JP2010264179A - ミシン - Google Patents

ミシン Download PDF

Info

Publication number
JP2010264179A
JP2010264179A JP2009119858A JP2009119858A JP2010264179A JP 2010264179 A JP2010264179 A JP 2010264179A JP 2009119858 A JP2009119858 A JP 2009119858A JP 2009119858 A JP2009119858 A JP 2009119858A JP 2010264179 A JP2010264179 A JP 2010264179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewing
loop
operation mechanism
interference
clamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009119858A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5689590B2 (ja
Inventor
Kenji Kitada
賢治 北田
Motohiko Inoue
元彦 井上
Keiko Yamatani
恵子 山谷
Shunsuke Yasuda
俊介 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP2009119858A priority Critical patent/JP5689590B2/ja
Priority to CN201010177973.4A priority patent/CN101892563B/zh
Publication of JP2010264179A publication Critical patent/JP2010264179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5689590B2 publication Critical patent/JP5689590B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

【課題】可動部同士の干渉を適確に検出する。
【解決手段】縫い針の上下動を行う針上下動機構と、縫製に関連する動作を実行する第一の縫製動作機構30と、縫製に関連する他の動作を実行する第二の縫製動作機構50と、各縫製動作機構のそれぞれの駆動源36,54を縫製縫製工程の進行に合わせて予め定められた動作が行われるように制御する動作制御手段80とを備え、第一の縫製動作機構の可動部31と第二の縫製動作機構の可動部52とは互いに同方向に沿った変位を生じると共に、第二の縫製動作機構には、その駆動源に位置検出器56が設けられ、動作制御手段は、第二の縫製動作機構が停止し、第一の縫製動作機構のみが動作を行う場合に、第二の縫製動作機構の位置検出器から得られる偏差に応じて各縫製動作機構同士の干渉の発生を検出する干渉監視制御を行う。
【選択図】図11

Description

本発明は、縫製に要する動作を行う可動部を複数備えるミシンに関する。
可動部を有する従来の機構では、可動部の移動中に、その可動部の駆動源となるサーボモータのサーボドライバが検出したモータの位置、速度、加速度から、モータに発生するトルクの予想値を演算し、実際のトルク指令値と比較し、それらの偏差が閾値を超えている場合に、可動部で衝突や干渉等の異常が発生しているものと判断を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−283276号公報
異常の検出感度を高めるためには、異常と判断する閾値を小さくして、小さな偏差でも異常と判断させる必要がある。
しかしながら、従来技術においては、可動部の偏差にて異常を検出していたため、移動時に生じる正常な範囲の偏差より大きな値に閾値を設定する必要があった。また、可動部は、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などにより移動時の偏差にバラツキを生じるため、そのバラツキを考慮した大きな値に閾値を設定する必要があった。このため、実際に衝突などが発生してから、偏差が閾値まで達して装置が移動を停止するまでに時間がかかり、その間に機械が破損するという問題があった。
本発明は、適切に可動部の干渉などの異常の検出を可能とすることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針の上下動を行う針上下動機構と、縫製に関連する動作を実行する第一の縫製動作機構と、縫製に関連する他の動作を実行する第二の縫製動作機構と、前記各縫製動作機構のそれぞれの駆動源を縫製工程の進行に合わせて予め定められた動作が行われるように制御する動作制御手段とを備え、前記第一の縫製動作機構の可動部と前記第二の縫製動作機構の可動部とは互いに同方向に沿った変位を生じると共に、前記第二の縫製動作機構には、その駆動源に位置検出器が設けられ、前記動作制御手段は、前記第二の縫製動作機構が停止し、前記第一の縫製動作機構のみが動作を行う場合に、前記第二の縫製動作機構の位置検出器から得られる偏差が予め定められた第一の閾値以上か否かに応じて前記各縫製動作機構同士の干渉の発生を検出する干渉監視制御を行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記動作制御手段は、前記縫製工程において前記第二の縫製動作機構が動作する場合に前記位置検出器が検出する偏差が予め定められた第二の閾値以上となるか否かにより前記第二の縫製動作機構の動作異常の判断を行い、前記第一の閾値は前記第二の閾値より小さい値であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記第二の縫製動作機構の駆動源は、保持力を変更可能とし、前記動作制御手段は、前記干渉監視制御の際に、前記第二の縫製動作機構の駆動源の保持力を、縫製中の他の停止時の保持力よりも低減させる制御を行うことを特徴とする。
請求項1記載の発明は、停止している第二の縫製動作機構の位置検出器を用いて、第一と第二の縫製動作機構の可動部の相互の干渉を検出するので、動作中のモータの偏差から接触などの干渉を判断する場合に比べて、干渉と判断するための偏差の閾値(第一の閾値)を小さくすることができる。
例えば、第二の縫製動作機構の駆動源がフィードバック制御を行っている場合、偏差が大きくなりすぎると干渉などの原因により過負荷が発生していているものとして緊急停止などを行うが、その判断を行うための偏差の閾値よりも、本願発明はずっと小さい閾値で干渉を検出することができる。
