JP2005264461A - 車両用遠隔制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、車両用遠隔制御装置に関し、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、携帯機に受信させるのに有効な要求信号の送信を実現することを目的とする。
【解決手段】 車両周囲に生じている外来ノイズのレベル、及び、車両が使用される仕向地における電波出力制限情報に基づいて、車載機からリクエスト信号を送信するうえで要求される電波の送信出力強度を、その許容最大電波出力以下でかつノイズレベルを超える範囲内で設定する。そして、その要求送信出力強度がしきい値以下である場合には、リクエスト信号の送信方式を、所定周期時間ごとに送信する定期送信方式に設定する。一方、要求送信出力強度がしきい値を超える場合には、リクエスト信号の送信方式を、人がドアアウタハンドルに触れた場合にのみ送信するトリガ送信方式に設定する。
【選択図】 図2
【解決手段】 車両周囲に生じている外来ノイズのレベル、及び、車両が使用される仕向地における電波出力制限情報に基づいて、車載機からリクエスト信号を送信するうえで要求される電波の送信出力強度を、その許容最大電波出力以下でかつノイズレベルを超える範囲内で設定する。そして、その要求送信出力強度がしきい値以下である場合には、リクエスト信号の送信方式を、所定周期時間ごとに送信する定期送信方式に設定する。一方、要求送信出力強度がしきい値を超える場合には、リクエスト信号の送信方式を、人がドアアウタハンドルに触れた場合にのみ送信するトリガ送信方式に設定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両用遠隔制御装置に係り、特に、車両に搭載され、車両乗員の携帯する携帯機の応答を要求する要求信号を送信し、携帯機から送信される応答信号を受信することにより、車両に搭載された機器の駆動制御を行ううえで好適な車両用遠隔制御装置に関する。
従来より、車両乗員の携帯する携帯機の応答を要求する要求信号を送信し、携帯機から返送される応答信号を受信して、その受信結果に応じて車両ドアのアンロック(解錠)を車両乗員が車両キーを何ら操作することなく実現させる車載制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置においては、車両から携帯機への要求信号の送信が所定の時間間隔(具体的には、数秒周期)で定期的に行われるため、車両乗員が携帯機を所持して車両にある程度まで接近した後であれば、ドアアウタハンドルを握り或いはドアアウタハンドルを操作する前であっても、車両ドアアンロックのための車載機と携帯機との無線通信を行うことが可能である。従って、上記従来の装置によれば、車両乗員が車両に乗り込む前に速やかに車載機において携帯機の認証を行うことができ、これにより、乗車時における車両ドアのアンロックを時間遅れを伴うことなく実現させることが可能となっている。
特開平5−156851号公報
ところで、上記の如く車両からの要求信号の送信が定期的に行われる装置においては、その送信出力強度が大きく設定されていると、車両近傍に携帯機が存在するか否かに関係なく常に出力強度の大きい要求信号の送信が行われることとなるため、要求信号の送信によって消費される電力が過度に増大し、車載バッテリの著しい機能低下が招来する。従って、要求信号の定期送信においては、その送信に伴う電力消費の増大を抑制するために、要求信号の送信の出力強度をできるだけ小さくすることが望ましい。
一方、送信出力強度が小さく設定されていると、要求信号の定期送信においても要求信号の送信による電力消費の増大は抑制され、車載バッテリの著しい機能低下は生じないが、例えばノイズなどの影響により車両周辺の電波環境が劣悪な状態にある状況下では、車両側が送信出力強度の小さい要求信号を送信しても携帯機側がその要求信号を受信することができない不都合が生じ得る。従って、携帯機における要求信号の受信性をかかる電波環境下においても確保するためには、要求信号の送信の出力強度を少なくともノイズの影響を受けない程度に大きくすることが望まれる。
