JP2010252588A - コイル部材の形成方法及びその組立装置 - Google Patents

コイル部材の形成方法及びその組立装置 Download PDF

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Abstract

【課題】平角線をエッジワイズ状に巻回する際に、断面形状の変形を抑制しつつ円滑にコイル部材を形成する。
【解決手段】組立装置は、送り部60と、案内部50と、曲げ部40とを有している。案内部50の支持部材51は、芯部材Cと、拘束部材51a,51bとを有している。拘束部材51a,51の間隔は切り換え可能となっている。曲げ部40の回転台46を時計回りに回転させ、押圧円板41および押圧バー42により、平角線10を芯部材Cに押しつける。これにより、平角線10が曲げられる。このとき、拘束部材51a,51bの間隔をできるだけ平角線10の厚みに近づける。平角線10を送るときは、拘束部材51a,51bの間隔を広くして、平角線10の絶縁皮膜の破損を防止する。曲げ工程では、拘束部材51a,51bの間隔を狭くして断面形状の変形の少ない曲げを実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、平角線をエッジワイズ状に巻回した構造を有するコイル部材の形成方法及びその組立装置に関する。
モータ,発電機,リアクトル,トランスなどに配置されるコイル部材は、一般には、細い銅線を多数回巻いて構成されている。たとえば、モータのステータでは、断面がほぼ円形のコイルをコアまたは分割コアのティース部に巻き付けた構造が一般的である。それに対し、最近では、断面が矩形状の平角線と呼ばれるコイルを用いた構造も提案されてきている。
特許文献1では、曲げロールの両側に設けられた拘束部材の間に平角線を挟んでエッジワイズ状に巻回している。その際、各拘束部材の内壁面は、曲げ部位の内側端から幅の中心近傍に至る内側部分の長辺側の両面と密着する。また、各拘束部材の内壁面は、曲げ部位の中心近傍から外側端に至る外側部分とは非接触状態になる。
特許文献2では、拘束部材によって平角線の内側部分を押圧しつつ、平角線をエッジワイズ状に巻回している。その際、平角線の一部を弾性変形の範囲内で、平角線の短辺よりも短い拘束寸法に拘束している。
特開2006−288025号公報 特開2008−228435号公報
一般に、平角線をエッジワイズ状に曲げると、断面形状が矩形から変化することが知られている。図5(a)に示すように、曲げられる前の平角線の短辺寸の法をa、長辺寸法をbとする。これをエッジワイズ状に曲げると、図5(b)に示すように変化する。このとき、内周側の短辺寸法a+αに増大し、外周側の短辺寸法が減小する。また、長辺寸法がb−βに減小する。
そこで、上記各文献では、この断面形状の変化をできるだけ抑制するために、上述のように平角線の拘束方法を工夫している。
しかしながら、拘束部材と平角線とが強く押圧された状態で、平角線が線長方向に移動すると、絶縁皮膜が破壊されるおそれがある。また、押圧力が非常に強い場合には、平角線が異常に変形するおそれもある。
本発明の目的は、平角線をエッジワイズ状に巻回する際に、断面形状の変形を抑制しつつ円滑にコイル部材を形成しうる方法、および組立装置を提供することにある。
本発明のコイル部材の形成方法は、短辺部および長辺部からなる矩形の断面形状を有し、表面が絶縁皮膜に覆われた平角線を、エッジワイズ状に巻回してなるコイル部材の形成方法である。そして、平角線を線長方向に送る工程と、芯部材およびその両側の拘束部材を有する支持部材の拘束部材間に平角線を挟んで、平角線を曲げる工程とを含んでいる。このとき、送る工程では、曲げる工程よりも両側の拘束部材の間隔を広くした状態で、平角線を芯部材および両側の拘束部材の間を通過させる。
拘束部材のもっとも簡素な構造は、芯部材の両側に鍔を設けたボビン状のものであるが、これに限定されるものではない。
この方法により、平角線を送る工程では、平角線が拘束部材と強くこすれあうことがなくなる。したがって、絶縁皮膜の損傷や平角線の形状悪化を抑制することができる。
