JP2010253857A - オーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法及び成形用型 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面より凹むように、オーナメントが付着した熱可塑性樹脂シートをシボ付け真空成形等することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】高さ調整兼保護材38が表面15側に一時的に付着したオーナメント12を通気性成形型の一部25の型表面に配置させる工程と、通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シート18をシボ付け真空成形する成形工程と、成形工程後にオーナメント12から高さ調整兼保護材38を取り外す工程とを含み、もって成形後にオーナメント12の表面15が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようにすることを特徴とするオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、オーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法と該成形方法に使用する成形用型に関するものである。
インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車の内装品は、樹脂基材を射出する際にその表面に熱可塑性樹脂シートをインサート成形してなるものが多い。この熱可塑性樹脂シートは、予め真空成形により賦形されると同時に、その表面に革シボ模様、幾何学模様等の微細凹凸模様が付けられることが多い。また、このような熱可塑性樹脂シートのなかには、熱可塑性樹脂シートに微細凹凸模様を真空成形で付けた後に、基材との間にウレタンの発泡により発泡層を設けたものや、熱可塑性樹脂シートに微細凹凸模様を付ける真空成形と同時に、基材を熱可塑性樹脂シートに圧着成形したものがある。しかし、近年のデザイン嗜好の多様化により、微細凹凸模様だけではもの足りず、さらに新しいデザインが求められてきている。これに応える一策として、熱可塑性樹脂シートの表面の一部に、種々の材質よりなり種々の形状、模様又は色彩を備えたオーナメントを付着させる方法がある(特許文献1〜3)。
特許文献1に記載の方法は、オーナメントを真空成形型の型表面上に載置し、熱可塑性樹脂シートを真空成形する時に、熱可塑性樹脂シートがオーナメントの端縁を巻き込むようにして被覆するというものである(同文献の第6図)。この真空成形型は、熱可塑性樹脂シートを吸引する前に、オーナメントのみを吸引して支承する機能はないと考えられることから、熱可塑性樹脂シートを吸引する前又は吸引中にオーナメントがずれる可能性がある。しかるところ、同文献には、真空成形型の型表面上にオーナメントをその端縁近傍を囲むようにして支承する突条を設けることも記載されており(同文献の第8図)、これによればオーナメントのずれを防ぐことができると考えられる。
特許文献2に記載の方法は、基本的には特許文献1と同様であるが、オーナメントの支承構造が異なる。すなわち、真空成形型の所定位置に多数の針状突起を立設し、この針状突起の上にオーナメントを載置することにより支承する。この時、オーナメントは表面が型表面からわずかに宙に浮いた状態となる、と記載されている。
特許文献3に記載の方法は、表皮要素を真空成形型の型表面上に載置し、熱可塑性樹脂シートを真空成形するというものである。熱可塑性樹脂シートがオーナメントの端縁を巻き込むことはない。オーナメントの支承構造については記載がない。
特開昭59−167246号公報 特開昭61−162317号公報 米国特許出願公開US2007/0216071A1
上記の背景技術には、次のような問題があった。
(1)オーナメントを真空成形型の型表面の所定位置にずれないように支承する構造が、種類に乏しく、また成形品の外観を損ねる問題もあった。
特許文献1に記載の突条による支承では、真空成形後に、オーナメントの端縁と該端縁の周りの熱可塑性樹脂シートとの境界に突条が抜けることにより溝状隙間ができるため、見栄えが損なわれる。
特許文献2に記載の針状突起による支承では、針状突起がオーナメントに突き刺さるため、オーナメントが織布製のように針痕が分からないものであればよいが、オーナメントが樹脂製等であれば、針痕が分かってしまい、外観が損なわれる。
(2)オーナメントの表面は、熱可塑性樹脂シートの表面とほぼ面一になるか、あるいは熱可塑性樹脂シート自身の収縮より、熱可塑性樹脂シートの表面よりもわずかに突出するため、後からオーナメントを熱可塑性樹脂シートに貼り付けたような外観品質となってしまう。
なお、特許文献2に記載の方法では、上記のとおり、オーナメントは表面が型表面からわずかに宙に浮いた状態となるとされているが、その目的は、オーナメントの、起毛織布、植毛プラスチックフィルム等よりなる表面材が型面に圧着されるのを防止して、表面材の毛足等の毛倒れを防止するためである(同文献3頁右上欄)。よって、ここでいう宙に浮くオーナメントの「表面」とは毛足の根元の位置のことであり、オーナメントの真の表面である毛足の先端はほとんど宙に浮いていないことになる。よって、オーナメントの真の表面は、熱可塑性樹脂シートの表面とほぼ面一になると考えられる。
そこで、本発明の第1の課題は、溝状隙間、針痕等の外観を損なうものを生じさせることなく、オーナメントが付着した熱可塑性樹脂シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形することができるようにすることにある。
また、本発明の第2の課題は、オーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面より所望量だけ凹むように、オーナメントが付着した熱可塑性樹脂シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形することができるようにすることにある。
