JP2010251943A - 圧電振動デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 筐体がガラスまたは水晶からなり、表裏いずれの面でも基板への搭載が可能な圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 水晶振動子1は、水晶振動板2の表裏主面21,22に対向形成された励振電極23が、一対のパッケージ部材3,4によって気密封止された構造となっている。
パッケージ部材3,4は水晶からなり、パッケージ部材3,4の他主面32,42には、一組の外部端子8,8がそれぞれ形成されている。励振電極231は、一方の内部配線61を経由してパッケージ部材3,4の一つの外部端子8にそれぞれ共通接続され、励振電極232は、他方の内部配線62を経由してパッケージ部材3,4の他の一つの外部端子8にそれぞれ共通接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 水晶振動子1は、水晶振動板2の表裏主面21,22に対向形成された励振電極23が、一対のパッケージ部材3,4によって気密封止された構造となっている。
パッケージ部材3,4は水晶からなり、パッケージ部材3,4の他主面32,42には、一組の外部端子8,8がそれぞれ形成されている。励振電極231は、一方の内部配線61を経由してパッケージ部材3,4の一つの外部端子8にそれぞれ共通接続され、励振電極232は、他方の内部配線62を経由してパッケージ部材3,4の他の一つの外部端子8にそれぞれ共通接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子機器等に用いられる圧電振動デバイスに関するものである。
各種電子機器等に用いられる圧電振動デバイスは近年、超小型化が進行している。例えば水晶振動子を例に挙げると、平面視の外形寸法が2.0mm×1.6mm以下のサイズまで小型化している。水晶振動子のパッケージ底面には通常、複数の外部端子が形成されている。前記水晶振動子を電子機器内部の基板に実装する際は、基板のランド上に前記外部端子が位置するように水晶振動子が載置される。前記ランド上にはクリーム半田が塗布されており、リフローによって前記半田が溶融することにより、水晶振動子(外部端子)と基板とが半田を介して接合される。
前記基板上に水晶振動子を搭載する際には、前記外部端子が形成されたパッケージ底面を識別した後、該底面が基板に正対するように水晶振動子を基板に搭載する必要がある。しかしながら、前記水晶振動子が超小型になってくると、取扱いが従来サイズに比べて困難になるとともに、パッケージ底面の識別においても従来サイズよりも多くの時間を要することになってしまう。これらの点によって、生産効率の向上に支障をきたすことになる。
そこで、前記外部端子を圧電振動デバイスのパッケージ底面だけでなく、パッケージ表面にも形成することによって、チップコンデンサのように筐体の表裏いずれの面でも基板へ搭載可能な圧電振動デバイスとすることができる。(パッケージの表裏両面に電極が存在する構造の圧電振動デバイスは例えば特許文献1に開示されている)
水晶振動子のパッケージの構成要素であるベース(水晶振動板を内部に収容する容器体)は、セラミック材料で成形されていることが一般的である。前記ベースは複数のセラミックシートを積層した状態で焼成によって一体成形されている(特許文献1もパッケージを構成する部材はセラミック材料となっている)。前記ベースの焼成時には、無視できるレベルの僅かな積層ずれが発生することがある。しかしながら、圧電振動デバイスが超小型になってくると、積層ずれの影響が無視できないレベルになってくる。このため、焼成成形するセラミックではなく、ガラスや水晶といった個体材料をベース母材に用いて、エッチング技術を用いて所望の形状に成形する方法も提案されている。
