JP2010260062A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の利用効率を向上するレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ光源10と、偏光制御素子14と、空間光位相変調器18と、集光レンズ40とを備える。空間光位相変調器18は、偏光制御素子14からのレーザ光のうち、偏光方向が一致する第1の偏光成分h1を位相変調して変調光hmとして出力すると共に、偏光方向が直交する第2の偏光成分h2を位相変調せずに非変調光hoとして出力するものであり、変調光hmの集光位置Bが非変調光hoの集光位置Aと異なるように、変調光hmの位相を制御する。偏光制御素子14は、レーザ光源10からのレーザ光の偏光を変更するものであり、変調光hmの強度と非変調光hoの強度とがそれぞれ加工対象物50の加工閾値以上となるように、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ光を用いて加工を行うレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関するものである。
レーザ光を集光して加工対象物に照射し、当該加工対象物の表面や内部の加工を行うレーザ加工装置が広く知られており、特許文献1〜3には、レーザ光を加工対象物における異なる複数の位置に集光するレーザ加工装置が開示されている。このように、レーザ光を複数の位置に集光することにより、加工対象物における複数の位置を同時に加工することができ、加工時間を短縮することが可能となる。特許文献1〜3に記載のレーザ加工装置では、レーザ光を複数の位置に集光させるために、それぞれ、空間光位相変調器(Spatial Light Modulator:SLM)、複屈折性結晶、回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)を用いている。
ところで、位相変調部に液晶を用いた空間光位相変調器は偏光依存性を有する。そのため、空間光位相変調器に入射されるレーザ光のうち、空間光位相変調器の偏光方向と一致する偏光成分は位相変調可能であり、集光位置の制御が可能であるが、空間光位相変調器の偏光方向に対して直交する偏光成分は位相変調できず、集光位置あるいは集光形状の制御が不可能である。その結果、空間光位相変調器の偏光方向に対して直交する偏光成分は、空間光位相変調器の偏光方向と一致する偏光成分の集光位置と同一の位置に集光することができず、0次光として異なる位置に集光されてしまう。これにより、意図しない位置も0次光によって損傷を与えてしまう。この点に関し、特許文献4には、出力段に0次光遮蔽板を備えることによって、不要な0次光を除去するレーザ加工装置が開示されている。
特開2006−68762号公報 国際公開第2005/84874号パンフレット 特許第3346374号明細書 特開2001−272636号公報
しかしながら、特許文献4に記載のレーザ加工装置では、0次光を無駄に捨てることとなり、レーザ光の一部を無駄に捨てていた。
そこで、本発明は、レーザ光の利用効率を向上するレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することを目的としている。
本発明の一側面に係るレーザ加工装置は、レーザ光を集光して加工対象物に照射し、当該加工対象物の加工を行うレーザ加工装置において、(a)レーザ光を発生するレーザ光源と、(b)レーザ光源からのレーザ光の偏光を変更するための偏光制御素子と、(c)偏光制御素子からのレーザ光の空間的な位相変調を行うための空間光位相変調器であって、偏光制御素子からのレーザ光のうち、当該空間光位相変調器の偏光方向と一致する第1の偏光成分を位相変調して変調光として出力すると共に、当該空間光位相変調器の偏光方向に対して直交する第2の偏光成分を位相変調せずに非変調光として出力する当該空間光位相変調器と、(d)空間光位相変調器からの変調光及び非変調光を前記加工対象物に集光する集光レンズとを備え、(e)空間光位相変調器は、変調光の集光位置が非変調光の集光位置と異なるように、変調光の位相を制御し、(f)偏光制御素子は、変調光の強度と非変調光の強度とがそれぞれ加工対象物の加工閾値以上となるように、空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を制御することを特徴とする。