一方、曲げる工程では、拘束部材の間隔を平角線の短辺寸法と同程度まで狭めることが可能となる。よって、平角線の曲げられた部分の断面形状をできるだけ初期形状に近づけることができる。
本発明のコイル部材の形成方法において、両側の拘束部材の間隔を、曲げるときに絶縁皮膜が破損しない限界点に一致させることができる。本発明では、送り工程で絶縁皮膜が破損することがほとんどないからである。本発明者達の実験によると、両側の拘束部材の間隔を、平角線の断面における短辺寸法と同程度まで狭くしても、絶縁皮膜の破損を生じないことがわかった。
平角線として、複数のコイル線を断面の外形が矩形状になるように束ねた分割平角線を用いることもできる。これにより、平角線を曲げる際の変形抵抗が小さくなるとともに、断面が細かく分割されて断面形状の変化も小さくなる。
また、コイル電流の周波数をf、コイル線幅をd、磁束密度振幅をBmax、コイル材料の抵抗率をρとしたとき、コイル渦損wは、下記式
w=πBmax/6ρ
によって表される。そして、コイル線幅が(1/コイル線の本数)に低減されるので、コイル渦損wが低減される。
本発明のコイル部材の組立装置は、短辺部および長辺部からなる矩形の断面形状を有し、表面が絶縁皮膜に覆われた平角線を、線長方向に送る送り部材と、案内部材と、平角線を曲げる際に平角線を支持する支持部材と、曲げる際に平角線を支持部材に押しつける押圧部材とを備えている。
そして、支持部材として、曲げ半径を規定する芯部材と、その両側に配置され、間隔が切り換え可能な拘束部材とを設けたものである。
これにより、上述の形成方法を実施することができる。よって、絶縁皮膜の損傷等の不具合を抑制しつつ、曲げによる平角線の断面形状の変化を小さくすることができる。
また、案内部材が平角線との間に隙間を有していることが好ましい。これにより、平角線の製造時に生じる端面のだれなどがあっても、平角線を円滑に送ることができる。
本発明のコイル部材の形成方法または組立装置によると、絶縁皮膜の損傷等の不具合を抑制しつつ、曲げによる平角線の断面形状の変化を小さくすることができる。
本発明の実施の形態に係るコイル部材の組立装置の概略構成を示す平面図である。 (a)〜(c)は、案内部および曲げ部の構造と共に、曲げ部におけるコイルの最初の曲げ手順を示す平面図である。 (a)〜(c)は、平角線が曲げられた後巻回される手順を示す平面図である。 (a),(b)は、順に、曲げ工程と送り工程とにおける曲げロールの状態を示す断面図である。 (a),(b),(c)は、順に、平角線の初期の断面形状,拘束部材を用いて曲げた部分の断面形状、拘束せずに曲げた部分の断面形状をそれぞれ示す断面図である。 拘束部材の間隔dと寸法変化aとの関係を示す図である。 実施の形態に係るコイル部材20および分割コア71の構造を示す斜視図である。 実施の形態におけるモータのステータの概略的な構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例に係るコイル部材を形成するための組立装置を示す平面図である。
−コイル部材の組立装置−
図1は、本発明の実施の形態に係るコイル部材の組立装置の概略構成を示す平面図である。図2(a)〜(c)は、案内部および曲げ部の構造と共に、曲げ部におけるコイルの最初の曲げ手順を示す平面図である。図3(a)〜(c)は、平角線が曲げられた後巻回される手順を示す平面図である。図4(a),(b)は、順に、曲げ工程と送り工程とにおける曲げロールの状態を示す断面図である。
本実施の形態に係る組立装置は、巻きだし部30と、走行癖矯正部35と、巻き癖矯正部37と、曲げ部40と、案内部50とを有している。巻きだし部30は、平角線10が巻き取られたボビンを有している。走行癖矯正部35は、平角線10の走行癖を矯正する複数のロールを左右に配置して構成されている。巻き癖矯正部37は、平角線10の巻き癖を矯正する複数のロールを上下に配置して構成されている。
送り部60は、上下に配置されたロール61を備えている。あるいは、キャタピラーや把持して送る機構であってもよい。そして、平角線10は、各ロール61によって挟持されつつ、その回転によって線長に送られる。平角線10の送りと曲げとを繰り返すことにより、平角線10がコアを囲む形状に巻回され、コイル部材20が形成される。
