JP2010261849A - 電子表示媒体の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射型の電子表示媒体の視認性について、広い範囲の照明環境についての視認性を客観的に評価することのできる電子表示媒体の評価方法の提供。
【解決手段】 電子表示媒体の評価方法は、反射型の電子表示媒体上に表示された、少なくとも最高反射率の画像部分および最低反射率の画像部分が含まれるパターン画像について、照明した状態における前記最高反射率の画像部分に係る反射率および前記最低反射率の画像部分に係る反射率を取得し、これらの値からコントラストC1 を算出するコントラスト算出処理を、照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC1 との関係が、関係式(1):logC1 ≧2.61×[logE]^(−0.716)を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射型の電子表示媒体の視認性を評価するための電子表示媒体の評価方法に関する。
近年、地球温暖化に伴い、低消費電力の表示デバイスが求められている。その中で、発光部材を用いないメモリ性のある反射型の電子表示媒体である電子ペーパーは、電子書籍端末や携帯電話の表示パネル、電子棚札などいろいろな場所で使用され始めてきている。
このような反射型の電子表示媒体は、持ち運びに便利であり、保存性が良好であるなどのハードコピーの特長を持ちながら、ソフトコピーの特長、すなわち同一の表示画面において繰り返し書き換えが可能であり、デジタル情報との統合性を有し、さらに画像保持のための電力を要さないために省エネルギー化が図られるという特長を併せ持ち、理想的な媒体とも言える。
また、このような反射型の電子表示媒体は、紙などに印刷されたハードコピーと同様に、ユーザーが好む場所で自由な姿勢で見ることができ、加えて、発光型の電子表示媒体とは異なり長時間見続けたとしても視覚的な疲労が少なく、ユーザーにとって精神的および肉体的に優しい表示媒体である。
ところで、電子表示媒体は、ユーザーが好む場所で自由な姿勢で見ることができる反面、自ら発光するものではないために当該電子表示媒体上の明るさ、具体的にはユーザーの周囲の明るさによって見やすさが異なり、見にくい場合はユーザーに疲労感が生じることもある。
周囲の明るさによって見やすさが異なる理由は、ヒトの目には、主に明るい環境において機能する錐体細胞と、主に暗い環境において機能する桿体細胞という2種類の視細胞が存在しているところ、それぞれの視細胞の視感度の特性が異なるためである。また、錐体細胞および桿体細胞の働きには個人差があるため、人によっても、または同一人物であってもその時の体調などによってもその見やすさが異なる。
一方、発光型の液晶ディスプレイやPDP(プラズマディスプレイパネル)などの発光型の電子表示媒体の見やすさは、従来から、放射輝度から算出されたコントラストを指標として用いてきた。そのため、メモリ性のある反射型の電子表示媒体においても、その見やすさの指標として反射率から算出したコントラストが用いられてきた(例えば、特許文献1および2参照。)。また、視野角という視点から、異なる観察角度ごとのコントラストの評価も行われている(例えば、特許文献3参照。)。これらの評価においては一定の照明環境におけるコントラストとして評価がなされている。
しかしながら、反射型の電子表示媒体、特にハンディタイプのものは、ユーザーがどのような照度の照明環境において用いるかによってその見やすさは異なるところ、そのような観点からの見やすさについての検討は、十分にはなされていないのが現状である。
特開2001−242492号公報 特開2008−209656号公報 特開2005−114821号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、反射型の電子表示媒体の視認性について、広い範囲の照明環境についての視認性を客観的に評価することのできる電子表示媒体の評価方法を提供することにある。
本発明の電子表示媒体の評価方法は、反射型の電子表示媒体上に表示された、少なくとも当該電子表示媒体によって表示することのできる最高の反射率を有する画像部分および、当該電子表示媒体によって表示することのできる最低の反射率を有する画像部分が含まれるパターン画像について、照明した状態における前記最高の反射率を有する画像部分に係る反射率および前記最低の反射率を有する画像部分に係る反射率を取得し、これらの値からコントラストC1 を算出するコントラスト算出処理を、
前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、
各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC1 との関係が、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする。
関係式(1):logC1 ≧2.61×[logE]^(−0.716)
本発明の電子表示媒体の評価方法においては、前記電子表示媒体上の画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eを調整することが好ましい。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法においては、コントラストC1 を算出するために取得される前記最高の反射率を有する画像部分に係る反射率、および前記最低の反射率を有する画像部分に係る反射率が、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものであることが好ましい。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法においては、前記分光吸収分布に基づいて演算されることにより取得される反射率が、波長に対して積算して算出された積算反射率であることが好ましい。