本発明の別の一側面に係るレーザ加工方法は、レーザ光を集光して加工対象物に照射し、当該加工対象物の加工を行うレーザ加工方法において、(a)レーザ光を発生するレーザ光源と、(b)レーザ光源からのレーザ光の偏光を変更するための偏光制御素子と、(c)偏光制御素子からのレーザ光の空間的な位相変調を行うための空間光位相変調器であって、偏光制御素子からのレーザ光のうち、当該空間光位相変調器の偏光方向と一致する第1の偏光成分を位相変調して変調光として出力すると共に、当該空間光位相変調器の偏光方向に対して直交する第2の偏光成分を位相変調せずに非変調光として出力する当該空間光位相変調器と、(d)空間光位相変調器からの変調光及び非変調光を加工対象物に集光する集光レンズとを用い、(e)空間光位相変調器によって、変調光の集光位置が非変調光の集光位置と異なるように、変調光の位相を制御し、(f)偏光制御素子によって、変調光の強度と非変調光の強度とがそれぞれ加工対象物の加工閾値以上となるように、空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を制御することを特徴とする。
この発明によれば、空間光位相変調器によって、変調光と非変調光とを異なる位置に集光させ、偏光制御素子によって、変調光の強度に加えて非変調光の強度、すなわち0次光の強度をも加工閾値以上の任意の強度にすることができるので、変調光に加えて0次光をも用いて多点同時加工を行うことができる。このように、本発明によれば、0次光を無駄に捨てることなく積極的に用いているので、レーザ光の利用効率を向上することができる。
上記した空間光位相変調器は、変調光を非変調光の集光位置と異なる複数の位置に集光してもよい。これによれば、複数の加工位置の同時加工を行うことができる。
また、上記した空間光位相変調器は、変調光の集光位置を光軸方向において非変調光の集光位置と異ならせてもよい。これによれば、加工対象物の加工深さ方向において異なる加工位置の多点同時加工を行うことができる。
また、上記した空間光位相変調器は、変調光の集光位置を走査方向において非変調光の集光位置と異ならせてもよい。これによれば、加工対象物の加工走査方向において異なる加工位置の多点同時加工を行うことができる。
また、上記した空間光位相変調器は、変調光の集光位置を光軸方向及び走査方向に交差する方向において非変調光の集光位置と異ならせてもよい。これによれば、加工対象物の加工深さ方向及び加工走査方向に交差する方向において異なる加工位置の多点同時加工を行うことができる。
また、上記した偏光制御素子は1/2波長板であってもよい。これによれば、レーザ光源からのレーザ光が直線偏光を有する場合に、空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を好適に制御することができる。
また、上記した偏光制御素子は偏光板であってもよい。これによれば、レーザ光源からのレーザ光がランダム偏光を有する場合に、空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を好適に制御することができる。
本発明によれば、レーザ加工において、レーザ光の利用効率を向上することができる。その結果、加工効率の向上が可能となる。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るレーザ加工装置を示す斜視図である。 第1の実施形態のレーザ加工装置を簡略化して示す図である。 第2の実施形態のレーザ加工装置を簡略化して示す図である。 本発明の変形例に係るレーザ加工装置の加工対象物に対する集光位置を示す図である。 本発明の別の変形例に係るレーザ加工装置の加工対象物に対する集光位置を示す図である。 本発明の更に別の変形例に係るレーザ加工装置の加工対象物に対する集光位置を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示す第1の実施形態のレーザ加工装置を簡略化して示す図である。なお、図1及び図2には、加工対象物50及びレーザ光が共に示されている。
図1及び図2に示すレーザ加工装置1は、レーザ光源10と、コリメートレンズ12と、1/2波長板(偏光制御素子)14と、プリズムミラー16と、空間光位相変調器(SLM)18と、8個のミラー20,21,22,23,24,25,26,27と、2個のレンズ30,31と、対物レンズ(集光レンズ)40と、ステージ42とを備えている。
なお、プリズムミラー16と空間光位相変調器18とは波面制御モジュール60を構成しており、8個のミラー20,21,22,23,24,25,26,27と2個のレンズ30,31とは結像モジュール62を構成している。
レーザ光源10は、直線偏光を有する発散光を放出する。このレーザ光は、空間光位相変調器18に位相変調のための十分な空間解像度が得られる大きさに拡大された後にコリメートレンズ12によって平行光に変換され、1/2波長板14に入射する。
