーブの酸味とが一体化して、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーに爽快感を与える。
【0027】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、水分の補給を効果的に行うことができるよう、代謝促進性ハーブを配合することが好ましい。このような代謝促進性ハーブとしては、たとえば、クランベリー(Cranberry fruits)、フェンネル(Foeniculum vulgare Mill.)、ダンディライオン(Taraxacum officinale G. H. Weber ex Wigg.)およびルイボス(Aspalathus linearis L.)を挙げることができる。これらの代謝促進性ハーブは単独であるいは組み合わせて使用することができる。特に本発明では、酸味ハーブの酸味との相性からほのかな甘さのあるハーブが好ましく、このような代謝促進性ハーブとしてクランベリーを使用することが好ましい。このクランベリーはツルコケモモとも呼ばれ果実を使用しており、特にハイビスカスフラワーの有する特有の酸味との相性がよく、ハイビスカスフラワーの酸味を損なうことなく、このハイビスカスフラワーと、早感性ミントおよび遅感性ミントとによって奏される清涼感に深みを与えるよことができる。
【0028】
このような代謝促進性ハーブは、本発明の混合ハーブ100重量%中に通常は20重量%以下の量で使用され、好ましくは1〜15重量%の範囲内の量、特に好ましく2〜10重量%の範囲内の量で使用される。このような量で代謝促進性ハーブ、特にグランベリーを配合することにより、この混合ハーブから得られるハーブティーの味の幅を広げることができ、しかも、この代謝促進性ハーブの添加による味の幅の広がりによってこのハーブティーが、つわり期の妊婦に忌避されるといった事態は生じにくくなる。さらに、このような代謝促進性ハーブの配合により、つわり期の妊婦の代謝機能の向上を期待できる。
【0029】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、上記のように早感性ミント、遅感性ミント、酸味ハーブおよび必要により代謝促進性ハーブが含有されているが、本発明の混合ハーブの目的を損なわない範囲で他のハーブが含有されていてもよい。ただし、本発明のつわり緩和性混合ハーブは、妊婦および胎児への影響がないものとする必要があるだけでなく、得られるハーブティーがつわり期の妊婦によって忌避されにくいものである必要があり、味覚、臭気、さらにはハーブティーの色などについて特別の注意が必要である。このため本発明の混合ハーブに配合される他のハーブの量は通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量にする。
【0030】
本発明のつわり緩和性混合ハーブに配合することができる他のハーブの例としては、ラズベリー(葉) (Rubus fruticosus L. /Rubus idaeus L./Rubus strigosus Michx.)、レモンバーム(Melissa officinalis L.)、パッションフラワー(Passiflora incarnata L. )、リンデン(Tilia x europaea L./ Tilia platyphyllos scop.)、マリーゴールド(Calendula officinalis L.)、ネトル(Urtica dioica)、スカルキャップ(Scutellaria laterriflora)、バードック(Arctium lappa)、エルダー(Sambucus nigra)、エキナセア(Urtica dioica)、ラベンダー(Lavandula officinalis)、ジンジャー(Zingiber officinale Roscoe. )および茶(Camellia sinensis(L.) Kuntze)を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0031】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブと、必要により代謝促進性ハーブと、さらに必要により他のハーブを混合することにより製造することができる。
【0032】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、そのまま使用することもできるが、濾紙に梱包してティーバックとして使用することが好ましい。本発明のつわり緩和性混合ハーブをティーバックとして使用する場合、ひとつのティーバックに包装されるつわり緩和性混合ハーブの量は、通常は0.5〜5g、好ましくは1〜3gである。
【0033】
本発明のつわり緩和性混合ハーブを、たとえばティーバック(例;混合ハーブ:1.5g含有)として使用する場合、このティーバックと、沸騰した湯;150〜250mlとをポットに入れ、通常は2〜10分間、好ましくは3〜5分間、ゆっくり振盪させながら放置することにより、ハーブの成分が好適に溶出される。本発明のつわり緩和性混合ハーブは、妊婦に害を及ぼす成分は含有されていないので、この混合ハーブから得られるハーブティーの摂取量に特に制限はなく、好みにより摂取することができる。本発明の混合ハーブから得られるハーブティーは、つわり期の妊婦に好適であるが、一般の人々が摂取してもよいことは勿論である。また、ティーバックとしてではなく、この混合ハーブより抽出したハーブティーを缶や瓶、PETボトル等の容器に密封したものとしても良く、この場合、その他にアスコルビン酸等を加え、安定性を高めたものとすることが好ましい。
【0034】
本発明の混合ハーブは、早感性ミントおよび遅感性ミントの二種類のミントを含有し、さらに酸味ハーブとして好適にはハイビスカスフラワーを用いることにより、さわやかなミントの香りを有する酸味のある透明な深い赤色のハーブティーが得られる。さらに、代謝促進性ハーブとして、クランベリーを配合することにより、酸味の中にほのかに甘みのある深い味になる。このようなハーブティーは、香り、味覚、色が、つわり期の妊婦によって忌避されにくく、さらに、つわり期の妊婦に非常に受けいれられやすい香り、味覚、色を有している。そして、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーは、各成分が相乗的に作用して、胃痛あるいは胃のむかつきを抑制すると共に、おう吐感を沈静し、さらに体内の水分停滞、消化機能の停滞を緩和するとともに、新陳代謝機能が増進されて、水分を吸収しやすくする。特に本発明の混合ハーブから得られるハーブティーは、香り、味覚、色がつわり期の妊婦に水よりも忌避されにくいので、つわり期の妊婦の水分補給に好適である。