また、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などによる移動時の偏差のバラツキの影響を受けることなく、干渉の発生を検出することが可能である。
これにより、干渉の発生を判断するための偏差の閾値を小さく設定することが可能となり、高感度で検出することが可能となる。これに伴い、干渉の発生を速やかに検出することができるので、迅速な対応措置を採ることが可能となり、機構の破壊や破損を効果的に低減することが可能となる。
また、既存の構成から干渉を検出することが可能であり、装置の生産コストの低減を図ることが可能となる。
なお、動作制御手段は、一連の縫製動作において、第二の縫製動作機構が停止し、第一の縫製動作機構のみが動作を行う全ての場合に監視制御を実行しなくとも良い。例えば、第一の縫製動作機構の可動部と第二の縫製動作機構の可動部とが干渉を生じ得るほど近接するような場合にのみ監視制御を実行させても良い。
なお、干渉と判断する偏差の閾値は、固定値でも良いが、設定作業により変更可能とすることが望ましい。
請求項2記載の発明は、縫製工程において第二の縫製動作機構が動作する場合の偏差について第二の閾値を設定しているので、動作中の異常を検出することが可能となる。
かかる動作中の異常判定をおこなうための第二の閾値は動作により必然的に生じる偏差を考慮して有る程度の幅を有する必要がある。
一方、干渉監視制御は、上記のような第二の閾値に基づいて偏差の監視を行う第二の縫製動作機構の動作中以外のタイミングを利用しているので、第二の閾値にかかわらずより小さい値となる第一の閾値に基づいて干渉の発生を監視することができる。つまり、独立した新たな検出手段を付加することなく、第二の縫製動作機構の動作中にはその動作異常を監視することができ、第二の縫製動作機構の非動作中にはよりセンシティブに干渉の発生を監視することが可能となる。
請求項3記載の発明は、干渉監視制御の際に、第二の縫製動作機構の駆動源の保持力を縫製中の他の停止時の保持力よりも低減させる制御を行うため、僅かな干渉でも第二の縫製動作機構の可動部が位置変化を生じ、感度の高い干渉検出を行うことが可能となる。
本実施の形態に係るベルトループ付けミシンの全体を示す斜視図である。 ベルトループ付けミシンの制御系を示すブロック図である。 縫い針周辺の斜視図である。 Z形状の縫い付けを行う場合に設定される複数のパラメータを示した説明図である。 Z形状の縫い付けを行う際の動作制御を示したフローチャートである。 Z形状の縫い付けを行う際の動作を示す動作説明図であり、図6(A)〜図6(C)の順番で動作が進められる。 Z形状の縫い付けを行う際の図6に示した動作の続きの動作を示す動作説明図であり、図7(A)〜図7(C)の順番で動作が進められる。 Z形状の縫い付けを行う際の図7に示した動作の続きの動作を示す動作説明図であり、図8(A)〜図8(C)の順番で動作が進められる。 Z形状の縫い付けを行う際の図8に示した動作の続きの動作を示す動作説明図であり、図9(A)〜図9(C)の順番で動作が進められる。 Z形状の縫い付けを行う際の図9に示した動作の続きの動作を示す動作説明図であり、図10(A)〜図10(C)の順番で動作が進められる。 干渉監視制御を示したフローチャートである。 図12(A)はベルトループの両端部を内側に折り返した一般的な縫着の例を示し、図12(B)は内側に折り返された端部を長く確保したセミクラッシック仕様の縫着の例を示している。
(縫製装置の概要)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るベルトループ付けミシン10の全体を示す斜視図、図2は制御系を示すブロック図、図3は縫い針周辺の斜視図である。
ベルトループ付けミシン10は、縫い針11を上下動させる図示しない針上下動機構と、所定方向に向けられたベルトループBを挟持する可動部としてのループクランプ31を備える第一の縫製動作機構としてのクランプ機構30と、ベルトループBをクランプ機構30に供給するループ供給機構60と、ベルトループBの縫着が行われる布地Cが載置される載置台51と当該載置台51への下降動作によりベルトループBを押さえつける可動部としてのループ押さえ52とを備える第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50と、ベルトループBのループを緩める緩め部材66を備える緩め機構65と、布地Cを保持する布押さえ71を備える布押さえ機構70と、ミシンフレーム2と、図示しない釜機構と、上記各構成を制御する制御手段80とを備えている。
(ミシンフレーム)
ミシンフレーム2は、釜機構を内蔵したミシンベッド部2aと、ミシンベッド部2aの一端部から立設した縦胴部2bと、針上下動機構を内蔵したミシンアーム部2cとを備えている。そして、ミシンアーム部2cはミシンベッド部2aと同じ方向に延出されている。
以下の説明において、水平であってミシンベッド部2a及びミシンアーム部2cの長手方向に平行な方向をY軸方向、水平であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とし、説明の必要に応じて、Y軸方向における一端部側であってミシンアーム部2cの面部側を「手前側」、Y軸方向における他端部側であって縦胴部2b側を「奥側」いうものとする。
(針上下動機構及び釜機構)
針上下動機構は、ミシンアーム部2cの手前側端部の内部で上下動可能に支持されると共に縫い針を下端部に保持する針棒と、針棒の上下動の駆動源となるミシンモータ13と、ミシンモータ13により回転駆動を行う主軸と、主軸の回転駆動を上下動に変換して針棒に伝えるクランク機構とから構成されており、周知のものと同様である。
釜機構は、いわゆる半回転釜を用いた釜機構であり、ミシンベッド部2aの手前側端部の内側であって針落ち位置下部において回転可能に支持された半回転釜と、主軸に設けられた偏心カムと、偏心カムを一端部で支持するクランクロッドと、クランクロッドの他端部に連結されたアーム部により往復回動が付与される釜軸と、釜軸に支持されたドライバとを備え、周知のものと同様である。
(ループ供給機構)
ループ供給機構60は、クランプ機構30の手前側に配置されており、当該ループ供給機構60の手前側端部には、長尺のベルトループの取り込み口(図示略)を備えており、当該取り込み口から取り込まれた長尺のベルトループを奥側に設けられた繰り出し口まで搬送する搬送ローラ61を回転駆動する繰り出しモータ62と、所定の長さで長尺のベルトループを切断するカッタ63を駆動する切断用エアシリンダ64とを備えている。長尺のベルトループが切り分けられてなる個々のベルトループBの長さは、繰り出しモータ61の駆動量を制御手段80が制御するにより決定される。
