JP2010252615A - 複数のサーボモータの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】要求性能の高いサーボモータ、要求性能の低いサーボモータ夫々に対応した制御処理を行なう。
【解決手段】各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータ16〜20を所定の制御周期T毎に制御する際に、要求性能が低い駆動対象(R軸、W軸)のサーボモータが、オフ又は不使用とされた場合には前記要求性能が低い駆動対象の制御処理を中止し、その空き時間を利用して、要求性能が高い駆動対象(X軸)のサーボモータの制御処理を実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを所定の制御周期毎に制御する方法に係り、特に、要求性能の高いサーボモータ、要求性能の低いサーボモータ夫々に対応した制御処理を行なうことが可能な複数のサーボモータの制御方法に関する。
各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを制御する際、従来は、図1に示すように、各サーボモータの制御は同一の制御周期Tにより行われていた。図1はX軸、Y軸、Z軸、R軸、W軸の5つのサーボモータを制御する場合の制御周期Tと、1周期毎の各サーボモータの制御処理に要する時間tを示しており、1周期毎に5つ全てのサーボモータの制御処理が1→2→3→4→5と順次行われるようになっている。このサーボモータ制御処理の制御周期Tは、1軸当りのサーボモータの制御処理に要する時間tの最悪値と駆動対象の制御軸数から、1周期毎に求まる各サーボモータの制御処理に要する合計時間(図の軸制御時間5t)に基づいて決定していた。
また、特許文献1で開示されている技術を図2、図3を用いて説明する。
図2では、X軸、Y軸は制御周期Tの1周期毎に、時間幅tで制御処理が行われるが、Z軸、R軸は制御周期Tの2周期分の期間(2T)毎に制御処理が行われる。また、W軸制御は制御周期Tの4周期分の期間(4T)毎に制御処理が行われる。従って、制御周期Tによる第1周期目では全軸に対して制御処理が行われ、第2周期目ではX軸、Y軸に対して制御処理が行われ、第3周期目ではX軸、Y軸、Z軸、R軸に対して制御処理が行われ、第4周期目ではX軸、Y軸に対して制御処理が行われる。この場合、制御周期T毎の軸制御時間は5t〜2tの範囲でばらつく。
図3では、上記各サーボモータに対する制御処理の周期及び時期についての設定の別の例を示している。この例でもX軸、Y軸は制御周期Tの1周期毎に時間幅tの制御処理が行われるが、Z軸、R軸は基本周期Tの2周期分の期間(2T)毎に制御処理が行われ、W軸は制御周期Tの4周期分の期間(4T)毎に制御処理が行われており、この点は図2の例と同様である。しかし、図3の例では制御周期Tの2周期分の期間(2T)毎に制御処理が行われるZ軸とR軸とでは、制御時期が制御周期Tの1周期分だけ互いにずらされることにより、制御周期Tの1周期毎の各時期における軸制御時間の差が最小(図3では4t−3t=t)となるように設定されている。
特開2002−186288号公報
しかしながら、従来の制御方法では、1周期の中でサーボモータの制御処理に要する時間がサーボモータの個数の増大に伴って長くなり、図1の例によると、1つのサーボモータの制御処理に要する時間をtとすると5つのサーボモータでは5tの時間を要する。従って、制御周期Tは5tより短くするわけにはいかない。また、1周期中でサーボモータ制御の処理に要する時間の占める割合(5t/T)が大きければ、制御部が他の処理を行うための時間的余裕が少なくなり、一方、上記割合(5t/T)を小さくするように制御周期Tを長くすると、制御の精度や応答性が低下する。
特に、上記複数のサーボモータが、その駆動対象の相違等により要求される制御の精度や応答性等の性能が異なる場合に、高い性能が要求されるサーボモータにとって制御周期Tを長くすることは性能の向上を妨げる等の問題があり、逆に、制御の精度や応答性を向上させる為に制御周期Tを短くする事は効果的ではあるが限界がある。
また、軸(駆動対象)を駆動するサーボモータの制御処理に要する時間tはパラメータの設定や負荷の状態により軸毎に変化するため、1つのサーボモータの制御処理に要する時間tは最大値で設定することが望ましいが、最大値の見積は難しい。そこで、前記のように最悪値を実験値等から想定して制御周期Tを決定するため、余裕を持たせた安全サイドの周期設定になり、結果として制御周期Tが長くなってしまい制御の精度や応答性が低下してしまうことになる。それを避けるために、1つのサーボモータの制御処理に要する時間tを最悪値より短く見積もると、図4に示すように制御処理のピーク時にCPUでの処理時間がオーバーしてしまい、制御周期T内に必要軸数の制御処理ができず、結果的に処理できなかった軸(図中のW軸)が誤動作したり、サーボモータ制御処理装置自体が停止したりする問題がある。
