JP2010261008A - ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法及び透明フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、我々の検討によれば、当該ポリカーボネート樹脂を光学材料として使用する場合、着色しやすいという問題がある。また、高分子量のポリカーボネート樹脂を得るには、重合に際し、大量の触媒を使用するか、あるいは、長時間の重合反応を行う必要がある。
本発明の目的は、分子内に前記構造式(1)で表される特定の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂、その製造方法及び透明フィルムを提供することにある。
ここで、分子内に前記構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物が、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物であることが好ましい。
また、前記一般式(2)において、A1,A2が、炭素数6〜炭素数20を有する炭化水素基であることが好ましく、前記一般式(2)において、A1,A2が、炭素数6〜炭素数12を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
さらに、複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有することが好ましく、当該複素環式ジヒドロキシ化合物が、下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物であることが好ましい。
そして、分子内に前記構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物が、下記式(2)で表され硫黄元素の含有量が9ppm以下であるジヒドロキシ化合物であることが好ましい。
さらに、下記式(3)で表される複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物を共重合することが好ましい。
また本発明によれば、本発明により得られるポリカーボネート樹脂を製膜してなる透明フィルムが提供される。当該透明フィルムは、光学フィルムとして利用されることがより好ましく、さらに延伸配向させた位相差フィルムであることが好ましい。
(構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物であって分子内に下記構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を少なくとも含んでいる。
ここで、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物としては、2個のアルコール性水酸基をもち、分子内に連結基−CH2−O−を有する構造であって、当該構造として酸素原子に水素原子が結合した構造を除く、結合構造を含むジヒドロキシ化合物であって、重合触媒の存在下、炭酸ジエステルと反応してポリカーボネートを生成し得る化合物であれば如何なる構造の化合物であっても使用することが可能であり、複数種併用しても構わない。
さらに、本発明のポリカーボネート樹脂は、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位に加えて、複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有することが好ましい。この場合、複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物が、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有することを妨げない。複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる少なくとも1種のジヒドロキシ化合物が、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有する場合は、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を2種以上有するポリカーボネート樹脂となる。勿論、複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物であって、且つその分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を2種以上有するポリカーボネート樹脂であっても構わない。
また、本発明に係るポリカーボネート樹脂に用いるジヒドロキシ化合物として、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有さないジヒドロキシ化合物を併用しても構わない。
以下、その分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物をジヒドロキシ化合物(I)と略記することがある。
ジヒドロキシ化合物(I)における「連結基−CH2−O−」とは、水素原子以外の原子と互いに結合して分子を構成する構造を意味する。この連結基において、少なくとも酸素原子が結合し得る原子又は炭素原子と酸素原子が同時に結合し得る原子としては、炭素原子が最も好ましい。ジヒドロキシ化合物(I)中の「連結基−CH2−O−」の数は、1以上、好ましくは2〜4である。
分子内に前記構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物は、下記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物であることが好ましい。
炭素数6〜炭素数20を有する炭化水素基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン等の直鎖状の2価のアルキレン基;1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、3−メチルプロピレン基等の分岐鎖を含む2価のアルキレン基が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、前述した分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位に加え、複素環式ジヒドロキシ化合物および脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有することが好ましい。より具体的には例えば、複素環式ジヒドロキシ化合物としては、下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される複素環式ジヒドロキシ化合物や、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2−(5−エチル−5−ヒドキシメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール等のスピロ炭化水素誘導体が挙げられる。
イソソルビド約0.5gを精秤し50mlのメスフラスコに採取して純水で定容する。標準試料としてギ酸ナトリウム水溶液を用い、標準試料とリテンションタイムが一致するピークをギ酸とし、ピーク面積から絶対検量線法で定量する。
