JP2010264179A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縫い針の上下動を行う針上下動機構と、縫製に関連する動作を実行する第一の縫製動作機構30と、縫製に関連する他の動作を実行する第二の縫製動作機構50と、各縫製動作機構のそれぞれの駆動源36,54を縫製縫製工程の進行に合わせて予め定められた動作が行われるように制御する動作制御手段80とを備え、第一の縫製動作機構の可動部31と第二の縫製動作機構の可動部52とは互いに同方向に沿った変位を生じると共に、第二の縫製動作機構には、その駆動源に位置検出器56が設けられ、動作制御手段は、第二の縫製動作機構が停止し、第一の縫製動作機構のみが動作を行う場合に、第二の縫製動作機構の位置検出器から得られる偏差に応じて各縫製動作機構同士の干渉の発生を検出する干渉監視制御を行う。
【選択図】図11
Description
しかしながら、従来技術においては、可動部の偏差にて異常を検出していたため、移動時に生じる正常な範囲の偏差より大きな値に閾値を設定する必要があった。また、可動部は、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などにより移動時の偏差にバラツキを生じるため、そのバラツキを考慮した大きな値に閾値を設定する必要があった。このため、実際に衝突などが発生してから、偏差が閾値まで達して装置が移動を停止するまでに時間がかかり、その間に機械が破損するという問題があった。
例えば、第二の縫製動作機構の駆動源がフィードバック制御を行っている場合、偏差が大きくなりすぎると干渉などの原因により過負荷が発生していているものとして緊急停止などを行うが、その判断を行うための偏差の閾値よりも、本願発明はずっと小さい閾値で干渉を検出することができる。
また、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などによる移動時の偏差のバラツキの影響を受けることなく、干渉の発生を検出することが可能である。
これにより、干渉の発生を判断するための偏差の閾値を小さく設定することが可能となり、高感度で検出することが可能となる。これに伴い、干渉の発生を速やかに検出することができるので、迅速な対応措置を採ることが可能となり、機構の破壊や破損を効果的に低減することが可能となる。
また、既存の構成から干渉を検出することが可能であり、装置の生産コストの低減を図ることが可能となる。
なお、干渉と判断する偏差の閾値は、固定値でも良いが、設定作業により変更可能とすることが望ましい。
かかる動作中の異常判定をおこなうための第二の閾値は動作により必然的に生じる偏差を考慮して有る程度の幅を有する必要がある。
一方、干渉監視制御は、上記のような第二の閾値に基づいて偏差の監視を行う第二の縫製動作機構の動作中以外のタイミングを利用しているので、第二の閾値にかかわらずより小さい値となる第一の閾値に基づいて干渉の発生を監視することができる。つまり、独立した新たな検出手段を付加することなく、第二の縫製動作機構の動作中にはその動作異常を監視することができ、第二の縫製動作機構の非動作中にはよりセンシティブに干渉の発生を監視することが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るベルトループ付けミシン10の全体を示す斜視図、図2は制御系を示すブロック図、図3は縫い針周辺の斜視図である。
ベルトループ付けミシン10は、縫い針11を上下動させる図示しない針上下動機構と、所定方向に向けられたベルトループBを挟持する可動部としてのループクランプ31を備える第一の縫製動作機構としてのクランプ機構30と、ベルトループBをクランプ機構30に供給するループ供給機構60と、ベルトループBの縫着が行われる布地Cが載置される載置台51と当該載置台51への下降動作によりベルトループBを押さえつける可動部としてのループ押さえ52とを備える第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50と、ベルトループBのループを緩める緩め部材66を備える緩め機構65と、布地Cを保持する布押さえ71を備える布押さえ機構70と、ミシンフレーム2と、図示しない釜機構と、上記各構成を制御する制御手段80とを備えている。
