JP2010264091A - 組立可能な軽量木棺 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、木棺を組立可能な構造とすることができ、木棺の組立作業性を向上し得るとともに、木棺の軽量化を図り、火葬の際の二酸化炭素の排出量を低減し得る組立可能な軽量木棺を実現することを目的としている。
【解決手段】このため、棺箱本体と蓋部とを備える木棺において、棺箱本体は、底面部と、底面部の長手方向の両側部の第1、第2長手方向壁部と、底面部の幅方向の両側部、かつ第1、第2長手方向壁部の端部間の第1、第2幅方向壁部とを備え、底面部を、長手方向に所定の隙間を現出させるように配置した複数枚の底板材とこれら底板材の下面に配設した支持角材とにより形成し、第1、第2長手方向壁部の両端部間に係合溝を対峙させて支柱材を配設するとともに、第1、第2長手方向壁部に棺箱本体の内部空間と外部とを連通する開口部を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は組立可能な軽量木棺に係り、特に木棺を組立可能な構造として組立作業性の向上を図るとともに、木棺の軽量化を図って火葬の際の二酸化炭素の排出量の低減を図る組立可能な軽量木棺に関するものである。
棺としては、火葬の儀式に合致させるために、一般に木製棺(以下「木棺」という。)が使用されている。
また、以下の特許文献2に開示されるように、木棺に代わる棺としては、紙製、つまり段ボール棺も考えられている。
特開2005−187049号公報 特開2008−272135号公報
ところで、従来の棺において、段ボール棺の場合には、木棺に比べ軽量で燃焼性に優れ、段ボール板の折り曲げ加工により簡単に組み立てることができるため、環境に優しい葬送品である、という利点がある。このため、ペットの火葬に際しては、コストなども考えると、最適なものと思われる。
しかし、段ボール棺は、木棺と比較すると、剛性が劣るとともに、水分吸収によって弱体化するおそれがあり、しかも、外観的に重厚さがないという不都合があるため、人の棺と使用する際に改善が望まれていた。
また、従来の木棺においては、剛性や外観の重厚さに何ら問題はないものの、燃焼性において不都合がある。
つまり、現在、二酸化炭素(「CO2」と記載する。)の排出量に関して、世界的に減少させるための取り組みが行われている。
従来の木棺は、約55kg程度の重量があり、灯油やガソリン、軽油、ガスなどからなる燃料において、例えば灯油を使用した1回の火葬に際して二酸化炭素の排出量は、
平均70(灯油・リットル)X2.492(kg−CO2)
=174.44(kg−CO2)
になる。
1年間の二酸化炭素の排出量は、
174.44(kg−CO2)X108万人
=188,395,200(kg−CO2)
=約19万(t−CO2)
になってしまう。
この結果、従来の木棺における二酸化炭素の排出量を低減しつつ、従来の段ボール棺における剛性の劣化や水分吸収による弱体化、そして外観的な重厚さを確保するなどの改善が望まれていた。
この発明の目的は、木棺を組立可能な構造とすることができ、木棺の組立作業性を向上し得るとともに、木棺の軽量化を図り、火葬の際の二酸化炭素の排出量を低減し得る組立可能な軽量木棺を実現することにある。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、棺箱本体と、この棺箱本体の上部開口を覆う蓋部とを備える木棺において、前記棺箱本体は、底面部と、この底面部の長手方向の両側部に夫々取り付けられる第1、第2長手方向壁部と、前記底面部の幅方向の両側部、かつ前記第1、第2長手方向壁部の端部間に夫々取り付けられる第1、第2幅方向壁部とを備え、前記底面部を、長手方向に所定の隙間を現出させるように配置した複数枚の底板材とこれら底板材を支持して所定の強度を確保するために底板材の下面に配設した支持角材とにより形成し、前記第1、第2長手方向壁部の両端部間に係合溝を対峙させて支柱材を配設するとともに、前記第1、第2長手方向壁部に前記棺箱本体の内部