JP2010268240A - 巻取り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 巻取機構はラチェット方式を利用したものがあったが、ラチェット爪やラチェット解除機構、ラチェット溝など部品点数が多く、複雑な機構であることが多く、その分装置が大型化し、重量も重くなってしまっていた。
【解決手段】 巻取り装置は、ワイヤの巻取り状態においてプーリ63のCCW方向への回転を防止するワンウェイクラッチ43と、ワンウェイクラッチ43に対するプーリ63の回転を抑止するボール46と、巻取り解除状態において調整ダイヤル42がCW方向に回転されると、ボール46をプーリ63の回転軸方向へ移動させるための移動カム環44とを有する。移動カム環44は、ボール46を、巻取り状態においてはワンウェイクラッチ43とプーリ63との間に介在してワンウェイクラッチ43とプーリ63とを係合させる位置に移動させ、巻取り解除状態においてはワンウェイクラッチ43とプーリ63との間に介在せずワンウェイクラッチ43とプーリ63とを係合させない位置に移動させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、可撓部材の巻取り機構に関する。
頭部装着型機器としてヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」という。)がよく知られている。HMDは手軽に映像を大画面で見ることが可能であること、立体視が容易であること、ユーザと共に移動が可能であることなどから広く用いられている。
HMDの装着機構は、ベルト状のもので頭部周囲を締め付けるものや、前頭部押圧部と後頭部押圧部を設け、後頭部押圧部を前後に移動させて頭部を押圧したり緩めたりすることにより着脱するものがよく知られている。さらにHMDの重量による下方向へのずれ落ちを軽減する目的で、頭部の頭頂部を利用してHMDの重量を支持するタイプの装着機構もよく知られている(特許文献1参照)。
HMDを装着する際は、正しい映像が認識できる位置に表示部を維持したまま簡易に装着できることが好ましい。そこで、片手でHMDを把持しながら簡易に装着できる装着機構として、ワイヤを用いたタイプのものが開示されている(特許文献2参照)。
また、同様の機構として、アイススケートやスキー用のブーツなどの履物において、足首を固定し、締め付ける手段としてワイヤを用いている。そのワイヤを巻取る技術が特許文献3に開示されている。また、特許文献4には、巻取り装置における巻取り伝達機構の駆動と解除の切り替え機構が開示されている。
特開平08−088814号公報 特開平07−333547号公報 特表2003−508097号公報 特開平08−048462号公報
特許文献1に開示された装着機構は、頭部周囲への押圧部の調整機構と、頭頂部支持部の調整機構が別に設けられており、装着時は複数の部位を操作する必要があった。また複数の調整機構があるためその分装置が大型化し、重量が重くなってしまう原因にもなっていた。
特許文献2に開示されている巻取り機構は、ラチェット爪をバネの牽引力により、ラチェットホイールのラチェット歯に戻り止め係止させて巻き取った線状部材が戻らないような構成をしている。そのため、ラチェットの係止位置以外で線状部材の戻りを制御することは出来ず、操作者は所望する位置を自由に選択できない。それゆえ使用者が所望する位置で締め付けが可能な機構が望まれている。
特許文献3で開示されている実施形態では、上記特許文献2と同様に、ラチェット爪にてワイヤの巻戻りを抑制し、ワイヤの張力により靴紐を締め付ける機構になっている。この機構においては、ラチェット歯の係止部において、逆回転時にラチェット爪の係止が外れ、ワイヤを開放することができる。この場合においても特許文献2と同様に、使用者が所望する位置でワイヤを固定することができず、快適な装着感が得ることができない。
特許文献4で開示されている実施形態では、巻取りリールとテーパ状の巻取り軸との間に径方向に変形が可能な摩擦部材を有し、中心軸の移動により伝達の切換を行っている。伝達切換にエアシリンダなどのリニアアクチュエータを用いているが、機構が複雑であり、構造体として大きいものになり、より簡便なものが望まれる。
