JP2016207845A - 静止誘導電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】静止誘導電器の巻線を上下非対称な多層シリンドリカル巻線とする場合,巻線に短絡電流が流れる際に上下方向の大きな電磁力がかかり,巻線が変形する恐れがある。【解決手段】本体タンク(3)内に鉄心(1)と,鉄心(1)の周囲に巻回された巻線(21,22)と,鉄心(1)を巻線(21,22)の上下で挟持する締め金(12)とを備え,巻線(21,22)は隣り合う層が上下方向に逆向きに巻き進められ,巻線の端部が突出している層と窪んでいる層を有する静止誘導電器であって,締め金(12)と巻線(21,22)の間に巻線保持部材(10)を有することを特徴とする,静止誘導電器。【選択図】図5
Description
本発明は変圧器やリアクトルなどの静止誘導電器に関する。
変圧器やリアクトル等の静止誘導電器は巻線を有している。特に変圧器で内鉄形と呼ばれる構造の巻線では,巻線の巻軸方向(一般にいう巻線上下方向)に垂直方向(一般にいう巻線幅方向)に一次巻線,二次巻線乃至三次巻線以上の巻線が同軸多層状に巻き回されて構成される。内鉄形変圧器巻線の巻き回し構造としては主に,上下方向に導線を巻進めるシリンドリカル巻,巻線幅方向に内側から外側に巻き進め,続いて上下方向の次の段では巻線幅方向に外側から内側に巻き進め,次の段では最初と同様に巻線幅方向に内側から外側に巻き進める構造を繰り返すディスク巻,が知られている。シリンドリカル巻,ディスク巻は,ともに複数の導線を並列巻して構成したり,電界緩和を目的としたシールド材などと共に構成することもある。リアクトルにおいても上記のシリンドリカル巻,ディスク巻で巻線を構成することが出来る。
ディスク巻は,特に巻数が多い場合に巻線寸法を小さく出来る利点を持つが,巻工程が難しい欠点がある。一方シリンドリカル巻は,巻工程を簡便にすることが出来る利点を持つが,特に巻数が多い場合は巻線幅方向にシリンドリカル巻を多層巻して構成するため,層間や上下方向端部の絶縁距離の関係で巻線幅寸法が大きくなる欠点がある。
シリンドリカル巻においては,例えば特許文献1に見られるように,巻線の低電位側では巻線上下の端部絶縁距離が短くてよいため,巻数が多く上下方向寸法の大きな層を形成し,高電位側では巻線上下の端部絶縁距離を長く取る必要があるため,巻数が少なく上下方向寸法の小さな層を形成することで,合理的な寸法となるように各層での巻数を決定している。また特許文献1では内側の層の終わりから外側の層を巻始めた箇所では内側層との電位差が小さいため絶縁寸法を小さくし,当該の外側の層の巻き終わりでは内側層との電位差が大きいため絶縁寸法を大きくすることで,平均的な層間絶縁寸法を小さくしている。
静止誘導電器の巻線を多層シリンドリカル巻で構成するにあたり,電器本体の寸法と製造工程が合理的になるように巻数や巻線寸法,絶縁構造,機械的強度を決めるのが望ましい。
特許文献1に記載された技術は,多層シリンドリカル巻の巻線寸法を抑える構造としては一般的な手法をとりながら,絶縁テープを巻き回すことでテーパ状に層間絶縁を構成し,特に層間絶縁寸法の調節性の向上,巻線機による巻き回し工程の短縮を実現している。
巻線表面に冷却流路を設けるなどの理由で,一定の層間距離が設けられる様な場合,その距離により層間に一定の絶縁耐力が確保されることから,層間絶縁に絶縁テープを用いてテーパを設けることが,巻線寸法と工程上必ずしも優位にならない場合がある。
この様な場合は層間絶縁距離を一定とする構成が工程上優位になるが,一般的な構成では層間距離により一層あたりの巻数が決まり,それにより巻線寸法が決まってしまう。そこでさらに,巻線を上下方向に非対称に構成することで,絶縁仕様を満たしながら一層あたりの巻数を多く取って,巻線幅方向寸法を小さくするよう設計できる。この場合,発生する漏れ磁束が上下方向に非対称になることから,巻線に短絡電流が流れる際,巻線に上下方向の大きな電磁力がかかり,巻線が変形する恐れがある。
本発明の目的は,上記静止誘導電器の多層シリンドリカル巻で構成される巻線を,上下方向に非対称に構成することで幅寸法を低減する際に,巻線にかかる上下方向電磁力による変位を抑制できる静止誘導電器を供給することである。
