JP2010257388A - 旋盤及び旋盤における刃物台位置の補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い加工精度を得るために、刃物台の位置を補正する技術に関し、複数の刃物台を備えた旋盤において、一方の刃物台に搭載した工具による加工に他の刃物台の位置や移動速度に関係する加工誤差が生ずるのを防止する。
【解決手段】ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台を備え、その一方の刃物台の主軸との相対位置を、当該2個の刃物台の他方の刃物台の位置情報に関連して、より好ましくは、位置情報と移動速度情報とに関連して補正する位置補正手段を備えている。位置補正手段は、各刃物台の各所定位置毎に、一方(自分自身)及び他方の刃物台に与えるべき補正値を登録したテーブルを含むデータベースと、テーブルから補正値を読み取って必要な補間演算をし更に所定の変化率で補正値を変化させながら出力する補正値出力手段とで構成することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、高い加工精度を得るために、旋盤の主軸と刃物台の相対位置関係を補正する技術に関するもので、2個以上の刃物台を備えた旋盤における上記技術に関するものである。
工作機械自体の誤差や変形は、当該工作機械で加工されるワークの加工精度に反映される。工作機械自体の誤差としては、構成部材の加工誤差や組立誤差があり、変形としては、据付面の誤差や自重及び加工反力による弾性変形、寸法や形状の経年変化、熱変形などがある。旋盤は主軸に把持されたワークを当該主軸に対して相対移動する刃物台に装着した工具で加工する工作機械であり、上記誤差や変形が主軸と刃物台の相対位置関係を変化させるときに、当該変形や誤差がワークの加工精度に影響を与える。
ワークの加工精度を上げるためには、工作機械自体の誤差や変形を最小にする必要があるが、これを0にすることは不可能である。そのため、高精度加工を目的とした工作機械は、工作機械自体に誤差や変形があっても、それらが加工精度に反映されないように主軸と刃物台の位置関係を補正する各種の補正手段を備えている。その典型的なものは、工作機械の熱変形を補正する補正手段でベッドや刃物台に温度センサを取り付け、これによって検出される工作機械の各部の温度に基づいて、主軸と刃物台間の位置関係に与える影響を演算や実測値から求め、その影響を打ち消すように刃物台の位置を補正することで、工作機械の熱変形による加工誤差を補正する。
旋盤では、ワークの加工に際して、刃物台が主軸に対してZ方向(主軸の軸線方向)及びこのZ方向と直交するX方向(工具の切り込み送り方向)に移動する。この移動を案内するガイドに加工誤差や組立誤差があれば、刃物台の位置によって加工誤差が変化する。また、刃物台には自重があり、これを支えている前記ガイドは、ベッド(フレーム)に固定されており、ベッドは、外力(刃物台の自重はベッドに作用する外力である)の大きさやその作用する位置により、異なる形に弾性変形するので、ベッドの弾性変形に起因する加工誤差も刃物台の位置によって変化することとなる。
刃物台の位置に関連付けて、主軸と当該刃物台の位置関係を補正する補正は、ピッチエラー補正と呼ばれており、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1では、刃物台を第1の位置にして加工を行ったときの加工誤差と、第1の位置から離れた第2の位置で加工を行ったときの加工誤差とを計測して、この2個の計測値からワークを加工するときの刃物台の位置における誤差を直線補間により求めて、この誤差を打ち消す方向及び量の補正値を当該刃物台の送りモータに与えることにより、刃物台の位置に関連して変化するワーク加工誤差の補正を行う技術が提案されている。
特開2002−120127号公報