ミシンフレーム2は、釜機構を内蔵したミシンベッド部2aと、ミシンベッド部2aの一端部から立設した縦胴部2bと、針上下動機構を内蔵したミシンアーム部2cとを備えている。そして、ミシンアーム部2cはミシンベッド部2aと同じ方向に延出されている。
以下の説明において、水平であってミシンベッド部2a及びミシンアーム部2cの長手方向に平行な方向をY軸方向、水平であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とし、説明の必要に応じて、Y軸方向における一端部側であってミシンアーム部2cの面部側を「手前側」、Y軸方向における他端部側であって縦胴部2b側を「奥側」いうものとする。
針上下動機構は、ミシンアーム部2cの手前側端部の内部で上下動可能に支持されると共に縫い針を下端部に保持する針棒と、針棒の上下動の駆動源となるミシンモータ13と、ミシンモータ13により回転駆動を行う主軸と、主軸の回転駆動を上下動に変換して針棒に伝えるクランク機構とから構成されており、周知のものと同様である。
釜機構は、いわゆる半回転釜を用いた釜機構であり、ミシンベッド部2aの手前側端部の内側であって針落ち位置下部において回転可能に支持された半回転釜と、主軸に設けられた偏心カムと、偏心カムを一端部で支持するクランクロッドと、クランクロッドの他端部に連結されたアーム部により往復回動が付与される釜軸と、釜軸に支持されたドライバとを備え、周知のものと同様である。
ループ供給機構60は、クランプ機構30の手前側に配置されており、当該ループ供給機構60の手前側端部には、長尺のベルトループの取り込み口(図示略)を備えており、当該取り込み口から取り込まれた長尺のベルトループを奥側に設けられた繰り出し口まで搬送する搬送ローラ61を回転駆動する繰り出しモータ62と、所定の長さで長尺のベルトループを切断するカッタ63を駆動する切断用エアシリンダ64とを備えている。長尺のベルトループが切り分けられてなる個々のベルトループBの長さは、繰り出しモータ61の駆動量を制御手段80が制御するにより決定される。
なお、クランプ機構30は、その手前側にベルトループBの図示しない受け取り口とX、Y軸方向への移動を行うための構成が設けられており、ループ供給機構60の繰り出し口に対して受け取り口が近接するよう移動を行い、ベルトループBの受け取りが行われる。
クランプ機構30は、ミシンフレーム2に対して手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右側に配置されている。以下の説明において、「右」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右となる方向を示すものとし、単に「左」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て左となる方向を示すものとする。
クランプ機構30は、ベルトループBを挟持する上側クランプ31a及び下側クランプ31bからなるループクランプ31と、ループクランプ31を保持する保持ブロック32と、上側クランプに昇降動作を付与してベルトループBの挟持状態と解放状態とを切り換えるクランプ用エアシリンダ33と、保持ブロック32をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向について移動可能に支持する支持台34と、保持ブロック32にX軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用X軸モータ35と、保持ブロック32にY軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Y軸モータ36と、保持ブロック32にZ軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Z軸エアシリンダ37とを備えている。
クランプ用エアシリンダ33は、保持ブロック32上に装備されており、そのプランジャの進退動作により上側クランプ31aの上昇解放動作と下降保持動作とを切り換えることを可能としている。なお、クランプ用エアシリンダ33によりベルトループBの保持圧は、ベルトループBがY軸方向に沿ったある程度の張力を受けると引き抜くことが可能な程度に調節されている。