本発明の電子表示媒体の評価方法は、反射型の電子表示媒体上に表示された、少なくとも当該電子表示媒体によって表示することのできる最高の濃度を有する画像部分および、当該電子表示媒体によって表示することのできる最低の濃度を有する画像部分が含まれるパターン画像について、照明した状態における前記最高の濃度を有する画像部分に係る濃度および前記最低の濃度を有する画像部分に係る濃度を取得し、これらの値からコントラストC2 を算出するコントラスト算出処理を、
前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、
各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC2 との関係が、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする。
関係式(2):C2 ≧12.2×[logE]^(−1.50)
本発明の電子表示媒体の評価方法においては、前記電子表示媒体上の画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eを調整することが好ましい。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法においては、コントラストC2 を算出するために取得される前記最高の濃度を有する画像部分に係る濃度、および前記最低の濃度を有する画像部分に係る濃度が、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものであることが好ましい。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法においては、分光吸収分布に基づいて演算されることにより取得される濃度が、波長に対して積算して算出された積算濃度であることが好ましい。
さらに、本発明の電子表示媒体の評価方法においては、前記画像パターンが、チェッカフラッグ、ライン&スペース、文字キャラクタのいずれかとすることができる。
本発明の電子表示媒体の評価方法によれば、照度Eが10〜2000ルクスの範囲の特定の照明環境において求められたコントラストと当該照度Eとの関係が、複数の照度について特定の関係式を満たすものであることにより、前記複数の照度を包含する照度範囲における電子表示媒体の視認性を客観的に評価することができる。
具体的には、本発明の電子表示媒体の評価方法を用いることにより、予め電子表示媒体の使用される環境が設定されている場合、または電子表示媒体の使用される環境の照度範囲が設定されている場合は、特定の関係式から当該電子表示媒体が確保すべきコントラストの下限値を推測することができる。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法を用いることにより、ある電子表示媒体が、想定される使用環境において十分な使用性を発揮することができるかを類推することができる。
また、ある電子表示媒体について本発明の電子表示媒体の評価方法を適用することによりその視認特性を検知することができるために、当該電子表示媒体の使用用途や、使用環境などを特定することができる。
さらに、電子表示媒体の設計に際して、本発明の電子表示媒体の評価方法を適用することにより、特定の関係式から求められるコントラストを考慮しながら階調設計を行うことにより、視認性に優れた電子表示媒体を得られる。
本発明の電子表示媒体の評価方法の一例における視認性の評価のフローチャートである。 図1の評価方法におけるコントラストの算出に係るフローチャートである。 本発明の電子表示媒体の評価方法に用いるパターン画像の具体例であって、(a)がチェッカフラッグ、(b)がライン&スペース、(c),(d)が文字キャラクタである。 図1の評価方法における反射率の演算に係るフローチャートである。 図1の評価方法における積算反射率の演算に係るフローチャートである。 本発明の電子表示媒体の評価方法に用いる分光測色計の構成例を示す模式図である。 反射型の電子表示媒体における測色領域を示す模式図である。 (a)は本発明の電子表示媒体の評価方法に用いる分光測色計の照度調整機構が光透過率変更フィルタ群よりなる構成例を示す模式図であり、(b)は光透過率変更フィルタ群の平面図である。 本発明の電子表示媒体の評価方法の別の一例における視認性の評価のフローチャートである。 図9の評価方法におけるコントラストの算出に係るフローチャートである。 図9の評価方法における濃度の演算に係るフローチャートである。 図9の評価方法における積算濃度の演算に係るフローチャートである。 本発明の電子表示媒体の評価方法の実施例1に係る結果を示すグラフである。 本発明の電子表示媒体の評価方法の実施例2に係る結果を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の電子表示媒体の評価方法の第1の例は、反射型の電子表示媒体(以下、「反射型電子表示媒体」ともいう。)上に表示された、少なくとも当該反射型電子表示媒体によって表示することのできる最高の反射率を有する画像部分(以下、「最高反射部分」ともいう。)および、当該反射型電子表示媒体によって表示することのできる最低の反射率を有する画像部分(以下、「最低反射部分」ともいう。)が含まれるパターン画像について、照明した状態における最高反射部分に係る反射率および最低反射部分に係る反射率を取得し、これらの値からコントラストC1 を算出するコントラスト算出処理を、照明による反射型電子表示媒体上のパターン画像における照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC1 との関係が、下記関係式(1)を満たす方法である。
関係式(1):logC1 ≧2.61×[logE]^(−0.716)
上記関係式(1)は、以下のようにして得られたものである。
