JP2010249979A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子基板側から入射した光を共通電極で反射して素子基板から出射する方式を採用した場合でも、画素トランジスターの能動層に強い光が入射することのない液晶装置、および該液晶装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置100においては、素子基板10側から入射した光を対向基板20の光反射性共通電極21で反射して素子基板10から出射する。光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dのみに形成されている。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かった光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fを通って対向基板20を透過し、画素トランジスター30の能動層に向けて反射しない。
【選択図】 図5
【解決手段】液晶装置100においては、素子基板10側から入射した光を対向基板20の光反射性共通電極21で反射して素子基板10から出射する。光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dのみに形成されている。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かった光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fを通って対向基板20を透過し、画素トランジスター30の能動層に向けて反射しない。
【選択図】 図5
Description
本発明は、液晶装置および該液晶装置を備えた電子機器に関するものである。
液晶装置は、画素トランジスターおよび画素電極が設けられた素子基板と、画素電極に液晶層を介して対向する共通電極を備えた対向基板とを備えている。かかる液晶装置のうち、反射型の液晶装置は、通常、対向基板側から入射した光が画素電極で反射して対向基板から出射される間に液晶層によって光変調される。このため、共通電極および対向基板は透光性であり、画素電極は光反射性である。
一方、反射型の液晶装置として、素子基板側から入射した光が対向基板側の共通電極で反射して素子基板から出射される間に液晶層によって光変調される液晶装置も提案されており、かかる反射型の液晶装置では、画素電極および素子基板は透光性であり、共通電極は光反射性である(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の反射型の液晶装置では、素子基板側から斜めに入射した光が、対向基板に設けた光反射性の共通電極で反射して画素トランジスターの能動層に入射するおそれがあるため、画素トランジスターでは、光電流に起因する誤動作が発生するという問題点がある。特に液晶装置を投射型表示装置のライトバルブとして用いた場合には、光源部からの強い光が液晶装置に入射するので、画素トランジスターでの光電流に起因する誤動作を避けることができない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、素子基板側から入射した光を対向基板側の共通電極で反射して素子基板から出射する方式を採用した場合でも、画素トランジスターの能動層に強い光が入射することのない液晶装置、および該液晶装置を備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、素子基板と、対向基板と、該素子基板と該対向基板との間に挟持された液晶層と、該素子基板の該対向基板と対向する面に設けられた画素トランジスターおよび該画素トランジスターに電気的に接続する画素電極と、該画素電極に対向するように該対向基板の該素子基板と対向する面に設けられた光反射性共通電極と、を有する液晶装置であって、前記画素電極および前記素子基板は透光性を備え、前記画素トランジスターの能動層に対して平面視で重なる領域には、前記光反射性共通電極が設けられていない領域が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る液晶装置は反射型であり、素子基板側から入射した光を対向基板側の光反射性共通電極で反射して素子基板から出射する。その際、素子基板側から光が斜めに入射すると、かかる光は、対向基板に設けた光反射性共通電極で反射して画素トランジスターの能動層に向かおうとするが、本発明では、対向基板において画素トランジスターの能動層に対して平面視で重なる領域には、光反射性共通電極が形成されていない領域が設けられている。このため、素子基板側から斜めに入射した光が光反射性共通電極で反射しても、画素トランジスターの能動層に入射する光量を減少させることができる。それ故、光電流に起因する画素トランジスターの誤動作が発生しにくくなる。
本発明において、前記光反射性共通電極は、例えば、前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた光反射性導電膜により構成することができる。
本発明において、前記対向基板は、前記素子基板に対向する面側に、前記能動層に対して平面視で重なる領域および前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた導電膜と、該導電膜の上層あるいは下層において前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた光反射性導電膜と、を備え、前記光反射性共通電極は前記光反射性導電膜により構成され、前記導電膜の光反射率は前記光反射性導電膜の光反射率よりも低い構造を採用することもできる。この構成によれば、前記能動層に対して平面視で重なる領域に光反射性共通電極を構成する光反射性導電膜を設けない場合であっても、各画素に対応する光反射性共通電極が低反射性の導電膜によって導通しているので、全ての光反射性共通電極に共通電位を容易に印加することができる。
本発明において、前記対向基板は、前記素子基板に対向する面側に、前記能動層に対して平面視で重なる領域および前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた導電性光反射面と、該導電性光反射面において前記能動層に対して平面視で重なる領域に設けられた低反射性の対向基板側遮光層と、を備え、前記光反射性共通電極は、前記導電性光反射面において前記対向基板側遮光層から露出している部分により構成されている構造を採用してもよい。この構成によれば、互いに隣り合う光反射性共通電極同士は互いに導通している。従って、光反射性共通電極が画素ごとに分割されていても、全ての光反射性共通電極に共通電位を容易に印加することができる。
この場合、前記導電性光反射面は、前記対向基板において前記素子基板に対向する面側に設けられた光反射性導電膜により構成することができる。
また、前記対向基板が金属基板であり、前記導電性光反射面については、当該金属基板において前記素子基板に対向する面により構成してもよい。
