JP2010255531A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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勝治 和田
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Abstract

【課題】リーン運転とリッチ運転とを繰り返した場合における全体的なNOxの浄化性能を高く維持することができる内燃機関の排気浄化システムを提供すること。
【解決手段】排気浄化システムでは、リーン運転時におけるNOx浄化触媒についてそのNOx捕捉性能が不活性の状態から活性した状態となる第1判定温度T1、並びに、リッチ運転時におけるNOx浄化触媒についてそのNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度T2を、NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のある燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELに基づいて設定する。そして、NOxカウンタNCが所定の開始判定値NMAX以上でありリッチ運転を行う必要があると判定された際(S8)に、NOx浄化触媒の温度TLNCが第1判定温度T1より大きくかつ第2判定温度T2以下である場合に、昇温制御を実行する(S6)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。より詳しくは、内燃機関の排気を浄化するNOx浄化触媒を備えた排気浄化システムに関する。
排気が酸化雰囲気にあるとき(排気中の酸素濃度が、還元剤(HC,CO)濃度に対して相対的に高いとき)、排気中の窒素酸化物(NOx)を捕捉し、排気が還元雰囲気にあるとき(排気中の還元成分濃度が、酸素濃度に対して相対的に高いとき)、捕捉したNOxを還元するNOx浄化触媒が知られている。このようなNOx浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムにおいては、NOx浄化触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーンにするリーン運転状態で排出されたNOxをNOx浄化触媒に捕捉させる。そしてこのリーン運転状態から、NOx浄化触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ運転状態に周期的に切り替えることにより、NOx浄化触媒で捕捉したNOxを放出させるとともに、放出したNOxを還元剤と反応させることによりNOxを還元する(特許文献1参照)。
このようなNOx浄化触媒の浄化能力を高く維持するため、NOx浄化触媒の温度制御に関する技術が提案されている。
例えば特許文献2には、NOx浄化触媒の温度について、特に高いNOxの吸収能を発揮できる温度領域があることに着目し、リーン運転時にはこの領域内に触媒温度を制御することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持する技術が示されている。
特許第2600492号公報 特許第2605556号公報
しかしながら特許文献2に示された技術は、リーン運転時におけるNOxの吸収性能のみに着目した技術である。つまり、特許文献2に示された技術は、リッチ運転時におけるNOxの放出性能や還元性能に関する記載はないため、リーン運転とリッチ運転とを繰り返した場合における全体的なNOxの浄化性能を高く維持できるものではない。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、リーン運転とリッチ運転とを繰り返した場合における全体的なNOxの浄化性能を高く維持することができる内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(2)の排気通路(4)に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒(43)を備える内燃機関の排気浄化システム(1)であって、前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にする浄化制御を所定の時期に実行することにより、当該NOx浄化触媒に捕捉されたNOxを浄化する浄化制御実行手段(7,22)と、前記NOx浄化触媒を昇温する昇温制御を実行する昇温制御実行手段(7,22)と、酸化雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx捕捉性能が不活性の状態から活性した状態となる第1判定温度(T1)、並びに、還元雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度(T2)を設定する判定温度設定手段(7)と、を備え、前記昇温制御実行手段は、前記浄化制御を実行する必要があると判定された際に前記NOx浄化触媒の温度が前記第1判定温度より大きくかつ前記第2判定温度以下である場合に前記昇温制御を実行する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記判定温度設定手段は、前記NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータ(ΣQ_FUEL)に基づいて前記第1及び第2判定温度を設定する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記判定温度設定手段は、前記NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い前記第2判定温度と第1判定温度との差を大きくする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータは、燃料噴射量の積算値(ΣQ_FUEL)である。