まず、被験者20名(年齢26〜50歳)に、評価対象である解像度150dpiの反射型電子表示媒体に表示させた、下記の画像条件のパターン画像を、照度が10ルクス、30ルクス、50ルクス、100ルクス、250ルクス、500ルクス、750ルクス、1000ルクス、1500ルクス、2000ルクスである、下記表1に示される照明環境No.1〜No.40の各照明環境の観察室で、下記の観察条件において視認してもらい、表示された文字を正確に識別できた文字の表示階調数を、記録表に記入してもらった。
各照明環境における評価は上記被験者20名のうちの5名で行った。また、各照明環境の観察室には、各被験者とも10分前に入室してもらい、当該照明環境に目を慣らしてもらった。なお、1名の被験者に対して、光源の色温度が同じであって照度が隣接する照明環境(例えば照明環境No.4に対して照明環境No.3およびNo.5)の試験には割り振らないこととし、各照明環境に20名の被験者を5名ずつ割り振った。
「表示された文字を正確に識別できた」とは、表示文字列を読みあげてもらい、原文と一致していることをいう。なお、読み間違えを考慮し、3回までで一致すれば識別可能と判断する。
<画像条件>
・表示フォント[日本語、フォントタイプ:メイリオ16ポイント]
・表示階調[上記表示フォントの文字を16階調で表現(地の反射率(白色)との差が低いものを1として最も差が大きいものを15とし、15段階で表示)]
・表示文字列[宮沢賢治の「風の又三郎」新字新仮名(出展 青空文庫:http://www.aozora.gr.jp/)の中から、20文字程度の文章(句読点、括弧を含む)を表示階調毎にランダム表示]
<観察条件>
・照度[反射型電子表示媒体の表面の照度をICS 17.180.30に準拠した照度計で測定]
・観察位置[反射型電子表示媒体が被験者の影にならない範囲において、観察位置は被験者が自由に選択]
・光源[色温度1900Kの高圧ナトリウムランプ(HIDランプ)、色温度2800Kの電球色蛍光灯、色温度4200Kの白色蛍光灯、色温度5000Kの昼白色蛍光灯、色温度6500Kの昼光色蛍光灯または色温度8000Kの蛍光灯]
・照度調整[光源の数と光源と反射型電子表示媒体との距離を変えることで所定照度の±5%の範囲に入るように調整。照度が調整できない場合は、光源近傍に300〜700nmの波長を均一にカットできるNDフィルタを入れることによって調整]
その後、各被験者から得られた評価結果に基づいて、No.1〜No.40の各照明環境毎に、5名全員が識別できた文字に係る表示階調の反射率の画像部分(画像部分B)と、地(白色)の反射率の画像部分(画像部分W)とからなる、30mm×30mmのチェッカフラッグのパターン画像を表示し、画像部分Bの反射率と画像部分Wの反射率を、以下の条件で測定した。
すなわち、各画像部分B,Wの反射率は、光源の色温度および照度は当該照明環境の条件に一致させた状態において、反射型電子表示媒体に対して45度の位置に光源を設置して光を入射させ、当該反射型電子表示媒体に対して90度の方向(垂直方向)に分光測色器を設置して分光吸収分布を測色し、550±5nmの積算反射率をそれぞれ求め、得られた反射率から(画像部分Wに係る積算反射率/画像部分Bに係る積算反射率)によってコントラストC1 を算出した。得られたコントラストC1 の対数値と、照度Eの対数値との関係をグラフ化し、それを元に近似曲線を求めた。当該グラフを図13に示す。
近似曲線を表す方程式を計算したところ、logC1 =2.61×[logE]^(−0.716)であった。
以上のことから、各照明環境に係る照度EとコントラストC1 との関係が上記関係式(1)を満たす反射型電子表示媒体は、前記各照明環境の間の異なる照明環境において用いられた場合でも、文字の判読が可能であることが示唆される。
以上のような関係式(1)を用いた電子表示媒体の評価方法の第1の例は、具体的には、例えばコントラスト算出処理を3回行う場合は、当該反射型電子表示媒体の想定される使用環境に係る照度範囲の最大値である照度E1,中央値である照度E2,および、最小値である照度E3について、図1のフローチャートに示されるように、まず、反射型電子表示媒体上に表示された例えば最高反射部分P(W)について、10〜2000ルクスの範囲において所望の照度E1となる状態に照明し、その状態において最高反射部分P(W)に係る反射率R(E1(W))を取得する。
次いで、最低反射部分P(B)について、最高反射部分P(W)と同じ照度E1となる状態に照明し、その状態において最高反射部分P(W)に係る反射率R(E1(W))の取得と同様にして最低反射部分P(B)に係る反射率R(E1(B))を取得する。
その後、図2に示されるように、(最高反射部分P(W)に係る反射率R(E1(W)))/(最低反射部分P(B)に係る反射率R(E1(B)))により1回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC1 (E1)を取得する。
さらに、当該最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)について、前記照度E1と異なる照度E2となる状態に照明して同様にして最高反射部分P(W),最低反射部分P(B)に係る反射率R(E2(W)),R(E2(B))を取得し、これらを用いて(最高反射部分P(W)に係る反射率R(E2(W)))/(最低反射部分P(B)に係る反射率R(E2(B)))により2回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC1 (E2)を取得する。
