JP2010255602A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、車両の制御装置に関し、排気ガス再循環弁が開固着状態であると判別された場合に、再循環排気ガス流量の過多による燃焼悪化を確実に抑制することを目的とする。
【解決手段】排気通路44と吸気通路14とを接続する高圧排気ガス還流通路(HPL)62の開閉を担うEGR弁68と、吸入空気量を調整するスロットルバルブ52とを有する内燃機関12を動力源として備える。EGR弁68が開固着状態にあると判別された場合に、吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように、内燃機関12の負荷とエンジン回転数とで規定される当該内燃機関12の動作線を、発電機16の作動による内燃機関12の負荷調整とスロットルバルブ52の開度調整とを用いて調整する。
【選択図】図5

Description

この発明は、車両の制御装置に係り、特に、いわゆる外部EGR制御を行う内燃機関を備える車両を制御するうえで好適な車両の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、排気ガス通路を通じて排気ガスを排気経路から吸気経路に再循環させる排気ガス再循環機能を備えた内燃機関を制御する内燃機関制御装置が開示されている。この従来の制御装置では、排気ガス通路を開閉するEGR弁が開固着した場合に、内燃機関の燃焼状態を向上させるための所定の制御を行うようにしている。
上記特許文献1には、EGR率を低下させることで燃焼状態を向上させるための上記所定の制御の具体例として、吸入空気量の増加(例えば減筒運転による)を行うものと、自動変速機の変速点を高速側に変更を行うものとが記載されている。
特開2005−207285号公報 特開2007−76551号公報
しかしながら、上記特許文献1は、EGR弁が開固着した場合に、燃焼状態を向上させるための上記所定の制御をどのような目標値を設けて行うかについて何ら言及されていない。従って、上記特許文献1に記載の手法では、EGR弁の開固着時に、EGRガス流量の過多による燃焼状態の悪化を十分に抑制することができない場合があると考えられる。この点において、上記従来の技術は、未だ改善の余地を残すものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気ガス再循環弁が開固着状態であると判別された場合に、再循環排気ガス流量の過多による燃焼悪化を確実に抑制することのできる車両の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、車両の制御装置であって、
排気通路と吸気通路とを接続する排気ガス還流通路の開閉を担う排気ガス再循環弁と、吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段とを有する内燃機関を動力源の少なくとも1つとして備える車両の制御装置であって、
前記排気ガス再循環弁が所定開度で開固着状態にあるか否かを判別する開固着判別手段と、
前記内燃機関に対して負荷を付与可能な負荷付与手段と、
前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にあると判別された場合に、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満となるように、前記内燃機関の負荷とエンジン回転数とで規定される当該内燃機関の動作線を、前記吸入空気量調整手段と前記負荷付与手段とを用いて調整する動作線調整手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記動作線調整手段は、前記差圧が前記所定圧力値未満となる差圧範囲内において、前記内燃機関の燃費が最適となるように設定された正常時動作線に近づくように、前記動作線を調整する燃費両立動作線調整手段を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記内燃機関は、前記排気ガス還流通路を流れる排気再循環ガスを、液体冷媒を利用して冷却する排気再循環ガスクーラを更に備え、
前記動作線調整手段は、前記排気再循環ガスクーラの温度が所定温度値以上である場合に、前記所定圧力値を超えて前記吸気圧力が前記排気圧力よりも高くなるように、前記動作線を調整するクーラ高温時動作線調整手段を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関は、当該内燃機関の燃焼状態を取得する燃焼状態取得手段を更に備え、
前記動作線調整手段は、前記燃焼状態が所定度合いを超えて悪化しない範囲内において、前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にない場合に用いられる正常時動作線に近づくように、前記動作線を調整する燃費両立動作線調整手段を含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関は、吸気弁の閉じ時期を変更可能とする吸気可変動弁機構を更に備え、
前記車両の制御装置は、前記動作線調整手段による前記動作線の調整時に、前記吸気弁の閉じ時期を遅角側に調整する吸気閉じ時期調整手段を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記車両の制御装置は、
前記内燃機関の運転状態に応じて設定される基本点火時期を、前記排気ガス再循環弁の開度に応じて補正する点火時期補正手段と、
前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にあると判別された場合に、前記点火時期補正手段による前記基本点火時期の補正を禁止する点火時期補正禁止手段と、
を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、排気ガス再循環弁が開固着状態にあると判別された場合には、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満となるように、内燃機関の動作線が調整される。これにより、再循環排気ガス流量の過多による燃焼悪化を確実に抑制することが可能となる。
