JP2010265642A - 電子キーシステム - Google Patents

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    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Abstract

【課題】携帯機に対して無線による電力伝送が行われる電子キーシステムにおいて、安定した通信エリアを形成し、併せて防犯性をも確保することができる電子キーシステムを提供する。
【解決手段】UHF帯の無線信号である駆動電波Svvの受信エリアAvvは、規定の通信エリアArの外側にはみ出るように、且つそのヌル点Pnが規定の通信エリアArの境界Lbrd上に位置するように設定した。また、LF帯の無線信号である応答要求信号Srqの受信エリアArqは、規定の通信エリアArに合致するように設定した。そして、駆動電波Svvの受信エリアAvvと応答要求信号Srqの受信エリアArqとの重複する領域を、携帯機と車両との実際の通信エリアApとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、制御対象と電子キーとの間の無線通信を通じて制御対象の各種制御を実行する電子キーシステムに関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、ユーザが携帯機を所持した状態で車両ドアに接近することにより車両ドアの解錠が自動的に実行されるとともに、ユーザが車室内に入ることによりエンジンの始動などが許可される、いわゆる車両の電子キーシステムが周知である。この電子キーシステムでは、車両ドアの周辺あるいは車室内に設定された通信エリアに携帯機が進入したときに、車載装置と携帯機との間で無線信号を通じた各種信号の授受を実行する。車載装置は、こうした各種信号の授受を通じて、内蔵するメモリに記憶されているIDコードと携帯機のIDコードとの照合を通じて携帯機の電子的な認証を行うとともに、当該認証を通じて正規の携帯機である旨を判断すると、前記車両ドアの解錠あるいはエンジンの始動許可などの車両制御を実行する。
こうした電子キーシステムでは、例えば携帯機の動作電源となる電池が消耗した場合に、車載装置と携帯機との間で無線通信を行うことができなくなるおそれがある。すなわちこの場合には、携帯機を所持したユーザが前記車両ドアの周辺あるいは車室内に設定された通信エリアに進入したとしても車両ドアの解錠あるいはエンジンの始動許可などが行われなくなる。このため、携帯機側での電池の消耗を抑える観点から、携帯機は通常はスリープ状態(節電状態)を維持する。そして、携帯機は、車両ドア周辺の通信エリアに進入して車両側から送信されるLF帯の応答要求信号を受信したときに起動して、自身のIDコード等の応答信号を車両側へ送信する。
しかし近年では、身の回りは、携帯電話、テレビジョンあるいは各種のセンサをはじめとする電子機器であふれかえっている。それらの中には、自発的に、あるいはノイズ(雑音)として、LF帯の無線電波を出力するものも多い。このため、携帯機を所持するユーザは、知らず知らずのうちにそのノイズの発生源の近くに携帯機を置く等して、気が付くと電池が消耗している、という状況の発生が想定される。すなわち、前述した受信ノイズの増加に伴い、これを携帯機が受信する機会も増大することが想定されるところ、携帯機はその使用周波数帯であるLF帯の受信ノイズを受信するたびに起動し、これにより電池の消耗が助長される。その結果、電池の交換頻度の増大が懸念され、これはユーザにとって煩雑である。
携帯機の電池が消耗した場合に備えて、携帯機には通常、車両に設けられているキーシリンダに挿し込むことにより車両ドアの施解錠、あるいはエンジン始動などの操作を機械的に行うメカニカルキーが収容されている。また、エンジン始動に際しては、携帯機に内蔵されるトランスポンダと車両側との無線通信を通じてユーザ認証を行うようにしたものも知られている。トランスポンダは、車両ドアの開閉動作などを契機として車両側から発信される駆動電波を動作電源として自動駆動し、自身に固有のIDコード等を無線送信するものである。ところが、ユーザの中には、携帯機の電池が消耗した際の前述した対処法について知らない者、あるいは当該対処法については知っているもののメカニカルキーによる操作等に対して煩雑に感じる者も存在する。
このため、本願の出願人は、動作電源としての電池を必要としない携帯機、例えば特許文献2に示されるようなパッシブ型のRFID(Radio Frequency Identification)技術を携帯機と車両との間の無線通信に応用することを検討している。すなわち、車両側から送信される駆動電波に基づき駆動電力を生成し、この生成される電力を使用して車載機器との間の無線通信を行う。この構成によれば、電池を携帯機に内蔵する必要はない。
特開2007−258877号公報 特開2006−311415号公報
ところが、前記パッシブ型のRFID技術を携帯機と車両との間の無線通信に応用する場合には、次のような問題があった。すなわち、車両ドアの周辺に設定される通信エリア(車外通信エリア)には、携帯機に対する応答を要求する応答要求信号として例えばUHF帯の周波数を有する駆動電波が所定の制御周期で発信される。携帯機は、車外に形成される通信エリアに進入したときに受信する駆動電波を動作電源として駆動して前記応答信号を送信する。このUHF帯の電波は、例えば特許文献1に示される従来の電子キーシステムにおいて使用されるLF帯の電波に比べて波長が短いため、アンテナあるいは送信出力を小さくすることが可能であり、且つ通信距離も長いという特徴を有するものの、金属あるいは大地の反射等に起因してヌル点(不感点)が現れることが多い。ヌル点とは、車両と携帯機との間の無線通信が可能とされる距離であるにもかかわらず、すなわち携帯機が通信エリア内に存在しているにもかかわらず無線信号の送受信ができない位置をいい、車両側から送信される駆動電波と金属あるいは大地等に反射してできた逆位相の電波が打ち消し合うこと等に起因して発生する。