なお、クランプ機構30は、その手前側にベルトループBの図示しない受け取り口とX、Y軸方向への移動を行うための構成が設けられており、ループ供給機構60の繰り出し口に対して受け取り口が近接するよう移動を行い、ベルトループBの受け取りが行われる。
(クランプ機構)
クランプ機構30は、ミシンフレーム2に対して手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右側に配置されている。以下の説明において、「右」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右となる方向を示すものとし、単に「左」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て左となる方向を示すものとする。
クランプ機構30は、ベルトループBを挟持する上側クランプ31a及び下側クランプ31bからなるループクランプ31と、ループクランプ31を保持する保持ブロック32と、上側クランプに昇降動作を付与してベルトループBの挟持状態と解放状態とを切り換えるクランプ用エアシリンダ33と、保持ブロック32をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向について移動可能に支持する支持台34と、保持ブロック32にX軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用X軸モータ35と、保持ブロック32にY軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Y軸モータ36と、保持ブロック32にZ軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Z軸エアシリンダ37とを備えている。
図3に示すように、ループクランプ31は、保持ブロック32の左端に設けられ、下側クランプ31bは保持ブロック32に固定装備され、上側クランプ31aは下側クランプ31bの真上において上下動可能に支持されている。また、上側クランプ31aはその先端部下面に凹状の保持部が形成されており、この保持部に嵌合するようにベルトループBの保持が行われる。ベルトループBは、保持部に嵌合保持されることにより、その長手方向をY軸方向に沿わせた状態で保持が行われる。
クランプ用エアシリンダ33は、保持ブロック32上に装備されており、そのプランジャの進退動作により上側クランプ31aの上昇解放動作と下降保持動作とを切り換えることを可能としている。なお、クランプ用エアシリンダ33によりベルトループBの保持圧は、ベルトループBがY軸方向に沿ったある程度の張力を受けると引き抜くことが可能な程度に調節されている。
保持ブロック32は、例えば、X、Y、Z軸方向の各方向に沿った滑動を可能とするスライドガイドを組み合わせて支持台34に支持されており、これらの方向への移動を可能としている。そして、クランプ用X、Y軸モータ35,36及びクランプ用Z軸シリンダ37の協働により、X−Y平面に沿った任意の位置にループクランプ31を移動させることができ、例えば、ベルトループBの受け取り位置から縫製の実行位置への搬送や、ベルトループBの複数箇所に縫着縫製が行われる場合に各縫製間でのベルトループBのY軸方向に沿った移動動作の付与等が行われる。即ち、クランプ機構30は、「クランプ移動機構」として機能することとなる。
また、保持ブロック32には、ループクランプ31に対してY軸方向に沿って隣接してフォーク部材38(図3では図示略)が併設されている。
フォーク部材38は、X軸方向に沿って延出された基部の先端部(左端部)からさらに二本の棒状体が左方に延出されて二叉状に形成されており、当該二本の棒状体の間にベルトループBを通して基部をX軸回りに回転させることにより、ベルトループBの端部を折り返すことを可能としている。かかるフォーク部材38は、X軸方向に沿って進退移動可能に保持ブロック32に支持されており、前進時にループクランプ31と並ぶ位置となり、後退時にはループクランプ31より右方に退避するようにフォーク用エアシリンダ40によって進退動作が付与される。また、フォーク部材38のY軸回りの回転動作はロータリーアクチュエータ41により付与される。これらフォーク部材38、フォーク用エアシリンダ40、ロータリーアクチュエータ41は「折曲機構」を構成している。
(緩め機構)
緩め機構65は、ミシンベッド部2a上で載置台51の近傍に設置されており、X軸方向に沿って延出された断面楕円形の棒状体である緩め部材66と、緩め部材66をX軸方向に沿って進退移動させる緩め部材用エアシリンダ67と、緩め部材66をY軸方向に移動させる緩めモータ68とを備えている。
緩め部材66は、緩め部材用エアシリンダ67による前進移動により、ベルトループBの縫製位置内に進入し、ループの緩め作業やベルトループの端部を係止して折り返し作業を補助したりする作業位置となり、後退移動により、縫製作業にかかわらず、他の機構との干渉も生じない退避位置となるように配置されている。
また、緩めモータ68によりY軸方向への移動動作を付与されると、ベルトループの長手方向への緩め量が制御されるようになっている。
(ループ押さえ機構)
ループ押さえ機構50の載置台51は、ミシンベッド部2aの上部にX軸方向及びY軸方向に移動可能に支持されている。そして、載置台51の上面はX−Y平面に平行な水平面であり、縫製時には生地Cが載置される。また、載置台51は、針棒12の真下に位置し、針落ち位置には縫い針11が挿入される針穴が形成されている。
そして、ループ押さえ機構50は、載置台51をX軸方向に任意に移動させる生地用X軸モータ53と、載置台51をY軸方向に任意に移動させる生地用Y軸モータ54とを備えており、これら各モータ53,54はいずれもパルスモータであり、各々の出力軸にはエンコーダ55,56が装備されている。生地用X軸モータ53及びY軸モータ54は、毎針の針落ちに同期して、縫製パターンに定められた所定の針落ち位置に針落ちが行われるようにベルトループB及び生地Cの位置決めを行うために、各エンコーダ55,56の出力に基づくフィードバック制御が行われる。
また、載置台51の奥側の端部には、ループ押さえ52を上下動可能に支持する昇降フレーム58が立設されており、載置台51とループ押さえ52とは、X軸及びY軸方向について、一体的に移動を行うこととなる。また、ループ押さえ52の昇降は、ループ押さえ用エアシリンダ57により行われ、下降によりベルトループB及び生地Cを上方から下方に押圧保持し、上昇によりベルトループB及び生地Cを解放する。
ループ押さえ52は、その下部には一般的なベルトループBの幅より若干幅の広い略矩形状の枠体52aを備えている。ベルトループ付けミシン10では、ベルトループBの縫着縫製において、ベルトループBの幅方向に沿った縫いが一乃至複数回実施されるので、ループ押さえ52の枠体52aは、ベルトループBの幅方向に沿った一回分の縫いが網羅できる大きさに設定されている。