本発明において、前記画素トランジスターの能動層に対して前記液晶層が位置する側とは反対側には、前記能動層に平面視で重なる素子基板側遮光層が設けられていることが好ましい。本発明に係る液晶装置では、素子基板から光が入射するが、画素トランジスターの能動層に対して液晶層が位置する側とは反対側(光が入射してくる側)には、能動層に平面視で重なる遮光層が設けられている。従って、素子基板側から入射した光のうち、画素トランジスターの能動層に向かう光は遮光層で遮られるので、画素トランジスターの能動層に強い光が入射することはない。それ故、光電流に起因する画素トランジスターの誤動作が発生しにくい。
本発明を適用した液晶装置は、携帯電話機やモバイルコンピューター等の電子機器に用いることができる。また、本発明を適用した液晶装置は、投射型表示装置(電子機器)に用いた場合に特に効果的である。すなわち、投射型表示装置は、前記液晶装置に光を供給する光源部と、前記液晶装置によって光変調された光を投射する投射光学系と、を備えており、光源部から出射された光を液晶装置により光変調し、かかる変調光を投射光学系により投射する。このため、光源部からの強い光が液晶装置に入射するが、本発明によれば、かかる強い光が画素トランジスターの能動層に入射することを抑制することができるので、画素トランジスターに光電流が発生しにくい。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。なお、電界効果型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、本発明で用いる材料において「低反射性」とは共通電極(光反射性共通電極)に比較して光反射率が低いことを意味する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した反射型の液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示おいて、液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードあるいはVA(Vertical Alignment)モードの反射型の液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10bを備えている。かかる液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10では、画素領域10bの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
(全体構成)
図1は、本発明を適用した反射型の液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示おいて、液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードあるいはVA(Vertical Alignment)モードの反射型の液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10bを備えている。かかる液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10では、画素領域10bの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
素子基板10において、画素領域10bの外側領域には走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101が構成されている。データ線駆動回路101は各データ線6aの一端に電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線5bが形成されている。容量線5bは共通電位線(COM)に接続され、所定の電位に保持されている。なお、保持容量55は前段の走査線3aとの間に形成される場合もある。
(液晶パネル100pおよび素子基板10の構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。図2(a)、(b)に示すように、液晶装置100の液晶パネル100pでは、所定の隙間を介して素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の縁に沿うように配置されている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
図2(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。図2(a)、(b)に示すように、液晶装置100の液晶パネル100pでは、所定の隙間を介して素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の縁に沿うように配置されている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
素子基板10において、シール材107の外側領域では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材109が形成されている。
詳しくは後述するが、素子基板10の両面のうち、一方の基板面(素子形成面10a)には、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されている。これに対して、対向基板20において、素子基板10と対向する面20aの側には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像形成領域10sとされている。また、対向基板20の面20aには光反射性共通電極21が形成されている。かかる光反射性共通電極21は対向基板20の略全面において複数の画素100aに跨って形成される。画素領域10bには、額縁108と重なる領域にダミーの画素が構成される場合があり、この場合、画素領域10bのうち、ダミー画素を除いた領域が画像形成領域10sとして利用されることになる。
かかる液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
(素子基板10、画素電極9aおよび光反射性共通電極21の光学特性)
本形態においては、素子基板10および画素電極9aは透光性である。すなわち、本形態では、素子基板10の基板本体10dには石英基板やガラス基板等の透光性基板が用いられ、画素電極9aは、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透光性導電膜からなる。
本形態においては、素子基板10および画素電極9aは透光性である。すなわち、本形態では、素子基板10の基板本体10dには石英基板やガラス基板等の透光性基板が用いられ、画素電極9aは、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透光性導電膜からなる。