1/2波長板14は、その回転角度に応じて、入射するレーザ光の直線偏光方向D1を光軸Zに対して回転変更する。なお、1/2波長板14から出力されるレーザ光には、入射レーザ光の直線偏光方向D1を回転してなる偏光方向D11の偏光成分と共に、この偏光成分に直交する偏光方向D12の偏光成分が含まれることとなる。1/2波長板14から出力されるレーザ光は、プリズムミラー16を介して空間光位相変調器18に入射する。
空間光位相変調器18は、2次元配列された複数の画素を有しており、例えば、フレネルレンズパターンやCGH(Computer Generated Hologram)等のホログラムに応じて、入射するレーザ光の空間的な位相変調を行う。
特に、空間光位相変調器18の位相変調部に液晶が用いられる場合は、液晶が偏光依存性を有しているために、空間光位相変調器自体が特定の方向に偏光特性を有することとなる。すなわち、空間光位相変調器18は、入射レーザ光のうち空間光位相変調器18の偏光方向と一致する偏光を有する第1の偏光成分h1に対しては位相変調を行ない、変調光hmとして出力する。一方、空間光位相変調器18は、入射レーザ光のうち空間光位相変調器18の偏光方向と直交する偏光を有する第2の偏光成分h2に対しては位相変調を行なわず、非変調光ho、すなわち0次光として出力する。
これより、空間光位相変調器18では、ホログラム(例えば、フレネルレンズパターン)を制御することにより、変調光hmを加工対象物50の表面及び内部の任意の位置に集光させ、ホログラム再生像を結像させることができる。一方、空間光位相変調器18は、非変調光hoの位相変調を行なうことができないので、非変調光hoの集光位置を変更することができない。
なお、本実施形態では反射型の空間光位相変調器18を備える波面制御モジュール60を例示したが、波面制御モジュールは透過型の空間光位相変調器を備えてもよい。この場合には、プリズムミラー16を備える必要はない。反射型の空間光位相変調器としては、液晶空間光位相変調器LCOS(Liquid Crystal on Silicon)型、光アドレス型等が適用可能である。一方、透過型の空間光位相変調器としては、LCD(Liquid Crystal Display)型等が適用可能である。
空間光位相変調器18から出力される変調光hm及び非変調光hoは、プリズムミラー16を介して結像モジュール62へ入射する。
結像モジュール62では、空間光位相変調器18と対物レンズ40とが互いに結像関係となるように、ミラー20、ミラー21、レンズ30、ミラー22、ミラー23、ミラー24、ミラー25、ミラー26、レンズ31及びミラー27が順次に配置されている。
結像モジュール62は、縮小結像系を構成しており、空間光位相変調器18からの光像を対物レンズ40の瞳面に縮小結像する。例えば、レンズ30,31として、それぞれ、焦点距離200mmの平凸レンズと、焦点距離100mmの平凸レンズとを用いることにより、レーザ光の大きさが約1/2に縮小される。また、結像モジュール62は、レンズ30,31による4f光学系を構成しているため、空間光位相変調器18の変調面が対物レンズ40の瞳面に結像される。これにより、空間光位相変調器18で変調された波面が対物レンズ40にフレネル回折を起こすことなく伝播されるため、良好な波面制御を行うことができる。
このように、結像モジュール62では、結像系と縮小系とを兼ね備えることにより、レーザ光の光量を有効に利用することが可能であると共に、空間光位相変調器18が有する画素を有効に利用することが可能となる。なお、対物レンズ40と空間光位相変調器18との距離が比較的近いことにより、フレネル回折の影響が小さい場合には、結像モジュール62を使用しなくても良い。
対物レンズ40は、入射するレーザ光のうちの変調光hm及び非変調光hoを共にステージ42上の加工対象物50の表面又は内部に集光する。
ステージ42は、加工対象物50を支持すると共に、スライド移動が可能となっている。これにより、変調光hm及び非変調光hoを加工対象物50に対して相対的に走査可能となっている。
次に、第1の実施形態のレーザ加工装置1を用いた本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工方法について説明する。
第1の実施形態のレーザ加工方法では、空間光位相変調器18によって、変調光hmの位相変調を制御し、変調光hmの集光位置Bを光軸Z方向、すなわち加工対象物50の加工深さ方向において非変調光hoの集光位置Aと異ならせる。