空間と外部とを連通する開口部を形成し、前記棺箱本体の組立の際に、前記底面部の支持角材を前記第1、第2長手方向壁面部の下端に係合固定して前記第1、第2長手方向壁面部を立設させ、立設させた第1、第2長手方向壁面部の内面に位置する前記支柱材の係合溝に前記第1、第2幅方向壁面部を係合させて前記棺箱本体を組み立てることを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、棺箱本体と、この棺箱本体の上部開口を覆う蓋部とを備える木棺において、棺箱本体は、底面部と、底面部の長手方向の両側部に夫々取り付けられる第1、第2長手方向壁部と、底面部の幅方向の両側部、かつ第1、第2長手方向壁部の端部間に夫々取り付けられる第1、第2幅方向壁部とを備え、底面部を、長手方向に所定の隙間を現出させるように配置した複数枚の底板材とこれら底板材を支持して所定の強度を確保するために底板材の下面に配設した支持角材とにより形成し、第1、第2長手方向壁部の両端部間に係合溝を対峙させて支柱材を配設するとともに、第1、第2長手方向壁部に棺箱本体の内部空間と外部とを連通する開口部を形成し、棺箱本体の組立の際に、底面部の支持角材を第1、第2長手方向壁面部の下端に係合固定して第1、第2長手方向壁面部を立設させ、立設させた第1、第2長手方向壁面部の内面に位置する支柱材の係合溝に第1、第2幅方向壁面部を係合させて棺箱本体を組み立てる。
従って、木棺を組立可能な構造とすることができ、木棺の組立作業性を向上し得る。
また、木棺を組立可能な構造とする際に、木棺に隙間や開口部を形成することにより、材料使用量を減少させて木棺を軽量化することができるとともに、例えば火葬の際に火炎を木棺の内部に容易に導くことができ、燃料使用量を減少させて二酸化炭素の排出量を低減し得るため、大気汚染への影響を極力減少させることができる。
図1はこの発明の第1実施例を示す木棺の斜視図である。(実施例1) 図2は底面部と第1、第2長手方向壁部との取付状態を示す概略説明図である。(実施例1) 図3は底面部と第1、第2長手方向壁部との構成を示す概略斜視図である。(実施例1) 図4は第1、第2幅方向壁部の斜視図である。(実施例1) 図5は立設させた第1、第2長手方向壁面部の内面の支柱材の係合溝に第1、第2幅方向壁面部を係合させた状態の概略平面図である。(実施例1) 図6は板状部材の接続状態を示す概略図である。(実施例1) 図7はこの第1実施例における変形例を示し、(a)は底面部と第1、第2長手方向壁部との取付状態を示す概略説明図、(b)は底面部と第1、第2長手方向壁部との取付状態を示す概略説明図、(c)は立設させた第1、第2長手方向壁面部の内面の支柱材の係合溝に第1、第2幅方向壁面部を係合させた状態の概略平面図、(d)は第1、第2長手方向壁部と第1、第2幅方向壁面部との接続部位の拡大平面図である。(実施例1) 図8はこの発明の第2実施例を示す底面部と第1、第2長手方向壁部との取付状態を示す概略説明図である。(実施例2) 図9はこの発明の第3実施例を示す第1、第2長手方向壁部の概略拡大斜視図である。(実施例3) 図10は第1、第2長手方向壁部の概略拡大正面図である。(実施例3) 図11はこの発明の第4実施例を示す棺箱本体の斜視図である。(実施例4) 図12は第1、第2長手方向壁部または第1、第2幅方向壁面部の上端部位の概略拡大断面図である。(実施例4) 図13は第1、第2長手方向壁部の概略拡大平面図である。(実施例4) 図14はその他の第1の実施例を示す蓋部の概略斜視図である。 図15はその他の第2の実施例を示す蓋部の概略斜視図である。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図6はこの発明の第1実施例を示すものである。
図1において、1は木製材料からなる木棺である。
なお、棺としては、上記の木棺1や紙製材料からなる段ボール棺なども考えられるが、この発明の実施例においては木棺のみを考えており、その他の材料に関しては考えていない。
