JP2010267976A - 電子部品搭載構造及び車載用センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リードフレーム1を導通パターン及び電子部品搭載電極(電子部品搭載面12)として、モールド樹脂4と一体に成形する電子部品搭載構造において、リードフレーム1にべンディング部11を設け、電子部品2の接合箇所3に加わる応力をベンディング部11が変形して吸収することで、著しく低減することが出来る。
【選択図】図5
Description
一般的に知られている電子部品の材料であるセラミックは、約1×10−5(1/degC)前後である。代表的な例を上げると、チップセラミックコンデンサBaTiO3では1.10×10−5(1/degC)、チップ抵抗アルミナでは0.72×10−5(1/degC)である。一方、リードフレームの材料である黄銅の線膨張係数は、1.70×10−5(1/degC)である。また、エンジニアリングプラスティックの代表的な材料PPSでは、温度により異なるが2×10−5(1/degC)で、樹脂の流れ方向によってはそれ以上となる。以上のように、リードフレーム、エンジニアリングプラスティックは、電子部品の略2倍の線膨張係数を有している。
従来、前記接合部の劣化を抑制するためには、接合部材の増量や、接合部材自体の強度を向上させる手段が用いられている。しかしながら逆に、それら接合部の強度を増加させると、線膨張係数の違いにより電子部品自体を破壊することに繋がりかねないという問題があり、相反する事象を溝足させる必要があった。
実施の形態1.
図1は実施の形態1の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
回路の導通部分であり、かつ電子部品搭載の電極となるリードフレーム1と電子部品2及び接合部材3そして、リードフレーム1を一体に成形する樹脂モールド4から構成される。
リードフレーム1の中央部は、導通パターン及び電子部品2の搭載電極となる電子部品搭載面12を形成している。
この実施の形態1では、リードフレーム1の回転センサーなどの検出素子と電子部品2を繋ぐ部分(図の右側)及び電子部品2とコネクタとを繋ぐ部分(図の左側)の両方にベンディング部11を設けている。このベンディング部11はリードフレーム1の配置方向(検出素子と電子部品、コネクタを繋ぐ方向)とほぼ直交する方向で設けられており、電子部品の搭載面12に対してU字型に略垂直方向に形成されている。
また、電子部品2が搭載される部分にモールド樹脂開口部41を設けている。
また、更にリードフレーム1の電子部品接合箇所の対向する間の樹脂をなくし、ベンディング部11を解放することで、リードフレーム間の距離は、前述する部材の構造により、リードフレーム一体成形部品の熱膨張収縮の影響を受けにくくなり、電子部品自体の熱膨張収縮が発生するだけに近い状態となるため、接合部への局所的な応力発生を低減できる。
モールド樹脂4とリードフレーム1の構造は、リードフレーム1の導通パターン部分は、モールド樹脂に埋没してある部分等によリモールド樹脂の膨張収縮に連動することとなるが、リードフレーム1のベンディング部11及びそこから、電子部品搭載面12に及ぶ部分にはモールド樹脂に埋没している箇所がないため、物理的に接合されていない。よって、モールド樹脂4がリードフレーム1の膨張収縮を拘束しないこととなる。
図2は、実施の形態2の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
回路の導通部分であり、かつ電子部品搭載の電極となるリードフレーム1と電子部品2及び接合部材3そして、リードフレーム1を一体に成形する樹脂モールド4から構成される。このベンディング部11はリードフレーム1の配置方向(検出素子と電子部品、コネクタを繋ぐ方向)とほぼ直行する方向で設けられており、電子部品の搭載面12に対して平行に略U字型に形成されている。
また、電子部品2が搭載される部分にモールド樹脂開口部41を設けている。
この実施の形態2の構造では、実施の形態1と同様に電子部品2の接合箇所3に加わる応力をリードフレーム1に設けたベンディング部11が変形して吸収することで、著しく低減することが出来る。
図3は、実施の形態3の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
なお、図4にブランキング部の形状を説明する図として斜視図を示す。
この実施の形態3が実施の形態1(図1のもの)と異なるのは、リードフレーム1の配置方向(検出素子と電子部品、コネクタを繋ぐ方向)とほぼ直交する方向で設けられたベンディング部11の一部にブランキング部13を設けていることである。このブランキング部13の構造を図4の斜視図でわかり易く示している。
このように実施の形態3では、実施の形態1で示したもの以上にべンディング部の曲げが小さな力で変形することが可能なため、更に接合部分への発生応力が小さくなる。
なお、この実施の態様3を示す図3では、ブランキング部13をリードフレーム1のベンディング部11のほぼ中央に1箇所ずつ設けているが、複数個のブランキング部分を設けるようにしても良い。また、ブランキング部11に替えて肉薄部を形成するようにしてもほぼ同様の効果を得ることができる。
図5は、実施の形態4の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
この実施の形態4が実施の形態2(図2のもの)と異なるのは、リードフレーム1の配置方向(検出素子と電子部品、コネクタを繋ぐ方向)とほぼ直交する方向で設けられたベンディング部11の一部にブランキング部13を設けていることである。
このように実施の形態4では、実施の形態2で示したもの以上にべンディング部の曲げが小さな力で変形することが可能なため、更に接合部分への発生応力が小さくなる。
なお、この実施の態様4を示す図5では、ブランキング部13をリードフレーム1のベンディング部11のほぼ中央に1箇所ずつ設けているが、複数個のブランキング部分を設けるようにしても良い。また、ブランキング部11に替えて肉薄部を形成するようにしてもほぼ同様の効果を得ることができる。
図6は、実施の形態5の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
この実施の形態5の構造は、実施の形態1(図1のもの)と殆どの構成は同じであるが、ベンディング部11の形状が異なる。
実施の形態5では図6に示すように、略S字状に形成したベンディング部を有している。このような構成にすることにより、ベンディング部の数が増えるので、実施の形態1のものよりべンディング部の曲げが小さな力で変形することが可能なため、更に接合部分への発生応力が小さくなる。
図7は、実施の形態6の電子部品搭載構造を示す図で、上面図、電子部品搭載方向(断面B−B)断面図、及び側面から見た(A−A断面)断面構成をそれぞれ示す図である。
この実施の形態6の構造は、実施の形態5(図6のもの)と殆どの構成は同じであるが、リードフレーム1の電子部品搭載面12に溝部15を設けている点で異なる。
この溝部15を設けることで、電子部品搭載面12の剛性が向上することと、半田のような接合工程で溶融する材料に対して流れ止めの効果を持つ。
以下に、この電子部品搭載構造の製造工程手順について説明する。
図8(a)は、回転センサーなどのリードフレーム一体成形部品の全体構造を示す図であり、リードフレーム1により、図左側のコネクタと図右側の機能部品であるICとを電気的に接続する回路部分の機能を担う部品の一例である。図中央部分に示す電子部品の接合箇所を拡大して図8(b)に示す。以下、図9にて製造工程を順に説明する。
国9(b)はリードフレームモールド成形加工時の上記リードフレーム1及び、成形金型(上型30、下型31)の構造を示す。
図9(c)は成形樹脂4充填完了状態におけるリードフレーム1の状態を示す。図6に示す実施の形態5に示すリードフレーム1のベンディング部11(略S字形状)がこの工程で成形される。また、金型が閉じている状態にて、ベンディング部11周りには樹脂が回り込まないため、ベンディング部11周りを拘束する樹脂の無い構造を確保できる。
図9(d)は上記までの、リードフレーム1のベンディング部11及び、成形樹脂部分4の完成後、対向する電子部品搭載面の間の樹脂をプレス加工にて除去する例を説明している。この工程は予めリードフレーム1を加工しておくか、上記成形加工時に多段工程にて実施も可能であり、あくまでも一例である。
図9(e)は電子部品の接合部3を印刷によりリードフレームに塗布する工程を説明している。この図9(e)は半田材のマスク印刷の説明であるが、接合材料が導電性接着剤の場合は、ディスペンサーによる塗布等の可能であり、上記の限りではない。
図9(f)は上記工程完了後、リフロー炉あるいは、接着剤キュア炉で接合材料に適合したプロセスを経て電子部品2が接合された状態を示す。
以上のように、従来に対して特別な構造や、工程は勿論追加部品無しに、著しく接合部分の信頼性を向上する電子部品搭載構造を得ることが可能となる。
また、更に電子部品接合箇所の対向するリードフレーム1の間の樹脂をなくし、ベンディング部11を解放することで、リードフレーム1間の距離は、前述する部材の構造により、リードフレーム一体成形部品の熱膨張収縮の影響を受けにくくなり、電子部品自体の熱膨張収縮が発生するだけに近い状態となるため、接合部への局所的な応力発生を低減できる。
Claims (7)
- 回路の導通パターンであると共に、電子部品の電極となる搭載面を有するリードフレームを備え、前記電子部品は接合部材によって前記搭載面に接合され、前記電子部品及び前記搭載面付近の前記リードフレームが露出する開口部を形成するように、前記リードフレームをモールド樹脂で一体成形した電子部品搭載構造において、前記開口部内の前記リードフレームに、前記電子部品と前記搭載面との接合部に加わる応力を吸収するためのべンディング部を設けたことを特徴とする電子部品搭載構造。
- 前記ベンディング部の形状は、略U字型であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品搭載構造。
- 前記ベンディング部の形状は、略S字型であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品搭載構造。
- 前記ベンディング部は、前記搭載面に対して略垂直方向に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品搭載構造。
- 前記ベンディング部は、前記搭載面に対して略平行方向に設けることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品搭載構造。
- 前記搭載面に溝部を設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品搭載構造。
- 請求項1から6までのいずれか一項に記載の電子部品搭載構造を有することを特徴とする車載用センサー。
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