図4(a),(b)に示すように、本実施形態の平角線10は、短辺と長辺とからなるほぼ矩形の断面形状を有している。そして、平角線10は、断面がほぼ矩形状の銅線10aと、銅線10aを被覆する絶縁被膜10bとを有している。絶縁皮膜は10bは、ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエステルイミド等に代表されるイミド系樹脂からなる。銅線10aの断面寸法は、たとえば、短辺が2.6mmで長辺が約7.4mmである。絶縁皮膜13の厚みは約0.05mmである。ただし、以上の寸法に限定されるものではない。
案内部50は、案内台55と、案内台55の上に取りつけられた第1案内板52および第2案内板53を備えている。平角線10は、第1,第2案内板52,53の間に挟まれて、案内台55上を滑動する。図2(a)左方の部分断面図に示すように、各案内板52、53と平角線10との間には、隙間sが設定されている。隙間sの存在により、平角線10の引き抜き製造時に端面のだれが生じても、平角線10が円滑に滑動することができる。また、第1案内板52は、平坦部52aと、巻回されたコイル部材を上方に持ち上げるための斜面部52bとを有している。
案内部50の終端部には、曲げ過程において、平角線10を支持するボビン状の支持部材51(曲げロール)が配置されている。図4(a),(b)に示すように、支持部材51は、芯部材Cと、その両側の鍔状の拘束部材51a,51bとを有している。拘束部材51a,51bは、平角線10が曲げられる際に、厚み方向(断面の短辺方向)の移動を拘束する。拘束部材51a,51b間の間隔は、図4(a)に示す位置と、図4(b)に示す位置とに切り換え可能に構成されている。切り換えるための機構としては、周知慣用の機構、たとえば油圧シリンダーがある。
なお、上側の拘束部材51aは、巻回されていくコイルを平坦部51yの上に持ち上げるための斜面部51xを有している。
曲げ部40は、芯部材Cの中心軸回りに回動自在な回転台46と、押圧円板41と、押圧バー42とを備えている。押圧円板41は、支持部材51に支持された平角線10を芯部材Cの方向に押しつけるものである。押圧バー42は、その基部では、押圧円板41と連続していて、押圧円板41と共に平角線10を芯部材Cに押しつける。また、押圧バー42は、図2(a)右方の部分断面図に示すように、平角線10が入り込む断面コ字状の溝を有している。押圧バー42は、この溝に平角線10を挿入して、平角線10の広い範囲にわたって、曲げモーメントを与える。本実施の形態では、押圧円板41および押圧バー42により、押圧部材が構成されている。
なお、押圧バー42の溝幅を、拘束部材51a,51bと同様に、切り換え可能に構成することもできる。
回転台46には、その周縁に沿って移動自在な平行移動台43が取りつけられている。平行移動台43には、固定部45と、移動部44とからなる把持部材が取りつけられている。移動部44は、平行移動台43の中で横方向に移動可能であり、固定部45との間に平角線10を把持することができる。また、移動部44と固定部45とからなる把持部材は、上下方向(図の紙面方向)に移動可能となっている。すなわち、把持部材は、平角線10との干渉を避けるときには下方に、平角線10を把持するときには上方に位置する。
−コイル部材の形成方法−
次に、図2(b)〜(c)および図3(a)〜(c)を参照しつつ、コイル部材の形成方法について説明する。
まず、図2(b)に示すように、回転台46を時計回りに90°を超える角度まで回転させる。このとき、押圧円板41および押圧バー42により、平角線10を芯部材Cに押しつける。また、押圧バー42によって、平角線10の広い範囲で曲げモーメントを加える。これにより、平角線10の先端部分が90°曲げられる。このとき、支持部材51の拘束部材51a,51bは、図4(a)に示す位置にある。押圧バー42の溝幅を切り換え可能にした場合には、その溝幅も狭くする。また、固定部45および移動部44からなる把持部材は、常時下方に位置している。
次に、図2(c)に示す工程で、回転台46を反時計回りに90°回転させて、初期位置に戻す。そして、送り部60のロール61(図1参照)により、平角線10を線長方向に送り出す。このときの送り量はコイル部材の一辺の長さに等しい。このとき、支持部材51の拘束部材51a,51bは、図4(b)に示す位置にある。押圧バー42の溝幅を切り換え可能にした場合には、その溝幅も広くする。