更に、図3のように制御周期T´で制御を行う場合には、制御周期T´内で全てのサーボモータ(X軸、Y軸、Z軸、R軸、W軸)を制御処理する事ができない。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、要求性能の高いサーボモータ、要求性能の低いサーボモータ夫々に対応した適切な制御処理を行なうことを第1の課題とする。
本発明は、又、制御周期内で制御処理できないサーボモータが発生した場合でも、特定の駆動対象が誤動作したり、サーボモータ制御処理装置自体が停止しないようにすることを第2の課題とする。
第1発明は、各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを所定の制御周期毎に制御する際に、要求性能が低い駆動対象のサーボモータが、オフ又は不使用とされた場合には前記要求性能が低い駆動対象の制御処理を中止し、その空き時間を利用して、要求性能が高い駆動対象のサーボモータの制御処理を実行するようにして、前記第1の課題を解決したものである。
第2発明は、各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを所定の制御周期毎に制御する際に、予め各駆動対象毎に設定された制御順位に従って対応するサーボモータを制御処理すると共に、全サーボモータの制御処理に要する時間が許容範囲内に収まるか否かを監視し、収まらないために制御処理できないサーボモータが発生した場合は、次の制御周期に対して該サーボモータが駆動する駆動対象に設定する制御順位を上げる制御順位の再設定をすることにより、前記第2の課題を解決したものである。
この場合、前記複数のサーボモータが駆動する一部の駆動対象を、前記制御順位の再設定の対象から外すようにしてもよい。
第1発明によれば、制御要求性能が高いサーボモータの制御処理の周期を短くし、制御周期T間でできるだけ多く制御処理する事により、高精度な制御が可能になる。
第2発明によれば、制御処理のピーク時にCPUでの処理時間が許容範囲(例えば1制御周期)をオーバーした場合でもサーボモータや、サーボモータ制御処理装置自体を停止させることなく制御処理できるようになり、1つのサーボモータの制御処理に要する時間tを最悪値より短く見積もることができる。これにより、制御周期Tを短くして制御の精度や応答性を向上させたり、又は多くの駆動対象を制御したりすることが可能になる。
従来の複数サーボモータの制御を示すタイムチャート 特許文献1で提案された複数サーボモータの制御を示すタイムチャート 同じく他の例を示すタイムチャート 従来の問題点を示すタイムチャート 本発明の第1実施形態を実施するためのサーボモータ制御装置の回路ブロック図 本発明の第1実施形態におけるX軸の制御優先順位が一番高い場合に対応するタイミングチャート 本発明の第1実施形態の処理手順を示すフローチャート 本発明の第2実施形態を実施するためのサーボモータ制御装置の回路ブロック図 本発明の第2実施形態の処理手順を示すタイミングチャート 本発明の第2実施形態の処理手順示すフローチャート 本発明の第2実施形態に適用される軸制御順位テーブルの内容を示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態を実施するためのサーボモータ制御装置の回路ブロック図である。
本制御装置は、マウンタシステム制御部1、メモリ2、軸優先順位・軸通信周期設定部3、軸優先順位・軸通信周期受取部4、発振装置5、メモリ6、CPU(中央演算処理装置)7、ドライバボードインターフェース8、サーボボード9、各サーボモータ16、17、18、19、20を駆動するためのドライブ部10、11、12、13、14、ドライバボード15を備えている。
マウンタシステム制御部1におけるメモリ2、軸優先順位・軸通信周期設定部3は、軸の優先順位を考慮した制御処理手段を構成するものであり、各サーボモータの軸優先順位情報、通信周期情報がメモリ2に記憶され、軸優先順位・軸通信周期設定部3によりメモリ2から読み出されて、サーボボード9に出力される。ここで通信周期とは、制御対象軸の軸毎の制御処理が行なわれる周期(図6のX軸制御ではt´)を指す。