また、前述のヌル点は、次のような理由によっても発生する。すなわち、UHF帯等の高い周波数の電波を発生させるアンテナは、周波数の低い電波を発生させるものに比べて小さく作ることができる。また、当該高い周波数の電波を発生させるアンテナは、高利得のものを作ることも可能であり、ときにはそのために複雑な形状を有する。そのようなアンテナから発せられる電波は、アンテナ形状及び波長に起因して、特定の方向に放射される電波(正確には、その信号強度)が著しく弱くなることがある。この電波の著しく弱い位置がヌル点である。
このように、UHF帯の駆動電波を使用する場合には、前述したヌル点が現れることにより、UHF帯の駆動電波により形成される通信エリアは歪んだ形状になる。この通信エリアの形状を制御することは困難である。
通信エリアは、電子キーシステムの製品性能を確保する上で必要とされる携帯機の作動距離に基づき設定されるところ、UHF帯の電波を使用する場合には、前述したヌル点が現れることから予め規定される通信エリアが安定して形成されず、携帯機の作動距離(携帯機が車両側から発信される駆動電波を受信することができる車両との距離)にばらつきが生じるおそれがある。
例えば、図3(a)にハッチングで示されるように、UHF帯の駆動電波の伝送距離が最大となる点を規定の通信エリアの境界に設定することが考えられるところ、この場合には、前述したヌル点では通信ができないことから実質的に車両との通信距離が短くなるポイントが存在する。すなわち、携帯機は、規定される通信エリアの境界付近で車両からの駆動電波を受信する場合もあれば、当該境界の内側に入ってある程度まで車両に近接しなければ車両からの駆動電波を受信することができない場合もある。このような携帯機の作動距離のばらつきは、電子キーシステムとしての製品性能の均質化の点で問題となる。
この問題を解決するために、例えば図3(b)に示されるように、UHF帯の駆動電波の伝送距離が最小となるヌル点を規定の通信エリアの境界に設定することが考えられる。この場合には、規定の通信エリア内に万遍なく駆動電波が送信されることにより、当該通信エリア内における携帯機の作動距離のばらつきは抑制される。しかし、この場合には、駆動電波の伝送距離が最大となる点は規定の通信エリアよりも遠方に存在する。すなわち、図3(b)にハッチングで示される実際の通信エリアは規定の通信エリアの外側にはみだして形成される。このため、携帯機が規定の通信エリアの外側に存在する場合であれ、当該携帯機と車両との間で無線信号の授受を通じた認証(ID照合)が実行されて車両ドアの解錠が実行され、この際に、車両の近傍に存在する第三者に入室されるおそれがある。これは防犯上の問題となる。
このように、携帯機の動作電源として例えばUHF帯の無線信号を使用する場合には、ヌル点の現出に起因して、安定した通信エリアを形成しようとしたときには前述した防犯上の問題が発生し、当該防犯性を確保しようとしたときには安定した通信エリアの形成が困難になる。こうした相反する問題を如何に解消するかが、無線により携帯機側へ電力伝送する電子キーシステムを実用化する上での重要な課題となっていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、携帯機に対して無線による電力伝送が行われる電子キーシステムにおいて、安定した通信エリアを形成し、併せて防犯性をも確保することができる電子キーシステムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、特定の扉の施解錠動作を制御する制御装置から当該扉の周辺に設定される通信領域へ無線送信される無線信号を受信するとともに、当該受信される無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されて当該無線信号に対する応答信号を無線送信する携帯機を備え、前記制御装置は、前記応答信号に含まれる識別情報が妥当である旨判断されるとき、前記扉の施解錠動作の制御に係る処理を実行する電子キーシステムにおいて、前記制御装置は、前記扉の周辺に前記通信領域からはみ出すように設定される第1の送信領域へ第1の無線信号を無線送信するとともに、前記扉の周辺に前記通信領域に合致するように設定される第2の送信領域へ前記第1の無線信号よりも長い波長を有する第2の無線信号を無線送信することにより、当該第1及び第2の送信領域の重複する領域を前記通信領域として形成し、前記携帯機は、前記第1の送信領域において受信する第1の無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動するとともに、当該第1及び第2の送信領域の重複する領域である通信領域において受信する第2の無線信号に基づき前記応答信号を無線送信することをその要旨とする。
本発明によれば、第1及び第2の送信領域の重なる部分が制御装置と携帯機との通信領域となる。第1の無線信号が送信される第1の送信領域は、所定の通信領域をはみ出して設定されるものの、第2の無線信号が送信される第2の送信領域は所定の通信領域に合致するように設定される。携帯機は、第1の無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動するので、第1の送信領域に存在する場合には、応答信号の送信が可能となる。そして第1の送信領域に存在し、かつ第2の送信領域にも存在する場合には、携帯機は第2の無線信号の受信を契機に応答信号を送信する。第2の送信領域のみに存在する場合には、第1の無線信号を受信できないので自動駆動することはない。