また、本形態においては、対向基板20の基板本体20dには、素子基板10と同様、石英基板やガラス基板等の透光性基板が用いられているが、光反射性共通電極21は、アルミニウム合金等の光反射性金属膜(光反射性導電膜)からなる。
このように形成した液晶装置100では、図2(b)に矢印Lで示すように、素子基板10の側から入射した光が光反射性共通電極21で反射して再び、素子基板10の側から出射される間に液晶層50によって画素毎に光変調される結果、画像が表示される。
(画素の具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の画素1つ分の断面図である。図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100に用いた素子基板10において相隣接する画素100aの平面図、およびこの素子基板10上における素子基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および光反射性共通電極21の形成領域を右下がりの斜線領域として示す説明図である。なお、図3は、図4(a)のA−A′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図に相当する。また、図4(a)、(b)および図5(b)では、半導体層は細くて短い点線で示し、走査線3aは太い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は一点鎖線で示し、容量線5bは二点鎖線で示し、画素電極9aは太くて長い点線で示し、後述する中継電極は細い実線で示してある。
図3は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の画素1つ分の断面図である。図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100に用いた素子基板10において相隣接する画素100aの平面図、およびこの素子基板10上における素子基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および光反射性共通電極21の形成領域を右下がりの斜線領域として示す説明図である。なお、図3は、図4(a)のA−A′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図に相当する。また、図4(a)、(b)および図5(b)では、半導体層は細くて短い点線で示し、走査線3aは太い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は一点鎖線で示し、容量線5bは二点鎖線で示し、画素電極9aは太くて長い点線で示し、後述する中継電極は細い実線で示してある。
図3、図4(a)および図5(a)に示すように、素子基板10において液晶層50が位置する側の素子基板面10aの側には、複数の画素100aの各々に矩形状の画素電極9aが形成されており、各画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。データ線6aおよび走査線3aは各々、直線的に延びている。また、データ線6aと走査線3aとが交差する領域に半導体層1aを能動層とする画素トランジスター30が形成されている。また、素子基板10上には、走査線3aと重なるように容量線5bが形成されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10dの液晶層50側の面(素子形成面10a)に形成された画素電極9a、画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されており、対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20d、その液晶層50側の面20aに形成された光反射性共通電極21、および配向膜29を主体として構成されている。
素子基板10において、複数の画素100aの各々には画素トランジスター30が形成されている。画素トランジスター30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する薄膜トランジスター(電界効果型トランジスター)であり、半導体層1a(能動層)には、走査線3aに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1g、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eが形成されている。半導体層1aは、例えば、基板本体10d上に下地絶縁膜12を介して形成された多結晶シリコン膜等によって構成され、ゲート絶縁層2は、半導体層1aに対する熱酸化膜等により形成できる。走査線3aには、ポリシリコンやアモルファスシリコン、単結晶シリコン膜等のシリコン膜や、これらのポリサイドやシリサイド、さらには金属膜が用いられる。
走査線3aの上層側には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール82、および高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83を備えたシリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41の上層には中継電極4a、4bが形成されている。中継電極4aは、走査線3aとデータ線6aとの交差する位置を基点として走査線3aおよびデータ線6aに沿って延出する略L字型に形成されており、中継電極4bは、中継電極4aと離間した位置において、データ線6aに沿うように形成されている。中継電極4aは、コンタクトホール83を介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続され、中継電極4bは、コンタクトホール82を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。
中継電極4a、4bの上層側には、シリコン窒化膜等からなる誘電体膜42が形成されている。誘電体膜42の上層側には、誘電体膜42を介して中継電極4aと対向するように容量線5bが形成され、保持容量55が形成されている。中継電極4a、4bは導電性のポリシリコン膜や金属膜等からなり、容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、高融点金属を含む金属シリサイド膜、それらの積層膜、金属膜からなる。
容量線5bの上層側には、中継電極4aへ通じるコンタクトホール87、および中継電極4bへ通じるコンタクトホール81を備えたシリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁膜43が形成されている。第2層間絶縁膜43の上層にはデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成されている。データ線6aはコンタクトホール81を介して中継電極4bに電気的に接続し、中継電極4bを介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続している。ドレイン電極6bはコンタクトホール87を介して中継電極4aに電気的に接続し、中継電極4aを介して、高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続している。データ線6aおよびドレイン電極6bは、導電性のポリシリコン膜、高融点金属を含む金属シリサイド膜、それらの積層膜、金属膜からなる。