第2の発明によれば、上記動作線の調整時に、内燃機関の燃費が最適となるように設定された正常時動作線に近づくように動作線の調整が行われる。これにより、燃焼悪化を抑制しつつ、燃費向上効果を得ることが可能となる。
第3の発明によれば、上記動作線の調整を行った結果として、排気再循環ガスクーラの温度上昇が認められる場合に、吸気通路側から排気ガス還流通路内に新気が供給されるように内燃機関の動作線が調整される。これにより、排気再循環ガスクーラ内の液体冷媒の沸騰を防止することができる。
第4の発明によれば、上記動作線の調整時に、内燃機関の燃焼状態が所定度合いを超えて悪化しない範囲内で、動作線が正常時動作線に近づくように制御される。これにより、燃焼が上記所定度合いを悪化しない範囲内で、排気ガス再循環を行えるようになる。このため、燃焼悪化を抑制しつつ、燃費向上効果を得ることが可能となる。
第5の発明によれば、上記動作線の調整時に、吸気弁の閉じ時期を遅角側に調整することで、実圧縮比の低下により冷却損失を低減させることができる。これにより、排気ガス再循環弁の開固着発生時に、上記動作線の調整を行うことで燃焼悪化を防ぎつつ、吸気弁の閉じ時期の遅角化により燃費向上を図ることができる。
第6の発明によれば、排気ガス再循環弁の開固着発生時に、実際には不必要な点火時期の進角がなされるのを防止することができ、ノッキングの発生を回避することができる。
本発明が適用されたハイブリッド車両の駆動システムの概略構成を示す図である。 図1に示す内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 EGR弁の前後差圧およびEGR弁開度とEGRガス流量との関係を表した図である。 トルク変動TFおよび燃費とEGR率との関係を表した図である。 本発明の実施の形態1における特徴的な制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3における特徴的な制御を説明するための図である。 EGR導入に対する耐性の認められるEGR率と負荷率KLとの関係を表した図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態5において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態6における特徴的な制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態6において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[HVシステムの構成]
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両1の駆動システム10の概略構成を示す図である。この駆動システム10は、車両の動力源として内燃機関12と車両駆動用モータ(以下、単に「モータ」)14とを備えている。また、駆動システム10は、駆動力の供給を受けて電力を発生する発電機16も備えている。内燃機関12、モータ14、および発電機16は、遊星歯車式の動力分割機構18を介して相互に連結されている。動力分割機構18につながるモータ14の回転軸には、減速機20が接続されている。減速機20は、モータ14の回転軸と駆動輪22につながる駆動軸24とを連結している。動力分割機構18は、内燃機関12の駆動力を発電機16側と減速機20側とに分割する装置である。動力分割機構18による駆動力の配分は、任意に変更することができる。
駆動システム10には、更に、インバータ26、コンバータ28、および高圧バッテリ30が含まれている。インバータ26は、発電機16およびモータ14に接続されているとともに、コンバータ28を介して高圧バッテリ30にも接続されている。発電機16で発電された電力は、インバータ26を介してモータ14に供給することもできるし、インバータ26およびコンバータ28を介して高圧バッテリ30に充電することもできる。また、高圧バッテリ30に充電されている電力は、コンバータ28およびインバータ26を介してモータ14に供給することができる。
以上説明した駆動システム10によれば、所定の条件に基づいて、モータ14を停止させた状態で、内燃機関12の駆動力のみによって駆動輪22を回転させることもできるし、逆に、内燃機関12を停止させた状態で、モータ14の駆動力のみによって駆動輪22を回転させることもできる。また、モータ14と内燃機関12の双方を作動させ、双方の駆動力によって駆動輪22を回転させることもできる。
更に、上記駆動システム10によれば、内燃機関12の運転時に発電機16の作動を調整することで、発電機16から内燃機関12に付与される負荷の大きさを調整することができる。例えば、内燃機関12に付与する負荷を大きくするように発電機16を作動させることで、内燃機関12の運転領域をより高負荷側の領域に移行させることが可能となる。
本実施形態の駆動システム10は、ECU(Electronic Control Unit)40によって制御されている。ECU40は、内燃機関12、モータ14、発電機16、動力分割機構18、インバータ26、およびコンバータ28等を含む駆動システム10の全体を総合的に制御している。
[内燃機関のシステム構成]
図2は、図1に示す内燃機関12のシステム構成を説明するための図である。図1に示す内燃機関12は、火花点火式の内燃機関である。内燃機関12には、空気を筒内に取り込むための吸気通路42と、筒内から排気ガスを排出するための排気通路44とを備えている。