【0035】
さらに、この混合ハーブから得られるハーブティーは、精神的な沈静作用も有しており、マタニティーブルーのように、とかく不安定になりがちなつわり期における精神状態を安定させることも可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーには、スペアミントに代表される早感性ミントと、ペパーミントに代表される遅感性ミントとを特定の比率で組み合わせて配合されている。このように組み合わせることにより、ペパーミントに代表される遅感性ミントの刺激の強いミント香を感ずる前に、スペアミントに代表される早感性ミントを香りたたせることができ、初期には、早感性ミントによる非常にかるいミントの香りによって刺激を緩和しつつ、飲用するにつれて、強いミントの香りが長く続く遅感性ミントの香りに移行させることができる。すなわち、非常にやわかいスペアミントのミントの香りから持続性のあるペパーミントのミントにその清涼感を移行させることができる。そして、本発明のハーブに含有されている酸味ハーブの酸味が、上記のような複数のミントによる清涼感と融合する。さらに、代謝促進性ハーブであるクランベリーのほのかな甘味が酸味ハーブの酸味に深みを与える。
【0037】
また、酸味ハーブとして、ハイビスカスフラワーを用いることにより、本発明のハーブから得られるハーブティーは、透明な深い赤色になる。つわり期の妊婦は、色に対する感性も高くなるが、このような透明感のある深い赤色は、つわり期の妊婦に対しては忌避感を感じさせず、おう吐感等を引き起こしにくい色である。
【0038】
このように本発明のハーブは、二種類のミントを特定の比率で使用し、これにハイビスカスフラワーのような酸味ハーブ、さらに必要によりクランベリーのような代謝促進性作用を有するハーブを組み合わせることにより、感性が非常に鋭くなっている妊娠期の妊婦に忌避されることが著しく少ない。そして、酸味ハーブとしてハイビスカスフラワーを使用することにより、ハーブティーが透明な深い赤色になり、このような透明感のある深い赤色は、他の色とは異なり、つわり期の妊婦にとって受け入れやすい色であり、したがって、このハーブティーは、つわり期の妊婦に視覚的にも忌避されにくい。しかも、二種類のミントを組み合わせることにより、スペアミントのような早感性ミントが、最初の段階で非常にかるいミントの香りを導入すると共に、このかるいミントの香りを導入した後は、比較的強いミントの香りを抵抗なく導入することができ、これらに複合されたミントの香りによって心地よい清涼感を継続させることができる。
【0039】
このような複数のミントを組み合わせには、酸味ハーブ、特にハイビスカスフラワーの特異的な酸味がよく合い、さらにグランベリーのような代謝促進作用を有するハーブを組み合わせることにより、ハイビスカスフラワーなどの酸味ハーブによる酸味にあわい甘味が融合し、また、酸味ハーブとして使用されるハイビスカスフラワーにより、この混合ハーブを用いて得られるハーブティーが透明な深い赤色になり、このような香り、味覚および色彩を有するハーブティーはつわり期の妊婦に忌避されることがほとんどない。
【0040】
そして、酸味ハーブとして使用されるハイビスカスフラワーの特にガクは、水分停滞、消化機能の停滞の緩和に良好に作用すると共に、クランベリーのような代謝促進作用を有する代謝機能の促進作用によって、つわり期の妊婦の水分補給が容易になる。
【0041】
また、つわり期の胃痛、むかつき感、おう吐感、口腔内のべたつき等のつわり症状は、複合されたミントおよびこのミントの香りに融合した深みのある酸味によって緩和される。
【0042】
【実施例】
次に本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーについて、実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0043】
【実施例1】
早感性ミントとしてスペアミント(Mentha spicata L.)リーフを選択し、遅感性ミントとしてペパーミント(Mentha piperita)リーフを選択し、また酸味ハーブとしてハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)のガクを選択した。さらに、代謝促進性ハーブとしてクランベリー(Cranberry fruits)の果実を選択した。
【0044】
それぞれ乾燥された、上記スペアミント(Mentha spicata L.)を700g(46.66重量%)と、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を600g(40.00重量%)と、クランベリー(Cranberry fruits)を100g(6.67重量%)と、遅感性ミントとしてペパーミント(Mentha piperita)100g(6.67重量%)とを混合した。
【0045】
こうして得られたハーブの混合物からハーブ1.5gを計り採り、1.5gづつ濾紙袋に包んでハーブのティーバックを製造した。
【0046】
こうして得られたハーブのティーバックをポットに入れ、このポットに沸騰した湯を入れて5分間ゆっくり振盪しながら放置した。
【0047】
上記のようにして抽出して調製したハーブティーを、白色のティーカップに採り、色、香り、味覚を調べた。
【0048】
このハーブティーの色は透明な感のある深い赤色であり、ミント特有の清涼感のある香りがある。しかしながら、このハーブティーの有する香りは、ペパーミントを多量に使用したハーブティーのときのような所謂「えぐい」ミント臭ではなく、非常にかるいミントの香りがある。このミントの香りは、軽薄ではなく、このハーブティーを飲むにつれて力強い清涼感に変化する。また、このハーブティーは、はっきりとした酸味があるが、酸味の中にほのかに甘味を感じ、この深い酸味が最初はかるいがやがて力強く変わる清涼感と一体になり、飲み終わった後、口腔内が爽快感で満たされる。
【0049】
上記のようなハーブティーを、妊娠初期のつわり時期にある複数の妊婦30人に試飲させたが、このハーブティーの香り、味覚および色により、このハーブティーの試飲を忌避した妊婦はいなかった。
【0050】
乾燥ジンジャーを主成分とするハーブティーのつわり時期の妊婦の忌避率は、通常50%程度であるが、本発明のハーブは乾燥ジンジャーを主成分とするハーブティーと比較すると、つわり時期の妊婦の忌避率は著しく低い。
【0051】