第1の無線信号を通じて携帯機への電力伝送及び応答信号の送信要求の双方を行うことも考えられるところ、この場合には、所定の通信領域の外側において扉の解錠が実行され、この際に扉の近傍に存在する第三者に入室される等の懸念がある。この点、本発明によれば、所定の通信領域の外側において第1の無線信号を受信することにより携帯機は自動駆動するものの、第2の無線信号を受信しない限り応答信号を送信することはない。このため、前述した第三者の入室等に対する懸念は解消されて、防犯性が確保される。
また、第1及び第2の送信領域のうち特に、第2の無線信号よりも波長の短い第1の無線信号が送信される第1の送信領域においては、当該領域に発信される第1の無線信号の信号強度が著しく弱くなる、いわゆるヌル点の現出が想定される。そしてこのヌル点の発生に起因して第1の無線信号の到達距離、すなわち携帯機の作動距離にばらつきが発生するおそれがある。この点、本発明のように、第1の無線信号が送信される第1の送信領域を所定の通信領域の外側にはみ出して設定することにより、第1の送信領域に発生するヌル点を、所定の通信領域のなるべく外側にもってくることが可能になる。これは、第1の無線信号の発信特性(指向性など)が同じ場合、当該無線信号の出力強度の調整及び前記制御装置側における搭載位置の異なる複数のアンテナによる制御などを通じて、第1の送信領域が拡大または縮小されたとき、当該拡大または縮小後の第1の送信領域に現出するヌル点の位置は、拡大または縮小前の第1の送信領域に現出するヌル点の位置に対して相似的な位置となるからである。例えば、第1の送信領域を所定の通信領域内に収めた場合に発生するヌル点の位置と、第1の送信領域を所定の通信領域からはみ出すように拡大した場合に発生するヌル点の位置とでは、後者のヌル点の方が所定の通信領域の外側に位置する。このため、所定の通信領域の内部における第1の無線信号の到達距離のばらつきの発生を抑制することができる。したがって、第1及び第2の送信領域の重複する領域である通信領域が安定して形成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、前記第1の送信領域は、当該領域内における前記第1の無線信号の到達距離の最も小さい地点が前記通信領域の内側と外側との境界上に位置するように設定されてなることをその要旨とする。
本発明によれば、第1の無線信号は所定の通信領域の範囲内に万遍なく送信される。このため、第1及び第2の送信領域の重複する領域である通信領域がいっそう安定的に形成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、前記携帯機は、前記第1の無線信号の電磁エネルギを蓄える充電回路を有してなることをその要旨とする。
本発明のように、携帯機に充電回路が設けられる場合には、第1の無線信号を受信してから充電回路に所定の電力が蓄えられるまでに多少なりとも時間が必要となる。この点、前述したように、第1の無線信号が送信される第1の送信領域は、第1及び第2の送信領域により規定される所定の通信領域の外側にはみ出て設定される。このため、携帯機には所定の通信領域に近づく過程で第1の無線信号の受信を通じて電力が蓄えられて起動し得る。そして、携帯機が起動状態で通信領域内に進入することにより、第2の無線信号を受信した際には即時に応答信号を送信することが可能となる。したがって、第1及び第2の送信領域により規定される通信領域に進入してから起動する場合に比べ、携帯機の第2の無線信号に対する応答性が高められる。
なお、請求項4に記載されるように、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記第1の無線信号としてUHF帯の周波数を有する電波信号を、前記第2の無線信号としてLF帯の周波数を有する電波信号を採用することができる。
本発明によれば、携帯機に対して無線による電力伝送が行われる電子キーシステムにおいて、安定した通信エリアを形成し、併せて防犯性をも確保することができる。
本実施の形態の電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 (a)は、同じくLF帯及びUHF帯の無線信号の送信領域を重ねて示す平面図、(b)は、LF帯及びUHF帯の無線信号により形成される通信領域を示す平面図。 (a),(b)は、従来のUHF帯の無線信号による通信エリアを示す平面図。
以下、本発明を電子キーシステムに具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。この電子キーシステムは、ユーザにより所持される携帯機と車両との間の無線通信を通じて車両ドアの施解錠及びエンジンの始動許可などを行うものである。すなわち、車両のユーザが所持する携帯機が、車両周辺に設定される車外通信エリア、あるいは車室内に設定される車内通信エリア内に存在するときに、車両と携帯機との間の無線通信を通じて携帯機の識別情報が車両に送信されて、当該車両側で当該携帯機の識別情報を使用したユーザ認証処理が行われる。本例では、このような電子キーシステムにおける車両と携帯機との間の無線通信に、パッシブ型のRFID(Radio Frequency Identification)技術を採用することにより、車両から送信される無線信号により携帯機を活性化して当該携帯機から車両へと識別情報が送信される。こうした構成を採用することにより、従来必要とされていた携帯機の動作電源としての電池を省略可能としたものである。