本発明は、上述した課題あるいはその他の課題のうち少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、本発明は、簡便な構成で可撓性部材の巻取り及びその解除を確実に行える巻取り装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、操作部材が第1方向に回転されることに伴って巻取り部材が回転して可撓性部材を巻き取り、その状態を保持する巻取り状態と、前記操作部材が第2方向に回転されたことにより前記巻取り状態を解除する巻取り解除状態と、をとることが可能な巻取り装置であって、前記巻取り状態において前記巻取り部材の前記第2方向への回転を防止する反転防止部材と、前記反転防止部材に対する前記巻取り部材の回転を抑止する回転抑止部材と、前記巻取り解除状態において前記操作部材が前記第1方向に回転されると、前記回転抑止部材を前記巻取り部材の回転軸方向へ移動させるためのガイド部材とを有し、前記ガイド部材は、前記回転抑止部材を、前記巻取り状態においては前記反転防止部材と前記巻取り部材との間に介在して前記反転防止部材と前記巻取り部材とを係合させる位置に移動させ、前記巻取り解除状態においては前記反転防止部材と前記巻取り部材との間に介在せず前記反転防止部材と前記巻取り部材とを係合させない位置に移動させることを特徴とする巻取り装置が提供される。
本発明によれば、例えば、簡便な構成で可撓性部材の巻取り及びその解除を確実に行える巻取り装置を提供することができる。
第1実施形態におけるHMDの斜視図。 第1実施形態におけるワイヤの通し方を概略的に示したHMDの斜視図。 第1実施形態におけるHMDの前面図。 第1実施形態におけるHMDの側面図。 図4におけるC−C断面図。 図3におけるF−F断面図。 移動カム環とガイド環に繋がるトーションバネの配置を示した図。 バネ受けとカムロック解除環との係合状態を示した斜視図。 移動カム環とカムロック解除環との位置関係を示した斜視図。 ワイヤの頭部周囲長さの変化による各パッドの動きの概略図。 調整ダイヤルの裏面を示した斜視図。 調整ダイヤルに設けられたキー形状内面展開図。 巻取り機構の初期位置におけるカム機構を示したカム形状内面展開図。 巻取り機構の解除中間位置におけるカム機構を示したカム形状内面展開図。 巻取り機構の解除終了位置におけるカム機構を示したカム形状内面展開図。 巻取り機構の解除保持位置におけるカム機構を示したカム形状内面展開図。 第2実施形態におけるスキーブーツの概略図。 第2実施形態におけるスキーブーツの側面図。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。
(第1実施形態)
以下では、第1実施形態として、本発明の巻取り装置をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の締め付け機構に適用した例を示す。図1は本実施形態に係るHMDを示す図である。このHMDは、表示部1と、表示部1をユーザの眼前に保持するための装着部2からなる。表示部1は、内部に映像を表示する表示素子と、その表示素子の映像を拡大しユーザの眼に導く光学系が配置されている(いずれも図示せず)。また、表示部1には頭部の周囲に沿って左右の側頭部まで延び、さらに頭頂部を跨ぐような形状を有するフレーム21が結合されている。フレーム21の頭頂部には、可撓性部材であるワイヤ31を通すための穴21a、21bが設けられている。フレーム21から後頭部へは、伸縮可能な蛇腹状のチューブ22が後頭部を囲むように結合されている。
図2を参照すると、ワイヤ31の一端はフレーム21に回動可能に取り付けられた調整部4(A部)に、もう一端はフレーム21に結合されている(B部)。ワイヤ31は調整部4の結合部(A)からチューブ内を通り、フレーム21の左側頭部、頭頂部を通る。フレーム21に設けられた穴21aから一旦外へ出て、後述の頭頂部パッド53を通り、反対側のフレーム21の穴21bから再びフレーム内に入る。その後、フレーム21と結合部Bで結合されている。
