JP2010265026A - 密封容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い密封度を長期間維持できる密封容器を提供する。
【解決手段】キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。そして、容器本体2の開口部を囲む壁部2dは、隙間3fに挿入されるもので、リブ6は、壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧するように、キャップ3の内底面3aと直交する面に対して傾斜している。また、壁部2dが隙間3fに挿入されたときに、ねじ山4を、ねじ溝5に設けられた第2の凸部12が乗り越えた状態で容器本体2とキャップ3とが互いに係止し合っている。
【選択図】図1
【解決手段】キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。そして、容器本体2の開口部を囲む壁部2dは、隙間3fに挿入されるもので、リブ6は、壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧するように、キャップ3の内底面3aと直交する面に対して傾斜している。また、壁部2dが隙間3fに挿入されたときに、ねじ山4を、ねじ溝5に設けられた第2の凸部12が乗り越えた状態で容器本体2とキャップ3とが互いに係止し合っている。
【選択図】図1
Description
本発明は、密封容器に関する。
容器本体とキャップを締結する密封容器としては種々のものが知られている。また、密封容器の中でねじを利用するものとしては、液体、粉体等の固体、クリームまたはゲル等の半固体状のものを収納し、キャップを容器本体にねじ止めすることにより内部を密封する密封容器が知られている。そこで、このような容器を対象としてキャップの緩みを防止するための緩み止め構造が提案されている(特許文献1および2参照)。
特許文献1および2に記載されている容器は、キャップの内周面と隙間を形成しつつ円環状に突出したリブが設けられ、そのリブは、容器本体の開口部の内周面を内側から外側へと押圧する緩み止め構造を採用している。
特許文献1および2に記載されている緩み止め構造は、ねじを徐々に締め上げることで密封度が増すものとなっている。このため、ねじが徐々に緩むことによって密封度が減少してしまう。
そこで、本発明の目的は、高い密封度を長期間維持できる密封容器を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の密封容器は、容器本体と容器本体に設けられる開口部を塞ぐキャップをねじ結合することにより締結し、キャップの内底面の端部には、キャップの内周面と隙間を形成しつつ円環状に突出したリブが設けられる密封容器において、開口部を囲む壁部は、隙間に挿入されるもので、リブは、開口部の内周面を内側から外側へと押圧するように、キャップの内底面と直交する面に対して傾斜し、壁部が隙間に挿入されたときに、ねじ山に設けられた第1の凸部を、ねじ溝に設けられた第2の凸部が乗り越えた状態で容器本体とキャップとが互いに係止し合っている。
ここで、リブのキャップの内底面側は、その先端側よりも、壁部の内周面と対向する面の傾斜が大きいことが好ましい。
また、リブの先端面は、キャップの内周面とリブとの間の隙間を広くするテーパーが形成されていることが好ましい。
また、キャップの内底面と直交する面に対する、リブのキャップの内周面との対向面の最大傾斜角は、1度以上10度以下であることが好ましい。
また、互いに係止し合っている状態のときに、第1の凸部と第2の凸部が接触し、かつ両者の互いの押圧によって容器本体の壁部の先端がキャップの内底面に突き当たっていることが好ましい。
また、容器本体とキャップのいずれか一方の側に設けられるねじ係合部のねじ山と、他方の側に設けられるねじ係合部のねじ溝とが係合可能に構成され、容器本体とキャップのいずれか一方の側に設けられるねじ係合部および他方の側に設けられるねじ係合部のリード角は、共に10度以上80度以下であり、ねじ山は、ねじ溝の1つおき、2つおき、3つおき、4つおき、または5つおきに形成されることが好ましい。
また、第1の凸部および第2の凸部は、線条方向の両側に傾斜面を有する形状とされていることが好ましい。
本発明では、高い密封度を長期間維持できる密封容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る密封容器について、図を参照しながら説明する。なお、この密封容器は、化粧品を収納する密封容器としているが、飲料用の容器(ペットボトル等)、食料品保存用の容器等のその他の密封容器にも適用できる。