その後、固定部45および移動部44からなる把持部材を上方(紙面の手前方向)に移動させる。そして、移動部44を図中左方向に移動させて、固定部45と移動部44とにより、平角線10を把持する。
次に、図3(a)に示す工程で、回転台46を時計回りに90°回転させて、平角線10を曲げる。このとき、固定部45および移動部44からなる把持部材により、平角線10の把持を持続する。
以上の曲げ、送りを繰り返すことにより、図3(b)に示すように、平角線10をエッジワイズ状に巻回して、コイル部材20を形成する。
次に、コイル部部材20を形成し終わると、図3(c)に示す工程で、平角線10を次コイル巻回位置まで送り出す。このとき、当初は、固定部45および移動部からなる把持部材によって、コイル部材20を把持する。
ただし、その後は、図2(c)や図3(a)に示すように、把持部材によって平角線10を把持することになる。
図7は、実施の形態に係るコイル部材20および分割コア71の構造を示す斜視図である。図7においては、平角線10を1本の平角線として表示しているが、上述のように4本のコイル線を集合させた構造を有している。そして、両端の2つの端子21,22において、各コイル線11が互いに導通している。
また、コイル部材20は、2つの端子21,22を除き、図中破線で示す樹脂によってモールドされて、いわゆるカセットコイルとなっている。
分割コア71は、ヨーク部71aと、ティース部71bとを有している。本実施形態では、圧粉コア構造を採用しているが、積層鋼板を用いてもよい。圧粉構造の場合は、ヨーク部71aに、図7に示す破線部分を上下に設けてもよい。
図7に示す破線は、コイル部材20の平角線10をモールドしている樹脂の外形を示している。モールド樹脂には、分割コア71のヨーク部71aの上面および下面に嵌合する部分が設けられている。そして、モールド樹脂をティース部71bに嵌め込み、さらにヨーク部71aの上下面を挟むことにより、コイル部材20がティース部71bを囲むように取り付けられる。
図8は、本実施の形態におけるモータのステータ80の概略的な構造を示す断面図である。図8において、見やすくするために、モールド樹脂の表示は省略されている。図8に示すように、ステータ80は、複数の分割ステータ70を環状に組み立てたものである。
ただし、組み立てる際には、まず、複数の分割コア71を環状に組み合わせた後、リング部材等を用いて外側から囲み込んで組み付ける。本実施形態では、コアとして分割コア71を集合させたものを用いているが、コアが分割されずに一体化されたものであってもよい。
ステータ70の内方には、永久磁石を設けたロータ(図示せず)が配置される。分割コア71は、ヨーク部71aと、ヨーク部71aからロータ側に突出したティース部71bとを有し、本実施の形態では、絶縁被膜を有する磁性粉末を圧縮成形して形成されている。ただし、多数の珪素鋼板を樹脂絶縁層を挟んで積層したものであってもよい。
そして、分割コア71のティース部71bに、樹脂モールドされたカセットコイルとしてのコイル部材20がセットされている。なお、コイル部材20が樹脂モールドされていることで、ティース部71bを被覆するインシュレータは不要となっている。分割コア71およびコイル部材20により、分割ステータ70が構成される。
本実施の形態によると、平角線10の送り工程では、拘束部材51a,51bの間隔を曲げ工程時よりも広くしている。したがって、送り工程における絶縁皮膜10bの破損を防止し、曲げ工程における平角線10の断面形状の変形を抑制することができる。その原理について、以下に説明する。
平角線10が、図5(a)に示すような短辺寸法aと、長辺寸法bとからなる矩形の断面形状を有するものとする。これをエッジワイズ状に曲げると、図5(b)に示す形状となる。すなわち、曲げられた部分の中心側の部分は、各長辺部が互いにほぼ平行となり、その短辺寸法はa+αに増大する。曲げられた部分の外側の部分では、短辺寸法が外側に向かうほど減小し、台形状になる。また、曲げられた部分全体の長辺寸法はb−βに減小する。
