JP2010254579A - ジフェニルアミン誘導体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ジフェニルアミン誘導体である新規化合物に関する。本発明に係るジフェニルアミン誘導体は、酸化防止剤あるいは老化防止剤として使用可能な新規物質である。
ゴム、エラストマー、樹脂、油脂などの有機材料は使用中に酸素や熱、動的疲労などのさまざまな要因により劣化する。これらの劣化を防止する目的で配合される薬品を総称して酸化防止剤あるいは老化防止剤と呼ぶ。これらの材料を原料とする製品は劣化により物性低下、硬化、軟化、き裂発生などの現象を招き、最終的に製品の機能を保持することができなくなる。これらのさまざまな要因による劣化現象を防ぎ製品寿命を長期間保持するためには酸化防止剤あるいは老化防止剤の添加が非常に重要となり、製品ごとにさまざまな処方で酸化防止剤あるいは老化防止剤が利用されている。これら有機材料のなかで近年、注目されている材料にアクリルゴムが挙げられる。
アクリルゴムは高熱環境下でも優れた特性を示すため、ホース部品、シール部品、防振ゴム部品に用いられている。特に、自動車の燃料系、潤滑油系、エンジンルーム内のホースなどの吸・排気系で使用されているため、耐熱性、耐油性、耐候性、耐熱老化性、耐オゾン性が求められる。更に、ガス透過性及び低圧縮歪みも要求される。
これらの要求を満たすため、さまざまな構造の老化防止剤の使用が検討されている。例えば、2級ジアミン系の老化防止剤を、所望により、更に2級モノアミン系の老化防止剤と共に、カルボキシル基含有アクリルゴムに添加することにより、常態物性、圧縮永久歪み特性に優れ、熱老化後においても、引張強さを損なうことなく、伸びの変化率を抑えたアクリルゴム組成物が得られることが開示されている(特許文献1)。また、易移動性の老化防止剤としてアルキル化ジフェニルアミン等と、ジフェニルアミン骨格等を有し、かつその両末端の芳香族環にクミル基を付加させた化合物からなる老化防止剤とを併用することで、クミル基の立体障害によるラジカル捕捉後の老化防止剤の安定性向上が図れることが開示されている(特許文献2)。また、カルボキシル基含有アクリルゴムに、スチレン化ジフェニルアミン化合物を含有させてなるアクリルゴム組成物は、加硫時に加工性、機械的特性、圧縮永久歪み特性を損なわず、使用にあっては、耐熱性、特に引張強さの変化率と伸びの変化率のバランスに優れていることが開示されている(特許文献3)。
しかしながら、上記のような老化防止剤あるいはそれらの組み合わせを駆使しても、アクリルゴムに求められる耐熱性能の要求には充分対応することはできておらず、更に高い性能の老化防止剤が求められている。
種々のポリマー種及びゴム配合物に対して、老化防止剤として用いたときに、これら加硫物の耐熱性能の効果が長期間保持されると共に、添加剤成分の揮発あるいは抽出などに起因する着色等の外観不良の防止及び抑制が可能な新規化合物の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため種々検討の結果、以下式Iに示される新規化合物であるジフェニルアミン誘導体が優れた老化防止効果を有することを発見し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式I:
式II:
本発明に係るジフェニルアミン誘導体は、各種ポリマーやゴム配合物に対する耐熱性能付与効果を長期間保持できることに加え、添加剤成分の揮発あるいは抽出などが原因となる着色等の外観悪化が起こらないか、あるいは起こったとしても少ないため、特に有効である。
本発明は、上述の如く、下記式:
式I:
式I:
式II:
上記式Iで表される本発明に係るジフェニルアミン誘導体においては、Xはアミノ基または上記式IIで表される基であり、R1及びR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ、R1は、水素、または芳香族環で置換されていてもよい炭素数1〜3の分岐していてもよい飽和アルキル、R2は、水素、または、芳香族環で置換されていてもよい炭素数1〜3の分岐していてもよい飽和アルキルである。そして、Xがアミノ基であるときは、少なくとも、R2は、水素であるものが好ましく、また、芳香族環としては、ベンゼン環が好ましい。
より具体的には、上記式I中、Xがアミノ基の場合には、R1が1−メチルベンジル基または1,1−ジメチルベンジル基で、R2が水素であるか、またはR1もR2も共に、1−メチルベンジル基または1,1ジメチルベンジル基であるものが最も好ましく、例えばN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−p−フェニレンジアミン及びN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−m−1,1−ジメチルベンジル−p−フェニレンジアミンが挙げられる。
さらに、式I中、Xが下記式II:
式II:
式II:
本発明に係る、Xが上記式IIで表される化合物は、上記式中、nは1または0、R3、R4は同一でも異なっていてもよく、R3とR4とが、共に、分岐していてもよい炭素数2〜6のアルキレンである。中でも、Xにおいてn=1の場合は、R3が炭素数2又は6の分岐していてもよいアルキレンであるジフェニルアミン誘導体が好ましい。さらに、Xにおいてn=1であって、R3が炭素数2又は6の分岐していてもよいアルキレンで、R4が炭素数2の分岐していてもよいアルキレンであるジフェニルアミン誘導体がさらに好ましい。最も好ましい化合物はN−(2−アミノエチル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミド及びN−(6−アミノヘキシル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミドである。さらに、Xにおいてn=0の場合は、R3が炭素数6の分岐していてもよいアルキレンであるジフェニルアミン誘導体が好ましく、最も好ましい化合物は以下構造式に示すN−(4−アニリノフェニル)−6−アミノヘキサンアミドである。
本発明に係るジフェニルアミン誘導体は、油脂、樹脂、ゴム、エラストマー等に添加して酸化防止剤あるいは老化防止剤として利用することができる。特にアミン架橋を行うゴム(例えば、アミン架橋を行うゴムとしてはアクリルゴムやクロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴム等)やアミン系硬化剤を使用する樹脂(例えば、アミン系硬化剤を用いる樹脂としてはエポキシ樹脂やウレタン樹脂等)については、本発明に係るジフェニルアミン誘導体が、これらのゴムや樹脂と化学結合し、構造の中に組み込まれるため、これら添加剤成分が揮発あるいは抽出などにより失われることがなく、失われる場合でもその量を最低限にすることができ、効果を発揮するために必要とされる量を確保することが可能となる。
なお、本発明に係るジフェニルアミン誘導体を、老化防止剤として使用する対象としては、種々のゴムあるいはゴム組成物(加硫物)などが挙げられる。例えば、ゴムとしては天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、水酸化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、必要に応じてゴム用配合剤と併用することができる。
また、本発明に係るジフェニルアミン誘導体を酸化防止剤として使用する対象としては、種々の樹脂あるいは油脂等が挙げられる。例えば、樹脂としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。また、油脂としては潤滑油や作動油などが挙げられる。また、必要に応じて樹脂用添加剤あるいは潤滑油用添加剤と併用することができる。
本発明に係るジフェニルアミン誘導体は、製造条件によって得られる製品としての異性体、又は、同族体を含んだ混合物のまま使用してもよく、あるいは、これらの異性体や同族体を分離精製した単体であってもよい。また、単体同士を混合して用いてもよい。
以下に本発明に使用されるジフェニルアミン誘導体の製造方法について実施例を挙げて説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(化合物1及び化合物2の製造)
攪拌機、温度計、ディーン−スターク管、コンデンサー、マントルヒーターを備えた300mL四つ口フラスコに、4−アミノジフェニルアミン120g、トルエン20ml、塩化鉄(II)4水和物18gを仕込み、昇温する。内温115℃付近から水の留出が始まり、内温が170℃付近まで上がると留出は見られなくなる。内温が190℃付近になったところでα−メチルスチレン77g(4−アミノジフェニルアミンに対し1当量)を約1時間かけて滴下する。滴下終了後、内温を190℃付近に保って5時間熟成し、その後冷却する。内温が90℃付近になったところでトルエン150mlを加えた後、水酸化カルシウム15wt%水溶液80gを加え、1時間攪拌する。その後、内温を130℃付近まであげ、水を留去する。得られた残渣を3%水酸化ナトリウム水溶液450gで洗浄し、その後水道水450gで洗浄する。得られた有機層について減圧蒸留で低沸分並びに残存原料を除き、目的とするN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−p−フェニレンジアミン(以下、化合物1と称することもある)及びN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−m−1,1−ジメチルベンジル−p−フェニレンジアミン(以下、化合物2と称することもある)の混合物70gを得た。
攪拌機、温度計、ディーン−スターク管、コンデンサー、マントルヒーターを備えた300mL四つ口フラスコに、4−アミノジフェニルアミン120g、トルエン20ml、塩化鉄(II)4水和物18gを仕込み、昇温する。内温115℃付近から水の留出が始まり、内温が170℃付近まで上がると留出は見られなくなる。内温が190℃付近になったところでα−メチルスチレン77g(4−アミノジフェニルアミンに対し1当量)を約1時間かけて滴下する。滴下終了後、内温を190℃付近に保って5時間熟成し、その後冷却する。内温が90℃付近になったところでトルエン150mlを加えた後、水酸化カルシウム15wt%水溶液80gを加え、1時間攪拌する。その後、内温を130℃付近まであげ、水を留去する。得られた残渣を3%水酸化ナトリウム水溶液450gで洗浄し、その後水道水450gで洗浄する。得られた有機層について減圧蒸留で低沸分並びに残存原料を除き、目的とするN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−p−フェニレンジアミン(以下、化合物1と称することもある)及びN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−m−1,1−ジメチルベンジル−p−フェニレンジアミン(以下、化合物2と称することもある)の混合物70gを得た。
化合物1と化合物2との混合物である本発明に係るジフェニルアミン誘導体についてガスクロマトグラフで分析したところ、化合物1と化合物2の混合組成比は質量比で6:4であった。この混合物として得られた本発明に係るジフェニルアミン誘導体である化合物1と化合物2とからなる混合物をカラムクロマトグラフィーにより分離精製した。また、本発明に係るジフェニルアミン誘導体である化合物1と化合物2について構造確認をマススペクトル(EI)と1H−NMRで行なった。各構造式を以下に示す。
化合物1
MS(EI)m/z:287([M+H]+)、302,107
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.65ppm(6H),4.15ppm(1H),6.67ppm(2H),6.79ppm(2H),6.85ppm(2H),7.21ppm(2H),7.2〜7.3ppm(7H)
化合物2
MS(EI)m/z:420([M+H]+),405,195,91
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.5〜1.8ppm(12H),4.15ppm(1H),6.3〜7.0ppm(7H),7.0〜7.4ppm(12H)
MS(EI)m/z:287([M+H]+)、302,107
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.65ppm(6H),4.15ppm(1H),6.67ppm(2H),6.79ppm(2H),6.85ppm(2H),7.21ppm(2H),7.2〜7.3ppm(7H)
化合物2
MS(EI)m/z:420([M+H]+),405,195,91
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ:1.5〜1.8ppm(12H),4.15ppm(1H),6.3〜7.0ppm(7H),7.0〜7.4ppm(12H)
次に、本発明に係るジフェニルアミン誘導体であるN−(2−アミノエチル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミド、(以下、化合物5と称することもある)とN−(6−アミノヘキシル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミド(以下化合物6と称することもある)は、第一の中間生成物として(4−アニリノフェニル)スクシンアミド酸(以下、化合物3と称することもある)を得、さらに上記化合物3から(4−アニリノフェニル)スクシンアミド酸メチル(以下、化合物4と称することもある)である第二の中間生成物を得た後に得ることができる。以下に具体的に示す。
(化合物3の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた500mL四つ口フラスコに、無水コハク酸20g、トルエン60g、ジメチルアセトアミド20gを仕込み、室温下攪拌する。これに対し、トルエン80gに溶解させた4−アミノジフェニルアミン42.3g(無水コハク酸に対し1当量)を1時間かけて滴下する。滴下により内温が45℃付近まで上昇する。そのまま4時間攪拌し熟成する。その後トルエン400gを加え、得られた沈澱をろ取した後乾燥し、化合物3を43.7g得た。なお、収率は67%であった。以下に化合物3の構造式を示す。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた500mL四つ口フラスコに、無水コハク酸20g、トルエン60g、ジメチルアセトアミド20gを仕込み、室温下攪拌する。これに対し、トルエン80gに溶解させた4−アミノジフェニルアミン42.3g(無水コハク酸に対し1当量)を1時間かけて滴下する。滴下により内温が45℃付近まで上昇する。そのまま4時間攪拌し熟成する。その後トルエン400gを加え、得られた沈澱をろ取した後乾燥し、化合物3を43.7g得た。なお、収率は67%であった。以下に化合物3の構造式を示す。
(化合物4の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサー、オイルバスを備えた200mL四つ口フラスコに、化合物3を25g、トルエン60g、メタノール6.4g(化合物3に対し6当量)、濃硫酸1.2gを仕込み、攪拌下昇温する。約70℃下8時間熟成し、冷却後、1%炭酸ナトリウム水溶液とメチルイソブチルケトンをそれぞれ150ml加え、攪拌、静置後、有機層を分離する。得られた有機層を濃縮し、残渣として化合物4を24g得た。なお、収率は91%であった。以下に化合物4の構造式を示す。
攪拌機、温度計、コンデンサー、オイルバスを備えた200mL四つ口フラスコに、化合物3を25g、トルエン60g、メタノール6.4g(化合物3に対し6当量)、濃硫酸1.2gを仕込み、攪拌下昇温する。約70℃下8時間熟成し、冷却後、1%炭酸ナトリウム水溶液とメチルイソブチルケトンをそれぞれ150ml加え、攪拌、静置後、有機層を分離する。得られた有機層を濃縮し、残渣として化合物4を24g得た。なお、収率は91%であった。以下に化合物4の構造式を示す。
(化合物5の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた100mL四つ口フラスコに、化合物4を20g、エチレンジアミン40g(化合物4に対し10当量)加える。室温下4時間攪拌後、反応液を500mlの水道水に加え、生じた固体をろ取する。得られたろ取物にトルエンとアセトンをそれぞれ200ml加え、還流温度まで加熱し、30分保持した後、冷却し、固体をろ過する。得られた固体を乾燥し、化合物5を17.3g得た。なお、収率は79%であった。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた100mL四つ口フラスコに、化合物4を20g、エチレンジアミン40g(化合物4に対し10当量)加える。室温下4時間攪拌後、反応液を500mlの水道水に加え、生じた固体をろ取する。得られたろ取物にトルエンとアセトンをそれぞれ200ml加え、還流温度まで加熱し、30分保持した後、冷却し、固体をろ過する。得られた固体を乾燥し、化合物5を17.3g得た。なお、収率は79%であった。
(化合物6の製造)
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた100mL四つ口フラスコに、化合物4を20g、ヘキサメチレンジアミン37g(化合物4に対し5当量)加える。室温下9時間攪拌後、反応液を500mlの水道水に加え、生じた固体をろ取する。得られたろ取物にトルエンとアセトンをそれぞれ200ml加え、還流温度まで加熱し、30分保持した後、冷却し、固体をろ過する。得られた固体を乾燥し、化合物6を20.3g得た。なお、収率は78%であった。
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた100mL四つ口フラスコに、化合物4を20g、ヘキサメチレンジアミン37g(化合物4に対し5当量)加える。室温下9時間攪拌後、反応液を500mlの水道水に加え、生じた固体をろ取する。得られたろ取物にトルエンとアセトンをそれぞれ200ml加え、還流温度まで加熱し、30分保持した後、冷却し、固体をろ過する。得られた固体を乾燥し、化合物6を20.3g得た。なお、収率は78%であった。
得られた最終生成物である本発明に係るジフェニルアミン誘導体である化合物5と化合物6の構造確認は1H−NMRで行なった。以下に化合物5と化合物6の各構造式を示す。
化合物5
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:1.95ppm(2H),2.4〜2.5ppm(2H),2.78ppm(2H),2.95ppm(2H),4.75ppm(1H),6.5〜7.5ppm(11H),8.01ppm(1H),9.80ppm(1H)
化合物6
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:1〜1.6ppm(10H),1.95ppm(2H),2.4〜2.5ppm(2H),2.78ppm(2H),2.95ppm(2H),4.75ppm(1H),6.5〜7.5ppm(11H),8.01ppm(1H),9.80ppm(1H)
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:1.95ppm(2H),2.4〜2.5ppm(2H),2.78ppm(2H),2.95ppm(2H),4.75ppm(1H),6.5〜7.5ppm(11H),8.01ppm(1H),9.80ppm(1H)
化合物6
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:1〜1.6ppm(10H),1.95ppm(2H),2.4〜2.5ppm(2H),2.78ppm(2H),2.95ppm(2H),4.75ppm(1H),6.5〜7.5ppm(11H),8.01ppm(1H),9.80ppm(1H)
以下、試験例により、本発明に係る上記化合物2、化合物5、化合物6についてアクリルゴムに対して老化防止剤としての効果について具体的に説明するが、本発明は以下の試験例に限定されるものではなく、本発明の主旨に逸脱しない限り、適宜変更・修正を加えることができることは、言うまでもない。
(アクリルゴム耐熱性試験)
(耐熱性試験用ゴム試料の調製)
ゴム練りについては公知の方法により1.7Lのバンバリーミキサーおよび直径約20cmの2本ロールにて混練を行った。また所定温度にて加硫し、熱老化試験用試料を作成した。
(耐熱性試験用ゴム試料の調製)
ゴム練りについては公知の方法により1.7Lのバンバリーミキサーおよび直径約20cmの2本ロールにて混練を行った。また所定温度にて加硫し、熱老化試験用試料を作成した。
(参考例)
アクリルゴム100質量部に対して、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック60質量部、可塑剤5質量部、加工助剤1質量部および加硫促進剤1.5質量部、加硫剤0.6質量部をバンバリーミキサーおよび2本ロールにて混練を行った。得られた未加硫ゴム組成物をプレス加硫機およびギアーオーブンにて加硫を行い、熱老化試験用試料を作成した。この試料を用いて熱老化試験を行った。
アクリルゴム100質量部に対して、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック60質量部、可塑剤5質量部、加工助剤1質量部および加硫促進剤1.5質量部、加硫剤0.6質量部をバンバリーミキサーおよび2本ロールにて混練を行った。得られた未加硫ゴム組成物をプレス加硫機およびギアーオーブンにて加硫を行い、熱老化試験用試料を作成した。この試料を用いて熱老化試験を行った。
(試験例1〜3)
参考例の未加硫ゴム組成物に化合物2(試験例1)、化合物5(試験例2)、化合物6(試験例3)をそれぞれ質量部で2部添加してバンバリーミキサーおよび2本ロールにて混練を行った。得られた未加硫ゴム組成物をプレス加硫機およびギアーオーブンにて加硫を行い、熱老化試験用試料を作成した。この試料を用いて熱老化試験を行った。
参考例の未加硫ゴム組成物に化合物2(試験例1)、化合物5(試験例2)、化合物6(試験例3)をそれぞれ質量部で2部添加してバンバリーミキサーおよび2本ロールにて混練を行った。得られた未加硫ゴム組成物をプレス加硫機およびギアーオーブンにて加硫を行い、熱老化試験用試料を作成した。この試料を用いて熱老化試験を行った。
尚、ポリマーおよび配合剤は以下の銘柄を使用したが、これらに限定されるものではない。アクリルゴムとして日本ゼオン社製「AR−12」、カーボンブラックとして旭カーボン社製「旭#60」、可塑剤としてADEKA社製「アデカサイザーRS−735」、加工助剤として大日本インキ社製「グレックG−8205」、加硫促進剤として三新化学工業社製「サンセラーDT」、加硫剤としてデュポン社製「Diak#1」を用いた。参考例および試験例1〜3のゴム組成物の質量部での配合を表1に示す。
(耐熱性試験)
上記試料を用いて、熱老化試験を行った。熱老化試験はJISK−6257に準拠して行った。熱老化試験は試験管加熱老化機(テストチューブ法)を用いて175℃で500時間、熱老化させた後、物性を測定し、引張強さ(TB)、伸び(EB)の熱老化前の物性(すなわち、常態物性)からの変化を比較した。従って、変化が少ないほど、耐熱老化性が優れていることを示す。結果を表2に示す。
上記試料を用いて、熱老化試験を行った。熱老化試験はJISK−6257に準拠して行った。熱老化試験は試験管加熱老化機(テストチューブ法)を用いて175℃で500時間、熱老化させた後、物性を測定し、引張強さ(TB)、伸び(EB)の熱老化前の物性(すなわち、常態物性)からの変化を比較した。従って、変化が少ないほど、耐熱老化性が優れていることを示す。結果を表2に示す。
参考例は老化防止剤が無添加であるので熱老化後のゴム物性が著しく低下していることが確認できる。それに対して、試験例1〜3については熱老化後のゴム物性の低下が大幅に抑制されていることが確認できる。このことから、本発明で開示した化合物2、5、6が老化防止剤として有用であることが確認できる。
本発明の化合物を各種ポリマー及び架橋配合物に添加することによって、耐熱性、特に高温、長期の耐熱性において、従来の酸化防止剤または老化防止剤を使用した場合と比較して、すぐれた性能を示すポリマー及び架橋物を得ることができる。
Claims (9)
- 上記式IにおいてXがアミノ基、R1が1−メチルベンジル基又は1,1−ジメチルベンジル基、R2が水素、或いはR1とR2とが共に1−メチルベンジル基又は1,1−ジメチルベンジル基である請求項1に記載のジフェニルアミン誘導体。
- N−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−p−フェニレンジアミン又はN−[4−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−m−1,1−ジメチルベンジル−p−フェニレンジアミンである請求項2に記載のジフェニルアミン誘導体。
- 上記式Iにおいて、R1とR2が共に水素で、Xが上記式IIで表される基である請求項1に記載のジフェニルアミン誘導体。
- N−(4−アニリノフェニル)−6−アミノヘキサンアミドである請求項4に記載のジフェニルアミン誘導体。
- 上記式IIにおいて、n=1で、R3が炭素数2又は6の分岐していてもよいアルキレンである請求項4に記載のジフェニルアミン誘導体。
- 上記式IIにおいて、さらにR4が炭素数2の分岐していてもよいアルキレンである請求項6に記載のジフェニルアミン誘導体。
- N−(2−アミノエチル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミドである請求項7に記載のジフェニルアミン誘導体。
- N−(6−アミノヘキシル)−N’−(4−アニリノフェニル)スクシンアミドである請求項7に記載のジフェニルアミン誘導体。
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