JP2010267751A - 電気機器収納用箱の換気扇の取付構造 - Google Patents

電気機器収納用箱の換気扇の取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】換気扇の外径寸法を必要以上に拡大することなく、換気扇の振動が筺体に伝わることを防止することができる電気機器収納用箱の換気扇の取付構造を提供する。
【解決手段】換気扇1を筺体2に取付ける構造であり、換気扇の支持部9と筺体への取付部10とが換気扇1の軸線方向の異なる断面位置に設けられた振動吸収体4を介して取り付けを行う。振動吸収体4は、換気扇の支持部9となる第1溝部を有する軟質材の振動吸収ゴム11と、筺体への取付部10となる第2溝部を有する硬質材の支持ゴム12とからなることが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気機器収納用箱やラック等の筺体への換気扇の取付構造に関するものである。
電気機器収納用箱やラック等は、収納された機器の発熱により内部温度が上昇するので、筺体に換気扇を取付けて内部の換気や冷却を行っている。ところが換気扇を直付けした場合には換気扇の運転時に発生する振動が筺体に伝わり、振動騒音が発生するという問題が生じていた。
また、電気機器収納用箱やラック等に換気扇を実装して客先に輸送する場合には、換気扇に輸送振動が直接伝わるので、換気扇のベアリングが損傷し、換気扇の異音や故障の原因にもなっていた。
そこで特許文献1に示すように、換気扇の外側を制震部材で包んだうえで筺体にねじ止めする構造が提案されている。しかしこの構造ではねじを通じて換気扇の振動が筺体に伝わるため、振動騒音を十分に防止することはできなかった。また特許文献2には、換気扇の外側に制震部材を嵌め込み、この制震部材の外周を筺体の開口部付近に嵌め込む構造が提案されている。しかし、この構造では制震部材の厚さ分だけ筐体の開口部が拡大する問題があった。また、換気扇が大型である場合には制震部材を十分に厚くすることができず、やはり振動騒音を十分に防止することはできないことがあった。
特開2008−177614号公報 特開2008−190434号公報
従って本発明の目的は、換気扇の外径寸法を必要以上に拡大することなく、換気扇の振動が筺体に伝わることを防止することができる換気扇の取付構造を提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、換気扇の支持部と筺体への取付部とが、換気扇の軸線方向の異なる断面位置に設けられた振動吸収体を介して、換気扇を筺体に取付けたことを特徴とするものである。
なお、振動吸収体が換気扇の支持部となる第1溝部を有する軟質材の振動吸収ゴムと、筺体への取付部となる第2溝部を有する硬質材の支持ゴムとからなることが好ましい。また振動吸収ゴムは、支持ゴムにより外側から覆われた構造を有するものであることが好ましい。また換気扇を、ルーバを介して筺体に取付けることもできる。
本発明の換気扇の取付構造によれば、換気扇を振動吸収体を介して筺体に取付けたので、換気扇の振動が筺体に伝わることを防止することができる。このため運転時の騒音を低減することができるとともに、筺体に換気扇を実装して客先に輸送する場合にも、換気扇に輸送振動が直接伝わることがなくなり、換気扇のベアリングの損傷が生じない。またこの振動吸収体は換気扇の支持部と筺体への取付部とが、換気扇の軸線方向の異なる断面位置に設けられたものであるから、換気扇の大きさや振動の大きさに応じて振動吸収部を大きくすることができる。
なお、振動吸収体が換気扇の支持部となる第1溝部を軟質材の振動吸収ゴムとし、筺体への取付部となる第2溝部を硬質材の支持ゴムとしておけば、振動吸収性能と支持性能とを両立させることができる。また振動吸収ゴムが支持ゴムにより外側から覆われた構造としておけば、支持性能を向上させることができる。また先に換気扇取付けルーバを取付けている筺体であっても、振動騒音を防止することができる。
換気扇を備えた筺体を示す全体斜視図である。 第1の実施形態を示す外観斜視図である。 第1の実施形態を示す断面図である。 第1の実施形態を示す断面斜視図である。 振動吸収ゴムの取り付け方法の説明図である。 支持ゴムの取り付け方法の説明図である。 第1の実施形態を示す分解斜視図である。 第2の実施形態を示す斜視図である。 第2の実施形態を示す断面図である。 第3の実施形態を示す断面図である。 第3の実施形態を示す断面斜視図である。
以下に図面を参照しつつ好ましい実施形態を説明する。図1は換気扇1を備えた筺体2を示す全体斜視図である。筺体2は例えば電気機器収納用箱や電子機器収納用のラックなどである。図1では筺体2の左右の側壁を構成する平板5に形成された開口部3に振動吸収体4を介してそれぞれ換気扇1が取付けられているが、換気扇1の取付け位置や個数は任意である。
(第1の実施形態)図2〜図7は本発明の第1の実施形態を示す図である。換気扇1は従来と同様のもので、6は安全用のフィンガーガード、7は取付用平板である。換気扇1はこれらとともにねじ8により一体化されている。取付用平板7は中央に通風用の孔部を有し、その外周にフランジ状に張出されている。なお、取付用平板7は換気扇1の外周にフランジ状に張出されている場合は換気扇1に形成する必要はない。
本発明で用いられる振動吸収体4は、換気扇1の支持部9と筺体1への取付部10とが、換気扇1の軸線方向の異なる断面位置に設けられたものである。具体的には、振動吸収体4は軟質材の振動吸収ゴム11と、硬質材の支持ゴム12とからなり、軟質材の振動吸収ゴム11は内周部に換気扇の支持部9となる第1溝部を備えている。また硬質材の支持ゴム12は外周部に筺体1への取付部10となる第2溝部を備えている。これらの第1溝部と第2溝部とは、図3、図4に示されるように換気扇1の軸線方向の異なる断面位置、すなわち水平方向にずれた位置にある。
振動吸収ゴム11はスポンジゴムやシリコンゴム等の軟質ゴムであり、耐候性や耐熱性は劣るが振動吸収能力は優れた特性を有するものである。一方、支持ゴム12は例えばエチレンープロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の耐候性や耐熱性に優れるが、振動吸収能力は劣る特性を有する。振動吸収体4の全体を振動吸収ゴム11により構成すると支持能力が不足するので、これらを組み合わせて使用することが好ましく、この第1の実施形態では図3に示されるように、振動吸収ゴム11が支持ゴム12により外側から覆われた構造としてある。ただし本発明ではこれら2種類のゴムを使用することは必須要件ではなく、中間的な性質を備えた単一種類のゴムとしてもよい。
取り付けに際しては、先ず図5に示すように換気扇1の取付用平板7の外周に換気扇の支持部9となる第1溝部を備えた振動吸収ゴム11を嵌め込む。振動吸収ゴム11は1本の帯状体である。第1溝部の幅と換気扇1の取付用平板7の幅とはほぼ同じであることが好ましい。端部間の合わせ部は接着剤または加硫接着によって固定する。なお、換気扇1の外周にフランジ状に張出されている場合は張出部を第1溝部に嵌め込むものである。このようにして振動吸収ゴム11を嵌め込んだうえで、その外周から図6に示すように支持ゴム12を嵌め込む。その端部間の合わせ部も接着剤または加硫接着によって固定する。その後に、支持ゴム12の第2溝部を筺体2の開口部3の端部に嵌め込む。
上記した取付構造によれば、換気扇1の振動は振動吸収ゴム11によって吸収され、また換気扇1の支持部9と筺体2への取付部10とが異なる断面位置に設けられたものであるから、換気扇の大きさや振動の大きさに応じて振動吸収部を大きくすることが可能であり、筐体2の開口部3を拡大することなく振動吸収部を軸線方向に大きくすることができ、従来通りのサイズの開口部3に取り付け可能である。
なお、第1の実施形態では振動吸収ゴム11及び支持ゴム12として1本の帯状ゴムを使用したが、一方または双方を、予め枠状に成形されたゴムとすることもできる。