(密封容器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る密封容器1の縦断面図である。ただし、この図1においては、左側および右側のねじ係合部(容器本体2とキャップ3との隙間における容器本体2の外周およびキャップ3の内周)は、便宜上リード角を90度として描かれている(図2、図3も同様)。図2は、容器本体2の縦断面図である。図3は、キャップ3の縦断面図である。なお、各ねじ係合部のねじ山4等の突出部は、容器本体2やキャップ3とは別部材かのように図示されている(断面を示す斜線の間隔が異なっている)が、これは、ねじ係合部の係合関係を分かりやすく説明するためのもので、実際は容器本体2からの突出部は、容器本体2と一体成形されたものであり、キャップ3からの突出部は、キャップ3と一体成形されたものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封容器1の縦断面図である。ただし、この図1においては、左側および右側のねじ係合部(容器本体2とキャップ3との隙間における容器本体2の外周およびキャップ3の内周)は、便宜上リード角を90度として描かれている(図2、図3も同様)。図2は、容器本体2の縦断面図である。図3は、キャップ3の縦断面図である。なお、各ねじ係合部のねじ山4等の突出部は、容器本体2やキャップ3とは別部材かのように図示されている(断面を示す斜線の間隔が異なっている)が、これは、ねじ係合部の係合関係を分かりやすく説明するためのもので、実際は容器本体2からの突出部は、容器本体2と一体成形されたものであり、キャップ3からの突出部は、キャップ3と一体成形されたものである。
密封容器1は、ポリオレフィン系樹脂製の容器本体2と、容器本体2に設けられる開口部を塞ぐポリオレフィン系樹脂製のキャップ3をねじ結合することにより締結するものである。容器本体2の開口部の外周にねじ係合部を構成するねじ山4が設けられている。そして、キャップ3の内周にねじ係合部を構成するねじ溝5が設けられている。ねじ山4とねじ溝5は、係合可能に構成されている。
図1および図2に示すように、容器本体2は、収容物を収容する底付き円筒状の収容部2aと、収容部2aの高さの約半分の部分から収容部2aの径方向に伸び、さらに下側方向に伸びて、収容部2aの下半分の外周を覆う円筒状のスカート部2bを有している。このスカート部2bよりも上側の収容部2aの外周が容器本体2のねじ係合部となる。収容部2aの底面の中央は、容器本体2の成形時に溶融樹脂が圧入される位置に対応する位置であり、その位置に成形終了時に形成される半球状の隆起部2cが形成されている。
図1および図3に示すように、底付き円筒状のキャップ3は、内底面3aに近い側の側面の肉厚部3bと、肉厚部3bよりも開口側の側面部3cとを有している。この側面部3cの内周がキャップ3のねじ係合部となる。キャップ3の内側の内底面3aの中央は、キャップ3の成形時に溶融樹脂が圧入される位置に対応する位置であり、その位置に成形終了時に形成される円形状の凹部3dが形成されている。
また、図1および図2に示すように、キャップ3を容器本体2へねじ山4およびねじ溝5の線条方向に沿う方向で締め込んだときに、容器本体2のねじ係合部に設けられているねじ山4の第1の凸部11の一部となる高い凸部11aが、キャップ3のねじ係合部のねじ溝5に設けられた第2の凸部12を乗り越えた状態で互いに係止し合っている。ここで、本実施の形態では、ねじ山4は第1の凸部11と同一のものを指す。そして、ねじ山4となる第1の凸部11は、容器本体2の開口部先端側の高い突部11aとそれに続くより低い突部11bから構成されている。
そして、図1および図3に示すように、キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。容器本体2に設けられる開口部を囲む壁部2dは、キャップ3を容器本体2へ締め込んだとき隙間3fに挿入される部分である。そして、リブ6は、その先端が開口部の内周面3eに近づくように、キャップ3の内底面3aと直交する面に対して傾斜している。
