JP2010263764A - 電機における固定子及び固定子製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アウターコイル14及びインナーコイル15は、所定の形状に予め整形されている。アウターコイル14の挿入部18,19には絶縁シート17が接着剤を用いて止着されている。絶縁シート17には一対の相間絶縁部171,172が一体形成されている。相間絶縁部171,172は、インナーコイル15のコイルエンド24,25の渡り部243,253と、アウターコイル14のコイルエンド20,21の起立部201(又は起立部202),211(又は起立部212)との間に配置されるように折り曲げられている。インナーコイル15の挿入部22,23にはスロット絶縁シート26が接着剤を用いて止着されている。
【選択図】図4
Description
特許文献1では、電線束(例えば回転電機におけるコイル等)を絶縁シートで包囲し、さらに該絶縁シートの周囲を絶縁テープで巻く構成が開示されている。
本発明は、電機の固定子に用いられる絶縁シートがずれたり、破損したりするのを防止することを目的とする。
好適な例では、前記絶縁被覆領域は、前記スロット内に挿入された前記コイルの挿入部の周面、又は前記コイルのコイルエンドの表面のうちの少なくとも一方である。
好適な例では、前記電機は、環状のステータコアを有する回転電機である。
好適な例では、前記コイルエンドに前記渡り部及び前記起立部が形成された後の前記アウターコイル及び前記コイルエンドに前記渡り部が形成された後の前記インナーコイルが前記ステータコアに組み込んである。
好適な例では、前記絶縁シートは、前記コイルエンドの渡り部に巻き付けられるバンドを備えている。
請求項12及び請求項13の本発明は、ステータコアにティースが複数配列されており、環状に整形された後の複数のコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記複数のコイルを被覆する絶縁シートが設けられている電機における固定子製造方法を対象とし、請求項12の発明では、前記絶縁シートを前記コイルの絶縁被覆領域に応じた外形形状に形成する絶縁シート形成工程と、前記絶縁シートを前記コイルの絶縁被覆領域に装着する装着工程と、前記絶縁シートを装着した前記コイルを前記スロットに組み込む組み込み工程とを備える。
図1に示すように、回転電機Mを構成する固定子11は、環状のステータコア12と、ステータコア12の内周に複数配列されたティース13A,13B,13C間のスロット121に組み込まれたアウターコイル14と、スロット121に組み込まれたインナーコイル15とを備えている。16は、環状の固定子11の環内に配置されたロータである。本実施形態では、スロット121の個数は、24個である。
アウターコイル14は、一対のスロット121に挿入される一対の挿入部18,19と、スロット121から外にはみ出る一対のコイルエンド20,21とを備えた環状形状に予め整形されている。同様に、インナーコイル15は、一対のスロット121に挿入される一対の挿入部22,23と、スロット121から外にはみ出る一対のコイルエンド24,25とを備えた環状形状に予め整形されている。ここにおける環状は、丸い形状に限定されない。
絶縁シート17は、図6(a)に示すように予め所定の外形形状に形成されており、スロット絶縁シート26は、図6(b)に示すように予め所定の外形形状に形成されている。この形成工程は、絶縁シート17,26をコイル14,15の絶縁被覆領域に応じた外形形状に形成する絶縁シート形成工程である。
次に、図5(b)に示すように絶縁シート17が挿入部18,19を包囲するように折り曲げられて挿入部18,19に接着剤を用いて止着される。この止着工程は、アウターコイル14の絶縁被覆領域を被覆するように、アウターコイル14の絶縁被覆領域に応じた外形形状に予め形成された絶縁シート17(第1絶縁シート)をアウターコイル14に装着する第1装着工程である。図6(a)は、平面シート形状の絶縁シート17Aと、平面シート形状の絶縁シート17Aを折り曲げた状態の絶縁シート17とを示す。