メモリ2に記憶される各サーボモータの優先順位や通信周期は、各サーボモータに要求される性能の高さに応じて設定され、要求性能が高いほど優先順位が高くなり、通信周期が短くできる。
即ち、図6に例示する如く、要求性能が一番高いサーボモータ(図6ではX軸)については、優先順位が一番高いので制御周期T間で複数回(図6では2回)の制御処理が実行され、それに伴って通信周期がT/n(nは整数)(図6ではT/2)と短くなるように設定する。その分要求性能が低いサーボモータ(図6ではR軸とW軸)は優先順位が低くなっているので、通信周期T×n(nは整数)(図6ではT×2)間に1回の制御処理が実行され、それに伴って通信周期が長くなるように設定する。
上記制御周期Tは、サーボボード9における発振装置5の発振周波数などに基いて定まるものである。
上記サーボボード9の軸優先順位・軸通信周期受取部4、CPU7は、各サーボモータの軸優先順位の設定と軸通信周期の設定を実施する制御時期設定手段を構成している。また、サーボボード9のメモリ6は、制御時期設定手段により設定された各サーボモータの制御時期を記憶する記憶手段を構成している。サーボボード9のドライバボードインターフェース8は、上記メモリ6から読み出される制御周期でCPU7により各サーボモータに対して与えられる制御信号を出力する出力部を構成している。
ドライバボードインターフェース8から出力される制御信号はドライバボード15に送られ、このドライバボード15が備えているドライブ部10、11、12、13、14により各サーボモータ16、17、18、19、20を駆動する。
図6は本発明を用いて、X軸のサーボモータの優先順位が一番高い場合に対応するタイミングチャートの例である。また図7は本発明を実現させる為のフローチャートである。
以上の構成において、軸優先順位を設定し、軸通信周期を設定する事で各サーボモータに要求される性能に応じた制御を実現する事ができる。その動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
まずはステップS1で軸の優先順位の設定を行う。これは各サーボモータの要求性能に応じて優先順位を設定するものである。図6の例は、X軸のサーボモータが最も要求性能が高く、Y軸、Z軸のサーボモータが次に要求性能が高く、R軸、W軸のサーボモータが一番要求性能が低い場合である。これら要求性能情報を優先順位として設定する。
因みに、この図6に示されるX軸、Y軸は電子部品を基板に搭載する吸着ノズルを平面方向に移動させるX・Y駆動機構を、Z軸は吸着ノズルを垂直方向に移動させる上下駆動機構を、R軸は吸着ノズルを軸中心に回転させる回転機構を、W軸は基板搬送用コンベアを幅方向に移動させる幅調整機構を、それぞれ例として挙げることができる。
次にステップS2で軸の通信周期を設定する。ここでは、設定した優先順位により夫々の軸の通信周期を設定する必要があるので、それを実施する。図6の例ではX軸のサーボモータは制御周期T間に2回(複数回)の制御処理を実施しており、これは制御周期T間に2回の通信を行う必要がある事となるので、X軸のサーボモータはT/2の周期で通信する必要がある。Y軸、Z軸のサーボモータは制御周期T間に1回の制御処理を実施しており、これは制御周期T間に1回の通信を行う必要がある事となるので、Y軸、Z軸のサーボモータはTの周期で通信する必要がある。R軸、W軸のサーボモータは制御周期Tの2倍(複数倍)の周期2T間に1回の制御処理を実施しており、これは制御周期の2倍の2T間に1回の通信を行う必要がある事となるので、R軸、W軸のサーボモータは2Tの周期で通信する必要がある。以上を満足するような通信周期を設定する。
次にステップS3で、上記で設定した軸の優先順位と軸の通信周期の設定が正しく行われているかの確認を行う。例えば図6のような制御を行いたい場合、X軸の通信周期をTに設定すると、制御周期T間に2度の制御処理を行う為にはT/2より短い通信周期にする必要があるので、この制御は実現できない。このように軸の優先順位と通信周期を考慮し設定に不具合がある場合、ステップS4のように設定エラー通知を行い、再度軸の優先順位と軸の通信周期の設定を行う。
軸の優先順位と軸の通信周期の設定が正しく行われていた場合、ステップS5で各軸への制御順を設定する。図6の例では第1周期目のサーボモータ制御処理の順番はX軸→Y軸→Z軸→X軸→W軸であり、第2周期目の制御処理の順番はX軸→Y軸→Z軸→R軸→X軸である。この第1周期目、第2周期目の制御を交互に繰り返す。ここで、この制御順は、設定した優先順位を満たす制御ができる事を条件に自由に割当てる事ができる。例えば、一番要求性能が低いR軸、W軸のサーボモータがオフの状態であったり、使用しない軸であった場合、前記R軸、W軸の制御処理を中止し、その情報を優先順位の設定に反映させ、R軸、W軸の制御処理の処理を中止したことによる空き時間を利用して、要求性能が一番高いX軸のサーボモータの制御処理の実行に割当てることができる。これによって制御処理の順番を、例えばX軸→Y軸→X軸→Z軸→X軸、X軸→X軸→X軸→Y軸→Z軸、X軸→Y軸→Z軸→X軸→X軸等のように空いたR軸、W軸の代わりにX軸の制御処理を割当てる事ができる。上記各軸への制御順の設定が完了すると、ステップS6で制御を開始する。
