JP2010264756A - スタンパの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタンパの凹凸パターンを欠損なく転写し得、かつ耐久性の良いスタンパの製造方法を提供する。
【解決手段】原盤の凹凸パターンの表面に導電層19を形成し、その上に、電鋳層22を形成してから導電層を剥離して原盤の凹凸を転写して、第1のスタンパを形成する。これを繰り返して、第2のスタンパ、及び第3のスタンパを形成する際、第2のスタンパと第2の離型層との間に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形やインプリント技術などによりパターンを転写して大量の情報記録媒体を生産するために使用されるスタンパの製造方法に関する。
最近、情報記録装置の記録容量の増大は、磁気記録媒体の記録密度の向上により実現しており、このような高記録密度を目指す磁気記録媒体として、例えば同心円状に形成され複数のデータ記録用トラックに、磁性部と非磁性部とからなるパターンが形成されたディスクリート型磁気記録媒体(Discrete Track Recording:DTR)が知られている。
このような磁気記録媒体の製造方法には、例えば特許文献1に開示されるようなニッケル(Ni)製スタンパを金型として利用するナノインプリント法や射出成型等が採用されている。
ところで、ディスクリート型磁気記録媒体の製造において用いられるスタンパは、媒体の高記録密度化にともない、例えばトラックピッチが100nm以下の凹凸パターンを形成する微細加工技術が要求されるようになっている。
ところが、このように凹凸パターンのトラックピッチが狭くなり高密度化すると、電子線(EB)描画のためのレジスト層は薄い方が描画性能が向上することから、パターンピッチが狭くなり高密度化するにつれてEB描画律速によりレジスト層が薄くなっていき、この結果製造される原盤上の凹凸高さの差が小さくなることがある。しかし、このようにして作製される凹凸高さの差が小さいスタンパによると、インプリント時の転写不足により媒体上のレジストマスクの凹凸パターンに欠損が生じることがある。また、より狭いピッチに対しては媒体凸部への書き込み・読み込み性能を維持するために十分にひろい凸部が必要になることから、より細い凹パターンをEBにより描画しなければならない。しかしEB描画装置の限界により数nmの溝を描画することは困難であり、今後、高密度な原盤を得られなくなることが問題となる。
特開2008−12705号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、凹凸パターンを欠損なく転写し得、かつ耐久性の良いスタンパを製造することにある。
本発明に係るスタンパの製造方法は、
凹凸を有する原盤の表面に第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層上に第1の電鋳層を形成し、
前記原盤から前記第1の電鋳層および前記第1の導電層を剥離して、前記原盤の凹凸が転写された第1のスタンパを形成し、
前記第1のスタンパ表面に第1の離型層を形成し、
前記第1の離型層上に第2の導電層を形成し、
前記第2の導電層上に第2の電鋳層を形成し、
前記第1のスタンパから前記第2の電鋳層および前記第2の導電層を剥離して、前記第1のスタンパの凹凸が転写された第2のスタンパを形成し、
前記第2のスタンパの表面に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成し、
該高さ調整層上に第2の離型層を形成し、
前記第2の離型層上に第3の導電層を形成し、
前記第3の導電層上に第3の電鋳層を形成し、
前記第2のスタンパから前記第3の電鋳層および前記第3の導電層を剥離して、前記第2のスタンパの凹凸が転写された第3のスタンパを形成することを特徴とする。
本発明によれば、凹凸パターンを欠損なく転写し得、かつ耐久性の良いスタンパを製造することができる。
本発明のスタンパの製造方法では、原盤の凹凸パターンを転写して、第1のスタンパ、第2のスタンパ、及び第3のスタンパを形成する。
まず、凹凸パターンを有する原盤の表面に第1の導電層を形成し、第1の導電層上に第1の電鋳層を形成し、原盤から前記第1の電鋳層および前記第1の導電層を剥離して、原盤の凹凸が転写された第1のスタンパを形成する。
続いて、第1のスタンパ表面に第1の離型層を形成し、第1の離型層上に第2の導電層を形成し、第2の導電層上に第2の電鋳層を形成し、第1のスタンパから第2の電鋳層および第2の導電層を剥離して、第1のスタンパの凹凸が転写された第2のスタンパを形成する。
さらに、第2のスタンパ上に第2の離型層を形成し、第2の離型層上に第3の導電層を形成し、第3の導電層上に第3の電鋳層を形成し、第2のスタンパから第3の電鋳層および第3の導電層を剥離して、第2のスタンパの凹凸が転写された第3のスタンパを形成する。
本発明に係るスタンパの製造方法においては、第1ないし第3のスタンパの形成において、第2のスタンパと第2の離型層との間に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成し、第3のスタンパの表面をpH3未満の酸性溶液でエッチングすることを特徴としている。
本発明を用いると、第2のスタンパと第2の離型層との間に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成することにより、例え原盤の凹凸の高さの差が小さくても、最終的に形成されるスタンパの凹凸の高さの差を大きくすることが出来る。原盤の凹凸高さの差を小さく出来ると、レジスト層を薄くすることが可能なので、原盤を形成する際、レジスト層に高密度なパターンのEB描画を行っても、良好な描画性能が得られる。
また、本発明によれば、高さ調整層を形成して、凹凸の高さの差を大きくしたスタンパをエッチングすることにより、凹凸パターンの凸部を細くできるだけでなく、その矩形性を低くすることができる。ここで、矩形性が低くなるとは、角が取れて丸くなることをいう。凹凸パターンの凸部が細くなり角が取れると、このスタンパを用いて、記録媒体を製造する際に、インプリント工程における紫外線硬化性樹脂層とスタンパとの密着、及び剥離が容易となる。このため、スタンパ及び転写パターンの損傷が少なく、スタンパの耐久性が向上し得る。
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるスタンパの製造方法を説明するための断面模式図である。
このスタンパの製造には、例えば塗布装置、描画装置、現像装置、成膜装置および電鋳装置などが用いられ、以下の様なプロセスで作製される。
まず、塗布装置例えばスピンコート装置等により、図1(a)に示すように、ガラスもしくはSi基材などの基板11上にレジストをスピンコートしてレジスト層12を形成する。
次に、図1(b)に示すように例えばEB描画装置100等の描画装置により、塗布装置によって形成されたレジスト層に電子線(EB)を照射することにより潜像を形成し、さらに、現像装置により、EB描画装置による潜像の形成が完了したレジスト層12を現像することによって凹凸パターンを形成する。これら一連の工程により、原盤10が得られる。
次に、図1(c)に示すように成膜装置により、原盤10の凹凸パターン上に導電膜13を形成し、さらに、図1(d)に示すように電鋳装置により、電解めっき処理によって導電膜13の上にニッケル電鋳層14を形成する。そして、原盤10より導電膜13と電鋳層14からなる層を剥離し、図1(e)に示す第1のスタンパとしての、導電膜13と電鋳層14からなるファザースタンパ15を作製する。
次に、図1(f)に示すようにファザースタンパ15の凹凸パターン表面を、陽極酸化法や酸素プラズマアッシング法等により酸化せしめ、離型層として、凹凸パターン表面に酸化膜16を形成し、その後、図1(g)に示すように酸化膜16上に図示しない導電膜を形成した後、Niからなる電鋳層17を形成し、続いて第1のスタンパから図示しない導電膜及び電鋳層17を剥離して図1(h)に示す第2のスタンパとしてのマザースタンパ18を複製する。
このようにして作製されたマザースタンパ18に対し、本発明による凹凸パターンの凹凸高さの差、つまり、凹部底部と凸部上部の高低差が大きくなるような処理が施される。この場合、図2(a)に示すように、マザースタンパ18の凹凸パターン上に凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層として導電性薄膜19を形成する。具体的には、マザースタンパ18として、凹凸パターンの凹凸ピッチ、つまりトラックピッチ93.6nm、溝幅30nm、溝深さ50nmのものを用い、このようなマザースタンパ18の凹凸パターン表面にスパッタリング法等を用いてニッケル導電性薄膜19を形成する。この場合、例えばDCスパッタ装置を用いて、系内圧力1.0Pa、放電電力100W、成膜時間120秒にて成膜したところ、凹部底面に5nm、凸部上面に10nmが成膜され、凹部底面の膜厚に比べ凸部上面の膜厚を厚くでき凹凸パターンの凹凸高さの差を処理前に比べて5nm大きくすることができる。
このときの導電性薄膜19は、凹凸部の側壁に成膜されてもよい。また、このような処理工程は、マザースタンパ18をファザースタンパ15から剥離した直後に実行するのが望ましい。これは時間が経過すると、マザースタンパ18表面が酸化して導電性薄膜19を安定して形成できないことがあるためである。
次に、図2(b)に示すように、導電性薄膜19表面に酸素によるRIE(Reactive Ion Etching)法やUV(紫外線)照射装置等により剥離層20を形成する。続いて、図2(c)に示すように剥離層20の上にエッチング用のニッケル転写膜21を成膜する。具体的にはスパッタリング法等を用いてパターン溝幅30nmに対して10nm狭くなるように転写膜を形成する。この場合、例えばDCスパッタ装置を用いて、系内圧力0.5Pa、放電電力100W、成膜時間60秒にて成膜したところ、導電性薄膜19の形成時と比べて系内圧力が異なるために5nmのスパッタ膜が均一に成膜される。
次に、図2(d)に示すようにスルファミン酸ニッケル液に浸漬し電鋳法を用いて、電鋳層22を300μm程度形成する。その後、電鋳層22をマザースタンパ18から剥離することで図2(e)に示すような転写膜21と電鋳層22が一体化した第3のスタンパとしてのサンスタンパ23を複製する。
具体的には、図3に示すように凹凸パターンが形成された原盤、ファザースタンパ、またはマザースタンパ(以下、母体150という)に電鋳層を形成する場合は、この母体150の外周を治具152により把持する。この治具152は回転軸54に支持され、回転軸54はモータ56によって回転可能となっている。すなわち、治具152によって把持された母体150はモータ56によって回転させられる。治具152によって把持された母体150は、電鋳装置60の容器62内のメッキ液64に浸漬される。電鋳装置60の電鋳槽62内のメッキ液64に、Niのペレット66が堆積されたケース65が浸漬されている。このケース65は、容器62内で開口を有する隔壁板67によって、母体50がメッキ液64に浸漬される側とは分離されている。なお、隔壁板67の開口に対向するように、メッキされる母体150が配置される。そして、整流器70によってケース65に正の電位を、母体150に負の電位を与え、上記開口と母体150との間に図示しない調整槽よりフィルターを通ったメッキ液を吐出ノズル68より吐出することにより、母体150に電鋳層が形成される。吐出ノズル68より吐出されたメッキ液は、隔壁板67によって隔壁された母体150側の部屋を満たした後、オーバーフローしてケース65側の部屋を満たし、吐出量と釣合うようにドレン69より図示しない調整槽にメッキ液を戻すことにより、循環させている。
そして、このようにして得られたサンスタンパ23にエッチング処理を施すことでエッチング後サンスタンパ24が得られる。具体的にはpH3未満の酸性溶液を用いてパターンを5nm細らせる。この場合、例えばpH2.0のスルファミン酸水溶液を用いて、剥離後のサンスタンパ23を該水溶液に浸漬し、15分静置したところ、図2(f)に示すように5nmの転写膜21が主にエッチングされ、パターン溝幅を処理前に比べて10nm細くすることができる。
酸性溶液としては、好ましくは、スルファミン酸水溶液を使用することが出来る。他にも硝酸水溶液、硫酸水溶液、硫酸/過酸化水素溶液、塩酸水溶液、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液、ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液等を用いることができる。
その後、凹凸パターン面に保護膜をスピンコートした後、乾燥させ、必要に応じて裏面研磨、打ち抜きなどの工程を経て最終形態の媒体大量転写のためのスタンパが完成する。
ここで、上述した導電性薄膜19や転写膜21などには、物理的、機械的強度が強く、腐食や磨耗に対して強く、しかも、電鋳材のNiとの密着性を考慮して、Niを主成分とするものを使用することができる。また、電鋳層22としては、Ni、或いはNiと、Co、S、BもしくはPとを含む材料を用いることができる。
第2の実施形態
第1の実施形態と同様の方法でマザースタンパ18を複製する。具体的には、マザースタンパ18として、凹凸パターンの凹凸ピッチ、つまりトラックピッチ83.2nm、溝幅30nm、溝深さ50nmのものを用い、このようなマザースタンパ18の凹凸パターン表面にスパッタリング法等を用いて導電性薄膜19を形成する。この場合、例えばDCスパッタ装置を用いて、系内圧力1.0Pa、放電電力100W、成膜時間45秒にて成膜したところ、凹部底面に5nm、凸部上面に7nmが成膜され、凹部底面の膜厚に比べ凸部上面の膜厚を厚くでき凹凸パターンの凹凸高さの差を処理前に比べて2nm大きくすることができた。
このときの導電性薄膜19は、凹凸部の側壁に成膜されてもよい。また、このような処理工程は、マザースタンパ18をファザースタンパ15から剥離した直後に実行するのが望ましい。これは時間が経過すると、マザースタンパ18表面が酸化して導電性薄膜19を安定して形成できないことがあるためである。
次に、図2(b)に示すように、導電性薄膜19表面に酸素によるRIE(Reactive Ion Etching)法やUV(紫外線)照射装置等により剥離層20を形成する。続いて、図2(c)に示すように剥離層20の上にエッチング用の転写膜21を成膜する。具体的にはスパッタリング法等を用いて転写膜を形成する。この場合、例えばDCスパッタ装置を用いて、系内圧力0.5Pa、放電電力100W、成膜時間45秒にて成膜したところ、3nmのニッケルスパッタ膜が側壁に成膜される。
次に、図2(d)に示すようにスルファミン酸ニッケル液に浸漬し電鋳法を用いて、電鋳層22を300μm程度形成する。その後、電鋳層22をマザースタンパ18から剥離することで図2(e)に示すような転写膜21と電鋳層22が一体化した第3のスタンパとしてのサンスタンパ23を複製する。
そして、このようにして得られたサンスタンパ23をpH2.0のスルファミン酸水溶液に浸漬し、10分静置したところ、図2(f)に示すように3nmの転写膜が主にエッチングされ、パターン溝幅が処理前に比べて6nm細くすることができた。
したがって、このようにすれば、マザースタンパ18上の凹凸パターン表面に凹部底面の膜厚に比べ凸部上面の膜厚を厚くなるように導電性薄膜19を形成し、凹凸パターンの凹凸高さの差を大きくするようにした。これにより、このようなマザースタンパ18より複製されるサンスタンパ23についても凹凸パターンの凹凸高さの差を大きくでき、且つサンスタンパ表面の転写膜を等方的にエッチングすることにより凹凸パターンの細くなったエッチング後サンスタンパ24が得られる。
また、マザースタンパへの導電性薄膜形成、転写膜形成、およびエッチングの諸条件を整えることにより、パターン欠損のないスタンパを得ることが出来る。
比較例
比較として、マザースタンパの凹凸パターン表面にスパッタリング法等を用いて、以下のように転写膜としてNi導電性薄膜を形成し、する。この場合、例えばDCスパッタ装置を用いて、系内圧力1.0Pa、放電電力100W、成膜時間60秒にて成膜したところ、凹部底面及び凸部上面に各々8nmが成膜された。
次に、スルファミン酸ニッケル液に浸漬し電鋳法を用いて、電鋳層を300μm程度形成する。その後、電鋳層をマザースタンパから剥離することで比較のサンスタンパを複製した。
マザースタンパへの導電性薄膜形成のみで所望の凹凸形状を得る場合、極端にアスペクト比が高くなり、サンスタンパの剥離時にパターン部に掛る力が大きくなりがパターン欠損を起こしやすい。また、サンスタンパの等方的エッチングのみでは凹凸高さに差は出ず、所望のパターン形状を得るにはエッチング時間が長くなり、転写膜の内部の電鋳層までエッチングされ、パターンのラフネスが悪化する。これは、スパッタ法により形成された転写膜は、その結晶粒径が細かいけれども、電鋳により形成された電鋳膜はその結晶粒径が粗いため、エッチングされた表面が粗くなることによる。さらに最悪の場合パターンそのものが欠損することがある。
図4(a)〜(f)を参照してDTR媒体の製造方法の一例を概略的に説明する。
第1の実施形態、第2の実施形態、及び比較例にかかるスタンパを用い、図4(a)〜(f)に示す方法によりDTR媒体を製造した。
基板 50上に磁性層51を成膜し、その上にレジスト52を塗布する(図4a)。基板としては、例えばガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや、酸化表面を有するSi単結晶基板、及びこれらの基板にNiP等のめっきが施されたもの等を用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。基板としては、上記金属基板、非金属基板の表面にめっき法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。また,基板上への薄膜の形成方法として以下ではスパッタリング法のみを取り上げたが,真空蒸着法や電解めっき法などでも同様の効果を得ることができる。磁性層、特に垂直磁気記録層としては、Coを主成分とするとともに少なくともPtを含み、さらに酸化物を含んだ材料からなり、この酸化物としては、特に酸化シリコン,酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。次に、凹凸パターンを有するスタンパ30を用意し、スタンパ30のパターン面をレジスト52に対向させ、インプリント法によりスタンパ30のパターンをレジスト52に転写する(図4b)。インプリント法としてはスタンパをレジストが塗布された基板に圧着などしながらレジストを硬化させることで、レジストにそのパターンを転写する。スタンパ及び基板は、スタンパの凹凸面と基板のレジスト膜側を対向させる。なお、レジストについては、UV硬化樹脂やノボラック等を主成分とした一般的なレジスト材などを用いることができる。UV硬化樹脂を使用する場合は、スタンパ材は石英や樹脂などの光を透過させるものがよい。レジストは紫外線を受光させることで硬化させることができる。紫外線の発光は例えば高圧水銀ランプを用いればよい。ノボラック等を主成分とした一般的なレジストを使用する場合は、スタンパ材はNi,石英、Si、SiCなどの材質を用いることができる。レジストは熱、圧力等を加えることで硬化させることができる。次に、酸素ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、レジスト52の凹部に残存しているレジスト残渣を除去する(図4c)。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマが生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適だが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ、一般的な並行平板型RIE装置でも構わない。次に、パターン化されたレジスト52aをマスクとして、イオンミリングにより磁性層51をエッチングして加工する(図4d)。酸素アッシングにより残存しているレジスト52aを剥離する(図4e)。必要に応じて、凹部に非磁性体を充填し、全面に保護膜53を形成してDTR媒体を製造することができる(図4f)。保護層としては、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的設けられる。その材料としては、例えばC、SiO、ZrOを含むものがあげられる。保護層の厚さは、1から10nmとすることが好ましい。
本発明で作製したサンスタンパの凹凸形状は従来の形状よりも矩形性が低く、剥離時の欠損が大幅に減少し、その結果、インプリント耐久性が従来の5倍に向上した。
図5に、実施例2で作製したスタンパの断面模式図を示す。
また、図6に、比較例に示すようにスタンパの断面模式図を示す。
比較例のスタンパは、図5と比較して明らかに矩形性が高くなっている。
また、インプリント耐久性に関しては、インプリント後の媒体のRRO(Repeatable Run Out、同期歪み)で比較した。
第2の実施形態で作製したスタンパと比較例で作製したスタンパを同様の条件で媒体にインプリントおよび媒体加工を行い、10枚目の媒体を比較対象として、実施例2では150枚目、比較例1では30枚目とそれぞれ比較した。その結果、比較例1では30枚目の媒体RROが悪化しているのに対して、実施例2では150枚目の媒体RROでも10枚目と比較してそれほど悪化していなかった。
また、得られたサンスタンパをマスタースタンパとして、これらの処理を繰り返し施すことでさらに高く細いパターンを有する複製スタンパを得ることができる。また、得られたサンスタンパから逆転パターンのスタンパを複製、もしくは高さ調整用薄膜及び剥離層まで成膜したマザースタンパを作製し、該スタンパから射出成型により大量のインプリント用樹脂スタンパを得ることができる。
図7に本発明を用いて作成し得る磁気記録再生装置の一例を表す概略図を示す。
得られたDTR媒体を用いて、図7に示すような磁気記録装置(ハードディスクドライブ)を作製した。この磁気記録装置は、筐体70の内部に、上記の磁気記録媒体(DTR媒体)71と、磁気記録媒体71を回転させるスピンドルモータ72と、磁気ヘッドを組み込んだヘッドスライダ76と、ヘッドスライダ76を支持する、サスペンション75およびアクチュエータアーム74を含むヘッドサスペンションアッセンブリと、ヘッドサスペンションアッセンブリのアクチュエータとしてのボイスコイルモータ(VCM)77とを備えている。