例えば、非変調光hoは、空間光位相変調器18による位相変調を受けないので、ホログラムに依存せず集光位置Aに集光される。そこで、空間光位相変調器18に供給されるホログラム(例えば、フレネルレンズパターン)を制御することにより、変調光hmを集光位置Bに集光する。
また、第1の実施形態のレーザ加工方法では、1/2波長板14によって、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を制御し、変調光hmの強度と非変調光hoの強度とをそれぞれ加工対象物50の加工閾値以上とする。
具体的には、1/2波長板14の回転角度を調整することによって、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を空間光位相変調器18の偏光方向に対して調整し、空間光位相変調器18から出力される変調光hmと非変調光hoとの強度比を調整する。
例えば、入射レーザ光の直線偏光方向D1を回転してなる偏光成分の偏光方向D11を空間光位相変調器18の偏光方向と一致させると(すなわち、入射レーザ光の直線偏光方向D1を回転してなる偏光成分を第1の偏光成分h1とすると)、この偏光成分に直交する偏光方向D12の偏光成分(すなわち、第2偏光成分h2)に対応する非変調光hoの強度が最小となる。一方、入射レーザ光の直線偏光方向D1を回転してなる偏光成分の偏光方向D11を空間光位相変調器18の偏光方向に対して45度傾けると、変調光hmの強度と非変調光hoの強度とが略同一となる。
これより、空間光位相変調器18の偏光方向に対する1/2波長板14の回転角度を調整することにより、変調光hmと非変調光hoとを所望の強度比に調整可能であり、変調光hmの強度と非変調光hoの強度との双方が加工対象物50の加工閾値以上とすることができる。
すなわち、空間光位相変調器18によって、変調光hmの集光位置が非変調光hoの集光位置と異なるように、変調光hmの位相を制御し、1/2波長板(偏光制御素子)14は、加工対象物50における変調光hmと非変調光hoとの強度が加工閾値以上の任意の強度比となるように、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を制御することができる。
その後、ステージ42をスライド移動することによって、変調光hm及び非変調光hoを加工対象物50に対して相対的に走査し、2点同時加工を連続的に行う。
ところで、従来のレーザ加工手法では、加工位置を調整できない0次光は不要光として扱われてきた。例えば、特許文献4に記載のように、0次光遮蔽板によって0次光を除去したり、空間光位相変調器のホログラムの精度を高めることによって0次光の比率を下げたりする試みがなされてきた。また、空間光位相変調器のホログラムにフレネルレンズパターンを重畳させることによって、ホログラム再生像(変調光)と0次光とを分離させ、0次光を加工対象物の外側に集光させる等により、0次光の影響を低減させる試みがなされてきた。しかしながら、0次光を完全に除去することは不可能であり、従来のレーザ加工手法では、レーザ光の一部の成分を無駄に捨てていた。
ところが、第1の実施形態のレーザ加工装置1及びレーザ加工方法によれば、空間光位相変調器18によって、変調光hmと非変調光hoとを異なる位置A,Bに集光させ、1/2波長板(偏光制御素子)14によって、変調光hmの強度に加えて非変調光hoの強度、すなわち0次光の強度をも加工閾値以上とするので、変調光hmに加えて0次光を用いて2点同時加工(多点同時加工)を行うことができる。このように、本発明によれば、0次光を無駄に捨てることなく積極的に用いているので、レーザ光の利用効率を向上することができる。その結果、加工効率を2倍に向上することが可能となる。
この第1の実施形態のレーザ加工装置1及びレーザ加工方法は、変調光によってホログラム像形成等の複雑な加工を行い、同時に非変調光によって切断や穴開け等の単純な加工を行う用途において大きな効果を奏する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。第2の実施形態のレーザ加工装置1Aは、図1に示すレーザ加工装置1においてレーザ光源10及び1/2波長板14に代えてレーザ光源10A及び偏光板(偏光制御素子)14Aを備える構成で第1の実施形態と異なっている。レーザ加工装置1Aのその他の構成は、レーザ加工装置1と同一である。この第2の実施形態のレーザ加工装置1Aを、図3に簡略化して示す。
レーザ光源10Aは、ランダム偏光を有するレーザ光を発生する。例えば、レーザ光源10Aは、互いに直交する偏光方向D1,D2を含むレーザ光を発生するものとする。レーザ光源10Aの一例としては、ファイバレーザが挙げられる。