出願人はパッケージ母材がガラスまたは水晶からなり、パッケージの表裏面に外部端子が形成された圧電振動デバイスの先行技術文献を調査した結果、出願時において同一のものを発見することはできなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、筐体がガラスまたは水晶からなり、表裏いずれの面でも基板への搭載が可能な圧電振動デバイスを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、圧電振動板に形成された一対の励振電極が、一対のパッケージ部材によって気密封止された圧電振動デバイスであって、前記一対のパッケージ部材はガラスまたは水晶からなり、各パッケージ部材の外側主面には、少なくとも一組の入出力用の外部端子がそれぞれ形成され、前記圧電振動デバイスの内部には、経路の異なる2つの内部配線が形成されてなり、前記励振電極は、一方の極が、一方の内部配線を経由して各パッケージ部材の一つの前記外部端子にそれぞれ共通接続され、他方の極が、他方の内部配線を経由して各パッケージ部材の他の一つの前記外部端子にそれぞれ共通接続されている。
上記構成によれば、圧電振動デバイスの表裏主面の両方に外部端子が形成されているので、圧電振動デバイスの表裏いずれの面においても基板への搭載が可能になる。これにより、超小型の圧電振動デバイスであっても、パッケージ底面の識別の必要が無くなるため生産効率を向上させることができる。また、パッケージの表裏識別が不要となるため、例えばエンボステーピングのように、エンボス加工された複数のポケットに、複数の圧電振動デバイスを一対一で面方向を揃えて収容する必要が無い。つまり、テーピングを行わずに出荷することも可能となり、製造コストを削減することができる。
さらに、本発明の圧電振動デバイスによれば、パッケージ部材の材料にガラスまたは水晶が用いられているため、従来のセラミックパッケージの焼成時の積層ずれの問題を防止することができる。また、パッケージ部材がガラスまたは水晶で構成されているため、フォトリソグラフィ技術やウエットエッチングあるいはドライエッチングを用いて高精度にパターニングや成形を行うことができる。
また上記構成によれば、圧電振動デバイス内部に気密封止された励振電極から、圧電振動デバイスの表裏主面に形成された外部端子への電気的接続を、圧電振動デバイスの内部に形成された内部配線を経由して行っているため、信頼性の高い圧電振動デバイスを得ることができる。励振電極から外部端子までの電気的接続を、圧電振動デバイスの外部へ配線を導出して行う場合(外部配線)、金属で形成された配線が大気中に晒されるため、経時変化に悪影響を及ぼすおそれがある。また前記外部配線に酸化防止膜を形成したとしても、外部配線自体が露出しているため物理的に保護され難い問題が存在する。これに対して、本発明の圧電振動デバイスであれば、内部配線を経由して励振電極と外部端子とが電気的に接続されているため上記問題を抑制することができる。
また、上記目的を達成するために、前記内部配線が、前記圧電振動板の表裏主面と、前記一対のパッケージ部材の内側主面とを鉛直方向に直接接続する導体であってもよい。あるいはまた、前記内部配線が、前記圧電振動板の一主面を、一方の前記パッケージ部材の内側面と一対の前記パッケージ部材の内側面を経由して、他方の前記パッケージ部材の内側面に接続する導体であってもよい。
上記構成によれば、前述の問題を抑制できることに加え、より低背化を図った圧電振動デバイスを得ることができる。
以上のように、本発明によれば、筐体がガラスまたは水晶からなり、表裏いずれの面でも基板への搭載が可能な圧電振動デバイスを提供することができる。
−第1の実施形態−
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、後述する本発明の全ての実施形態において、圧電振動デバイスとして水晶振動板が使用された水晶振動子を例に挙げて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、後述する本発明の全ての実施形態において、圧電振動デバイスとして水晶振動板が使用された水晶振動子を例に挙げて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示す水晶振動子の断面模式図である。水晶振動子1は、一対のパッケージ部材3,4と、水晶振動板2が主要構成部材となっている。図1において、水晶振動板2の表裏外周付近の領域が、接合材5を介して上パッケージ部材4および下パッケージ部材3と接合されている。
水晶振動子1の表裏主面には外部端子8が形成されている。具体的に、上パッケージ部材4および下パッケージ部材3の一主面(32,42)に、一対の外部端子8,8がそれぞれ形成されている。