図4に、図1および図3の左側の係合部付近のリブ6およびその周辺の拡大断面図を示す。キャップ3の内周面3eと対向するリブ6の外周面のうち、キャップ3の内底面3aに近い基部側の面6aは、キャップ3の内底面3aと直立し、かつ基部側6aと内底面3aとの交点を通る面Pに対し傾斜角αを有する円錐状の面となっている。基部側面6aに続いて、面Pと平行となる面からなる中央部面6bが配置されている。また、リブ6の先端面側6cには、キャップ3の内周面3eとリブ6との間の隙間3fを広くするテーパー面6c1が形成されている。ここで、内底面3aからリブ6の先端までの長さL1は4.0mmとされ、内底面3aから基部側の面6aの先端までの長さL2は1.5mmとされ、中央部面6bの長さL3は2.0mmとされ、リブ6の先端側の幅L4は1.0mmとされている。また、リブ6の隙間3fへの突出長L5は、0.1mmとされ、リブ6の根元幅L6は1.4mmとされ、リブ6の外径L7は60.85mmとされている。さらに、リブ6の根元の内側面は曲率1.0mmの曲面6dとなっている。長さL1対長さL2は、8:1〜8:5が好ましい。また、長さL2対長さL3は、1:2〜2:2が好ましい。さらに、長さL1対幅L4は、8:1〜8:3が好ましい。また、傾斜角σは、4度である。この傾斜角は、2〜6度が好ましい。
ここで、容器本体2は、上述したように、ねじ山4(第1の凸部11)と共に一体成形されている。また、キャップ3は、上述したように、第2の凸部12およびリブ6と共に一体成形されている。
図5は、容器本体2のねじ係合部の展開図である。ねじ山4が容器本体2の開口部の外周の周方向に等間隔に配置されている。ねじ山4のリード角αは30度である。図5には、ねじ山4の長尺方向(線条方向)のA−A断面図をも示している。ねじ山4は、高い突部11aとそれに続くより低い突部11bを有している。高い突部11aの上面11a1と低い突部11bの上面11b1は平坦面(実際は、壁部2dの外周面2eに沿って周方向にわずかに曲がる面)である。高い突部11aと低い突部11bとは、斜面11cによって連結されている。高い突部11aの斜面11cとは反対側の端部と、容器本体2の壁部2dの外周面2eとは、斜面11dによって連結されている。低い突部11bの斜面11cとは反対側の端部と容器本体2の壁部2dの外周面2eとは、斜面11eによって連結されている。すなわち、ねじ山4は、線条方向の両側に傾斜面11d,11eを有する形状とされている。
図5には、ねじ山4の低い突部11bの部分の短尺方向のB−B断面図をも示している。低い突部11bの上面11b1と容器本体2の壁部2dの外周面2eとは、斜面11f,11fによって連結されている。図5には、ねじ山4の高い突部11aの部分の短尺方向のC−C断面図をも示している。高い突部11aの上面11a1と容器本体2の壁部2dの外周面2eとは、斜面11g,11gによって連結されている。斜面11fとそれに続く斜面11gとは、同一平面上に存在する。B−B断面図およびC−C断面図に示されるねじ山4の断面は、等脚台形の形状をしている。
図6は、キャップ3のねじ係合部の展開図である。第2のねじ山4aおよび第2の凸部12がキャップ3の内周の周方向に等間隔に配置されている。隣接する第2のねじ山4aの隙間がねじ溝5となる。ねじ溝5のキャップ3の内周の周方向における間隔は、図5に示すねじ山4が容器本体2の壁部2dの外周の周方向に配置されている間隔の1/2である。すなわち、ねじ溝5の数はねじ山4の2倍であり、ねじ山4は、ねじ溝5の1つおきに係合することとなる。また、第2の凸部12のリード角βは30度である。第2のねじ山4aとねじ溝5とでキャップ3のねじ係合部が構成される。第2のねじ山4aは、ねじ山4よりも幅寸法が狭い。
図6には、第2のねじ山4aの短尺方向のD−D断面図をも示している。D−D断面図に示すように、第2のねじ山4aの上面4a1とキャップ3の側面部3cの内周面3g(ねじ溝5)を結ぶ面は、傾斜面4a2,4a2となっている。
図6には、第2の凸部12の長尺方向のE−E断面図をも示している。E−E断面図に示すように、第2の凸部12のE−E断面は等脚台形をなしている。すなわち第2の凸部12は、ねじ溝5の線条方向の両端側から中央側に向かって高さが増す傾斜面12a,12aを有している。その傾斜面12a,12aの角度は、第1の凸部11の傾斜面11cの傾斜の角度と同一の角度である。両傾斜面12a,12aの間には、平坦面(実際は、キャップ3の内周面3eに沿って周方向にわずかに曲がる曲面)となる上面12bが配置されている。すなわち、第2の凸部12は、線条方向の両側に傾斜面12a,12aを有する断面等脚台形形状とされている。
(密封容器1の開閉動作)
容器本体2とキャップ3とは、相対的に近づく方向でかつねじ山4とねじ溝5が線条方向に相対移動することで締め込まれる。その際には、図5に示すねじ山4の両側の斜面11f,11f,11g,11gが、隣接する2つの第2のねじ山4aのねじ溝5をはさんで対向する傾斜面4a2,4a2(図6参照)と接触し、ねじ山4とねじ溝5が係合する。そして、ねじ山4の高い突部11aの斜面11dが、第2の凸部12のキャップ3の開口部側の斜面12aとぶつかる。そのぶつかった後に上述の線条方向の相対移動をさらに進めると、斜面11dと斜面12aとが擦れ合いながらねじ山4の高い突部11aが径方向外側に移動もしくは弾性変形し、または/および第2の凸部12が径方向内側に移動もしくは弾性変形する。