特許文献1に記載された技術は、刃物台を案内するガイドの狂いによって生ずるワークの加工誤差を補正することを主眼とするもので、刃物台の位置によってベッドの形状が変化するというベッドの弾性変形に起因する加工誤差については考慮されていない。一般にベッドの弾性変形は、熱変形や経年変化に比べて小さく、刃物台の重量などによる弾性変形がワークの加工精度に影響を及ぼさないようにベッドの剛性を十分に高くするという思想が工作機械を設計する上での常識と考えられているからである。
そのため、複数の刃物台を備えた旋盤においても、個々の刃物台について、主としてガイドや送りねじの精度を補正するためのピッチエラー補正は行われているが、複数の刃物台の内の1個の刃物台で行う加工の加工精度が他の刃物台の位置によってどのような影響を受けるかということや、それをどのようにして補正するかということについては、従来殆ど考慮されてこなかった。
一方、旋盤に求められる加工精度の向上、重切削や高速加工の要求に伴う刃物台の大型化、機械の設置面積の低減や価格低減の要求に起因する機械フレームの小型化などが行われている。
このような工作機械を取り巻く背景の中で、複数の刃物台を備えた旋盤、特にその複数の刃物台の内の1つが大型の回転工具を取り付けるための刃物台であったり、当該刃物台に装着する工具の交換装置が搭載されている刃物台であったり、大型の工具タレットを搭載した刃物台であったり、大きくオーバーハングした状態でベッドに取り付けられている刃物台であったりしたときに、当該刃物台の位置や移動速度によって他の刃物台に装着した工具による加工の加工誤差が変化することが認められた。
そこでこの発明は、複数の刃物台を備えた旋盤において、その内の1個の刃物台に搭載した工具で行った加工に他の刃物台の位置や移動速度に関係する加工誤差が生ずるのを防止することを課題としている。
この発明の刃物台位置の補正方法は、ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台4、5を備えた旋盤に適用される刃物台位置の補正方法である。この発明では、2個の刃物台の少なくとも一方の刃物台4の主軸2、3に対する相対位置を、他方の刃物台5の位置情報に関連して補正する。
すなわちこの発明の旋盤は、ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台4、5を備え、当該2個の刃物台の一方の刃物台4の主軸2、3との相対位置を、当該2個の刃物台の他方の刃物台5の位置情報に関連して補正する位置補正手段を備えている。
この発明のより好ましい補正方法では、2個の刃物台の少なくとも一方の刃物台4の主軸2、3に対する相対位置を、他方の刃物台5の位置情報と移動速度情報とに関連して補正する。従って、好ましいこの発明の旋盤は、ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台4、5を備え、当該2個の刃物台の一方の刃物台4の主軸2、3との相対位置を、当該2個の刃物台の他方の刃物台5の位置情報と移動速度情報とに関連して補正する位置補正手段を備えている。
この発明の旋盤における前記位置補正手段は、各刃物台4、5の各所定位置毎に、一方(自分自身)及び他方の刃物台に与えるべき補正値を登録したテーブルを含むデータベース14と、各刃物台4、5の位置情報ないし移動先情報を受取って当該位置ないし移動先の位置に対応する前記テーブル上の位置から補正値を読み取って必要な補間演算をし更に所定の変化率で補正値を変化させながら出力する補正値出力手段15と、出力された補正値を用いて現に加工を行っている刃物台の移動位置の基準となる座標原点をシフトさせる座標原点シフト手段13とで構成することができる。
各刃物台の位置情報と共に移動速度情報にも基づいて補正を行うときは、上記データベース14を、各刃物台の各所定移動速度毎に、一方(自分自身)及び他方の刃物台に与えるべき補正値を登録したテーブルを含んだデータベースとすることもできるが、位置情報に基づいて求めた補正値を速度情報に基づいて増減するという方法で補正を行うのが簡便である。