表示部1には、装着時に前頭部を押圧する前頭部パッド51が結合されている。チューブ22には、装着時に後頭部を押圧する後頭部パッド52が結合されている。54は板バネであり、その一端をフレーム21の頭頂部にネジ等で締結され、他端を後頭部パッド52にネジ等で締結されており、後頭部パッド52を矢印P方向に付勢している。また、フレーム21の頭頂部には、ガイド部21cが設けられており、装着時に頭頂部を押圧する頭頂部パッド53をフレーム21に対して頭部方向へ直線移動する。さらに図3に示されるように、頭頂部パッドガイド53aにはワイヤ31が通る貫通穴53bが開いている。
操作者がHMDを装着するときの操作と作用について説明する。装着者はまず頭部左右にあるフレーム21を左手でしっかり把持し、調整ダイヤル42を右手でつかむ。前頭部パッド51に前頭部を当て、表示部1を正しい位置に合わせる。位置が決まったら調整ダイヤル42を図6に示す第1方向である時計回り方向(以下「CW方向」)へ回転させる。このときユーザは、両手をHMDから離すことなく調整ダイヤル42の操作を行うことができる。そのため表示部1を正しい位置に保持したまま、頭部を押圧部材により押圧することができる。
調整ダイヤル42の操作により、まず後頭部パッド52と頭頂部パッド53が頭部方向へ移動する。後頭部パッド52または頭頂部パッド53どちらかが先に頭部へ当たるが、どちらかは頭部に当たっていないため、ワイヤ31の緩みが存在することにより押圧力は発生しない。さらに調整ダイヤル42を回転させ、ワイヤ31を後述する方法にて巻取りを行い、後頭部パッド52と頭頂部パッド53の両方が頭部に当たると押圧力が発生し頭部を締め付ける。頭頂部パッド53には不図示の保持機構が設けられているため、ある押圧力が掛かった際にロックが掛かるようになっている。したがって、さらに締め付けた場合は、頭頂部パッド53は移動せずに後頭部パッド52のみが移動し、後頭部を押圧する。
次に、ワイヤ31の長さを調整する調整部4について説明する。図5はHMDの側面図である図4におけるC−C断面図、図6はHMDの前面図である図3におけるF−F要部断面図である。調整部4は調整ダイヤル42と支軸41、ワンウェイクラッチ43、ガイド環45、移動カム環44、ボール46などで構成されている。支軸41は中空構造になっており端部には雌ネジ部が設けられている。その一端はフレーム21にネジ等で固定され、他端にはバネ受け48がネジ等で固定され、フレーム21に対して固定している。64は戻りバネで、バネ受け48と移動カム環44の間に介在し、巻取り状態に復帰するための付勢部材として機能している。バネ受け48はフレーム21に対して固定されているので、移動カム環44は常にフレーム21側に付勢されていることになる。
支軸41の外径部にはワンウェイクラッチ43が圧入され、ワンウェイクラッチ43の外径部にはガイド環45が嵌っている。ガイド環45は支軸41に対し、図6のCW方向には回転可能であるが、第2方向である反時計回り方向(以下「CCW方向」)には回転できない構成になっている。図6に示すように、ガイド環45の外周部には溝部45aが等間隔に配置され、溝部45aにはボール46が配置されている。従ってボール46はスラスト方向に設けられた溝部45aに沿って転がることになる。
63は巻取り部材としてのプーリで、外径部でワイヤ31を巻取り、内径はボール46がちょうど嵌る大きさに加工されている。また、内径部にはリブ63aが複数設けられており、そのリブ63aとの間にボール46が配置されている。プーリ63とガイド環45の間には、ボール46をプーリ63の回転軸方向へ移動させるためのガイド部材としての移動カム環44を設けている。移動カム環44にはカム溝スロット44aが設けられていて、そのスロット幅はボール46が入ることができる幅に設計されている。更に移動カム環44の端部にはカム面44bが設けられており、カムフォロア61が当接している(図13参照)。カムフォロア61はガイド環45の外周面に設けられた穴部45bに圧入されている。然るに移動カム環44がガイド環45に対して回転すると移動カム環44のカム面44bに沿って回転軸方向にも移動することになる。移動カム環44の外径部にはボス44eが設けられている。後述するようにボール46はワンウェイクラッチ43に対するプーリ63の回転を抑止する回転抑止部材としての役割を果たす。