容器本体2とキャップ3とは、相対的に近づく方向でかつねじ山4とねじ溝5が線条方向に相対移動することで締め込まれる。その際には、図5に示すねじ山4の両側の斜面11f,11f,11g,11gが、隣接する2つの第2のねじ山4aのねじ溝5をはさんで対向する傾斜面4a2,4a2(図6参照)と接触し、ねじ山4とねじ溝5が係合する。そして、ねじ山4の高い突部11aの斜面11dが、第2の凸部12のキャップ3の開口部側の斜面12aとぶつかる。そのぶつかった後に上述の線条方向の相対移動をさらに進めると、斜面11dと斜面12aとが擦れ合いながらねじ山4の高い突部11aが径方向外側に移動もしくは弾性変形し、または/および第2の凸部12が径方向内側に移動もしくは弾性変形する。
すると、高い突部11aを、第2の凸部12が乗り越えて互いに係止し合う状態となる(図1参照)。すなわち、第1の凸部11の斜面11cと第2の凸部12の傾斜面12aとが接触し、第2の凸部12は、第1の凸部11、すなわち容器本体2を図1で上方に移動させようとする力を発生させている。この力は、キャップ3の内底面3aと壁部2dの端部2gとの間の押圧力を高めるように働く。この結果、密封度がより高まる。
図7および図8は、高い突部11aを、第2の凸部12が乗り越えて互いに係止し合う状態に至る過程における、容器本体2の壁部2dとキャップ3の状態を示す断面図である。容器本体2とキャップ3とを相対的に近づくように線条方向に相対移動させて締め込むと、図7に示すように壁部2dの端部2gは、リブ6の先端面側6cのテーパー6c1にぶつかる。さらに締め込みを進めると、端部2gは、テーパー6c1の傾斜を押してリブ6をキャップ3の径方向内側に傾かせる。その後、壁部2dは、キャップ3の隙間3fの中に挿入される。
図8は、壁部2dが隙間3fに完全に挿入された状態を示している。このように挿入された状態では、リブ6の中央部面6bの側面が壁部2dの内周面2fを押圧し、端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧し、かつキャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧している。これら3箇所の押圧によって、密封容器1の高い密封度が実現される。なお、3箇所の押圧ではなく、内周面3eと外周面2eとの押圧がない、他の2箇所のみの押圧としたり、端部2gと内底面3aとの押圧がない他の2箇所のみの押圧としても良い。
この実施の形態では、端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧するのと略同時に、高い突部11aを、第2の凸部12が乗り越えて互いに係止し合う状態となる。
以上の動作を行わせるためには、ユーザーは、キャップ3の開口部を容器本体2の開口部に被せて、キャップ3の外側底面を指等で押圧する。キャップ3を回転させる操作を要しないのは、ねじ係合部のリード角α,βが30度であり、大きな回転角度を要しないためである。また、この密封容器1の密封を解くには、キャップ3と容器本体2とを逆方向に相対回動させる。
(本発明の実施の形態によって得られる主な効果)
本発明の実施の形態に係る密封容器1は、キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。そして、容器本体2の開口部を囲む壁部2dは、隙間3fに挿入され、リブ6は、壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧するように、キャップ3の内底面3aと直交する面Pに対して傾斜している。そのため、このような単純な構成でありながら密封容器1の高い密封度を実現できる。また、壁部2dが隙間3fに挿入されたときに、ねじ山4の高い突部11aを、ねじ溝5に設けられた第2の凸部12が乗り越えた状態で両者が互いに係止し合っている。この係止により、リブ6が壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧する状態を維持するため、密封容器1の高い密封度を長期間維持できる。
本発明の実施の形態に係る密封容器1は、キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。そして、容器本体2の開口部を囲む壁部2dは、隙間3fに挿入され、リブ6は、壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧するように、キャップ3の内底面3aと直交する面Pに対して傾斜している。そのため、このような単純な構成でありながら密封容器1の高い密封度を実現できる。また、壁部2dが隙間3fに挿入されたときに、ねじ山4の高い突部11aを、ねじ溝5に設けられた第2の凸部12が乗り越えた状態で両者が互いに係止し合っている。この係止により、リブ6が壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧する状態を維持するため、密封容器1の高い密封度を長期間維持できる。