ループ押さえ機構50は、上記構成により、載置台51上でループ押さえ52が保持したベルトループB及び生地CをX−Y平面に沿った任意の位置に移動位置決めすることができる。
(布押さえ機構)
布押さえ機構70の布押さえ71は、平面視略C字状の枠体であり、載置台51より小さく、ループ押さえ52の枠体52aよりも大きく設定されている。この布押さえ71は、載置台51の上面においてループ押さえ52の枠体52aの周囲を囲むように配置されているが、載置台51とは別に支持体72によってミシンベッド部2aにY軸方向に沿って移動可能且つ昇降可能に支持されている。布押さえ71の昇降動作は、布押さえ用エアシリンダ73により行われ、下降により生地Cを上方から下方に押圧保持し、上昇により生地Cを解放する。
また、布押さえ71のY軸方向移動は、第二の生地用Y軸モータ74を駆動源として行われる。この第二の生地用Y軸モータ74は、パルスモータであり、布押さえ71による生地CのY軸方向移動量は任意に制御することが可能である。
布押さえ機構70は、上記構成により、載置台51上で布押さえ71が保持した生地CをベルトループBの向けられた方向(Y軸方向)に沿った任意の位置に移動位置決めすることができる。
(ベルトループ付けミシンの制御系)
制御手段80は、各種の処理及び制御を行うCPU81と、ベルトループ付けミシン10の動作制御を実行する動作制御プログラム及び設定情報が書き込まれているROM82と、CPU81の処理において各種データを格納するワークエリアとしてのRAM83と、各種の設定データを記録するEEPROM84とを備えている。
また、制御手段80は、各種の制御対象及びエンコーダ55,56とCPU81とを接続するためのI/Oインターフェイス85を備えている。即ち、かかるI/Oインターフェイス85を介してミシンモータ13,クランプ用エアシリンダ33,クランプ用X軸モータ35,クランプ用Y軸モータ36,クランプ用Z軸エアシリンダ37,ロータリーアクチュエータ41,フォーク用エアシリンダ40,緩め部材用エアシリンダ67,緩めモータ68,布押さえ用エアシリンダ73,第二の生地用Y軸モータ74,切断用エアシリンダ64,繰り出しモータ62,生地用X軸モータ53,生地用Y軸モータ54,ループ押さえ用エアシリンダ57,エンコーダ55及び56がCPU81に接続される。なお、各エアシリンダ33,37,40,42,57,64,73は、いずれも当該各エアシリンダに対する吸排気を行う図示しない電磁バルブを介してその作動が制御されている。
また、上述したように、制御手段80には、各種の設定を入力するためのタッチパネル87と設定情報の表示を行う表示パネル88を備える操作手段86と、縫製の開始を入力するスタートスイッチ89とがI/Oインターフェイス85を介して接続されている。
ベルトループ付けミシン10では、ベルトループの縫着の形状として、両端部を互いに内側に折り返す基本形状や、ベルトループの一端部を略Z字状に折りたたんで縫いつける縫着形状がある。
かかる縫着形状(以下、Z形状とする)の縫い付けを行う場合には、図4に示すように、複数のパラメータの設定が必要であり、操作手段86のタッチパネル87によりその入力が行われる。ここでパラメータについて説明する。
Z形状の縫いは、縫い目L1,L2,L3,L4の順番で形成される。これに対してパラメータとして、縫い目L1−L2の距離m1、縫い目L2−L3の距離m2、縫い目L3−L4の距離m3の値が操作手段86により設定される。
また、この他に、Z形状の縫い付けを行うためのパラメータとして、各縫い目L1〜L4について、いずれの縫いパターン(縫いの種類のこと、例えば、縫い目ごとに、閂止め縫い、しつけ縫い等のいずれで行うかを選択して設定する)で縫いを行うかの設定、ベルトループBの長さ、幅等の設定も操作手段86により行われる。
これらのパラメータの設定内容は、EEPROM84に記録され、縫製制御の際に参照される。なお、選択された各縫い目の縫いパターンを形成するために必要となる制御パラメータ(閂止め縫いやしつけ縫いを行うために必要となる一針ごと動作量や動作の順番等)は規定のパラメータが予めROM82又はEEPROM84に設定されており、その値が参照されることとなる。
なお、上述した各種のパラメータは一例に過ぎない。各種のパラメータについては、例えば、固定値が予め定められており、それが参照されるものとしても良い。
(動作異常監視制御)
制御手段80のCPU81が実行する動作異常監視制御について説明する。
CPU81は、縫製時の第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50の生地用X軸モータ53及び生地用Y軸モータ54の回転動作中において、それぞれのエンコーダ55,56の検出から得られる偏差(指令値に対する検出動作量の差)を監視し、それぞれの偏差が予め個々に設定された第二の閾値以上となるか否かを判定し、第二の閾値以上となる場合に、動作異常の発生を生じたと判断して、報知及び緊急停止などの保全処理を実行する。このように、偏差を監視することで、ループ押さえ52や載置台51が何らかの外的要因により動作を阻害されていたり、各モータ53,54が指令値通りに動作を行っていなかったりして動作異常を生じた場合に、これを有効に検出することが可能となっている。
なお、動作異常監視制御は、生地用X軸モータ53及び生地用Y軸モータ54の回転停止中には実行されない。また、動作異常と判断する偏差の第二の閾値は、操作手段60からの入力設定作業により任意に設定することができる。
(干渉監視制御)
ここで、上述したZ形状の縫い付けの縫製を例に、制御手段80のCPU81が実行する干渉監視制御について説明する。
前述した第一の縫製動作機構としてのクランプ機構30のループクランプ31と第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50のループ押さえ52は、いずれも縫い針11と載置台51との間の領域で上下方向について近接配置されており、また、これらはいずれもX軸方向及びY軸方向について任意に移動させることが可能となっている。また、縫製時には、ループクランプ31はベルトループBの自由端部側をY軸方向に沿って何度も搬送することで所望の縫いを実現させているため、上方に退避したループ押さえ52の真下をたびたび通過することとなる。
その結果、ループクランプ31は、上下からベルトループBを挟み込んで保持する構造であるため、厚地のループクランプBを挟持したり、挟持の過程で二重に折り込んだ状態で挟持してしまったりすると、接触や衝突等の干渉の発生する可能性がある。