そこで、例えばノイズの影響を受けないなどの条件に基づいて車両から要求信号を送信するうえで必要な送信出力強度を設定し、要求される送信出力強度がしきい値以下である場合は送信出力強度の小さい要求信号を定期送信し、一方、要求される送信出力強度がしきい値を超える場合は送信出力強度の大きい要求信号を定期送信することが考えられる。しかしながら、かかる構成では、必要な送信出力強度であるとしてもやはり比較的大きい強度の要求信号が定期送信され得るため、結局は、要求信号の送信によって消費される電力が過度に増大することに変わりはない。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、携帯機が受信するのに有効な要求信号の送信を実現することが可能な車両用遠隔制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、請求項1に記載する如く、車両乗員の携帯する携帯機の応答を要求する要求信号を送信する送信手段と、前記携帯機から送信される応答信号を受信する受信手段と、前記受信手段における前記応答信号の受信結果に基づいて車両に搭載された機器の駆動制御を行う機器制御手段と、を備える車両用遠隔制御装置であって、前記送信手段により前記要求信号を送信する方式を、所定時間ごとに送信する定期送信方式と車両に対する人によるアクセスがなされた場合に送信するトリガ送信方式とで切り替える送信方式切替手段を備える車両用遠隔制御装置により達成される。
請求項1記載の発明において、車両から携帯機へ要求信号を送信する方式は、所定時間ごとに送信する定期送信方式と、車両に対する人によるアクセスがなされた場合に送信するトリガ送信方式とで切り替わる。従って、要求信号に必要な送信出力強度が比較的小さい場合に定期送信方式を選択し、要求信号に必要な送信出力強度が比較的大きい場合にトリガ送信方式を選択することとすれば、要求信号の定期送信が行われる際には、送信出力強度が比較的小さくても確実にその要求信号が携帯機に受信されると共に、送信出力強度の低減によって電力消費の増大が抑制され、また、要求信号のトリガ送信が行われる際には、携帯機における要求信号の受信が確実に行われる。この点、本発明によれば、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大が招来することなく、携帯機に受信させるのに有効な要求信号の送信が実現される。
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載の車両用遠隔制御装置において、前記要求信号の送信出力強度を設定する送信強度設定手段を備え、前記送信方式切替手段は、前記送信強度設定手段により設定される前記送信出力強度に基づいて、前記要求信号を送信する方式を前記定期送信方式と前記トリガ送信方式とで切り替えることとすればよい。
また、請求項3に記載する如く、請求項2記載の車両用遠隔制御装置において、前記送信強度設定手段は、車両の仕向地情報に基づいて前記送信出力強度を設定することとすれば、車両仕向地において電波出力制限が課されているときにも、その出力制限に対応して要求信号の最適な出力強度を設定することができる。
また、請求項4に記載する如く、請求項2記載の車両用遠隔制御装置において、前記送信強度設定手段は、車両周辺の電波環境に基づいて前記送信出力強度を設定することとすれば、車両周辺の電波環境の優劣に対応して要求信号を携帯機に確実に受信させるうえで必要な出力強度を設定することができる。
尚、請求項5に記載する如く、請求項2乃至4の何れか一項記載の車両用遠隔制御装置において、前記送信方式切替手段は、前記要求信号を送信する方式を、前記送信強度設定手段により設定される前記送信出力強度がしきい値以下である場合は前記定期送信方式とし、一方、前記送信出力強度が前記しきい値を超える場合は前記トリガ送信方式とすることすればよい。
更に、請求項6に記載する如く、請求項1記載の車両用遠隔制御装置において、前記送信方式切替手段は、車両の駐車放置時間又は駐車時間帯に基づいて、前記要求信号を送信する方式を前記定期送信方式と前記トリガ送信方式とで切り替えることとすれば、車両が駐車される継続時間やその時間帯に対応して、電力消費の比較的大きい定期送信方式と電力消費の比較的小さいトリガ送信方式との切り替えを行うことができる。
請求項1、2、5、及び6記載の発明によれば、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、携帯機に受信させるうえで有効な要求信号の送信を実現することができる。
請求項3記載の発明によれば、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、車両仕向地における電波出力制限に対応する最適出力強度の要求信号の送信を実現することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、要求信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、携帯機に確実に受信させるうえで必要な出力強度の要求信号の送信を実現することができる。
図1は、本発明の一実施例であるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、図1に示す如く、車両に乗車してその使用を行う乗員が携帯する携帯機としての送信機10と、車両に搭載される車両用遠隔制御装置としての車載機12と、により構成されており、車両乗員が送信機10を携帯して車両に接近・離間するだけで送信機10と車載機12とがワイヤレスで通信接続することにより車両の有するドアのロック・アンロック(施解錠)を行ういわゆるスマートエントリシステムである。