吸気通路42の入口近傍には、吸気通路42に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ46が設けられている。エアフローメータ46の下流には、ターボ過給機48のコンプレッサ48aが配置されている。ターボ過給機48は、コンプレッサ48aと一体的に連結され、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン48bを備えている。また、コンプレッサ48aは、タービン48bに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるようになっている。
コンプレッサ48aの下流側の吸気通路42には、コンプレッサ48aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ50が配置されている。更に、インタークーラ50の下流には、吸気通路42を流れる空気量を調整するためのスロットルバルブ52が配置されている。スロットルバルブ52は、図示省略するスロットルモータにより駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ52の下流には、サージタンク54が配置されている。サージタンク54には、吸気圧力(過給圧)を検出するための吸気圧力センサ56が取り付けられている。
ターボ過給機48のタービン48bは、排気通路44の途中に配置されている。タービン48bよりも上流側の排気通路44には、その部位で排気圧力(タービン上流圧)を検出するための排気圧力センサ58が取り付けられている。また、タービン48bよりも下流側の排気通路44には、排気ガスを浄化するための触媒60が配置されている。
また、図1に示すシステムは、高圧排気ガス還流通路(HPL:High Pressure Loop)62を備えている。HPL62は、タービン48bよりも上流側の排気通路44とコンプレッサ48aよりも下流側の吸気通路42とを連通するように構成されている。このHPL62の途中には、HPL62内を流れる再循環排気ガス(EGRガス)を冷却するためのEGRクーラ64が設けられている。
EGRクーラ64は、液体冷媒であるエンジン冷却水によってEGRガスを冷却するものである。また、EGRクーラ64には、その内部を流通するエンジン冷却水の温度を検出する温度センサ66が組み込まれている。更に、EGRクーラ64よりも吸気通路42側(すなわち、EGRガスの流れの下流側)のHPL62には、EGR弁68が配置されている。EGR弁68は、HPL62の開閉を担うバルブであり、このEGR弁68の開度を変えることにより、HPL62を通る排気ガス流量、すなわち、外部EGRガス流量を調整することができる。
また、内燃機関12には、吸気弁(図示省略)を開閉駆動するための吸気可変動弁機構70が搭載されている。ここでは、吸気可変動弁機構70は、吸気カム軸(図示省略)の位相を変更可能とする公知のVVT機構を備えているものとする。このような吸気可変動弁機構70によれば、吸気弁の開閉時期を所定の往復範囲内で調整することが可能となる。
また、ECU40の入力には、上述したエアフローメータ46、吸気圧力センサ56、排気圧力センサ58、および温度センサ66とともに、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ72、タービン48bの回転数を検出するためのタービン回転数センサ74、および、内燃機関12の筒内圧力を検知するための筒内圧センサ76等の内燃機関12の運転状態を検出するための各種のセンサが接続されている。また、ECU40の出力には、上述したスロットルバルブ52およびEGR弁68とともに、燃料噴射弁78および点火プラグ80等の内燃機関12の運転状態を制御するための各種のアクチュエータが接続されている。
EGRガス流量は、EGR系流量係数と、吸気圧力と背圧(タービン上流圧)との差圧(EGR弁68の前後差圧)とを用いて、次の(1)式のように表すことができる。尚、EGR系流量係数は、HPL62の圧力損失(HPL62の通路長さ、EGR弁68の開度などが影響因子となる)と相関のある値である。
EGRガス流量 ∝ EGR系流量係数 × √(吸気圧力−背圧) ・・・(1)
図3は、EGR弁68の前後差圧およびEGR弁開度とEGRガス流量との関係を表した図である。
上記(1)式の関係に基づくEGRガス流量は、図3に示すように、EGR弁68の前後差圧が大きくなるにつれ多くなり、また、EGR弁開度が大きくなるにつれ多くなる。
図4は、トルク変動TFおよび燃費とEGR率との関係を表した図である。
トルク変動TFが問題とならないレベルにある場合(すなわち、トルク変動TFが所定のTFクライテリアよりも小さい場合)は、図4に示すように、EGR率を高めていくと、ポンプ損失の低減、燃焼温度の低減による冷却損失の低減等の理由で、内燃機関12の燃費が良くなっていく。
その一方で、EGR率を過大に高めていくと、図4に示すように、燃焼が悪化してしまう。その結果、トルク変動TFがTFクライテリアよりも大きくなるとともに、燃費が悪化してしまう。そこで、内燃機関12のEGR率は、図4中に「適合点」として示すように、トルク変動TFがTFクライテリアよりも小さく、かつ、燃費が最良となるEGR率が得られるように、EGR弁開度の制御により調整されている。
しかしながら、EGR弁68の開固着状態が生ずると、EGR弁開度によるEGR率(ERGガス流量)の調整ができなくなるので、EGRガス流量の過多が生じてしまう可能性がある。その結果、上述したように、燃焼の悪化により、燃費が悪化し、トルク変動TFが大きくなってしまうことが懸念される。
図5は、本発明の実施の形態1における特徴的な制御を説明するための図である。より具体的には、図5は、内燃機関12の負荷率KLとエンジン回転数との関係で表された内燃機関12の運転領域を示している。また、図5中に付された数字は、吸気圧力と排気圧力(タービン上流圧)との差圧(Z軸)を示している。
更に、図5において破線で表された曲線は、内燃機関12を最も効率(燃費)良く運転することのできる動作点を繋げて得た動作線(正常時動作線)を示している。このような動作線は、図5に示すように、低回転数低負荷運転状態からエンジン回転数をほとんど上げずに大きく負荷(トルク)を高めた後に、負荷とエンジン回転数をともに高めていくようにすることで得られる動作線である。本実施形態の駆動システム10によれば、既述したように、内燃機関12の運転時に発電機16の作動を調整することで、発電機16から内燃機関12に付与される負荷の大きさを調整することができる。このため、本駆動システム10によれば、発電機16の作動を調整しつつ、内燃機関12側ではスロットルバルブ52の開度調整を行うことで、上記破線の動作線を通るように内燃機関12の運転を制御することができる。