また、上記の混合ハーブ中のペパーミントの量を700gに代えると共に、スペアミントの量を100gに代えた以外は同様にして混合ハーブを調製したが、この混合ハーブから得られたハーブティーは、ミント臭がきつく、最初に飲もうとする瞬間にこのペパーミント臭が鼻をつき、ミント臭と味覚のバランスが崩れており、飲もうとする瞬間のペパーミントの起因する所謂「えぐい」ミント臭が鼻をついて、爽快感が損なわれる。さらに、乾燥ジンジャーを用いたハーブティーほどではないにしても、ペパーミントを主成分とするハーブティーも忌避する妊婦があった。
【0052】
さらに、本発明のハーブは、透明感のある深い赤色であり、ハーブティーとしては独特の色であるが、つわり期の妊婦は、この色に関して忌避感を全く示さず、むしろ、このハーブティーとしては個性的なこの透明な深い赤色のハーブティーは視覚的につわり期の妊婦に対しては一様に好まれることがわかった。
【0053】
また、本発明のハーブは、最初に感ずるミント臭は非常にかるいが飲むにしたがってミント臭が深みを増し、非常に深い清涼感があると共に、ほのかに甘味を感じさせるまろやかな酸味とのバランスがよく、続けて飲用しても飽きにくい、味覚および香りを有している。
【0054】
さらに、本発明のハーブから得られるハーブティーは、胃痛を和らげ、清涼感を与えると共に、つわり期に特異的なおう吐感を抑制する作用があり、したがって、このハーブティーを飲むことによっておう吐感を催すのは極めて希であり、つわり期の妊婦に充分な水分を摂取させることができる。さらに、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)は、成分停滞を緩和し、消化機能の停滞を緩和することができ、さらにクランベリーによる代謝促進作用によって、つわり期の妊婦の体調を改善することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、つわりを緩和することができる混合ハーブおよび混合ハーブより抽出されたハーブティーに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
妊娠初期のつわりの時期には、嗜好が著しく変化し、吐き気などが激しく、食欲が減退するのは勿論、水分の摂取すらも満足にできなくなることがある。このようなつわりの時期に特に問題になるのが脱水状態である。すなわち、つわりの時期には嗜好感が著しく変化することにより、食欲が減退し、さらには充分な水分補給もできず、さらにおう吐などを繰り返すために、水分摂取量が不充分になることが多く、一般につわりの時期には、妊婦は脱水状態になりやすいといわれている。
【0003】
このようなつわりを緩和するために古くからジンジャーが有効であるとされており、乾燥ジンジャーを煎じた液が飲用されている。ところが、このような乾燥ジンジャーは刺激が強すぎて、つわり期の妊婦の胃痛を逆に誘発することがある。また、制吐作用のあるハーブとしてペパーミントが知られているが、このペパーミントも乾燥ジンジャーと同様に妊婦に多量に使用すると、逆に胃痛やおう吐等を誘発することがある。
【0004】
このように妊娠初期のつわりの時期には、臭覚、味覚などが非常に鋭敏になると共に、嗜好の著しい変化もあって、このつわり時期におう吐感等を抑制し、妊婦が充分な水分を摂取してつわり症状を緩和するために好適なハーブを調製することは大変難しい。すなわち、ハーブは、それぞれが個性的な味、および、香りを有しており、通常の状態においては、胃のむかつきおよびおう吐感等を抑制することができるハーブであっても、つわり期における様々な嗜好の変化に対応することができないことが多く、つわり期特有の胃のむかつき、おう吐感等を緩和することができ、妊婦に充分な量の水分を摂取させることが可能なようにハーブを調合することは非常に難しい。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、妊娠初期におけるつわりの時期に飲用することにより、おう吐感等を抑制し、充分に水分を摂取することが可能なハーブティーを調製できる混合ハーブおよび混合ハーブより抽出されたハーブティーを提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブを、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明のハーブティーは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブが、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されているつわり緩和性混合ハーブより抽出されたことを特徴としている。
【0008】
つわり症状の緩和に乾燥ジンジャーあるいはペパーミントが使用され、これらはつわり症状の緩和に有効であることが知られているが、これらは刺激が強すぎて、臭気、味覚などに対する感性が高くなっている妊娠初期のつわり期の女性は、こうした強い刺激によって、これらを忌避することが多い。したがって、つわり症状の緩和に乾燥ジンジャーあるいはペパーミントが有効であると知りながらも、これらを摂取できない妊婦が多い。
【0009】
本発明のつわり緩和性ハーブは、このようなつわり症状の緩和に有効であるハーブとしてペパーミントやペパーミントに類似するミントを使用すると共に、ペパーミントの強い刺激を和らげて感性が鋭くなっているつわり期の妊婦に忌避されにくくしたものである。本発明の混合ハーブから得られるハーブティーを摂取することにより、つわり期の胃のむかつきおよびおう吐感等を抑えることができ、さらにつわり期の妊婦に不足しがちな水分を充分に摂取することができる。
【0010】
ペパーミントが制吐作用があることは知られているが、制吐作用の強いペパーミントを単独で使用すると、このペパーミントの強いミント臭がかえっておう吐感やそれに伴う食欲不振を誘発することがある。
【0011】
本発明者は、ミント系のハーブについて詳細に検討したところ、ミント系のハーブには、早期にミント臭を感ずるが、長時間はミント臭が維持されないタイプのミントハーブ(早感性ミント)と、飲用した直後はそれほど強いミント臭を感じないが、時間の経過と共に口腔内にミント臭が広がり、しかもそのミント臭が比較的長時間にわたって残存するタイプのミントハーブ(遅感性ミント)とがあることがわかった。ペパーミントは遅感性ミントであり、遅感性ミントの方がより強い刺激を残す。
【0012】