<車両側の電気的構成>
図1に示すように、電子キーシステムが搭載された車両11には、ユーザに所持される携帯機(電子キー)12との間の無線通信を通じて携帯機側の識別情報と車両側の識別情報との照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)13が設けられている。この照合ECU13には、車内ネットワーク網の一を構成する車内LAN(Local Area Network)14を介してドアロックシステム15及びエンジンシステム16が接続されている。ドアロックシステム15は、照合ECU13による識別情報の照合結果に基づき車両ドアの施解錠を行う。エンジンシステム16は、照合ECU13による照合結果に基づき車両11の電源状態並びにエンジンの始動及び停止を制御する。
また、照合ECU13には、車外UHF発信機17、車内UHF発信機18、チューナ19、車外LF発信機20、及び車内LF発信機21が図示しないワイヤハーネス等を介して接続されている。車外UHF発信機17及び車外LF発信機20は車両ドア等に、車内UHF発信機18及び車内LF発信機21は車内の床等に設けられる。チューナ19は、車両11の屋根を支持するピラー等に配設される。
車外UHF発信機17及び車内UHF発信機18は、照合ECU13からの指令に基づき、電池を持たない携帯機12を起動させ得る電力供給用の電波としてUHF帯の無変調キャリア(搬送波)である駆動電波Svvを車室内外に発信する。このUHF帯の駆動電波Svvが所定の制御周期で発信されることにより、車両ドアの周辺及び車室内の全域に駆動電波Svvの受信エリアAvvが形成される。なお、ここでは、UHF帯(300MHz〜3GHz)における860MHz〜960MHzの電波が使用される。
車外LF発信機20及び車内LF発信機21は、照合ECU13からの指令に基づき、LF帯の無線信号である応答要求信号Srqを車室内外に発信する。この応答要求信号Srqは、携帯機12に対して応答を要求する旨の指令信号である。この応答要求信号Srqが所定の制御周期で発信されることにより、車両ドアの周辺及び車室内の全域に応答要求信号Srqの受信エリアArqが形成される。なお、ここでは、LF帯(30kHz〜300kHz)における134kHzの電波が使用される。
そして本例では、これら受信エリアAvv,Arqにより、携帯機12からの応答が期待される領域である携帯機12との通信エリアArが規定される。この通信エリアArは、電子キーシステムの製品仕様等に応じて、必要とされる携帯機の作動距離(携帯機が車両側から発信される無線信号を受信することができる車両との距離)等に基づき設定される。本例では、この仕様等に基づき予め規定される通信エリアArが形成されるように、駆動電波Svvの受信エリアAvv及び応答要求信号Srqの受信エリアArqが設定される。これら受信エリアAvv,受信エリアArqの設定を通じた通信エリアArの規定方法については、後に詳述する。
チューナ19はUHF帯の無線信号を受信するとともに、当該受信される信号を復調しその復調信号を照合ECU13に出力する。
照合ECU13の記憶装置であるEEPROM等のメモリ13aには、自身に対応する正規の携帯機12の識別情報であるIDコードが記憶されている。照合ECU13は、携帯機12との間で車外照合及び車内照合を行う際の無線通信を利用して、電池を持たない携帯機12に電力伝送を行い、当該電力により駆動する携帯機12から送信される後述の応答信号に含まれるIDコードと自身のメモリ13aに記憶されたIDコードとの照合を通じて携帯機12の正当性を判断する。
<携帯機の電気的構成>
携帯機12には、UHF帯の無線信号を受信するUHF受信回路31、及びLF帯の無線信号を受信するLF受信IC32、UHF帯の無線信号を送信するUHF送信回路34及び通信制御等の各種動作を統括制御する制御IC33が設けられている。
UHF受信回路31は、UHF受信アンテナ41を通じてUHF帯の無線信号を受信する。また、UHF受信回路31は、整流回路及び平滑回路等からなる電源再生回路42、並びにコンデンサ等からなる充電回路43を備えて構成されている。電源再生回路42は、UHF受信アンテナ41に誘起される電圧を整流及び平滑して携帯機12の動作電源として再生する。すなわち、電源再生回路42は、車両11側から発信される電力供給用の駆動電波Svvを使用して、制御IC33の初期動作に必要とされる電気エネルギを生成する。充電回路43は、電源再生回路42により生成された電気エネルギを蓄え、この蓄えられる電力を制御IC33に供給する。制御IC33は、充電回路43からの電力を使用して動作する。このため、携帯機12は、その動作電源として電池を内蔵する必要はない。
LF受信IC32は、自身に接続されたLF受信アンテナ44を通じて受信されるLF帯の無線信号を復調し、その復調信号を制御IC33に出力する。
UHF送信回路34は、制御IC33から入力される指令信号を変調し、その変調信号を、UHF送信アンテナ34aを通じてUHF帯の無線信号として送信する。
制御IC33は、CPU(Central Processing Unit)45、及び記憶装置としてEEPROM等のメモリ46を備えてなる。メモリ46には携帯機12に固有の識別情報であるIDコードが記憶されている。制御IC33は、UHF受信回路31及びUHF送信回路34を通じたUHF帯の無線信号の送受信、あるいはLF受信IC32を通じたLF帯の無線信号の受信を行う。制御IC33は、駆動電波Svvの受信を通じて電力が供給された状態で、LF受信IC32を通じて車両11側から送信されるLF帯の無線信号(応答要求信号Srq)を受信したときには、自身のメモリ46に記憶されているIDコード等の情報を含むUHF帯の無線信号(応答信号Srp)を、UHF送信回路34を介して発信する。