内燃機関12が上記波線の動作線を通るように制御されている状況において、EGR弁68の開固着状態が生ずると、図5に示す差圧がマイナスであるので(すなわち、タービン上流圧の方が吸気圧力よりも高いので)、EGR弁開度如何ではEGRガス流量の過多が生じてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、EGR弁68の開固着状態が生じていると判別された場合に、図5中に太線で示す曲線のように、吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなる動作線を通るように、内燃機関12の動作線を調整(変更)するようにした。
図6は、上記の機能を実現するために、本実施の形態1においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定時間毎に周期的に実行されるものとする。
図6に示すルーチンでは、先ず、EGR弁68が開固着状態にあるか否かが判別される(ステップ100)。より具体的には、EGR弁68には、その開度(バルブリフト量)を検出するための開度センサ(図示省略)が内蔵されている。本ステップ100の処理は、例えば、そのような開度センサを用いてEGR弁68の開度を判定することで実現することができる。
上記ステップ100においてEGR弁68が開固着状態にあると判定された場合には、現在の吸気圧力および排気圧力(背圧)が吸気圧力センサ56および排気圧力センサ58をそれぞれ用いて算出される(ステップ102)。次いで、吸気圧力が排気圧力(背圧)よりも低いか否かが判別される(ステップ104)。
その結果、吸気圧力<背圧が成立する場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を高負荷側に上げるための処理が実行される(ステップ106)。具体的には、発電機16の作動が高められることで内燃機関12に付与される負荷が高められつつ、内燃機関12側ではスロットルバルブ52の開度が大きくなるように制御される。
一方、上記ステップ104において吸気圧力<背圧が不成立であると判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を低負荷側に下げるための処理が実行される(ステップ108)。具体的には、発電機16の作動が弱められることで内燃機関12に付与される負荷が低くなるように調整されつつ、内燃機関12側ではスロットルバルブ52の開度が小さくなるように制御される。
また、図6に示すルーチンでは、上記ステップ106または108の処理が実行された後には、次いで、吸気圧力が排気圧力(背圧)とほぼ等しくなったか否かが判別される(ステップ110)。その結果、吸気圧力≒背圧が成立すると判定された場合には、上記図5中に太線で示す動作線となるように内燃機関12の動作線を変更することができたと判断することができる。この場合には、上記ステップ100以降の処理が繰り返し実行される。一方、吸気圧力≒背圧が不成立であると判定された場合には、当該判定が成立するまで上記ステップ104以降の処理が繰り返し実行される。
以上説明した図6に示すルーチンによれば、EGR弁68が開固着状態にあると判定された場合には、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満(ほぼゼロ)となるように、内燃機関12の動作線が、スロットルバルブ52による吸入空気量の調整と発電機16による内燃機関12の負荷調整とによって調整される。これにより、EGR弁68が開固着状態となった場合であっても、EGRガス流量の過多による燃焼悪化を確実に抑制することができる。
また、上記ルーチンの手法では、EGR弁68の開固着の発生が認められる場合に、EGRガス流量が過多となるのを防ぐために内燃機関12の動作線をより高負荷側の動作線に変更するだけでなく、上記ステップ104において吸気圧力<背圧が不成立である場合に、現在の動作線に対してエンジン使用領域を低負荷側に下げるようにしている。図5中に網掛けを伴って示される領域のように、ターボ過給機48を備える内燃機関12においては、吸気圧力が排気圧力よりも高くなる運転領域が存在する。このような領域において、EGR弁68の開固着が生ずると、HPL62を介して吸気通路42から排気通路44に向かう新気の流れが生じてしまい、また、筒内に供給される新気量の減少によって未燃ガスが排気通路44に排出されてしまう。そして、HPL62を通過した新気と筒内から排出された未燃ガスとが触媒60に供給されると、触媒60の温度が過上昇し、触媒60の溶損が生ずることが懸念される。しかしながら、上記ルーチンの処理によれば、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満(ほぼゼロ)となるように、内燃機関12の動作線を調整することで、このようなHPL62を介した新気の流入をも確実に防止することができ、触媒60に不具合が生ずるのを回避することもできる。
以上のように、本実施形態の制御によれば、EGR弁68の開固着が生じた場合に、燃焼悪化を確実に防止しつつ、退避走行を行うことが可能となる。