請求項1に記載の発明によれば、判定温度設定手段は、酸化雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx捕捉性能が不活性の状態から活性した状態となる第1判定温度、並びに、還元雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度を設定する。さらに昇温制御実行手段は、浄化制御を実行する必要があると判定された際にNOx浄化触媒の温度が第1判定温度より大きくかつ第2判定温度以下である場合には、NOx浄化触媒を昇温する昇温制御を実行する。これにより、酸化雰囲気下においてNOxを捕捉させ、還元雰囲気下において捕捉したNOxを還元するといったNOx浄化触媒の浄化動作を最小限の昇温制御で補償することができる。したがって、NOx浄化触媒に流入する排気を酸化雰囲気と還元雰囲気とで繰り返すべくリーン運転とリッチ運転とを繰り返した場合における全体的なNOxの浄化性能を高く維持することができる。
ところで、リッチ運転を行いNOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にすると、上述のように、捕捉されていたNOxはNOx浄化触媒から放出された後、還元剤と反応して還元される。つまり、NOx浄化触媒において、NOxを放出する機能とNOxを還元する機能とは別の機能である。このため、還元雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてNOx放出性能が不活性の状態から活性した状態となる温度と、NOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる上述の第2判定温度とは、異なった温度となる場合がある。したがって、NOx放出性能が活性した状態であり、かつ、NOx還元性能が不活性の状態で還元雰囲気にした場合、NOx浄化触媒から捕捉されていたNOxが放出されるものの、放出されたNOxが還元されずに下流側へ排出されてしまう場合も考えられる。これに対して本発明では、NOx浄化触媒のNOx還元性能に着目し、このNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度以下である場合には、浄化制御に先立って昇温制御を実行することにより、NOx浄化触媒のNOx還元性能を活性した状態にし、NOxを還元することができる。
請求項2に記載の発明によれば、例えばNOx浄化触媒の被毒が進行し、その特性が変化した場合であっても、NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータに基づいて第1判定温度及び第2判定温度を適切に設定することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、判定温度設定手段は、NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い第2判定温度と第1判定温度との差を大きくする。これにより、NOx浄化触媒の被毒の進行に合わせて適切な昇温制御が可能となり、その浄化性能を高く維持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、燃料噴射量の積算値をNOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータとし、この積算値に基づいて第1判定温度及び第2判定温度を設定する。ところで、NOx浄化触媒の被毒は、燃料に含まれる硫黄成分が付着することにより進行するため、燃料噴射量の積算値が多くなるに従いNOx浄化触媒の被毒度合いは大きくなる傾向がある。したがって、このような燃料噴射量の積算値をNOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータとして用いることにより、第1判定温度及び第2判定温度を適切に設定することができる。
本発明の一実施形態に係る排気浄化システム、及びこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係るNOx浄化触媒の性能と触媒温度との関係を模式的に示す図である。 上記実施形態に係るNOx浄化触媒の被毒度合いと閾値T1,T2との関係を示す図である。 上記実施形態に係る還元制御処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るNOx浄化触媒に捕捉されたNOxの量の、上記還元制御処理の実行中における変化を示す図である。 上記実施形態に係る判定温度設定処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化システム1、及びこれを適用した内燃機関2の構成を示す模式図である。内燃機関(以下「エンジン」という)2は、各気筒21の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。
エンジン2に燃料を供給する燃料供給系は、燃料タンク23に貯留された燃料を加圧する燃料ポンプ24と、この燃料ポンプ24により加圧された燃料をエンジン2の気筒21ごとに設けられたインジェクタ22に供給するコモンレール25と、を含んで構成される。