偏光板14Aは、偏光依存性を有しており、特定の偏光方向のレーザ光のみを通過させる。なお、偏光板14Aから出力されるレーザ光にも、偏光特性に応じて通過する偏光方向D11の偏光成分と共に、この偏光成分に直交する偏光方向D12の偏光成分が含まれることとなる。
次に、第2の実施形態のレーザ加工装置を用いた本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工方法について説明する。
第2の実施形態のレーザ加工方法でも、第1の実施形態と同様に、空間光位相変調器18によって、変調光hmの位相変調を制御し、変調光hmの集光位置Bを光軸Z方向、すなわち加工対象物50の加工深さ方向において非変調光hoの集光位置Aと異ならせる。
また、第2の実施形態のレーザ加工方法でも、偏光板14Aによって、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を制御し、変調光hmの強度と非変調光hoの強度とをそれぞれ加工対象物50の加工閾値以上とする。
具体的には、偏光板14Aの回転角度を調整することによって、空間光位相変調器18に入射するレーザ光の偏光を空間光位相変調器18の偏光方向に対して調整し、空間光位相変調器18から出力される変調光hmと非変調光hoとの強度比を調整する。
例えば、偏光板14Aの偏光方向を空間光位相変調器18の偏光方向と一致させると、すなわち、偏光板14Aを通過して空間光位相変調器18に入射する偏光成分の偏光方向を空間光位相変調器18の偏光方向と一致させると(すなわち、空間光位相変調器18に入射する偏光成分を第1の偏光成分h1とすると)、この偏光成分以外の偏光成分(すなわち、第2の偏光成分h2)に対応する非変調光hoの強度が最小となる。一方、偏光板14Aの偏光方向を空間光位相変調器18の偏光方向に対して45度傾けると、すなわち、偏光板14Aを通過して空間光位相変調器18に入射する偏光成分の偏光方向を空間光位相変調器18の偏光方向に対して45度傾けると、変調光hmの強度と非変調光hoの強度とが略同一となる。
これより、空間光位相変調器18の偏光方向に対する偏光板14Aの回転角度を調整することにより、変調光hmと非変調光hoとを所望の強度比に調整可能であり、変調光hmの強度と非変調光hoの強度との双方が加工対象物50の加工閾値以上とすることができる。
したがって、この第2の実施形態のレーザ加工装置1A及びレーザ加工方法でも、第1の実施形態のレーザ加工装置1及びレーザ加工方法と同様の利点を得ることができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、変調光hmを非変調光(0次光)hoの集光位置Aと異なる1点の位置Bに集光したが、上記したCGHやフレネルレンズパターンを用いて変調光hmを非変調光(0次光)hoの集光位置と異なる2点以上の位置に集光してもよい。この場合、全ての変調光hmの強度及び非変調光(0次光)hoの強度がそれぞれ加工閾値以上となるように、偏光制御素子によって、空間光位相変調器の偏光方向に対する空間光位相変調器の入射レーザ光の偏光を制御する。これにより、3点以上の他点同時加工が可能となる。その結果、加工効率は飛躍的に向上する。
また、本実施形態では、変調光hmの集光位置Bを光軸Z方向において非変調光(0次光)hoの集光位置Aと異ならせたが、図4に示すように、変調光hmの集光位置Bを走査方向Xにおいて非変調光(0次光)hoの集光位置Aと異ならせてもよい。これにより、走査方向Xにおける照射点を増加することができ、パルスレーザ光の繰り返し周波数を実効的に増倍する効果が得られる。例えば、レーザ光源からのレーザ光の繰り返し周波数が1kHzの場合、変調光と非変調光とによって、実効的に繰り返し周波数が2kHzのパルスレーザ光を照射した場合と同一の効果が得られる。
更に、図5に示すように、パルス変調光hmの集光位置と1つ前のパルス非変調光hoの集光位置とを一致させてもよい。これにより、実効的にダブルパルス照射の効果を得ることが可能となる。ここで、超短パルス光を短い時間間隔で照射することにより、多光子吸収等により被加工物を非熱的に加工する加工方法がある。この超短パルス光による加工では、レーザ誘起プラズマが用いられており、加工効率の向上のためにはレーザ誘起プラズマの発生効率を向上すればよい。そして、レーザ誘起プラズマの発生効率の向上のためには、ダブルパルス照射が有効である。これより、図5に示すように、パルス変調光hmの集光位置と1つ前のパルス非変調光hoの集光位置とを一致させ、実効的にダブルパルス照射を行うことにより、レーザ誘起プラズマの発生効率を向上させることができ、その結果、加工効率を向上させることが可能となる。
また、図6に示すように、変調光hmの集光位置Bを光軸Z方向及び走査方向Xに直交する方向Yにおいて非変調光hoの集光位置Aと異ならせてもよい。これにより、レーザ光走査方向Xに対して垂直な面内での2点同時加工が可能となる。
1,1A…レーザ加工装置、10,10A…レーザ光源、12…コリメートレンズ、14…1/2波長板(偏光制御素子)、14A…偏光板(偏光制御素子)、16…プリズムミラー、18…空間光位相変調器、20,21,22,23,24,25,26,27…ミラー、30,31…レンズ、40…対物レンズ(集光レンズ)、42…ステージ、50…加工対象物、60…波面制御モジュール、62…結像モジュール。

Claims (8)

  1. レーザ光を集光して加工対象物に照射し、当該加工対象物の加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光源からのレーザ光の偏光を変更するための偏光制御素子と、
    前記偏光制御素子からのレーザ光の空間的な位相変調を行うための空間光位相変調器であって、前記偏光制御素子からのレーザ光のうち、当該空間光位相変調器の偏光方向と一致する第1の偏光成分を位相変調して変調光として出力すると共に、当該空間光位相変調器の偏光方向に直交する第2の偏光成分を位相変調せずに非変調光として出力する当該空間光位相変調器と、
    前記空間光位相変調器からの前記変調光及び前記非変調光を前記加工対象物に集光する集光レンズと、
    を備え、
    前記空間光位相変調器は、前記変調光の集光位置が前記非変調光の集光位置と異なるように、前記変調光の位相を制御し、
    前記偏光制御素子は、前記変調光の強度と前記非変調光の強度とがそれぞれ前記加工対象物の加工閾値以上となるように、前記空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を制御する、
    ことを特徴とする、レーザ加工装置。
  2. 前記空間光位相変調器は、前記変調光を前記非変調光の集光位置と異なる複数の位置に集光することを特徴とする、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記空間光位相変調器は、前記変調光の集光位置を光軸方向において前記非変調光の集光位置と異ならせることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記空間光位相変調器は、前記変調光の集光位置を走査方向において前記非変調光の集光位置と異ならせることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記空間光位相変調器は、前記変調光の集光位置を前記光軸方向及び前記走査方向に交差する方向において前記非変調光の集光位置と異ならせることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記偏光制御素子は1/2波長板である、
    請求項1〜5の何れか1項に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記偏光制御素子は偏光板である、
    請求項1〜5の何れか1項に記載のレーザ加工装置。
  8. レーザ光を集光して加工対象物に照射し、当該加工対象物の加工を行うレーザ加工方法において、
    レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光源からのレーザ光の偏光を変更するための偏光制御素子と、
    前記偏光制御素子からのレーザ光の空間的な位相変調を行うための空間光位相変調器であって、前記偏光制御素子からのレーザ光のうち、当該空間光位相変調器の偏光方向と一致する第1の偏光成分を位相変調して変調光として出力すると共に、当該空間光位相変調器の偏光方向に直交する第2の偏光成分を位相変調せずに非変調光として出力する当該空間光位相変調器と、
    前記空間光位相変調器からの前記変調光及び前記非変調光を前記加工対象物に集光する集光レンズと、
    を用い、
    前記空間光位相変調器によって、前記変調光の集光位置が前記非変調光の集光位置と異なるように、前記変調光の位相を制御し、
    前記偏光制御素子によって、前記変調光の強度と前記非変調光の強度とがそれぞれ前記加工対象物の加工閾値以上となるように、前記空間光位相変調器に入射するレーザ光の偏光を制御する、
    ことを特徴とする、レーザ加工方法。
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