<通信エリアの規定方法>
次に、駆動電波Svvの受信エリアAvv及び応答要求信号Srqの受信エリアArqの設定を通じた通信エリアArの規定方法について説明する。ここでは、車室外に形成される通信エリアArについて説明する。また、車両11を上方から見たときの規定の通信エリアArの形状は、図2(a)に示されるように、車両ドアの特定のポイントP0を中心とする半円状あるいは半楕円状をなすものとする。すなわち、当該ポイントP0を仮想的な無線信号(電波)の発信源として設定する。また、図2(a),(b)において、規定の通信エリアArの内外の境界Lbrdを破線で示す。
まず、図2(a)に示されるように、UHF帯の無線信号である駆動電波Svvの受信エリアAvvは、これに現れるヌル点Pnが規定の通信エリアArの境界Lbrdに一致するように設定される。すなわち、車両ドアに設定される前記ポイントP0を基準とする駆動電波Svvの最小到達距離Dminが、当該ポイントP0と規定の通信エリアArの境界Lbrd上のいずれかのポイント(点)とを結ぶ線分の長さと等しくなるように、駆動電波Svvの受信エリアAvvは設定される。規定の通信エリアArが前記ポイントP0を中心とする半円状とされる場合には、駆動電波の最小到達距離Dminが規定の通信エリアArの半径となる。駆動電波Svvの受信エリアAvvは、車両11側での駆動電波Svvの送信出力の調節、アンテナ形状、あるいはアンテナの設置位置の調節等を通じて行われる。
なお、図2(a)では、2つのヌル点Pnが現れているところ、本例では、車両側のポイントP0と両ヌル点Pnとを結ぶ線分の長さ、すなわちポイントP0から両ヌル点Pnまでの駆動電波Svvの到達距離はそれぞれ等しい。また、ヌル点は、図示しない試験用の受信装置を使用して駆動電波Svvの受信信号強度(RSSI)を測定すること等により検出可能である。例えば、受信信号強度が急激に落ち込む地点がヌル点である。
車両からの駆動電波Svvの到達距離が最も短い地点であるヌル点Pnが規定の通信エリアArの境界Lbrdに一致するように駆動電波Svvの受信エリアAvvが設定されることから、駆動電波Svvの受信エリアAvvの一部分(ヌル点Pn以外の部分)は、規定の通信エリアArの境界Lbrdからはみ出る。また、UHF帯の無線信号(電波)は、指向性を狭めてエネルギ密度を高める、ということを行う場合が多いところ、その場合には、図2(a)に示されるように、駆動電波Svvは、車両11の前後方向へ発信されなくなることもある。そしてこの場合には、車両の前後方向(図2(a)中の上下方向)において、規定の通信エリアArの境界Lbrdと受信エリアAvvとの間には、駆動電波Svvの不感知領域Anoが形成される。
次に、図2(a)に示されるように、LF帯の無線信号である応答要求信号Srqの受信エリアArqは、規定の通信エリアArに一致するように設定される。すなわち、応答要求信号Srqの受信エリアArqは、規定の通信エリアArと一致する半円状あるいは楕円状をなす。
そして、図2(b)に示されるように、これら駆動電波Svvの受信エリアAvv及び応答要求信号Srqの受信エリアArqの重複する扇状の部分が実際の通信エリアApとなる。同図に示されるように、この実際の通信エリアApは、規定の通信エリアArの形状に近似する。そしてこの実際の通信エリアApにおいてのみ、携帯機12はその動作電源となる駆動電波Svv、及び車両11側からの指令である応答要求信号Srqの双方を受信することができる。
すなわち、携帯機12は、この実際の通信エリアApに進入しない限り応答信号Srpを発信することはない。携帯機12が駆動電波Svvの受信エリアAvvのみに存在する場合には、駆動電波Svvの受信を通じて作動はするものの、応答要求信号Srqの受信エリアArqの範囲外であることから応答要求信号Srqを受信することはない。また、携帯機12が応答要求信号Srqの受信エリアArqのみに存在する場合、すなわち前述した駆動電波Svvの不感知領域Anoに存在する場合には、駆動電波Svvの受信エリアAvvの範囲外であることから携帯機12には電力が供給されない。すなわち、携帯機12は作動することがないので、応答要求信号Srqの受信も行われない。
なお、図示しない車室内の通信エリアも車室外の通信エリアArと同様にして、車室内に発信される駆動電波及び応答要求信号により規定される。車室内に規定される通信エリアは、車室内の全域とされている。そして駆動電波の受信エリア及び応答要求信号の受信エリアにより規定される実際の通信エリアが車室内の全域に形成されるように、駆動電波の受信エリア及び応答要求信号の受信エリアが設定される。なお、駆動電波の受信エリアは、応答要求信号の受信エリア、あるいは規定の車内通信エリアよりも大きめ(広め)に設定することも可能である。
<電子キーシステムの動作概要>
さて、車両11が駐車状態に維持されている際には、照合ECU13は、車外UHF発信機17を通じて駆動電波Svvを所定の制御周期で発信し、車両周辺に駆動電波Svvの受信エリアAvvを形成する。またこのとき、照合ECU13は、車外LF発信機20を通じて応答要求信号Srqを所定の制御周期で発信し、車両周辺に応答要求信号Srqの受信エリアArqを形成する。