このため、制御手段80は、縫製時において、ループクランプ31がY軸方向に沿ってループ押さえ52の下方を通過する際に、作動を停止している状態の同じY軸方向への駆動を行う生地用Y軸モータ54に設けられたエンコーダ56を用いて干渉の発生を検出する干渉監視制御を行っている。
かかる干渉監視制御では、生地用Y軸モータ54は駆動を停止して現在位置の保持を行うように制御されているが、その際の保持トルクを干渉監視制御の前後(縫製中であって干渉監視制御以外の停止状態)の時点での保持トルクよりも低減するように制御を行う。なお、ループクランプ31は一端部が載置台51上にセットされた布地Cの縫着された状態のベルトループBを移動させるので、載置台51が干渉を生じないで移動を行うループクランプ31に引きずられない最低限の保持トルクとすることが望ましい。
そして、ループクランプ31がループ押さえ52の下を通過するための移動の開始から停止までエンコーダ56の出力を監視する。即ち、生地用Y軸モータ54の指令位置(停止位置)に対する検出位置の偏差、つまり、エンコーダ56で検出される位置変化が所定の閾値を超えるか否かを判定する。このとき、生地用Y軸モータ54は停止中であるため、駆動による偏差を生じることはないので、ループクランプ31とループ押さえ52との干渉が発生したと判断する偏差の閾値(第一の閾値)は、ループクランプ31が移動する縫製工程においてループクランプ31の移動に異常が発生したと判断するクランプ用Y軸モータ36の偏差の閾値(第二の閾値)より小さい値とすることができる。
例えば、ループクランプ31がループ押さえ52と接触等の干渉を生じると、ループ押さえ52を含む載置台51全体がY軸方向に押圧され移動し、エンコーダ56では位置変化が生じ、第一の閾値を超えることとなる。
そして、第一の閾値を超える偏差が検出された場合には、制御手段80は、クランプ用Y軸モータ36に対して緊急停止させ、干渉部位の破損などを防止する。
なお、干渉と判断する偏差の第一の閾値は、操作手段60からの入力設定作業により任意に設定することができる。
(ベルトループ付けミシンの縫製動作)
ベルトループ付けミシン10の縫製動作を、前述したZ形状の縫い付けを行う場合を例に、図5及び図11に示すフローチャートと図6から図10の動作説明図とに基づいて詳細に説明することとする。以下の動作制御は、全て制御手段80のCPU81の制御により実行される。
まず、縫製の前提として、クランプ供給機構60において、繰り出しモータ62がベルトループB一つ分の長さで長尺のベルトループを繰り出すと共に切断用エアシリンダ64を作動させてベルトループB一つ分の切断が行われ、受け取り位置で待機しているクランプ機構30がベルトループを受け取り、クランプ用エアシリンダ33の作動によりループクランプ31においてベルトループBを挟持する。
そして、クランプ用X軸モータ35を駆動させて、ベルトループBの第一縫製位置である縫い目L1の形成位置が針落ち位置の下となるように位置決めを行う(ステップS1:図6(A))。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させ、ベルトループBの一端部を押圧保持し、ループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により手前側に移動する(ステップS2:図6(B))。これにより、ベルトループBはループクランプ31に対して所定長さだけ奥側に引き出されることとなる。
そして、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、縫い目L1が形成される(ステップS3)。この時、縫い目L1について予め選択されていた縫い目パターンで縫い目が形成されるように、生地用X軸モータ53及びY軸モータ54が制御され、一針ごとに縫いパターンに応じた針落ち位置となるように載置台51及びループ押さえ52が位置決めされる。なお、ここの動作例では、縫い目L1,L3,L4は閂止め縫いで形成され、縫い目L2はしつけ縫いで形成されるものとする。
縫い目L1が形成されると、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52が上昇し(図6(C))、その下をくぐるように、ループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により奥側に移動する。
このとき、制御手段80はクランプ用Y軸モータ36の駆動開始から停止までの間、干渉監視制御を実行する。干渉監視制御については、図11のフローチャートに基づいて後述する。ここでは、干渉監視制御により、干渉は生じなかったと判定されたものとして続きの動作を説明する。
ループクランプ31がクランプ用Y軸モータ36の駆動により奥側に移動されると、ベルトループBは縫い目L1を折り目として上側に折り返された状態となる(ステップS4:図7(A))。また、クランプ用Y軸モータ36の駆動には、第二の生地用Y軸モータ74も駆動されて、載置台51に対して生地C及び布押さえ71が前述した設定値である距離m1だけ手前側に移動する。これにより、縫い目L2の形成位置が針落ち位置となるようにベルトループBが位置決めされる。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させてベルトループBを押圧保持し(ステップS5)、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、縫い目L2が形成される(ステップS6:図7(B))。この時には、縫い目L2に選択されていたしつけ縫いで縫い目が形成されるように、生地用X軸モータ53及びY軸モータ54が制御される。
縫い目L2が形成されると、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52が上昇し(図7(C))、その下をくぐるように、ループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により手前側に移動する。
このときも、制御手段80はクランプ用Y軸モータ36の駆動開始から停止までの間、干渉監視制御を実行する。この場合も、干渉は生じなかったと判定されたものとして続きの動作を説明する。
そして、クランプ用Y軸モータ36の駆動により、ベルトループBは縫い目L2を折り目として上側に折り返された状態となる(ステップS7:図8(A))。
そして、手前側に移動したループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により奥側に僅かに戻る移動動作を行い、これにより、ベルトループBが手前側に引っ張られた状態から幾分弛んだ状態とされ、ベルトループBの引っ張りにより縫い目位置がずれてしまうことを防止している。なお、この戻り動作の際には、干渉監視制御は行わなくとも良い。