(1)アウターコイル14は、予め所定の形状に整形されており、所定の形状に整形されたアウターコイル14をステータコア12に組み付ける前に平面シート形状の絶縁シート17Aを折り曲げて形成される絶縁シート17がアウターコイル14の絶縁被覆領域を被覆するようにアウターコイル14に止着される。同様に、インナーコイル15は、予め所定の形状に整形されており、所定の形状に整形されたインナーコイル15をステータコア12に組み付ける前に平面シート形状のスロット絶縁シート26Aを折り曲げて形成されるスロット絶縁シート26がインナーコイル15の絶縁被覆領域を被覆するようにインナーコイル15に止着される。アウターコイル14を所定の形状に整形する前に絶縁シートを巻くことはしていないため、絶縁シート17がアウターコイル14に対してずれたり、絶縁シート17が破損したりすることはない。又、アウターコイル14がステータコア12に対して組み付け中に変形されたり、アウターコイル14がステータコア12に対して組み付けられた後にコイルエンド20,21が整形されることはないため、絶縁シート17がアウターコイル14に対してずれたり、絶縁シート17が破損したりすることはない。同様に、インナーコイル15を所定の形状に整形する前に絶縁シートを巻くことはしていないため、絶縁シート26がインナーコイル15に対してずれたり、絶縁シート26が破損したりすることはない。又、インナーコイル15がステータコア12に対して組み付け中に変形されたり、インナーコイル15がステータコア12に対して組み付けられた後にコイルエンド24,25が整形されることはないため、スロット絶縁シート26がインナーコイル15に対してずれたり、スロット絶縁シート26が破損したりすることはない。
図10(a)に示すように、アウターコイル14の挿入部18,19にはスロット絶縁シート27が挿入部18,19を被覆するように折り曲げて接着剤を用いて止着されている。図10(b)に示すように、インナーコイル15の挿入部22,23にはスロット絶縁シート26が挿入部22,23を被覆するように折り曲げて接着剤を用いて止着されている。スロット絶縁シート27の端部にはカフス部271,272が折り曲げ形成されており、スロット絶縁シート26の端部にはカフス部261,262が折り曲げ形成されている。カフス部271,261の折り曲げ先端は、ステータコア12の一方の端面に係合されており、カフス部272,262の折り曲げ先端は、ステータコア12の他方の端面に係合されている。ステータコア12の端面に係合するカフス部271,272,261,262は、スロット121内でのステータコア12に対する絶縁シート27,26の軸線L方向へのずれを防止する。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○集中巻きの回転電機に本発明を適用してもよい。
○第2の実施形態において、スロット絶縁シート27と相間絶縁シート28とを一体形成してもよい。
○片面に樹脂が塗布された絶縁紙をコイルに巻き、熱で硬化させても良い。従来は絶縁紙を熱で硬化させて固着させる際に、ステータ全体を熱処理する必要があったが、上記実施形態のように、コイルをスロットに入れる前にコイルに絶縁紙を巻く方法であれば、コイルを熱処理するだけですむ。
○絶縁紙を両面テープで貼り付けても良い。
○接着剤等により絶縁紙をコイルに対して完全に動かないように固定することには限定されず、絶縁紙をコイルに巻きつけるだけであっても良い。
○回転型の電動機(回転電機)である代わりに、リニアモーターのような直線型の電動機であっても良い。
Claims (13)
- ステータコアにティースが複数配列されており、環状に整形された後の複数のコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記複数のコイルを被覆する絶縁シートが設けられている電機における固定子において、
前記絶縁シートは、前記コイルの絶縁被覆領域に応じた外形形状に予め形成されており、
前記絶縁シートは、前記コイルの絶縁被覆領域を被覆するように前記コイルに装着されている電機における固定子。 - 前記絶縁シートは、前記コイルの絶縁被覆領域に応じた外形形状に予め形成された平面シートを折り曲げ又は湾曲のうちの少なくとも一方を行なうことで前記絶縁被覆領域を被覆している請求項1に記載の電機における固定子。
- 前記電機は、前記コイルを分布巻きした分布巻き電動機である請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- 前記絶縁被覆領域は、前記スロット内に挿入された前記コイルの挿入部の周面、又は前記コイルのコイルエンドの表面のうちの少なくとも一方である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- 前記絶縁シートは、前記複数のコイルのコイルエンド間の相間の絶縁と、前記スロット内で前記コイルと前記ステータコアとの間の絶縁のうちの少なくとも一方を行なう請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- 前記絶縁シートは、相間の絶縁を行なうための相間絶縁部と、前記スロット内で前記コイルと前記ステータコアとの間の絶縁を行なうためのスロット絶縁部との両方を一体的に備えている請求項5に記載の電機における固定子。