ところで、上述した実施の形態1においては、駆動システム10が備える発電機16の作動を調整することで、内燃機関12に付与する負荷の大きさを調整するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、無段変速機(CVT)と組み合わされた内燃機関を備えた駆動システムを搭載する車両の場合には、無段変速機の変速比の調整によって内燃機関に付与する負荷の大きさを調整するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、内燃機関12の動作線を調整する際に、スロットルバルブ52の開度調整による吸入空気量の調整を行うようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、吸気弁のリフト量および作用角の少なくとも一方を連続的に変更可能とする吸気可変動弁機構を備えている場合には、吸気弁のリフト量および作用角の少なくとも一方の調整によって吸入空気量を調整するものであってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、HPL62が前記第1の発明における「排気ガス還流通路」に、EGR弁68が前記第1の発明における「排気ガス再循環弁」に、スロットルバルブ52が前記第1の発明における「吸入空気量調整手段」に、発電機16が前記第1の発明における「負荷付与手段」に、それぞれ相当している。また、ECU40が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「開固着判別手段」が、上記ステップ102〜110の一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「動作線調整手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図6に示すルーチンに代えて後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
ところで、本実施形態の内燃機関12では、次のような手法で、EGR制御実行時の点火時期を決定するようにしている。すなわち、内燃機関12の運転状態(例えば負荷率KLとエンジン回転数)に応じて予め設定された基本点火時期abaseを、EGR弁68の開度(より具体的には、目標値に対するEGR弁開度の収束率)に応じて予め設定された点火時期進角量(補正量)aegrによって補正したうえで、最終的な点火時期を決定するようにしている。
しかしながら、上述した実施の形態1のEGR弁開固着時の動作線の制御が行われると、そのような動作線の制御によって実際にはEGRガスが吸気通路42に導入されないようになっているにもかかわらず、EGR弁開度がある開度に収束していることをもって点火時期進角量aegrを基本点火時期abaseに反映させてしまうことになる。その結果、実際には不必要な点火時期の進角が行われることとなり、ノッキングの発生が懸念される。
そこで、本実施形態では、EGR弁開固着時における上述した実施の形態1の動作線の制御が実行されている場合には、上記点火時期進角量aegrを用いた基本点火時期abaseの補正を禁止するようにした。
図7は、上記の機能を実現するために、本実施の形態2においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図7において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図7に示すルーチンでは、ステップ106または108においてエンジン使用領域の調整が実行された後には、次いで、ステップ102において算出された吸気圧力および排気圧力(背圧)がそれぞれ所定のマップ値と乖離しているか否かが判別される(ステップ200)。本ステップ200におけるマップ値とは、内燃機関12の正常運転時(EGR弁68の開固着が発生していない時)に使用される動作線(上記図5に示す破線の動作線)上での吸気圧力および背圧の値である。
上記ステップ200において、現在の吸気圧力および背圧が上記マップ値と乖離していると判定された場合には、EGR弁68の開固着時の上述した実施の形態1の動作線の制御が行われていると判断することができる。この場合には、点火時期進角量aegrによる進角(基本点火時期abaseの補正)が禁止される(ステップ202)。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、EGR弁開固着時における上述した実施の形態1の動作線の制御が実行されている場合には、上記点火時期進角量aegrを用いた基本点火時期abaseの補正が禁止される。これにより、EGR弁開固着時に、実際には不必要な点火時期の進角がなされるのを防止することができ、ノッキングの発生を回避することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU40が、基本点火時期abaseを点火時期進角量aegrを用いて補正することにより前記第6の発明における「点火時期補正手段」が、上記ステップ200および202の処理を実行することにより前記第6の発明における「点火時期補正禁止手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図6に示すルーチンに代えて後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1、2では、EGR弁68の開固着発生時には、当該開固着時のEGR弁開度にかかわらず、吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように内燃機関12の動作線を逐次変更するようにしている。しかしながら、このような手法では、開固着時のEGRガス流量をほぼゼロに制御してしまうので、EGRの導入による燃費向上効果が大幅に低下してしまう。
図8は、本発明の実施の形態3における特徴的な制御を説明するための図である。
本実施形態では、EGR弁68の開固着発生時に、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定値未満となるように内燃機関12の動作線を調整するものにおいて、EGRの導入による燃費向上効果をできるだけ得られるようにすべく、次のような制御を行うようにした。すなわち、図8に示すように、EGR導入に対する耐性が認められる範囲内で、内燃機関12の燃費が最適となるように設定された正常時動作線(図8中に破線で表した動作線)に近づくように、内燃機関12の動作線を調整するようにした。