上記第1の課題を解決するために、本発明のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法は、通気性成形型の一部の型表面に、オーナメントを、その端縁を突条で囲んだりその表面を針状突起で刺したりすることなく、且つ型表面に沿う方向にずれないように支承する支承工程と、通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程とを含む。
ここで、シボ付け真空成形とは、真空成形により熱可塑性シートの表面にシボ模様を付ける(場合によっては、賦形も行う)成形であり、シボ付け真空成形同時基材圧着成形とは、シボ付け真空成形を行うとほぼ同時に、熱可塑性シートの裏面に基材を圧着成形する成形である。
上記第1の課題を解決するために、本発明のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型は、通気性成形型のオーナメントを配置する一部が、オーナメントを支承できるよう、後述する支承の態様を体現できるようになっている。
上記第1の課題を解決するための本発明における各要素の態様を以下に例示する。
1−1.オーナメント
熱可塑性樹脂シートを加飾するため等に設けられるオーナメント(飾り具)は、その形状、模様、大きさ等は、特に限定はされない。また、厚さについても、シボ付け真空成形等により、オーナメント付熱可塑性樹脂シートが成形できる限りは、特に限定はされない。
オーナメントの材質としては、特に限定はされないが、樹脂、金属、木材、布材、紙等が例示でき、これらの複合材でもよい。
また、オーナメントは、通気性があってもよいし、通気性がなくてもよい。オーナメントに通気性がない場合には、オーナメントと熱可塑性シートとの接着性がよくなることから、オーナメントに微細孔を形成して通気性を与えることが好ましい。
また、オーナメントは、後述する高さ調整兼保護材を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
1−2.熱可塑性シート
熱可塑性シートの材質としては、特に限定はされないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ABS樹脂、AS樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂(TPU)等の熱可塑性樹脂が例示できる。
1−3.成形用型
成形用型としては、特に限定はされないが、キャビティー型だけのものでもよいし、キャビティー型とコア型とが対になったものでもよい。
成形用型は、真空成形等ができるよう、キャビティーが通気性を有する通気性成形型であれば、特に限定はされないが、金属型、セラミック型、樹脂型、木型等が例示できる。
また、金属型の場合には、特開昭60−152692号公報、特開平9−249987号公報等に記載の方法を用いることにより、キャビティーに設けられた通孔の内径がキャビティーの内側から外に向かって拡径するよう、キャビティーが電鋳によって形成されたものでもよいし、電鋳等によって形成されたキャビティーにレーザー加工や錐等で通孔を設けたものでもよいし、粉末状等の金属等を成形焼成する等して、キャビティーが多孔質となっているものでもよい。
また、成形用型は、キャビティーが上に設けられていてもよいし、下に設けられていてもよい。
型表面にオーナメントを配置させる配置部の態様としては、特に限定はされないが、後述する配置用凸部が設けられてい(他の型表面より突出している)てもよいし、通常の成形用型のように配置用凸部が設けらていなく(他の型表面と面一になっている)てもよいし、他の型表面より凹陥していてもよい。オーナメントによる加飾が施されない熱可塑性樹脂シートや、異なる形状のオーナメントによる加飾が施されるオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形にも用いることができることから、配置用凸部が設けらていないことが好ましい。
1−4.成形方法
シボ付け真空成形としては、特に限定はされないが、キャビティー型の背面側を減圧(背面減圧)することによる成形でもよいし、キャビティー型の背面側を減圧するとともに、成形空間の加圧やコア型の移動等により熱可塑性シートを背後から押圧する圧空成形を併用した成形(シボ付け真空圧空成形)でもよい。
1−5.支承
通気性成形型の一部の型表面にオーナメントを支承する態様としては、特に限定はされないが、以下のものが例示でき、これらを単独で用いてもよいし、二以上を組合わせて用いてもよい。
・通気性成形型の一部を残部とは分けて背面減圧して、該一部の型表面にオーナメントを真空吸引することにより行う態様。
・磁気吸引し合う一対の磁気吸引体の一方を通気性成形型の一部に設け、一対の磁気吸引体の他方をオーナメントに設けて、該一部の型表面にオーナメントを磁気吸引することにより行う態様。ここで、一対の磁気吸引体としては、特に限定はされないが、ニッケル、鉄等の強磁性体と、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石等の永久磁石、電磁石等の磁石とが例示できる。
・通気性成形型の一部の型表面に嵌合凹部を形成し、該嵌合凹部にオーナメントを嵌合させることにより行う態様。ここで、オーナメントの嵌合は、オーナメントの表面側に一時的に付着させた高さ調整兼保護材を嵌合凹部に嵌合させることにより行い、成形工程後には、オーナメントから高さ調整兼保護材を剥離することが好ましい。
・通気性成形型の一部の型表面とオーナメントの表面とに凹凸形状を相対的に形成して、該一部の型表面にオーナメントを配置したときに該凹凸形状を合致させることにより行う態様。なお、型表面の一部に形成される凹凸形状は、オーナメントが型表面に沿う方向にずれないように支承できるものであればよく、オーナメントの表面に形成された凹凸形状の全てに対応していなくてもよい。
・通気性成形型の一部の型表面とオーナメントの表面とを成形工程後に剥離可能な粘着材により接着することにより行う態様。ここで、粘着材としては、特に限定はされないが、接着力が弱い感圧型接着剤、面ファスナ等が例示できる。
・通気性成形型の一部の型表面に吸着パッドを設け、この吸着パッドによりオーナメントを該一部の型表面に吸着させる態様。
1−6.高さ調整兼保護材
高さ調整兼保護材は、真空成形時等にオーナメントの表面側に付着させることにより、模様等の意匠が施されたオーナメントの表面を保護することができる。また、その厚さを変えることにより、熱可塑性シートの表面に対するオーナメントの表面の位置を容易に変えることができる。
高さ調整兼保護材の材質としては、特に限定はされないが、樹脂、金属、木材、布材、紙等が例示でき、これらの複合材でもよい。
また、高さ調整兼保護材の形態としては、特に限定はされないが、フィルム、シート、板体等が例示できる。
また、高さ調整兼保護材の厚さとしては、特に限定はされないが、0.3〜3.0mmであることが好ましい。
また、高さ調整兼保護材の形状としては、特に限定はされないが、オーナメントの形状と同じ形状でもよいし、異なる形状でもよい。具体的には、図15(a)に示すように、オーナメントに中抜き(白色部)が施されている場合には、図15(b)に示すように、中抜きされた部位を含むオーナメントの表面側の全体を覆う形状でもよいし、図15(c)に示すように、オーナメントと同じ中抜き(白色部)が施された、オーナメントと同じ形状でもよい。そして、オーナメントの表面側の全体を保護でき、且つオーナメントと熱可塑性シートとの間に美観を損ねる隙間等が生じないことから、少なくともオーナメントと外周が一致することが好ましい。
1−7.接着剤
熱可塑性シートにオーナメントを付着させるために用いられる接着剤としては、特に限定はされないが、熱溶着接着剤、熱活性型接着剤、熱溶着フィルム等が例示できる。
1−8.オーナメント付熱可塑性樹脂シート
オーナメント付熱可塑性樹脂シートの態様としては、特に限定はされないが、オーナメントの表面が、熱可塑性樹脂シートの表面より凹んだところに位置する態様でもよいし、オーナメントの表面が、熱可塑性樹脂シートの表面と面一に位置する態様でもよいし、オーナメントの表面が、熱可塑性樹脂シートの表面より突き出たところに位置する態様でもよい。
オーナメント付熱可塑性樹脂シートの用途としては、特に限定はされないが、インストルメントパネルの表皮、ドアトリム等の自動車の内装品等が例示できる。
上記第2の課題を解決するために、別の本発明のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法は、成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようにするため、通気性成形型の一部の型表面から突出する配置用凸部の上にオーナメントを配置させる工程と、通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程とを含む。
上記第2の課題を解決するために、また別の本発明のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法は、高さ調整兼保護材が表面側に一時的に付着したオーナメントを通気性成形型の一部の型表面に配置させる工程と、前記通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程と、成形工程後に前記オーナメントから高さ調整兼保護材を取り外す工程とを含み、もって成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようにすることを特徴とする。
上記第2の課題を解決するために、別の本発明のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型は、成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようするため、通気性成形型のオーナメントを配置する一部の型表面を隆起させている。
上記第2の課題を解決するための本発明における各要素の態様を以下に例示する。
2−1.オーナメント
オーナメントとしては、上記第1の課題を解決するためのオーナメントの態様と同様である。
2−2.熱可塑性シート
熱可塑性シートとしては、上記第1の課題を解決するための熱可塑性シートの態様と同様である。
2−3.成形用型
成形用型としては、上記第1の課題を解決するための成形用型の態様と同様である。
2−4.成形方法
シボ付け真空成形としては、上記第1の課題を解決するための成形方法(シボ付け真空成形)の態様と同様である。
2−5.オーナメントを配置用凸部上に配置する態様
オーナメントを配置用凸部上に配置する態様としては、特に限定はされないが、オーナメントを配置用凸部の上に置くだけの態様でもよいし、オーナメントを配置用凸部の上に型表面に沿う方向にずれないように支承する態様でもよい。真空成形時のオーナメントの位置ずれを抑制できることから、配置用凸部の上にオーナメントを支承することが好ましい。
オーナメントを支承する態様としては、上記第1の課題を解決するための支承の態様と同様であり、さらに、次のものも例示できる。
・配置用凸部の上面に針状突起を設けて、この針状突起をオーナメントに刺衝する態様。
2−6.配置用凸部
配置用凸部としては、特に限定はされないが、以下の態様が例示できる。
・通気性成形型の配置部の型表面を隆起させることにより形成された態様。
・オーナメントの表面側に一時的に付着させた高さ調整兼保護材により形成された態様。また、その場合には、通気性成形型の型表面に形成された嵌合凹部に高さ調整兼保護材を嵌合させる工程と、成形工程後に嵌合凹部から該高さ調整兼保護材を取り除く工程とを含むことが好ましい。
2−7.高さ調整兼保護材
高さ調整兼保護材としては、上記第1の課題を解決するための高さ調整兼保護材の態様と同様である。
2−8.接着剤
接着剤としては、上記第1の課題を解決するための接着剤の態様と同様である。
2−9.オーナメント付熱可塑性樹脂シート
オーナメント付熱可塑性樹脂シートの熱可塑性樹脂シートの表面からオーナメントの表面までの凹みの深さとしては、特に限定はされないが、0.1〜3.0mmであることが好ましい。なぜなら、この深さが、0.1mm未満では、オーナメントの表面を熱可塑性樹脂シートの表面より凹ませることによる視覚的効果を得ることができず、3.0mmを超えると、オーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形がしにくくなる。より好ましくは、0.2〜2.0mmである。
オーナメント付熱可塑性樹脂シートの用途としては、特に限定はされないが、インストルメントパネルの表皮、ドアトリム等の自動車の内装品等が例示できる。
また、本発明の成形方法及び成形用型は、上記第1の課題と第2の課題とを同時に解決するものでもよい。
請求項1〜7,16〜19に係る発明によれば、溝状隙間、針痕等の外観を損なうものを生じさせることなく、オーナメントが付着した熱可塑性樹脂シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形することができる成形方法又は成形用型を提供することができる。
請求項8〜15,20に係る発明によれば、オーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するように、オーナメントが付着した熱可塑性樹脂シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形することができる成形方法又は成形用型を提供することができる。
本発明に係る実施例1の成形方法の模式図である。 オーナメント付熱可塑性樹脂シートのオーナメント付近の平面図及び断面図である。 実施例1に用いた成形用型の断面図及びこの成形用型のキャビティーの一部を切り出した斜視図である。 本発明に係る実施例2の成形方法の模式図である。 シボ付け真空成形同時基材圧着成形により得られたオーナメント付熱可塑性樹脂シートのオーナメント付近の平面図及び断面図である。 本発明に係る実施例3の成形方法の模式図である。 本発明に係る実施例4の成形方法の模式図である。 本発明に係る実施例5の成形方法の模式図である。 オーナメント又は高さ調整兼保護材に磁石を含ませた場合の成形用型によるオーナメントの支承状態の模式図である。 オーナメント又は高さ調整兼保護材に強磁性体を含ませ、成形用型の外面に磁石を設けた場合の成形用型によるオーナメントの支承状態の模式図である。 オーナメント又は高さ調整兼保護材に強磁性体を含ませ、成形用型の内部に磁石を設けた場合の成形用型によるオーナメントの支承状態の模式図である。 粘着材を設けた場合の成形用型によるオーナメントの支承状態の模式図である。 面ファスナを設けた場合の成形用型によるオーナメントの支承状態の模式図である。 真空吸引による成形用型のオーナメントの支承状態の模式図である。 オーナメント及び高さ調整兼保護材の平面図である。
上記第1の課題と第2の課題とを達成する本発明の実施例を以下に述べる。
図2に示すように、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は、厚さ1mmのオレフィン系熱可塑性樹脂からなるシート状の本体部11と同じく厚さ1mmのオレフィン系熱可塑性樹脂(本体部11とは異色の同材質)からなるオーナメント12とを備えている。本体部11の表面13には、革シボ模様が付けられているとともに、凹部14か凹設されている。オーナメント12はもみじの葉の形状をしており、その表面は、葉脈等の葉のパターン模様が施された意匠面15となっている。オーナメント12は、意匠面15を表にして凹部14に嵌入され、裏面に塗られた接着剤によって凹部14の底部に固着されている。そして、オーナメント12は、意匠面15が表面13より約0.3mm凹むようにして本体部11に固着されていることから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は、オーナメント12を本体部11に貼り付けたようには見えず、見栄えに優れている。
このようなオーナメント付熱可塑性樹脂シート10の製造方法を図1を用いて説明する。この方法が、本発明の実施例1となる。
先ず、オーナメント12の成形を行った。オーナメント12の成形には、オーナメント用の金型を用いて、本体部11とは異なる色のシート状のオレフィン系熱可塑性樹脂をシボ付け真空成形することでオーナメント12を得た。なお、オーナメント12の成形には、オーナメントの材質や、形状等に合わせて、他の成形・加工方法を用いることができる。
このようにして成形されたオーナメント12を、裏面に熱溶着接着剤17を塗布した後、図1(a)に示すように、意匠面15に高さ調整兼保護材38を付着させた。高さ調整兼保護材38は、厚さ0.3mmのポリ塩化ビニル(PVC)プレートであり、オーナメント12の外周に合わせた形状をしている。高さ調整兼保護材38を付着させたオーナメント12を、成形用型20の所定位置に設けられた配置部25に配置し、高さ調整兼保護材38を配置用凸部にした。なお、オーナメント12の裏面への熱溶着接着剤17の塗布と、意匠面15への高さ調整兼保護材38の付着とは、順番が逆でもよい。また、高さ調整兼保護材38を配置部25に配置した後に、高さ調整兼保護材38を意匠面15に付着させる、即ち、配置部25に配置されている高さ調整兼保護材38を意匠面15に付着させてもよい。
ここで、成形用型20について詳述すると、図3に示すように、成形用型20は、公知の方法(特開昭60−152692号公報、特開平9−249987号公報等)を用いて製造されたことから、ニッケルからなるキャビティー21には多数個の通孔22が形成されているとともに、キャビティー21の内面(オーナメント付熱可塑性樹脂シート10と接する面であり、型表面でもある)には、本体部11の表面13に革シボ模様を付けるために、網目状に突起23が形成されている。通孔22は、その内径がキャビティー21の内面から外に向かって漸増するようになっている。なお、図1では、この内径の漸増が模式的に描いてある。配置部25は、他部の内面と略面一になっており、オーナメントによる加飾が施されない熱可塑性樹脂シートや、異なる形状のオーナメントによる加飾が施されるオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形にも用いることができる。また、キャビティー21の外面(背面でもある)には、配置部25の外周に沿うように隔壁26が形成されている。なお、成形用型は、他の方法で製造されたものでよく、例えば、電鋳等により形成された金属製のキャビティーにレーザー加工や錐等により内径が孔長方向に略一定となっている通孔を有するものや、粉末状等の金属等を成形焼成する等して、キャビティーが多孔質となっているもの等でもよい。