図1に示すように、水晶振動板2の表裏主面(21,22)には、一対の励振電極23(231,232)が対向形成されている。励振電極231は、水晶振動板の一主面21上を外周方向(詳細については後述)に引き出された後、二方向に分岐して導出されている。つまり、一方は、励振電極231から一主面21上を外周方向に引き出された後、上パッケージ部材4の内側主面41に向かって鉛直上方向に延伸し、ビア7を経由して上パッケージ部材4の外側主面42に形成された外部端子8と電気的に接続されている。もう一方は、励振電極231から一主面21上を外周方向に引き出された後、水晶振動板を厚み方向に貫いて他主面22へ引き回され、下パッケージ部材3の内側主面31に向かって鉛直下方向に延伸し、ビア7を経由して下パッケージ部材3の外側主面32に形成された外部端子8と電気的に接続されている。以上のように、励振電極23の一方の極(231)が、一方の内部配線61,61を経由して各パッケージ部材の一つの外部端子8にそれぞれ共通接続されている。
同様に、励振電極232は、水晶振動板の他主面22上を外周方向(詳細については後述)に引き出された後、二方向に分岐して導出されている。つまり、一方は、励振電極232から他主面22上を外周方向に引き出された後、水晶振動板を厚み方向に貫いて一主面21へ引き回され、上パッケージ部材4の内側主面41に向かって鉛直上方向に延伸し、ビア7を経由して上パッケージ部材4の外側主面42に形成された外部端子8と電気的に接続されている。もう一方は、励振電極232から他主面22上を外周方向に引き出された後、下パッケージ部材3の内側主面31に向かって鉛直下方向に延伸し、ビア7を経由して下パッケージ部材3の外側主面32に形成された外部端子8と電気的に接続されている。以上のように、励振電極23の他方の極(232)が、他方の内部配線62,62を経由して各パッケージ部材の他の一つの前記外部端子8にそれぞれ共通接続されている。前述したように本発明の実施形態において、水晶振動子の内部には経路の異なる2種類の内部配線が形成されている。すなわち、図1に示すように励振電極231から引き出された内部配線61と、励振電極232から引き出された内部配線62の2種類となっている。
次に、水晶振動子1を構成する各部材について説明する。図2において水晶振動板2は、所定の角度で切り出されたATカット水晶板である。水晶振動板2は、励振電極23(231,232)が形成された凹部26と、枠部29と薄肉部28とを有しており、これらは一体的に成形されている。ここで枠部29は、凹部26を環状に包囲し、凹部26よりも厚肉に形成されている。薄肉部28は、振動部20と枠部29との間に形成され、土手部27よりも薄肉に形成されている。本実施形態において振動部20は、表裏に励振電極231,232が形成される凹部26と、凹部26を環状に包囲する土手部27とからなっている(いわゆる「逆メサ」形状の振動部となっている)。なお、振動部20の構造は上記構造に限定されるものではなく、平板状であってもよい。また、本実施形態では「逆メサ」形状の振動部の外周に薄肉部を形成した構造となっているが、枠部の内側の領域に薄肉部を有しない構造であってもよい。なお、これらの構造においても、振動部の厚さは枠部よりも薄くなる。
前記凹部26および土手部27、薄肉部28はウエットエッチングによって成形されている。そして凹部26の表裏主面(一主面21と他主面22)に異極の励振電極23(231,232)が真空蒸着法によって対向形成されている。本実施形態では励振電極23は水晶振動板2の表裏主面に、下から順に、クロム,金の膜構成で成膜されている。なお、前記電極の膜構成はこれに限定されるものではなく、その他の膜構成であってもよい。
励振電極231からは引出電極24が、励振電極232からは引出電極25がそれぞれ導出されている。励振電極231から引き出された引出電極24は、凹部26と土手部27の境界部分から二方向に分岐している。つまり、一方は、土手部27の一主面側(21)の縁部まで導出されている。また一方は、凹部26と土手部27の境界部分から凹部26を厚み方向に貫いて他主面側(22)へ引き回された後、土手部27の他主面側(22)の縁部まで導出されている。