ユーザに所持される携帯機12がこの駆動電波Svvの受信エリアAvv内に進入して当該駆動電波Svvを受信すると、当該駆動電波SvvによりUHF受信アンテナ41に誘起される電圧は、UHF受信回路31の電源再生回路42を通じて動作電源として再生される。この再生される動作電源は充電回路43を構成するコンデンサに蓄えられ、このコンデンサに蓄えられた電荷が制御IC33に供給される。制御IC33は、この充電回路43からの電力供給を受けて活性化する。すなわち、制御IC33は、それまでの動作電力が供給されない不活性な状態から、動作電力の供給を受けて作動する起動状態に、その動作状態が切り換わる。また、LF受信IC32にも電力が供給されてLF帯の無線信号を受信可能な状態となる。
そして、携帯機12が実際の通信エリアApに進入して車両11側からの応答要求信号Srqを受信すると、携帯機12はこの応答要求信号Srqに応答して、自身のメモリ46に記憶されたIDコードを含む応答信号SrpをUHF帯の電波信号として送信する。ここで、携帯機12は、通信エリアApに進入する際にはすでに活性化しているので、車両11側からの応答要求信号Srqに対し即時に応答することが可能となる。
なお、携帯機12がヌル点Pn側、あるいは不感知領域Ano側から進入する場合には、通信エリアApに進入した後に携帯機12は活性化する。これらヌル点Pnあるいは不感知領域Anoは、駆動電波Svvが到達しにくい位置だからである。この場合には、携帯機12が通信エリアApに進入してから充電回路43のコンデンサに所定の電荷が蓄えられるまでの間、携帯機12は不活性状態を維持する。このため、駆動電波Svvの受信エリアAvvにおいて、規定の通信エリアArからはみ出した部分から携帯機12が進入する場合に比べて、若干応答性は低くなる。しかし、駆動電波Svvの受信エリアAvvの大部分は、規定の通信エリアArの外側へはみ出しているので、携帯機12を所持するユーザが車両11へ接近する際には、駆動電波Svvの受信エリアAvvにおいて規定の通信エリアArの外側にはみ出している部分を通過する蓋然性が高い。
車両11側の照合ECU13は、チューナ19を介して携帯機12からの応答信号Srpを受信すると、自身のメモリ13aに記憶されたIDコードと携帯機12のIDコードとの照合(車外照合)を行う。照合ECU13は、この車外照合が成立する旨判断すると、ドアロックシステム15を通じて車両ドアの解錠動作を実行、あるいはドアロックシステム15を通じた解錠動作を許可する。
そして照合ECU13は、ユーザによる車両ドアの開閉、すなわちユーザが乗車した旨図示しないドアカーテシスイッチを通じて検出すると、それまでの車外UHF発信機17を通じての駆動電波Svv、及び車外LF発信機20を通じての応答要求信号Srqの発信を停止する。そして今度は、照合ECU13は、車内UHF発信機18を通じて駆動電波Svvを車室内に発信するとともに、車内LF発信機21を通じて応答要求信号Srqを車室内に発信する。これにより、車室内の全域には、駆動電波Svv及び応答要求信号Srqの双方を受信可能となる車内通信エリアが形成される。
なお、車外UHF発信機17及び車外LF発信機20を通じた駆動電波Svv及び応答要求信号Srqの発信停止のタイミングは、携帯機12からの応答信号Srpを受信したとき、としてもよい。
照合ECU13は、この車内通信エリアに進入した携帯機12から送信される応答信号Srpを、チューナ19を介して受信すると、自身のメモリ13aに記憶されたIDコードと携帯機12のIDコードとを照合(室内照合)する。照合ECU13は、この車内照合が成立する旨判断すると、エンジンシステム16による車両11の電源状態の切り換えを許可する。なお、この車内照合時においても携帯機12は車内UHF発信機18を通じて発信される駆動電波Svvを動作電源として動作する。
図示しないエンジンが停止した状態でもあるこの状態で、且つ図示しないブレーキペダルが踏み込まれた状態で運転席に設けられる図示しないエンジンスイッチが操作されると、これら操作を検出したエンジンシステム16によりエンジンの始動制御が実行される。また、このエンジンが稼動している状態(アイドリング状態)で、且つ図示しないセレクトレバーのレンジ位置が駐車位置(Pレンジ)に保持された状態でエンジンスイッチが操作されると、これらの状態を検出したエンジンシステム16によりエンジンが停止される。さらに、エンジンが停止状態の際、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われない状態でエンジンスイッチのみが操作されると、当該操作の度に車両11の電源状態が電源オフ(OFF)→アクセサリオン(ACC−ON)→イグニッションオン(IG−ON)の順に繰り返し切り替えられる。このように、携帯機12の操作をすることなくエンジンスイッチの操作のみでエンジンの始動及び停止を行うことが可能とされている。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)駆動電波Svvの受信エリアAvvを規定の通信エリアArの外側にはみ出して設定することにより、この規定の通信エリアArの内部における駆動電波Svvの到達距離のばらつきの発生を抑制することが可能となる。すなわち、駆動電波Svvの信号強度が著しく弱くなる位置であるヌル点Pnが、規定の通信エリアArの内外の境界Lbrd上、あるいはその外側に位置するように、駆動電波Svvの受信エリアAvvは設定される。これにより、駆動電波Svvは、規定の通信エリアAr内に万遍なく送信される。ここで、LF帯の無線信号である応答要求信号Srqの送受信は誘導電磁界を使用するものであるため、コイル型のアンテナによる単調な指向性を有し、磁界強度の急峻な減少による明確なエリア形成が可能である。また、UHF帯の無線信号と異なり周囲環境の影響を受けにくい。このため、応答要求信号Srqの受信エリアArqは安定して形成される。したがって、駆動電波Svvの受信エリアAvvと応答要求信号Srqの受信エリアArqとの重複する領域である実際の通信エリアApは安定して形成される。なお、駆動電波Svvのヌル点Pnが規定の通信エリアArの境界Lbrdの若干内側に位置する場合であれ、ある程度の通信安定性を確保することができる。