次いで、クランプ用Y軸モータ36の停止後、第二の生地用Y軸モータ74が駆動されて、載置台51に対して生地C及び布押さえ71が前述した設定補正量である距離m2だけ奥側に移動する。これにより、縫い目L3の形成位置が針落ち位置となるようにベルトループBが位置決めされる(ステップS8:図8(B))。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させてベルトループBを押圧保持し(ステップS9)、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、重ね縫い目としての縫い目L3が形成される(ステップS10:図8(C))。この時には、設定により閂止め縫いで縫い目L3が形成されるように、生地用X軸モータ53及びY軸モータ54が制御される。
縫い目L3が形成されると、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52が上昇し(図9(A))、第二の生地用Y軸モータ74が駆動されて、載置台51に対して生地C及び布押さえ71が前述した距離m3だけ奥側に移動する。このとき、同時にループクランプ31も生地Cに追従するようにクランプ用Y軸モータ36の駆動により奥側に移動される。但し、ループクランプ31の移動量は生地Cの移動量よりも少なく、その結果、ベルトループBがループクランプ31から奥側に引き出され、手前側の端部が僅かに挟持された状態となる。さらに、フォーク用エアシリンダ40の作動によりフォーク部材38が前進し、ループクランプ31の奥側においてフォーク部材38はその先端の二叉部にベルトループBを挿通させた状態で待機する(ステップS11:図9(B))。
そして、ロータリーアクチュエータ41の駆動によりフォーク部材38の回転動作が行われ、ループクランプ31に挟持されていたベルトループBの端部が引き抜かれると共にフォーク部材38に巻き付けられるようにベルトループBの端部が所定方向の折り返される(ステップS12:図9(C))。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させてベルトループBを押圧保持し(ステップS13:図10(A))、フォーク用エアシリンダ40の作動によりフォーク部材38が後退し、クランプ用X軸モータ35の駆動によりループクランプ31も退避位置に後退する(ステップS14:図10(B))。
かかる状態で、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、縫い目L4が形成される。そして、縫い目L4が形成されると、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52が上昇し、ベルトループBのZ形状の縫着が完了する(ステップS15:図10(C))。
次に、上記ステップS4及びS7で実行された干渉監視制御について図11のフローチャートに基づいて説明する。
前述した、ループクランプ31がループ押さえ52の下をくぐるためにクランプ用Y軸モータ36の駆動が行われる際には、その駆動中継続して、生地用Y軸モータ54は駆動が停止される。その際、CPU81は、生地用Y軸モータ54のエンコーダ56の出力に基づく偏差を異常と判断する閾値(第一の閾値)が、縫製工程においてループ押さえ52及び載置台51の移動に異常が発生したと判断する生地用Y軸モータ54の偏差の閾値(第二の閾値)よりも小さい値に設定される。また、生地用Y軸モータ54に供給する電流値を下げることで、現在位置(角度)保持を行う保持トルクは、通常の停止時(縫製中であって干渉監視制御を実行しない場合の停止時)よりも低減される(ステップS32)。
なお、この保持トルクは小さいほど干渉した場合に自身が動き易くなるため、検出の感度が上がるが、ループクランプ31の移動によりベルトループBを介して載置台51にも僅かながらも張力を受けることとなるので、当該張力値に抗して位置保持が可能となる範囲で小さいトルク値とすることが望ましい。
そして、クランプ用Y軸モータ36の駆動中は、制御手段80が生地用Y軸モータ54のエンコーダ56の出力を監視し、第一の閾値以上の偏差(位置変化)を生じるか否かを監視する(ステップS33)。
その結果、閾値を超える偏差を検出した場合には、ループクランプ31とループ押さえ52との衝突、干渉等が発生したものと判断して、制御手段80は、速やかにクランプ用Y軸モータ36を停止させる(ステップS34)。また同時に、表示パネル88に干渉発生を報知する表示を行う。
一方、閾値を超える偏差が検出されない場合には、クランプ用Y軸モータ36の駆動が完了したか否かを判定し(ステップS35)、完了していない場合にはステップS33に処理を戻す。また、クランプ用Y軸モータ36の駆動が完了した場合には、問題なくループクランプ31の移動が行われたものとして、生地用Y軸モータ54の保持トルクを通常のトルク値に戻す制御を実行し(ステップS36)、ループ押さえ52及び載置台51が移動する縫製工程において動作異常が発生したと判断する生地用Y軸モータ54の偏差の閾値(第二の閾値)に戻す設定を行う(ステップS37)。
さらに、干渉監視制御中であってクランプ用Y軸モータ36の駆動中において、干渉による載置台51の移動が生じたか否かの判定が行われ(ステップS38)、なければそのまま干渉監視制御が終了して、次の縫製の工程に移行し、偏差が生じていた場合には、その偏差分だけ軸位置を戻すように生地用Y軸モータ54を駆動制御し(ステップS39)、干渉監視制御を終了する。
なお、干渉監視制御中において、第二の生地用Y軸モータ74が駆動を行い、布押さえ71を介して生地を移動させる場合があるが(例えば、前述したステップS4、図7(A))、第二の生地用Y軸モータ74及び布押さえ71は、いずれも載置台51の上に搭載されているので、かかる駆動が生地用Y軸モータ54のエンコーダ56の検出に影響を与えることはない。
(実施形態の効果)
以上のように、ベルトループ付けミシン10では、停止しているループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54のエンコーダ56を用いて、ループ押さえ52とループクランプ31の相互の干渉を検出するので、動作中のモータの偏差から接触などの干渉を判断する場合に比べて、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などによる偏差のバラツキの影響を受けることなく、干渉の発生を検出することが可能である。
これにより、干渉の発生を判断するための偏差の閾値を小さく設定することが可能となり、高感度で検出することが可能となる。これに伴い、干渉の発生を速やかに検出することができるので、迅速な対応措置を採ることが可能となり、機構の破壊や破損を効果的に低減することが可能となる。