車載機12は、コントローラ14と、ドア発信機16と、チューナ(受信機)18と、を備えている。コントローラ14には、自車両の駐車判定情報が供給されている。この駐車判定情報は、自車両が速度がほとんどゼロでありかつ車両のエンジンスイッチがオフ状態にある駐車状態にあるか否かを示す情報である。コントローラ14は、かかる駐車判定情報に基づいて自車両が駐車状態にあるか否かを判別する。
コントローラ14には、ドア発信機16が接続されている。コントローラ14は、LF送信信号部20を有している。LF送信信号部20は、車両駐車状態において所定タイミングでドア発信機16に対して送信機10の応答を要求する信号(以下、リクエスト信号と称す)を送信させるように指示する。尚、このリクエスト信号には、車両ドアロック時にはドアアンロックを示す制御コードが、また、車両ドアアンロック時にはドアロックを示す制御コードが含まれる。
LF送信信号部20には、ドア発信機16の有するLF送信回路22が接続されている。LF送信回路22には、後述する出力調整部24及びTX/RX切替回路26を介してアンテナ28が接続され得る。アンテナ28は、例えば各車両ドアのドアアウタハンドル30に設けられている。LF送信回路22は、LF送信信号部20からのリクエスト信号の送信指示に従ったタイミングで、リクエスト信号を暗号化し変調してLF帯(例えば134kHz)の電波でアンテナ28から送信させる。
送信機10は、車載機12から送信されるLF帯の電波を受信する機能を有していると共に、受信したLF帯のリクエスト信号に応答したレスポンスコードとメモリ部に記憶されている自己に対応する車両の識別コードとを含む信号(以下、レスポンス信号と称す)を暗号化し変調してRF帯(例えば300MHz)の電波で車載機20へ向けて返送する。
車載機12のコントローラ14には、また、チューナ18が接続されている。チューナ18は、受信アンテナ32及び該受信アンテナ32に接続されるRF受信回路34を有している。受信アンテナ32は、送信機10から送信されるRF帯の電波を受信する。RF受信回路34は、受信アンテナ32に受信された電波を復調してレスポンス信号を出力する。チューナ18の出力は、コントローラ14に供給される。
コントローラ14には、各車両ドアに設けられたドアロックアクチュエータ(図示せず)が接続されている。コントローラ14は、リクエスト信号が送信された後、チューナ18から供給される受信結果から、レスポンス信号を送信した送信機10の有する識別コードを抽出すると共に、レスポンスコードを抽出する。そして、抽出したレスポンスコードが自己の発したリクエスト信号に対する応答に係るものであるか否かを判別すると共に、抽出した識別コードが予め登録されている自車両固有の識別コードに一致するか否かの認証照合を行う。コントローラ14は、レスポンス信号のレスポンスコードが自己のリクエスト信号に対する応答に係るものでありかつ識別コードが一致する場合において、すべての車両ドアのドアロックアクチュエータに対してドアをアンロック又はロックさせるための指示を出力する。ドアロックアクチュエータは、コントローラ14からの指示に従って車両ドアをアンロックさせ或いはロックさせる。
このように、本実施例のシステムにおいては、送信機10を所持する正規の車両乗員が車両に近づくだけで、車載機12と送信機10との無線通信による認証照合が行われることで、車両において車両ドアのアンロック又はロックが実行される。従って、本実施例のシステムによれば、車両ドアのアンロック及びロックを、車両乗員による何らの操作も伴うことなく実現することが可能となっている。
ドア発信機16は、TX/RX切替回路26と共にLF受信回路40を有している。TX/RX切替回路26は、アンテナ28からリクエスト信号を変調したLF帯の電波を送信すべき時には、アンテナ28とLF送信回路22とを接続させ、また、アンテナ28からLF帯の電波を送信すべき時ではなくかつアンテナ28に受信されるLF帯の電波を検出すべき時には、アンテナ28とLF受信回路40とを接続させる。LF受信回路40は、TX/RX切替回路26のスイッチ駆動によりアンテナ28と接続する際、アンテナ28に受信されるLF帯の電波を復調する。LF受信回路40には、キャリア/ノイズレベル電圧変換部42が接続されている。LF受信回路40における受信結果は、キャリア/ノイズレベル電圧変換部42に供給される。ドア発信機16のキャリア/ノイズレベル電圧変換部42は、車載機12がリクエスト信号を送信する搬送波であるLF帯での外来ノイズのレベルを電圧変換する回路である。