上記のように、配置部25にオーナメント12を配置した後、図1(b)に示すように、オーナメント12が配置部25で成形用型20に支承されるよう、隔壁26で囲われた内側を吸引して背面減圧することで、オーナメント12を成形用型20に真空吸引させた。
このようにオーナメント12を支承した成形用型20に、図1(c)に示すように、加熱により軟化したオレフィン系熱可塑性樹脂のシート18を、図1(d)に示すように、キャビティー21の外面側を吸引し、背面減圧することで密着させてシボ付け真空成形を行った。なお、成形時、キャビティー21の背面減圧とともに、シート18の裏面を押圧してもよい。また、成形時の成形用型の向きは上向きでも、下向きでも、横向きでも、斜め向きでもよい。
そして、成形後に、図1(e)に示すように、高さ調整兼保護材38を意匠面15から剥離し、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10を得た。
本実施例を用いると、シボ付け真空成形時にオーナメント12が成形用型20に真空吸引によって支承されることから、成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、粘着材により接着する場合等のように、成形毎に粘着材等を設ける必要がない。さらに、磁気吸引等のようにオーナメント等の材質に制約が生じることもない。オーナメント12は、真空吸引によって、成形用型20に支承されることから、成形時に、意匠面15を損傷するおそれがない。配置部25が他部の内面とほぼ面一になっている成形用型20を用い、付着した高さ調整兼保護材38によって、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むようになっていることから、オーナメントによる加飾が施されない熱可塑性樹脂シートと成形用型20の共用ができる上に、オーナメントの形状等の変更にも容易に対応することができる。付着した厚さ0.3mmの高さ調整兼保護材38によって、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より約0.3mm凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。シボ付け真空成形時に意匠面15に高さ調整兼保護材38が付着していることから、特にオーナメントによる加飾が施されない熱可塑性樹脂シートと成形用型20を共用する場合等には、真空成形時に成形用型20の配置部25内面の網目状の突起23(革シボ模様)が意匠面15に転写されることを防ぐことができる。
本実施例によって、得られるオーナメント付熱可塑性樹脂シート75は、図5に示すように、本体部11の厚さが0.5mmであることと、裏面に、厚さ2mmのポリエチレンフォーム16を介して、基材19が取着していることとが、実施例1で得られるオーナメント付熱可塑性樹脂シート10と異なり、その他は、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10と同じである。
本実施例は、シボ付け真空成形同時基材圧着成形によって、オーナメント付熱可塑性樹脂シート75の成形が行われることが実施例1と異なり、その他の態様等は実施例1と同じである。具体的には、図4に示すように、ポリエチレンフォーム16が裏面にラミネートされたオレフィン系熱可塑性樹脂のシート18を加熱により軟化させ、軟化したシート18を、オーナメント12が真空吸引により支承された成形用型20に、キャビティー21の外面側を吸引し背面減圧することにより、シボ付け真空成形を行うと同時に、シート18の裏面から基材19を圧着成形した。
本実施例を用いると、上記の実施例1で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
本実施例は、成形用型27の配置部28の形態と成形用型27によるオーナメント12の支承の態様とが上記実施例1と異なり、その他の態様等は実施例1と同じである。そこで、実施例1と異なるところを中心に説明する。
図6に示すように、成形用型27の配置部28は、キャビティー29の内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。また、実施例1のように真空吸引によって、成形用型27がオーナメント12を支承できるよう、配置部28の外周に沿うようにキャビティー29の外面に隔壁26が形成されている。
成形用型27によるオーナメント12の支承の仕方は、高さ調整兼保護材を介在させないで行われる。具体的には、図6に示すように、意匠面15が配置部28の内面に直に接するようにしてオーナメント12を配置部28に配置する。そして、隔壁26で囲われた内側を吸引して背面減圧することにより、オーナメント12は、成形用型27に真空吸引し、成形用型27に支承された。
本実施例を用いると、シボ付け真空成形時にオーナメント12が成形用型27に真空吸引して支承されていることから、真空成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、オーナメント12は、真空吸引によって、成形用型27に支承されることから、成形時に、意匠面15を損傷するおそれがないだけでなく、意匠面15に接着剤等の異物が付着して汚損されることもない。さらに、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。
本実施例は、成形用型30の配置部35の形態と成形用型30によるオーナメント12の支承の態様とが上記実施例1と異なり、その他の態様等は実施例1と同じである。そこで、実施例1と異なるところを中心に説明する。
図7に示すように、成形用型30の配置部35には、キャビティー31の内面が凹設された有底の嵌合孔39が形成されている。なお、成形用型30のキャビティー31の外面には、配置部35の外周に沿うように隔壁は形成されていないが、実施例1のように真空吸引によっても、成形用型がオーナメント12を支承できるよう、配置部35の外周に沿うようにキャビティー31の外面に隔壁が形成されていてもよい。
成形用型30によるオーナメント12の支承の仕方は、実施例1と同じように、高さ調整兼保護材38を介在させて行う。具体的には、オーナメント12を配置部35に配置する前に、オーナメント12の意匠面15に高さ調整兼保護材38を付着する。この高さ調整兼保護材38は、嵌合孔39に隙間なく嵌合できる大きさであり、厚さは、配置用凸部となって、意匠面15が本体部11の表面13より凹むよう、嵌合孔39の深度より大きくなっている。このように高さ調整兼保護材38が付着されたオーナメント12は、図7に示すように、高さ調整兼保護材38を嵌合孔39に嵌合させることで、成形用型30に支承された。そして、この状態で真空成形を行った後、図7(c)に示すように、高さ調整兼保護材38を意匠面15から剥離してオーナメント付熱可塑性樹脂シート10を得た。なお、意匠面15への高さ調整兼保護材38の付着は、高さ調整兼保護材38を嵌合孔39に嵌合させた後、即ち、嵌合孔39に嵌合している高さ調整兼保護材38を付着してもよい。
本実施例を用いると、オーナメント12に付着した高さ調整兼保護材38が嵌合孔39に嵌合することで、オーナメント12は成形用型30に支承されることから、シボ付け真空成形時におけるオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。さらに、高さ調整兼保護材38の厚さを変更することで、意匠面15と本体部11の表面13との相対位置関係の変更(意匠面15を、表面13より凹ませたり、表面13と面一にしたり、表面13より突出させたり)を容易に行うことができる。
本実施例は、成形用型40の配置部45の形態と成形用型40によるオーナメント12の支承の態様とが上記実施例1と異なり、その他の態様等は実施例1と同じである。そこで、実施例1と異なるところを中心に説明する。
図8(a),(b)に示すように、成形用型40の配置部45は、実施例3の成形用型27と同じように、キャビティー41の内面から突設し、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。配置部45の内面には、オーナメント12の意匠面15の模様の凹凸を反転させた加工が施されている。具体的には、意匠面15の模様の凹部に対応する配置部45の内面の部位は凸状になり、意匠面15の模様の凸部に対応する配置部45の内面の部位は凹状になっている。なお、配置部45の内面に施された加工は、オーナメント12を配置部45にずれないで合致できるものであれば、意匠面15の全ての凹凸が反転しているように加工されていなくてもよい。また、成形用型40のキャビティー41の外面には、配置部45の外周に沿うように隔壁は形成されていないが、実施例1のように真空吸引によっても、成形用型がオーナメント12を支承できるよう、配置部45の外周に沿うようにキャビティー41の外面に隔壁が形成されていてもよい。
成形用型40よるオーナメント12の支承の仕方は、配置部45の内面の凹凸に意匠面15の凹凸(模様)を合致させることにより、オーナメント12が嵌着することで、成形用型40に支承された。なお、図8(c)に示すように、配置部45の外周に沿うようにキャビティー41の内面に突条46が形成され、この突条46で囲まれた内側に、オーナメント12が合致し、嵌着することで、成形用型40に支承されてもよい。
本実施例を用いると、意匠面15の凹凸(模様)を配置部45の内面の凹凸に合致させることで、オーナメント12は成形用型40に支承されることから、シボ付け真空成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、オーナメント12は、凹凸を合致させることによって、成形用型40に支承されることから、成形時に、意匠面15を損傷するおそれがないだけでなく、意匠面15に接着剤等の異物が付着して汚損されることもない。さらに、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。
本実施例は、成形用型50によるオーナメント12の支承の態様が上記実施例3と異なり、その他の態様等は実施例3と同じである。そこで、実施例3と異なるところを中心に説明する。
図9(a)に示すように、成形用型50の配置部51は、実施例3の成形用型27と同じように、キャビティーの内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。なお、成形用型50のキャビティーの外面には、配置部51の外周に沿うように隔壁は形成されていないが、実施例3のように真空吸引によっても、成形用型がオーナメント12を支承できるよう、配置部52の外周に沿うようにキャビティーの外面に隔壁が形成されていてもよい。
一方、オーナメント12はフェライト磁石を含んでおり、このフェライト磁石の磁力により、オーナメント12は、ニッケルからなる配置部51に磁気吸引することで、成形用型50に支承された。
本実施例を用いると、オーナメント12に磁石を含ませることで、磁気吸引によりオーナメント12は成形用型50に支承されることから、シボ付け真空成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、オーナメント12は、磁気吸引によって、成形用型50に支承されることから、成形時に、意匠面15を損傷するおそれがないだけでなく、意匠面15に接着剤等の異物が付着して汚損されることもない。さらに、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。
本実施例は、成形用型53によるオーナメント12の支承の態様が上記実施例3と異なり、その他の態様等は実施例3と同じである。そこで、実施例3と異なるところを中心に説明する。
図10(a)に示すように、成形用型53の配置部52は、実施例3の成形用型と同じように、キャビティーの内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。また、配置部52の外面にはネオジム磁石54が設けられている。
一方、オーナメント12は強磁性体である鉄を含んでおり、配置部52の外面のネオジム磁石54の磁力により、オーナメント12は、配置部52に磁気吸引することで、成形用型53に支承された。
本実施例を用いると、上記の実施例6で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
本実施例は、成形用型55によるオーナメント12の支承の態様が上記実施例3と異なり、その他の態様等は実施例3と同じである。そこで、実施例3と異なるところを中心に説明する。
図11(a)に示すように、成形用型55の配置部71は、実施例3の成形用型と同じように、キャビティーの内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。また、配置部71にはネオジム磁石56が内面に露出するように設けられている。
一方、オーナメント12は強磁性体である鉄を含んでおり、配置部71のネオジム磁石56の磁力により、オーナメント12は、配置部71に磁気吸引することで、成形用型55に支承された。
本実施例を用いると、上記の実施例6で得られる効果と同じ効果を得ることができる。
本実施例は、成形用型57によるオーナメント12の支承の態様が上記実施例3と異なり、その他の態様等は実施例3と同じである。そこで、実施例3と異なるところを中心に説明する。
図12(a)に示すように、成形用型57の配置部72は、実施例3の成形用型と同じように、キャビティーの内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。
一方、オーナメント12の意匠面には、感圧型接着剤の粘着材58が設けられており、この粘着材58の接着力により、オーナメント12は、配置部72に接着することで、成形用型57に支承された。なお、成形後には、粘着材58は、意匠面から取り除かれる。
本実施例を用いると、オーナメント12の意匠面に粘着材58を設けることで、接着によりオーナメント12は成形用型55に支承されることから、シボ付け真空成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。
本実施例は、成形用型57によるオーナメント12の支承の態様が上記実施例3と異なり、その他の態様等は実施例3と同じである。そこで、実施例3と異なるところを中心に説明する。
図13(a)に示すように、成形用型59の配置部73は、実施例3の成形用型と同じように、キャビティーの内面から突設され、他部より一段高くなった配置用凸部になっている。また、配置部73の内面には、面ファスナ60が設けられている。
一方、オーナメント12の意匠面は、パイルを有する織布で形成されており、配置部73の面ファスナ60により、オーナメント12は、配置部73に接着することで、成形用型59に支承された。
本実施例を用いると、配置部73の内面に面ファスナ60設けることで、接着によりオーナメント12は成形用型55に支承されることから、シボ付け真空成形時のオーナメント12の位置ずれを抑制できる。また、オーナメント12は、面ファスナ60の接着によって、成形用型59に支承されることから、成形時に、意匠面15を損傷するおそれがないだけでなく、意匠面15に接着剤等の異物が付着して汚損されることもない。さらに、配置用凸部により、オーナメント12は意匠面15が本体部11の表面13より凹むことから、オーナメント付熱可塑性樹脂シート10は見栄えがよくなる。
本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)図9〜図14に示すように、複数の方法を複数組合わせて、成形用型にオーナメントを支承させる。
(2)図9〜図14の(b)、(c)に示すように、成形用型がオーナメントを含まないものの成形にも使用できるよう、配置部は他部とほぼ面一になっている。
(3)図9〜図14の(d)に示すように、意匠面が本体部の表面より突出するよう、配置部が凹陥になっている。
(4)意匠面と本体部の表面との相対的位置関係が変更できるよに、配置部の内面と他部の内面との相対位置が変更可能になっている。
(5)オーナメントの外周に溝や段差が生じないよう、成形時に配置部がスライドし、配置部の内面と他部の内面とが面一になるようになっている。
(6)キャビティー型とコア型とを用いて成形する場合に、オーナメントをコア型に一旦配置し、キャビティー型とコア型とを閉じた後、オーナメントをキャビティー型に移行して成形を行う。
(7)オーナメントに通気性がない場合は、オーナメントに微細孔を設ける。
10 オーナメント付熱可塑性樹脂シート
12 オーナメント
13 表面
15 意匠面
18 シート
19 基材
20 成形用型
25 配置部
27 成形用型
28 配置部
30 成形用型
35 配置部
38 高さ調整兼保護材
39 嵌合孔
40 成形用型
45 配置部
50 成形用型
51 配置部
52 配置部
53 成形用型
54 ネオジム磁石
55 成形用型
56 ネオジム磁石
57 成形用型
58 粘着材
59 成形用型
60 面ファスナ
71 配置部
72 配置部
73 配置部
75 オーナメント付熱可塑性樹脂シート

Claims (20)

  1. 通気性成形型の一部の型表面に、オーナメントを、その端縁を突条で囲んだりその表面を針状突起で刺したりすることなく、且つ型表面に沿う方向にずれないように支承する支承工程と、通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程とを含むオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  2. オーナメントの支承は、通気性成形型の前記一部を残部とは分けて背面減圧して、該一部の型表面にオーナメントを真空吸引することにより行う請求項1記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  3. オーナメントの支承は、磁気吸引し合う一対の磁気吸引体の一方を通気性成形型の前記一部に設け、該一対の磁気吸引体の他方をオーナメントに設けて、該一部の型表面にオーナメントを磁気吸引することにより行う請求項1記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  4. オーナメントの支承は、通気性成形型の前記一部の型表面に嵌合凹部を形成し、該嵌合凹部にオーナメントを嵌合させることにより行う請求項1記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  5. オーナメントの嵌合は、前記オーナメントの表面側に一時的に付着させた高さ調整兼保護材を前記嵌合凹部に嵌合させることにより行い、成形工程後には、オーナメントから高さ調整兼保護材を剥離する請求項4記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  6. オーナメントの支承は、通気性成形型の前記一部の型表面とオーナメントの表面とに凹凸形状を相対的に形成して、該一部の型表面にオーナメントを配置したときに該凹凸形状を合致させることにより行う請求項1記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  7. オーナメントの支承は、通気性成形型の前記一部の型表面とオーナメントの表面とを成形工程後に剥離可能な粘着材により接着することにより行う請求項1記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  8. 成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようにするため、通気性成形型の一部の型表面から突出する配置用凸部の上にオーナメントを配置させる工程と、通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程とを含むオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  9. 配置用凸部の上にオーナメントを型表面に沿う方向にずれないように支承する請求項8記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  10. 配置用凸部は、通気性成形型の前記一部の型表面を隆起させることにより形成されたものである請求項8記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  11. 配置用凸部は、オーナメントの表面側に一時的に付着させた高さ調整兼保護材により形成されたものである請求項8記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  12. 通気性成形型の型表面に形成された嵌合凹部に高さ調整兼保護材を嵌合させる工程と、成形工程後に嵌合凹部から該高さ調整兼保護材を取り除く工程とを含む請求項11記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  13. 高さ調整兼保護材が表面側に一時的に付着したオーナメントを通気性成形型の一部の型表面に配置させる工程と、前記通気性成形型の型表面に密着するように熱可塑性シートをシボ付け真空成形又はシボ付け真空成形同時基材圧着成形する成形工程と、成形工程後に前記オーナメントから高さ調整兼保護材を取り外す工程とを含み、もって成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようにすることを特徴とするオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  14. 前記オーナメントを通気性成形型の一部の型表面に配置させる工程は、前記オーナメントを型表面に沿う方向にずれないように支承する支承工程を含む請求項13記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  15. 前記支承工程は、前記通気性成形型の一部を残部とは分けて背面減圧して、該一部の型表面にオーナメントを真空吸引することにより行う請求項14記載のオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形方法。
  16. 通気性成形型のオーナメントを配置する一部を、残部とは分けて背面減圧できるようにしたオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型。
  17. 通気性成形型のオーナメントを配置する一部に、磁気吸引し合う一対の磁気吸引体の一方を設け、該一対の磁気吸引体の他方をオーナメントに設けるようにしたオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型。
  18. 通気性成形型のオーナメントを配置する一部の型表面に、オーナメントを嵌合させるための嵌合凹部を形成したオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型。
  19. 通気性成形型のオーナメントを配置する一部の型表面とオーナメントの表面とに、配置時に合致する凹凸形状を相対的に形成したオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型。
  20. 成形後にオーナメントの表面が熱可塑性樹脂シートの表面よりも凹んだところに位置するようするため、通気性成形型のオーナメントを配置する一部の型表面を隆起させたオーナメント付熱可塑性樹脂シートの成形用型。
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