JP2010255851A - 液体封入式マウント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな減衰が得られ、上下方向に大きなストロークを取ることができ、大ストロークによる繰り返し負荷を受けても破壊の恐れのない液体封入式マウント装置を提供する。
【解決手段】減衰液Rが充填される液室7を有する筒状容器2と、筒状容器2の軸心に少なくとも一端が液室7内を移動可能に配設され、他端が被緩衝体に固着されるスタッド3と、筒状容器2を密閉する可撓性の蓋部材4と、液室7内の減衰液Rの流動抵抗によって振動を減衰する減衰機構5と、スタッド3に固着し、振動吸収作用範囲内において、スタッド3の圧縮方向への移動時に、蓋部材4の膨張変形を規制するガイドプレート6とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、大型自動車や建設機械の運転台(キャブ)などの振動を緩衝するための液体封入式マウント装置に関する。
従来の液体封入式マウント装置の代表的なタイプとして、例えば、以下の特許文献1〜3に開示されたものが知られている。
まず、文献1(特開平1−158241号公報)に開示された「高さ調整可能なマウント」は、絞り(オリフィス)通路9を介して連通する2つの液室4(上流室4a及び下流室4b)に減衰液を充填する。この液室4の下方に設けた空気室5に加圧空気を充填する。液室4と空気室5とをダイヤフラム盤3で仕切る。これにより、文献1のマウントでは、弾性材で形成した支持盤2に支軸6を介して振動が入力された時に、減衰液が絞り通路9を介して液室4a、4b間を移動する際の流動抵抗によって支軸6に入力された振動を減衰するようにしている。
文献2(特開平9−296844号公報)に開示された「液体封入式マウント」は、スタッド5、小径筒部4及び円筒スリーブ7を一体的に形成した弾性体2で被緩衝体を支承する。スタッド5の下端に減衰板3を固着し、高粘性の減衰液12に浸漬して配設する。これにより、文献2のマウントでは、スタッド5に振動が入力された場合に、スタッド5に接続された減衰板3が高粘性の減衰液12を撹拌することによる流動抵抗によってスタッド5に入力された振動を減衰するようにしている。
次に、文献3(特開2003−322198号公報)に開示された「液体封入式マウント装置」は、スタッド3の下端部に接続された可動減衰板4とカップ状容器1の底部との間に配設したコイルスプリング13で被緩衝体を支承する。可動減衰板4をカップ状容器1内に封入した高粘性液2に浸るように配設する。スタッド3の上部とカップ状容器1の上部とを可撓性密封蓋7により液密に密閉する。固定減衰板10を可撓性密封蓋7と可動減衰板4との間に固定している。これにより、文献3のマウント装置においては、カップ状容器1の上部開口を密閉する可撓性密封蓋7の蓋部材8で荷重を受ける必要がない。そのため、蓋部材8に剛性は要求されず、柔軟な材質を採用することができ、スタッド3の上下動を阻害することがないため、大ストローク化を容易に実現できる。
また、文献3のマウントは、スタッド3が大きく移動可能であるため、液室の容積が縮小して液室の内圧が上昇するおそれがある。さらに、可動減衰板4で高粘性の減衰液2を撹拌するため可動減衰板4の振動方向に局所的な高圧部が生じ、局所的に液室の内圧が上昇する場合もある。そのため、このような液室の内圧の上昇を吸収するため、液室内に少量の空気を封入している。
特開平1−158241号公報 特開平9−296844号公報 特開2003−322198号公報
しかしながら、文献1に記載のマウントでは、液室4a、4bの一方の容積を変化させ、絞り通路9を介して他方の液室への減衰液の流動を起こさせる構造である。そのため、液室の容積変化を許容する支持盤2などの可動壁が必要になる。
上記支持盤2は、支軸6の上下動に追従して液室4aを縮小・膨張させることで、絞り通路9を介して減衰液を液室4aと液室4bの間を流動させるものである。この支持盤2が極端に柔らかい場合、支軸6が下降しても支持盤2が内圧により膨張してしまい、液室4aを縮小させることができない。よって、減衰液を液室4bへ流動させることができないため十分な減衰効果を得ることができない。従って、この支持盤2は、支軸6に載置される被緩衝体の荷重を支承し、かつ液室4の内圧(液圧)の上昇に耐えながら減衰液を絞り通路9を介して液室4bへ排出する必要があるため、ゴムなどの弾性材で形成した場合でも、ある程度の剛性が必要とされる。
そのため、このマウントでは、支持盤2がある程度の剛性を有し、支軸の自由な移動を阻害するため大ストローク化が困難であるという問題がある。
また、文献2のマウントでは、スタッドに接続された被緩衝体を弾性体(マウントゴム)のせん断方向ばねにて弾性的に支承するため、ある程度の剛性が必要とされる。そのため、弾性体(マウントゴム)に、高さ方向(スタッドの軸方向)にある程度の厚みを持たせることで、せん断方向剛性をアップするようにしている。しかし、弾性体2の剛性をアップさせると、高さ方向及び径方向とも大径筒部に対するスタッドの自由度が下がり、スタッドの自由な移動を阻害するため大ストローク化が困難であるという問題がある。従って、文献2のマウントでは、ストロークを大きくできないため、建設機械のキャブなどのマウントに使用した場合には、所謂硬いマウントとなり、あまり乗り心地がよくないものであった。
