JP2010249538A - 4探針プローブ及びそれを用いた抵抗率測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電極探針と被測定物との接触面積及び接触面の間隔それぞれをより高い精度で維持できる4探針プローブ及びそれを用いた抵抗率測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る4探針プローブ10は、本体部11とその先端に形成された超硬ボール10a、10b、10c、10dを有する電極探針と、電極探針が4本摺動可能に保持された軸受ガイド12とを具備し、軸受ガイド12は、粉末を用いた焼結加工によって形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、4探針法による導電素材のシート抵抗値測定、抵抗率測定に用いられる4探針プローブ及びそれを用いた抵抗率測定装置等に関する。
従来の電気的特性検出装置としては、例えば、半導体や電子材料の比抵抗やシート抵抗値の測定、半導体や電子部品の電気的特性評価、電子基板の導通や導通テスト、及び拡がり抵抗測定等に用いる電気的特性検出装置がある。半導体基板の製造工程におけるシート抵抗値の測定等は、シリコンウェハの平面上と電極探針を接触させて行われる。この測定には、例えば4探針プローブを有する抵抗率測定装置が用いられている。
4探針プローブによるシリコンウェハのシート抵抗値の測定は、プローブ先端寸法が概ね数十ミクロン程度の電極探針を四本、等間隔でシリコンウェハの表面に接触させ、四本ある電極探針のうち外側の二本に定電流を流し、内側の二本の間に発生する電圧を測定することで行われる(例えば特許文献1参照)。
図5は、従来の抵抗率測定装置における4探針プローブを模式的に示す図である。
図5に示すように、4探針プローブは、4本の電極探針とそれらの電極探針を保持する軸受ガイド52を有している。4本の電極探針は、本体部55a、55b、55c、55dと、それらの先端のテーパー形状を有する接触部50a、50b、50c、50dとが一体化された構造を有している。この接触部50a、50b、50c、50dの先端は、半径Rが50〜400μm程の球面(図示せず)を有しており、被測定物の平面と面接触させるものである。また、軸受ガイド52にはルビー埋め込みによるルビー軸受部54が等間隔に設けられており、ルビー軸受部54によって本体部55a、55b、55c、55dが保持されている。
球面を有する接触部50a、50b、50c、50dの先端は、機械加工や電界研磨等の方法によって加工され寸法調整が行われているため、半径Rが50〜400μm程の球面に対して±10μmの寸法精度が限界である。従って、接触部50a、50b、50c、50dの球面と被測定物の平面と面接触するそれぞれの接触面の形状及び面積53a、53b、53c、53dは、不均一となることがあり、接触面の間隔も不均一となることがある。
特開平10−123190公報(図3)
上述したように、従来の4探針プローブにおける電極探針は、本体部55a、55b、55c、55dと接触部50a、50b、50c、50dとの一体化構造となっている。その為、接触部50a、50b、50c、50dの先端は、本体部55a、55b、55c、55dと同じ材料により形成され、その加工は、本体部55a、55b、55c、55dと一体で機械加工や電界研磨等の方法で行われている。これにより、接触部50a、50b、50c、50dの先端の球面の寸法精度を充分に高くすることができない。その結果、電極探針と被測定物との接触面積のばらつきを充分に抑えることができず、接触面の間隔を充分に均一にすることができない。
また、本体部55a、55b、55c、55dは、それぞれ軸受ガイド52に設置されたルビー軸受部54によって等間隔によって保持されているが、このルビー軸受部54は、加工技師によって手作業で加工形成され、検査技師によって加工寸法の精度が管理されている。ルビー軸受部54の寸法精度は、ルビー軸受部54を加工する加工技師と検査技師の能力に左右されるため、安定した精度管理と歩留まりを高くすることが困難となる。
また、抵抗率が測定される被測定物が薄膜化する傾向にあるため、電極探針と被測定物との接触面積及び接触面の間隔それぞれをより高い精度で管理することが求められている。
本発明の一態様は、電極探針と被測定物との接触面積及び接触面の間隔それぞれをより高い精度で維持できる4探針プローブ及びそれを用いた抵抗率測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る抵抗率測定装置は、 被測定物の測定面に接触させる4探針プローブと、