図11は調整ダイヤル42の裏面の様子を示している。図12は調整ダイヤル42に形成されているキー部42a、および42bを平面展開し、移動カム環44のボス44eが係合している様子を示した図である。ボス44eがキー部42aに係合しているときは調整ダイヤル42の回転が移動カム環44に伝達される。移動カム環44に端部には戻りバネ64の一端が当接し、他端はバネ受け48に当接している。従って移動カム環44は戻りバネ64の復元力が作用し、図5の右方向に片寄せされることになる。また、バネ受け48の外周面48aは移動カム環44の内径は嵌合しており、移動カム環44が回転軸スラスト方向に移動する際はバネ受け48の外周面48aに摺動する。
図7に示されるように、移動カム環44とガイド環45との間には復帰抑止部材であるトーションバネ62が配置されている。トーションバネ62は一端が移動カム環44に設けられたスリット部44f(図9参照)に、他端がガイド環45の穴部45bに掛かっている。このトーションバネ62の作用により、移動カム環44はガイド環45に対し図7のCCW方向に片寄せされている。47はカムロック解除環であり、バネ受け48の内径部と嵌合状態になっているため支軸41と同軸に配置される。
図8に示すように、カムロック解除環47には突起部47aが設けられ、この突起部47aにはバネ受け48に設けられた切欠き部48aが係合している。従ってカムロック解除環47はバネ受け48に対して軸方向に対し回転することなく、移動することができる。
巻取り動作を行うために調整ダイヤル42を手動で図10のCW方向に回転する動作について、調整ダイヤルを内径部で展開した図12を用いて説明する。調整ダイヤル42を図10のCW方向に回転させることは図12では紙面左側に移動させることと同義である。調整ダイヤル42を図10のCW方向に回転すると、キー部42aに係合しているボス44eはCW方向に回転する。移動カム環44の外径部にはプーリ63が、また移動カム環44の内径部にはガイド環45が配置され、ボール46がプーリ63とガイド環45の間に介在している。さらにボール46は移動カム環44のカム溝スロット44aに入っているので、移動カム環44がCW方向に移動するとカム溝スロット44aの端部に押されてボール46が移動を始める。ガイド環45には溝部45aが設けられており、ボール46が介在している(図6参照)。然るにボール46がCW方向に移動し始めるとガイド環45もCW方向に回転することになる。
ところで、ガイド環45の内径部には反転防止部材であるワンウェイクラッチ43が圧入されている。このワンウェイクラッチ43の内径に支軸41が配置されている。本実施形態において、ワンウェイクラッチ43は支軸41に対してCW方向に回転可能に配置されているが故にガイド環45はCW方向には自由に回転することができる。同様にプーリ63の内径部に設けられたリブ63aがあり、ボール46に当接している。従ってボール46がCW方向に移動し始めるとプーリ63もCW方向に回転することになる。よって調整ダイヤル42をCW方向に回転するとプーリ63も調整ダイヤル42と同期してCW方向に回転することになり、外形部に設けられたボビン部63aに巻きつけられたワイヤ31を巻き取る動作をすることになる。
図10は調整ダイヤル42を回転させた時の、パッドの移動を概略的に表した図である。調整ダイヤル42をCW方向へ回転させるとワイヤ31が巻き取られ、ワイヤ31の頭部周囲長さが短くなる。それに伴いチューブ22が縮まり、後頭部パッド52が頭部方向へ移動する。また頭頂部においては、ワイヤ31が下へ下がるためパッド53が頭部方向へ移動する。調整ダイヤル42のワイヤ巻取りの方向はCW方向が望ましいが、その限りではない。
次に使用者が所望の位置まで巻取りを行い、調整ダイヤル42の巻取り動作を停止した場合について説明する。図6で示すようにワイヤ31はプーリ63に巻取られている。一方、ワイヤ31は後頭部パッド52に締結されている板バネ54のバネ力Pを受けているためワイヤ31をプーリ63から引き出そうとする張力Tが働いている。そのため、プーリ63はCCW方向に回ろうとする回転力が働くことになる。一方、プーリ63の内径部にはリブ63aが設けられており、このリブ63aの一端がボール46に当接し、ボール46もプーリ63に連れてCCW方向に回転する。さらにボール46はガイド環45の溝部45aに配置されている。従ってボール46はガイド環45をCCW方向に押し回そうとする。