図9は、EGR導入に対する耐性の認められるEGR率と負荷率KLとの関係を表した図である。
EGR導入に対する耐性は、内燃機関12の負荷に応じて異なるものとなる。具体的には、図9に示すように、内燃機関12の負荷率KLが高くなるほど、EGR導入に対する耐性が認められるEGR率(EGRガス流量)が高くなる。
そこで、本実施形態では、内燃機関12の各運転領域(例えば負荷率KLとエンジン回転数で規定した領域)におけるEGRガス流量の許容値(EGR導入に対する耐性の認められる限界値)を負荷率KLとエンジン回転数との関係で予めマップ化して取得しておくようにした。そして、当該EGRガス流量の許容値と、開固着発生時のEGR弁開度とに基づいて、上記(1)式の関係に従って、内燃機関12の動作線の調整時の目標差圧を算出するようにした。そして、吸気圧力と排気圧力との差圧が当該目標差圧となるように、内燃機関12の動作線を逐次変更するようにした。
図10は、上記の機能を実現するために、本実施の形態3においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図10において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図10に示すルーチンでは、ステップ100においてEGR弁68が開固着状態にあると判定された場合には、次いで、現在のエンジン回転数、負荷率KL、吸気圧力、および排気圧力(背圧)が算出される(ステップ300)。
次に、開固着時のEGR弁開度と、現在のエンジン回転数および負荷率KLに対応したEGRガス流量の許容値とが算出されたうえで、吸気圧力と排気圧力との目標差圧が決定される(ステップ302)。ECU40には、上述したように、エンジン回転数と負荷率KLとの関係で予め設定されたEGRガス流量の許容値のマップが記憶されている。本ステップ302では、そのようなマップを参照して、現在の運転領域に適したEGRガス流量の許容値が算出されるとともに、EGR弁68が内蔵する開度センサを利用して、開固着時のEGR弁開度が算出される。そして、上記(1)式の関係に従って、EGRガス流量が上記許容値であって、EGR弁開度(EGR系流量係数)が上記算出値である場合の吸気圧力と背圧との差圧として、目標差圧が算出される。このような算出手法によれば、各運転領域でのEGR導入に対する耐性の認められるEGRガス流量(EGR率)が得られるように、目標差圧を決定することができる。
次に、上記のように決定された目標差圧が現在の差圧よりも高いか否かが判別される(ステップ304)。その結果、目標差圧>現在の差圧が成立すると判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を高負荷側に上げるための処理が実行される(ステップ106)。一方、目標差圧>現在の差圧が不成立であると判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を低負荷側に下げるための処理が実行される(ステップ108)。
また、図10に示すルーチンでは、上記ステップ106または108の処理が実行された後には、次いで、目標差圧が現在の差圧とほぼ等しくなったか否かが判別される(ステップ306)。その結果、目標差圧≒現在の差圧が成立すると判定された場合には、上記図8中に太線で示す動作線となるように内燃機関12の動作線を変更することができたと判断することができる。この場合には、上記ステップ100以降の処理が繰り返し実行される。一方、目標差圧≒現在の差圧が不成立であると判定された場合には、当該判定が成立するまで上記ステップ304以降の処理が繰り返し実行される。
以上説明した図10に示すルーチンによれば、EGR弁68の開固着発生時に、基本的には吸気圧力と排気圧力との差圧がなくなるように内燃機関12の動作線が調整される。そのうえで、各運転領域においてEGR導入に対する耐性が認められる範囲内で、内燃機関12の動作線が正常時動作線に近づくように制御されることで、EGRが導入されるようになる。これにより、EGR弁68の開固着の発生に伴って内燃機関12の動作線を変更して退避走行を行う場合であっても、燃焼悪化を抑制しつつ、燃費悪化を最小限に留めることが可能となる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU40が上記ステップ300〜306、106、および108の一連の処理を実行することにより前記第2の発明における「燃費両立動作線調整手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図6に示すルーチンに代えて後述する図11に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態3においては、EGR弁68の開固着発生時に、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定値未満となるように内燃機関12の動作線を調整するものにおいて、EGR導入に対する耐性が認められる範囲内で、内燃機関12の燃費が最適となるように設定された正常時動作線(図8中に破線で表した動作線)に近づくように、内燃機関12の動作線を調整するようにしている。
これに対し、本実施形態では、筒内圧センサ76を用いて内燃機関12の燃焼状態に関する情報(例えば、熱発生量)を取得したうえで、燃焼状態が所定度合いを超えて悪化しない範囲内で、内燃機関12の燃費が最適となるように設定された正常時動作線(上記図8中に破線で表した動作線)に近づくように、内燃機関12の動作線を調整するようにした。
図11は、上記の機能を実現するために、本実施の形態4においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図11において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図11に示すルーチンでは、ステップ100にてEGR弁68が開固着状態にあると判定された場合において、ステップ102にて現在の吸気圧力および排気圧力(背圧)が算出された後には、次いで、現在の熱発生量が所定値よりも少ないか否かが判別される(ステップ400)。熱発生量は、筒内圧センサ76の出力に基づいて所定の関係式に従って算出可能な燃焼状態パラメータの1つである。内燃機関12の筒内での熱発生量は、燃焼が悪くなるほど少なくなる。本ステップ400では、熱発生量を所定値と比較することで、内燃機関12の燃焼状態が所定度合いを超えて悪化しない範囲内であるか否かを判断するようにしている。尚、このような燃焼状態の悪化度合いを判断するために用いるパラメータは、熱発生量に限らず、例えば、熱発生率、筒内圧の最大値Pmax、Pmax位置(当該最大値Pmaxが得られるクランク角度)、0−10%燃焼速度、10−90%燃焼速度、および、図示平均有効圧PMIの変動量などを用いることができる。
上記ステップ400において熱発生量<所定値が成立すると判定された場合には、内燃機関12の燃焼状態が所定度合いを超えて悪化する可能性があると判断できるので、燃焼悪化を回避すべく、現在の動作線に対してエンジン使用領域を高負荷側に上げるための処理が実行される(ステップ106)。
一方、上記ステップ400において熱発生量<所定値が不成立であると判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を低負荷側に下げるための処理が実行される(ステップ108)。
また、図11に示すルーチンでは、上記ステップ106または108の処理が実行された後には、次いで、熱発生量が上記所定値とほぼ等しくなったか否かが判別される(ステップ402)。その結果、熱発生量≒所定値が成立すると判定された場合には、所定度合いを超えて燃焼状態が悪化しない範囲内で、内燃機関12の動作線を正常時動作線に十分に近づけられたと判断することができる。この場合には、上記ステップ100以降の処理が繰り返し実行される。一方、熱発生量≒所定値が不成立であると判定された場合には、当該判定が成立するまで上記ステップ400以降の処理が繰り返し実行される。
以上説明した図11に示すルーチンによれば、EGR弁68の開固着発生時に、基本的には吸気圧力と排気圧力との差圧がなくなるように内燃機関12の動作線が調整される。そのうえで、所定度合いを超えて燃焼状態が悪化しない範囲内で、内燃機関12の動作線が正常時動作線に近づくように制御されることで、EGRが導入されるようになる。これにより、EGR弁68の開固着の発生に伴って内燃機関12の動作線を変更して退避走行を行う場合であっても、燃焼悪化を抑制しつつ、燃費悪化を最小限に留めることが可能となる。
尚、上述した実施の形態4においては、ECU40が、筒内圧センサ76の出力に基づき所定の関係式に従って熱発生量を算出することにより前記第4の発明における「燃焼状態取得手段」が、上記ステップ102、400、106、108、および402の一連の処理を実行することにより前記第4の発明における「燃費両立動作線調整手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態5.
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図6に示すルーチンに代えて後述する図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
上述した実施の形態1、2のように、EGR弁68の開固着発生時に吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように内燃機関12の動作線を逐次変更すると、開固着時のEGRガス流量をほぼゼロに制御してしまうので、EGRの導入による燃費向上効果が大幅に低下してしまう。そこで、本実施形態では、EGR弁68の開固着発生時に、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定値未満となるように内燃機関12の動作線を調整するものにおいて、燃費向上効果をできるだけ得られるようにすべく、次のような制御を行うようにした。
すなわち、内燃機関12には、吸気弁の開閉時期を調整可能な吸気可変動弁機構70が搭載されている。そこで、本実施形態では、EGR弁68の開固着発生時に上記動作線の調整を行う場合には、吸気弁の閉じ時期を当該調整の開始前よりも遅角するようにした。
図12は、上記の機能を実現するために、本実施の形態5においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図12において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図12に示すルーチンでは、ステップ110において内燃機関12の動作線の調整によって吸気圧力が排気圧力(背圧)とほぼ等しくなったと判定された後には、次いで、吸気弁の閉じ時期が進角しているか否かが判別される(ステップ500)。
その結果、吸気弁の閉じ時期が進角していると判定された場合には、吸気弁の閉じ時期が吸気可変動弁機構70を用いて所定量だけ遅角側の時期に制御される(ステップ502)。具体的には、吸気弁の閉じ時期が例えば再遅角位置にまで遅角される。
以上説明した図12に示すルーチンによれば、EGR弁68の開固着発生時に吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように上記動作線の調整を行う場合に、吸気弁の閉じ時期が遅角されるようになる。吸気弁の閉じ時期を遅角すると、実圧縮比が低下することで、圧縮端温度を下げることができ、燃焼温度を下げることができる。従って、冷却損失を低減させることができる。以上より、本実施形態の手法によれば、EGR弁68の開固着発生時に、上記動作線の調整を行うことで燃焼悪化を防ぎつつ、吸気弁の閉じ時期の遅角化により燃費低下を防止することができる。
尚、上述した実施の形態5においては、ECU40が上記ステップ500および502の処理を実行することにより前記第5の発明における「吸気閉じ時期調整手段」が実現されている。
実施の形態6.