しかし、その他の実施例としては、前記木棺1の棺箱本体2のみを木製とし、この棺箱本体2の上部開口3を覆う蓋部4の少なくとも一部をその他の自然素材とする方策も考えられる。
一般的に、前記木棺1は、図1に示す如く、棺箱本体2と、この棺箱本体2の上部開口3を覆う蓋部4とを備えている。
そして、前記木棺1の棺箱本体2は、図1及び図2に示す如く、底面部5と、この底面部5の長手方向の両側部に夫々取り付けられる第1、第2長手方向壁部6、7と、前記底面部5の幅方向の両側部、かつ前記第1、第2長手方向壁部6、7の端部間に夫々取り付けられる第1、第2幅方向壁部8(なお、第2幅方向壁部に関しては、図面上に開示していないため、符号は付していない。)とを備えている。
このとき、前記底面部5を、長手方向に所定の隙間Sを現出させるように配置した複数枚の底板材9と、これら底板材9を支持して所定の強度を確保するために底板材9の下面に配設した支持角材10とにより形成する。
また、前記第1、第2長手方向壁部6、7の両端部間に係合溝11を対峙させて左右の支柱材12、13を配設するとともに、前記第1、第2長手方向壁部6、7に前記棺箱本体2の内部空間と外部とを連通する開口部14を形成する構成とする。
詳述すれば、前記底面部5は、図2及び図3に示す如く、棺箱本体2の底部を形成するものであり、棺箱本体2の長手方向に延びる前記底板材9を所定の隙間Sを空けながら複数枚配置する。
つまり、前記棺箱本体2の幅方向に延びる前記支持角材10の上面に長手方向に所定の隙間Sを現出させるように複数枚の底板材9を配置するものである。
このとき、前記底面部5に底板材9によって隙間Sを形成する際に、底板材9の幅寸法が均一でない場合には、前記底面部5の両端部において隙間Sの寸法が異なることとなるが、隙間Sを形成できるものであれば対応は可能であり、この発明の要点から逸脱するものではない。
しかも、「隙間S」という用語を使用したが、1部材が途中で分岐する形状の場合や、2部材の一端は接触ししているが2部材の他端が離間している場合には、「隙間S」を「スリット」と換言することも可能である。
なお、前記支持角材10の上面の所定位置に前記底板材9を固定する際には、前記木棺1という使用目的を鑑み、金属製の釘やボルトなどを使用せず、天然素材のニベなどの接着剤や木くぎ、木製くさびなどの木製材料を使用した木製固定具からなる固定方策を採用する。
また、前記第1、第2長手方向壁部6、7は、図2及び図3、図5に示す如く、前記棺箱本体2の長手方向に延びる複数枚の壁板材15aを上下方向に積層した壁面15と、この壁面15の端部近傍において、上下方向に延びて複数枚の壁板材15aを支持するように配置して一体的に形成した左右の前記支柱材12、13とからなる。
このとき、左右の前記支柱材12、13には、上下方向に延びる係合溝11を夫々形成し、左右の前記支柱材12、13の係合溝11を対峙させるように配置する。
そして、前記第1、第2長手方向壁部6、7の壁面15を形成する際には、複数枚の壁板材15aを単に上下方向に積層することも可能であるが、図6に示す如く、壁板材15aの縁部に凹部16や凸部17を形成する接続積層方策以外にも、切欠きを形成して係合させるなどの公知の接続積層方策を採用することが可能である。
なお、上記の接続積層方策の際に、天然素材を使用した木製固定具からなる接着剤や木製材料からなる固定方策を併用することも可能である。
また、前記壁面15の端部近傍に上下方向に延びる左右の前記支柱材12、13を配置する際には、天然素材からなる接着剤や木製材料を使用した木製固定具からなる固定方策を採用する。
そして、左右の前記支柱材12、13の下部には、図2に示す如く、前記底面部5の支持角材10の端部を係合させるために、係合凹部18、19を夫々形成する。
なお、前記支柱材12、13の下部に前記底面部5の支持角材10の端部を係合させる方策としては、上述した係合方策のみでなく、図7(a)に示す如く、天然素材からなる接着剤を使用したダボ接続や、図7(b)に示す如く、左右の前記支柱材12、13の下部にホゾ穴20を形成して接続する方策などを採用することが可能である。
そして、前記底面部5の角部などにおいて、図7(b)に示す前記支柱材12、13の下部にホゾ穴20を形成して接続する方策を採用すれば、前記木棺1の底面部5の底面部位を面一状態とすることができ、前記木棺1の搬送時や載置作業時の使い勝手の向上に寄与し得る。
更に、前記壁面15に上下方向に延びる左右の前記支柱材12、13を配置する際に、図7(c)に示す如く、前記支柱材12、13を壁面15の端部と面一状態に配置する。さすれば、前記支柱材12、13の係合溝11に前記第1、第2幅方向壁部8を嵌め込んだ際に、壁面15の端部と第1、第2幅方向壁部8との段差を極力減少させることができる。しかも、第1、第2幅方向壁部8の表面に外壁装飾材21を取り付けて段差を解消する方策とすることも可能である。
更にまた、前記第1、第2長手方向壁部6、7は、上下方向に延びるように前記壁面15の端部近傍に配置される前記支柱材12、13によって剛性が確保されているが、より剛性を確保する構成とする場合には、前記第1長手方向壁部6または前記第2長手方向壁部7の両端に位置する支柱材間に前記壁面15の上下方向に延びる補助材(図示せず)を必要本数だけ配置することも可能である。
また、前記木棺1の棺箱本体2において、コーナー部分の強度向上を図る際には、図7(d)に示す如く、前記第1、第2長手方向壁部6、7と前記第1、第2幅方向壁部8とを接続した部分の外側にコーナー材22を追加配設して、コーナー部分の強度向上を図ることも可能である。
前記第1、第2幅方向壁部8は、図4に示す如く、前記棺箱本体2の幅方向に延びる複数枚の壁板材23を上下方向に積層した壁面24と、この壁面24の背面、つまり前記棺箱本体2の内側において、上下方向に延びて複数枚の壁板材23を支持するように配置して一体的に形成した複数本の支持用角材25とからなる。
このとき、前記第1、第2幅方向壁部8の壁面24を形成する際には、複数枚の壁板材23を単に上下方向に積層することも可能であるが、前記第1、第2長手方向壁部6、7の壁面15を形成する際に説明したように、接続積層方策の際に、天然素材からなる接着剤や木製材料からなる固定方策を併用することも可能である。
更に、前記第1、第2長手方向壁部6、7に形成される前記開口部14は、図1に示す如く、第1、第2長手方向壁部6、7の所定の高さ位置、あるいは任意の高さ位置において、複数個形成する。
このとき、前記開口部14の形成に際しては、個数の設定や高さ位置を変更することが可能であるとともに、単なる円形状のみでなく、楕円形や三角以上の多角形とすることも可能である。
また、前記開口部14の大きさにおいては、均一とする以外に、大小混合させる方策も考えられる。
更に、前記開口部14においては、外部から前記棺箱本体2の内部空間に到達するまで均一の大きさとすることもできるが、外部から前記棺箱本体2の内部空間に向かって漸次拡大する状態、あるいは外部から前記棺箱本体2の内部空間に向かって漸次縮小する状態とすることも可能である。
更にまた、前記開口部14の形成位置に際しては、形成作業の便宜上、前記第1、第2長手方向壁部6、7の壁板材15a間に形成することが容易であるが、壁板材15aに穿孔する方策とすることも可能である。
また、前記第1、第2長手方向壁部6、7の両端部間に配設した左右の支柱材12、13において、これらの支柱材12、13の係合溝11を対峙させて配設し、この係合溝11に前記第1、第2幅方向壁面部8を係合させる構成としたが、部材の係合方策においては、上記の係合溝11に関わらず、双方を凹凸状に削り込んだ組継ぎや、簡単には抜けないようにホゾの先を根元より広くした凹凸を作り込んだ蟻形組継ぎなどの方策を利用することも可能である。
次に作用を説明する。
前記木棺1の組み立てに際しては、前記底面部5や第1、第2長手方向壁部6、7、第1、第2幅方向壁部8の全てを、部材から現地にて組み立てることも可能である。
しかし、この第1実施例においては、前記底面部5や第1、第2長手方向壁部6、7、第1、第2幅方向壁部8の構成を、上記の構成部分にて既に説明しているため、各部の形成についてのここでの説明は省略する。
よって、前記蓋部4と底面部5と、第1、第2長手方向壁部6、7と、第1、第2幅方向壁部8とを予め形成しておき、現地にて組み立てる作業工程について説明する。
まず、前記木棺1の棺箱本体2を組み立てる際には、前記底面部5の支持角材10の両端部を、図2に示す如く、前記第1、第2長手方向壁面部6、7の支柱材12、13の下部に形成される係合凹部18、19に差し込むように係合させ、第1、第2長手方向壁面部6、7を立設させる。
そして、立設させた第1、第2長手方向壁面部6、7の内面に位置する前記支柱材12、13の係合溝11に、図3〜図5に示す如く、前記第1、第2幅方向壁面部8を係合させて前記棺箱本体2を組み立てる。
また、この棺箱本体2を組み立てた後に、棺箱本体2の上部開口3を前記蓋部4にて覆うことにより、図1に示す如く、前記木棺1の組立作業が完了する。
これにより、前記棺箱本体2と、この棺箱本体2の上部開口3を覆う蓋部4とを備える木棺1において、棺箱本体2は、底面部5と、底面部5の長手方向の両側部に夫々取り付けられる第1、第2長手方向壁部6、7と、底面部5の幅方向の両側部、かつ第1、第2長手方向壁部6、7の端部間に夫々取り付けられる第1、第2幅方向壁部8とを備え、底面部5を、長手方向に所定の隙間Sを現出させるように配置した複数枚の底板材9とこれら底板材9を支持して所定の強度を確保するために底板材9の下面に配設した支持角材10とにより形成し、第1、第2長手方向壁部6、7の両端部間に係合溝11を対峙させて支柱材12、13を配設するとともに、第1、第2長手方向壁部6、7に棺箱本体2の内部空間と外部とを連通する開口部14を形成し、棺箱本体2の組立の際に、底面部5の支持角材10を第1、第2長手方向壁面部6、7の下端に係合固定して第1、第2長手方向壁面部6、7を立設させ、立設させた第1、第2長手方向壁面部6、7の内面に位置する支柱材12、13の係合溝11に第1、第2幅方向壁面部8を係合させて棺箱本体2を組み立てる。
従って、前記木棺1を組立可能な構造とすることができ、現場にて木棺1の組立作業が可能なため、木棺1の組立作業性を向上し得るとともに、組立前の部材の搬送作業も容易となるものである。
また、前記木棺1を組立可能な構造とする際に、木棺1の棺箱本体2に隙間Sや開口部14を形成することにより、材料使用量を減少させて木棺1を軽量化することができる。
更に、例えば火葬の際には、前記木棺1を従来の55kgから約26kg程度まで軽量化できるとともに、前記隙間Sや前記開口部14によって火炎を前記木棺1の内部に容易に導くことができることにより、燃焼状態を良好とすることができ、灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減して燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得るため、大気汚染への影響を極力減少させることができる。
図8はこの発明の第2実施例を示すものである。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
この第2実施例の特徴とするところは、前記木棺1の棺箱本体2の第1、第2長手方向壁面部6、7の構成を変更した点にある。
すなわち、上述第1実施例においては、前記木棺1の棺箱本体2の第1、第2長手方向壁面部6、7を、前記棺箱本体2の長手方向に延びる複数枚の壁板材15aを上下方向に積層した壁面15と、この壁面15の端部近傍において、上下方向に延びて複数枚の壁板材15aを支持するように配置して一体的に形成した左右の前記支柱材12、13とによって形成していた。
このとき、前記第1、第2長手方向壁部6、7の両端部間、つまり内側面部位に係合溝11を対峙させて左右の支柱材12、13を配設する構成としていた。
これに対して、第2実施例においては、図8に示す如く、複数枚の壁板材11を上下方向に積層した壁面15と、この壁面15の端部近傍、かつ外側面部位に係合溝31を対峙させて左右の支柱材32、33を配設し、第1、第2長手方向壁面部34、35を形成する構成とするものである。
このとき、前記支柱材32、33に対して壁面15の端部を係合溝31まで到達しない程度の長さとすれば、対応可能である。
なお、前記棺箱本体2の長手方向に所定の隙間Sを現出させるように配置した複数枚の底板材9と、これら底板材9を支持して所定の強度を確保するために底板材9の下面に配設した支持角材10とにより形成される前記底面部5の構成はそのまま使用する。
さすれば、前記支柱材32、33の一部が前記壁面15から外方向に突出した前記木棺の棺箱本体2の第1、第2長手方向壁面部34、35とすることができることにより、前記木棺の外観の変更によって一種独特な外的美観を醸し出すことができるとともに、前記木棺の棺箱本体2の強度を前記支柱材32、33によって維持しつつ、前記木棺の棺箱本体2内の凹凸状態を解消でき、木棺の使い勝手の向上に寄与し得る。
また、上述第1実施例と同様に、前記木棺を組立可能な構造とすることができ、現場にて木棺の組立作業が可能なため、木棺の組立作業性を向上し得るとともに、組立前の部材の搬送作業も容易となるものである。
更に、前記木棺を組立可能な構造とする際に、上述第1実施例と同様に、木棺の棺箱本体2に隙間Sや開口部を形成することにより、材料使用量を減少させて木棺を軽量化することができる。
更にまた、上述第1実施例と同様に、例えば火葬の際には、前記木棺を従来の55kgから約26kg程度まで軽量化できるとともに、前記隙間Sや前記開口部によって火炎を前記木棺の内部に容易に導くことができることにより、燃焼状態を良好とすることができ、灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減して燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得るため、大気汚染への影響を極力減少させることができる。
図9及び図10はこの発明の第3実施例を示すものである。
この第3実施例の特徴とするところは、前記木棺の棺箱本体において、第1、第2長手方向壁部や第1、第2幅方向壁部を形成する際に、短尺の板状部材41の使用可能な構成とした点にある。
すなわち、第1、第2長手方向壁部や第1、第2幅方向壁部において、例えば、第1、第2長手方向壁部42、43を形成する際に、図9に示す如く、所定間隔(例えば、約30cm程度。)毎に断面H状の補強用リブ44を配設し、この補強用リブ44間に係合溝45を利用して短尺の前記板状部材41を差し込むものである。
さすれば、前記補強用リブ44間の寸法を有する木材であれば使用することができるため、長さや幅寸法の小さい間伐材を使用することが可能となり、木材の有効利用に寄与し得るものである。
また、前記補強用リブ44間に短尺の前記板状部材41を差し込む際に、木材の種類や木目の方向を合致させる構成のみでなく、前記補強用リブ44間に、あえて木材の種類や木目の方向を合致させずに、例えば2種類の板状部材41−1、41−2を差し込むことにより、図10に示す如く、寄せ木細工のような外観とすることも可能である。
更に、上述第1及び第2実施例と同様に、前記木棺を組立可能な構造とすることができ、現場にて木棺の組立作業が可能なため、木棺の組立作業性を向上し得るとともに、組立前の部材の搬送作業も容易となるものである。
更にまた、前記木棺を組立可能な構造とする際に、上述第1及び第2実施例と同様に、木棺の棺箱本体に隙間や開口部を形成することにより、材料使用量を減少させて木棺を軽量化することができる。
また、上述第1及び第2実施例と同様に、例えば火葬の際には、前記木棺を従来よりも軽量化できるとともに、前記隙間や前記開口部によって火炎を前記木棺の内部に容易に導くことができることにより、燃焼状態を良好とすることができ、灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減して燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得るため、大気汚染への影響を極力減少させることができる。
図11〜図13はこの発明の第4実施例を示すものである。