同様に、励振電極232から引き出された引出電極25は、凹部26と土手部27の境界部分から二方向に分岐している。つまり、一方は、凹部26と土手部27の境界部分から凹部26を厚み方向に貫いて一主面側(21)へ引き回された後、土手部27の一主面側(21)の縁部まで導出されている。また一方は、土手部27の他主面側(22)の縁部まで導出されている。本実施形態において、引出電極24,25はクロムを下地として、その上に金がそれぞれ真空蒸着法によって形成された膜構成となっている。そして、引出電極24および25の各終端付近には金メッキ層50が電解メッキ法によって形成されている。
水晶振動板2の両主面21,22は鏡面加工仕上げとなっており、平坦平滑面として成形されている。水晶振動板2では、枠部29の両主面201,202は上パッケージ部材4および下パッケージ部材3との接合面として構成され、振動部20が振動領域として構成される。そして、枠部29の一主面201には上パッケージ部材4と接合するための金属ロウ材51が形成されている。また、枠部29他主面202には下パッケージ部材3と接合するための金属ロウ材52が形成されている。金属ロウ材51と52は、複数の層で構成されており、図1に示す接合材5の構成要素となっている。具体的に、本実施形態において金属ロウ材51および52は、最下層側からクロム層(図示省略)と金層(図示省略)とが真空蒸着法によって形成され、その上に金メッキ層(図示省略)が電解メッキ法によって積層された構成となっている。図2においては、これらの積層膜は一括で表示し、「51」の符号を付して表わしている。なお、金属ロウ材51と52とは形成幅は略同一となっている。
図2において、上パッケージ部材4および下パッケージ部材3は一対で形成されている。そしてパッケージ部材(3,4)は平面視矩形状の平板であり、Z板水晶が使用されている。パッケージ部材(3,4)の一主面(31,41)は平坦平滑面(鏡面加工)として成形されている。そして、各パッケージ部材の水晶振動板2との接合面側(31および41)の周縁には、金属ロウ材53が周状にそれぞれ形成されている。ここで、金属ロウ材53の形成幅は金属ロウ材51および金属ロウ材52の形成幅と略同一となるように形成されている。金属ロウ材53は、図2に示すように最下層側からクロム層(図示省略)、金層(531)、金錫合金(532)、金フラッシュメッキ層(533)の順序で形成されている。ここで、クロム層および金層531は真空蒸着法によって、金錫合金層532、金フラッシュメッキ層533(金錫合金層の厚さに比して極薄状態の金層)は、それぞれ電解メッキ法によって形成されている。なお、金錫合金層(532)の代わりに、錫メッキ層の上に金メッキ層を積層した構成としてもよい。この場合、錫メッキ層上には極薄状態の金ストライクメッキ層(電解メッキ時のシード層)を形成しておくのが好ましい。
各パッケージ部材の一主面(31,41)の,金属ロウ材53よりも内側の領域には、水晶振動板2の引出電極24または引出電極25の終端付近と、金属ロウ材を介して接合される内底面導体34または内底面導体44が形成されている。これらの内底面導体は、最下層側からクロム層(図示省略)、金層の順序で真空蒸着法によって形成されている。そして、各パッケージ部材の一主面(31,41)に形成された内底面導体(34,44)の端部付近には、金錫合金メッキ層(33,43)が形成されている。金錫合金メッキ層(33,43)は、前述の金錫合金層532の形成時に同時に形成される。
各パッケージ部材(3,4)には、パッケージ部材を厚さ方向に貫く貫通孔の内部に導体が充填されたビア7が複数形成されている。
各パッケージ部材の他主面(32,42)には、各種外部機器等と入出力用端子として接続される外部端子8が形成されている。本実施形態では一つのパッケージ部材につき、2つの外部端子が形成されている。外部端子8は複数の金属膜からなり、最下層側からクロム層(図示省略)、金層の順序で真空蒸着法によって形成されている。そして外部端子8の一端部はビア7の下端部と電気的に接続されている。以上が水晶振動子1を構成する主要部材の説明である。
本実施形態における水晶振動子1を製造する際は、下パッケージ部材3の一主面31に形成された金属ロウ材53上に、水晶振動板2を、枠部29の他主面202の金属ロウ材52が平面視で略一致するように載置した後、仮止め接合を行う。同様に、水晶振動板2の枠部29の一主面201の金属ロウ材51上に、上パッケージ部材4を、一主面41側に形成された金属ロウ材53が平面視で略一致するように載置した後、仮止め接合を行う。なお、仮止め接合後の状態が図3となっている。