また、ねじ山4(第1の凸部11)と第2の凸部12が互いに係止し合っている構成、すなわち第2の凸部12が第1の凸部11を乗り越えて係止し合う構成を採用しているため、強い係止力が得られる。そのような強い係止力を仮に凸部と凹部の嵌合によって実現しようとすると、凸部の高さおよび凹部の深さを大きくする必要があるが、本実施の形態のような凸部同士の係止の場合は、凸部の高さが小さくて済み、凸部の成形が容易になる利点がある。さらに、端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧する状態が凸部と凸部の係合で維持されるため、少なくとも2箇所(リブ6と壁部2d、内底面3aとり部6)で押圧状態が維持され、高い密封度が長期間維持される。また、この実施の形態では、キャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧しているため、密封容器1の密封度をより高くすることができる。
ここで、リブ6におけるキャップ3の内底面3aの側となる基部側の面6aは、その中央部面6bよりも、壁部2dの内周面2fと対向する面の傾斜が大きい。そのため、中央部面6bにおける内周面2fの押圧のための大きな弾性力を、基部側の面6aにて作りだすことができる。また、中央部面6bにおける傾斜を小さくすることで、中央部面6bが内周面2fを押圧する面積を大きくでき、密封容器1の密封状態を安定なものとすることができる。
また、リブ6の先端側6cには、キャップ3の内周面3eとリブ6との間の隙間3fを広くするテーパー面6c1が形成されている。そのため、壁部2dが隙間3fへとスムースに挿入される。
また、キャップ3の内底面3aと直交する面Pに対する、リブ6のキャップ3の内周面3eとの対向面の傾斜角αは、4度とされている。そのため、リブ6による内周面2fの押圧のための大きな弾性力を作りだすことができる。
また、容器本体2に設けられるねじ係合部のねじ山4と、キャップ3に設けられるねじ係合部のねじ溝5とが係合可能に構成され、容器本体2とキャップ3のねじ係合部のリード角α,βは、共に30度である。そのため、密封容器1の開閉の動作の際に、ねじ結合のための回転動作を周方向に40度程度と少なくすることができる。このように、回転動作が少ないため、キャップ3を容器本体2に被せて押下することで、密封容器1の密封を実現できる。
このようにねじ係合部のリード角が大きく、簡単にねじ結合できる場合は、通常そのねじ結合が解かれ、密封容器の密封度が低くなるのも容易となる。しかし、本実施の形態の密封容器1は、ねじ山4(第1の凸部11)と第2の凸部12が互いに係止し合っているため、容易にねじ結合が解かれるのを防止している。また、その係止によって、密封容器1を振動させた場合のように、壁部2dが隙間3fから取り出される動作が生じ易い状況下であっても、壁部2dが隙間3f内に入った状態を維持できる。また、ねじ山4は、ねじ溝5の1つおきに形成されている。そのため、容器本体2のねじ係合部の成形金型形状を簡易化でき、成形の精度を高めることができる。
また、ねじ山4および第2の凸部12は、線条方向の両側に傾斜面11d,11e,12a,12aを有する形状とされている。そのため、ねじ山4の高い突部11aを第2の凸部12が乗り越える動作をスムースにすることができる。
(他の形態)
以上、本発明の実施の形態における密封容器1について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施可能である。
以上、本発明の実施の形態における密封容器1について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施可能である。
本発明の実施の形態に係る密封容器1は、キャップ3の内底面3aの端部には、キャップ3の内周面3eと隙間3fを形成しつつ円環状に突出したリブ6が設けられている。そして、容器本体2の開口部を囲む壁部2dは、隙間3fに挿入され、リブ6は、壁部2dの内周面2fを内側から外側へと押圧するように、キャップ3の内底面3aと直交する面Pに対して傾斜している。また、壁部2dが隙間3fに挿入されたときに、ねじ山4の高い突部11aを、ねじ溝5に設けられた第2の凸部12が乗り越えた状態で両者が互いに係止し合っている。