また、チューナ18は、RF受信回路34に接続するキャリア/ノイズレベル電圧変換部44を有している。RF受信回路34における受信結果は、キャリア/ノイズレベル電圧変換部44に供給される。チューナ18のキャリア/ノイズレベル電圧変換部44は、送信機10がレスポンス信号を送信する搬送波であるRF帯での外来ノイズのレベルを電圧変換する回路である。
コントローラ14は、ノイズレベル判定部50を有している。ノイズレベル判定部50には、上記したドア発信機16のキャリア/ノイズレベル電圧変換部42の出力する電圧信号、及び、チューナ18のキャリア/ノイズレベル電圧変換部44の出力する電圧信号が供給されると共に、自車両が駐車状態にあるか否かを示す駐車判定情報が供給される。ノイズレベル判定部50は、自車両が駐車状態にあると判別される状況において、キャリア/ノイズレベル電圧変換部42,44の出力電圧信号に基づいて、車載機12すなわち車両の周囲に生じているLF帯やRF帯の外来ノイズのレベルを判定する。
コントローラ14は、また、出力レベル制御部52及び送信方式切替制御部54を有している。出力レベル制御部52には、ノイズレベル判定部50の判定結果、及び、この車載機12を搭載する車両が使用される地域や国の情報(以下、仕向地情報と称す)が供給される。コントローラ14は、予め各地域および各国ごとの電波法規などによる電波出力制限の情報を格納している。コントローラ14は、車両製造時等に登録された仕向地情報に基づいて、各地域や各国ごとの電波出力制限情報を参照することにより、その仕向地において許容される最大の電波出力を特定する。出力レベル制御部52は、ノイズレベル判定部50により判定されたノイズレベル及び仕向地情報に基づいて特定された許容最大電波出力に基づいて、ドア発信機16からリクエスト信号を送信する際に要求されるLF帯電波の送信出力強度を、その許容最大電波出力以下でかつノイズレベルを超える範囲内で設定する。
出力レベル制御部52には、上記したドア発信機16の出力調整部24が接続されている。出力調整部24には、出力レベル制御部52の設定した送信出力強度情報が供給される。出力調整部24は、出力レベル制御部52から供給された送信出力強度情報に基づいて、アンテナ30からLF帯電波によりリクエスト信号を送信する際における送信出力強度を調整する。
出力レベル制御部52には、また、送信方式切替制御部54が接続されている。送信方式切替制御部54には、出力レベル制御部52の設定した送信出力強度情報が供給される。送信方式切替制御部54は、出力レベル制御部52から供給された送信出力強度情報に基づいて、ドア発信機16からリクエスト信号を送信する際における送信方式を後述の如き定期送信方式とトリガ送信方式とのうちから一つ選択して設定する。上記したLF送信信号部20は、送信方式切替制御部54の設定した送信方式に従って、車載機12からリクエスト信号が送信されるようにドア発信機16に対して指示する。
送信方式切替制御部54には、ドア発信機16の有するアンテナ駆動/センサ駆動切替部56が接続されている。アンテナ駆動/センサ駆動切替部56には、送信方式切替制御部54の設定した送信方式情報が供給される。アンテナ駆動/センサ駆動切替部56には、上記したLF送信回路22が接続されていると共に、ドアアウタハンドル30に設けられたタッチセンサ58の有する電極60が接続されている。アンテナ駆動/センサ駆動切替部56は、送信方式切替制御部54から供給された送信方式情報に基づいて、LF送信回路22の駆動及びタッチセンサ58の駆動を共にその送信方式に応じたものに切り替える。
上記したタッチセンサ58は、ドアアウタハンドル30の表面に車両乗員である人が触れたことを感知するためのセンサであり、アンテナ駆動/センサ駆動切替部56から駆動が許可されている状況において人の接触の有無に応じた信号を出力する。タッチセンサ58の出力信号は、コントローラ14に供給される。コントローラ14は、送信方式切替制御部54がドア発信機16からの送信方式をトリガ方式に設定している状況において、タッチセンサ58の出力信号に基づいてドアアウタハンドル30に人が触れたか否かを判別すると共に、送信方式切替制御部54がドア発信機16からの送信方式を定期送信方式に設定している状況下、送信機10からのレスポンス信号のレスポンスコードが自己のリクエスト信号に対する応答に係るものでありかつ識別コードが一致する場合において、タッチセンサ58の出力信号に基づいてドアアウタハンドル30に人が触れたか否かを判別する。
次に、本実施例の車載機12において、ドア発信機16からLF帯の電波でリクエスト信号を送信する方式について説明する。本実施例において、車載機12のコントローラ14は、上記の如く、ドア発信機16からリクエスト信号を送信する方式を定期送信方式とトリガ送信方式とで切り替える。