ペパーミントのような遅感性ミントは単独で使用したハーブティーを飲用すると、刺激が強く、口腔内にしつこいいがらっぽさが残り、所謂「えぐい」感じになってしまうが、この遅感性ミントをスペアミントのような早感性ミントと共に使用することにより、この早感性ミントが刺激の強い遅感性ミントの導入を容易にすることができることがわかった。すなわち、このような早感性ミントと遅感性ミントとを同時に摂取すると、最初に早感性ミントのミント香が口腔内に広がり、次いで、この早感性ミントのミント香が順次遅感性ミントのミント香に置き換わり、このように遅感性ミントの導入初期に早感性ミントを使用することにより、本来強い刺激を有するペパーミントを、強い刺激を与えずに導入することができる。このような早感性ミントと遅感性ミントとを同時に使用する場合、忌避感を生ずることなく遅感性ミントを使用するためには、早感性ミントを遅感性ミントよりも多量に使用することが必要である。
【0013】
さらに、このように二種類のミントを特定の割合で配合したハーブティーは、酸味のあるハーブ味を付加することによって味と香りとのバランスがよく、さらに単純な酸味ではなく、わずかに甘みがある深みのある酸味とすることが好適である。また、つわり期にある妊婦は、色に関する感性も非常に敏感になり、統計的にみて、種々の色の中でも「完熟トマトのような深い赤色」に対しては、多くの妊婦が忌避感を示さないことがわかった。
【0014】
本発明において酸味ハーブとして好適に使用される例えばハイビスカスフラワーの有する酸味は、複合されたミント香を際立たすことができると共に、ハイビスカスフラワーの酸味と複合されたミント香とが一体化して非常に心地よい清涼感を与える。さらに、本発明の混合ハーブに代謝促進性ハーブとして好適に使用される例えばクランベリーは、その控え目な甘味が酸味ハーブであるハイビスカスフラワーの酸味に深みを与える。さらに、例えばハイビスカスフラワーを用いることにより、得られるハーブティーが、透明でありながら深い赤色を呈し、視覚的にもこのハーブティーはつわり期の妊婦に忌避されにくくなる。
【0015】
さらに、このように透明な深い赤色を有し、複雑にミント香が複合され、深みのある酸味を有するハーブティーは、香り、味、色のバランスがよく、つわり期の妊婦によって忌避されることはほとんどなく、ほとんどの妊婦が好む香り、味、色のバランスを有している。そして、このハーブティーを摂取することにより、おう吐感等が緩和されると共に、むかつき感が解消し、さらに、このハーブティーは、精神的な沈静感をも与える。また、各ミントや酸味ハーブによってすっきりとした風味とされて、つわりの時期に特有の口腔内のべたつきも解消することができ、結果的に水分を摂取することとなる。
【0016】
したがって、本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーを用いることにより、おう吐感等を抑え、胃痛あるいは胃のむかつきを緩和して、水分の摂取を容易にすることが可能になると共に、水分代謝、消化代謝などの代謝機能の停滞を解消することができるので、つわり期における諸症状を低減し、つわり期における不快感および体調不良などを改善することができる。
【0017】
【発明の具体的説明】
次に本発明のつわり緩和性混合ハーブおよびハーブティーについて具体的に説明する。
【0018】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、少なくとも二種類のミント系のハーブが特定の割合で配合されている。
【0019】
この二種類のミント系ハーブには、早感性ミントと、遅感性ミントとがある。
【0020】
早感性ミントは、ミントとしての清涼感はそれほど強くはないが、ミントの香りが、比較的早期に発現し、そのミントの香りはそれほど長続きはしない。このような早感性ミントとしては、たとえば、スペアミント(Mentha spicata L.)、アップルミント(Mentha suaveolens/Mentha routundifolia) 、パイナップルミント(Mentha suaveolens var. variegata)、グレープフルーツミント(Mentha suaveolens x piperita)、ジンジャーミント(Mentha gentilis)、スコッチスペアミント(Mentha gentilis var. parviflora) 、カーリーミント(Mentha spicata var. crispa(crispii))、イングリッシュミント(Mentha spicata van)、ベストミント(Mentha spicata cv. ’The Best Mint’)およびスコッチミント(Mentha spicata cv. ’Scotch Mint’)を挙げることができる。これらの早感性ミントは単独であるいは組み合わせて使用することができる、これらの早感性ミントとしてはスペアミント、アップルミント、パイナップルミント、グレープフルーツミント、カーリーミント、イングリッシュミント、ベストミント、スコッチミントが好ましく、特にスペアミントが最も好適に使用することができる。このスペアミントはミドリハッカやオランダハッカとも呼ばれており、清涼感を有しつつ、胃痛の緩和に有効でもあり、遅感性ミントと組み合わせて使用することで、飲みやすいだけでなく、つわりの緩和においても有効である。本発明で早感性ミントとして、スペアミントを使用する場合、スペアミントは、混合ハーブ100重量%中に、通常は40重量%以上、好ましくは40〜80重量%の範囲内の量、特に好ましくは40〜70重量%の範囲内の量で使用される。
【0021】
遅感性ミントは、比較的強いミントの香りを有するミントであるが、早感性ミントよりも遅く利き始め、さらにこの遅感性ミントの比較的強いミントの香りは、早感性ミントよりも長期間継続する。このような遅感性ミントとしては、たとえば、ペパーミント(Mentha piperita var. vulgaris)、ホワイトペパーミント(Mentha x piperita var offisinalis) 、ブラックペパーミント(Mentha x piperita var. piperita)、カールドミント(Mentha x piperita var. crispa(crispii)、オーデコロンミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Eau de Cologne’)、レモンミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lemon’)、オレンジミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Orange’)、ライムミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lime’)、キャンディーミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Candy’)、チョコレートミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Chocolate’)、ラベンダーミント(Mentha x piperita var. citrata cv. ’Lavender’)、コーンミント(Mentha arvensis)、ジャパニーズミント(Mentha arvensis var. piperascens)、ハッカ(Mentha arvensis var. piperascens cv. ’HOKUTO’)、中国ミント(Mentha arvensis var. glabrata)およびクールミント(Mentha arvensis var. agrestis))を挙げることができる。