また、拘束部材を設けないで曲げた場合、曲げられた部分の断面形状は、図5(c)に示すように、全体が台形状となる。特に、中心側が大きく膨らむこともある。そして、中心側における短辺寸法は、a+γ(γ>α)になり、変形の度合いが非常に大きい。
この寸法変化αを小さくするためには、拘束部材51a,51bの間隔dをできるだけ短辺寸法aに近づければよい。しかし、拘束部材51a,51bの間隔dを小さくすると、以下の問題が生じる。
図6は、拘束部材51a,51bの間隔dと寸法変化aとの関係を示す図である。寸法変化αは、間隔dが狭くなるほど減小するが、下死点Pldが存在する。下死点Pldは、絶縁皮膜10bが破損する直前の寸法変化値αに相当する。上死点Pluは、拘束部材を用いずに曲げたときの短辺寸法の変化値である。
間隔dが下死点Pld以下になると、特に送り工程で絶縁皮膜10bが破損する。つまり、従来の方法では、下死点Pldの値は、送り工程によって規定される。ただし、下死点Pldの値は、組立装置や平角線の構造、工程条件等により異なる。
本実施の形態では、送り工程では、拘束部材51a,51bとの間に大きな隙間h(図4(b)参照)を設けている。よって、平角線10が拘束部材51a,51bと強くこすりあうことなく、絶縁皮膜10bの破損が防止される。
したがって、下死点Pldの値は、送り工程とは無関係に曲げ工程によって規定される。よって、曲げ工程では、間隔dを狭くし、隙間を小さくして、下死点Pldを0に近い値まで小さくすることができる。
実験によると、間隔dを上死点Plu付近に設定すると、曲げ中心側の短辺寸法が2.6mmから3.4mm程度まで増大する。一方、本実施の形態では、間隔dを2.68mm程度まで狭くしても、絶縁皮膜10bの破損を防止することが可能である。
−変形例−
図9は、本発明の実施の形態の変形例に係るコイル部材を形成するための組立装置を示す平面図である。
同図に示すように、本変形例の平角線10は、4本のコイル線11を束ねた分割平角線線と呼ばれるものである。すなわち、断面がほぼ矩形状の4本のコイル線11が平板状に集合して構成され、両端で各コイル線11が互いに導通している。これにより、実質的には1本の平角線10として機能する。ただし、コイル線11の本数は4本に限られるものではなく、2本以上であればよい。
各コイル線11は、断面がほぼ矩形状の銅線12と、銅線12を被覆する,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエステルイミド等に代表されるイミド系樹脂からなる絶縁皮膜13とを有している。銅線12の断面寸法は、たとえば、短辺が約0.95mmで長辺が約1.20mmであり、絶縁皮膜13の厚みは約0.03mmであるが、これに限定されるものではない。
本変形例に係る組立装置は、巻きだし部30と、走行癖矯正部35と、巻き癖矯正部37と、曲げ部40と、案内部50とを有している。巻きだし部30は、コイル線11が個別に巻き取られた4つのボビン30a〜30dを有している。走行癖矯正部35は、各コイル線11の走行癖を矯正する。巻き癖矯正部37は、コイル線11を集合させて平角線10を形成した後各コイル線11の巻き癖を同時に矯正する。曲げ部40および案内部50は、上記実施の形態とほど同様の構成を有している。
本変形例によると、平角線10として、複数のコイル線11を集合させた分割平角線構造を採用している。よって、平角線10の断面がコイル線11ごとに細かく分けられるので、断面形状の変化をより小さく抑制することができる。
そして、平角線10中の各コイル線11間の隙間をできるだけ少なくすることにより、高密度に巻回されたコイル部材20を得ることができる。
さらに、分割平角線構造によって,以下の効果が得られる。コイル電流の周波数をf、コイル線幅をd、磁束密度振幅をBmax、コイル材料の抵抗率をρとしたとき、コイル渦損wは、下記式
w=πBmax/6ρ
によって表される。
例として、短辺が0.95mmで長辺が4.79mmの断面寸法を有する平角線と、これを4分割して、各コイル線11の短辺が0.95mmで長辺が1.20mmの断面寸法を有する本変形例の平角線10とを比較する。従来の平角線のコイル渦損wを100とすると、本変形例のコイル渦損wは25となる。すなわち、コイル渦損wを1/4まで低減することができる。