この定期送信方式とは、人がドアアウタハンドル30に触れたか否かに関係なく、所定周期時間(例えば0.3秒)ごとに所定時間又は所定フレーム数だけリクエスト信号を送信する方式のことである。かかる定期送信方式においては、定期的に車両周囲にリクエスト信号が送信されて送信機10の検知エリアが形成されるため、例えば車両乗員が車両に乗車しようとする際には、車両乗員が送信機10を所持して車両にある程度接近すれば、車両乗員が乗車しようとしてドアアウタハンドル30に触れる前やその操作を開始する前であっても、ドアアンロックのための車載機12と送信機10との無線通信が実現される。このため、定期送信方式によれば、車両乗員が車両に乗り込む前に速やかに車載機12において送信機10の認証を行うことが可能である。
リクエスト信号の送信方式が定期送信方式に設定されている状況においては、コントローラ14は、ドア発信機16から定期的にリクエスト信号を送信させた状態で、そのリクエスト信号に応答したレスポンス信号に基づく車載機12と送信機10との認証が識別コードの一致により完了し、かつ、タッチセンサ58を用いてドアアウタハンドル30に人が触れたことが検出された場合に、ドアロックアクチュエータに対してドアアンロックのための指示を出力する。ドアロックアクチュエータは、ドアアンロックの指示がコントローラ14から供給されると、車両ドアをアンロックさせる。従って、本実施例の如き定期送信方式によれば、車両乗員が車両に乗車する際には、その前に車載機12と送信機10との認証処理が行われることで、車両ドアのアンロックを、乗員がドアアウタハンドル30に触れた後時間遅れを伴うことなく実現させることが可能となっている。
また、上記したトリガ送信方式とは、人がドアアウタハンドル30に触れることにより車両にアクセスした場合にのみ、その後所定時間又は所定フレーム数だけリクエスト信号を送信する方式のことである。かかるトリガ送信方式においては、人がドアアウタハンドル30に触れた場合にのみ車両周囲に送信機10の検知エリアが形成されるため、車載機12からのリクエスト信号の送信が不必要に行われることは回避される。このため、トリガ送信方式によれば、車載機12においてリクエスト信号の送信に伴う電力消費をできるだけ抑制しつつ送信機10の認証を行うことが可能である。
リクエスト信号の送信方式がトリガ方式に設定されている状況においては、コントローラ14は、タッチセンサ58を用いてドアアウタハンドル30に人が触れたことが検出された場合に、ドア発信機16からリクエスト信号を送信させ、その後、そのリクエスト信号に応答したレスポンス信号に基づく車載機12と送信機10との認証が識別コードの一致により完了した場合に、ドアロックアクチュエータに対してドアアンロックのための指示を出力する。従って、本実施例の如きトリガ送信方式によれば、車両乗員が車両に乗車しようとしてドアアウタハンドル30に触れた場合にのみ車載機12と送信機10との認証処理が行われることで、車両ドアのロックからアンロックへの移行を、待機中に電力を無駄に消費することなく実現させることが可能となっている。
次に、本実施例において、車載機12のドア発信機16からリクエスト信号を送信する方式を定期送信方式とトリガ送信方式とで切り替える手法について説明する。
ところで、定期送信方式においては、ドア発信機16からリクエスト信号を送信するLF帯電波の送信出力強度が比較的大きく設定されていると、定期的に送信されるLF帯電波が、送信機10を所持する人が車両近傍に位置するか否かに関係なく常に送信出力強度の大きいものとなるため、リクエスト信号の送信に伴って消費される電流や電力が過度に増大し、その結果、車載バッテリの著しい機能低下を招くものとなる。従って、リクエスト信号の定期送信に伴う電力消費の増大を抑制するうえでは、その送信出力強度をできるだけ小さくすることが望ましい。
一方、送信出力強度が比較的小さく設定されていると、リクエスト信号の定期送信においてもその電波送信に伴う電力消費の増大は最小限に抑制されるが、例えばノイズの影響により車両周辺の電波環境が劣悪な状態にあるときには、車載機12のドア発信機16がその送信出力強度の電波を送信しても送信機10側がその電波を受信することができない不都合が生じ得る。従って、車載機12からのリクエスト信号の、送信機10側における受信性を確保するうえでは、その送信出力強度を少なくとも車両周辺に生じているノイズの影響を受けない程度に大きくすることが望ましい。
そこで、本実施例のシステムにおいては、車載機12からのリクエスト信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく、送信機10が車両周辺のノイズの影響を受けずに受信することができる有効なリクエスト信号の送信を実現させる点に特徴を有している。