前記4探針プローブに電気的に接続され、定電流が印加され電圧値が検出される電気回路と、
前記電気回路によって検出された電圧値を用いて抵抗率を演算する演算手段と、
を具備し、
前記4探針プローブは、
本体部とその先端に形成された超硬ボールを有する電極探針と、
前記電極探針が4本摺動可能に保持された軸受ガイドとを備えており、
前記軸受ガイドは、粉末を用いた焼結加工によって形成されていることを特徴とする。
上記抵抗率測定装置によれば、本体部とは別に製造された球状の超硬ボールを本体部の先端部に固定した4探針プローブを用いている。これにより、超硬ボールの寸法誤差を低減させることができ、4本の電極探針それぞれと被測定物との接触面積のばらつきを極めて小さくすることができる。また、軸受ガイドを、粉末を用いた焼結加工によって形成することにより、軸受ガイドに保持された電極探針の相互間隔の精度を非常に高く維持できる。
また、本発明の一態様に係る抵抗率測定装置において、前記超硬ボールの表面は、プラズマエッチングによって処理されていることが好ましい。
上記抵抗率測定装置によれば、超硬ボールの表面をプラズマエッチングによって処理している。これにより、超硬ボールの表面の濡れ性を向上させることができる。その結果、被測定物の測定面に対して超硬ボールの接触抵抗を低減することができ、安定した面接触を行うことが可能となる。
また、本発明の一態様に係る抵抗率測定装置において、前記超硬ボールはレーザー溶着によって前記本体部に固定されていることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る4探針プローブは、本体部とその先端に形成された超硬ボールを有する電極探針と、
前記電極探針が4本摺動可能に保持された軸受ガイドと、
を具備し、
前記軸受ガイドは、粉末を用いた焼結加工によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る4探針プローブにおいて、前記超硬ボールの表面は、プラズマエッチングによって処理されていることが好ましい。
本発明によれば、電極探針と被測定物との接触面積及び接触面の間隔それぞれをより高い精度で維持できる4探針プローブ及びそれを用いた抵抗率測定装置を提供することができる。
図2(a)に示す抵抗率測定装置の一部を構成する4探針プローブ10を模式的に示す図。 (a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る抵抗率測定装置を模式的に示す図。 図2(a)及び(b)に示す抵抗率測定装置における電気回路の一部を示す図。 図1に示す4探針プローブを用いた抵抗率測定装置の動作を説明する図。 従来の抵抗率測定装置における4探針プローブを模式的に示す図。
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
図2(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る抵抗率測定装置を模式的に示す図であり、図2(b)は、図2(a)をA方向からみた側面図である。図1は、図2(a)に示す抵抗率測定装置の一部を構成する4探針プローブ10を模式的に示す図である。
まず図1及び図2(a)、(b)に示す抵抗率測定装置の構成について説明する。
図2(a)、(b)に示すように、抵抗率測定装置は、4探針プローブ10を保持するプローブヘッド26を有しており、4探針プローブ10の上端部は、プローブヘッド26内において例えば板バネ16に固定されている。4探針プローブ10の中央部は、上部軸受部15及び下部軸受部14によって保持されている。これにより、4探針プローブ10は、被測定物の平面に対して所定の加圧力で接触させることができるようになっている。被測定物は、例えば半導体基板であり、半導体基板の表面に4探針プローブ10を接触させることにより、半導体基板のシート抵抗値、抵抗率等が測定される。
図1に示すように、4探針プローブ10は、4本の細い棒状の本体部11とそれぞれの先端に固定された超硬ボール10a、10b、10c、10dからなる電極探針を有し、これらの超硬ボール10a、10b、10c、10dは、本体部11とは別体となっている。本体部11とは別に製造された球状の超硬ボール10a、10b、10c、10dは、例えばロウ付け、溶接もしくはレーザー溶着によって本体部11の先端部に固定されている。レーザー溶着とは、本体部と超硬ボールとを接続する部分にレーザ光を照射して加熱することにより本体部に超硬ボールを固定するものである。なお、超硬ボールは、被測定物の仕様に対応させた大きさで形成される。