なお、従来の平角線のコイル渦損wを100とすると、2分割した分割平角線のコイル渦損wは50となり、3分割した分割平角線のコイル渦損wは33となる。
また、上述の断面寸法の場合、平角線10のアスペクト比(長辺/短辺)は5.2であり、本実施形態の各コイル線11のアスペクト比は1.3となる。このアスペクト比の低減により、コイル線11の線引き加工も容易となるので、製造コストの低減を図ることができる。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、平角線10を90°に曲げて矩形状に巻回されたコイル部材20を形成したが、これに限定されるものではない。本発明は、平角線10が90°とは異なる角度に曲げられた、平行四辺形,菱形などの形状に巻回されたコイル部材の形成にも適用することができる。また、一定の半径で曲げ続けて,円形に巻回されたコイル部材を形成してもよい。
上記開示された本発明の実施の形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明のコイル部材の形成方法や組立装置は、産業用モータ、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車,ロボットなどに配置されるモータ(リニアモータを含む)、発電機、リアクトル、トランスなどの部品の製造に利用することができる。
C 芯部材
10 平角線
10a 銅線
10b 絶縁皮膜
11 コイル線
12 銅線
13 絶縁皮膜
20 コイル部材
21,22 端子
40 曲げ部
41 押圧円板(押圧部材)
42 押圧バー(押圧部材)
43 平行移動台
44 移動部
45 固定部
46 回転台
50 案内部
51 支持部材
51a,51b 拘束部材
51x 斜面部
51y 平坦部
52 第1案内板(案内部材)
53 第2案内板(案内部材)
55 案内台
60 送り部
61 ロール
70 分割ステータ
71 分割コア
71a ヨーク部
71b ティース部
80 ステータ

Claims (5)

  1. 短辺部および長辺部からなる矩形の断面形状を有し、表面が絶縁皮膜に覆われた平角線を、エッジワイズ状に巻回してなるコイル部材の形成方法であって。
    前記平角線を線長方向に送る工程(a)と、
    芯部材およびその両側の拘束部材を有する支持部材の拘束部材間に平角線を挟んで、押圧部材によって平角線を芯部材に押しつけながら、押圧部材を芯部材の回りに回動させることにより、前記平角線を曲げる工程(b)と、
    を含み、
    前記工程(a)では、前記両側の拘束部材の間隔を前記工程(b)における間隔よりも広くした状態で、前記平角線を前記支持部材を通過させる、コイル部材の形成方法。
  2. 請求項1記載のコイル部材の形成方法において、
    前記工程(b)では、前記両側の拘束部材の間隔を、曲げるときに前記絶縁皮膜が破損しない限界点に一致させる、コイル部材の形成方法。
  3. 請求項1または2記載のコイル部材の形成方法において、
    前記平角線として、複数の線を断面の外形が矩形状になるように束ねた分割平角線を用いる、コイル部材の形成方法。
  4. 短辺部および長辺部からなる矩形の断面形状を有し、表面が絶縁皮膜に覆われた平角線を、線長方向に送る送り部材と、
    前記平角線の線長方向への移動を案内する案内部材と、
    前記平角線をエッジワイズ状に曲げる際に平角線を支持する支持部材と、
    前記平角線を曲げる際に平角線を前記支持部材に押しつける押圧部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、
    曲げ半径を規定する芯部材と、
    前記芯部材の両側に配置され、間隔が切り換え可能な拘束部材と、
    を有している、コイル部材の組立装置。
  5. 請求項4記載のコイル部材の組立装置において、
    前記案内部材は、前記平角線との間に隙間を有している、コイル部材の組立装置。
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