制御が開始されると、図6の第1周期目では番号1のように期間tでX軸のサーボモータ制御処理が行われる。次に番号2のように期間tでY軸のサーボモータ制御処理が行われる。次に番号3のように期間tでZ軸のサーボモータ制御処理が行われる。次にR軸は上記設定により要求性能が一番低く、しかもR軸を駆動するサーボモータがオフなので制御処理を行わず、その代わり番号4のように期間tでX軸制御処理が行われる。なお、R軸は上記設定により要求性能が一番低く、しかもこのR軸は使用しない軸であった場合も制御処理を行わず、その代わり番号4のように期間tでX軸のサーボモータ制御処理が行われる。次に番号5のように期間tでW軸制御処理が行われる。第1周期目では、要求性能が一番高いX軸のサーボモータ制御処理結果は番号1、番号4と出力されるので2t間隔で制御処理が出力される。
第2周期では番号1のように期間tでX軸のサーボモータ制御処理が行われる。次に番号2のように期間tでY軸のサーボモータ制御処理が行わる。次に番号3のように期間tでZ軸のサーボモータ制御処理が行われる。次に番号4のように期間tでR軸のサーボモータ制御処理が行われる。次にW軸は上記設定により要求性能が一番低く、しかもW軸を駆動するサーボモータがオフなので制御処理を行わず、その代わり番号5のように期間tでX軸のサーボモータ制御処理が行われる。なお、W軸は上記設定により要求性能が一番低く、しかもこのW軸は使用しない軸であった場合も制御処理を行わず、その代わり番号5のように期間tでX軸のサーボモータ制御処理が行われる。第2周期目では、要求性能が一番高いX軸制御処理結果は番号1、番号5と出力されるので3t間隔で制御処理が出力される。この第1周期、第2周期の制御を繰り返す。
上記制御を繰り返している中、外部から制御の停止指令があった場合、ステップS7で制御を中止する。
なお、前記第1実施形態においては、X軸が優先順位の高い制御対象とされ、1制御周期T内で2回制御処理が実行されていたが、優先順位が高い制御対象や、制御処理の回数は、これに限定されない。制御装置の構成も、図5に限定されない。
図8は本発明の第2実施形態を実施するためのサーボモータ制御装置の回路ブロック図である。
本制御装置は、マウンタシステム制御部71、軸制御順位の設定値を保存するメモリ72、軸制御順位設定部73、軸制御順位受取部74、発振装置75、制御周期毎の軸制御データ、軸制御順位を保存するメモリ76、CPU(中央演算処理装置)77、ドライバボードインターフェース78、サーボボード79、サーボモータ716、717、718、719、720、これらサーボモータをそれぞれ駆動するドライブ部710、711、712、713、714、ドライバボード715を備えている。
本実施形態に適用されるサーボモータ制御装置は、処理内容は異なるが、各構成部の基本的な機能は前記第1実施形態に適用される前記図5に示した制御装置と実質的に同一である。
以上の構成において、本実施形態の軸制御方法について、図9のタイミングチャートを参照しながら、図10のフローチャートに従って説明する。
ステップS101では、各サーボモータ716、717、718、719、720の軸制御順位が予め記憶されているメモリ72から、その軸制御順位データ等の情報を軸制御順位設定部73が読み出して、サーボボード79に出力する。サーボボード79の軸制御順位受取部74及びCPU77は、その情報を受け取って図11に示す軸制御順位テーブルとしてメモリ76に書き込む。ここで、軸制御順位は、前記第1実施形態の優先順位に相当し、同様にサーボモータの要求性能の高さ順に設定されている。
ステップS102では、CPU77内の軸制御順位カウンタNを1にセットする。
ステップS103では、メモリ76に書き込まれている図11に示す軸制御順位テーブルを読み出し、軸制御順位と軸制御順位カウンタ値に従い軸制御処理を開始する。
ステップS104では、軸制御処理結果、即ち該軸の制御処理に要した時間の実績値をメモリ76に書き込む。
ステップS105では、制御軸数の完了判定を行い、必要軸数(図では5軸分)に達していればステップS109に進み、達していない場合はステップS106に進む。