前記仮止め接合の後、所定の工程(周波数調整工程等)を経てから、仮止めされた部材(上パッケージ部材,水晶振動板,下パッケージ部材)を所定温度条件で加熱する。これによって、金属ロウ材(51,52,53)、金メッキ層50、金錫合金メッキ層(33,43)等が溶融し、上パッケージ部材4と水晶振動板2と下パッケージ部材3とが本接合される。前記本接合によって、上パッケージ部材4の金錫合金メッキ層43と、水晶振動板2の引出電極24上の金メッキ層50と、下パッケージ部材3の金錫合金メッキ層33とが一体化される。これにより、引出電極24および前記一体化された導体部分と内底面導体44とビア7とが連通した,一方の内部配線61が形成される。同様に、前記本接合によって、上パッケージ部材4の金錫合金メッキ層43と、水晶振動板2の引出電極25上の金メッキ層50と、下パッケージ部材3の金錫合金メッキ層33とが一体化される。これにより、引出電極25および前記一体化された導体部分と内底面導体44とビア7とが連通した,他方の内部配線62が形成される。
上記構成によれば、水晶振動子1の表裏主面の両方に外部端子8が形成されているので、水晶振動子1の表裏いずれの面(32または42)においても基板への搭載が可能になる。これにより、超小型の水晶振動子であっても、パッケージ底面の識別の必要が無くなるため、生産効率が向上する。
さらに、上記水晶振動子は、パッケージ部材の材料にガラスまたは水晶が用いられているため、従来のセラミックパッケージの焼成時の積層ずれの問題を防止することができる。また、パッケージ部材がガラスまたは水晶で構成されているため、フォトリソグラフィ技術やウエットエッチングやドライエッチングを用いて高精度にパターニングや成形を行うことができる。
また上記構成によれば、水晶振動子1の内部に気密封止された励振電極23から、水晶振動子の表裏主面(32または42)に形成された外部端子8への電気的接続を、内部配線61および内部配線62を経由して行っているため、信頼性の高い水晶振動子を得ることができる。励振電極から外部端子までの電気的接続を、圧電振動デバイスの外部へ配線を導出して行う場合、金属で形成された配線が大気中に晒されるため、経時変化に悪影響を及ぼすおそれがある。また前記外部配線に酸化防止膜を形成したとしても、外部配線自体が露出しているため、物理的に保護され難い問題が存在する。これに対して、本発明の圧電振動デバイスであれば、内部配線を経由して励振電極と外部端子とが電気的に接続されているため上記問題を抑制することができる。
−第2の実施形態−
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同一の効果を有するとともに説明を割愛する。
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同一の効果を有するとともに説明を割愛する。
本発明の第2の実施形態を示す水晶振動子の断面模式図を図4に示す。また、本発明の第2の実施形態を示す水晶振動子を分解した断面模式図を図5に示す。本実施形態において、下パッケージ部材3および上パッケージ部材4はガラスからなり、一対で形成されている。本実施形態では水晶振動子のパッケージ構造および水晶振動板の構造が、第1の実施形態とは異なっている。つまり、各パッケージ部材には凹陥部(30,40)がドライエッチングによって形成されている。また、水晶振動板2は主面中央部分に窪みを有する構造となっている。そして、図5に示すように、互いの凹陥部が対向するようにしてパッケージ部材同士が封止材9を介して接合される。なお、本実施形態において封止材9は後述するガラスロウ材37と47が一体化したものである。
以下、下パッケージ部材3について説明するが、上パッケージ部材4は下パッケージ部材3と同一につき、説明は割愛する。なお、下パッケージ部材3と上パッケージ部材4は同一構成であるが、説明の便宜上、異なる符号で表示している部分がある。図5に示すように、凹陥部30の周囲には堤部36が周状に形成されている。そして、堤部36の上面には低融点ガラスからなるガラスロウ材37が周状に形成されている。凹陥部30の内底面(一主面31)には、一主面31から他主面32にパッケージ部材を厚さ方向に貫く貫通孔に、導体(金錫合金)が充填されたビア7が2箇所形成されている。