フォーク部材38は、X軸方向に沿って延出された基部の先端部(左端部)からさらに二本の棒状体が左方に延出されて二叉状に形成されており、当該二本の棒状体の間にベルトループBを通して基部をX軸回りに回転させることにより、ベルトループBの端部を折り返すことを可能としている。かかるフォーク部材38は、X軸方向に沿って進退移動可能に保持ブロック32に支持されており、前進時にループクランプ31と並ぶ位置となり、後退時にはループクランプ31より右方に退避するようにフォーク用エアシリンダ40によって進退動作が付与される。また、フォーク部材38のY軸回りの回転動作はロータリーアクチュエータ41により付与される。これらフォーク部材38、フォーク用エアシリンダ40、ロータリーアクチュエータ41は「折曲機構」を構成している。
緩め機構65は、ミシンベッド部2a上で載置台51の近傍に設置されており、X軸方向に沿って延出された断面楕円形の棒状体である緩め部材66と、緩め部材66をX軸方向に沿って進退移動させる緩め部材用エアシリンダ67と、緩め部材66をY軸方向に移動させる緩めモータ68とを備えている。
緩め部材66は、緩め部材用エアシリンダ67による前進移動により、ベルトループBの縫製位置内に進入し、ループの緩め作業やベルトループの端部を係止して折り返し作業を補助したりする作業位置となり、後退移動により、縫製作業にかかわらず、他の機構との干渉も生じない退避位置となるように配置されている。
また、緩めモータ68によりY軸方向への移動動作を付与されると、ベルトループの長手方向への緩め量が制御されるようになっている。
ループ押さえ機構50の載置台51は、ミシンベッド部2aの上部にX軸方向及びY軸方向に移動可能に支持されている。そして、載置台51の上面はX−Y平面に平行な水平面であり、縫製時には生地Cが載置される。また、載置台51は、針棒12の真下に位置し、針落ち位置には縫い針11が挿入される針穴が形成されている。
そして、ループ押さえ機構50は、載置台51をX軸方向に任意に移動させる生地用X軸モータ53と、載置台51をY軸方向に任意に移動させる生地用Y軸モータ54とを備えており、これら各モータ53,54はいずれもパルスモータであり、各々の出力軸にはエンコーダ55,56が装備されている。生地用X軸モータ53及びY軸モータ54は、毎針の針落ちに同期して、縫製パターンに定められた所定の針落ち位置に針落ちが行われるようにベルトループB及び生地Cの位置決めを行うために、各エンコーダ55,56の出力に基づくフィードバック制御が行われる。
ループ押さえ52は、その下部には一般的なベルトループBの幅より若干幅の広い略矩形状の枠体52aを備えている。ベルトループ付けミシン10では、ベルトループBの縫着縫製において、ベルトループBの幅方向に沿った縫いが一乃至複数回実施されるので、ループ押さえ52の枠体52aは、ベルトループBの幅方向に沿った一回分の縫いが網羅できる大きさに設定されている。
ループ押さえ機構50は、上記構成により、載置台51上でループ押さえ52が保持したベルトループB及び生地CをX−Y平面に沿った任意の位置に移動位置決めすることができる。
布押さえ機構70の布押さえ71は、平面視略C字状の枠体であり、載置台51より小さく、ループ押さえ52の枠体52aよりも大きく設定されている。この布押さえ71は、載置台51の上面においてループ押さえ52の枠体52aの周囲を囲むように配置されているが、載置台51とは別に支持体72によってミシンベッド部2aにY軸方向に沿って移動可能且つ昇降可能に支持されている。布押さえ71の昇降動作は、布押さえ用エアシリンダ73により行われ、下降により生地Cを上方から下方に押圧保持し、上昇により生地Cを解放する。
また、布押さえ71のY軸方向移動は、第二の生地用Y軸モータ74を駆動源として行われる。この第二の生地用Y軸モータ74は、パルスモータであり、布押さえ71による生地CのY軸方向移動量は任意に制御することが可能である。
布押さえ機構70は、上記構成により、載置台51上で布押さえ71が保持した生地CをベルトループBの向けられた方向(Y軸方向)に沿った任意の位置に移動位置決めすることができる。
制御手段80は、各種の処理及び制御を行うCPU81と、ベルトループ付けミシン10の動作制御を実行する動作制御プログラム及び設定情報が書き込まれているROM82と、CPU81の処理において各種データを格納するワークエリアとしてのRAM83と、各種の設定データを記録するEEPROM84とを備えている。