すなわち、データベース14に、各刃物台4、5の所定の複数の各移動速度毎に、補正対象となる刃物台に与える補正値を増減させる増減データを登録した第2のテーブルを含ませ、補正値出力手段15を、各刃物台の移動速度情報を受取って当該移動速度情報に対応する増減データを前記第2のテーブルから読取って、当該増減データで位置情報から求めた補正値を増減させる構成とする。
ベッド上を移動する主軸3を備えた旋盤においては、当該主軸の位置及び移動速度が前記一方の刃物台に搭載した工具で行う加工の加工精度に影響を及ぼすことがあり得る。このような場合には、当該移動する主軸の主軸台31を他方の刃物台とみなして上記方法を適用することができる。
また、上記他方の刃物台5の重量に比べて、当該刃物台に装着される工具重量の割合が大きいときは、当該刃物台にどの工具が装着されているかにより、補正値を変更するのが望ましい。この補正値の変更は、前述した刃物台の移動速度による補正値の変更と同様な手段、すなわち、装着される工具の重量に応じて補正値を増減させる増減データを登録した第3のテーブルを設けて補正値を増減するという手段で行うのが、制御手続を簡易化して制御のレスポンスを向上させる点で好ましい。
なお、他方の刃物台にどの工具が装着されたかは、旋盤の制御器に登録されているツールデータと直前に行われた工具交換で、どの工具が装着されたかにより、位置補正手段に自動的に認識させることができる。手動で工具交換を行った場合など、上記の自動認識ができないときは、手作業で工具の種類ないし工具の重量を入力して認識させる。
この発明により、刃物台の位置や速度によって工作機械自体が弾性変形することにより生ずる加工誤差が補正され、より高い精度で加工を行うことが可能になる。特に、大型の回転工具が装着される刃物台を備えた複合旋盤における加工精度の向上に有効である。
この発明に係る旋盤の要部を示したブロック図 図1の旋盤における補正手続の全体の流れを示すフローチャート
次に図面を参照して、この発明の具体的な実施形態を説明する。図1は、この発明に係る2主軸対向旋盤の一例を示したブロック図である。図の2主軸対向旋盤は、ベッドに固定された主軸台に軸支された左主軸2と、左主軸2と同一主軸軸線a上で対向するようにベッドに主軸軸線方向に移動位置決め自在に装着した主軸台に軸支された右主軸3と、Z方向及びX方向にそれぞれ独立して位置決めされる第1と第2の刃物台4、5を備えている。第1の刃物台4と第2の刃物台5は、主軸軸線aを挟んで対向配置されている。
第1刃物台4は、ベッドにZ方向にして装架された第1Z送りねじ41に螺合する第1Z移動台(図示せず)に搭載され、第1Z送りねじ41を正逆転駆動する第1Z送りモータ42によってそのZ方向の移動位置が設定される。また、第1刃物台4は、前記第1Z移動台にX方向にして装架された第1X送りねじ43に螺合して、この第1X送りねじ43を正逆転駆動する第1X送りモータ44によってそのX方向の移動位置が設定される。
第2刃物台5は、ベッドにZ方向にして装架された第2Z送りねじ51に螺合する第2Z移動台(図示せず)に搭載され、第2Z送りねじ51を正逆転駆動する第2Z送りモータ52によってそのZ方向の移動位置が設定される。また、第2刃物台5は、前記第2Z移動台にX方向にして装架された第2X送りねじ53に螺合して、この第2X送りねじ53を正逆転駆動する第2X送りモータ54によってそのX方向の移動位置が設定される。
右主軸3の主軸台31は、ベッドにZ方向にして装架された主軸送りねじ32に螺合して、この主軸送りねじ32を正逆転駆動する主軸送りモータ33により、Z方向に移動位置決めされる。
第1刃物台4には、主軸軸線a側に向けて第1工具45が装着されている。第2刃物台5には、主軸軸線a側に向けて第2工具55が装着されている。図には示してないが、例えば第1刃物台4には、工具交換装置が搭載されて、当該工具交換装置により、図示しない工具マガジンに収容した工具の1つが第1工具45として適時交換して装着される。また、例えば第2工具55は、第2刃物台5に搭載した図示しない工具タレットを介して第2刃物台5に装着されている。第1刃物台4及び第2刃物台5は、前記Z及びX方向と直交するY方向にも移動位置決めされる刃物台とすることができるが、通常、Z方向やX方向の移動量に比べてY方向の移動量は小さいので、刃物台4、5のY方向の移動位置による補正は、この実施例の旋盤では行っていない。