また、本体部11の形状は円柱状を有し、その半径は例えば0.4〜0.5mm程度である。本体部11は、例えばSUSなどの鉄鋼、タングステンカーバイド、オスミウム等の材料によって作製され、高い剛性を有している。
また、超硬ボール10a、10b、10c、10dは、例えば、タングステンカーバイドまたは、オスミウム等の材料によって形成される。超硬ボール10a、10b、10c、10dは、その形状が半径50〜400μmの球状を有し、本体部11とは別に製造される。つまり、超硬ボール10a、10b、10c、10dを単体で製造することにより、超硬ボールの寸法誤差を半径50〜400μmに対して±1μm以下とすることができる。従って、抵抗率測定時に被測定物と超硬ボール10a、10b、10c、10dそれぞれとの接触面13a、13b、13c、13dの形状及び面積を均一化することができる。
超硬ボール10a、10b、10c、10dの表面には、Arガスの減圧雰囲気又は大気雰囲気でプラズマエッチングが行われている。これにより、超硬ボールの表面があらされ濡れ性が向上され、超硬ボールの接触抵抗が低減される。
本体部11は軸受ガイド12によって保持されている。詳細には、軸受ガイド12には4か所の軸受部12a〜12dが形成されており、軸受部12a〜12dそれぞれには本体部11が摺動可能に保持されている。本体部11の相互間隔は例えば1mmであり、軸受部12a〜12dと超硬ボールとの間隔は例えば1mmである。
軸受ガイド12は、例えば、ジルコニア、アルミナ等の高絶縁性且つ耐磨耗性を有するセラミックスの粉末を用い、その粉末を軸受ガイド12の形状に固化して焼結することにより形成される。このような粉末を用いた焼結型加工で形成するため、軸受部12a〜12dの間隔及び形状を非常に高い精度で形成することができる。これとともに、本体部11は高い剛性を有する材料で形成され、一定仕様範囲において撓みが発生しない。これらにより、軸受部12a〜12dに保持された本体部11の相互間隔の精度を非常に高く維持することができる。従って、抵抗率測定時に被測定物と超硬ボール10a、10b、10c、10dそれぞれとの接触面13a、13b、13c、13dの相互間隔を均一化することができる。
次に、抵抗率測定装置の電気回路について説明する。
図3は、図2(a)及び(b)に示す抵抗率測定装置における電気回路の一部である。
図3に示す電気回路は、図2(b)に示す電線コード19を介して4探針プローブ10に電気的に接続されている。詳細には、4探針プローブ10における超硬ボール10aには電流検出部20、抵抗18及び電源17を有する定電流電源部が接続されており、この定電流電源部には超硬ボール10dが接続されている。これにより、超硬ボール10a,10dには定電流が印加されるようになっている。また、超硬ボール10bには電圧検出部22の一方端が電気的に接続されており、この電圧検出部22の他方端には超硬ボール10cが電気的に接続されている。
図4は、図1に示す4探針プローブを用いた抵抗率測定装置の動作を説明する図である。
図4に示すように、被測定物の抵抗率を測定する際には、4探針プローブ10を被測定物の測定面であるシリコンウェハ25の表面に所定の圧力をかけながら接触させる。4探針プローブの超硬ボール10a、10b、10c、10dそれぞれとシリコンウェハ25の表面との接触面の相互間の距離S1、S2、S3は、それぞれ1000μmとなる。このように超硬ボール10a及び10dがシリコンウェハ25の表面に接触することにより、電源17、抵抗18及び定電流印加部20を有する定電流電源部を含む回路が閉回路に構成される。
電源17の高電位側から超硬ボール10d、シリコンウェハ25、超硬ボール10a、電流検出部20、抵抗18を通って電源17の低電位側に定電流が流れる。つまり、超硬ボール10dからシリコンウェハ25を通って超硬ボール10aに向かって定電流が流れる。この定電流は、シリコンウェハ25上を磁力線のように平面上の種々の経路に沿って流れるが、超硬ボール10a、10b、10c、10dを結ぶ一直線上に沿っても流れる。
超硬ボール10cとシリコンウェハ25の表面との接触点と、超硬ボール10bとシリコンウェハ25の表面との接触点との間には、電圧降下が生じ、この電圧降下した電位差が電圧検出部22によって検出される。このように電圧検出部22によって検出した電位差Vと定電流電源部によって印加された定電流値I及び下記(式1)を用いて演算装置(図示せず)によって演算することにより、シリコンウェハ25のシート抵抗値pが計算される。計算されたシート抵抗値pは、演算装置に電気的に接続された表示装置(図示せず)によって表示される。