また、制御手段80は、各種の制御対象及びエンコーダ55,56とCPU81とを接続するためのI/Oインターフェイス85を備えている。即ち、かかるI/Oインターフェイス85を介してミシンモータ13,クランプ用エアシリンダ33,クランプ用X軸モータ35,クランプ用Y軸モータ36,クランプ用Z軸エアシリンダ37,ロータリーアクチュエータ41,フォーク用エアシリンダ40,緩め部材用エアシリンダ67,緩めモータ68,布押さえ用エアシリンダ73,第二の生地用Y軸モータ74,切断用エアシリンダ64,繰り出しモータ62,生地用X軸モータ53,生地用Y軸モータ54,ループ押さえ用エアシリンダ57,エンコーダ55及び56がCPU81に接続される。なお、各エアシリンダ33,37,40,42,57,64,73は、いずれも当該各エアシリンダに対する吸排気を行う図示しない電磁バルブを介してその作動が制御されている。
ベルトループ付けミシン10では、ベルトループの縫着の形状として、両端部を互いに内側に折り返す基本形状や、ベルトループの一端部を略Z字状に折りたたんで縫いつける縫着形状がある。
かかる縫着形状(以下、Z形状とする)の縫い付けを行う場合には、図4に示すように、複数のパラメータの設定が必要であり、操作手段86のタッチパネル87によりその入力が行われる。ここでパラメータについて説明する。
Z形状の縫いは、縫い目L1,L2,L3,L4の順番で形成される。これに対してパラメータとして、縫い目L1−L2の距離m1、縫い目L2−L3の距離m2、縫い目L3−L4の距離m3の値が操作手段86により設定される。
また、この他に、Z形状の縫い付けを行うためのパラメータとして、各縫い目L1〜L4について、いずれの縫いパターン(縫いの種類のこと、例えば、縫い目ごとに、閂止め縫い、しつけ縫い等のいずれで行うかを選択して設定する)で縫いを行うかの設定、ベルトループBの長さ、幅等の設定も操作手段86により行われる。
これらのパラメータの設定内容は、EEPROM84に記録され、縫製制御の際に参照される。なお、選択された各縫い目の縫いパターンを形成するために必要となる制御パラメータ(閂止め縫いやしつけ縫いを行うために必要となる一針ごと動作量や動作の順番等)は規定のパラメータが予めROM82又はEEPROM84に設定されており、その値が参照されることとなる。
なお、上述した各種のパラメータは一例に過ぎない。各種のパラメータについては、例えば、固定値が予め定められており、それが参照されるものとしても良い。
制御手段80のCPU81が実行する動作異常監視制御について説明する。
CPU81は、縫製時の第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50の生地用X軸モータ53及び生地用Y軸モータ54の回転動作中において、それぞれのエンコーダ55,56の検出から得られる偏差(指令値に対する検出動作量の差)を監視し、それぞれの偏差が予め個々に設定された第二の閾値以上となるか否かを判定し、第二の閾値以上となる場合に、動作異常の発生を生じたと判断して、報知及び緊急停止などの保全処理を実行する。このように、偏差を監視することで、ループ押さえ52や載置台51が何らかの外的要因により動作を阻害されていたり、各モータ53,54が指令値通りに動作を行っていなかったりして動作異常を生じた場合に、これを有効に検出することが可能となっている。
なお、動作異常監視制御は、生地用X軸モータ53及び生地用Y軸モータ54の回転停止中には実行されない。また、動作異常と判断する偏差の第二の閾値は、操作手段60からの入力設定作業により任意に設定することができる。
ここで、上述したZ形状の縫い付けの縫製を例に、制御手段80のCPU81が実行する干渉監視制御について説明する。
前述した第一の縫製動作機構としてのクランプ機構30のループクランプ31と第二の縫製動作機構としてのループ押さえ機構50のループ押さえ52は、いずれも縫い針11と載置台51との間の領域で上下方向について近接配置されており、また、これらはいずれもX軸方向及びY軸方向について任意に移動させることが可能となっている。また、縫製時には、ループクランプ31はベルトループBの自由端部側をY軸方向に沿って何度も搬送することで所望の縫いを実現させているため、上方に退避したループ押さえ52の真下をたびたび通過することとなる。