またさらに、当該最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)について、前記照度E1および照度E2と異なる照度E3となる状態に照明して同様にして最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)に係る反射率R(E3(W)),R(E3(B))を取得し、これらを用いて(最高反射部分P(W)に係る反射率R(E3(W)))/(最低反射部分P(B)に係る反射率R(E3(B)))により3回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC1 (E3)を取得する。
そして、照度E1とコントラストC1 (E1)、照度E2とコントラストC1 (E2)、および照度E3とコントラストC1 (E3)の組み合わせが、それぞれ照度EおよびコントラストC1 として上記関係式(1)を満たすか否かに分類され、すべてが関係式(1)を満たすことにより、当該反射型電子表示媒体が上記照度範囲を有する想定される使用環境において文字や画像の識別が可能であると評価することができる。
従って、例えば室内に係る照度範囲において上記関係式(1)を満たす反射型電子表示媒体においては、少なくとも前記室内に係る照度範囲において用いる場合における視認性が確保される。
反射型電子表示媒体の評価を行うために選択される互いに異なる3つ以上の照度は、それぞれ10〜2000ルクスの範囲にあれば特に限定されず、評価対象となる反射型電子表示媒体の使用用途などを考慮した照度とすることができる。
例えば、反射型電子表示媒体を家庭およびオフィスの両方で使用する場合、家庭およびオフィスの両方に対応する3種類、例えば50ルクス、500ルクス、1000ルクスの3種類の照明環境に係る照度を選択することができる。また例えば、反射型電子表示媒体の使用場所がオフィスに限定する場合は、オフィスのみに対応する照度範囲から3種類、例えば300ルクス、500ルクス、750ルクスの3種類の照明環境に係る照度を選択することができる。
各回のコントラスト算出処理における、電子表示媒体上のパターン画像における照度Eは、パターン画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、使用環境を想定した照明環境を包含することが可能になる。
この例の電子表示媒体の評価方法において、反射型電子表示媒体によって表示することのできる最高の反射率を有する画像部分(最高反射部分)とは、いわゆる白色の画像であり、反射型電子表示媒体によって表示することのできる最低の反射率を有する画像部分(最低反射部分)とは、グレー〜黒色の画像である。
このような最高反射部分および最低反射部分を含むパターン画像としては、図3(a)に示されるようなチェッカフラッグ、図3(b)に示されるようなライン&スペース、および、図3(c),(d)に示されるような文字キャラクタなどが挙げられる。
図3(a)に示されるチェッカフラッグのパターンは、反射率を想定する際に好適に用いることができる。また、図3(b)に示されるライン&スペースのパターンは、識別可能な解像度を評価する際に好適に用いることができ、さらに、図3(c),(d)に示される文字キャラクタのパターンは、文章などの識別が可能である否かを判断するための、人間工学的な検討を行う際に好適に用いることができる。
最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)に係る反射率R(E1(W)),R(E1(B)),R(E2(W)),R(E2(B)),R(E3(W)),R(E3(B))は、図4に示されるように、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものとすることができる。
特に、図5に示されるように、最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)に係る反射率R(E1(W)),R(E1(B)),R(E2(W)),R(E2(B)),R(E3(W)),R(E3(B))は、単一波長から求めた反射率ではなく、それぞれに係る分光吸収分布から波長に対して積算して算出された積算反射率とされることが好ましい。
積算反射率は、分光吸収分布から、例えば可視光域などのWnm〜Xnmの波長範囲、中心波長Ynmの前後Znmの波長範囲などの適宜の波長範囲について、所望の波長範囲毎に反射率を積分し、これらを加算することにより、取得されるものである。
最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)の分光吸収分布は、以下のような分光測色計を用いて測色することができる。
すなわち、分光測色計は、図6に示されるように、分光吸収分布を測色すべき反射型電子表示媒体10に対接させるための開口11Aが形成された積分球11を有し、この積分球11の球面上に、孔が設けられてこの孔に反射型電子表示媒体10上に表示された画像(図示せず)を照明する照明手段12が備えられると共に、当該積分球11の球面上の照明手段12と反射型電子表示媒体10について正反射の位置ではない位置に孔が設けられて、当該孔に分光吸収分布を測色する分光測色手段13が備えられており、この分光測色手段13に得られた分光吸収分布に基づいて前記画像の反射率を演算するデータ変換手段(図示せず)が接続されてなるものである。
そして、この分光測色計においては、照明手段12に照度調整機構19が設けられて反射型電子表示媒体10上の画像における照度を調整することができる構成とされている。
分光測色手段13によって分光吸収分布が測色される画像としては、反射型電子表示媒体10上に表示された最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)の全領域であってもよく、また、反射型電子表示媒体10上に表示された最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)の一部の領域であってもよい。
具体的には、図7に示されるように、反射型電子表示媒体10上の領域中、分光測色手段13に備えられた光検出センサ23によって反射光が受光される範囲に対応する測色領域30に表示された画像が測色されるので、測色領域30と同じ形状の最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)を表示してこれを測色することにより、反射型電子表示媒体10上に表示された最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)の全領域が測色され、一方、測色領域30よりも大きな最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)を表示してこれの一部を測色することにより、反射型電子表示媒体10上に表示された最高反射部分P(W)または最低反射部分P(B)の一部が測色される。
反射型電子表示媒体10上に表示される最高反射部分P(W)および最低反射部分P(B)は、その解像度が例えば72〜500dpiのものとすることができる。
積分球11は、照明手段12から出射される光をその内壁で繰り返し拡散反射させることにより空間的に積分させ、これにより散乱光を生成するものである。
積分球11の大きさは、特に限定されないが、当該積分球11の開口11Aに入射される光が散乱光となる程度の、開口11Aの大きさに対して十分に大きな大きさであることが好ましい。
この積分球11は、極めて反射率の高い材料よりなるものとすることができ、また、適宜の材料によって形状が形成されたものの内壁に、反射率の高いコーティング材によってコーティングされたものとすることもできる。
照明手段12は、適宜の光源を備えると共に照度調整機構19を備えるものとされている。
光源としては、例えば色温度が1900K〜8000Kの種々の光源、例えばロウソク、白熱ランプ(タングステンランプ)、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、ナトリウムランプ、キセノンランプ、蛍光灯、LEDなどを用いることができる。
照度調整機構19は、当該光源からの光について、反射型電子表示媒体10上の画像に照射される光が所定の照度の光となるようにその照度を調製するものであって、例えば分光測色手段13によって測色されるべき分光吸収分布の波長範囲の全域において照度を調整することができるND(Neutral Density:減光)フィルタよりなるものとすることができる。
具体的な照度の調整は、互いに減光の度合の異なる複数のNDフィルタを取り換え可能な状態に設け、さらに測色領域30に対向して設けられた照度測定装置(図示せず)によって適時に照度を測定し、測定される照度が所望の照度になるまで照度調整機構19によってNDフィルタを取り換えることにより、行うことができる。
また、照度調整機構19としては、図8に示されるように、光透過率を変更することのできる光透過率変更フィルタ群22よりなるものとすることもできる。
この光透過率変更フィルタ群22は、図8(b)に示されるように、軸22αを中心として同心円上に複数の光学フィルタ22A〜22Eが設けられてなるものであり、これらの光学フィルタ22A〜22Eのうちの一つが選択されて光源からの光が透過されるよう、軸22αを中心に回転可能に設置される。
また、この光透過率変更フィルタ群22の代わりに、光透過率を電気的に制御することのできる電磁フィルタを用いてもよい。
なお、図8において、40は傾斜板である。傾斜板40は、光源からの直接光および/または光源からの反射型電子表示媒体10を介した直接光による反射光が光検出センサ23に入り込まないようにするためのものである。
このような分光測色計を用いて、以下のように反射型電子表示媒体10上の最高反射部分P(W)の照度E1に係る反射率R(E1(W))が取得される。
すなわち、まず、測色領域30に最高反射部分P(W)を表示し、照度調整機構19によって反射型電子表示媒体10上の最高反射部分P(W)上の照度が照度E1になるよう調整し、この状態において照明手段12から光を出射させる。この光は、直接光として、および/または、積分球11の内壁で拡散反射されて拡散されることにより散乱光として、反射型電子表示媒体10の測色領域30に入射される。この反射型電子表示媒体10の測色領域30に入射された光は、当該反射型電子表示媒体10によって反射され、光検出センサ23に入射された光について分光吸収分布が測色され、この測色された分光吸収分布のデータがデータ変換手段に送信され、当該データ変換手段において反射率に演算される。
最高反射部分P(W)の照度E2,E3に係る反射率R(E2(W)),R(E3(W))は、それぞれ照度をE2,E3になるよう調整することの他は同様にして、取得される。また、最低反射部分P(B)の照度E1に係る反射率R(E1(B))は、測色領域30に最低反射部分P(B)を表示することの他は同様にして、取得される。さらに、最低反射部分P(B)の照度E2,E3に係る反射率R(E2(B)),R(E3(B))は、それぞれ、測色領域30に最低反射部分P(B)を表示すると共に照度をE2,E3になるよう調整することの他は同様にして、取得される。
以上のような電子表示媒体の評価方法において、評価対象となる反射型電子表示媒体10としては、例えば白色表示を行うことができる電子ペーパーなどを挙げることができる。
以上の電子表示媒体の評価方法によれば、照度Eが10〜2000ルクスの範囲の特定の照明環境において求められたコントラストと当該照度Eとの関係が、複数の照度について特定の関係式を満たすものであることにより、前記複数の照度を包含する照度範囲における電子表示媒体の視認性を客観的に評価することができる。
具体的には、本発明の電子表示媒体の評価方法を用いることにより、予め電子表示媒体の使用される環境が設定されている場合、または電子表示媒体の使用される環境の照度範囲が設定されている場合は、特定の関係式から当該電子表示媒体が確保すべきコントラストの下限値を推測することができる。
また、本発明の電子表示媒体の評価方法を用いることにより、ある電子表示媒体が、想定される使用環境において十分な使用性を発揮することができるかを類推することができる。
また、ある電子表示媒体について本発明の電子表示媒体の評価方法を適用することによりその視認特性を検知することができるために、当該電子表示媒体の使用用途や、使用環境などを特定することができる。
さらに、電子表示媒体の設計に際して、本発明の電子表示媒体の評価方法を適用することにより、特定の関係式から求められるコントラストを考慮しながら階調設計を行うことにより、視認性に優れた電子表示媒体を得られる。
以上、本発明について具体的に説明したが、本実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の電子表示媒体の評価方法の第2の例は、パターン画像として、少なくとも当該電子表示媒体によって表示することのできる最高の濃度を有する画像部分(以下、「最高濃度部分」ともいう。)および、当該電子表示媒体によって表示することのできる最低の濃度を有する画像部分(以下、「最低濃度部分」ともいう。)が含まれるものを用いると共に、反射率の代わりに濃度を取得してこれらの値からコントラストC2 を算出することによりコントラスト算出処理を行い、各回のコントラスト算出処理に係る照度Eと、当該各回のコントラスト算出処理によって算出されたコントラストC2 との関係が、下記関係式(2)を満たすことの他は、第1の例と同様にして行われる方法である。
関係式(2):C2 ≧12.2×[logE]^(−1.50)
この例の電子表示媒体の評価方法は、印刷物の視認性に影響を与える濃度の概念を取り入れたものであって、評価対象である反射型電子表示媒体を印刷物と同様の扱いにおいて論じ、比較することができるために、評価対象である反射型電子表示媒体を書き換え可能な印刷物とみなす場合は、第1の実施の形態のように評価の指数として反射率を用いた評価方法よりも、濃度(画像濃度)を評価の指数として用いる評価方法を行うことが好ましい。
上記関係式(2)は、以下のようにして得られたものである。
まず、被験者20名(年齢26〜50歳)に、評価対象である解像度150dpiの反射型電子表示媒体に表示させた、下記の画像条件のパターン画像を、照度が10ルクス、30ルクス、50ルクス、100ルクス、250ルクス、500ルクス、750ルクス、1000ルクス、1500ルクス、2000ルクスである、下記表1に示される照明環境No.1〜No.40の各照明環境の観察室で、下記の観察条件において視認してもらい、表示された文字を正確に識別できた文字の表示階調数を、記録表に記入してもらった。
各照明環境における評価は上記被験者20名のうちの5名で行った。また、各照明環境の観察室には、各被験者とも10分前に入室してもらい、当該照明環境に目を慣らしてもらった。なお、1名の被験者に対して、光源の色温度が同じであって照度が隣接する照明環境(例えば照明環境No.4に対して照明環境No.3およびNo.5)の試験には割り振らないこととし、各照明環境に20名の被験者を5名ずつ割り振った。
「表示された文字を正確に識別できた」とは、表示文字列を読みあげてもらい、原文と一致していることをいう。なお、読み間違えを考慮し、3回までで一致すれば識別可能と判断する。
<画像条件>
・表示フォント[日本語、フォントタイプ:メイリオ16ポイント]
・表示階調[上記表示フォントの文字を16階調で表現(地の濃度(白色)との差が低いものを1として最も差が大きいものを15とし、15段階で表示)]
・表示文字列[宮沢賢治の「風の又三郎」新字新仮名(出展 青空文庫:http://www.aozora.gr.jp/)の中から、20文字程度の文章(句読点、括弧を含む)を表示階調毎にランダム表示]
<観察条件>
・照度[反射型電子表示媒体の表面の照度をICS 17.180.30に準拠した照度計で測定]
・観察位置[反射型電子表示媒体が被験者の影にならない範囲において、観察位置は被験者が自由に選択]
・光源[色温度1900Kの高圧ナトリウムランプ(HIDランプ)、色温度2800Kの電球色蛍光灯、色温度4200Kの白色蛍光灯、色温度5000Kの昼白色蛍光灯、色温度6500Kの昼光色蛍光灯または色温度8000Kの蛍光灯]
・照度調整[光源の数と光源と反射型電子表示媒体との距離を変えることで所定照度の±5%の範囲に入るように調整。照度が調整できない場合は、光源近傍に300〜700nmの波長を均一にカットできるNDフィルタを入れることによって調整]
その後、各被験者から得られた評価結果に基づいて、No.1〜No.40の各照明環境毎に、5名全員が識別できた文字に係る表示階調の濃度の画像部分(画像部分B)と、地(白色)の濃度の画像部分(画像部分W)とからなる、30mm×30mmのチェッカフラッグのパターン画像を表示し、画像部分Bの濃度と画像部分Wの濃度を、以下の条件で測定した。
すなわち、各画像部分B,Wの濃度は、光源の色温度および照度は当該照明環境の条件に一致させた状態において、反射型電子表示媒体に対して45度の位置に光源を設置して光を入射させ、当該反射型電子表示媒体に対して90度の方向(垂直方向)に分光測色器を設置して分光吸収分布を測色し、550±5nmの積算濃度をそれぞれ求め、得られた各積算濃度から(画像部分Wに係る積算濃度/画像部分Bに係る積算濃度)によってコントラストC2 を算出した。得られたコントラストC2 と、照度Eの対数値との関係をグラフ化し、それを元に近似曲線を求めた。当該グラフを図14に示す。
近似曲線を表す方程式を計算したところ、C2 =12.2×[logE]^(−1.50)であった。
以上のことから、各照明環境に係る照度EとコントラストC2 との関係が上記関係式(2)を満たす反射型電子表示媒体は、前記各照明環境の間の異なる照明環境において用いられた場合でも、文字の判読が可能であることが示唆される。
以上のような関係式(2)を用いた電子表示媒体の評価方法の第2の例は、具体的には、この評価の指数が画像濃度である電子表示媒体の評価方法は、例えばコントラスト算出処理を3回行う場合は、図9のフローチャートに示されるように、まず、反射型電子表示媒体上に表示された例えば最低濃度部分P(W)について、10〜2000ルクスの範囲において所望の照度E1となる状態に照明し、その状態において最低濃度部分P(W)に係る濃度N(E1(W))を取得する。
次いで、最高濃度部分P(B)について、最低濃度部分P(W)と同じ照度E1となる状態に照明し、その状態において最低濃度部分P(W)に係る濃度N(E1(W))の取得と同様にして最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E1(B))を取得する。
その後、図10に示されるように、(最低濃度部分P(W)に係る濃度N(E1(W)))/(最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E1(B)))により1回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC2 (E1)を取得する。
さらに、当該最低濃度部分P(W)および最高濃度部分P(B)について、前記照度E1と異なる照度E2となる状態に照明して同様にして最低濃度部分P(W),最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E2(W)),N(E2(B))を取得し、これらを用いて(最低濃度部分P(W)に係る濃度N(E2(W)))/(最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E2(B)))により2回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC2 (E2)を取得する。
またさらに、当該最低濃度部分P(W)および最高濃度部分P(B)について、前記照度E1および照度E2と異なる照度E3となる状態に照明して同様にして最低濃度部分P(W)および最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E3(W)),N(E3(B))を取得し、これらを用いて(最低濃度部分P(W)に係る濃度N(E3(W)))/(最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E3(B)))により3回目のコントラスト算出処理に係るコントラストC2 (E3)を取得する。
そして、照度E1とコントラストC2 (E1)、照度E2とコントラストC2 (E2)、および照度E3とコントラストC2 (E3)の組み合わせが、それぞれ照度EおよびコントラストC2 として上記関係式(2)を満たすか否かに分類され、すべてが関係式(2)を満たすことにより、上記照度範囲を有する想定される使用環境において文字や画像の識別が可能であると評価することができる。
反射型電子表示媒体の評価を行うために選択される互いに異なる3つ以上の照度は、それぞれ10〜2000ルクスの範囲にあれば特に限定されず、評価対象となる反射型電子表示媒体の使用用途などを考慮した照度とすることができる。
例えば、反射型電子表示媒体を家庭およびオフィスの両方で使用する場合、家庭およびオフィスの両方に対応する3種類、例えば50ルクス、500ルクス、1000ルクスの3種類の照明環境に係る照度を選択することができる。また例えば、反射型電子表示媒体の使用場所がオフィスに限定する場合は、オフィスのみに対応する照度範囲から3種類、例えば300ルクス、500ルクス、750ルクスの3種類の照明環境に係る照度を選択することができる。
各回のコントラスト算出処理における、電子表示媒体上のパターン画像における照度Eは、パターン画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、使用環境を想定した照明環境を包含することが可能になる。
この例の電子表示媒体の評価方法において、反射型電子表示媒体によって表示することのできる最低の濃度を有する画像部分(最低濃度部分)とは、いわゆる白色の画像であり、反射型電子表示媒体によって表示することのできる最高の濃度を有する画像部分(最高濃度部分)とは、グレー〜黒色の画像である。
このような最低濃度部分および最高濃度部分を含むパターン画像としては、図3(a)に示されるようなチェッカフラッグ、図3(b)に示されるようなライン&スペース、および、図3(c),(d)に示されるような文字キャラクタなどが挙げられる。
図3(a)に示されるチェッカフラッグのパターンは、濃度を想定する際に好適に用いることができる。また、図3(b)に示されるライン&スペースのパターンは、識別可能な解像度を評価する際に好適に用いることができ、さらに、図3(c),(d)に示される文字キャラクタのパターンは、文章などの識別が可能である否かを判断するための、人間工学的な検討を行う際に好適に用いることができる。
最低濃度部分P(W)および最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E1(W)),N(E1(B)),N(E2(W)),N(E2(B)),N(E3(W)),N(E3(B))は、図11に示されるように、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものとすることができる。
特に、図12に示されるように、最低濃度部分P(W)および最高濃度部分P(B)に係る濃度N(E1(W)),N(E1(B)),N(E2(W)),N(E2(B)),N(E3(W)),N(E3(B))は、単一波長から求めた反射率ではなく、それぞれに係る分光吸収分布から波長に対して積算して算出された積算濃度とされることが好ましい。
積算濃度は、分光吸収分布から、例えば可視光域などのWnm〜Xnmの波長範囲、中心波長Ynmの前後Znmの波長範囲などの適宜の波長範囲について、所望の波長範囲毎に濃度を積分し、これらを加算することにより、取得されるものである。
反射型電子表示媒体10上の最低濃度部分P(W)の照度E1に係る濃度N(E1(W))の取得は、例えば上述の分光測色計を用いて以下のようになされる。
すなわち、まず、測色領域30に最低濃度部分P(W)を表示し、照度調整機構19によって反射型電子表示媒体10上の最低濃度部分P(W)上の照度が照度E1になるよう調整し、この状態において照明手段12から光を出射させる。この光は、直接光として、および/または、積分球11の内壁で拡散反射されて拡散されることにより散乱光として、反射型電子表示媒体10の測色領域30に入射される。この反射型電子表示媒体10の測色領域30に入射された光は、当該反射型電子表示媒体10によって反射され、光検出センサ23に入射された光について分光吸収分布が測色され、この測色された分光吸収分布のデータがデータ変換手段に送信され、当該データ変換手段において濃度に演算される。
最低濃度部分P(W)の照度E2,E3に係る濃度N(E2(W)),N(E3(W))は、それぞれ照度をE2,E3になるよう調整することの他は同様にして、取得される。また、最高濃度部分P(B)の照度E1に係る濃度N(E1(B))は、測色領域30に最高濃度部分P(B)を表示することの他は同様にして、取得される。さらに、最高濃度部分P(B)の照度E2,E3に係る濃度N(E2(B)),N(E3(B))は、それぞれ、測色領域30に最高濃度部分P(B)を表示すると共に照度をE2,E3になるよう調整することの他は同様にして、取得される。
このような反射型電子表示媒体の評価方法によれば、第1の実施の形態に係る効果と同じ効果を得ることができる。このような反射型電子表示媒体の評価方法は、特に、評価対象である反射型電子表示媒体を印刷物と比較する場合に有用である。
10 反射型電子表示媒体
11 積分球
11A 開口
12 照明手段
13 分光測色手段
19 照度調整機構
22 光透過率変更フィルタ群
22A〜22E 光学フィルタ
22α 軸
23 光検出センサ
30 測色領域
40 傾斜板

Claims (9)

  1. 反射型の電子表示媒体上に表示された、少なくとも当該電子表示媒体によって表示することのできる最高の反射率を有する画像部分および、当該電子表示媒体によって表示することのできる最低の反射率を有する画像部分が含まれるパターン画像について、照明した状態における前記最高の反射率を有する画像部分に係る反射率および前記最低の反射率を有する画像部分に係る反射率を取得し、これらの値からコントラストC1 を算出するコントラスト算出処理を、
    前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、
    各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC1 との関係が、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする電子表示媒体の評価方法。
    関係式(1):logC1 ≧2.61×[logE]^(−0.716)
  2. 前記電子表示媒体上の画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eを調整することを特徴とする請求項1に記載の電子表示媒体の評価方法。
  3. コントラストC1 を算出するために取得される前記最高の反射率を有する画像部分に係る反射率、および前記最低の反射率を有する画像部分に係る反射率が、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子表示媒体の評価方法。
  4. 前記分光吸収分布に基づいて演算されることにより取得される反射率が、波長に対して積算して算出された積算反射率であることを特徴とする請求項3に記載の電子表示媒体の評価方法。
  5. 反射型の電子表示媒体上に表示された、少なくとも当該電子表示媒体によって表示することのできる最高の濃度を有する画像部分および、当該電子表示媒体によって表示することのできる最低の濃度を有する画像部分が含まれるパターン画像について、照明した状態における前記最高の濃度を有する画像部分に係る濃度および前記最低の濃度を有する画像部分に係る濃度を取得し、これらの値からコントラストC2 を算出するコントラスト算出処理を、
    前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eが10〜2000ルクスの範囲のうち互いに異なる照度となるよう3回以上行い、
    各回に係る照度Eと、当該各回に算出されたコントラストC2 との関係が、下記関係式(2)を満たすことを特徴とする電子表示媒体の評価方法。
    関係式(2):C2 ≧12.2×[logE]^(−1.50)
  6. 前記電子表示媒体上の画像を照明するための光源として、その色温度が1900K〜8000Kの範囲であるものを用いることにより、前記照明による電子表示媒体上のパターン画像における照度Eを調整することを特徴とする請求項5に記載の電子表示媒体の評価方法。
  7. コントラストC2 を算出するために取得される前記最高の濃度を有する画像部分に係る濃度、および前記最低の濃度を有する画像部分に係る濃度が、それぞれの画像部分について分光吸収分布を測色し、得られた分光吸収分布に基づいて演算されることにより、取得されるものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電子表示媒体の評価方法。
  8. 分光吸収分布に基づいて演算されることにより取得される濃度が、波長に対して積算して算出された積算濃度であることを特徴とする請求項7に記載の電子表示媒体の評価方法。
  9. 前記画像パターンが、チェッカフラッグ、ライン&スペース、文字キャラクタのいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電子表示媒体の評価方法。

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