すなわち、本実施例において、コントローラ14は、上記の如く、ドア発信機16からリクエスト信号を送信する際に要求されるLF帯電波の送信出力強度を、車両仕向地において許容される最大電波出力以下でかつノイズレベルを超える範囲内で設定する。そして、その設定された要求送信出力強度が比較的小さい場合には、その送信出力強度の電波が頻繁に送信されてもその電波送信に伴う電力消費があまり大きくないと判断できるので、リクエスト信号の送信方式として定期送信方式を選択して設定する。一方、上記の如く設定された要求送信出力強度が比較的大きい場合には、その送信出力強度の電波が頻繁に送信されるとその電波送信に伴う電力消費が過度に大きくなると判断できるので、リクエスト信号の送信方式としてトリガ方式を選択して設定する。
図2は、上記の機能を実現すべく、本実施例の車載機12においてコントローラ14が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図2に示すルーチンは、その処理が終了するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図2に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
ステップ100では、自車両の駐車判定情報などに基づいて、リクエスト信号をアンテナ28から車外へ送信するための条件が成立するか否か、具体的には、自車両が駐車状態となり、かつ、その後車両ドアが開放されて閉じられたか否かが判別される。その結果、リクエスト信号の送信条件が成立せず、否定判定がなされた場合は、以後何ら処理が進められることなく今回のルーチンは終了される。一方、リクエスト信号の送信条件が成立し、肯定判定がなされた場合は、次にステップ102の処理が実行される。
ステップ102では、自車両の駐車判定情報に基づいて自車両が駐車状態にあるか否かが判別される。その結果、否定判定がなされた場合は、今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にステップ104の処理が実行される。ステップ104では、ドア発信機16のキャリア/ノイズレベル電圧変換部42からの出力信号及びチューナ18のキャリア/ノイズレベル電圧変換部44からの出力信号に基づいて、車両周囲に生じているLF帯やRF帯の外来ノイズのレベルを判定する処理が実行される。尚、本ステップ104におけるノイズレベルの判定は車両が駐車状態にある際に行われるので、車両周囲に生じているノイズレベルを精度の良く判定することが可能である。ステップ106では、自車両に登録されている仕向地情報を取得すると共に、その仕向地情報と予め格納されている地域や国ごとの電波出力制限情報とに基づいて、その仕向地において許容されている最大の電波出力を特定する処理が実行される。
ステップ108では、上記ステップ104で判定されたノイズレベル及びステップ106で特定された許容最大電波出力に基づいて、車載機12のドア発信機16からリクエスト信号を送信する際に車両周辺のノイズの影響を受けないために要求されるLF帯電波の送信出力強度Lを、その許容最大電波出力以下でかつノイズレベルを超える範囲で設定する処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、ドア発信機16の出力調整部24において送信出力強度がその要求値Lに調整され、アンテナ30からリクエスト信号が送信される際にその送信出力強度がその要求値となる。
ステップ110では、上記ステップ108で設定された要求送信出力強度Lがしきい値L0以下であるか否かが判別される。尚、しきい値L0は、定期送信方式によってリクエスト信号が送信されてもその電波送信に伴う車両の電力消費が低く抑えられると判断される最大の送信出力強度である。その結果、L≦L0が成立すると判別される場合は、定期送信方式でもその電波送信に伴う電力消費が小さいと判断できるので、次にステップ112の処理が実行される。一方、L≦L0が成立しないと判別される場合は、定期送信方式ではその電波送信に伴う電力消費が大きいと判断できるので、次にステップ114の処理が実行される。
ステップ112では、リクエスト信号の送信方式として定期送信方式を選択・設定する処理が実行される。本ステップ112の処理が実行されると、以後、車載機12のドア発信機16から車外へ定期的にリクエスト信号が送信されることとなる。この際、リクエスト信号の送信出力強度は、上記ステップ108で設定されるとおりしきい値L0以下の比較的小さなものとなる。本ステップ112の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
ステップ114では、リクエスト信号の送信方式としてトリガ方式を選択・設定する処理が実行される。本ステップ114の処理が実行されると、以後、車載機12のドア発信機16から車外へのリクエスト信号の送信がタッチセンサ58を用いて人がドアアウタハンドル30に触れたと判別された場合にのみ行われることとなる。この際、リクエスト信号の送信出力強度は、上記ステップ108で設定されるとおりしきい値L0を超える比較的大きなものとなる。本ステップ114の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
上記図2に示すルーチンによれば、車両の使用される仕向地における許容最大電波出力レベル、及び、リクエスト信号の送信条件が成立した時点で車両周囲に生じているノイズレベルに基づいて、リクエスト信号の送信を行ううえで車両周辺のノイズの影響を受けないために要求されるLF帯電波の送信出力強度Lを設定することができる。LF帯電波の送信出力強度Lが、上記の如く設定された要求値に調整されれば、車載機12から送信されるリクエスト信号は、車両の使用される仕向地の電波法規などによる電波出力制限に対応した範囲でかつ車両周囲のノイズに影響されることなく、車両乗員の携帯する送信機10に確実に受信される。従って、本実施例においては、車載機12からのリクエスト信号の送信が、車両仕向地に対応した電波出力制限範囲内で送信機10に確実に受信させるうえで必要な送信出力強度を伴って行われることとなる。
また、上記図2に示すルーチンによれば、車載機12から送信するリクエスト信号の送信方式を、上記の如く設定された要求送信出力強度Lに応じて切り替えること、具体的には、リクエスト信号の送信方式を、要求送信出力強度Lが比較的小さい場合には定期送信方式とし、一方、要求送信出力強度Lが比較的大きい場合にはトリガ送信方式とすることができる。
上記の如く、定期送信方式では、電波の送信出力強度が大きいほどその送信に伴う電力消費が著しく増大することとなるが、これに対して、本実施例において、リクエスト信号の定期送信時には電波の送信出力強度が外来ノイズの影響を受けない範囲でできるだけ小さく抑制されるので、定期送信に伴う電力消費の増大が最小限に抑えられる。尚、本実施例において、リクエスト信号のトリガ送信時には電波の送信出力強度は大きくなるが、そのトリガ送信は、定期的に送信を行う定期送信に比べて送信頻度が極めて少ないので、電力消費の著しい増大を伴うことはない。
このように、本実施例のシステムによれば、車載機12からのリクエスト信号の送信方式を要求送信出力強度Lに応じて切り替えることで、車両仕向地における電波出力制限に対応した最適なかつ送信機10にノイズの影響を受けることなく受信させるうえで必要な出力強度のリクエスト信号の送信を、リクエスト信号の定期送信に伴う電力消費の著しい増大を招来させることなく実現することが可能となっている。このため、本実施例においては、車両駐車時におけるリクエスト信号の送信に伴う暗電流を最小限に抑えつつ、車両仕向地における電波出力制限に対応しかつ劣悪なノイズ環境下にも対応可能なリクエスト信号の送信システムが構築されることとなる。
尚、上記の実施例においては、送信機10が特許請求の範囲に記載した「携帯機」に、車載機12が特許請求の範囲に記載した「車両用遠隔制御装置」に、ドア発信機16及びアンテナ28が特許請求の範囲に記載した「送信手段」に、チューナ18及び受信アンテナ32が特許請求の範囲に記載した「受信手段」に、それぞれ相当していると共に、車載機12のコントローラ14が、送信機10からのレスポンス信号に含まれる識別コードが予め登録された識別コードに一致する場合に車両ドアのアンロック又はロックを行うことにより特許請求の範囲に記載した「機器制御手段」が、図2に示すルーチン中ステップ112,114の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「送信方式切替手段」が、ステップ108の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「送信強度設定手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上記の実施例においては、車載機12において送信機10からのレスポンス信号に含まれる識別コードが予め登録された識別コードに一致する場合に車両ドアのアンロック又はロックを行うこととしているが、遠隔制御すべき車載機器としての対象はこれに限定されるものではなく、ラゲージドアの開放やエンジン始動,イモビライザのロック解除等を行うものであってもよい。
また、上記の実施例においては、ドアアウタハンドル30に設けられたタッチセンサ58を用いて人がドアアウタハンドル30に触れたことを検知することにより、人が車両にアクセスしたか否かを判別することとしているが、近接センサ等を用いて人が車両ドアに触れる前においても車両に近づいたことを検知することにより、人が車両にアクセスしたか否かの判別を行うこととしてもよい。
また、上記の実施例においては、車両の仕向地情報を車両製造時等に登録することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の有するナビゲーション装置を用いて自車両の現在位置を検出し、その現在位置情報を車両の仕向地情報として用いることとしてもよい。