(2)UHF帯の無線信号を通じて携帯機12への電力伝送及び応答信号Srpの送信要求の双方を行うことも考えられるところ、この場合には、規定の通信エリアArの外側において扉の解錠が実行され、この際に扉の近傍に存在する第三者に入室される等の懸念がある。この点、本例によれば、規定の通信エリアArの外側において駆動電波Svvを受信することにより携帯機12は自動駆動する。しかし、携帯機12は、応答要求信号Srqの受信エリアArq、正確には駆動電波Svvの受信エリアAvv及び応答要求信号Srqの受信エリアArqの重複した領域である実際の通信エリアApに進入して応答要求信号Srqを受信しない限り、応答信号Srpを送信することはない。このため、前述した第三者の入室等に対する懸念は解消されて、防犯性が確保される。
(3)携帯機12は、駆動電波Svvの電磁エネルギを蓄える充電回路43を有してなる。この場合には、携帯機12が駆動電波Svvを受信してから充電回路43に所定の電力が蓄えられるまでに多少なりとも時間(充電時間)が必要となる。この点、駆動電波Svvの受信エリアAvvは、規定の通信エリアArの外側にはみ出て設定される。このため、携帯機12には規定の通信エリアArに近づく過程で駆動電波Svvの電磁エネルギが蓄えられて起動する。そして、携帯機12は起動状態で規定の通信エリアAr内に進入することにより、応答要求信号Srqを受信した際には即時に応答信号Srpを送信することが可能となる。したがって、規定の通信エリアArに進入してから起動する場合に比べ、携帯機12の応答要求信号Srqに対する応答性が高められる。ひいては、ユーザの利便性も確保される。
(4)データ通信(本例では、IDコードの授受)は、車両11の近くで行うことが望ましい。近年における無線技術の進展により通信傍受などのおそれがあるからである。本例では、UHF帯の無線信号に比べて通信距離の短いLF帯の無線信号を使用して応答要求を発信するようにしている。このため、携帯機12からIDコード等の情報が応答されるのは、当該携帯機12が車両11の近傍に設定される応答要求信号Srqの受信エリアArqに進入してからである。このため、携帯機12から送信されるIDコードの傍受等は困難である。また、LF帯の無線信号は、UHF帯の無線信号に比べてヌル点が現れにくいので、車両11と携帯機12との間の無線通信を通じたIDコード等の情報の授受を確実に行うことができる。
(5)なお、駆動電波Svvのヌル点は、規定の通信エリアArの境界Lbrdの外側に設定することも可能であるところ、この構成を採用した場合には、駆動電波Svvの受信エリアAvvにおいて規定の通信エリアArの境界Lbrdから外側にはみだす部分が多くなるので、確実に事前の充電が可能となる。
(6)以上のように、携帯機12への無線通信を通じた電力伝送は通信距離を確保することができるUHF帯の無線信号を使用して行うとともに、IDコード等の情報の授受は外部環境の影響を受けにくいLF帯の無線信号を使用して行うことにより、ユーザの利便性、防犯性、通信の安定性等のいずれをも好適に確保することができる。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本例では、駆動電波Svvの受信エリアAvvに現れるヌル点Pnを、規定の通信エリアArの境界Lbrd上に設定したが、当該ヌル点Pnを当該境界Lbrdの外側に設定してもよい。このようにすれば、駆動電波Svvの受信エリアAvvにおいて、規定の通信エリアArの外側にはみ出る部分が増大する。すなわち、規定の通信エリアArの外側において、携帯機12に対して無線による電力伝送が行われる領域が増大する。このため、車両11に接近する携帯機12が規定の通信エリアArに進入する前に、当該携帯機12に対して無線による電力伝送が行われる蓋然性が高められる。ただし、駆動電波Svvの受信エリアAvvを拡げる程大きな送信電力が必要となり、車両11側での消費電力は増大する。この点が問題にならなければ当該構成を採用することもできる。また、実際には、電波法による出力規制等についても考慮する必要がある。
・本例では、車室内外の双方において、携帯機12に対する電力供給はUHF帯の無線信号を、携帯機12に対する応答要求等の情報の送信はLF帯の無線信号を使用して行うようにした。しかし、例えば車室内においては、UHF帯の無線信号を使用して携帯機12に対する電力伝送及び応答要求の双方を行うようにしてもよい。
この場合、車両側の車内LF発信機21は省略可能である。また、携帯機12のUHF受信回路31には復調回路(図示略)を設ける。そして車内UHF発信機18は、照合ECU13からの指令に基づき応答要求信号Srqを送信する際に、これに電力電波を付加して発信させる。すなわち、車内UHF発信機18は、応答要求信号Srqを発信するに際して、電池を持たない携帯機12を起動させ得る電力供給用の電波として無変調のキャリア(搬送波)である駆動電波Svvを発信しつつ、これに続けて応答要求信号Srqの主データであるリクエストコードを変調して発信する。このリクエストコードは、携帯機12に対して応答信号Srp(正確には、携帯機12に固有のIDコード)の送信を指令する情報である。車内UHF発信機18は、この後さらに前述の駆動電波Svvを続けて発信する。このように、駆動電波Svv及びリクエストコードから車内照合用の応答要求信号Srqが構成される。そしてこのUHF帯の応答要求信号Srqが所定の制御周期で発信されることにより、車室内の全域に携帯機12との間の車内通信エリアが形成される。