イオンクロマトグラフは、Dionex社製のDX−500型を用い、検出器には電気伝導度検出器を用いた。測定カラムとして、Dionex社製ガードカラムにAG−15、分離カラムにAS−15を用いる。測定試料を100μlのサンプルループに注入し、溶離液に10mM−NaOHを用い、流速1.2ml/min、恒温槽温度35℃で測定する。サプレッサーには、メンブランサプレッサーを用い、再生液には12.5mM−H2SO4水溶液を用いる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、前述した分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位に加え、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有することが好ましい。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、通常、5員環構造又は6員環構造を含む化合物が挙げられる。脂環式ジヒドロキシ化合物が5員環、6員環構造であることにより、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性を高くすることができる。6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。
脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素原子数は通常70以下であり、好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。炭素原子数が過度に大きいと、耐熱性が高くなるが、合成が困難になったり、精製が困難になったり、コストが高価になる傾向がある。炭素原子数が小さいほど、精製しやすく、入手しやすい傾向がある。
HOCH2−R1−CH2OH (II)
HO−R2−OH (III)
(但し、式(II),式(III)中、R1,R2は、置換基を有していても構わない炭素数4〜20のシクロアルキレン基を表す。)
尚、本発明のポリカーボネート樹脂は、分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物と、上述した複素環式ジヒドロキシ化合物および脂環式ジヒドロキシ化合物以外の他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が含まれていても良い。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
これらのその他のジヒドロキシ化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
このため、本発明のポリカーボネート樹脂においては、ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に対する分子内に構造式(1)で表される結合構造を有するジヒドロキシ化合物と複素環式ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物との合計の割合が90モル%以上であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、硫黄元素の含有量が5ppm以下であり、好ましくは3ppm以下であり、さらに好ましくは2ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂に含まれる硫黄元素の含有量が過度に多いと、重合性が低下し、重合時間が長くなり、得られるポリマーの色調が悪くなったり、耐加水分解性が低下する場合がある。
ポリカーボネート樹脂に含まれる硫黄元素の含有量を5ppm以下の範囲に調整する方法は特に限定されないが、例えば、共重合の組成を調整する、使用する原料モノマーを精製して用いる、得られるポリマーを一度溶液にして精製する等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、従来公知の重合方法により製造することができる。重合方法としては、ホスゲンを用いる溶液重合法、炭酸ジエステルとヒドロキシ化合物とを反応させる溶融重合法のいずれの方法でも良い。
なかでも、重合触媒の存在下に、前述した分子内に構造式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物と、必要に応じて用いられる複素環式ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物と、その他のジヒドロキシ化合物とを、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
分子内に構造式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に含まれる硫黄元素の含有量が過度に多いと、重合性が低下し、重合時間が長くなり、得られるポリマーの色調が悪くなったり、耐加水分解性が低下する場合がある。
分子内に構造式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物に含まれる硫黄元素の含有量を9ppm以下の範囲に調整する方法は特に限定されないが、例えば、分子内に構造式(1)の結合構造を有するジヒドロキシ化合物の原料(例えば、フルオレン等)の硫黄元素含有量の低いものを使用する、再結晶精製の条件を適正化する等が挙げられる。
溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でも、ジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートが特に好ましい。
溶融重合法において使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に小さいと、製造されたポリカーボネート樹脂の末端OH基が増加し、ポリマーの熱安定性が悪化し、また所望する高分子量体が得られない傾向がある。一方、使用する炭酸ジエステルのモル比が過度に大きいと、同一重合条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望する分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる傾向がある。さらに、製造されたポリカーボネート樹脂中の残存する炭酸ジエステル量が増加する傾向があり、残存炭酸ジエステルが、成形時又は成形品の臭気の原因となる傾向がある。
溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみを使用することが特に好ましい。なお、本明細書において、「アルカリ金属」及び「アルカリ土類金属」という用語を、それぞれ、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)における「第1族金属」及び「第2族金属」と同義として用いる。
これらのアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの塩基性化合物も1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
溶融重合は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノールを反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
重縮合反応において、温度と反応系内の圧力のバランスを制御することが重要である。特に、温度、圧力のどちらか一方が速く変化すると、未反応のモノマーが留出し、ジオール化合物と炭酸ジエステルのモル比が変動し、重合度が低下する傾向がある。反応の形式は、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂を溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン酸化合物や亜リン酸化合物を重合時に添加することができる。
リン酸化合物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキルの1種又は2種以上が好適に用いられる。これらは、全ジオール成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、さらに好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。リン化合物の添加量が過度に少ないと、着色防止効果が小さく、過度に多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりする。
本発明のポリカーボネート樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で各種の配合剤を配合することができる。配合剤としては、例えば、成形時等におけるポリカーボネート樹脂の分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤、酸化防止剤、溶融成形時の離型性をより向上させるための離型剤、耐候性を向上させるための光安定剤や紫外線吸収剤、樹脂や紫外線吸収剤に基づく製品の黄色味を打ち消すためのブルーイング剤等が挙げられる。
これらの熱安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001重量部〜1重量部が好ましく、0.0005重量部〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.2重量部が更に好ましい。
これら酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001重量部〜0.5重量部が好ましい。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルが好ましい。このような一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
これらのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。離型剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001重量部〜5重量部が好ましい。
光安定剤や紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。
これらの光安定剤や紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。このような光安定剤や紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.01〜2重量部が好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば、一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725]、一般名Solvent Viol et31[CA.No 68210、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725]、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500]、一般名Solvent Violet36[CA.No 68210]、一般名Solvent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]及び一般名Solvent Blue45[CA.No61110]が代表例として挙げられる。これらのブルーイング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのブルーイング剤は、通常、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.1×10−5〜2×10−4重量部の割合で配合される。
上述したポリカーボネート樹脂を原料として、透明フィルムを製膜することができる。また、透明フィルムとして成膜した光学フィルムを、製膜後に延伸することにより位相差フィルムを製造することができる。製膜方法としては、従来公知の溶融押出法、溶液キャスト法等が挙げられる。
位相差フィルム作製の延伸条件としては、フィルム原料のガラス転移温度の−20℃から+40℃の範囲で行うことが好ましい。より好ましくは、フィルム原料のガラス転移温度の−10℃から+20℃の範囲である。延伸温度がポリカーボネート樹脂のガラス転移温度より過度に低いと、延伸フィルムの位相差が大きくなり、所望の位相差を得るためには延伸倍率を低くしなければならず、フィルム面内の位相差のばらつきが大きくなる傾向がある。一方、延伸温度がガラス転移温度より過度に高いと、得られるフィルムの位相差が小さくなり、所望の位相差を得るための延伸倍率を大きくしなければならず適正な延伸条件幅が狭くなる傾向がある。
以下において、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の物性、特性の評価は次の方法により行った。
試料を白金製ボートに採取し、石英管管状炉(三菱化学株式会社製AQF−100型)で加熱し、燃焼ガス中の硫黄、塩素分を0.03%の過酸化水素水溶液で吸収した。吸収液中のSO4 2−,Cl−イオンクロマトグラフ(Dionex社製ICS−1000型)で測定した。
前述したポリカーボネート樹脂中の硫黄元素の測定方法に準じた方法で測定した。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121に従い、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC220)を用いて測定した。ポリエステル樹脂約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで昇温した。得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を採用した。
ウベローデ型粘度計(中央理化製DT−504型自動粘度計)を用い、溶媒として、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの1:1混合溶媒を用い、温度30.0℃±0.1℃で測定した。濃度は1.00g/dlになるように、精密に調製した。
サンプルは120℃で撹拌しながら、30分で溶解し、冷却後測定に用いた。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式より相対粘度ηrelを求めた。
ηrel=t/t0
相対粘度ηrelから、下記式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。
ηred=ηsp/c
次に、濃度cが減少する希薄溶液を数点調製し、それぞれの還元粘度を測定した。最後に、還元粘度を濃度cに対してプロットしたグラフ上で、無限希釈(c=0)に外挿した点に基づいて極限粘度[η]を求めた。
JIS K7373に準拠し、光電色彩計(日本電色工業株式会社製ZE−2000)を用い、試料ペレットを直径30mm、高さ12mmの円柱状の石英セルに充填し、約90度ずつ回転させながら、4回平均で三刺激値X,Y,Zを測定し、下記式によりb値を求めた。
b値=70(Y−100Z/Zn)/L
(式中、L=10Y1/2、Znは、完全拡散反射面の標準の光によるZ値を表す。)
試料ペレットをプレッシャークッカー試験機(平山製作所社製、形式:PC−242)に入れ、120℃、水蒸気圧0.11MPaで24時間処理した。耐加水分解性は、処理前の極限粘度に対する処理後の極限粘度の保持率(%)で示した。
(9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)
撹拌機、冷却管を備えた反応容器に、純度99.5重量%のフルオレノン350質量部とフェノキシエタノール(四日市合成株式会社製、商品名:PHE−G)1070質量部を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸2.3質量部を加え、95%の硫酸570質量部を60分間かけて滴下した。その後、反応温度を50℃に保ち、5時間保持した。
反応終了後、反応液に48質量%水酸化ナトリウム水溶液920質量部を液温が80℃になるように滴下し、加えた。滴下終了後のpHは約8であった。その後、メタノール2500質量部を加えて、10℃まで冷却し、固形物を析出させた。
その後、酢酸エチル15000質量部に溶解し、活性炭(日本ノリット株式会社製、商品名:SX+)を35質量部入れ、60℃で2時間加熱撹拌した。次いで、活性炭を濾過し、酢酸エチルを留去し、乾燥した。得られた9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの硫黄含有量は4.2ppmであった(「BHEPF−1」と記す。)。尚、9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの構造式を以下に示す。
(9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)
合成例1において、水洗を1回しか行わなかったこと以外は、合成例1と同様の操作を行った。得られた9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの硫黄含有量は8.3ppmであった(「BHEPF−2」と記す。)。
(9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)
撹拌機、冷却管を備えた反応容器に、純度99.5重量%のフルオレノン45質量部とフェノキシエタノール(四日市合成株式会社製、商品名:PHE−G)138質量部を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸0.2mlを加えて、95%の硫酸40mlを30分間かけて滴下した。その後、反応温度を50℃に保ち、5時間保持した。
得られた9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの硫黄含有量は15ppmであった(「BHEPF−3」と記す。)。
(参考例1)9H−Fluorene−9,9−diacetic acid, 9,9−ditert−butyl esterの合成
撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、窒素を通し、カリウム−tert−ブトオキサイド68.9質量部とテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する。)178質量部を入れサスペンジョンとし、撹拌しながら内温を3℃まで冷却した。この中に89質量部のTHFに溶解したフルオレン30質量部を内温が6℃を超えないように滴下速度を調節しながら、45分かけて滴下した。得られたスラリー状の混合物にTHFを44.5質量部追加して内温が3℃まで下がるまで冷却撹拌した。このスラリー液に、ブロモ酢酸tert−ブチル119.7質量部をTHF89質量部に溶解した溶液を90分かけて滴下した。この間、内温が10℃を超えないように滴下速度を調節した。
次いで、撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、窒素を通し、参考例1で得たジ−tert−ブチルエステル全量と、ジクロロエタン376.1質量部、トリフロオロ酢酸92.7質量部を入れ、内温が60℃になるように加温、6.5時間反応させた。冷却後、生成した沈殿をろ過、溶媒を留去した。さらに真空乾燥して目的物のジカルボン酸とモノカルボン酸の混合物を褐色の油状物として得た。この一部をサンプリングし、1H−NMRを測定したところこの油状物は、ジカルボン酸とモノカルボン酸の4.2/1の混合物であることが判明した。この混合物は精製することなく次の還元反応に使用した。
次いで、撹拌機と冷却管を備えた反応容器に、窒素を通し、65%濃度(トルエン溶液)のRed−Al 101.5質量部、THF44.5質量部、トルエン86.7質量部を入れて撹拌し良く溶解させた。この溶液に、参考例2で合成した、ジカルボン酸とモノカルボン酸の混合物72.5mmolをTHF/トルエン(1/2体積比)の混合溶媒78.7質量部に溶解した溶液を20分かけて滴下して添加した。この間、内溶液の温度は28℃から35℃に上昇するのが観察された。室温で1.5時間、さらに内温53℃に昇温して、5時間撹拌して反応を完結させた。その後、内温を8℃まで冷却して3N希塩酸421.6質量部を注意深く添加して反応混合物をクエンチした。クエンチ液は2層に分かれたので、有機層は分離し、水層は、3N希塩酸を105.4質量部添加した後に酢酸エチル89.7質量部で抽出、先の有機層とこの酢酸エチル層を混合して有機層とし、この有機層を純水200質量部、飽和食塩水239質量部で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒を留去後、酢酸エチル−ヘキサン系混合溶媒で再結晶し、9.94質量部の目的物9H−フルオレン−9,9−ジエタノールを白色針状晶として得た。
合成例4において、活性炭処理しなかった以外は、同様の操作を行い、フルオレン−9,9−ジエタノールを合成した。得られたフルオレン−9,9−ジエタノールの硫黄含有量は、12ppmであった(「DEF−2」と記す。)。
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル会社製:商品名BCF)の硫黄含有量を測定したところ、13ppmであった(「BCF−1」と記す。)。
尚、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンの構造式を以下に示す。
酢酸エチル15000質量部に、合成例6のBCF−1を700質量部溶解し、活性炭(日本ノリット株式会社製、商品名:SX+)を35質量部入れ、60℃で2時間加熱攪拌した。次いで、活性炭を濾過し、酢酸エチルを留去し、乾燥した。得られた9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル)フルオレンの硫黄含有量を測定したところ、4.1ppmであった(「BCF−2」と記す。)。
結果を表1に示す。