更に、上記の実施例においては、車載機12からリクエスト信号を送信する方式を定期送信方式とトリガ送信方式とで切り替えるうえで、車両周囲に生じている電波のノイズ環境、及び、車両の使用される地域や国の仕向地における電波出力制限に関する情報に基づいて行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した送信方式の切り替えを、車両の駐車が継続する駐車放置時間や車両の駐車が行なわれる時間帯,曜日に基づいて行うこととしてもよい。
かかる構成において、送信方式の切り替えを駐車放置時間に基づいて行う場合は、例えば、駐車開始時には送信方式を定期送信方式に設定し、その後駐車放置時間が所定時間(例えば、1日,2週間など)に達した場合に送信方式をトリガ送信方式に設定する。この手法によれば、長時間放置後に定期送信方式からトリガ送信方式への移行がなされることで、リクエスト信号の送信に伴う電力消費が低減されると共に、省電力化を図るためにリクエスト信号の送信自体を中止することが不要である。従って、かかる手法によれば、車両の長時間放置後に、リクエスト信号の送信に伴う電力消費の増大を抑制しつつ、車両乗員が何らワイヤレスキー等に対してアンロック操作を行うことなく車両ドアのアンロックを実現することすなわちスマートエントリを駐車開始時から継続して実現することが可能となる。
また、送信方式の切り替えを駐車時間帯に基づいて行う場合は、例えば、車両乗員が車両を使用することが多い時間帯においては送信方式を定期送信方式に設定し、使用することが少ない時間帯においては送信方式をトリガ送信方式に設定する。この手法によれば、車両があまり使用されない時間帯にリクエスト信号の送信によって電力が無駄に消費されることはない。従って、かかる手法によれば、リクエスト信号の送信に伴う電力消費を最小限に抑えつつ効率的にスマートエントリを実現することが可能となる。
10 送信機
12 車載機
14 コントローラ
16 ドア発信機
18 チューナ
30 ドアアウタハンドル
58 タッチセンサ
12 車載機
14 コントローラ
16 ドア発信機
18 チューナ
30 ドアアウタハンドル
58 タッチセンサ
Claims (6)
- 車両乗員の携帯する携帯機の応答を要求する要求信号を送信する送信手段と、前記携帯機から送信される応答信号を受信する受信手段と、前記受信手段における前記応答信号の受信結果に基づいて車両に搭載された機器の駆動制御を行う機器制御手段と、を備える車両用遠隔制御装置であって、
前記送信手段により前記要求信号を送信する方式を、所定時間ごとに送信する定期送信方式と車両に対する人によるアクセスがなされた場合に送信するトリガ送信方式とで切り替える送信方式切替手段を備えることを特徴とする車両用遠隔制御装置。 - 前記要求信号の送信出力強度を設定する送信強度設定手段を備え、
前記送信方式切替手段は、前記送信強度設定手段により設定される前記送信出力強度に基づいて、前記要求信号を送信する方式を前記定期送信方式と前記トリガ送信方式とで切り替えることを特徴とする請求項1記載の車両用遠隔制御装置。 - 前記送信強度設定手段は、車両の仕向地情報に基づいて前記送信出力強度を設定することを特徴とする請求項2記載の車両用遠隔制御装置。
- 前記送信強度設定手段は、車両周辺の電波環境に基づいて前記送信出力強度を設定することを特徴とする請求項2記載の車両用遠隔制御装置。
- 前記送信方式切替手段は、前記要求信号を送信する方式を、前記送信強度設定手段により設定される前記送信出力強度がしきい値以下である場合は前記定期送信方式とし、一方、前記送信出力強度が前記しきい値を超える場合は前記トリガ送信方式とすることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項記載の車両用遠隔制御装置。
- 前記送信方式切替手段は、車両の駐車放置時間又は駐車時間帯に基づいて、前記要求信号を送信する方式を前記定期送信方式と前記トリガ送信方式とで切り替えることを特徴とする請求項1記載の車両用遠隔制御装置。
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JP2004074897A JP2005264461A (ja) | 2004-03-16 | 2004-03-16 | 車両用遠隔制御装置 |
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Family Applications (1)
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2004
- 2004-03-16 JP JP2004074897A patent/JP2005264461A/ja active Pending
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