また、干渉を検出するために専用の検出手段を設けるなどの必要がなく、既存の構成から干渉を検出することが可能であり、装置の生産コストの低減を図ることが可能となる。
さらに、干渉監視制御の際に、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54の保持力を縫製中の他の停止時の保持力よりも低減させる制御を行うため、僅かな干渉でもループ押さえ機構50のループ押さえ52が位置変化を生じ、感度の高い干渉検出を行うことが可能となる。
また、保持力を低減させるため、干渉時にループ押さえがすぐに位置変化することにより衝突の衝撃が低減され、装置の破損を防止することが可能となる。
また、干渉監視制御の終わりに、閾値未満の偏差が生じた場合に、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54を偏差分だけ位置を戻す位置復帰制御を行うので、干渉の監視による保持トルクの低減による弊害を解消し、正確な縫いを実現し、縫い品質の向上を図ることが可能である。
また、干渉監視制御における干渉判定のための偏差の閾値は、通常の生地用Y軸モータ54のフィードバック制御において生じる偏差よりも小さい値とすることができる。当該閾値は小さいほど感度の良い検出が可能となり、同時に誤検出の可能性が高くなるが、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54の停止時に干渉の判定を行うので、誤検出の可能性が十分に低減することが可能となる。
(その他)
なお、制御手段80は、一連の縫製動作において、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54が停止し、クランプ機構30のクランプ用Y軸モータ36のみが動作を行う全ての場合に干渉監視制御を実行しなくとも良い。例えば、クランプ機構30のループクランプ31がループ押さえ機構50のループ押さえ52の下方を通過する場合のような、干渉を生じ得るほど近接するような場合にのみ干渉監視制御を実行させても良い。
また、上記ベルトループ付けミシン10では、Z形状のベルトループBの縫着のみを例示したが、図12(A)に示すような両端部を内側に折り返す一般的なベルトループの縫着や図12(B)に示すようなベルトループBの一端部を縫着した上で、長めの折り返し端部を確保した上で折り目縫い目で折り返し、その上から重ね縫い目を形成する、いわゆるセミクラッシック仕様の縫着も行うことが可能である。これらの縫いの種類は、操作手段86で縫いの種類の選択を行うことで、各種の縫いの種類に応じた工程で縫製が実行される。
また、干渉監視制御は、ベルトループ付けミシン10に限らず、多種のミシンに適用可能である。例えば、ボタン付けミシンにも適用可能である。ボタン付けミシンは、第一の縫製動作機構として、ボタン縫着縫製時にボタン保持及び移動位置決めを行うボタン保持機構と、第二の縫製動作機構として、ボタン縫着縫製時に布地保持及び移動位置決めを行う布地保持機構とを備えている。そして、ボタン移動時であって布の非移動時に、布移動を行う駆動源としてのモータに設けられた位置検出器としてのエンコーダにより、偏差を監視し、閾値を超えるか否かにより、布保持を行う構成とボタン保持を行う構成との干渉を生じるか否かを判定することを可能である。このとき、布移動を行うモータは、保持トルクを通常時よりも低減させる動作制御を実行する。
このように、運針に連動して縫製に関連した動作を干渉を生じる領域内で行う二以上の縫製動作機構を備えるミシン全般について、干渉監視制御を適用することが可能である。
10 ベルトループ付けミシン
11 縫い針
30 クランプ機構(第一の縫製動作機構)
31 ループクランプ(可動部)
36 クランプ用Y軸モータ(駆動源)
38 フォーク部材
50 ループ押さえ機構(第二の縫製動作機構)
51 載置台
52 ループ押さえ(可動部)
54 生地用Y軸モータ
56 エンコーダ(位置検出器)
70 布押さえ機構
71 布押さえ
74 第二の生地用Y軸モータ(布送りモータ)
80 制御手段(動作制御手段)
B ベルトループ
C 生地

Claims (3)

  1. 縫い針の上下動を行う針上下動機構と、
    縫製に関連する動作を実行する第一の縫製動作機構と、
    縫製に関連する他の動作を実行する第二の縫製動作機構と、
    前記各縫製動作機構のそれぞれの駆動源を縫製工程の進行に合わせて予め定められた動作が行われるように制御する動作制御手段とを備え、
    前記第一の縫製動作機構の可動部と前記第二の縫製動作機構の可動部とは互いに同方向に沿った変位を生じると共に、前記第二の縫製動作機構には、その駆動源に位置検出器が設けられ、
    前記動作制御手段は、前記第二の縫製動作機構が停止し、前記第一の縫製動作機構のみが動作を行う場合に、前記第二の縫製動作機構の位置検出器から得られる偏差が予め定められた第一の閾値以上か否かに応じて前記各縫製動作機構同士の干渉の発生を検出する干渉監視制御を行うことを特徴とするミシン。
  2. 前記動作制御手段は、前記縫製工程において前記第二の縫製動作機構が動作する場合に前記位置検出器が検出する偏差が予め定められた第二の閾値以上となるか否かにより前記第二の縫製動作機構の動作異常の判断を行い、
    前記第一の閾値は前記第二の閾値より小さい値であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記第二の縫製動作機構の駆動源は、保持力を変更可能とし、
    前記動作制御手段は、前記干渉監視制御の際に、前記第二の縫製動作機構の駆動源の保持力を、縫製中の他の停止時の保持力よりも低減させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
JP2009119858A 2009-05-18 2009-05-18 ミシン Expired - Fee Related JP5689590B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009119858A JP5689590B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 ミシン
CN201010177973.4A CN101892563B (zh) 2009-05-18 2010-05-18 缝纫机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009119858A JP5689590B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 ミシン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010264179A true JP2010264179A (ja) 2010-11-25