一方、文献3のマウント装置においては、被緩衝体の荷重は、コイルスプリング13で弾性的に支承し、可撓性蓋部材7で負担する必要がない。そのため、可撓性蓋部材7には十分に柔らかいゴムなどの弾性体を使用することができ、スタッドの移動を阻害しないので大きいストロークのマウントとすることが出来る。
しかしながら、文献3のマウント装置では、可動減衰板4が大きく早く動作できるため、高粘性液が可動減衰板4の動作に追従しきれず、キャビテーションが発生し易くなる。このキャビテーションを抑制するには、一般的に、液室内に減衰液を100%充填したり、液室に封入する空気を加圧状態とすることが有効である。しかし、このタイプのマウントでは、蓋部材に剛性がないため、液室内が高圧になると可撓性密封蓋の蓋部材が容易に膨張変形し易くなってしまう。また、振動による繰り返し負荷を受けると破損する恐れがある。さらに、内圧上昇に対応するために蓋部材を高剛性化した場合には、スタッドの上下動を阻害してしまい、大ストローク化が困難になるという問題がある。
このように、従来のマウント装置では、スタッドの大ストロークを可能にし、かつ液室内の内圧が上昇しても弾性体などの破壊の恐れがなく、高い減衰性能を有するマウント装置を実現することは困難であった。
以上のような課題に鑑み、本発明は、大きな減衰が得られ、上下方向に大きなストロークを取ることができ、大ストロークによって繰り返し負荷を受けても破壊の恐れがない液体封入式マウント装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る液体封入式マウント装置は、有底の筒状容器と、スタッドと、蓋部材と、減衰機構と、ガイドプレートとを具備する。
上記筒状容器は、上方を開放し、減衰液を充填する液室を有する。
上記スタッドは、上記筒状容器の軸心に、少なくとも一端が液室内を移動可能に配設し、他端が被支承体に固着される。
上記蓋部材は、板状または膜状で可撓性の蓋部と、取付部とからなり、上記筒状容器を密閉する。上記蓋部は、上記スタッドの周囲に固着してスタッドの移動に伴って変形する。上記取付部は、上記筒状容器の上部に固着する。
上記減衰機構は、上記液室内の減衰液の流動抵抗によって振動を減衰する。
上記ガイドプレートは、上記スタッドに固着し、振動吸収作用範囲内において、上記蓋部材の膨張変形を規制する。
上記ガイドプレートは、いわゆるストッパとは異なり、振動吸収作用範囲内において、上記蓋部材に生じる膨張変形を規制するものである。ここで、ストッパは、ストロークの上限/下限を規定するもの、すなわちストッパは被支承体が所定ストロークを超える上方向あるいは下方向への過大な動きを単に規制するものであって、ストッパそれ自体が被支承体に対する振動吸収機能には関係しない。これに対して、上記ガイドプレートは、例えば蓋部材に接触してからのストローク中は液室内の減衰液による蓋部材の膨張を抑え、被支承体から印加される振動的荷重を支承し、減衰液の流動を促して減衰機構の減衰効果を発現せしめるものであって、つまりガイドプレートが蓋部材の膨張変形を規制することによって、振動吸収機能を奏しめる。上記振動吸収作用範囲とは、本発明の液体封入式マウント装置がこのような機能を有するストローク範囲を意味する。
なお、板状の蓋部にいう板状とは、それ自体で明確であるが、蓋部の厚みが蓋部の平面方向の長さよりも小さいことを意味する。なお、具体的には、蓋部の内周側端部と外周側端部の径方向長さよりも蓋部の厚みが小さいことがより好ましい。蓋部を板状または膜状とすることにより、蓋部材の柔軟性を向上させて容易に変形させることが可能になる。
このような構成により、被支承体の移動に伴ってスタッドの圧縮方向への移動時に、このスタッドの周囲に固着した、ゴムまたはエラストマーなどの弾性体からなる可撓性の蓋部材が液室の内圧上昇によって膨張変形する。この時、ガイドプレートによって蓋部材の膨張変形を規制する。これにより、蓋部材に局所的にひずみが集中することを防止する。
すなわち、蓋部材に柔軟性を持たせながら膨張変形を小さく抑えることができるため、繰り返し荷重を受けても破壊のおそれがなく、耐久性の高い蓋部材とすることができる。
本発明に係る液体封入式マウント装置の一実施形態を示す断面図である。 同じく、要部拡大図である。 同じく、鉛直方向に負荷がかかった場合を示す要部断面図である。 同じく、水平方向に負荷がかかった場合を示す要部断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す断面図である。 シミュレーション解析の結果を示す図である。 本発明の変形例を示す断面図である。 図7に示した液体封入式マウント装置の効果を確認するために行った試験結果を示すグラフである。 本発明の別の変形例を示す断面図である。 本発明のさらに別の変形例を示す断面図である。
本発明の好ましい実施形態においては、上記ガイドプレートは、上記スタッドの圧縮方向への移動量に応じて、上記蓋部材との接触面積が増加する。