- 前記電機は、環状のステータコアを有する回転電機である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- 前記コイルは、前記環状のステータコアの周方向に交互に配置されるアウターコイルとインナーコイルとからなり、前記アウターコイルのコイルエンドは、前記環状のステータコアの半径方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置された渡り部と、前記渡り部の両端部から前記ステータコアの半径方向において内側に延出した起立部とを備えており、前記インナーコイルのコイルエンドは、隣り合う一対のアウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部を備えており、前記絶縁シートは、前記アウターコイルに装着されており、前記相間絶縁部は、前記インナーコイルのコイルエンドの渡り部と前記アウターコイルのコイルエンドの起立部との間に介在されている請求項7に記載の電機における固定子。
- 前記コイルは、前記環状のステータコアの周方向に交互に配置されるアウターコイルとインナーコイルとからなり、前記アウターコイルのコイルエンドは、前記環状のステータコアの半径方向において前記インナーコイルのコイルエンドよりも外側に配置された渡り部と、前記渡り部の両端部から前記ステータコアの半径方向において内側に延出した起立部とを備えており、前記インナーコイルのコイルエンドは、隣り合う一対のアウターコイルのコイルエンドの起立部を跨ぐ渡り部を備えており、前記絶縁シートは、前記インナーコイルに装着されており、前記絶縁シートは、前記インナーコイルのコイルエンドの渡り部の内側と前記アウターコイルのコイルエンドの起立部との間に介在されている請求項7に記載の電機における固定子。
- 前記コイルエンドに前記渡り部及び前記起立部が形成された後の前記アウターコイル及び前記コイルエンドに前記渡り部が形成された後の前記インナーコイルが前記ステータコアに組み込んである請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- 前記絶縁シートは、前記コイルエンドの渡り部に巻き付けられるバンドを備えている請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の電機における固定子。
- ステータコアにティースが複数配列されており、環状に整形された後の複数のコイルが前記複数のティース間のスロットに組み込まれており、前記複数のコイルを被覆する絶縁シートが設けられている電機における固定子製造方法において、
前記絶縁シートを前記コイルの絶縁被覆領域に応じた外形形状に形成する絶縁シート形成工程と、
前記絶縁シートを前記コイルの絶縁被覆領域に装着する装着工程と、
前記絶縁シートを装着した前記コイルを前記スロットに組み込む組み込み工程とを備える電機における固定子製造方法。 - 前記ステータコアは環状に形成され、
前記コイルは、前記環状のステータコアの周方向に交互に配置されるアウターコイルとインナーコイルとからなり、前記絶縁シートは、前記アウターコイルのコイルエンドと前記インナーコイルのコイルエンドとの間の相間の絶縁を行なうための相間絶縁シート、前記スロット内で前記アウターコイルと前記ステータコアとの間の絶縁を行なうための第1絶縁シート、及び前記スロット内で前記インナーコイルと前記ステータコアとの間の絶縁を行なうための第2絶縁シートであり、
前記装着工程は、前記アウターコイルの絶縁被覆領域を被覆するように、該絶縁被覆領域に応じた外形形状に予め形成された前記第1絶縁シートと前記相間絶縁シートとを前記アウターコイルに装着する第1装着工程と、前記インナーコイルの絶縁被覆領域を被覆するように、該絶縁被覆領域に応じた外形形状に予め形成された前記第2絶縁シートを前記インナーコイルに装着する第2装着工程とであり、
前記組み込み工程は、前記第1絶縁シート及び前記相間絶縁シートを止着した前記アウターコイルを前記スロットに組み込む第1組み込み工程と、前記第1組み込み工程後に、前記インナーコイルのコイルエンドの渡り部が隣り合う一対の前記アウターコイルのコイルエンドの少なくとも一部を跨ぐように、前記第2絶縁シートを止着した前記インナーコイルを前記スロットに組み込む第2組み込み工程とであり、
前記第1絶縁シートは、前記インナーコイルのコイルエンドの渡り部と前記アウターコイルのコイルエンドの少なくとも前記一部との間に介在される請求項12に記載の電機における固定子製造方法。
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