この第4実施例の特徴とするところは、前記木棺1を形成する際に、棺箱本体51を二重壁材構造とした点にある。
すなわち、前記棺箱本体51の第1、第2長手方向壁部52、53や第1、第2幅方向壁部54、55を形成する際に、図11に示す如く、これらの第1、第2長手方向壁部52、53及び第1、第2幅方向壁部54、55を二重壁材構造とするものである。
つまり、例えば、第1長手方向壁部52を形成する際には、図12に示す如く、第1長手方向壁部52を複数枚の板材を積層して一体的に形成した内壁面部56と、この内壁面部56と同様に、複数枚の板材を積層して一体的に形成した外壁装飾面部57と、前記内壁面部56と外壁装飾面部57との上端を閉塞する天板部58とにより構成する。
また、前記内壁面部56と外壁装飾面部57とにより囲まれる内部においては、図13に示す如く、内壁面部56と外壁装飾面部57とを複数箇所において接続する補助用部材59を配設する。
なお、前記棺箱本体51において、隙間(図示せず)や開口部60を形成する構成は、上述第1実施例のものをそのまま使用する。
このとき、例えば、第1長手方向壁部52に開口部60を形成する際には、前記内壁面部56に内壁開口部60−1と前記外壁装飾面部57に外壁開口部60−2とを形成する必要があり、前記内壁面部56の内壁開口部60−1と前記外壁装飾面部57の外壁開口部60−2との形成位置を合致させることも可能であるが、図13に示す如く、前記内壁面部56の内壁開口部60−1と前記外壁装飾面部57の外壁開口部60−2との形成位置を合致させない構成とすることも可能である。
さすれば、前記棺箱本体51の第1、第2長手方向壁部52、53や第1、第2幅方向壁部54、55を形成する際に、従来厚みのある材料を使用していた部分を二重壁材構造とすることができることにより、前記内壁面部56と比較して、前記外壁装飾面部57のみに高級木材を使用することができ、前記棺箱本体51の軽量化及び前記棺箱本体51の外観の向上、そしてコストの低減に寄与し得るものである。
また、上述第1〜第3実施例と同様に、前記木棺を組立可能な構造とすることができ、現場にて木棺の組立作業が可能なため、木棺の組立作業性を向上し得るとともに、組立前の部材の搬送作業も容易となるものである。
更に、前記木棺を組立可能な構造とする際に、前記棺箱本体51の二重壁材構造による軽量化のみでなく、上述第1〜第3実施例と同様に、棺箱本体51に隙間や開口部60、つまり内壁開口部60−1及び外壁開口部60−2を形成することにより、材料使用量を減少させて木棺を軽量化することができる。
更にまた、上述第1〜第3実施例と同様に、例えば火葬の際には、前記木棺を従来よりも軽量化できるとともに、前記隙間や前記開口部60によって火炎を前記木棺の内部に容易に導くことができることにより、燃焼状態を良好とすることができ、灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減して燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得るため、大気汚染への影響を極力減少させることができる。
なお、この発明は上述第1〜第4実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
例えば、この発明の第1実施例においては、前記木棺の棺箱本体において、前記底面部に隙間を形成する構成、及び前記第1、第2長手方向壁部に開口部を形成する構成としたが、その他の箇所に前記隙間や前記開口部を形成する特別構成とすることも可能である。
すなわち、前記木棺には、棺箱本体のみでなく、蓋部も含まれている。
そして、木棺の外観の低下が進まない箇所であれば、前記隙間や前記開口部の形成箇所として適宜検討することが可能である。
このため、前記隙間においては、前記木棺の棺箱本体の底面部のみでなく、第1、第2長手方向壁部や第1、第2幅方向壁面部、あるいは蓋部に形成することも可能である。
また、前記開口部においては、前記木棺の棺箱本体の第1、第2長手方向壁部のみでなく、第1、第2幅方向壁面部や底面部、あるいは蓋部に形成することも可能である。