凹陥部30の内底面(一主面31)には、ビア7の上端部(一主面31側)を覆うように内底面導体34が形成されている。そして内底面導体34の一端側は、堤部36の内側面に形成された内側面導体35の一端側(堤部と内底面との境界部分)と繋がっている。内側面導体35の他端側は、堤部36の上面と略同一高さまで形成されている。なお、ガラスロウ材37は、内側面導体35の他端側に接触しないよう、堤部36の上面全体ではなく、堤部内周縁の領域を避けて形成することが好ましい。本実施形態では、内底面導体34および内側面導体35は、真空蒸着法によって一括で形成され、クロムを下地層とし、その上に金層が積層された膜構成となっている。内底面導体34の、水晶振動板と接合される領域には、金錫合金33が形成されている。また、金錫合金33の上には金フラッシュメッキ層(図示省略)が形成されている。
下パッケージ部材3の他主面32には一対の外部端子8,8が形成されている。外部端子8は、ビア7の下端部(他主面32側)を覆うように形成されている。外部端子8は、真空蒸着法によって形成され、クロムを下地層とし、その上に金層が積層された膜構成となっている。
本実施形態において、水晶振動板2は平面視矩形のATカット水晶片である。図5に示すように、水晶振動板2は中央部分が窪み(凹部26)、外周部分が厚肉(枠部29)となった構造(いわゆる、逆メサ構造)となっている。凹部26の表裏主面(21,22)には励振電極23(231,232)が対向形成されている。励振電極23の一方の極(231)は一主面21上から、凹部26を厚さ方向に貫く貫通孔の内部を経由して、他主面22側へ導出され、最終的に枠部29の一主面側まで延出されている(引出電極24)。また、励振電極23の他方の極(232)は他主面22上から、枠部29の一主面側まで延出されている(引出電極25)。引出電極24,25の上部には金メッキ層50,50が形成されている。
次に、本実施形態における水晶振動子1の製造方法について概略を説明する。まず水晶振動板2を、金メッキ層50が下パッケージ部材3の金錫合金33に正対するようにして、下パッケージ部材3の凹陥部30の内部に位置決め載置する。そして水晶振動板2と下パッケージ部材3とを、金メッキ層50および金錫合金33等を介して仮止め接合する。次に所定の工程(周波数調整工程等)を経てから、仮止めされた水晶振動板2と下パッケージ部材3を所定温度条件で加熱する。これによって、水晶振動板2と下パッケージ部材3とが本接合される。
次に、下パッケージ部材3の堤部36の上面に、上パッケージ部材4を位置決め載置する。具体的に、上パッケージ部材4の堤部46の上面に形成されたガラスロウ材47が、下パッケージ部材3の堤部36の上面のガラスロウ材37上に位置するように、上パッケージ部材4を位置決め載置する。
その後、所定温度プロファイルに制御された環境下で、内側面導体35と内側面導体45とを溶融させて一体化させる。これによって図4に示すように、一方の極(励振電極231)が、引出電極24および内底面導体34および、一体化された内側面導体35,45と内底面導体44と、2箇所(パッケージ部材3,4の)のビア7,7とが連通した,一方の内部配線61が形成される。同様に、内側面導体35と内側面導体45とが一体化されることによって、図4に示すように、他方の極(励振電極232)が、引出電極25および内底面導体34および、一体化された内側面導体35,45と内底面導体44と、2箇所(パッケージ部材3,4の)のビア7,7とが連通した,他方の内部配線62が形成される。
そして、前記温度環境下でガラスロウ材37,47も溶融によって一体化される。これにより、下パッケージ部材3と上パッケージ部材4とが気密接合される。なお、本実施形態では封止材9にガラスロウ材を用いているが、ガラスロウ材に代えて金属ロウ材を用いてもよい。この場合、金属ロウ材を介して内部配線61と62とが短絡しないように、金属ロウ材の配置に工夫が必要となる。例えば、前記金属ロウ材を堤部36の内周縁の領域を避けて形成する等の工夫が必要である。なお、内側面導体45と、内側面導体35とが接触するように、上パッケージ部材4を下パッケージ部材3の上に位置決め載置し、超音波を引加することによって、周状に形成された内側面導体35,45とを部分的に接合してもよい。そして、前記接合後に雰囲気加熱によってガラスロウ材37と47とを溶融一体化してもよい。