しかし、ねじ山4は、キャップ3側に設けられ、ねじ溝5は、容器本体2側に設けられることとしても良い。また、本実施の形態では、端部2gと隙間3f部分の内底面3aとの間には何も介在させていないが、パッキン等を介在させ、より密封容器1の密封度を高くするようにしても良い。この場合のパッキンの材質は、たとえば、シリコーン樹脂等が好ましい。
また、リブ6の基部側の面6aは、その中央部面6bよりも、壁部2dの内周面2fと対向する面の傾斜が大きい。上述の実施の形態では、前者が4度、後者が0度となっている。しかし、他の形態としても良い。たとえば、基部側の面6aを曲面状とし、中央部面6bにゆるやかにつながる形状としても良い。そのときの傾斜角αの最大は、2度〜6度の範囲が好ましい。また、基部側の面6aと中央部面6bは、同一平面上に位置するようにしても良いし、中央部面6bも傾斜させ、その角をβとしたとき、α≧βとしたり、基部側の面6aの傾斜角αを中央部面6bの傾斜角βより小さく(=α<β)しても良い。
また、リブ6の先端面側6cは、キャップ3の内周面3eとリブ6との間の隙間3fを広くするテーパー面6c1が形成されている。しかし、テーパー面6c1を省略しても良い。また、テーパー面6c1は、先端面側6cの一部に形成されているが、先端面側6cの全部をテーパー形状としても良い。
また、キャップ3の内底面3aと直交する面Pに対する、リブ6のキャップ3の内周面3eとの対向面の最大傾斜角となる傾斜角αは、4度とされている。しかし、この最大傾斜角αは4度に限定されない。たとえば、この最大傾斜角となる傾斜角αは、1度以上10度以下とすることができる。この傾斜角αを1度以上とすることで、リブ6による壁部2dの内周面2fに対する押圧のための大きな弾性力を得ることができる。また、この最大傾斜角となる傾斜角αを10度以下とすることで、キャップ3を金型成形する際の型抜きが容易となる。なお、この傾斜角αは、2度以上で6度以下が好ましい。
また、容器本体2に設けられるねじ係合部のねじ山4と、キャップ3に設けられるねじ係合部のねじ溝5とが係合可能に構成され、容器本体2とキャップ3のねじ係合部のリード角α,βは、共に30度としている。しかし、ねじ係合部のリード角α,βは、30度に限定されない。たとえば、リード角α,βは、10度以上80度以下とすることができる。リード角α,βを10度以上とすることで、キャップ3を開口部4に脱着するための回転数(回転角度)を少なくして使いやすくでき得る。また、リード角α,βを80度以下とすることで、密封容器1はねじ山とねじ溝との係合によるねじ結合を良好に実現することができ、結合力を強めることができる。
また、ねじ山4は、ねじ溝5の1つおきに形成されている。しかし、他の形態としても良い。たとえば、ねじ山4は、ねじ溝5と同数形成され、ねじ結合の際に両者が交互に配置され嵌合されるようにしても良い。また、ねじ山4は、ねじ溝5の2つおき、3つおき、4つおき、または5つおきに形成されることとしても良い。さらに、ねじ溝5は、ねじ山4の1つおき、2つおき、3つおき、4つおき、または5つおきに形成されることとしても良い。このように、ねじ山4の本数を減らすことで、容器本体2の成形が容易になり、ねじ溝5の個数を減らすことで、キャップ3の成形が容易になる。同様の理由から、ねじ山4は、容器本体2の外周30度以上150度以下の間隔で、少なくとも3つ以上有することとしても良い。また、ねじ溝5は、キャップ3の内周30度以上150度以下の間隔で、少なくとも3つ以上有することとしても良い。
また、ねじ山4および第2の凸部12は、線条方向の両側に傾斜面11d,11e,12a,12aを有する形状とされている。しかし、傾斜面11d,11e,12a,12aの一部のものまたは全部を省略することができる。
また、キャップ3および容器本体2の材質は、ポリオレフィン系の樹脂としているが、その他の材質のものを採用しても良い。その材質は、樹脂材が好ましいが、金属材、ガラス材、木材等の他の材質のものとしてもよい。ここで、容器本体2とキャップ3のいずれか一方を樹脂のように比較的容易に形状変化可能な弾性を有する材料とすることができる。このように容器本体2とキャップ3の一方を樹脂製とする場合は、密封容器1の開閉動作時のたわみを考慮して、キャップ3をウレタンまたはシリコーン等のような軟質の樹脂製とし、容器本体2を金属材、ガラス材等とすることが好ましい。