データ線6aおよびドレイン電極6bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる第3層間絶縁膜44が形成されている。第3層間絶縁膜44には、ドレイン電極6bへ通じるコンタクトホール86が形成されている。第3層間絶縁膜44の上層には、ITO膜等からなる透光性の画素電極9aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール86を介してドレイン電極6bに電気的に接続されている。画素電極9aの表面には配向膜16が形成されている。配向膜16は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜16は、シリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなり、かかる無機配向膜を用いた場合、配向膜16と画素電極9aとの層間にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の保護膜が形成されることもある。
このように構成した素子基板10において、複数の画素100aのいずれに対しても、画素トランジスター30の半導体層1a(能動層)に対して液晶層50が位置する側とは反対側には、少なくとも画素トランジスター30の半導体層1aに平面視で重なる素子基板側遮光層7aが設けられている。素子基板側遮光層7aは、チャネル領域1gに加えて、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cにも平面視で重なることが望ましい。本形態において、素子基板側遮光層7aは、基板本体10dと下地絶縁膜12との層間に形成されている。かかる素子基板側遮光層7aは、例えば、導電性ポリシリコン膜や、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属の単体膜、合金膜、金属シリサイド膜、金属ナイトライド膜、ポリシリサイド膜、あるいはそれらの積層膜等により形成することができる。
ここで、画素トランジスター30の半導体層1a(能動層)は、データ線6aに対して平面視で重なる領域に形成されている。このため、本形態において、素子基板側遮光層7aは、図4(b)に示すように、データ線6aに対して平面視で重なるよう延在し、さらに、走査線3aに対して平面視で重なるよう延在している。このため、各画素100aにおいて、素子基板10での各画素100aにおける透光領域は素子基板側遮光層7aによって規定されている。
(対向基板20の構成)
図3および図5(a)、(b)に示すように、対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20dの液晶層50側の面20a(素子基板10に対向する側の面20a)にアルミニウムやアルミニウム合金等といったアルミニウム系材料や、銀や銀合金等といった銀系材料からなる光反射性の金属膜によって光反射性共通電極21が形成されており、かかる光反射性共通電極21を覆うように配向膜29が形成されている。配向膜29は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜29は、シリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなり、かかる無機配向膜を用いた場合、配向膜29と光反射性共通電極21との層間にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の保護膜が形成されることもある。
図3および図5(a)、(b)に示すように、対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20dの液晶層50側の面20a(素子基板10に対向する側の面20a)にアルミニウムやアルミニウム合金等といったアルミニウム系材料や、銀や銀合金等といった銀系材料からなる光反射性の金属膜によって光反射性共通電極21が形成されており、かかる光反射性共通電極21を覆うように配向膜29が形成されている。配向膜29は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜29は、シリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなり、かかる無機配向膜を用いた場合、配向膜29と光反射性共通電極21との層間にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の保護膜が形成されることもある。
このように構成した対向基板20において、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには、光反射性共通電極21が設けられていない領域が設けられている。つまり、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されておらず、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dで画素電極9aと対向している。従って、対向基板20において画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cは、光反射性共通電極21の非形成領域21fになっている。
ここで、画素トランジスター30の半導体層1a(能動層)は、データ線6aに対して平面視で重なる領域でデータ線6aに沿うように延在している。このため、本形態において、光反射性共通電極21の非形成領域21fは、データ線6aに対して平面視で重なる領域でデータ線6aに沿うように延在している。但し、走査線3aの延在方向で隣り合う光反射性共通電極21同士は、光反射性共通電極21の連結部21cで繋がっている。このため、光反射性共通電極21は電気的に分割されていないため、図2(a)に示す上下導通材109を介して光反射性共通電極21に所定の共通電位を印加すれば、光反射性共通電極21の全体に共通電位を印加することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の液晶装置100においては、画素電極9aおよび素子基板10は透光性を備え、光反射性共通電極21は光反射性を備えている。このため、図5(a)に矢印Lで示すように、素子基板10側から入射した光を対向基板20側の光反射性共通電極21で反射して素子基板10から出射することができる。その際、光反射性共通電極21は画素電極9aと違って、表面が平坦面であるため、光の反射方向を好適に制御することができる。すなわち、画素電極9aの表面には、各種配線や画素トランジスター30の凹凸が反映されるため、対向基板20側から入射した光を画素電極9aで反射して対向基板20から出射しようとすると、光の反射方向を制御することができない。これに対して、光反射性共通電極21は平坦な基板本体20dの基板面に形成されているので、表面が平坦であり、光の反射方向を好適に制御することができる。