これらの遅感性ミントは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0022】
これらの遅感性ミントとしてはペパーミント、ホワイトペパーミント、ブラックペパーミント、カールドミント、オーデコロンミント、レモンミント、オレンジミント、ライムミント、キャンディーミント、チョコレートミント、ラベンダーが好ましく、特にペパーミントが最も好適に使用することができる。このペパーミントは西洋ハッカとも呼ばれており、胃腸の調整機能を有するため、制吐作用があり、つわり期におけるおう吐感を抑制し、このような効果を有するハーブティーを飲用することによってつわり期における妊婦の脱水状態を緩和することができる。しかしながら、ペパーミントは、刺激の強いミントであり、多量に配合すると、このペパーミントの香りが、表在化して感性が鋭敏化しているつわり期の妊婦に忌避されやすくなる。したがって、本発明では遅感性ミントとしてペパーミントを使用する場合には、このペパーミントは、混合ハーブ100重量%中に通常は20重量%未満の量で使用され、好ましくは1〜15重量%の範囲内の量、特に好ましく2〜10重量%の範囲内の量で使用される。
【0023】
本発明において使用される遅感性ミントは、早感性ミントよりも刺激が強い。そこで、本発明の混合ハーブにおいては、早感性ミントを遅感性ミントよりも多量に使用する。特に本発明のつわり緩和性ハーブにおいては、遅感性ミントを、通常は、早感性ミントに対して1/2以下の量、好ましくは1/7〜1/3の範囲内の量で使用する。このような量で遅感性ミントおよび早感性ミントを使用することにより、刺激の強い遅感性ミントの特性が表在化しにくく、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーにおいては、最初に、非常にかるいミントの香りである早感性ミントが表在化し、このハーブティーを飲むにしたがって次第に、少量配合された刺激の強い遅感性ミントが、ミント全体のバックボーンのように効き始める。そして、本発明の混合ハーブ中にペパーミントなどの遅感性ミントが使用されているにもかかわらず、ペパーミントなどの遅感性ミントに特有の所謂「えぐい」感じのミント臭は、表れにくく、非常にかるいミント香から力強いミント香に移行し、全体として均一の取れた清涼感が発現する。
【0024】
本発明の混合ミントにおいて、上記のような早感性ミントおよび遅感性ミントは、混合ハーブ100重量%中に、通常は1/3以上の量(33.3重量%以上の量)、好ましくは40〜85重量%の範囲内の量、特に好ましくは45〜75重量%の範囲内の量で使用される。
【0025】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、酸味ハーブが含有されている。本発明で使用される酸味ハーブとしては、たとえば、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)、ローズヒップ(Rosa canina L.)、ウメ (Prunus mume(Sieb.)Sieb. Et Zucc.)、レモン (Citrus limon (L.) N. L. Burm.)、ビターオレンジ (Citrus aurantium L.)、ベルガモットオレンジ (Citrus bergamia Risso & Point.)、マンダリンライム(Citrus limnia Osbeck.)、マンダリンオレンジ (Citrus reticulata Bianco.)、ラズベリー (Rubus fruticosus L. /Rubus idaeus L./Rubus strigosus Michx.)およびアプリコット(Prunus armeniaca L.)を挙げることができる。これらの酸味ハーブは単独であるいは組み合わせて使用することができる。この時、ウメは果実が、レモン、ビターオレンジ、ベルガモットオレンジ、マンダリンライム、マンダリンオレンジは皮か果実が、ラズベリー、アプリコットは果実をそれぞれ使用することが好ましい。このような酸味ハーブは、単独であるいは組み合わせて使用することができる。特に本発明では酸味ハーブとして、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を使用することが好ましく、その中でも特にハイビスカスフラワーのガクを使用することが好ましい。このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)は、ローゼル カルカーデとも呼ばれ、非常に心地よい酸味を有すると共に、ハーブティーを透明な深い赤色にすることができる。前述のようにつわり期の妊婦は、味覚、臭覚などの感覚が非常に鋭くなることが知られており、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)の有する酸味は、忌避されにくい。また、つわり期の妊婦は、味覚、臭覚だけでなく、食物の色に対しても忌避感が表れる。そして、食物のさまざまな色の中で、完熟トマトの赤のような深い赤色は、つわり期の妊婦によって最も忌避されにくい色であり、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を用いることにより、得られるハーブティーが透明でありながらも深い赤色になり、ハーブティーが色によって忌避されるということがほとんどなくなる。さらに、他の色のハーブティーと比較してみると、このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を用いることにより得られる透明な深い赤色が、つわり期の妊婦に最も好まれる。さらに、このハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を配合することにより、体内の水分停滞を改善し、消化機能の停滞等を緩和させることができる。