ステップS106では、次の軸に対する軸制御処理が予め与えられた軸制御処理時間の許容範囲内(ここでは、1制御周期T内)に終了するかどうかを判定し、許容範囲内と判定された場合ステップS107に進み、許容範囲から外れると判定された場合はステップS108に進む。
ステップS107では、CPU77内の軸制御順位カウンタNを1インクリメントし、ステップS103に戻り、次の軸に対する軸制御処理を開始する。
ステップS108では、処理できなかった軸の軸制御順位を上位に、処理できた軸の軸制御順位を下位に再設定しメモリ76に書き込む。
ステップS109では、サーボボード79のドライバーボードインタフェース78は、制御周期Tに従いメモリ76から各サーボモータ716、717、718、719、720に対して与える制御信号を出力し、ステップS102に戻る。その後、次の制御周期に対する軸制御処理を前記ステップS102〜S109に従って同様に実行する。
以上のような処理手順に従えば、以下のような制御処理が実現される。
即ち、通常時の制御処理の順番はメモリ72から読み出した軸制御順位の初期値通り(図11の軸制御順位テーブルを参照)X軸→Y軸→Z軸→R軸→W軸の順番に、最悪値より短い時間tで制御処理を行うが、ピーク時1の様にX軸、Y軸の制御処理に要する時間tが最悪値になった場合、軸制御順位の低い軸(図9では軸制御順位5のW軸)の制御処理は1制御周期T内で行うことが出来ない。
そこで、本実施形態では、制御処理ができなかった軸(W軸)の軸制御順位を上位に再設定し(図中のW軸の軸制御順位5→3)、制御処理ができた軸(例えば図中のZ軸、R軸)の軸制御順位を下位に再設定(Z軸の軸制御順位3→4、R軸の軸制御順位4→5に変更)する。このようにすることにより、次の制御周期T(図中のピーク時2)には前の制御周期Tで制御処理ができなかった軸(W軸)の制御処理を優先的に行うことが可能となる。
以上のような処理を行うことにより、CPU77で制御処理時間がオーバーした場合、特定の軸だけ制御処理しないのではなく、軸制御順位を再設定することで軸全体を平均的に間引きながら制御処理することが可能となるので、従来のように制御処理できなかった軸が誤動作したり、サーボモータ制御処理装置自体が停止したりしてしまう問題を防ぐことが可能となる。
なお、本実施形態においては、図11のテーブルに併記したように、要求性能が高い軸(図中のX軸、Y軸)にはプロテクトをかけ、軸制御順位を設定変更する対象から外している。このように特定の軸については設定変更の対象から外すことも可能である。
なお、前記第1実施形態と第2実施形態とは並列関係にあり、同時に機能させることが可能である。
又、前記実施形態では、制御処理手段をCPUで構成したが、FPGA(フィールド・プログラム・ゲート・アレイ)等のハード回路で実現しても良い。
1、71…マウンタシステム制御部
2、72…メモリ
3…軸優先順位・軸通信周期設定部
4…軸優先順位・軸通信周期受取部
9、79…サーボボード
10、11、12、13、14、710、711、712、713、714…ドライブ部
15、715…ドライバボード
16、17、18、19、20、716、717、718、719、720…サーボモータ
73…軸制御順位設定部
74…軸制御順位受取部

Claims (3)

  1. 各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを所定の制御周期毎に制御する際に、
    要求性能が低い駆動対象のサーボモータがオフ又は不使用とされた場合に前記要求性能が低い駆動対象の制御処理を中止し、
    その空き時間を利用して、要求性能が高い駆動対象のサーボモータの制御処理を実行することを特徴とする複数のサーボモータの制御方法。
  2. 各々異なる駆動対象を駆動する複数のサーボモータを所定の制御周期毎に制御する際に、
    予め各駆動対象毎に設定された制御順位に従って対応するサーボモータを制御処理すると共に、全サーボモータの制御処理に要する時間が許容範囲内に収まるか否かを監視し、収まらないために制御処理できないサーボモータが発生した場合は、次の制御周期に対して該サーボモータが駆動する駆動対象に設定する制御順位を上げる制御順位の再設定をすることを特徴とする複数のサーボモータの制御方法。
  3. 前記複数のサーボモータが駆動する一部の駆動対象を、前記制御順位の再設定の対象から外すことを特徴とする請求項2に記載の複数のサーボモータの制御方法。
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