以上説明したように、本形態の液晶装置100においては、画素電極9aおよび素子基板10は透光性を備え、光反射性共通電極21は光反射性を備えている。このため、図5(a)に矢印Lで示すように、素子基板10側から入射した光を対向基板20側の光反射性共通電極21で反射して素子基板10から出射することができる。その際、光反射性共通電極21は画素電極9aと違って、表面が平坦面であるため、光の反射方向を好適に制御することができる。すなわち、画素電極9aの表面には、各種配線や画素トランジスター30の凹凸が反映されるため、対向基板20側から入射した光を画素電極9aで反射して対向基板20から出射しようとすると、光の反射方向を制御することができない。これに対して、光反射性共通電極21は平坦な基板本体20dの基板面に形成されているので、表面が平坦であり、光の反射方向を好適に制御することができる。
また、本形態では、素子基板10から光が入射するが、画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)に対して液晶層50が位置する側とは反対側(光が入射してくる側)には、能動層(チャネル領域1g)及びLDD領域(低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c)に平面視で重なる素子基板側遮光層7aが設けられている。従って、素子基板10側から入射した光のうち、図5(a)に矢印Lxで示すように、画素トランジスター30の能動層及びLDD領域に向かう光は素子基板側遮光層7aで遮られるので、画素トランジスター30の能動層及びLDD領域に強い光が入射することはない。それ故、画素トランジスター30では、光電流に起因する誤動作が発生しない。
また、図5(a)に矢印Lyで示すように、素子基板10側から斜めに入射した光が、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域で反射すると、図5(a)に矢印Lzで示すように、画素トランジスター30の能動層に入射しようとする。しかるに本形態では、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かう光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fを通って対向基板20を透過する。このため、対向基板20側で反射した光が画素トランジスター30の能動層に入射することを抑制することができる。それ故、画素トランジスター30では、光電流に起因する誤動作が発生しにくい。
特に液晶装置100を、図9を参照して後述する投射型表示装置のライトバルブとして用いた場合には、光源部からの強い光が液晶装置に入射するが、このような場合でも、本形態によれば、画素トランジスター30は、光電流に起因する誤動作を起こしにくい。
[実施の形態2]
図6(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および光反射性共通電極21の形成領域を右下がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および光反射性共通電極21の形成領域を右下がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図6(a)において、本形態の液晶装置100も、実施の形態1と同様、素子基板10および画素電極9aは透光性であり、対向基板20の基板本体20dは、石英基板やガラス基板等の透光性基板からなる。
また、本形態でも、実施の形態1と同様、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。
かかる光反射性共通電極21を構成するにあたって、本形態では、対向基板20において素子基板10と対向する面20aには、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dの双方にITO膜からなる導電膜23が形成されている。かかる導電膜23(ITO膜)は、透光性を備えており、低反射性の導電膜である。また、導電膜23において素子基板10と対向する面側(上層側)には、光反射性共通電極21を構成するアルミニウム合金膜等の光反射性導電膜22が形成されている。かかる光反射性導電膜22は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。
このように構成した液晶装置100においても、実施の形態1と同様、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには、光反射性共通電極21が設けられていない領域が設けられている。つまり、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かう光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fを通って対向基板20を透過している。このため、対向基板20で反射した強い光が画素トランジスター30の能動層に入射することを抑制することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態において、対向基板20では、光反射性共通電極21の下層側には、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dの双方にITO膜からなる導電膜23が形成されている。このため、光反射性共通電極21については、図5(b)に示すように、光反射性共通電極21の非形成領域21fの間に連結部21cを残すように形成してもよいが、図6(b)に示すように、データ線6aの延在領域の全体にわたって光反射性共通電極21の非形成領域21fとしてもよい。図6(b)に示すように構成すると、走査線3aの延在方向において光反射性共通電極21が分離することになるが、光反射性共通電極21の下層側全体に導電膜23が形成されているため、光反射性共通電極21同士は導電膜23を介して導通している。それ故、全ての光反射性共通電極21に共通電位を容易に印加することができる。
また、光反射性共通電極21同士は導電膜23を介して導通しているため、データ線6aおよび走査線3aの延在領域の全体を光反射性共通電極21の非形成領域21fとしても、全ての光反射性共通電極21に共通電位を容易に印加することができる。
なお、本例では、導電膜23としてITO膜を用いたが、低反射性であれば、ITO膜のような透光性導電膜以外の導電膜を用いてもよい。
[実施の形態2の変形例1]