(第2の実施形態)図8と図9は本発明の第2の実施形態を示す図である。この実施形態では、換気扇1はその外周を軟質材の振動吸収ゴム11によって直接支持されており、第1の実施形態のように取付用平板7は用いられていない。このため振動吸収ゴム11が換気扇1の軸線方向に幅広く延びて支持部9を形成している。振動吸収ゴム11の外側は支持ゴム12によって覆われており、支持ゴム12は外周部の端部に筺体1への取付部10となる第2溝部を備えている。この第2の実施形態によれば振動吸収ゴム11の体積が大きいので、第1の実施形態よりも振動吸収性能に優れる。
なお、換気扇1の重みによって全体が落下することを防止するために、筺体2に支持金具を取付ける構造としてもよい。
(第3の実施形態)図10と図11は本発明の第3の実施形態を示す図である。この実施形態では、換気扇1をルーバ20を介して筺体2の開口部3に取付けられている。ルーバ20はステンレスや合成樹脂等からなるもので、その筺体2の内側となる部分にルーバ取付板21が設けられている。
振動吸収体4は内側の振動吸収ゴム11と外側の支持ゴム12とからなるものであり、その内周には換気扇の支持部9となる第1溝部のほかに、ルーバ20の取付部22となる第3溝部が、軸線方向に間隔を置いて形成されている。これらの溝幅は、取付用平板7とルーバ取付板21の幅とそれぞれほぼ同じとしておく。振動吸収ゴム11や支持ゴム12の種類は第1の実施形態と同様である。
この実施形態では、ルーバ20は筺体2の外側部分に段部23を備えており、図10に示すようにこの段部23が開口部3の端部に当接するようにルーバ20を外側から挿入し、振動吸収体4を筺体2の内側に密着するように嵌め込むことによって固定する。すなわち、振動吸収ゴム11の第3溝部をルーバ取付板21に嵌め込み、支持ゴム12の側面を筺体2の内側に密着させることによってルーバ20を固定している。そして振動吸収ゴム11の第1溝部に換気扇1の取付用平板7を嵌め込んで、換気扇1を取付けている。なお、第1の実施形態と同じように支持ゴム12の側面を筐体2に密着させずに、支持ゴム12に筐体2への取付部10を形成して筐体に固定するものであっても良い。
なお、この実施形態では振動吸収体4を利用してルーバ20を筺体2に取り付け、更に換気扇1を取り付けた。しかしルーバ20の筺体2への取り付け方法はこれに限定されるものではなく、直接ねじ止めしても、別の取付金具を用いてもよい。また、ルーバ20と換気扇1とによって筺体2を挟むような構造にしてもよい。
以上に説明したどの実施形態を採用しても、換気扇の大きさや振動の大きさに応じて振動吸収部を大きくすることが可能であり、筐体2の開口部3を必要以上に拡大することなく、換気扇1の振動が筺体2に伝わることを確実に防止することができる。
1 換気扇
2 筺体
3 開口部
4 振動吸収体
5 平板
6 フィンガーガード
7 取付用平板
8 ねじ
9 換気扇の支持部
10 筺体への取付部
11 軟質材の振動吸収ゴム
12 硬質材の支持ゴム
20 ルーバ
21 ルーバ取付板
22 ルーバの取付部
23 段部

Claims (4)

  1. 換気扇の支持部と筺体への取付部とが、換気扇の軸線方向の異なる断面位置に設けられた振動吸収体を介して、換気扇を筺体に取付けたことを特徴とする電気機器収納用箱の換気扇の取付構造。
  2. 振動吸収体が、換気扇の支持部となる第1溝部を有する軟質材の振動吸収ゴムと、筺体への取付部となる第2溝部を有する硬質材の支持ゴムとからなることを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気扇の取付構造。
  3. 振動吸収ゴムは、支持ゴムにより外側から覆われた構造を有するものであることを特徴とする請求項2記載の電気機器収納用箱の換気扇の取付構造。
  4. 換気扇を、ルーバを介して筺体に取付けたことを特徴とする請求項1記載の電気機器収納用箱の換気扇の取付構造。
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