上記課題を解決するため,本発明の静止誘導電器は,本体タンク(3)内に鉄心(1)と,鉄心(1)の周囲に巻回された巻線(21,22)と,鉄心(1)を巻線(21,22)の上下で挟持する締め金(12)とを備え,巻線(21,22)は隣り合う層が上下方向に逆向きに巻き進められ,巻線(21,22)の端部が突出している層と窪んでいる層で構成する。締め金(12)と巻線(21,22)の間に巻線保持部材(10)を有することを特徴とする。
本発明によれば,静止誘導電器で巻線を多層シリンドリカル巻で構成する場合に,巻線幅寸法を小さくすることができ,かつ短絡電流により生じる電磁力で巻線が変形しにくくできる。
以下,図面に基づいて本発明を説明する。なお,以下の実施例は本発明を限定するものではなく,発明自体は特許請求の範囲を満たす範囲で種々の態様に変形することが可能である。
図1に本発明を適用する静止誘導電器の全体的な構成を示す。本体タンク3内に鉄心脚1を有する鉄心と,鉄心脚1の周囲に巻回された一次巻線21,二次巻線22とを備えた静止誘導電器本体が収納される。本体タンク3内には絶縁冷媒が封入され,静止誘導電器本体が絶縁冷媒によって浸される。
図1の静止誘導電器本体の構成は,一つの鉄心脚1,その鉄心脚に巻き回された巻線21,22の配置が分かる箇所を断面図として示しているが,実際は単相二脚,単相三脚,三相三脚,三相五脚といった構成を取り得る。
図2に本発明を適用する巻線構造の巻軸方向断面図を示す。巻線2は巻線2A乃至2Dにより構成される。巻線2A乃至2Dは巻線上下方向中心位置14周りに,ひと巻ごとに上下方向に巻き進められ,巻軸13方向に巻かれるシリンドリカル巻で構成されている。
巻線2は絶縁距離を考慮した上下非対称構造であり,巻線2A乃至2Dが巻線2全体としての上下方向中心に対し上または下方向にずれて巻かれる。
巻線2は上下非対称であることから,漏れ磁束が巻線に錯交することで生じる電磁力が上方向,または下方向に大きくなり,特に短絡電流のような大電流が流れると大きな電磁力が生じ,巻線の各層が上下方向に歪みを生じるおそれがある。本実施例は以下の構成とすることで,このような巻線の歪みを防止することを目的とする。
本構成において,層間の支持のために,図3の様に柱状絶縁物6で支持したり,図4の様にシート状・板状絶縁物7で支持する。柱状絶縁物6は矩形だけでなく,円柱,台形注でもよい。シート状・板状絶縁物7はコルゲード状のものでもよい。図3,図4の絶縁物は紙,プレスボード,樹脂などで構成される。
図5に示すように,本発明は巻線保持部材10を,巻線2とその上下に設けられた締め金12の間に配して固定する。巻線保持部材10と締め金12の間の隙間には隙間調整部材11を配置してもよい。隙間調整部材11は,適度な弾性を有し絶縁性を有するものであれば特に限定されない。
巻線保持部材10は凸部10aと平面部10bとを有する。平面部10bは,例えば,鉄心が中央を貫通する円盤状であり,凸部10aは平面部10bの一方の面に同心円状に固定される。凸部10aは,巻線2上下の窪んだ端部及びその層間を支持する絶縁物の窪んだ端部に当接し,平面部10bは,巻線2上下の突出した端部及びその層間を支持する絶縁物の突出した端部に当接し,巻線の変位を抑制することが可能である。
平面部10bには磁束制御部材5を配置することが可能である。磁束制御部材5を配置することで漏れ磁束の分布を制御し,巻線上下方向に生じる電磁力を低減することができる。これにより,巻線2の上下方向の変位を抑制することが可能である。なお,磁気制御部材5は,電磁鋼板のような磁性材で構成することができる。
以下,図6を参照して本発明の実施例2の構成を説明する。実施例1と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
実施例2では,実施例1の凸部10aに代えて凸部10cとする。巻線2の窪んだ端部を構成する巻線2C及び2Dの間に配された絶縁物の先端を巻線2C及び2Dの間に突出させ,その突出した部分を平面部10aに当接させるよう構成する。