上記実施の形態2では、光反射性共通電極21の下層(光反射性共通電極21と基板本体20dとの間)にITO膜からなる導電膜23を形成した。但し、光反射性共通電極21の上層(光反射性共通電極21において素子基板10と対向する面)において、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dの全体にわたってITO膜等の透光性の導電膜23を形成してもよい。
上記実施の形態2では、光反射性共通電極21の下層(光反射性共通電極21と基板本体20dとの間)にITO膜からなる導電膜23を形成した。但し、光反射性共通電極21の上層(光反射性共通電極21において素子基板10と対向する面)において、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dの全体にわたってITO膜等の透光性の導電膜23を形成してもよい。
[実施の形態2の変形例2]
上記実施の形態2において、素子基板10の基板本体10dおよび対向基板20の基板本体20dは石英基板やガラス基板であったが、対向基板20の基板本体20dとして単結晶シリコン基板や低反射性の金属基板を用いてもよい。かかる単結晶シリコン基板や金属基板は、石英基板やガラス基板より熱伝導率が高いので、対向基板20は、素子基板10より熱伝導率が高いことになる。従って、対向基板20を介して効率よく放熱することができるので、液晶装置100全体の温度上昇を抑制することができる。また、対向基板20を冷却すれば、液晶装置100全体の温度を効果的に低下させることができるので、液晶装置100での熱による誤動作や寿命低下を防止することができる。
上記実施の形態2において、素子基板10の基板本体10dおよび対向基板20の基板本体20dは石英基板やガラス基板であったが、対向基板20の基板本体20dとして単結晶シリコン基板や低反射性の金属基板を用いてもよい。かかる単結晶シリコン基板や金属基板は、石英基板やガラス基板より熱伝導率が高いので、対向基板20は、素子基板10より熱伝導率が高いことになる。従って、対向基板20を介して効率よく放熱することができるので、液晶装置100全体の温度上昇を抑制することができる。また、対向基板20を冷却すれば、液晶装置100全体の温度を効果的に低下させることができるので、液晶装置100での熱による誤動作や寿命低下を防止することができる。
[実施の形態2の変形例3]
上記実施の形態2では、光反射性共通電極21の非形成領域21fは画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cよりも大きい。しかし、光反射性共通電極21の非形成領域21fは必ずしも半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cよりも大きくなくてもよい。光反射性共通電極21の非形成領域21fは少なくとも画素トランジスター30のチャネル領域1gとLDD領域とに平面視で重なっていればよい。この構成によれば、表示に用いられる光反射面の面積が大きくなるため、画素トランジスター30へ入射する光を抑制しつつ、より明るい表示が可能になる。
上記実施の形態2では、光反射性共通電極21の非形成領域21fは画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cよりも大きい。しかし、光反射性共通電極21の非形成領域21fは必ずしも半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cよりも大きくなくてもよい。光反射性共通電極21の非形成領域21fは少なくとも画素トランジスター30のチャネル領域1gとLDD領域とに平面視で重なっていればよい。この構成によれば、表示に用いられる光反射面の面積が大きくなるため、画素トランジスター30へ入射する光を抑制しつつ、より明るい表示が可能になる。
[実施の形態3]
図7(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態3に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および対向基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態3に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および対向基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7において、本形態の液晶装置100も、実施の形態1と同様、素子基板10および画素電極9aは透光性であり、対向基板20の基板本体20dは、石英基板やガラス基板等の透光性基板からなる。
また、本形態でも、実施の形態1と同様、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。
かかる光反射性共通電極21を構成するにあたって、本形態では、まず、対向基板20において素子基板10と対向する面20a側に、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dの双方に導電性光反射面20tが設けられている。かかる導電性光反射面20tは、対向基板20において素子基板10と対向する面20aに形成されたアルミニウム合金等からなる光反射性導電膜24によって構成されている。
また、導電性光反射面20t上において、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cには、導電性光反射面20tよりも光反射率が低い低反射性の対向基板側遮光層25が設けられている。従って、光反射性共通電極21は、導電性光反射面20t(光反射性導電膜24)において対向基板側遮光層25から露出している部分により構成され、対向基板側遮光層25が設けられている領域は、光反射性共通電極21の非形成領域21fになっている。かかる対向基板側遮光層25としては、例えば、導電性ポリシリコン膜や、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属の単体膜、合金膜、金属シリサイド膜、金属ナイトライド膜、ポリシリサイド膜、あるいはそれらの積層膜等を用いることができる。
このように構成した液晶装置100においても、実施の形態1、2と同様、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには、光反射性共通電極21が設けられていない領域が設けられている。つまり、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かう光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fに向かう。光反射性共通電極21の非形成領域21fの反射率は光反射性共通電極21に比べて低いので、対向基板20で反射した強い光が画素トランジスター30の能動層に入射することを抑制することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態において、光反射性共通電極21は、対向基板20の面20aの全面に形成した導電性光反射面20tにおいて対向基板側遮光層25から露出している部分により構成されているため、互いに隣り合う光反射性共通電極21同士は、互いに導通している。従って、図6(b)に示すように光反射性共通電極21が分割されていても、全ての光反射性共通電極21に共通電位を容易に印加することができる。