インジェクタ22からの燃料噴射量QINJは、後述する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)7によって設定される。また、このインジェクタ22の開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU7からの駆動信号により制御される。
エンジン2には、吸気が流通する吸気管3と、排気が流通する排気管4と、排気管4内の排気の一部を吸気管3に還流する排気還流通路5と、吸気管3に吸気を圧送する過給機6とが設けられている。
吸気管3は、吸気マニホールド31の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の吸気ポートに接続されている。排気管4は、排気マニホールド41の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の排気ポートに接続されている。排気還流通路5は、排気マニホールド41から分岐し吸気マニホールド31に至る。
過給機6は、排気管4に設けられた図示しないタービンと、吸気管3に設けられた図示しないコンプレッサと、を備える。タービンは、排気管4を流通する排気の運動エネルギにより駆動される。コンプレッサは、タービンにより回転駆動され、吸気を加圧し吸気管3内へ圧送する。また、タービンは、図示しない複数の可変ベーンを備えており、可変ベーンの開度を変化させることにより、タービン回転数(回転速度)を変更できるように構成されている。タービンのベーン開度は、ECU7により電磁的に制御される。
吸気管3のうち過給機6の上流側には、エンジン2の吸入空気量を制御するスロットル弁32が設けられている。このスロットル弁32は、アクチュエータを介してECU7に接続されており、その開度はECU7により電磁的に制御される。また、吸気管3のうち過給機6の下流側には、過給機6により加圧された吸気を冷却するためのインタークーラ33が設けられている。
排気還流通路5は、排気マニホールド41と吸気マニホールド31とを接続し、エンジン2から排出された排気の一部を還流する。排気還流通路5には、還流される排気を冷却するEGRクーラ51と、還流する排気の流量を制御するEGR弁52と、が設けられている。EGR弁52は、図示しないアクチュエータを介してECU7に接続されており、その弁開度はECU7により電磁的に制御される。
排気管4のうち過給機6の下流側には、排気を浄化する酸化触媒42及びNOx浄化触媒43が、上流側からこの順で設けられている。
酸化触媒42は、排気との反応により、排気を浄化するともに排気を昇温する。より具体的には、この酸化触媒42には、触媒として作用する白金(Pt)を、アルミナ(Al)担体に担持させたものに、HCの吸着作用に優れたゼオライトと、HCの水蒸気改質作用に優れたロジウム(Rh)を加えた酸化触媒を内蔵したものが用いられる。
NOx浄化触媒43は、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定するいわゆるリーン運転を行うことにより、流入する排気の酸素濃度が比較的高い酸化雰囲気にしたときに、排気中のNOxを捕捉(より具体的には、吸着又は吸蔵)する。一方、混合気の空燃比を理論空燃比近傍、又は、理論空燃比よりもリッチ側に設定するいわゆるリッチ運転を行うことにより、排気中のHCやCOなどの還元剤の濃度が比較的高い還元雰囲気のときに、NOx浄化触媒43は、捕捉したNOxを還元剤と反応させることによりNOxを還元する。
このNOx浄化触媒43としては、例えば、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、及びセリウムと希土類の複合酸化物(以下、「セリア系複合酸化物」という)の担体に担持された、触媒として作用する白金(Pt)と、NOxの捕捉能力を有するセリアもしくはセリア系複合酸化物などを備えるものが用いられる。
ECU7には、酸素濃度センサ81、排気温度センサ82、及びエアフローセンサ83が接続されている。酸素濃度センサ81は、排気管4のうち酸化触媒42の上流側の排気の酸素濃度(空燃比)を検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。排気温度センサ82は、排気管4のうちNOx浄化触媒43に流入する排気の温度TEを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。エアフローセンサ83は、エンジン2に吸入される吸入空気量GAを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。また、NOx浄化触媒43の温度TLNCは、排気温度センサ82の検出値に基づいて、ECU7により算出される。
この他、ECU7には、図示しないクランク角センサ、アクセル開度センサ、及びイグニッションスイッチが接続されている。
クランク角センサは、エンジン2のクランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU7に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。アクセル開度センサは、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。イグニッションスイッチは、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU7に送信する。