送りモータ42、44、52、54及び33は、旋盤の制御器11のNC制御部12に登録されて実行されている加工プログラムにより、その回転方向と回転速度が制御されている。NC制御部12から指令される各刃物台4、5の位置は、それぞれの刃物台について設定された座標46、56の座標原点oからの距離によって設定される。なお、図の座標46、56は、座標軸の方向を示したもので、座標の原点位置を示したものではない。
ワークの加工形状は、各刃物台4、5に装着された工具45、55の刃先と当該刃物台と協働してワークを加工する主軸2、3の相対位置関係で決定されるところ、各刃物台4、5に対する工具45、55の刃先の位置は、工具毎に異なっている。そこで、NC制御部12に、加工に使用する工具の刃先と刃物台(実際には刃物台の工具装着部)との位置関係を含むツールデータを登録して、工具の交換やタレットの割出角が変更される毎に、当該ツールデータに基づいて、NC制御部から出力される刃物台の位置が工具刃先の位置と対応する位置となるように、NC制御部の座標原点シフト手段13が、それぞれの刃物台の移動位置の原点となる座標原点を移動(シフト)させている。
旋盤の制御器11には、補正量データベース14と補正プログラム(補正値出力手段)15が登録され、補正プログラム15は、NC制御部12から刃物台4、5の座標情報と移動速度情報を受け取り、補正情報をNC制御部12に出力する。また、補正プログラム15は、受け取った座標情報及び速度情報に基づいて、補正量データベース14を検索し、データベースに登録されている補正データないし増減データを受け取る。
補正量データベース14に登録するテーブルの例が表1〜表5に示されている。
Figure 2010257388
Figure 2010257388
表1と表2は、第1刃物台4に装着した工具で左主軸2に把持されたワークを加工するときに用いるテーブルである。表1には、自分自身の位置(座標)に対する第1刃物台4(自分自身)のX座標の補正量が、第1刃物台4がZ方向に−400〜400mmの範囲で、かつX方向に−200〜200mmの範囲で動いたときの、100mm毎の位置における第1刃物台4のX座標の補正量が、ミクロン単位で登録されている。また、表2には、第2刃物台5の位置(座標)に対する第1刃物台4のX座標の補正量が、第2刃物台5がZ方向に−400〜400mmの範囲で、かつX方向に−200〜200mmの範囲で動いたときの、100mm毎の位置における第1刃物台4のX座標の補正量が、ミクロン単位で登録されている。なお表2及び表4の「・・・」と記した欄は、数値の記載を省略した欄で、実際には何らかの数値が登録される。
Figure 2010257388
Figure 2010257388
表3と表4は、第1刃物台4に装着した工具で右主軸3に把持されたワークを加工するときに用いるテーブルである。表3には、自分自身の位置(座標)に対する第1刃物台4(自分自身)のX座標の補正量が、第1刃物台4がZ方向に−400〜400mmの範囲で、かつX方向に−200〜200mmの範囲で動いたときの、100mm毎の位置における第1刃物台4のX座標の補正量が、ミクロン単位で登録されている。また、表4には、第2刃物台5の位置(座標)に対する第1刃物台4のX座標の補正量が、第2刃物台5がZ方向に−400〜400mmの範囲で、かつX方向に−200〜200mmの範囲で動いたときの、100mm毎の位置における第1刃物台4のX座標の補正量が、ミクロン単位で登録されている。
Figure 2010257388
表5は、各刃物台の移動速度による補正量の重み付けを登録したテーブルで、適宜設定した速度毎に補正量に与える重み付けが%表示で登録されている。登録された補正量の値は、個々の機械について実際に加工したワークの寸法を計測することによって得られた値である。
表1〜5は、第1刃物台4に対する補正量を登録したテーブルである。第2刃物台5に搭載した工具でワークを加工するときにも同様な補正が必要であれば、第2刃物台5のX方向の位置を補正するための表1〜5と同様なテーブルを登録する。刃物台が3個以上あって、第3刃物台や第4刃物台についても同様な補正を行うのであれば、それらの刃物台についても表1〜表5と同様なテーブルを登録する。
補正プログラム15は、NC制御部12から与えられる各刃物台4、5の位置情報と移動速度情報からワークの加工を現に行っている刃物台に対する補正量を演算する。例えば第1刃物台4がZ=−300mm、X=−100mmの位置で左主軸に把持されたワークを加工しており、第2刃物台がZ=300mm、X=−200mmの位置にあり、第1刃物台4の移動速度が3000mm/minであり、第2刃物台5が停止しているときの、第1刃物台4の補正量は、表1から第1刃物台4の位置に基づく補正量が8ミクロン、表2から第2刃物台5の位置に基づく補正量が3ミクロン、表5から第1刃物台の移動速度に基づく重み付けが80%、第2刃物台の移動速度に基づく重み付けが100%であるから、8×0.8+3×1=9.4ミクロンの座標シフト信号がNC制御部12に出力される。NC制御部12はこの信号を受けて第1刃物台4の移動基準となる座標oの原点をX方向に9.4ミクロンシフトさせる。
刃物台がテーブルに登録された位置の中間の位置にあるときは、その位置を登録されている座標に近似して補正量を求めるか、補間演算によって求める方法が有効である。ここで近似するとは、例えば表1のZ座標−300mm、X座標−100mmの欄を、Z座標−350〜−250mm、X座標−150〜−50mmの範囲にあるときの補正量とみなして8を補正量とするなどである。表5についても同様に、速度2000〜4000mm/minの範囲のものについて、速度が3000mm/minの重み付け量80%を用いるのである。
補間する場合は、例えば第1刃物台のZ座標が−250mm、X座標が−50mmであれば、表1のX=−100で、Z=−300と−200の中間の7.5を読み、X=0で、Z=−300と−200の中間の5.5を読み、7.5と5.5の中間の6.5とするなどである。
表2〜表4及び表5についても同様に、位置や速度をテーブルに登録されている値に近似するか、あるいは上記のような補間演算でNC制御部12に与える座標のシフト値を求める。
刃物台の位置や速度を補正量テーブルに登録された値に近似して補正量を求めた場合は、登録された位置や速度の中間の位置で補正量がミクロン単位で変化することとなる。例えば、表1のテーブルの登録値を用いて第1刃物台4の位置の補正を行っているときに、X=−100mmの位置でZ方向に250mmの位置を通過すると補正量が1ミクロン変化する。この補正量をそのままNC制御部に与えると、Z=250mmの位置でワークに条痕が発生する危険がある。この条痕を避けるためには、補正量が階段状に変化したとき、その変化量を刃物台の移動距離に対応する予め定めた変化率で徐々に変化させながら新しい補正量に設定されるようにする。
補正量を補間によって求めるときは、このような配慮は不要と考えられるが、何らかの原因で補正量が急激に変化したときのために、許容する最大の変化率を設定して、テーブルから求めた変化率がこの変化率を越えたときに登録された最大の変化率で補正量を変化させるようにするのが望ましい。
図2は、補正プログラム15内で行われる全体の制御を示したフローチャートである。補正プログラム15は、まず、NC制御部12から第1刃物台及び第2刃物台の位置と移動速度を読み込む(ステップ101、102)。次に第1刃物台に対する補正か第2刃物台に対する補正かを判定し(第1刃物台と第2刃物台が共に加工を行っているときは、この判定が交互に行われるようにする)、それぞれの刃物台について、右主軸のワークを加工中か、あるいは左主軸のワークを加工中かを判定して(ステップ103、104)、ステップ105、106、107、108で前述したような手続で補正量を読み取る。