[実施の形態3の変形例1]
上記実施の形態3において、素子基板10の基板本体10dおよび対向基板20の基板本体20dは石英基板やガラス基板であったが、対向基板20の基板本体20dとして単結晶シリコン基板や金属基板を用いてもよい。かかる単結晶シリコン基板および金属基板は、石英基板やガラス基板より熱伝導率が高いので、対向基板20は、素子基板10より熱伝導率が高いことになる。従って、対向基板20を介して効率よく放熱することができるので、液晶装置100全体の温度上昇を抑制することができる。また、対向基板20を冷却すれば、液晶装置100全体の温度を効果的に低下させることができるので、液晶装置100での熱による誤動作や寿命低下を防止することができる。
上記実施の形態3において、素子基板10の基板本体10dおよび対向基板20の基板本体20dは石英基板やガラス基板であったが、対向基板20の基板本体20dとして単結晶シリコン基板や金属基板を用いてもよい。かかる単結晶シリコン基板および金属基板は、石英基板やガラス基板より熱伝導率が高いので、対向基板20は、素子基板10より熱伝導率が高いことになる。従って、対向基板20を介して効率よく放熱することができるので、液晶装置100全体の温度上昇を抑制することができる。また、対向基板20を冷却すれば、液晶装置100全体の温度を効果的に低下させることができるので、液晶装置100での熱による誤動作や寿命低下を防止することができる。
[実施の形態4]
図8(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態4に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および対向基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2、3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図8(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態4に係る液晶装置の各画素の断面構成を模式的に示す説明図、および対向基板側遮光層の形成領域を右上がりの斜線領域として示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2、3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図8において、本形態の液晶装置100も、実施の形態1と同様、素子基板10および画素電極9aは透光性である。また、本形態でも、実施の形態1と同様、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。
かかる光反射性共通電極21を構成するにあたって、本形態では、まず、対向基板20の基板本体20dとして、アルミニウム合金等からなる光反射性の金属基板20fが用いられている。このため、対向基板20において、素子基板10と対向する面20aは、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100c、および半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dのいずれもが導電性光反射面20tになっている。
また、導電性光反射面20t上において、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重なる領域100cには低反射性の対向基板側遮光層25が設けられている。従って、光反射性共通電極21は、導電性光反射面20t(金属基板20f)において対向基板側遮光層25から露出している部分により構成され、対向基板側遮光層25が設けられている領域は、光反射性共通電極21の非形成領域21fになっている。
このように構成した液晶装置100においても、実施の形態1、2、3と同様、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには、光反射性共通電極21が設けられていない領域が設けられている。つまり、光反射性共通電極21は、画素トランジスター30の半導体層1aに対して平面視で重ならない領域100dには形成されているが、画素トランジスター30の半導体層1aと平面視で重なる領域100cには形成されていない。従って、素子基板10側から斜めに入射した光のうち、対向基板20において画素トランジスター30の能動層(半導体層1a)と平面視で重なる領域に向かう光は、光反射性共通電極21の非形成領域21fに向かう。光反射性共通電極21の非形成領域21fの反射率は光反射性共通電極21に比べて低いので、対向基板20で反射した強い光が画素トランジスター30の能動層に入射することを抑制することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態において、光反射性共通電極21は、対向基板20の基板本体20dとして用いた金属基板20f(導電性光反射面20t)において対向基板側遮光層25から露出している部分により構成されているため、光反射性共通電極21同士は、導通している。従って、図6(b)に示すように光反射性共通電極21が分割されていても、全ての光反射性共通電極21に共通電位を容易に印加することができる。
さらに、素子基板10の基板本体10dは石英基板やガラス基板であるが、対向基板20の基板本体20dは金属基板20fからなる。かかる金属基板20fは、石英基板やガラス基板より熱伝導率が高いので、対向基板20は、素子基板10より熱伝導率が高いことになる。従って、対向基板20を介して効率よく放熱することができるので、液晶装置100全体の温度上昇を抑制することができる。また、対向基板20を冷却すれば、液晶装置100全体の温度を効果的に低下させることができるので、液晶装置100での熱による誤動作や寿命低下を防止することができる。
[電子機器への搭載例]
本発明に係る反射型液晶装置100は、図9(a)に示す投射型表示装置(液晶プロジェクター/電子機器)や、図9(b)、(c)に示す携帯用電子機器に用いることができる。
本発明に係る反射型液晶装置100は、図9(a)に示す投射型表示装置(液晶プロジェクター/電子機器)や、図9(b)、(c)に示す携帯用電子機器に用いることができる。
まず、図9(a)に示す電子機器は、投射型表示装置1000であり、光源部890は、システム光軸Lに沿って光源810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830が配置された偏光照明装置800を有している。また、光源部890は、システム光軸Lに沿って、偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。