上記構成によれば、水晶振動子の表裏主面の両方に外部端子が形成されているので、水晶振動子の表裏いずれの面においても基板への搭載が可能になる。これにより、超小型の圧電振動デバイスであっても、パッケージ底面の識別の必要が無くなるため、生産効率を向上させることができる。また、パッケージの表裏識別が不要となるため、例えばエンボステーピングのように、エンボス加工された複数のポケットに、複数の圧電振動デバイスを一対一で面方向を揃えて収容する必要が無い。つまり、テーピングを行わずに出荷することも可能となり、製造コストを削減することができる。
また上記構成によれば、水晶振動子の内部に気密封止された励振電極から、水晶振動子の表裏主面に形成された外部端子への電気的接続を内部配線を経由して行っているため、信頼性の高い水晶振動子を得ることができる。
上述した本発明の実施形態では、水晶振動板のパッケージ部材との接合領域に金を、パッケージ部材における水晶振動板との接合領域に金錫合金(または金および錫)をそれぞれ用いている。しかしながら、本発明の適用は前記組み合わせに限定されるものではなく、他の組み合わせであってもよい。すなわち、共晶合金を形成する他の金属の組み合わせであってもよく、例えば金とゲルマニウム、金とシリコン、銀とゲルマニウム、銀とシリコン等の組み合わせであってもよい。また、共晶合金を使用せず、単一金属を使用してもよい。例えば、水晶振動板のパッケージ部材との接合領域に金バンプを形成し、パッケージ部材に前記金バンプを接触させた状態で超音波を印加することによって、水晶振動板をパッケージ部材に接合してもよい。
本発明の実施形態において圧電振動板として、厚みすべり振動を行うATカット水晶振動片を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば屈曲振動を行う音叉型水晶振動片を用いてもよい。
本発明の実施形態では表面実装型水晶振動子を例にしているが、水晶フィルタ、集積回路等の電子部品に水晶振動子を組み込んだ水晶発振器など、電子機器等に用いられる他の表面実装型の圧電振動デバイスの製造方法にも適用可能である。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
圧電振動デバイスの量産に適用できる。
1 水晶振動子
2 水晶振動板
231 励振電極(一方の極)
232 励振電極(他方の極)
3 下パッケージ部材
35、45 内側面導体
4 上パッケージ部材
61 一方の内部配線
62 他方の内部配線
7 ビア
8 外部端子
2 水晶振動板
231 励振電極(一方の極)
232 励振電極(他方の極)
3 下パッケージ部材
35、45 内側面導体
4 上パッケージ部材
61 一方の内部配線
62 他方の内部配線
7 ビア
8 外部端子
Claims (3)
- 圧電振動板に形成された一対の励振電極が、一対のパッケージ部材によって気密封止された圧電振動デバイスであって、
前記一対のパッケージ部材はガラスまたは水晶からなり、各パッケージ部材の外側主面には、少なくとも一組の入出力用の外部端子がそれぞれ形成され、前記圧電振動デバイスの内部には、経路の異なる2つの内部配線が形成されてなり、
前記励振電極は、一方の極が、一方の内部配線を経由して各パッケージ部材の一つの前記外部端子にそれぞれ共通接続され、
他方の極が、他方の内部配線を経由して各パッケージ部材の他の一つの前記外部端子にそれぞれ共通接続されていることを特徴とする圧電振動デバイス。 - 前記内部配線が、前記圧電振動板の表裏主面と、前記一対のパッケージ部材の内側主面とを鉛直方向に直接接続する導体であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
- 前記内部配線が、前記圧電振動板の一主面を、一方の前記パッケージ部材の内側面と一対の前記パッケージ部材の内側面を経由して、他方の前記パッケージ部材の内側面に接続する導体であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
- 2009-04-14 JP JP2009097757A patent/JP2010251943A/ja active Pending
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