その結果、ループクランプ31は、上下からベルトループBを挟み込んで保持する構造であるため、厚地のループクランプBを挟持したり、挟持の過程で二重に折り込んだ状態で挟持してしまったりすると、接触や衝突等の干渉の発生する可能性がある。
かかる干渉監視制御では、生地用Y軸モータ54は駆動を停止して現在位置の保持を行うように制御されているが、その際の保持トルクを干渉監視制御の前後(縫製中であって干渉監視制御以外の停止状態)の時点での保持トルクよりも低減するように制御を行う。なお、ループクランプ31は一端部が載置台51上にセットされた布地Cの縫着された状態のベルトループBを移動させるので、載置台51が干渉を生じないで移動を行うループクランプ31に引きずられない最低限の保持トルクとすることが望ましい。
そして、ループクランプ31がループ押さえ52の下を通過するための移動の開始から停止までエンコーダ56の出力を監視する。即ち、生地用Y軸モータ54の指令位置(停止位置)に対する検出位置の偏差、つまり、エンコーダ56で検出される位置変化が所定の閾値を超えるか否かを判定する。このとき、生地用Y軸モータ54は停止中であるため、駆動による偏差を生じることはないので、ループクランプ31とループ押さえ52との干渉が発生したと判断する偏差の閾値(第一の閾値)は、ループクランプ31が移動する縫製工程においてループクランプ31の移動に異常が発生したと判断するクランプ用Y軸モータ36の偏差の閾値(第二の閾値)より小さい値とすることができる。
例えば、ループクランプ31がループ押さえ52と接触等の干渉を生じると、ループ押さえ52を含む載置台51全体がY軸方向に押圧され移動し、エンコーダ56では位置変化が生じ、第一の閾値を超えることとなる。
そして、第一の閾値を超える偏差が検出された場合には、制御手段80は、クランプ用Y軸モータ36に対して緊急停止させ、干渉部位の破損などを防止する。
なお、干渉と判断する偏差の第一の閾値は、操作手段60からの入力設定作業により任意に設定することができる。
ベルトループ付けミシン10の縫製動作を、前述したZ形状の縫い付けを行う場合を例に、図5及び図11に示すフローチャートと図6から図10の動作説明図とに基づいて詳細に説明することとする。以下の動作制御は、全て制御手段80のCPU81の制御により実行される。
まず、縫製の前提として、クランプ供給機構60において、繰り出しモータ62がベルトループB一つ分の長さで長尺のベルトループを繰り出すと共に切断用エアシリンダ64を作動させてベルトループB一つ分の切断が行われ、受け取り位置で待機しているクランプ機構30がベルトループを受け取り、クランプ用エアシリンダ33の作動によりループクランプ31においてベルトループBを挟持する。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させ、ベルトループBの一端部を押圧保持し、ループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により手前側に移動する(ステップS2:図6(B))。これにより、ベルトループBはループクランプ31に対して所定長さだけ奥側に引き出されることとなる。
そして、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、縫い目L1が形成される(ステップS3)。この時、縫い目L1について予め選択されていた縫い目パターンで縫い目が形成されるように、生地用X軸モータ53及びY軸モータ54が制御され、一針ごとに縫いパターンに応じた針落ち位置となるように載置台51及びループ押さえ52が位置決めされる。なお、ここの動作例では、縫い目L1,L3,L4は閂止め縫いで形成され、縫い目L2はしつけ縫いで形成されるものとする。
このとき、制御手段80はクランプ用Y軸モータ36の駆動開始から停止までの間、干渉監視制御を実行する。干渉監視制御については、図11のフローチャートに基づいて後述する。ここでは、干渉監視制御により、干渉は生じなかったと判定されたものとして続きの動作を説明する。
このときも、制御手段80はクランプ用Y軸モータ36の駆動開始から停止までの間、干渉監視制御を実行する。この場合も、干渉は生じなかったと判定されたものとして続きの動作を説明する。
そして、クランプ用Y軸モータ36の駆動により、ベルトループBは縫い目L2を折り目として上側に折り返された状態となる(ステップS7:図8(A))。
そして、手前側に移動したループクランプ31はクランプ用Y軸モータ36の駆動により奥側に僅かに戻る移動動作を行い、これにより、ベルトループBが手前側に引っ張られた状態から幾分弛んだ状態とされ、ベルトループBの引っ張りにより縫い目位置がずれてしまうことを防止している。なお、この戻り動作の際には、干渉監視制御は行わなくとも良い。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させてベルトループBを押圧保持し(ステップS9)、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、重ね縫い目としての縫い目L3が形成される(ステップS10:図8(C))。この時には、設定により閂止め縫いで縫い目L3が形成されるように、生地用X軸モータ53及びY軸モータ54が制御される。
そして、ロータリーアクチュエータ41の駆動によりフォーク部材38の回転動作が行われ、ループクランプ31に挟持されていたベルトループBの端部が引き抜かれると共にフォーク部材38に巻き付けられるようにベルトループBの端部が所定方向の折り返される(ステップS12:図9(C))。
そして、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52を下降させてベルトループBを押圧保持し(ステップS13:図10(A))、フォーク用エアシリンダ40の作動によりフォーク部材38が後退し、クランプ用X軸モータ35の駆動によりループクランプ31も退避位置に後退する(ステップS14:図10(B))。
かかる状態で、ミシンモータ13が駆動されて縫製が実行され、縫い目L4が形成される。そして、縫い目L4が形成されると、ループ押さえ用エアシリンダ57の作動によりループ押さえ52が上昇し、ベルトループBのZ形状の縫着が完了する(ステップS15:図10(C))。
前述した、ループクランプ31がループ押さえ52の下をくぐるためにクランプ用Y軸モータ36の駆動が行われる際には、その駆動中継続して、生地用Y軸モータ54は駆動が停止される。その際、CPU81は、生地用Y軸モータ54のエンコーダ56の出力に基づく偏差を異常と判断する閾値(第一の閾値)が、縫製工程においてループ押さえ52及び載置台51の移動に異常が発生したと判断する生地用Y軸モータ54の偏差の閾値(第二の閾値)よりも小さい値に設定される。また、生地用Y軸モータ54に供給する電流値を下げることで、現在位置(角度)保持を行う保持トルクは、通常の停止時(縫製中であって干渉監視制御を実行しない場合の停止時)よりも低減される(ステップS32)。
なお、この保持トルクは小さいほど干渉した場合に自身が動き易くなるため、検出の感度が上がるが、ループクランプ31の移動によりベルトループBを介して載置台51にも僅かながらも張力を受けることとなるので、当該張力値に抗して位置保持が可能となる範囲で小さいトルク値とすることが望ましい。
その結果、閾値を超える偏差を検出した場合には、ループクランプ31とループ押さえ52との衝突、干渉等が発生したものと判断して、制御手段80は、速やかにクランプ用Y軸モータ36を停止させる(ステップS34)。また同時に、表示パネル88に干渉発生を報知する表示を行う。
一方、閾値を超える偏差が検出されない場合には、クランプ用Y軸モータ36の駆動が完了したか否かを判定し(ステップS35)、完了していない場合にはステップS33に処理を戻す。また、クランプ用Y軸モータ36の駆動が完了した場合には、問題なくループクランプ31の移動が行われたものとして、生地用Y軸モータ54の保持トルクを通常のトルク値に戻す制御を実行し(ステップS36)、ループ押さえ52及び載置台51が移動する縫製工程において動作異常が発生したと判断する生地用Y軸モータ54の偏差の閾値(第二の閾値)に戻す設定を行う(ステップS37)。
さらに、干渉監視制御中であってクランプ用Y軸モータ36の駆動中において、干渉による載置台51の移動が生じたか否かの判定が行われ(ステップS38)、なければそのまま干渉監視制御が終了して、次の縫製の工程に移行し、偏差が生じていた場合には、その偏差分だけ軸位置を戻すように生地用Y軸モータ54を駆動制御し(ステップS39)、干渉監視制御を終了する。
以上のように、ベルトループ付けミシン10では、停止しているループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54のエンコーダ56を用いて、ループ押さえ52とループクランプ31の相互の干渉を検出するので、動作中のモータの偏差から接触などの干渉を判断する場合に比べて、長期間の稼働による駆動負荷の増減や機械個体差や負荷である搬送物の重量差などによる偏差のバラツキの影響を受けることなく、干渉の発生を検出することが可能である。
これにより、干渉の発生を判断するための偏差の閾値を小さく設定することが可能となり、高感度で検出することが可能となる。これに伴い、干渉の発生を速やかに検出することができるので、迅速な対応措置を採ることが可能となり、機構の破壊や破損を効果的に低減することが可能となる。
また、干渉を検出するために専用の検出手段を設けるなどの必要がなく、既存の構成から干渉を検出することが可能であり、装置の生産コストの低減を図ることが可能となる。
また、保持力を低減させるため、干渉時にループ押さえがすぐに位置変化することにより衝突の衝撃が低減され、装置の破損を防止することが可能となる。
また、干渉監視制御の終わりに、閾値未満の偏差が生じた場合に、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54を偏差分だけ位置を戻す位置復帰制御を行うので、干渉の監視による保持トルクの低減による弊害を解消し、正確な縫いを実現し、縫い品質の向上を図ることが可能である。
なお、制御手段80は、一連の縫製動作において、ループ押さえ機構50の生地用Y軸モータ54が停止し、クランプ機構30のクランプ用Y軸モータ36のみが動作を行う全ての場合に干渉監視制御を実行しなくとも良い。例えば、クランプ機構30のループクランプ31がループ押さえ機構50のループ押さえ52の下方を通過する場合のような、干渉を生じ得るほど近接するような場合にのみ干渉監視制御を実行させても良い。
このように、運針に連動して縫製に関連した動作を干渉を生じる領域内で行う二以上の縫製動作機構を備えるミシン全般について、干渉監視制御を適用することが可能である。
11 縫い針
30 クランプ機構(第一の縫製動作機構)
31 ループクランプ(可動部)
36 クランプ用Y軸モータ(駆動源)
38 フォーク部材
50 ループ押さえ機構(第二の縫製動作機構)
51 載置台
52 ループ押さえ(可動部)
54 生地用Y軸モータ
56 エンコーダ(位置検出器)
70 布押さえ機構
71 布押さえ
74 第二の生地用Y軸モータ(布送りモータ)
80 制御手段(動作制御手段)
B ベルトループ
C 生地
Claims (3)
- 縫い針の上下動を行う針上下動機構と、
縫製に関連する動作を実行する第一の縫製動作機構と、
縫製に関連する他の動作を実行する第二の縫製動作機構と、
前記各縫製動作機構のそれぞれの駆動源を縫製工程の進行に合わせて予め定められた動作が行われるように制御する動作制御手段とを備え、
前記第一の縫製動作機構の可動部と前記第二の縫製動作機構の可動部とは互いに同方向に沿った変位を生じると共に、前記第二の縫製動作機構には、その駆動源に位置検出器が設けられ、
前記動作制御手段は、前記第二の縫製動作機構が停止し、前記第一の縫製動作機構のみが動作を行う場合に、前記第二の縫製動作機構の位置検出器から得られる偏差が予め定められた第一の閾値以上か否かに応じて前記各縫製動作機構同士の干渉の発生を検出する干渉監視制御を行うことを特徴とするミシン。 - 前記動作制御手段は、前記縫製工程において前記第二の縫製動作機構が動作する場合に前記位置検出器が検出する偏差が予め定められた第二の閾値以上となるか否かにより前記第二の縫製動作機構の動作異常の判断を行い、
前記第一の閾値は前記第二の閾値より小さい値であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記第二の縫製動作機構の駆動源は、保持力を変更可能とし、
前記動作制御手段は、前記干渉監視制御の際に、前記第二の縫製動作機構の駆動源の保持力を、縫製中の他の停止時の保持力よりも低減させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
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