また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3つの反射型の液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)を備えており、光源部890は、3つの液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)に所定の色光を供給する。
かかる投射型表示装置1000においては、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によってスクリーン860等の被投射部材に投射する。
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
また、図9(b)に示す携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、スクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての反射型の液晶装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、液晶装置100に表示される画面がスクロールされる。図9(c)に示す情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)は、複数の操作ボタン4001、電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての反射型の液晶装置100を備えており、電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が液晶装置100に表示される。
なお、対向基板20あるいは素子基板10等にカラーフィルターを形成すれば、カラー表示可能な反射型の液晶装置100を形成することができる。また、カラーフィルターを形成した反射型の液晶装置100を用いれば、単板式の投射型表示装置を構成することもできる。
1a・・画素トランジスターの半導体層(能動層)、7a・・素子基板側遮光層、9a・・画素電極、10・・素子基板、10d・・素子基板の基板本体、20・・対向基板、20d・・対向基板の基板本体、20t・・導電性光反射面、21・・光反射性共通電極、22、24・・光反射性導電膜、25・・対向基板側遮光層、30・・画素トランジスター、50・・液晶層、100・・液晶装置、100a・・画素
Claims (9)
- 素子基板と、対向基板と、該素子基板と該対向基板との間に挟持された液晶層と、該素子基板の該対向基板と対向する面に設けられた画素トランジスターおよび該画素トランジスターに電気的に接続する画素電極と、該画素電極に対向するように該対向基板の該素子基板と対向する面に設けられた光反射性共通電極と、
を有する液晶装置であって、
前記画素電極および前記素子基板は透光性を備え、
前記画素トランジスターの能動層に対して平面視で重なる領域には、前記光反射性共通電極が設けられていない領域が設けられていることを特徴とする液晶装置。 - 前記光反射性共通電極は、前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた光反射性導電膜により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
- 前記対向基板は、前記素子基板に対向する面側に、前記能動層に対して平面視で重なる領域および前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた導電膜と、該導電膜の上層あるいは下層において前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた光反射性導電膜と、を備え、
前記光反射性共通電極は前記光反射性導電膜により構成され、
前記導電膜の光反射率は前記光反射性導電膜の光反射率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記対向基板は、前記素子基板に対向する面側に、前記能動層に対して平面視で重なる領域および前記能動層に対して平面視で重ならない領域に設けられた導電性光反射面と、該導電性光反射面において前記能動層に対して平面視で重なる領域に設けられた、該導電性光反射面よりも光反射率が低い低反射性の対向基板側遮光層と、を備え、
前記光反射性共通電極は、前記導電性光反射面において前記対向基板側遮光層から露出している部分により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記導電性光反射面は、前記対向基板において前記素子基板に対向する面側に設けられた光反射性導電膜により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
- 前記対向基板は、金属基板であり、
前記導電性光反射面は、当該金属基板において前記素子基板に対向する面により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。 - 前記画素トランジスターの能動層に対して前記液晶層が位置する側とは反対側には、前記能動層に平面視で重なる素子基板側遮光層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液晶装置。
- 請求項1乃至7の何れか一項に記載の液晶装置を備えていることを特徴とする電子機器。
- 前記液晶装置に光を供給する光源部と、前記液晶装置によって光変調された光を投射する投射光学系と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2009097715A JP2010249979A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | 液晶装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009097715A JP2010249979A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | 液晶装置および電子機器 |
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Family Applications (1)
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JP2009097715A Withdrawn JP2010249979A (ja) | 2009-04-14 | 2009-04-14 | 液晶装置および電子機器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010249979A (ja) |
-
2009
- 2009-04-14 JP JP2009097715A patent/JP2010249979A/ja not_active Withdrawn
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