携帯機12は、当該車内通信エリアに進入した際には、駆動電波Svvの受信を通じて起動するとともに、応答要求信号Srqの主データ列であるリクエストコードを復調して解釈し、無変調キャリア(搬送波)の部分で反射波にIDコード等の情報を乗せて発信する。すなわち、応答用の駆動電波Svvの一部はUHF受信アンテナ41によって反射されるところ、制御IC33は、この反射される駆動電波Svvを車両側へ送る情報である自身のIDコードに応じて変調し、この変調された駆動電波Svvを応答信号SrpとしてUHF受信アンテナ41を介して送信する。なお、このような電波反射型の通信を行う場合、UHF受信アンテナ41に負荷変調回路を付加し、当該負荷変調回路を制御IC33により制御する必要がある。ちなみに、こうしたいわゆる電波反射型の通信態様を採用することなく、前記実施の形態と同様に、UHF送信回路34を通じて応答信号Srpを発信するようにしてもよい。
・本例では、UHF受信回路31には電源再生回路42により生成された電力を蓄える充電回路43を設け、当該充電回路43に蓄えられた電力を動作電源として制御IC33に供給するようにしたが、次のような構成を採用することもできる。すなわち、本例のような充電式ではなく、電源再生回路42により生成される電力が制御IC33に対して直接的に供給されるようにしてもよい。この場合には、充電回路43は省略可能となり、携帯機12の電気的な構成の簡素化が図られる。
・本例では、車両用の電子キーシステムを一例に挙げたが、住宅用の電子キーシステムに適用することもできる。
・本例では、携帯機12への無線による電力伝送をUHF帯の電波を使用して行ったが、例えば2.45GHz帯の電波を使用することも可能である。この場合にもヌル点が現れることから、UHF帯の電波を使用する場合と同様の課題が存在する。そして当該課題は、本例と同様にして解消される。すなわち、LF帯の無線信号の受信エリアArqを規定の通信エリアArに一致させるとともに、2.45GHzの無線信号の受信エリア(図示略)に現れるヌル点を規定の通信エリアArの境界Lbrdに一致させる。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
・請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、前記第1の送信領域は、前記第1の無線信号の到達距離の最も小さい地点が前記通信領域の内側と外側との境界の外側に位置するように設定されてなる電子キーシステム。この構成によれば、第1の無線信号の送信領域において、規定の通信領域の境界から外側にはみだす部分が多くなるので、携帯機が規定の通信領域に進入する前に第1の無線信号の受信を通じて起動状態となる蓋然性が高められる。
12…携帯機、13…照合ECU(制御装置)、43…充電回路、Ap…実際の通信エリア、Ar…規定の通信エリア、Arq…応答要求信号の受信エリア(第2の送信領域)、Avv…駆動電波の受信エリア(第1の送信領域)、Srq…応答要求信号(第2の無線信号)、Svv…駆動電波(第1の無線信号)。

Claims (4)

  1. 特定の扉の施解錠動作を制御する制御装置から当該扉の周辺に設定される通信領域へ無線送信される無線信号を受信するとともに、当該受信される無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動されて当該無線信号に対する応答信号を無線送信する携帯機を備え、前記制御装置は、前記応答信号に含まれる識別情報が妥当である旨判断されるとき、前記扉の施解錠動作の制御に係る処理を実行する電子キーシステムにおいて、
    前記制御装置は、前記扉の周辺に前記通信領域からはみ出すように設定される第1の送信領域へ第1の無線信号を無線送信するとともに、前記扉の周辺に前記通信領域に合致するように設定される第2の送信領域へ前記第1の無線信号よりも長い波長を有する第2の無線信号を無線送信することにより、当該第1及び第2の送信領域の重複する領域を前記通信領域として形成し、
    前記携帯機は、前記第1の送信領域において受信する第1の無線信号の電磁エネルギに基づき自動駆動するとともに、当該第1及び第2の送信領域の重複する領域である通信領域において受信する第2の無線信号に基づき前記応答信号を無線送信する電子キーシステム。
  2. 請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記第1の送信領域は、前記第1の無線信号の到達距離の最も小さい地点が前記通信領域の内側と外側との境界上に位置するように設定されてなる電子キーシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記携帯機は、前記第1の無線信号の電磁エネルギを蓄える充電回路を有してなる電子キーシステム。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記第1の無線信号はUHF帯の周波数を有し、前記第2の無線信号はLF帯の周波数を有する電子キーシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3932754A4 (en) * 2019-02-25 2022-04-27 Digiparts, Inc. DEVICE AND SYSTEM FOR CONTROLLING A SMART KEY SIGNAL FOR A VEHICLE FOR SHARING

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