ここで表1と表2は、ステップ105で用いる補正量テーブル、表3、4はステップ106で用いる補正量テーブルであり、ステップ107、108で用いる補正量テーブルは、表1〜表5を参照すれば自明であるので、省略されている。
そして、ステップ109、110でそれぞれの刃物台の位置の基準となる座標の原点を徐々に変化させてNC制御部12に出力する。この制御ループを一定の時間間隔で繰り返すことにより、複数の刃物台を備えた旋盤において、各刃物台の位置や速度によって変化する機械の弾性変形に基づく加工誤差を現にその加工を行っている刃物台の位置や速度のみならず、待機中又は同一ワーク、若しくは他のワークを加工している他の刃物台の位置や速度による機械の弾性変形を含めて補正を行うことができ、ワークの加工精度、特に大型の刃物台を含む複数の刃物台を備えた旋盤におけるワークの加工精度を向上させることができる。
2、3 主軸
4、5 刃物台
12 NC制御部
13 座標原点シフト手段
14 データベース
15 補正値出力手段
33 主軸送りモータ
42、44 刃物台4の送りモータ
52、54 刃物台5の送りモータ

Claims (7)

  1. ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台を備えた旋盤において、当該2個の刃物台の一方の刃物台の主軸との相対位置を、当該2個の刃物台の他方の刃物台の位置情報に関連して補正する位置補正手段を備えることを特徴とする、旋盤。
  2. ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台を備えた旋盤において、当該2個の刃物台の一方の刃物台の主軸との相対位置を、当該2個の刃物台の他方の刃物台の位置情報と移動速度情報とに関連して補正する位置補正手段を備えることを特徴とする、旋盤。
  3. 前記位置補正手段が、前記他方の刃物台が所定の複数位置の各位置にあるときに前記一方の刃物台に与えるべき補正値を登録したテーブルと、前記他方の刃物台の位置情報ないし移動先情報を受取って当該位置ないし移動先の位置に対応する前記テーブル上の位置から前記補正値を読み取る補正値出力手段と、当該補正値を用いて前記一方の刃物台の移動位置の基準となる座標原点をシフトさせる座標原点シフト手段とを備えている、請求項1記載の旋盤。
  4. 前記位置補正手段が、前記他方の刃物台が所定の複数の移動速度の各速度で移動しているときに前記一方の刃物台に与える前記補正値の増減データを登録した第2のテーブルを備え、前記補正値出力手段が、前記他方の刃物台の移動速度情報を受取って当該移動速度情報に対応する増減データを前記第2のテーブルから読取って前記補正値を増減させる、請求項2記載の旋盤。
  5. 補正値出力手段は、補正値を所定の変化率で変化させながら読取った補正値に設定する、請求項3又は4記載の旋盤。
  6. ベッド上を少なくとも互いに直交する2方向に移動位置決めされる少なくとも2個の刃物台を備えた旋盤における刃物台位置の補正方法において、前記2個の刃物台の少なくとも一方の刃物台の主軸に対する相対位置を、他方の刃物台の位置情報に関連して補正することを特徴とする、旋盤における刃物台位置の補正方法。
  7. 前記他方の刃物台の複数の移動位置ごとに当該移動位置に当該刃物台が位置するときに前記一方の刃物台に与える補正データを登録したテーブルを用意し、前記一方の刃物台の位置情報に対応する前記テーブル上の位置から前記補正データを読取りないし補間演算し、当該補正データを用いて、前記一方の刃物台の移動位置の基準となる座標原点を予め定めた変化率でシフトさせる、請求項6記載の旋盤における刃物台位置の補正方法。
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