JP5689590B2 JP5689590B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=43101903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009119858A Expired - Fee Related JP5689590B2 (ja) 2009-05-18 2009-05-18 ミシン

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5689590B2 (ja)
CN (1) CN101892563B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013022042A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Juki Corp ベルトループ付けミシン
EP2463429A3 (en) * 2010-12-09 2015-05-27 JUKI Corporation Belt loop sewing apparatus and method of controlling belt loop sewing apparatus
CN105887363A (zh) * 2016-04-14 2016-08-24 苏州锦超服饰有限公司 门襟缝纫期间自动辅助行进机构

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107099951B (zh) * 2017-05-25 2020-05-05 杰克缝纫机股份有限公司 一种缝纫机及其跳针检测装置与检测方法
CN114561752B (zh) * 2022-03-22 2023-03-10 浙江众邦机电科技有限公司 一种缝纫机抬压脚的控制方法及相关装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0638596A (ja) * 1992-07-20 1994-02-10 Tokai Ind Sewing Mach Co Ltd ミシンにおけるパルスモータ駆動制御装置及び方法
JP2008104865A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Brother Ind Ltd ミシンの制御装置及びミシン

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4756618B2 (ja) * 2001-03-21 2011-08-24 株式会社ダイヘン 多関節ロボットにおける衝突検出・停止制御法
JP4530867B2 (ja) * 2005-02-09 2010-08-25 Juki株式会社 ボタン付けミシン
CN200943142Y (zh) * 2006-09-01 2007-09-05 深圳市深奥电脑机械有限公司 缝纫亮片绣装置
JP4946684B2 (ja) * 2007-07-13 2012-06-06 トヨタ自動車株式会社 移動体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0638596A (ja) * 1992-07-20 1994-02-10 Tokai Ind Sewing Mach Co Ltd ミシンにおけるパルスモータ駆動制御装置及び方法
JP2008104865A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Brother Ind Ltd ミシンの制御装置及びミシン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2463429A3 (en) * 2010-12-09 2015-05-27 JUKI Corporation Belt loop sewing apparatus and method of controlling belt loop sewing apparatus
JP2013022042A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Juki Corp ベルトループ付けミシン
CN105887363A (zh) * 2016-04-14 2016-08-24 苏州锦超服饰有限公司 门襟缝纫期间自动辅助行进机构

Also Published As

Publication number Publication date
CN101892563B (zh) 2014-03-12
CN101892563A (zh) 2010-11-24
JP5689590B2 (ja) 2015-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616587B2 (ja) ベルトループ付けミシン
JP5759158B2 (ja) ベルトループ付けミシン及びベルトループの折り返し方法
JP5689590B2 (ja) ミシン
JP2017074269A (ja) ミシン
KR20110007057A (ko) 상하이송 재봉기
JP5329079B2 (ja) 玉縁縫いミシンの玉布押さえ機構
CN109295617B (zh) 缝纫机
CN109295616B (zh) 缝纫机
JP2019022623A (ja) ミシン
JP5253947B2 (ja) ベルトループ縫いミシン
JP5965645B2 (ja) ベルトループ縫い付け方法及びベルトループ付けミシン
JP5808969B2 (ja) ベルトループ付けミシン
JP2005130888A (ja) 自動縫製装置
JP2007244463A (ja) ミシンの布保持枠移送装置
JP5555482B2 (ja) 玉縁縫いミシン
JP5289142B2 (ja) ベルトループ緩め装置
JP5113482B2 (ja) 玉縁縫いミシン
JP2010246837A (ja) 縫製装置
CN113718431A (zh) 一种缝纫机及加工工艺
JP2010220928A (ja) 穴かがりミシン及び縫製パラメータの算出方法
JP6389665B2 (ja) ベルトループ付けミシン及びベルトループ縫い付け方法
JP2018130318A (ja) ミシン
JP2010088494A (ja) 玉縁縫いミシン
JP5468235B2 (ja) 自動玉縁縫いミシン
JP4920904B2 (ja) ミシン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5689590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees