JP2010264674A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録濃度に優れ、記録部の耐油性、耐可塑剤性が改善され、しかも高温、高湿保存下でも地肌かぶりが問題とならない感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記顕色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種を使用し、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートを前記顕色剤1質量部に対して0.01〜0.10質量部を含有している感熱記録体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱および耐湿熱保管時の地肌かぶりが少なく、記録濃度、記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体に関する。
無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる顕色剤とを熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
このような感熱記録体に用いられる顕色剤としては、記録濃度が高い記録部が得られる一方、記録部以外の地肌部では、いわゆる地肌かぶりの少ない(地肌部の白色度が高い)ものが求められる。
さらに、記録部については、種々の環境における長期間の保存性が求められることから記録部に対しては、特に、耐油性、耐可塑剤性に優れることが求められる。
記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れた新たな電子受容体として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタンが提案されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、これらの化合物は、記録部の耐可塑剤性、耐油性は改善されるものの、高温高湿保存下における白紙部(地肌部)の発色がみられるなど、地肌部の耐熱湿性が劣っている。
特開平5-147357号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録濃度に優れ、記録部の耐油性、耐可塑剤性が改善され、しかも高温、高湿保存下でも地肌かぶりが問題とならない感熱記録体を提供することにある。
本発明の感熱記録体は、支持体上に、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記顕色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種を使用し、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートを前記顕色剤1質量部に対して0.01〜0.10質量部を含有していることを特徴とする。
前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種の含有量が、感熱記録層全固形分に対して5〜50質量%であることが好ましい。
前記テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの含有量が、感熱記録層全固形分に対して0.2〜2.0質量%であることが好ましい。
本発明によって、記録濃度に優れ、記録部の耐油性、耐可塑剤性が改善され、しかも高温、高湿保存下でも地肌かぶりが問題とならない感熱記録体を提供することが可能となった。
〔支持体〕
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明又は半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
〔感熱記録層〕
感熱記録層内には、ロイコ染料、および顕色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種を使用し、さらに、添加剤としてテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートを含有するものである
以下、各順に説明する。
<ロイコ染料>
本発明で用いられるロイコ染料としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン等の青発色性染料;3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性染料;3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料;3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3、6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また2種類以上を併用することも可能である。
<顕色剤>
顕色剤として使用される4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種は、その合計量が感熱記録層中に、感熱記録層の固形分に対して、5〜50重量%、好ましくは10〜30質量%含有される。50質量%を超えると、高温後に地肌部かぶりが悪化する。一方、5質量%以下では、記録部の耐油性、耐可塑剤性改善効果が得られない。
感熱記録層中には、さらに、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートを含有するものであり、前記顕色剤1質量部に対して0.01〜0.10質量部を含有することが好ましい。より好ましくは0.02〜0.08質量部である。含有量が0.01質量部未満では、高温高湿時の地肌かぶり抑制に効果が少なく、0.10質量部を超えると記録濃度が低下する恐れがある。
前記テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの含有量は、感熱記録層全固形分に対して0.2〜2.0質量%であることが好ましい。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種は、ロイコ染料、増感剤と同様に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機を用いて分散され、平均粒子径としては0.1〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
<増感剤>
本発明では必要に応じて、公知の増感剤を併用することもできる。かかる増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
さらに、これらに限定されるものではなく、また2種類以上を併用することも可能である。特に、脂肪族増感剤と芳香族系増感剤の併用が、上述の一般式1で示される4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニル誘導体の増感剤として有用である。
<接着成分>
感熱記録層は、以上のような成分の他、接着成分を含有する。接着成分としては、例えば酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等が挙げられる。
これらの接着成分は1種又は2種以上組合わせて用いることができる。かかる接着成分は、感熱記録層の全固形分に対して10〜50質量%程度含有されることが好ましい。
<その他の成分>
さらに、感熱記録層中には、必要により助剤としてカオリン、炭酸カルシウム、無定形シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン等の顔料、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸カルシウム等の滑剤、蛍光染料、着色染料、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐水化剤等が含有されていてもよい。
<塗工液の調製>
以上のような成分、すなわち、ロイコ染料、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種、さらにテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、増感剤、接着成分、さらに必要に応じて添加させる添加物を、水媒体に分散させてなる塗工液(感熱記録層用塗工液)を調製する。
<感熱記録層の作成方法>
以上のようにして調製される感熱記録層用塗工液を、支持体の一方の面に、乾燥後の塗布量が2〜10g/m程度、好ましく2.5〜5g/m程度となるように塗工し、乾燥することで、感熱記録層が形成される。
塗工方法としては、特に限定しないが、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、スライドビードコーティング、オフセットグラビアコーティング、5本ロールコーティング等が挙げられる。
このようにして形成された感熱記録層は、ロイコ染料、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種、さらにテトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートが所定割合で含有されているものである。
上記のようにして調製される感熱記録層用塗工液を、支持体上に直接塗工することにより、支持体上に感熱記録層を積層してもよいし、支持体上にまず下塗り層を形成し、形成された下塗り層上に感熱記録層を形成してもよい。下塗り層の介在により、感度、画質の改良等することができる。下塗り層の組成は、下塗り層を介在させる目的により適宜選択すればよいが、一般に、接着成分、顔料などが含まれる。
〔下塗り層〕
下塗り層に用いられる接着成分としては、感熱記録層で使用するような樹脂を用いることができる。すなわち、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等を用いることができる。
下塗り層に含有される無機顔料としては、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム等の金属酸化物、金属水酸化物、硫酸塩、炭酸塩などの金属化合物;無定形シリカ、焼成カオリン、タルク等の無機白色顔料などが挙げられる。これらのうち、特に焼成カオリンは、発色感度と画質バランスに優れていることから、好ましく用いられる。尚、無機顔料の粒子径としては、平均粒子径で0.5〜3.0μm程度のものが好ましい。
また、下塗り層に含有される有機顔料としては、球状樹脂粒子(所謂、密実型樹脂粒子)、中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子等が挙げられる。記録濃度を高めたい場合には、中空樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂粒子を構成する樹脂成分については、特に限定するものではなく、例えば、球状樹脂粒子としては、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体やこれらの単量体の共重合体等が挙げられる。中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体や、これらの単量体の共重合体等が挙げられる。これらの有機顔料の平均粒子径については特に限定するものではないが、例えば、球状粒子では0.1〜2.0μm程度、中空樹脂粒子では0.5〜5.0μm程度、貫通孔を有する樹脂粒子では0.1〜2.0μm程度、開口部を有する樹脂粒子では0.3〜5.0μm程度のものが好ましく用いられる。
以上のような無機顔料の少なくとも1種と有機顔料の少なくとも1種を併用すると、記録画質により優れ、しかもヘッドマッチング性にも優れた感熱記録体が得られることからより好ましい。無機顔料と有機顔料の使用比率としては、質量比で90:10〜30:70程度が好ましく、70:30〜50:50程度がより好ましい。
下塗り層は、一般に水を分散媒体とし、無機顔料及び有機顔料から選ばれる少なくとも1種と接着剤を混合攪拌して得られる下塗り層用塗液を、支持体上に乾燥後の塗布量が2〜20g/m、好ましくは5〜15g/m程度となるように塗布乾燥して形成される。前記接着剤及び顔料の使用量としては、下塗り層全固形分に対して接着剤が5〜40質量%程度、顔料が10〜95質量%程度が好ましい。更に、下塗り層用塗液には、必要に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、蛍光染料、着色染料、界面活性剤、架橋剤等の各種助剤を添加することもできる。
〔その他の層〕
さらに、感熱記録層上に、成膜性を有する接着剤を主成分とする保護層を設けてもよい。保護層用塗液は、例えば水を媒体とし、接着成分、顔料、及び必要により助剤とを混合攪拌して調製される。保護層に用いられる接着成分、顔料、助剤は、上記の感熱記録層で用いられ得るものを使用できる。
更にまた、保護層上に光沢層を設けてもよい。光沢層は、電子線または紫外線硬化性化合物を主成分とする塗液を塗布後、電子線または紫外線を照射して硬化することにより形成できる。またさらに、支持体の裏面側に帯電防止層を設けてもよい。
下塗り層、保護層、光沢層等を形成するための塗工液は、感熱記録層と同様に、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング、オフセットグラビアコーティング等の適当な塗工方法により塗工することができ、乾燥により各層が形成される。
各層を形成した後、または感熱記録体を構成する全ての層を形成した後に、スーパーキャレンダー処理する等の感熱記録体製造分野における各種の公知処理技術を適宜付加してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の感熱記録体をより具体的に説明するが、勿論、これらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、粒子径は、レーザー回折式粒径測定器によるメジアン径(商品名:SALD2200、島津製作所社製による50%値)である。
〔測定評価方法〕
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.5mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(2)耐熱性
記録前の各感熱記録体を60℃、30%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(3)耐湿熱性
記録前の各感熱記録体を40℃、90%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(4)耐油性
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体の記録部にサラダ油を表面塗布し、24時間放置後に表面をガーゼで拭いた後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。油塗布処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(5)耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を三重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを三重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部及び地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、記録部の保存率を、耐油性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
球状樹脂粒子分散液(商品名:グロスデール130S、組成:スチレン、平均粒子径:0.8μm、三井化学社製、固形分濃度53質量%)90部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)120部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)10部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・ロイコ染料分散液の調製(A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水125.5部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより粒子径が0.5μmとなる様に処理してA液を得た。
・顕色剤分散液の調製(B液)
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水116.3部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより粒子径が1.0μmとなる様に処理してB液を得た。
・増感剤分散液の調製(C液)
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水123.3部からなる組成物を、サンドミルにより粒子径が1.0μmとなるように処理してC液を得た。
・添加剤分散液の調製(D液)
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(商品名;DN−44M、ADEKA社製)100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水123.3部からなる組成物を、サンドミルにより粒子径が1.0μmとなるように処理してD液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液27.8部、B液37.5部、C液37.5部、D液1.88部、ステアリン酸アミド分散体(商品名:ハイミクロンL−217、固形分25%、中京油脂社製)20部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)10部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和軽金属工業社製)20部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの12%水溶液125部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)13.9部、及び水18.5部を混合して感熱記録層用塗液を調製した。
・感熱記録体の作製
64g/mの上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布乾燥して下塗り層を形成し、感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が4g/mとなるように塗布乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダーを施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、添加剤分散液(D液)の量を3.39部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、添加剤分散液(D液)の量を0.84部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、顕色剤分散液の調製で4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルに変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、顕色剤分散液の調製で4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタンに変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、添加剤分散液(D液)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、添加剤分散液(D液)の量を6.9部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、顕色剤分散液の調製で4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを4−ヒドロキシ−4’―イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名;D−8、日本曹達社製)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
得られた感熱記録体について、上記測定評価方法に従って評価した結果を表1に示す。
Figure 2010264674
表1からわかるように、DN−44M/顕色剤(1)の含有比率が0.10を超える場合は、満足する記録濃度を得ることができなかった(比較例2)。
また、感熱記録層中にDN−44Mを含有していない感熱記録体は、耐湿熱性試験後の地肌部の濃度が高く、満足のいくものが得られなかった(比較例1)。
DN−44M/顕色剤(1)の含有比率については、0.02である(実施例3)場合と0.09である(実施例2)場合とでは、耐熱性試験後および耐湿熱性試験後の地肌かぶりについては、後者のほうが良好であるが、記録濃度については、実施例2では実用上、下限値レベルである。
本発明の感熱記録体は、記録濃度や記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れ、しかも高温、高湿度下で保存しでも地肌かぶりが問題とならない感熱記録体として有用である。

Claims (3)

  1. 支持体上に、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記顕色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種を使用し、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートを前記顕色剤1質量部に対して0.01〜0.10質量部を含有している感熱記録体。
  2. 前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種の含有量が、感熱記録層全固形分に対して5〜50質量%である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの含有量が、感熱記録層全固形分に対して0.2〜2.0質量%である請求項1または2に記載の感熱記録体。
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