また、端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧するのと略同時に、高い突部11aが、第2の凸部12を乗り越えて互いに係止し合う状態となっているが、このようなタイミングには限定されない。たとえば、図9は、本実施の形態の密封容器1の第1変形例であって、高い突部11aが、第2の凸部12を乗り越え、さらにキャップ3と容器本体2との締め込みを行ったときの状態を示す図である。図9における密封容器1に対応する部材については、密封容器1と同一の符号を付し、それらの説明を省略する。このような状態であっても、リブ6の中央部面6bの側面が壁部2dの内周面2fを押圧し、端部2gが内底面3aを押圧し、かつキャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧しているため、密封容器1の密封は実現されている。ねじ結合が若干緩んだ場合には、端部2gが隙間3fの部分の内底面3aを押圧しなくなるが、そのような場合でも、ねじ山4を、第2の凸部12が乗り越えるので、その乗り越えるときには両者が互いに係止し合う状態となる。この図9に示す場合、中央部面6bの側面が内周面2fを押圧し、キャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧しているため、密封容器1の密封は実現されている。
また、図10は、本実施の形態の密封容器1の第2変形例であって、キャップ3と容器本体2との締め込みを行った際に、高い突部11aが、第2の凸部12を完全に乗り越える前段階で端部2gが隙間3fの部分の内底面3aを押圧している状態を示す図である。図10における密封容器1に対応する部材については、密封容器1と同一の符号を付し、それらの説明を省略する。このような状態であっても、ねじ山4が第2の凸部12を乗り越えた状態で両者が互いに係止し合っている状態と同等であり、乗り越えた状態とする。そして、この状態でも、リブ6の中央部面6bの側面が壁部2dの内周面2fを押圧し、キャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧し、かつ端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧している。これら3箇所の押圧によって、第2変形例の密封容器の高い密封度が実現されている。
なお、密封容器1では、リブ6の先端側6bの側面が壁部2dの内周面2fを押圧し、キャップ3の内周面3eが壁部2dの外周面2eを押圧し、かつ端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押圧している。これら3箇所の押圧によって、密封容器1の高い密封度が実現されている。しかし、リブ6の中央部面6bの側面による壁部2dの内周面2fの押圧力が十分なら、その力の一部は、端部2gによる隙間3f部分の内底面3aの押圧力となるため、キャップ3の内周面3eによる壁部2dの外周面2eの押圧は、必ずしも必要とされない。
すなわち、図11の第3変形例に示すように、キャップ3を締め付けたとき、第1の凸部11と第2の凸部12との間に隙間が生じ、かつ、キャップ3の内周面3eと壁部2dの外周面2eとの間に隙間が生じたとしても、リブ6の壁部2dに作用する力Wがあるため、2箇所で密封が達成される。すなわち、力Wは、キャップ3の内底面3aに向かう力W1と、そのW1と垂直な力W2とに分館されるためである。力W1は、端部2gが隙間3f部分の内底面3aを押しつける力となり、W2は、リブ6の中央部面6bが壁部2dの内周面2fを押しつける力となる。この結果、図11に示す状態でも、2箇所で密封が達成される。
キャップ3の内周面3eと壁部2dの外周面2eとの間の押圧力の発生は、図12に示す第4変形例のような構成で発生させるようにしても良い。すなわち、キャップ3の内周面3eを、その径が、内底面3aからリブ6の先端面側6cに向かうに従い徐々に大きくなるテーパー形状とする。すると、隙間3fに挿入された壁部2dは、キャップ3の内周面3eとなるテーパー面3hとリブ6の中央部面6bによって強く挟まれる。その結果、キャップ3の内周面3eと壁部2dの外周面2eとの間の押圧力、およびリブ6の中央部面6bと壁部2dの内周面2fとの押圧力によって密封容器1の密封が達成される。なお、キャップ3の内周面3eと壁部2dの外周面2eとの間の押圧力が十分に確保できるなら、リブ6の中央部面6bと壁部2dの内周面2fとの押圧力、および端部2gと隙間3f部分の内底面3aの押圧力は、小さくても良いし、無くても良い。
1 密封容器
2 容器本体
2d 壁部
2f 内周面
3 キャップ
3a 内底面
3e 内周面
3f 隙間
4 ねじ山
5 ねじ溝
6 リブ
6a 基部側の面
6b 中央部面
6c 先端面側
6c1 テーパー面
11 第1の凸部
12 第2の凸部
P 内底面と直交する面
α,β ねじ係合部のリード角
2 容器本体
2d 壁部
2f 内周面
3 キャップ
3a 内底面
3e 内周面
3f 隙間
4 ねじ山
5 ねじ溝
6 リブ
6a 基部側の面
6b 中央部面
6c 先端面側
6c1 テーパー面
11 第1の凸部
12 第2の凸部
P 内底面と直交する面
α,β ねじ係合部のリード角
Claims (7)
- 容器本体と上記容器本体に設けられる開口部を塞ぐキャップをねじ結合することにより締結し、上記キャップの内底面の端部には、上記キャップの内周面と隙間を形成しつつ円環状に突出したリブが設けられる密封容器において、
上記開口部を囲む壁部は、上記隙間に挿入されるもので、上記リブは、上記開口部の内周面を内側から外側へと押圧するように、上記キャップの内底面と直交する面に対して傾斜し、
上記壁部が上記隙間に挿入されたときに、上記ねじ山に設けられた第1の凸部を、上記ねじ溝に設けられた第2の凸部が乗り越えた状態で上記容器本体と上記キャップとが互いに係止し合っていることを特徴とする密封容器。 - 請求項1記載の密封容器において、
前記リブの前記キャップの内底面側は、その先端側よりも、前記壁部の内周面と対向する面の前記傾斜が大きいことを特徴とする密封容器。 - 請求項1または2記載の密封容器において、
前記リブの先端面は、前記キャップの内周面と前記リブとの間の隙間を広くするテーパーが形成されていることを特徴とする密封容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の密封容器において、
前記キャップの内底面と直交する面に対する、前記リブの前記キャップの内周面との対向面の最大傾斜角は、1度以上10度以下であることを特徴とする密封容器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の密封容器において、
前記互いに係止し合っている状態のときに、前記第1の凸部と前記第2の凸部が接触し、かつ両者の互いの押圧によって前記容器本体の前記壁部の先端が前記キャップの内底面に突き当たっていることを特徴とする密封容器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の密封容器において、
前記容器本体と前記キャップのいずれか一方の側に設けられるねじ係合部のねじ山と、他方の側に設けられるねじ係合部のねじ溝とが係合可能に構成され、前記容器本体と前記キャップのいずれか一方の側に設けられるねじ係合部および前記他方の側に設けられるねじ係合部のリード角は、共に10度以上80度以下であり、
前記ねじ山は、前記ねじ溝の1つおき、2つおき、3つおき、4つおき、または5つおきに形成されることを特徴とする密封容器。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の密封容器において、
前記第1の凸部および前記第2の凸部は、線条方向の両側に傾斜面を有する形状とされていることを特徴とする密封容器。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009120252A JP2010265026A (ja) | 2009-05-18 | 2009-05-18 | 密封容器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010265026A true JP2010265026A (ja) | 2010-11-25 |
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ID=43362397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009120252A Pending JP2010265026A (ja) | 2009-05-18 | 2009-05-18 | 密封容器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010265026A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012232773A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 容器 |
-
2009
- 2009-05-18 JP JP2009120252A patent/JP2010265026A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012232773A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 容器 |
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