さすれば、前記隙間や前記開口部の形成箇所、あるいは前記隙間や前記開口部の形成数量によって、材料使用量の減少に寄与して木棺を軽量化することができる一方、前記隙間や前記開口部の形成数量が増加すれば、火葬の際に火炎を前記木棺の内部に容易に導くことができ、燃焼状態を良好として灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減でき、燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得て、大気汚染への影響を減少させることができる。
また、この発明の第1〜第4実施例においては、前記木棺1の蓋部4に関する構成の変更については説明していないが、蓋部の構成を変更する特別構成とすることも可能である。
すなわち、蓋部71を、図14に示す如く、平板状に形成するものである。
このとき、蓋部71を、外周部位の枠体72と、この枠体72の内側に溝などの凹凸係合を利用してはめ込まれる複数枚の平板状蓋部材73とにより形成する。
さすれば、前記蓋部71をきわめて簡略な構成とすることができることにより、材料使用量の減少に寄与して木棺全体を軽量化でき、火葬の際の灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減でき、燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得て、大気汚染への影響を減少させることができる。
更に、この発明の実施例においては、前記木棺1、つまり、棺箱本体2と蓋部4との両方の全てを木製とする構成としたが、木棺の一部に自然素材を使用する特別構成とすることも可能である。
すなわち、例えば、蓋部81において、図15に示す如く、蓋部81の全体の骨格部分を木製の枠体82にて形成するとともに、蓋部81の幅方向部分も木製の立ち上がり部83にて形成する。
そして、前記枠体82の上面部位を、例えば和紙や布、不織布などの自然素材84にて覆い、前記蓋部81を形成するものである。
さすれば、前記木棺、例えば蓋部81の一部に自然素材84を使用することにより、木製材料の使用量が減少され、木棺をより一層軽量化することができ、火葬の際の灯油やガソリン、軽油、ガスなどの燃料の使用量を低減でき、燃焼時の二酸化炭素の排出量を低減し得て、大気汚染への影響を減少させることができる。
1 木棺
2 棺箱本体
3 上部開口
4 蓋部
5 底面部
6、7 第1、第2長手方向壁部
8 第1幅方向壁部
S 隙間
9 底板材
10 支持角材
11 係合溝
12、13 支柱材
14 開口部
15 壁面
16 凹部
17 凸部
18、19 係合凹部
20 ホゾ穴
21 外壁装飾材
22 コーナー材
23 壁板材
24 壁面
25 支持用角材

Claims (1)

  1. 棺箱本体と、この棺箱本体の上部開口を覆う蓋部とを備える木棺において、前記棺箱本体は、底面部と、この底面部の長手方向の両側部に夫々取り付けられる第1、第2長手方向壁部と、前記底面部の幅方向の両側部、かつ前記第1、第2長手方向壁部の端部間に夫々取り付けられる第1、第2幅方向壁部とを備え、前記底面部を、長手方向に所定の隙間を現出させるように配置した複数枚の底板材とこれら底板材を支持して所定の強度を確保するために底板材の下面に配設した支持角材とにより形成し、前記第1、第2長手方向壁部の両端部間に係合溝を対峙させて支柱材を配設するとともに、前記第1、第2長手方向壁部に前記棺箱本体の内部空間と外部とを連通する開口部を形成し、前記棺箱本体の組立の際に、前記底面部の支持角材を前記第1、第2長手方向壁面部の下端に係合固定して前記第1、第2長手方向壁面部を立設させ、立設させた第1、第2長手方向壁面部の内面に位置する前記支柱材の係合溝に前記第1、第2幅方向壁面部を係合させて前記棺箱本体を組み立てることを特徴とする組立可能な軽量木棺。
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