イソソルバイド(以下、「ISB」と略記する。)27.65質量部に対して、合成例1で作製した9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BHEPF−1)62.22質量部、トリシクロデカンジメタノール(以下、「TCDDM」と略記する。)27.85質量部及びジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する。)101.33質量部と、触媒として炭酸セシウム2重量%水溶液0.39×10−1質量部(全ジヒドロキシ化合物1molに対し、金属換算で10μmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を170℃に加熱し、必要に応じて撹拌しながら、60分間かけて原料を溶解させた。
原料溶解後、減圧開始より撹拌停止までの時間を重合時間とし、重合時間は217分間、得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.733dl/gであった。
実施例1において、合成例1で得たBHEPF−1に代えて、合成例2で得たBHEPF−2に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。重合時間は268分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.691dl/gであった。
ISOB78.5質量部に対して、合成例4で作製した9H−フルオレン−9,9−ジエタノール(DEF−1)34.1質量部及びDPC146質量部と触媒として炭酸セシウム2質量%水溶液0.85×10−2質量部(全ジヒドロキシ化合物1molに対し、金属換算で16μmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を180℃に加熱し、必要に応じて撹拌しながら、45分間かけて原料を溶解させた。
重合時間は215分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.643dl/gであった。
実施例1において、合成例1で得たBHEPF−1に代えて、合成例3で得たBHEPF−3に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。重合時間は447分間である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.447dl/gであった。
合成例4で作製したDEF−1に代えて、合成例5で作製したDEF−2を使用した以外は、実施例3と同様の操作を行った。重合時間は250分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.556dl/gであった。
実施例2において、原料溶解後、70分間かけて220℃まで昇温し、90分間保持した。一方、原料溶解後、40分間かけて圧力を常圧から13.3kPaにし、120分間保持した。さらに、20分かけて280℃に昇温した。圧力は、30分かけて0.13kPaまで減圧し、反応終了まで保持した以外は、実施例2と同様の操作を行った。重合時間は250分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.523dl/gであった。
比較例1において、触媒量を3倍にした以外は、比較例1と同様の操作を行った。重合時間は263分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.702dl/gであった。
ISB55.1質量部に対し、合成例7の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCF−2)を61.1質量部及びDPC117.6質量部と触媒として炭酸セシウム2質量%水溶液0.88質量部(全ジヒドロキシ化合物1molに対して10μmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下で170℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、60分間かけて原料を溶解させた。
その後、実施例1と同様に昇温、減圧し、反応終了まで保持した。
重合時間は、240分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は、0.593dl/gであった。
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとして合成例6のBCF−1を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行った。
重合時間は、300分である。得られたポリカーボネート樹脂の極限粘度は、0.458dl/gであった。
結果を表2に示す。
更に、実施例1,2と比較例2とを比較すれば、モノマー中の硫黄元素含有量が多くポリマー中の硫黄元素含有量が多くなるような場合でも、触媒量を増加させることにより重合速度を高めることは出来るが、その場合にはポリマーの色調が悪くなることが分かる。
実施例5と比較例1または比較例2とを比較すると、ポリマー中の硫黄元素含有量が5ppm以下であるにも拘わらず、実施例5のポリカーボネート樹脂は色調の点に限っては両比較例に劣っている。しかしながら、重合速度、重合時間、極限粘度、耐加水分解性の全てで比較例1または比較例2よりも好適なポリカーボネート樹脂となっており、総合的には実施例5のポリカーボネート樹脂は、硫黄元素含有量が5ppmより大きなポリカーボネート樹脂よりも好適なものである。
Claims (15)
- 前記一般式(2)において、A1,A2が、炭素数6〜炭素数20を有する炭化水素基であることを特徴とする請求項2に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記一般式(2)において、A1,A2が、炭素数6〜炭素数12を有する芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項2に記載のポリカーボネート樹脂。
- さらに、複素環式ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物から選ばれる、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有することを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
- 重合触媒として、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることを特徴とする請求項7に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 重合触媒の使用量が、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物1モルに対して、金属換算量として0.1μモル〜100μモルであることを特徴とする請求項7に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 重合反応温度が、210℃〜270℃であることを特徴とする請求項7に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂を製膜してなる透明フィルム。
- 光学フィルムであることを特徴とする請求項13に記載の透明フィルム。
- 前記光学フィルムを延伸配向させた位相差フィルムであることを特徴とする請求項14に記載の透明フィルム。
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