【0026】
本発明のつわり緩和性混合ハーブにおいて、上記の酸味ハーブは、混合ハーブ全量の2/3以下の量(66.7重量%以下の量)、好ましくは15〜60重量%の範囲内の量、特に好ましくは25〜55重量%の範囲内の量で含有されている。このような量で酸味ハーブを使用することにより、早感性ミントおよび遅感性ミントによって奏される清涼感とこの酸性ハーブの酸味とが一体化して、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーに爽快感を与える。
【0027】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、水分の補給を効果的に行うことができるよう、代謝促進性ハーブを配合することが好ましい。このような代謝促進性ハーブとしては、たとえば、クランベリー(Cranberry fruits)、フェンネル(Foeniculum vulgare Mill.)、ダンディライオン(Taraxacum officinale G. H. Weber ex Wigg.)およびルイボス(Aspalathus linearis L.)を挙げることができる。これらの代謝促進性ハーブは単独であるいは組み合わせて使用することができる。特に本発明では、酸味ハーブの酸味との相性からほのかな甘さのあるハーブが好ましく、このような代謝促進性ハーブとしてクランベリーを使用することが好ましい。このクランベリーはツルコケモモとも呼ばれ果実を使用しており、特にハイビスカスフラワーの有する特有の酸味との相性がよく、ハイビスカスフラワーの酸味を損なうことなく、このハイビスカスフラワーと、早感性ミントおよび遅感性ミントとによって奏される清涼感に深みを与えるよことができる。
【0028】
このような代謝促進性ハーブは、本発明の混合ハーブ100重量%中に通常は20重量%以下の量で使用され、好ましくは1〜15重量%の範囲内の量、特に好ましく2〜10重量%の範囲内の量で使用される。このような量で代謝促進性ハーブ、特にグランベリーを配合することにより、この混合ハーブから得られるハーブティーの味の幅を広げることができ、しかも、この代謝促進性ハーブの添加による味の幅の広がりによってこのハーブティーが、つわり期の妊婦に忌避されるといった事態は生じにくくなる。さらに、このような代謝促進性ハーブの配合により、つわり期の妊婦の代謝機能の向上を期待できる。
【0029】
本発明のつわり緩和性混合ハーブには、上記のように早感性ミント、遅感性ミント、酸味ハーブおよび必要により代謝促進性ハーブが含有されているが、本発明の混合ハーブの目的を損なわない範囲で他のハーブが含有されていてもよい。ただし、本発明のつわり緩和性混合ハーブは、妊婦および胎児への影響がないものとする必要があるだけでなく、得られるハーブティーがつわり期の妊婦によって忌避されにくいものである必要があり、味覚、臭気、さらにはハーブティーの色などについて特別の注意が必要である。このため本発明の混合ハーブに配合される他のハーブの量は通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量にする。
【0030】
本発明のつわり緩和性混合ハーブに配合することができる他のハーブの例としては、ラズベリー(葉) (Rubus fruticosus L. /Rubus idaeus L./Rubus strigosus Michx.)、レモンバーム(Melissa officinalis L.)、パッションフラワー(Passiflora incarnata L. )、リンデン(Tilia x europaea L./ Tilia platyphyllos scop.)、マリーゴールド(Calendula officinalis L.)、ネトル(Urtica dioica)、スカルキャップ(Scutellaria laterriflora)、バードック(Arctium lappa)、エルダー(Sambucus nigra)、エキナセア(Urtica dioica)、ラベンダー(Lavandula officinalis)、ジンジャー(Zingiber officinale Roscoe. )および茶(Camellia sinensis(L.) Kuntze)を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0031】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブと、必要により代謝促進性ハーブと、さらに必要により他のハーブを混合することにより製造することができる。
【0032】
本発明のつわり緩和性混合ハーブは、そのまま使用することもできるが、濾紙に梱包してティーバックとして使用することが好ましい。本発明のつわり緩和性混合ハーブをティーバックとして使用する場合、ひとつのティーバックに包装されるつわり緩和性混合ハーブの量は、通常は0.5〜5g、好ましくは1〜3gである。
【0033】
本発明のつわり緩和性混合ハーブを、たとえばティーバック(例;混合ハーブ:1.5g含有)として使用する場合、このティーバックと、沸騰した湯;150〜250mlとをポットに入れ、通常は2〜10分間、好ましくは3〜5分間、ゆっくり振盪させながら放置することにより、ハーブの成分が好適に溶出される。本発明のつわり緩和性混合ハーブは、妊婦に害を及ぼす成分は含有されていないので、この混合ハーブから得られるハーブティーの摂取量に特に制限はなく、好みにより摂取することができる。本発明の混合ハーブから得られるハーブティーは、つわり期の妊婦に好適であるが、一般の人々が摂取してもよいことは勿論である。また、ティーバックとしてではなく、この混合ハーブより抽出したハーブティーを缶や瓶、PETボトル等の容器に密封したものとしても良く、この場合、その他にアスコルビン酸等を加え、安定性を高めたものとすることが好ましい。
【0034】
本発明の混合ハーブは、早感性ミントおよび遅感性ミントの二種類のミントを含有し、さらに酸味ハーブとして好適にはハイビスカスフラワーを用いることにより、さわやかなミントの香りを有する酸味のある透明な深い赤色のハーブティーが得られる。さらに、代謝促進性ハーブとして、クランベリーを配合することにより、酸味の中にほのかに甘みのある深い味になる。このようなハーブティーは、香り、味覚、色が、つわり期の妊婦によって忌避されにくく、さらに、つわり期の妊婦に非常に受けいれられやすい香り、味覚、色を有している。そして、本発明の混合ハーブから得られたハーブティーは、各成分が相乗的に作用して、胃痛あるいは胃のむかつきを抑制すると共に、おう吐感を沈静し、さらに体内の水分停滞、消化機能の停滞を緩和するとともに、新陳代謝機能が増進されて、水分を吸収しやすくする。特に本発明の混合ハーブから得られるハーブティーは、香り、味覚、色がつわり期の妊婦に水よりも忌避されにくいので、つわり期の妊婦の水分補給に好適である。
【0035】
さらに、この混合ハーブから得られるハーブティーは、精神的な沈静作用も有しており、マタニティーブルーのように、とかく不安定になりがちなつわり期における精神状態を安定させることも可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーには、スペアミントに代表される早感性ミントと、ペパーミントに代表される遅感性ミントとを特定の比率で組み合わせて配合されている。このように組み合わせることにより、ペパーミントに代表される遅感性ミントの刺激の強いミント香を感ずる前に、スペアミントに代表される早感性ミントを香りたたせることができ、初期には、早感性ミントによる非常にかるいミントの香りによって刺激を緩和しつつ、飲用するにつれて、強いミントの香りが長く続く遅感性ミントの香りに移行させることができる。すなわち、非常にやわかいスペアミントのミントの香りから持続性のあるペパーミントのミントにその清涼感を移行させることができる。そして、本発明のハーブに含有されている酸味ハーブの酸味が、上記のような複数のミントによる清涼感と融合する。さらに、代謝促進性ハーブであるクランベリーのほのかな甘味が酸味ハーブの酸味に深みを与える。
【0037】
また、酸味ハーブとして、ハイビスカスフラワーを用いることにより、本発明のハーブから得られるハーブティーは、透明な深い赤色になる。つわり期の妊婦は、色に対する感性も高くなるが、このような透明感のある深い赤色は、つわり期の妊婦に対しては忌避感を感じさせず、おう吐感等を引き起こしにくい色である。
【0038】
このように本発明のハーブは、二種類のミントを特定の比率で使用し、これにハイビスカスフラワーのような酸味ハーブ、さらに必要によりクランベリーのような代謝促進性作用を有するハーブを組み合わせることにより、感性が非常に鋭くなっている妊娠期の妊婦に忌避されることが著しく少ない。そして、酸味ハーブとしてハイビスカスフラワーを使用することにより、ハーブティーが透明な深い赤色になり、このような透明感のある深い赤色は、他の色とは異なり、つわり期の妊婦にとって受け入れやすい色であり、したがって、このハーブティーは、つわり期の妊婦に視覚的にも忌避されにくい。しかも、二種類のミントを組み合わせることにより、スペアミントのような早感性ミントが、最初の段階で非常にかるいミントの香りを導入すると共に、このかるいミントの香りを導入した後は、比較的強いミントの香りを抵抗なく導入することができ、これらに複合されたミントの香りによって心地よい清涼感を継続させることができる。
【0039】
このような複数のミントを組み合わせには、酸味ハーブ、特にハイビスカスフラワーの特異的な酸味がよく合い、さらにグランベリーのような代謝促進作用を有するハーブを組み合わせることにより、ハイビスカスフラワーなどの酸味ハーブによる酸味にあわい甘味が融合し、また、酸味ハーブとして使用されるハイビスカスフラワーにより、この混合ハーブを用いて得られるハーブティーが透明な深い赤色になり、このような香り、味覚および色彩を有するハーブティーはつわり期の妊婦に忌避されることがほとんどない。
【0040】
そして、酸味ハーブとして使用されるハイビスカスフラワーの特にガクは、水分停滞、消化機能の停滞の緩和に良好に作用すると共に、クランベリーのような代謝促進作用を有する代謝機能の促進作用によって、つわり期の妊婦の水分補給が容易になる。
【0041】
また、つわり期の胃痛、むかつき感、おう吐感、口腔内のべたつき等のつわり症状は、複合されたミントおよびこのミントの香りに融合した深みのある酸味によって緩和される。
【0042】
【実施例】
次に本発明のつわり緩和性ハーブおよびハーブティーについて、実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0043】
【実施例1】
早感性ミントとしてスペアミント(Mentha spicata L.)リーフを選択し、遅感性ミントとしてペパーミント(Mentha piperita)リーフを選択し、また酸味ハーブとしてハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)のガクを選択した。さらに、代謝促進性ハーブとしてクランベリー(Cranberry fruits)の果実を選択した。
【0044】
それぞれ乾燥された、上記スペアミント(Mentha spicata L.)を700g(46.66重量%)と、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)を600g(40.00重量%)と、クランベリー(Cranberry fruits)を100g(6.67重量%)と、遅感性ミントとしてペパーミント(Mentha piperita)100g(6.67重量%)とを混合した。
【0045】
こうして得られたハーブの混合物からハーブ1.5gを計り採り、1.5gづつ濾紙袋に包んでハーブのティーバックを製造した。
【0046】
こうして得られたハーブのティーバックをポットに入れ、このポットに沸騰した湯を入れて5分間ゆっくり振盪しながら放置した。
【0047】
上記のようにして抽出して調製したハーブティーを、白色のティーカップに採り、色、香り、味覚を調べた。
【0048】
このハーブティーの色は透明な感のある深い赤色であり、ミント特有の清涼感のある香りがある。しかしながら、このハーブティーの有する香りは、ペパーミントを多量に使用したハーブティーのときのような所謂「えぐい」ミント臭ではなく、非常にかるいミントの香りがある。このミントの香りは、軽薄ではなく、このハーブティーを飲むにつれて力強い清涼感に変化する。また、このハーブティーは、はっきりとした酸味があるが、酸味の中にほのかに甘味を感じ、この深い酸味が最初はかるいがやがて力強く変わる清涼感と一体になり、飲み終わった後、口腔内が爽快感で満たされる。
【0049】
上記のようなハーブティーを、妊娠初期のつわり時期にある複数の妊婦30人に試飲させたが、このハーブティーの香り、味覚および色により、このハーブティーの試飲を忌避した妊婦はいなかった。
【0050】