ところで、ガイド環45の内径部にはワンウェイクラッチ43が配置されている。このワンウェイクラッチ43はその内径に配置された支軸41に対してCCW方向には回転しないように配置されている。そのため、板バネ54のバネ力Pの作用によりワイヤ31はプーリ63から巻き戻されることはできない。ゆえに使用者が所望の位置で調整ダイヤル42の回動を停止した場合、ワイヤ31の巻取りを停止することが出来る。然るにHMDを保持するのに適度な押圧を得た後に、調整ダイヤル42から手を離し、外力を排除しても各押圧部の押圧が緩むことはなく、装着者の所望の位置や押圧力を調整することができる。
次に、調整ダイヤル42を手動でCCW方向に回転する場合について説明する。理解を助けるために調整ダイヤルを内径部で展開した図13から図16を用いて調整部4の動作について述べる。調整ダイヤル42をCCW方向に回転させることは図13から図16では調整ダイヤル42を左側方向に移動させることと同義である。調整ダイヤル42を図10のCCW方向に回転すると、移動カム環44は紙面右側であるCCW側に移動するが、ボール46は移動カム環44のカム溝スロット44aとガイド環45の溝部45aで囲まれた部分に留まろうとする。ガイド環45はワンウェイクラッチ43の作用によりCCW方向には回転しない。従ってボール46はスラストZ−方向に沿って移動することになるがやがて図14に示される状態に至るとボール46がプーリ63の内径部に配設されているリブ63aとの係合が解除され、プーリ63はワンウェイクラッチ43の回転規制を受けなくなる。つまり、プーリ63は回転自在の状態であるが、プーリ63に巻き取られているワイヤ31は板バネ54のバネ力Pを受けてCCW方向に巻き戻されることになる。以後この状態を「巻取り解除状態」と呼ぶ。このとき移動カム環44とガイド環45との間に設けられたトーションバネ62は回転力を与えられてチャージした状態、つまり移動カム環44はCW方向に回転しようとする力が蓄えられた状態になっている。
一方、ガイド環45はCCW方向に回転しようとする力が働いているが、ワンウェイクラッチ43の作用によりCCW方向には回転しない。ここで移動カム環44と係合している調整ダイヤル42は操作者の手によって停止されているが、その手を離し、外力を排除した瞬間にチャージしたトーションバネ62が開放され、移動カム環44はCW方向に回転する。このときボール46は移動カム環44のカム溝スロット44aとガイド環45の溝部45aで囲まれた部分で移動するので、ボール46はスラストZ+方向に移動する。このボール46の移動によりプーリ63の内径部に配設されたリブ63aとで係合し、移動カム環44はカム面44bに当接するカムフォロア61がカム停止面44cに至るまでCW方向に回転を続け、巻取り初期状態である図13に戻ることになる。
次に、操作者が巻取り解除状態にした後、さらに調整ダイヤル42をCCW方向に所定量以上回転させた場合について説明する。移動カム環44はその一端に設けたカム斜面44dに当接するカムフォロア61に位置が規制されるので、移動カム環44はカム斜面44dの軌跡を辿り更に移動カム環44がZ−方向へ駆動される。一方、移動カム環44のボス部44eは調整ダイヤル42のキー部42aで係合しているが、図15に示される状態まで駆動されるとボス部44eはキー部42aとの係合が終了することになる。このとき、移動カム環44にはトーションバネ62が掛かっており、回転力をチャージされているがために移動カム環44をCW方向に回転しようとする力が働いている。従ってその瞬間に移動カム環44はCW方向に回転することになり、ボス部44eがキー部42bの端まで回転する。この状態は操作者が調整ダイヤル42を把持しない状態においてもボール46、ガイド環45、プーリ63は係合していない状態を保持しているため、ワイヤ31の巻取りを解除している。
如かして後頭部パッド52は装着者の後頭部への押圧を解除することになり、さらにその状態を保持しているため簡便にHMDを取り外すことが出来る。以後この状態を「巻取り解除保持状態」と呼ぶ。