ここで、エンジン2の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサから送信されたCRK信号に基づいて、ECU7により算出される。また、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU7により算出される。
ECU7は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU7は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、インジェクタ22などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU7には、以下に示す還元制御処理(図4参照)を実行するモジュールが構成される。
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態の還元制御処理について説明する。
図2は、NOx浄化触媒の性能と触媒温度との関係を模式的に示す図である。
上述のように、NOx浄化触媒は、リーン運転時にNOxを捕捉する機能と、リッチ運転時及びこのリッチ運転の直後のリーン運転時に、上記捕捉したNOxを還元する機能を有する。一般的には、これら2つの機能が効率良く発揮される温度域は、それぞれ異なったものとなる。
図2に示すように、NOx浄化触媒が使用される温度域を、3つの閾値T1,T2,T3(T1<T2<T3)により、領域I、領域II、領域III、及び領域IVの4つの領域に分けたとする。すると、図2に示すように、リーン運転時におけるNOxの捕捉性能は、領域II及び領域III、すなわち、T1以上T3未満において活性した状態となる。これに対して、リッチ運転時におけるNOxの還元性能は、領域III及び領域IV、すなわち、T2以上において活性した状態となる。
図3は、NOx浄化触媒の被毒度合いと、閾値T1,T2との関係を示す図である。
上述のようにNOx浄化触媒は、リーン運転時にNOxを捕捉するが、同時に燃料又はオイル中の硫黄成分をも捕捉してしまう。捕捉した硫黄成分は、NOxよりも脱離しにくいため、リッチ運転に加えてNOx浄化触媒を600℃程度まで昇温することにより脱離する脱硫制御を実行する必要がある。このような脱硫制御の実行中に、リッチ運転を中止した場合、NOx浄化触媒は600℃程度の高温の状態で酸化雰囲気下にさらされることとなる。このような状態に長時間さらされると、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分が白金に強吸着し、白金の硫黄被毒を起こすこととなる。
このようなNOx浄化触媒の白金への硫黄被毒が生じた場合、リーン運転時におけるNOx捕捉性能及びリッチ運転時におけるNOx還元性能ともに低下してしまう。このため、図3に示すように、NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い、閾値T1,T2は高くなる。特に、リッチ運転時におけるNOx還元性能の低下は、リーン運転時におけるNOx捕捉性能の低下に比べて著しく、結果として、NOx浄化触媒の被毒度合いに対する変化量は、閾値T1よりも閾値T2の方が大きくなっている。
図4は、NOx浄化触媒により排気中のNOxを浄化する還元制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、ECUにおいて所定の周期で行われる。
図5は、NOx浄化触媒に捕捉されたNOxの量の、上記還元制御処理の実行中における変化を示す図である。
この還元制御処理では、図5に示すように、NOx浄化触媒に捕捉されたNOxの量を示す後述のNOxカウンタNCを逐次算出し、このNOxカウンタNCが所定の開始判定値NMAXを上回ったことに応じてリッチ運転を開始し、その後、NOxカウンタNCが終了判定値NMINを下回ったことに応じてリッチ運転を終了し、リーン運転を開始する。また、この還元制御処理では、リーン運転とリッチ運転とを交互に繰り返す際に後述のようにNOx浄化触媒の温度制御を適宜実行することにより、NOx浄化触媒によるNOxの浄化性能を高く維持する。
ステップS1では、リッチフラグF_RICHが「1」であるか否かを判別する。このリッチフラグF_RICHは、上述のリッチ運転の実行を指令するフラグである。すなわち、このリッチフラグF_RICHを「0」から「1」にすることにより、リッチ運転が実行されNOx浄化触媒に捕捉されたNOxが還元される。また、このリッチフラグF_RICHを「1」から「0」に戻すことにより、リッチ運転が終了し、リーン運転が実行される。ステップS1の判別結果がYESであり、リッチ運転中である場合には、リッチ運転を終了する時期であることを判定すべく、ステップS2に移る。
ステップS2では、運転状態に応じてNOxカウンタNCを減算し、ステップS3に移る。NOxカウンタNCは、NOx浄化触媒に捕捉されているNOxの量を示すものであり、後述のステップS7において積算される。このステップS2では、今回の処理サイクルにおいて、リッチ運転を行うことによりNOx浄化触媒で還元されたNOxの量を、NOxカウンタNCから減算する。なお、このNOxカウンタNCの減算値は、例えば、NOx浄化触媒を通過した排気の流量、及び、酸素濃度センサの検出値に基づいて算出される。ここで、NOx浄化触媒を通過した排気の流量は、要求トルクPMCMD及びエンジン回転数NEに基づいて算出される。
ステップS3では、NOxカウンタNCが所定の終了判定値NMINを下回ったか否かを判別する。ステップS3の判別結果がYESであり、NOxカウンタNCが終了判定値NMINを下回った場合には、リッチ運転を終了するべくステップS4に移りリッチフラグF_RICHを「0」にリセットした後、この処理を終了する。ステップS3の判別結果がNOであり、NOxカウンタNCが終了判定値を下回っていない場合には、リッチ運転を継続するべく、この処理を終了する。
一方、ステップS1の判別結果がNOであり、リーン運転中である場合には、リッチ運転を行う時期であるか否かを判定すべく、ステップS5に移る。
ステップS5では、NOx浄化触媒の温度TLNCが所定の第1判定温度T1以下であるか否かを判別する。この第1判定温度T1は、上述のように、NOx浄化触媒におけるNOx捕捉性能が不活性にある状態(領域I)と、NOx捕捉性能が活性した状態(領域II)とを分ける閾値を示す。この第1判定温度T1は、後述の図6に示す判定温度設定処理において、NOx浄化触媒の状態に応じて逐次更新されたものが用いられる。
ステップS5の判別結果がYESである場合、すなわち、リーン運転を行っているにもかかわらずNOx浄化触媒の温度TLNCが第1判定温度T1以下でありNOxの捕捉性能が低い場合には、NOxの捕捉性能を向上するためにステップS6に移る。
ステップS6では、NOx浄化触媒を昇温する昇温制御を実行し、ステップS7に移る。より具体的には、この昇温制御では、例えば、スロットル弁を閉じるとともに燃料噴射量QINJを増量し、NOx浄化触媒に流入する排気の温度を上昇することにより、NOx浄化触媒を昇温する。
ここで、NOx浄化触媒の温度TLNCが第1判定温度T1以下である場合には、このような昇温制御を実行することにより、NOx浄化触媒は基本的には第1判定温度より高い温度に保持されることとなる。
ステップS7では、NOxカウンタNCを積算した後、この処理を終了する。このステップS7では、今回の処理サイクルにおいて、リーン運転を行うことによりNOx浄化触媒に捕捉されたNOxの量を、NOxカウンタNCに積算する。ここでNOxカウンタNCの積算値は、要求トルクPMCMD及びエンジン回転数NEに基づいて算出される。
一方、ステップS5の判別結果がNOである場合、すなわち、NOx浄化触媒が領域Iには無い場合には、ステップS8に移る。
ステップS8では、NOxカウンタNCが開始判定値NMAXを上回ったか否かを判別する。ステップS8の判別結果がNOの場合には、リッチ運転を行う時期ではないと判断し、ステップS7に移る。ステップS8の判別結果がYESの場合には、リッチ運転を行う時期であると判断し、ステップS9に移る。
ステップS9では、NOx浄化触媒の温度TLNCが所定の第2判定温度T2以下であるか否かを判別する。この第2判定温度T2は、上述のように、NOx浄化触媒におけるNOx還元性能が不活性にある状態(領域II)と、NOx還元性能が活性した状態(領域III)とを分ける閾値を示す。この第2判定温度T2は、後述の図6に示す判定温度設定処理において、NOx浄化触媒の状態に応じて逐次更新されたものが用いられる。
ステップS9の判別結果がYESである場合、すなわち、リッチ運転を行う時期であるにもかかわらずNOx浄化触媒の温度TLNCが第2判定温度T2以下であり、NOxの還元性能は低い場合には、NOxの還元性能を向上するために昇温制御を実行するべくステップS6に移る。
ステップS9の判別結果がNOである場合、すなわち、リッチ運転を行う時期であり、かつ、NOx浄化触媒の温度TLNCが第2判定温度T2より高く、NOxを還元する
性能が十分にある場合には、リッチ運転を開始するべくステップS10に移りリッチフラグF_RICHを「1」にセットした後、この処理を終了する。
図6は、判定温度設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、ECUにおいて所定の周期で行われる。
ステップS21では、NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータとして、燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELを算出し、ステップS22に移る。この燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELは、燃料噴射量QINJに基づいて今回の処理サイクルにおいて噴射された燃料の量を積算することにより算出される。
ステップS22では、燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELに基づいて、第1判定温度T1及び第2判定温度T2を設定し、この処理を終了する。より具体的には、第1判定温度T1及び第2判定温度T2は、それぞれ、算出した燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELに応じて図3に示すようなマップを検索することにより設定される。上述のように、NOx浄化触媒の被毒度合いに対する変化量は、閾値T1よりも閾値T2の方が大きくなっている。したがって、このようなマップを用いることにより、第1判定温度T1と第2判定温度T2とは、NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い、第2判定温度T2と第1判定温度T1との差が大きくなるように設定される。
本実施形態によれば、判定温度設定処理では、リーン運転時におけるNOx浄化触媒についてそのNOx捕捉性能が不活性の状態から活性した状態となる第1判定温度T1、並びに、リッチ運転時におけるNOx浄化触媒についてそのNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度T2を設定する。さらに還元制御処理では、ステップS8においてNOxカウンタNCが開始判定値NMAX以上でありリッチ運転を実行する必要があると判定された際に、NOx浄化触媒の温度TLNCが第1判定温度T1より大きくかつ、ステップS9においてNOx浄化触媒の温度TLNCが第2判定温度T2以下である場合に、ステップS6においてNOx浄化触媒を昇温する昇温制御を実行する。これにより、リーン運転時においてNOxを捕捉させ、リッチ運転時において捕捉したNOxを還元するといったNOx浄化触媒の浄化動作を最小限の昇温制御で補償することができる。したがって、リーン運転とリッチ運転とを繰り返した場合における全体的なNOxの浄化性能を高く維持することができる。
本実施形態によれば、還元雰囲気下におけるNOx浄化触媒の2つの性能、すなわちNOx放出性能とNOx還元性能のうち、特にNOx浄化触媒のNOx還元性能に着目し、このNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度T2以下である場合には、リッチ運転を行う前に昇温制御を実行することにより、NOx浄化触媒のNOx還元性能を活性した状態にし、NOxを還元することができる。
また、本実施形態によれば、例えばNOx浄化触媒の被毒が進行し、その特性が変化した場合であっても、NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータに基づいて第1判定温度T1及び第2判定温度T2を適切に設定することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
また、本実施形態によれば、判定温度設定処理では、NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い、第2判定温度T2と第1判定温度T1との差を大きくする。これにより、NOx浄化触媒の被毒の進行に合わせて適切な昇温制御が可能となり、その浄化性能を高く維持することができる。
また、本実施形態によれば、燃料噴射量の積算値ΣQ_FUELをNOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータとし、この積算値ΣQ_FUELに基づいて第1判定温度T1及び第2判定温度T2を設定する。これにより、第1判定温度T1及び第2判定温度T2を適切に設定することができる。
本実施形態では、ECU7、インジェクタ22、及びスロットル弁32が浄化制御実行手段及び昇温制御実行手段を構成し、ECU7が判定温度設定手段を構成する。より具体的には、図4のステップS10の実行及びリッチ運転の実行に係る手段が浄化制御実行手段を構成し、図4のステップS6の実行に係る手段が昇温制御実行手段を構成し、図6の判定温度設定処理の実行に係る手段が判定温度設定手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、NOx浄化触媒に流入する排気の温度TEに基づいてNOx浄化触媒の温度TLNCを算出したが、これに限らない。NOx浄化触媒の温度は直接検出してもよい。
また、上記実施形態では、本発明を車両に搭載されたリーンバーンエンジン又はディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明は、これに限らない。本発明は、例えば、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。
1…排気浄化システム
2…エンジン(内燃機関)
22…インジェクタ(浄化制御実行手段、昇温制御実行手段)
32…スロットル弁(浄化制御実行手段、昇温制御実行手段)
4…排気管(排気通路)
43…NOx浄化触媒
7…ECU(浄化制御実行手段、昇温制御実行手段、判定温度設定手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にする浄化制御を所定の時期に実行することにより、当該NOx浄化触媒に捕捉されたNOxを浄化する浄化制御実行手段と、
    前記NOx浄化触媒を昇温する昇温制御を実行する昇温制御実行手段と、
    酸化雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx捕捉性能が不活性の状態から活性した状態となる第1判定温度、並びに、還元雰囲気下におけるNOx浄化触媒についてそのNOx還元性能が不活性の状態から活性した状態となる第2判定温度を設定する判定温度設定手段と、を備え、
    前記昇温制御実行手段は、前記浄化制御を実行する必要があると判定された際に前記NOx浄化触媒の温度が前記第1判定温度より大きくかつ前記第2判定温度以下である場合に前記昇温制御を実行することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記判定温度設定手段は、前記NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータに基づいて前記第1及び第2判定温度を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記判定温度設定手段は、前記NOx浄化触媒の被毒度合いが大きくなるに従い前記第2判定温度と第1判定温度との差を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記NOx浄化触媒の被毒度合いに相関のあるパラメータは、燃料噴射量の積算値であることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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