乾燥ジンジャーを主成分とするハーブティーのつわり時期の妊婦の忌避率は、通常50%程度であるが、本発明のハーブは乾燥ジンジャーを主成分とするハーブティーと比較すると、つわり時期の妊婦の忌避率は著しく低い。
【0051】
また、上記の混合ハーブ中のペパーミントの量を700gに代えると共に、スペアミントの量を100gに代えた以外は同様にして混合ハーブを調製したが、この混合ハーブから得られたハーブティーは、ミント臭がきつく、最初に飲もうとする瞬間にこのペパーミント臭が鼻をつき、ミント臭と味覚のバランスが崩れており、飲もうとする瞬間のペパーミントの起因する所謂「えぐい」ミント臭が鼻をついて、爽快感が損なわれる。さらに、乾燥ジンジャーを用いたハーブティーほどではないにしても、ペパーミントを主成分とするハーブティーも忌避する妊婦があった。
【0052】
さらに、本発明のハーブは、透明感のある深い赤色であり、ハーブティーとしては独特の色であるが、つわり期の妊婦は、この色に関して忌避感を全く示さず、むしろ、このハーブティーとしては個性的なこの透明な深い赤色のハーブティーは視覚的につわり期の妊婦に対しては一様に好まれることがわかった。
【0053】
また、本発明のハーブは、最初に感ずるミント臭は非常にかるいが飲むにしたがってミント臭が深みを増し、非常に深い清涼感があると共に、ほのかに甘味を感じさせるまろやかな酸味とのバランスがよく、続けて飲用しても飽きにくい、味覚および香りを有している。
【0054】
さらに、本発明のハーブから得られるハーブティーは、胃痛を和らげ、清涼感を与えると共に、つわり期に特異的なおう吐感を抑制する作用があり、したがって、このハーブティーを飲むことによっておう吐感を催すのは極めて希であり、つわり期の妊婦に充分な水分を摂取させることができる。さらに、ハイビスカスフラワー(Hibiscus sabdariffa L.)は、成分停滞を緩和し、消化機能の停滞を緩和することができ、さらにクランベリーによる代謝促進作用によって、つわり期の妊婦の体調を改善することができる。
Claims (9)
- 早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブが、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されていることを特徴とするつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記混合ハーブに、さらに代謝促進性ハーブが含有されていることを特徴とする請求項第1項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記遅感性ミントが、早感性ミントの1/2以下の量で含有されていることを特徴とする請求項第1項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記早感性ミントが、スペアミント、アップルミント、パイナップルミント、グレープフルーツミント、ジンジャーミント、スコッチスペアミント、カーリーミント、イングリッシュミント、ベストミントおよびスコッチミントよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のミント系ハーブであることを特徴とする請求項第1項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記遅感性ミントが、ペパーミント、ホワイトペパーミント、ブラックペパーミント、カールドミント、オーデコロンミント、レモンミント、オレンジミント、ライムミント、キャンディーミント、チョコレートミント、ラベンダーミント、コーンミント、ジャパニーズミント、ハッカ、中国ミントおよびクールミントよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のミント系ハーブであることを特徴とする請求項第1項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記酸味ハーブが、ハイビスカスフラワー、ローズヒップ、ウメ、レモン、ビターオレンジ、ベルガモットオレンジ、マンダリンライム、マンダリンオレンジ、ラズベリーおよびアプリコットよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のハーブであることを特徴とする請求項第1項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記代謝促進性ハーブが、クランベリー、フェンネル、ダンディライオンおよびルイボスよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のハーブであることを特徴とする請求項第2項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 上記つわり緩和性ハーブから得られるハーブティーが、赤色を呈することを特徴とする請求項第1項または第2項記載のつわり緩和性混合ハーブ。
- 早感性ミントと、遅感性ミントと、酸味ハーブとを含有し、早感性ミントが遅感性ミントよりも多量に含有されていると共に、酸味ハーブが、全ハーブ量の2/3以下の量で含有されているつわり緩和性混合ハーブより抽出されたことを特徴とするハーブティー。
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---|---|---|---|---|
CN104383499A (zh) * | 2014-11-28 | 2015-03-04 | 苏州健雄职业技术学院 | 用于治疗妊娠呕吐的本草方剂及其制备方法 |
CN105231214A (zh) * | 2015-11-05 | 2016-01-13 | 叶芳 | 一种孕早期缓解孕妇孕吐症状的复合果蔬饮料及其制备方法 |
US10441623B2 (en) | 2013-03-15 | 2019-10-15 | Mars, Incorporated | Dietary composition and method for preventing, reducing, alleviating or treating idiopathic vomiting |
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2003
- 2003-06-02 JP JP2003156375A patent/JP2004359550A/ja active Pending
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