このような構成により、蓋部材の膨張変形を規制する領域を上記移動量に応じて増やすこととなるので、例えば、エンジンのアイドリング振動などの振幅の小さい振動(微小振動)については、蓋部材の膨張変形を部分的に許容できるため、微小振動を吸収することができ、また、例えば、悪路走行時の振動などの振幅が大きい振動については、蓋部材の膨張変形を確実に規制して、振動を吸収し、減衰機構を働かせて、振動を減衰することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、上記ガイドプレートは、スタッドの各方向への移動可能範囲に基づく蓋部材の最大変形量または最大変形時の形状に合致した形状及び大きさで形成する。特に、上記ガイドプレートは、少なくともスタッドの圧縮方向への移動可能範囲に基づく蓋部材の最大変形量または最大変形時の形状に合致した形状及び大きさで形成するのが好ましい。
このような構成により、蓋部材が負荷を受けた時に変形する範囲を確実に規制することができ、くり返し変形することによる破壊を有効に防止する事ができる。
本発明の好ましい実施形態においては、上記ガイドプレートは筒状ストッパを備える。この筒状ストッパは、ガイドプレートの外周の先端部を下方に延設して形成される。筒状ストッパは、上記蓋部材の外周面との間に一定の隙間を介して配置される。
このような構成により、ガイドプレートの筒状ストッパが蓋部材の外周面に当接することにより、スタッドの水平またはこじり方向への移動を所定範囲内に抑えることができ、蓋部材の変形量及び変形形状を規制することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、筒状ストッパは、上記スタッドが上記被支承体の荷重を支承し、且つ、当該被支承体が静止した状態で、少なくとも一部が蓋部材の外周面と上下方向でオーバーラップする。
このような構成により、蓋部材の外周面をガイドプレートの筒状ストッパに確実に当接させることができ、蓋部材の変形量及び変形形状を規制することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、蓋部材は蓋部と取付部とからなる。
蓋部は、弾性体で形成する。
取付部は、蓋部の弾性体よりも硬質の硬質材で形成され、上端部が外方に延設された鍔部を備えた円筒部を有する。
このような構成により、弾性を有する蓋部を筒状容器に確実に取り付けることができ、硬質の筒部によって剛性を持たせることができるので、ガイドプレートの筒状ストッパが当接した場合にも、荷重を受けることができる。
また、鍔部が円筒部の上端部を外方に延設して形成されることで、スタッドが下降した場合にガイドプレートも下降し、蓋部材の筒部の上方に位置するガイドプレートが筒部の上端に設けた鍔部に弾性体を介して当接する。そのため、衝撃を広い面積を有する平面で受けることができるので、ガイドプレート又は筒部が変形・損傷するのを有効に防止できる。また、スタッドが、水平またはこじり方向に移動し、ガイドプレートの筒状ストッパが当接する場合、上記筒状ストッパは、上記鍔部に弾性体を介して当接することができるので、鍔部の大きさを調整することにより当接後の変位量を調整することができる。
(実施形態の詳細)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に符号1で示す液体封入式マウント装置は、筒状容器2と、スタッド3と、蓋部材4と、減衰機構5と、ガイドプレート6とを具備する。
筒状容器2は、上方が開放された有底の円筒であり、高い剛性を有する金属などで形成される。筒状容器2の上端は、外方(周方向)に延設されて水平なフランジ2aを形成している。この筒状容器2の上方の開口が蓋部材4で液密に密閉されることで、筒状容器2の内部が、高粘性の減衰液Rが充填される液室7を構成する。本実施形態では、液室7内に空気Aを封入している。なお、減衰液Rや封入する気体は空気以外の種々のものを採用できる。
スタッド3は、被支承体としてのキャブなどの被緩衝体(図示せず)に固着され、上記筒状容器2の軸心に、当該スタッド3の一端が液室7内を移動可能に配設される。すなわち、被緩衝体の上下左右方向、こじり方向若しくは斜め方向の移動に伴って、このスタッド3も移動する。
蓋部材4は、上記フランジ2aを介して筒状容器2に固着されて上部開口を液密に密閉する。この蓋部材4は、ゴムなどの可撓性の弾性材で形成される蓋部8と、筒状容器2の上部のフランジ2aに固着される取付部9とから構成される。
蓋部8は、中央が開口した円板(円盤)状で形成される。この開口に上記スタッド3が挿通され、スタッド3の外周面に蓋部8が加硫接着されている。これにより、スタッド3の移動に伴って蓋部8も変形する。なお、蓋部8は、膜状などの種々の形状に形成することができる。
取付部9は、可撓性の蓋部8よりも硬質の材料で形成した円筒部を備える。本実施形態では、略L字状の金具で取付部9を構成した。具体的には、上記筒状容器2のフランジ2aに図示しないボルト等で固着される固定用フランジ9aと、スタッド3の軸方向と略平行の円筒部9bとで取付部9を構成している。この円筒部9bは、上端部を外方に延設した鍔部9cを備えている。本実施形態においては、鍔部9cを含む円筒部9bの全体、及び固定用フランジ9aの一部が上記蓋部8と同じ弾性材で被覆され、加硫接着などで一体化されている。なお、この取付部9は、筒状容器2のフランジ2aや後述する固定減衰板10の円環部10aに周方向の複数個所でカシメ止めされると共に(紙面左側を参照)、図示しない車体等にボルトなどで複数個所で共締めされる(紙面右側を参照)。
上記のように構成された蓋部材4は、特に上下方向に対して十分な可撓性(柔軟性)を有している。
なお、蓋部材4は、スタッド3の周囲に、加硫接着などによって直接固着し、またはスリーブなどを介して間接的に固着してもよい。
減衰機構5は、上記液室7内の減衰液Rの流動抵抗によって被緩衝体からの振動を減衰する。本実施形態では、液室7を上下2室に区画し、被緩衝体から荷重がかかった場合に、減衰液Rが上下の液室7a、7b間を移動して振動を減衰するとともに、可動減衰板11が液室7b内にて減衰液を攪拌することにより、さらなる減衰を重畳して発揮するものである。具体的には、固定減衰板10と、可動減衰板11と、液室7内に充填された減衰液Rと、荷重を支承するコイルスプリング12とで減衰機構5を構成している。なお、減衰機構5は、上記した構成に限定されず、従来周知の種々のタイプを採用できる。
固定減衰板10は、金属製の円環部10aと、この円環部10aの周囲に加硫接着などで固着される弾性材10bとで一体的に構成される。円環部10aは、中央開口側の端部が下方に屈曲して円筒状に形成される。この円筒状部の周囲が上記弾性材10bで被覆される。これにより、スタッド3が水平(斜め)方向やこじり方向に移動してこの固定減衰板10と当接した際に弾性材10bが緩衝体として機能する。
また上記したように、円環部10aの外周端部は、筒状容器2の上記フランジ2a及び蓋部材4の固定用フランジ9aと位置決めされて複数個所がカシメ止めやボルト止めによって一体的に固着される。なお、溶接などの方法で固着してもよいことはもちろんである。
弾性材10bは、上記した蓋部材4の蓋部8と同一の弾性材料で成形される。この弾性材10は、図1(B)に拡大して示すように、上記スタッド3が被緩衝体から水平方向の負荷(振動)を受けていない中立位置において、中央開口の周囲がスタッド3の外周面と非接触となるように配置される。この微小な隙間P1が、上部液室7aと下部液室7bとを連通する第1液流路を構成する。すなわち、中立位置においてスタッド3の外周全体に第1液流路が確保される。
可動減衰板11は、スタッド3の下端に固着され、液室7(下部液室7b)内に配置される。この可動減衰板11は、スタッド3に固着される円環板11aと、円環板11aの外周端を下方に屈曲させた筒部11bとで構成される。被緩衝体に荷重がかかりスタッド3が移動した場合に、スタッド3に伴ってこの可動減衰板11も移動する。その際、円環板11a及び筒部11bとが減衰液Rを撹拌する流動抵抗によって減衰力を得られる。
また、可動減衰板11は、上記中立位置において、筒部11bの外周面が筒状容器2の内周面と非接触となるように配置される。この筒部11bと筒状容器2との隙間が減衰液Rの第2液流路を構成する。すなわち、中立位置において可動減衰板11の外周全体に第2液流路が確保される。なお、図中の符号13は、円環板11aの周方向に一定のピッチで形成された複数の小孔である。この小孔13、13は、上部液室7aと下部液室7bとを連通する第3液流路として機能する。また、加圧された減衰液Rが小孔13、13を徐々に通過することで、移動を円滑に行わせることができる。
上記した第1液流路及び第2液流路は、スタッド3が横方向の負荷を受けた場合の不感域として機能する。すなわち、本装置1を建設機械等に取り付けた場合、エンジンのアイドリング振動や作業時の小振幅横振動(小振動)が生じた際には、この不感域の存在により小振動を被緩衝体に伝えない。そのため、小振動に対する振動絶縁性がよい。また、一定以上の横振動(横移動)が生じた際には、減衰機構5、ひいては筒状容器2が荷重を支持するため、装置全体で横方向の振動を減衰することができる。
コイルスプリング11は、略円筒状であり、可動減衰板11の下面と筒状容器2の底面との間に配設する。なお、このコイルスプリングに代えて、円錐形のコイルスプリングや円筒状に形成したゴムなどの弾性部材など、種々の弾性構造を採用することができる。
ガイドプレート6は、金属などの高い剛性を有する材質で形成され、上記スタッド3の上部に固着される。好ましくは、ガイドプレート6は、スタッド3の圧縮方向及び水平方向への移動可能範囲に基づく蓋部材4の最大変形量又は最大変形時の形状に合致した形状及び大きさで形成される。これにより、ガイドプレート6は、蓋部材4の変形形状及び変形量を規制する機能を奏する。なお、本発明において、スタッドの圧縮方向とは、図1における紙面下方向を意味する。
ここで、蓋部材4の「最大変形量」には、マウント自体の許容最大変形量と、安全率を見込んだ設計上(使用上)の許容変形量とが考えられる。何れを選択するかは、適用するキャブの使用状態等を考慮して適宜決定することができる。また、「最大変形時の形状」は、減衰液Rが充填されていない状態での変形形状を意味する。
なお、ガイドプレート6は、蓋部材4の変形形状若しくは変形量の何れかを規制できる形状・大きさで形成することもできる。例えば、蓋部8の材質の柔軟性や、蓋部材4全体の若しくは局所的な柔軟性・剛性などに応じて、変形時の形状や変形量の何れかだけを規制できる形状等にガイドプレート6を形成する。また、好ましくは、蓋部材4の少なくとも上面を覆う形状及び大きさで形成し、必要に応じて側面も覆うようにすればよい。
本実施形態のガイドプレート6は、蓋部材4の中立時の形状、及び振動を受けた場合に内圧の上昇などで変形する蓋部材4の部位の形状などに合わせて、上記蓋部材4の上面の全面及び側面の一部を覆う形状及び大きさで形成される。具体的には、中央の水平部分の周囲に下方に窪んだ円環状の凹部6aを形成すると共に、外周の先端部を下方に屈曲して延設した円筒状ストッパ6bを備えている。
ここで、中立時とは、スタッド3が被緩衝体に固着されて当該被緩衝体の荷重を支承し、当該被緩衝体が静止した状態をいう。
蓋部材4における蓋部8の上面には、中央の水平部分の周囲に下方に窪んだ円環状の凹部8bが形成されている。凹部8bは、その上面がガイドプレート6の凹部6aの下面と対向する位置にある。蓋部8の凹部8bは、ガイドプレート6の凹部6aの下面を収容できる大きさ及び形状が好ましい。さらに、凹部6aの下面の形状及び凹部8bの上面の形状は、後述するようにガイドプレート6の凹部6aの下面が蓋部8の凹部8bの上面に接触する際に、まずガイドプレート6の水平中心に近い位置から接触し、それから徐々に外周に向けて接触するようなものが好ましい。例えば、凹部6aの下面の形状及び凹部8bの上面の形状は、ガイドプレート6の水平中心に近い位置側を図1の如くR形状とし、凹部6aの下面側のR形状の曲率半径を形状及び凹部8bの上面のそれよりも小さくする。これにより、ガイドプレート6は、スタッド3の圧縮方向への移動量に応じて、蓋部材4との接触面積が増加する。
ガイドプレート6は、図2に拡大して示すように、蓋部材4の上面の一部及び側面と一定の隙間P2、P3を介して配置される。また、凹部6bの下面は、上記した中立時において蓋部材4の上面の一部と接しており、蓋部材4の中心付近において上方への変形を規制している。
円筒状ストッパ6bは、中立時において、少なくとも一部が蓋部材4(蓋部8)の外周面8aと鉛直方向でオーバーラップする大きさで形成され、かつ配設される。これにより、スタッド3が外部からの振動を受けて移動した場合に、このスタッド3に固着された蓋部材4の蓋部8の水平方向の変形を一定範囲に規制することができる。さらに、円筒状ストッパ6bが上記蓋部材4の取付部9aの鍔部9cと対向するように配置するのが好ましい。これにより、蓋部材4が大きく変形した場合に剛性を有する取付部9aと円筒状ストッパ6bとが接することで、それ以上の変形を規制し、蓋部材4の損傷等を防止できる。
次に、図3、図4を参照して、スタッド3に荷重がかかって蓋部材4が変形した場合のガイドプレート6の機能を説明する。図3は、スタッド3の軸方向に荷重がかかった場合、図4はスタッド3にこじり方向(紙面右から左方向)に荷重がかかった場合を夫々示す。減衰機構5の動作や機能は周知であるため、以下においては、スタッド3、蓋部材4及びガイドプレート6の移動及び変形に限定して説明する。上下左右は紙面における方向を示す。また、図中の一点鎖線は、スタッド3の軸線及びガイドプレート6の中立位置における上面位置を示している。
まず、図1(A)に示した中立状態から、スタッド3に垂直方向に荷重がかかるとスタッド3が沈み込み、それに伴って蓋部材4の蓋部8の中心側が下方に引っ張られる。蓋部材4の下面は上部液室7aに面しており、この上部液室7aには空気Aが封入されているため、蓋部材4は特に空気Aを圧縮しながら下降する。その結果、液室7内が高圧となる。柔軟な弾性体で構成される蓋部材8は、液室7の内圧上昇によって上(膨らみ)方向の圧力を受ける。しかし、ガイドプレート6もスタッド3と共に沈み込んでいるため、液室7の内圧上昇による蓋部8の膨張変形を凹部6aを始めとするガイドプレート6全体で規制する。より具体的には、ガイドプレート6の凹部6aの下面が蓋部8の凹部8bの上面に接触する際に、まずガイドプレート6の水平中心に近い位置から接触し(第1の位置とする。)、それから徐々に外周に向けて接触する。最終的には、蓋部8の膨張変形を凹部6aを始めとするガイドプレート6全体で規制する(第2の位置とする。)こととなる。すなわち、蓋部8は、図3のX1の破線円で示した部分でガイドプレート6に当接し、それ以上の上膨張変形を規制されている。従って、液室7の内圧上昇による蓋部8の膨張変形が抑えられる。さらに、スタッド3が下降した場合、図3のX2の破線円で示した部分でもガイドプレート6に当接し、これ以上のスタッド3の下降を規制する。つまり、上記ガイドプレート6は、振動吸収作用範囲(第1の位置と第2の位置との間)内において、スタッド3の圧縮方向への移動時に、蓋部材4の膨張変形を規制するものであり、ガイドプレート6は蓋部材4に接触してからのストローク中は液室7内の減衰液Rによる蓋部材4の膨張を抑えるとともに被緩衝体から印加される振動的荷重を支承する。従って、ガイドプレート6が蓋部材の膨張変形を規制することにより、振動吸収機能を奏しめることとなる。また、蓋部8の液室7に面する表面には、内圧0状態での変形と同等程度のひずみしか生じないので、蓋部8が柔軟な弾性体で構成されているにもかかわらず、亀裂や破壊が生じ難い。
次に、スタッド3にこじり方向の荷重がかかった場合を説明する。
図1(A)の中立状態から、スタッド3にこじり方向の荷重がかかると、まずスタッド3に固着された蓋部材4の蓋部8がスタッド3に引っ張られてやや水平方向(紙面左から右方向)に延びる。またスタッド3に固着されたガイドプレート6もやや左方向に傾いて右側が浮き上がる。そのため、ガイドプレート6の右側の凹部6bと蓋部材4の上面との隙間P2が大きくなる。また、スタッド3の外周面が、固定減衰板10の弾性材10bに当接する(図4にX3で示す)。
この状態から、さらにスタッド3に荷重が加わると、図4に示すように、ガイドプレート6もさらに左側にこじれて傾斜し、紙面右側の円筒状ストッパ6bが蓋部材4の外周側を押圧する(図中、X4で示す)。
このように、スタッド3の上部側と下部側の2点(X1とX2、X3とX4)で蓋部材4に当接するため、過剰転倒防止ストッパとして好ましい。すなわち、このような2段ストッパとして構成することで、荷重を分散することができ、局所的なひずみ集中による破壊を防止できる。また、何れの接点も一方は弾性材であるため、接触時の衝撃などを緩和することができる。
何れの点を先に当接させるか、若しくは同時に当接させるか、どのタイミングで当接させるか、などはマウント装置の設置環境などに応じて、隙間P1〜P3の距離、ガイドプレート6の形状などを調整して適宜変更できる。例えば、X3、X4の当接順序は、弾性材10bの周方向の肉厚や、隙間P1、P3の距離、ガイドプレート6の形状などによって調整できる。上記したように、X3を先に当接させる場合には、初期段階の荷重をスタッド3の上下方向の中央付近で支持することができるので、転倒を有効に防止できるというメリットがある。
以上説明したように、本発明の実施形態の液体封入式マウント装置1においては、以下の効果を得ることができる。
・被緩衝体の移動に伴ってスタッド3の圧縮方向への移動時に、蓋部材4が液室の内圧上昇によって膨張変形するが、ガイドプレート6によって蓋部材4の膨張変形を規制することができる。
・第1液流路1を減衰液Rが通過することによる減衰機能と、第2液流路1を減衰液Rが通過することによる減衰機能とを加えた大きな減衰を得ることができる。
・上記可動減衰板11の上下方向のストロークは、蓋部材4とコイルスプリング12とによって大きく取ることができる。
・上記固定減衰板10の厚さ(上下方向の高さ)を大きくすることができるため、厚さが薄い固定減衰板、換言すれば、板厚のみの固定減衰板に比べて第2液流路を長くとることができるので、より大きな減衰を得ることができる。
・スタッド3に荷重がかかって何れかの方向に移動した場合に、このスタッド3に固着された蓋部材4の変形量及び変形形状がガイドプレート6によって規制される。これにより、蓋部材4の変形が抑制されるため、蓋部4を柔軟な弾性体で構成しても、想定以上の変形が生じないので、亀裂や破壊を有効に防止できる
・ガイドプレート6は、想定される最大ストローク(下方変位)において、液室7内の内圧が0の状態での蓋部材4の外形形状に合致する形状に形成した。そのため、このガイドプレート6は、液室7内の内圧上昇による蓋部材4の膨張変形は規制するが、ストロークによる蓋部材4の変形は抑制しない。そのため、スタッド3の自然な上下動作を阻害することがない。
(第2の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態にかかる液体封入式マウント装置は、ガイドプレートを円筒部と、この円筒部の下面に固着したガイド部材とで構成した点に特徴を有する。なお、以下の説明においては、上記した第1の実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して詳細説明は省略する。
図5に示すように、このマウント装置におけるガイドプレート21は、下方が開放された金属製の円筒部22と、この円筒部22の下面に固着した金属製若しくはゴム製のガイド部材23とから構成される。ガイド部材23は、周方向に所定ピッチで複数個配設したり、連続した円環状に形成することができる。このガイド部材23は、第1の実施形態における凹部6aと同様に、蓋部材4の蓋部8の上面が変形する方向(変形形状)及び量を規制する機能を有する。そのため、このガイド部材23は、中立位置若しくは変形時における蓋部材4の上面の形状や変形量に沿った形状及び大きさで形成され、配置される。
特に、最大変形時に最も剛性が弱い部位、すなわち内圧により膨張が大きくなる可能性のある部位の上面に当接するように配置するのが好ましい。
このような構成においても、第1の実施形態と同様に、スタッド3の移動に伴う蓋部材4の変形を有効に規制することができる。
(シミュレーション解析結果)
以下、図6を参照して、上記した第1の実施形態に係る液体封入式マウント装置についてひずみの発生をシミュレーション解析した結果を説明する。
この図は、スタッドを鉛直方向に6.3mm圧縮する力に相当する1.47Mpaの圧力を液室の内圧として加圧した場合の蓋部材のひずみ解析の結果を示している。なお、本シミュレーション解析における蓋部材の弾性材は、ゴム硬度50°Hs(JIS K 6253タイプAデュロメータ)の天然ゴムである。
図6(A)(B)はガイドプレートを設けない従来例の解析結果であり、(A)は側断面図、(B)は一部を切り欠いた斜視図である。また、(C)(D)は、ガイドプレートを設けた本願発明の解析結果であり、(C)は側断面図、(D)は一部を切り欠いた斜視図である。なお、図面の繁雑さを回避するため、ひずみが0.5を越える部分だけ網掛けを付した。また、各図においてひずみが最大の部位のみハッチングを付した。
まず、図6(A)(B)に示す従来例では、蓋部材の上部が上方に膨出するように変形し、スタッドに固着される中央開口周辺に大きなひずみが発生している。特に、蓋部の肉厚が薄い下部の方(図中に破線の円で示す)にひずみが集中している。また、蓋部材の取付部周辺などの一部を除いて、蓋部材全体でひずみが生じている。ひずみの最大値は0.965となっている。
これに対して、図6(C)(D)においては、蓋部材はガイドプレートの機能によって上方への変形がほとんど見られず、スタッドに固着される中央開口周辺の上部に若干のひずみが生じている以外は、蓋部材全体でほとんどひずみは生じてない。ひずみの最大値は0.541となっている。
このように、蓋部材の上方にガイドプレートを設けることで、蓋部材の最大主ひずみを40%以上も低減することができる。通常、ゴム材の破壊においては、引張り負荷時に亀裂が発生し、この亀裂が成長して破壊に至る場合が多いので、ひずみの最大値を抑えることは亀裂の発生を抑えるのに有効である。
また、従来例では、ひずみが蓋部材の下部に集中しているのに対して、ガイドプレートを設けた本発明では、蓋部材の下部はもとより、他の部位においても局所的なひずみはほとんど生じていない。蓋部材の下部はマウント装置の負荷が集中する部位であるので、ここのひずみを減少させることで耐久性は飛躍的に増大する。
さらに、従来例では蓋部材全体にひずみが生じているのに対して、本発明では蓋部材全体でひずみはほとんど発生していない。
以上の解析結果から、ガイドプレートを設けることはマウント装置の耐久性の面で極めて有効であることが容易に理解できる。
(変形例)
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されず、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、液室を形成する筒状容器2を円筒に形成したため、これに合わせて、蓋部材4、ガイドプレート6、固定減衰板10、可動減衰板11などを円環状、円筒状に形成したがこれに限定されず、多角形の筒状など種々の形状を採用できる。
また、固定減衰板の円環部10bや蓋部材4の蓋部8をゴム材料で成形したが、他の弾性材料で成形してもよい。
さらに、第1、第2の実施形態で示した減衰機構に代えて、例えば図7に示すようなダイヤフラムを用いた構造を採用してもよい。図7に示すガイドプレート6を有する液体封入式マウント装置100において、減衰機構30は、スタッド3の下端の上部液室7a内に配設した円筒状の可動減衰板31と、液室7を上下に区画するオリフィス付きの仕切板32と、下部液室7bの底面を構成するダイヤフラム33と、ダイヤフラム33の下方に設置され高圧空気を充填した空気室34と、液室7に満充填した減衰液Rとによって構成される。空気室34には、接続通路35を介して図示しない外部の空気圧調整機構が接続される。ダイヤフラム33は、例えば金属製の円盤部33a、金属製の円環部33b及びゴム部33cとを一体的に加硫接着により成型したものである。
図8は図7に示した構成を有する液体封入式マウント装置の効果を確認するために行った試験結果を示すグラフである。この試験は、図7に示したガイドプレートを有する液体封入式マウント装置100及びガイドプレートを有しない液体封入式マウント装置について、それぞれ、圧縮方向に、10mm/minの速度でスタッド3を変位(図8グラフのX軸)させたときの静的荷重特性(図8グラフのY軸)を示している。実線は図7に示したガイドプレートを有する液体封入式マウント装置の試験結果、点線はガイドプレートを有しない液体封入式マウント装置の試験結果を示している。なお、セット時の空気室内エア圧は0.5MPaである。この試験結果から、図7に示したガイドプレートを有する液体封入式マウント装置は、ストッパに当接するまでの間、蓋部材の膨張を規制して、荷重、すなわち液室内の圧力が逃げるのを抑えていることが分かる。すなわち、ガイドプレートを設けたことにより、振動吸収作用範囲内において、空気室のエア圧に抗して、減衰液を上液室から下液室へ流動させ、流動抵抗を奏しめ得ることが分かる。
ガイドプレート及びこれに対する蓋部の構成についても上記の実施形態に限定されない。例えば、図9に示すように、蓋部材を積層蓋部材40としてもよい。積層蓋部材40は、蓋部80に例えば剛性の高い金属からなる円筒スリーブ81、82を例えば2層積層させたものである。ガイドプレート60は、円筒スリーブ81、82に対応する位置に、下方に窪んだ円環状の凹部60aを有する。ここで、図9(A)は中立時の状態を示し、図9(B)はスタッド3が圧縮方向に変位し、ガイドプレート60の凹部60aの下面が蓋部80の円筒スリーブ81、82の上端面81a、82aに当接した状態を示している。このような構成により、ガイドプレート60の凹部60aの下面が蓋部80の円筒スリーブ81、82の上端面81a、82aに当接し、蓋部材の膨張変形を規制することができる。
そして、蓋部材を積層蓋部材40の構造とすることにより、特に水平方向に剛性が高い蓋部80を構成することができる。
また、蓋部材を積層蓋部材40の構造とする場合、加圧時の蓋部80のゴムボリュームの移動が複雑であり上面に現れる変形も複雑になるため、ガイドプレート60の凹部60aの下面が蓋部80の円筒スリーブ81、82の上端面81a、82aに当接するように構成することで、それらの問題を解消することができる。このガイドプレート60の凹部60aは、例えば板金成形により簡単に成形することができるが、ガイドプレート60とは個別設けてもよい。
さらに、円筒スリーブ81、82の上端面81a、82aの上面は、ゴムを被覆することが望ましい。これにより、ガイドプレート60と円筒スリーブ81、82の金属同士のの接触を防止し、接触音や金属磨耗粉の発生を防止することができる。
ここで、内側の円筒スリーブ81の上端面81aの高さは、外周側の円筒スリーブ82の上端面82aの高さよりも高いことが望ましい。これにより、まず内周側の円筒スリーブ81が先にガイドプレート60に接触し、内周側から外周側へ順次膨張変形が規制される。また、スタッド3の移動により順次接触面積を増し、変形を規制する領域が増える。なお、上記の円筒スリーブの高さを変えずに、ガイドプレート60の凹部60aに高低を設けてももちろんよい。
なお、図10に示すように、液室7に空気を封入する代わりに、円環状のエアチューブ40を挿入してもよい。これにより、エアチューブ40内の空気で液室内の内圧上昇を吸収でき、空気が減衰液と独立しているため、第1流路または第2流路を流動する減衰液への空気の巻き込みがないため、減衰性の低下も防止することができる。
1・・・液体封入式マウント装置
2・・・筒状容器
2a・・・フランジ部
3・・・スタッド
4・・・蓋部材
5・・・減衰機構
6・・・ガイドプレート
6a・・・凹部
6b・・・筒状ストッパ
7(7a、7b)・・・液室
8・・・蓋部
9・・・取付部
9a・・・円筒部
9b・・・固定用フランジ部
10・・・固定減衰板
10a・・・円環部
10b・・・弾性材
11・・・可動減衰板
11a・・・円環板
11b・・・筒部
12・・・コイルスプリング
13・・・小孔
30・・・減衰機構
31・・・可動減衰板
32・・・オリフィス付仕切板
33・・・ダイヤフラム
34・・・空気室
35・・・接続通路
40・・・エアチューブ
R・・・減衰液

Claims (6)

  1. 上方を開放し、減衰液を充填する液室を有する有底の筒状容器と、
    上記筒状容器の軸心に、少なくとも一端が液室内を移動可能に配設し、他端が被支承体に固着されるスタッドと、
    上記スタッドの周囲に固着してスタッドの移動に伴って変形する、板状または膜状で可撓性の蓋部と、上記筒状容器の上部に固着する取付部とからなり、上記筒状容器を密閉する蓋部材と、
    上記液室内の減衰液の流動抵抗によって振動を減衰する減衰機構と、
    上記スタッドに固着し、振動吸収作用範囲内において、上記蓋部材の膨張変形を規制するガイドプレートと
    を具備する液体封入式マウント装置。
  2. 請求項1に記載の液体封入式マウント装置であって、
    上記ガイドプレートは、上記スタッドの圧縮方向への移動量に応じて、上記蓋部材との接触面積が増加する
    液体封入式マウント装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体封入式マウント装置であって、
    上記ガイドプレートは、少なくともスタッドの圧縮方向への移動可能範囲に基づく蓋部材の最大変形量または最大変形時の形状に合致した形状及び大きさで形成する
    液体封入式マウント装置。
  4. 請求項1に記載の液体封入式マウント装置であって、
    上記ガイドプレートは、外周の先端部を下方に延設した筒状ストッパを備え、
    この筒状ストッパは、上記蓋部材の外周面との間に一定の隙間を介して配置される
    液体封入式マウント装置。
  5. 請求項4に記載の液体封入式マウント装置であって、
    上記筒状ストッパは、上記スタッドが上記被支承体の荷重を支承し、且つ、当該被支承体が静止した状態で、少なくとも一部が蓋部材の外周面と上下方向でオーバーラップする
    液体封入式マウント装置。
  6. 請求項1に記載の液体封入式マウント装置であって、
    上記蓋部材は、弾性体で形成した蓋部と、この蓋部の弾性体よりも硬質の硬質材で形成され、上端部が外方に延設された鍔部を備えた円筒部を有する取付部とからなる
    液体封入式マウント装置。
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