操作者が巻取り解除保持状態から初期状態に復帰する復帰動作には調整ダイヤル42をCW方向に回転させることで実現している。具体的には移動カム環44のボス部44eをキー部42bから42aへ戻せば良い。調整ダイヤル42の内部には抑止解除部材であるカムロック解除環47が配置されており、バネ受け48の内径部と嵌合状態になっている。また、カムロック解除環47には突起部47bが設けられ、この突起部47bにはバネ受け48に設けられた切欠き部48aが係合している。従ってカムロック解除環47はバネ受け48に対して軸方向に対し回転することなく移動することができる。バネ受け48は支軸41に固定され、支軸41はフレーム21に固定されているので、カムロック解除環47はフレーム21に対して回転しない。一方、移動カム環44はトーションバネ62が掛かっている状態であるので、移動カム環44はCCW方向に付勢され、ガイド環45はCW方向に付勢されている。調整ダイヤル42をCW方向に回転すると、移動カム環44は調整ダイヤル42のCCW方向に突き当たる一方、ガイド環45はトーションバネ62を介してCW方向に回転をすることになるので結果的には移動カム環44は調整ダイヤル42に付随して回転する。
ところで、カムロック解除環47は支軸41に対して回転しないので、いずれカムロック解除環47に設けてあるフック部47bが移動カム環44のボス部44eに当接する。当接した以後、移動カム環44はカムロック解除環47に回転を阻まれる。調整ダイヤル42は回転を続けるのでボス部44eはカム溝42bをスライドすることになり、CW方向に所定回転行うとカム溝42bはカム溝42aに移行する。このとき移動カム環44は戻りバネ64の付勢力を受けているので、常にフレーム21側に付勢されている。従って移動カム環44はカム溝42aに沿ってZ+方向へ移動することになる。移動カム環44がカム溝42aに沿って移動する際、移動カム環44のカム溝スロット44aに嵌っているボール46も駆動されることになる。このとき、プーリ63の内径部に配置されているリブ63a間にボール46がスムーズに入り込めるようにリブ63aの端部にはテーパ部を設けておくと尚良い。やがて移動カム環44は初期状態である図13に到達し、ワイヤ31を巻き取る準備が整う。
本実施形態においてはワイヤ31を用いて後頭部パッド52と頭頂部パッド53の位置を変移させているが、ワイヤに限定するものではない。他に例えばゼンマイバネのような帯状の可撓性部材を利用することで後頭部パッド52や頭頂部パッド53の位置を調整することも出来る。さらに、本実施形態では後頭部パッド52と頭頂部パッド53を同時に調整しているが、それぞれ独立に調整してもよい。
本実施形態によれば、簡便な構成で可撓性部材であるワイヤの巻取りとその解除を実現することができる。また、構成する部品点数を削減することで、軽量なHMDを提供することができる。そのため、装着者に掛かる負担を軽減できるほか、確実な動作を実現することができる。また、部品点数削減の効果により、低価格なHMDを提供することができる。
また、本実施形態によれば、操作部材の回転操作だけでワイヤの巻取り及びその解除を操作できるので、装着操作が簡単で分かりやすいHMDを提供することができる。
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態として、本発明の巻取り装置をスキーブーツ100の締め付け機構に適応した例を、図17、図18を用いて説明する。なお、実施形態1で説明した部材と同じ部材については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
101は足の爪先部101aから踵部101b、足首部101cさらに上部101dまでを覆うシェルである。このシェル101の足首部101cから上部101dにかけて、フラップ103で覆われている。フラップ103は足の前方に対して開きつつ足を取り囲むような形状を成していると同時にアキレス腱部近傍でシェル101と接着や溶着等の手段によって締結されている。フラップ103の前方にはワイヤ31を折り返すフック103aが複数設けられている。このフック103aは左右両方に取り付けられており、ワイヤ31を左右交互に折り返す形に編まれている。なお、このフック103aはワイヤ31を貫通させる穴が開いており、フック103aからワイヤ31が外れないようになっている。フラップ103は堅牢でありかつ弾力性を持つ材料であることが望ましい。また、舌状部102は、爪先部101aからブーツ100の足首部分101cへと後方に向かって延在しており、フラップ103よりもブーツ内側に配置される。舌状部102の一端はシェル101に対して爪先部101a付近にて溶着や接着などの手段により締結しているが他端は自由になっている。そのため、足挿入口101eでの開口面積は装着者の足のサイズに適応可能になっている。また舌状部102の内面側は足に直接接触部分となるため、柔軟な材料で構成することが望ましい。4は第1実施形態で示したワイヤ31を巻き取る調整部であり、調整ダイヤル42を回転させることによりワイヤ31を巻き取る。