次に、図13および図14を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU40に図6に示すルーチンに代えて後述する図14に示すルーチンを実行させることにより実現することができるものである。
内燃機関12の高負荷領域において、上述した実施の形態1、2のように、EGR弁68の開固着発生時に吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように内燃機関12の動作線を逐次変更すると、排気温度が高いので、HPL62内のEGRガスが脈動により流動した場合に、EGRクーラ64内に滞留しているエンジン冷却水の部分沸騰が生ずる可能性がある。また、このような部分沸騰が生ずると、次にEGRを導入する際に、EGRガスを満足に冷却できなくなることで、ノッキングの発生が懸念される。
図13は、本発明の実施の形態6における特徴的な制御を説明するための図である。
本実施形態では、上記の冷却水の部分沸騰を防止すべく、EGR弁68の開固着発生時に吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満となるように内燃機関12の動作線を調整している際に、EGRクーラ64内の冷却水温度を監視するようにした。そのうえで、EGRクーラ64内の冷却水温度が部分沸騰の発生が懸念される所定温度値以上になった場合には、図13中に太線で示す曲線のように、上記所定圧力値を超えて吸気圧力が排気圧力よりも高くなるように、動作線を調整するようにした。
図14は、上記の機能を実現するために、本実施の形態6においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、図14において、実施の形態1における図6に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図14に示すルーチンでは、ステップ104において吸気圧力<背圧が不成立であると判定された場合には、次いで、EGRクーラ64内の冷却水温度が部分沸騰の懸念される上記所定温度値以上であるか否かが判別される(ステップ600)。
上記ステップ600においてEGRクーラ64内の冷却水温度が上記所定値以上ではないと判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を低負荷側に下げるための処理が実行される(ステップ108)。
一方、上記ステップ600においてEGRクーラ64内の冷却水温度が上記所定温度値以上であると判定された場合には、現在の動作線に対してエンジン使用領域を所定量まで高負荷側に上げるための処理が実行される(ステップ602)。
以上説明した図14に示すルーチンによれば、EGR弁68の開固着発生時に吸気圧力と排気圧力との差圧がほぼゼロとなるように上記動作線の調整を行う場合において、EGRクーラ64内の冷却水の部分沸騰が懸念される場合には、エンジン使用領域を上げるように動作線を調整することで、吸気圧力が排気圧力よりも高くなるように制御される。これにより、吸気通路42側からHPL62内に新気を供給することで、EGRクーラ64内の冷却水の温度上昇を防ぐことができる。また、これにより、冷却水の部分沸騰に伴うEGRガスの冷却不足によるノッキングの発生を防止することができる。
尚、上述した実施の形態6においては、EGRクーラ64が前記第3の発明における「排気再循環ガスクーラ」に相当している。また、ECU40が上記ステップ600および602の処理を実行することにより前記第3の発明における「クーラ高温時動作線調整手段」が実現されている。
1 ハイブリッド車両
10 駆動システム
12 内燃機関
14 モータ
16 発電機
18 動力分割機構
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 吸気通路
44 排気通路
46 エアフローメータ
48 ターボ過給機
48a コンプレッサ
48b タービン
52 スロットルバルブ
56 吸気圧力センサ
58 排気圧力センサ
60 触媒
62 高圧排気ガス還流通路(HPL)
64 EGRクーラ
66 温度センサ
68 EGR弁
70 吸気可変動弁機構
72 クランク角センサ
76 筒内圧センサ
78 燃料噴射弁
80 点火プラグ

Claims (6)

  1. 排気通路と吸気通路とを接続する排気ガス還流通路の開閉を担う排気ガス再循環弁と、吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段とを有する内燃機関を動力源の少なくとも1つとして備える車両の制御装置であって、
    前記排気ガス再循環弁が所定開度で開固着状態にあるか否かを判別する開固着判別手段と、
    前記内燃機関に対して負荷を付与可能な負荷付与手段と、
    前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にあると判別された場合に、吸気圧力と排気圧力との差圧が所定圧力値未満となるように、前記内燃機関の負荷とエンジン回転数とで規定される当該内燃機関の動作線を、前記吸入空気量調整手段と前記負荷付与手段とを用いて調整する動作線調整手段と、
    を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記動作線調整手段は、前記差圧が前記所定圧力値未満となる差圧範囲内において、前記内燃機関の燃費が最適となるように設定された正常時動作線に近づくように、前記動作線を調整する燃費両立動作線調整手段を含むことを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関は、前記排気ガス還流通路を流れる排気再循環ガスを、液体冷媒を利用して冷却する排気再循環ガスクーラを更に備え、
    前記動作線調整手段は、前記排気再循環ガスクーラの温度が所定温度値以上である場合に、前記所定圧力値を超えて前記吸気圧力が前記排気圧力よりも高くなるように、前記動作線を調整するクーラ高温時動作線調整手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載の車両の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、当該内燃機関の燃焼状態を取得する燃焼状態取得手段を更に備え、
    前記動作線調整手段は、前記燃焼状態が所定度合いを超えて悪化しない範囲内において、前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にない場合に用いられる正常時動作線に近づくように、前記動作線を調整する燃費両立動作線調整手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の車両の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、吸気弁の閉じ時期を変更可能とする吸気可変動弁機構を更に備え、
    前記車両の制御装置は、前記動作線調整手段による前記動作線の調整時に、前記吸気弁の閉じ時期を遅角側に調整する吸気閉じ時期調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の車両の制御装置。
  6. 前記車両の制御装置は、
    前記内燃機関の運転状態に応じて設定される基本点火時期を、前記排気ガス再循環弁の開度に応じて補正する点火時期補正手段と、
    前記排気ガス再循環弁が前記開固着状態にあると判別された場合に、前記点火時期補正手段による前記基本点火時期の補正を禁止する点火時期補正禁止手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の車両の制御装置。
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