さらに,巻線2の窪んだ端部に凸部10cを当接させる。こうすることで,巻線2の上下方向の変位により巻線保持部材10にかかる力を凸部10cで受けることで,巻線2の変位を抑制することが可能である。
なお,実施例では一本の導線を巻き回して巻線を構成する場合について示しているが,導線は複数本の並列導体や寄り線,転位線を用いてもよい。また,巻線の巻き方はシリンドリカル巻としているが,巻き方が同じであれば巻き筒の形状は円形でなくてもよく,例えば矩形,楕円形,レーストラック形でもよい。
1・・・鉄心,2A・・・巻線,2B・・・巻線,2C・・・巻線,2D・・・巻線,2・・・巻線,3・・・タンク,5・・・磁束制御部材,6・・・柱状絶縁物,7・・・シート状・板状絶縁物,8・・・モールド絶縁物,9・・・空間支持絶縁物,
10・・・巻線保持部材,10a・・・嵌合部,10b・・・保持部,10c・・・嵌合部,11・・・隙間調整部材,12・・・締め金,13・・・巻軸,14・・・巻線上下方向中心位置,21・・・一次巻線,22・・・二次巻線
10・・・巻線保持部材,10a・・・嵌合部,10b・・・保持部,10c・・・嵌合部,11・・・隙間調整部材,12・・・締め金,13・・・巻軸,14・・・巻線上下方向中心位置,21・・・一次巻線,22・・・二次巻線
Claims (6)
- 本体タンク内に複数の鉄心脚を有する鉄心と,前記鉄心の周囲に巻回された巻線と,前記鉄心を前記巻線の上下で挟持する締め金とを備え,
前記巻線は隣り合う層が上下方向に逆向きに巻き進められ,前記巻線の端部が突出している層と窪んでいる層を有する静止誘導電器であって,
前記締め金と前記巻線の間に巻線保持部材を有することを特徴とする,
静止誘導電器。 - 請求項1において,
前記巻線保持部材は,前記鉄心の周囲に配された平面部と前記平面部の前記巻線の側に固定された凸部を有し,
前記平面部は前記巻線の突出した端部と当接し,
前記凸部は前記巻線の窪んだ端部と当接することを特徴とする,
静止誘導電器。 - 請求項1において,
前記巻線の各層の間に絶縁部材が配され,
前記巻線の窪んだ端部が複数隣接し,
前記複数の窪んだ端部の間に,前記絶縁部材の端部が突出し,
前記巻線保持部材は,前記鉄心の周囲に配された平面部と前記平面部の前記巻線の側に固定された凸部を有し,
前記平面部は前記巻線の突出した端部及び前記絶縁部材の端部と当接し,
前記凸部は前記巻線の窪んだ端部と当接することを特徴とする,
静止誘導電器。 - 請求項1において,
前記巻線保持部材に磁束制御部材を有することを特徴とする,
静止誘導電器。 - 請求項2において,
前記平面部材に磁束制御部材を有することを特徴とする,
静止誘導電器。 - 請求項3において,
前記平面部材に磁束制御部材を有することを特徴とする,
静止誘導電器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015088032A JP2016207845A (ja) | 2015-04-23 | 2015-04-23 | 静止誘導電器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107273614A (zh) * | 2017-06-15 | 2017-10-20 | 广东电网有限责任公司电力科学研究院 | 220kV变压器绕组受到短路电力时受力计算方法 |
WO2022149314A1 (ja) * | 2021-01-08 | 2022-07-14 | 株式会社日立製作所 | 変圧器 |
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2015
- 2015-04-23 JP JP2015088032A patent/JP2016207845A/ja active Pending
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CN107273614B (zh) * | 2017-06-15 | 2020-07-07 | 广东电科院能源技术有限责任公司 | 220kV变压器绕组受到短路电力时受力计算方法 |
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