磁気記録媒体71はスピンドルモータ72によって回転される。ヘッドスライダ76にはライトヘッドとリードヘッドを含む磁気ヘッドが組み込まれている。アクチュエータアーム74はピボット73に回動自在に取り付けられている。アクチュエータアーム74の一端にサスペンション75が取り付けられる。ヘッドスライダ76はサスペンション75に設けられたジンバルを介して弾性支持されている。アクチュエータアーム74の他端にはボイスコイルモータ(VCM)77が設けられている。ボイスコイルモータ(VCM)77はアクチュエータアーム74にピボット73周りの回転トルクを発生させ、磁気ヘッドを磁気記録媒体71の任意の半径位置上に浮上した状態で位置決めする。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。また、上述した実施の形態の形状や数値などは実際のものと異なる個所があるが、これらは公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明にかかるスタンパの製造方法の一例を説明するための断面模式図 本発明にかかるスタンパの製造方法の一例を説明するための断面模式図 本発明に使用可能な電鋳装置の模式図 本発明を用いた磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面模式図 本発明に係るスタンパの一例を表す断面模式図 比較例に係るスタンパの断面模式図 本発明を用いた磁気記録媒体を搭載し得る磁気記録再生装置の一例を表す図
10…原盤、11…原盤基板
12…レジスト層、13…導電膜
14…電鋳層、15…ファザースタンパ
16…酸化膜、17…電鋳層
18…マザースタンパ、19…導電性薄膜
20…剥離層、21…転写膜
22…電鋳層 23…サンスタンパ
24…エッチング後サンスタンパ

Claims (4)

  1. 凹凸を有する原盤の表面に第1の導電層を形成し、
    前記第1の導電層上に第1の電鋳層を形成し、
    前記原盤から前記第1の電鋳層および前記第1の導電層を剥離して、前記原盤の凹凸が転写された第1のスタンパを形成し、
    前記第1のスタンパ表面に第1の離型層を形成し、
    前記第1の離型層上に第2の導電層を形成し、
    前記第2の導電層上に第2の電鋳層を形成し、
    前記第1のスタンパから前記第2の電鋳層および前記第2の導電層を剥離して、前記第1のスタンパの凹凸が転写された第2のスタンパを形成し、
    前記第2のスタンパの表面に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成し、
    該高さ調整層上に第2の離型層を形成し、
    前記第2の離型層上に第3の導電層を形成し、
    前記第3の導電層上に第3の電鋳層を形成し、
    前記第2のスタンパから前記第3の電鋳層および前記第3の導電層を剥離して、前記第2のスタンパの凹凸が転写された第3のスタンパを形成することを特徴とするスタンパの製造方法。
  2. 凹凸を有する原盤の表面に第1の導電層を形成し、
    前記第1の導電層上に第1の電鋳層を形成し、
    前記原盤から前記第1の電鋳層および前記第1の導電層を剥離して、前記原盤の凹凸が転写された第1のスタンパを形成し、
    前記第1のスタンパ表面に第1の離型層を形成し、
    前記第1の離型層上に第2の導電層を形成し、
    前記第2の導電層上に第2の電鋳層を形成し、
    前記第1のスタンパから前記第2の電鋳層および前記第2の導電層を剥離して、前記第1のスタンパの凹凸が転写された第2のスタンパを形成し、
    前記第2のスタンパの表面に、凹部底面に比べて凸部上面の方が厚い膜厚を有する高さ調整層を形成し、
    該高さ調整層上に第2の離型層を形成し、
    前記第2の離型層上に第3の導電層を形成し、
    前記第3の導電層上に第3の電鋳層を形成し、
    前記第2のスタンパから前記第3の電鋳層および前記第3の導電層を剥離して、前記第2のスタンパの凹凸が転写された第3のスタンパを形成し、
    前記第3の導電層の表面にpH3未満の酸性溶液を供し、エッチングを行うことを特徴とするスタンパの製造方法。
  3. 前記高さ調整層は、スパッタ法で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のスタンパの方法。
  4. 前記高さ調整層は、スパッタ装置内の圧力を調整することによって、その凹部底面の厚さと凸部上面の厚さとの比を調整することを特徴とする請求項3に記載の方法。
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