以上の構成でスキーブーツ装着時の操作と作用について説明する。ワイヤ31が緩んでいる状態から舌状部102を広げることによりシェル101の足挿入口101eの開口面積を押し広げ、装着者の足が挿入できるようにした後、足をシェル101内に挿入する。挿入した状態から舌状部102をフラップ103の内側になるように格納する。この状態で調整部4の調整ダイヤル42を図10のCW方向に回動し、ワイヤ31を巻き取る。ワイヤ31を巻き取ることにより、フラッパ103が締め付けられ、装着者の足形状に適合する形状まで変形し、装着者の足首を固定する。
次に装着者がスキーブーツを取り外す場合について説明する。装着者は調整部4の調整ダイヤル42をCCW方向に回動する。このとき、調整部4の内部にある移動カム環44をCCW方向に回動させることでボール46を駆動し、ガイド環45とプーリ63との係合を解除することによりワイヤ31を巻き取っているプーリ63が回転自由になる。このときワイヤ31によって巻き付けられたフラッパ103、舌状部102は変形された状態から開放され、初期の形状に戻り、ワイヤ31の線張力がほぼ0になるまでプーリ63は回転することになる。その後、調整ダイヤル42を更にCCW方向に回動させ、巻取り解除保持状態にすることで操作者が調整ダイヤル42を把持しない状態でも巻取り解除を保持することができる。さらに両手を使って舌状部102をシェル101の外側に押し広げることができ、スキーブーツを取り外すことができる。
本実施形態によれば、簡便な構成でワイヤの巻取りと自由な位置でロックがかかり、解除、解除時の回転抑制を実現することができ、軽量で確実な動作を実現することができる他、コストダウンに寄与するスキーブーツを実現することができる。
本実施形態ではスキーブーツに適応しているがこの限りではなく、その他コルセットなどの衣服や医療器具、防護服の装着において、ワイヤ等で身体に締め付ける機構に適応することが可能である。

Claims (4)

  1. 操作部材が第1方向に回転されることに伴って巻取り部材が回転して可撓性部材を巻き取り、その状態を保持する巻取り状態と、前記操作部材が第2方向に回転されたことにより前記巻取り状態を解除する巻取り解除状態と、をとることが可能な巻取り装置であって、
    前記巻取り状態において前記巻取り部材の前記第2方向への回転を防止する反転防止部材と、
    前記反転防止部材に対する前記巻取り部材の回転を抑止する回転抑止部材と、
    前記巻取り解除状態において前記操作部材が前記第1方向に回転されると、前記回転抑止部材を前記巻取り部材の回転軸方向へ移動させるためのガイド部材と、
    を有し、
    前記ガイド部材は、前記回転抑止部材を、前記巻取り状態においては前記反転防止部材と前記巻取り部材との間に介在して前記反転防止部材と前記巻取り部材とを係合させる位置に移動させ、前記巻取り解除状態においては前記反転防止部材と前記巻取り部材との間に介在せず前記反転防止部材と前記巻取り部材とを係合させない位置に移動させることを特徴とする巻取り装置。
  2. 前記操作部材を操作する外力がなくなったとき、前記巻取り状態に復帰するための付勢部材と、
    前記操作部材が前記第2方向に所定量以上回転されたとき、前記付勢部材による前記巻取り状態への復帰を抑止し巻取り解除状態を保持するための復帰抑止部材と、
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載の巻取り装置。
  3. 前記巻取り解除状態において前記操作部材が前記第1方向に回転されたとき、前記復帰抑止部材による前記巻取り状態への復帰の抑止を解除する抑止解除部材を更に有することを特徴とする請求項2に記載の巻取り装置。
  4. 前記抑止解除部材は前記巻取り部材の回転軸方向へ駆動することを特徴とする請求項3に記載の巻取り装置。
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