p=4.532V/I・・・(式1)
なお、本実施形態では、被測定物としてシリコンウェハ25のシート抵抗値を測定しているが、他の被測定物、例えば導電性薄膜などのシート抵抗値、抵抗率を測定しても良い。
以上、本発明の実施形態によれば、本体部11とは別に製造された球状の超硬ボール10a、10b、10c、10dを本体部11の先端部に固定した4探針プローブ10を用いている。超硬ボール10a、10b、10c、10dを単体で製造することにより、超硬ボールの寸法誤差を半径50〜400μmに対して±1μm以下とすることができる。従って、抵抗率測定時に被測定物と超硬ボール10a、10b、10c、10dそれぞれとの接触面13a、13b、13c、13dの形状及び面積を、図5に示す従来の接触部50a、50b、50c、50dと比較して均一化することができる。言い換えると、4本の電極探針それぞれと被測定物との接触面積のばらつきを極めて小さくすることができる。その結果、抵抗率測定装置による測定不安定要因となる接触抵抗が安定する。
また、軸受ガイド12を焼結型加工によって形成することにより、軸受部12a〜12dの間隔及び形状を非常に高い精度で形成することができる。これにより、軸受部12a〜12dに保持された本体部11の相互間隔の精度を非常に高く維持でき、本体部11の相互間隔の変動を極めて小さくできる。その結果、被測定物と超硬ボール10a、10b、10c、10dそれぞれとの接触面13a、13b、13c、13dの相互間隔を均一化することができ、測定値に与える誤差要因を大きく改善することができる。
また、超硬ボール10a、10b、10c、10dの表面をプラズマエッチングすることにより、超硬ボール10a、10b、10c、10dの表面の濡れ性を向上させることができる。これにより、被測定物の測定面に対して超硬ボールの接触抵抗を低減することができ、安定した面接触を行うことが可能となる。
また、上述したように超硬ボールの表面の濡れ性を向上させることにより、被測定物の測定面に対して点接触する場合に発生することがあるダイオード特性による整流性現象を抑えることができ、その結果、抵抗率測定装置による測定の安定化を図ることが可能となる。
10・・・4探針プローブ、10a,10b,10c,10d・・・超硬ボール、11・・・本体部、12・・・軸受ガイド、12a,12b,12c,12d・・・軸受部、13a,13b,13c,13d・・・接触面、14・・・下部軸受部、15・・・上部軸受部、16・・・板バネ、17・・・電源、18・・・抵抗、19・・・電線コード、20・・・電流検出部、22・・・電圧検出部、25・・・シリコンウェハ、26・・・プローブヘッド、52・・・軸受ガイド、53a,53b,53c,53d・・・接触面、54・・・ルビー軸受部、55a,55b,55c,55d・・・本体部、50a,50b,50c,50d・・・接触部

Claims (5)

  1. 被測定物の測定面に接触させる4探針プローブと、
    前記4探針プローブに電気的に接続され、定電流が印加され電圧値が検出される電気回路と、
    前記電気回路によって検出された電圧値を用いて抵抗率を演算する演算手段と、
    を具備し、
    前記4探針プローブは、
    本体部とその先端に形成された超硬ボールを有する電極探針と、
    前記電極探針が4本摺動可能に保持された軸受ガイドとを備えており、
    前記軸受ガイドは、粉末を用いた焼結加工によって形成されていることを特徴とする抵抗率測定装置。
  2. 請求項1において、前記超硬ボールの表面は、プラズマエッチングによって処理されていることを特徴とする抵抗率測定装置。
  3. 請求項1又は2において、前記超硬ボールはレーザー溶着によって前記本体部に固定されていることを特徴とする抵抗率測定装置。
  4. 本体部とその先端に形成された超硬ボールを有する電極探針と、
    前記電極探針が4本摺動可能に保持された軸受ガイドと、
    を具備し、
    前記軸受ガイドは、粉末を用いた焼結加工によって形成されていることを特徴とする4探針プローブ。
  5. 請求項4において、前記超硬ボールの表面は、プラズマエッチングによって処理されていることを特徴とする4探針プローブ。
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