JP2010249494A - 浴槽用給湯システム - Google Patents

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Noboru Hatano
昇 波多野
Nobunari Kobayashi
伸成 小林
Masakazu Taguchi
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Abstract

【課題】追い焚き開始直後に冷水が浴槽内に供給されない浴槽用給湯システムを提供する。
【解決手段】本発明は、浴槽T内の水を戻り管3を介して給湯機Bに吸引しつつ、給湯機Bから温水を往き管2を介して浴槽B内に供給する追い焚き処理を行える浴槽用給湯システムを対象とする。本給湯システムは、往き管2および戻り管3間を連通接続する短絡管8と、追い焚き処理を行う際に、往き管2を流通する温水を、その水温が所定の温度に満たない場合には、短絡管8を介して戻り管3に導入し、給湯機Bに戻す流路切替手段5とを備える。
【選択図】図1C

Description

この発明は、浴槽内の水を給湯機に吸引しつつ、給湯機から温水を浴槽内に供給する追い焚き処理を行えるようにした浴槽用給湯システムおよびその関連技術に関する。
従来、特許文献1〜3に示すように、浴槽に温水を供給する湯はり処理に加えて、浴槽内の温水を再加熱する追い焚き処理を行うことができる浴槽用給湯システムが周知である。
このような給湯システムにおいては、浴槽および給湯機間が往き管および戻り管によって接続される。そして、追い焚き処理時には、浴槽内の水が戻り管を介して給湯機に吸い込まれて、給湯機で加熱されるとともに、加熱された温水が給湯機から往き管を介して浴槽内に供給される。こうして浴槽と給湯機との間に水を循環させて、浴槽内の水を加熱するようにしている。
特開平10−47783号公報 特開平11−337186号公報 特開2002−340415号公報
ところで、上記従来の浴槽用給湯システムにおいて、冬季等の寒い時期では、湯はり処理等の給湯処理を行った後、ある程度時間が経過すると、往き管内に滞留する水が冷えてしまう。従ってその状態のまま、追い焚き処理を行うと、追い焚き開始直後には、往き管内の冷たい水が浴槽内に供給され、その冷たい水に入浴者が触れると、不快感をおぼえるおそれがある、という課題があった。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、追い焚き開始直後に、冷たい水が浴槽内に供給されるのを防止できる浴槽用給湯システムおよびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]浴槽および給湯機間が往き管および戻り管により連通接続されて、浴槽内の水を戻り管を介して給湯機に吸引しつつ、給湯機から温水を往き管を介して浴槽内に供給する追い焚き処理を行えるようにした浴槽用給湯システムであって、
前記往き管および前記戻り管間を連通接続する短絡管と、
前記追い焚き処理を行う際に、前記往き管を流通する温水を、その水温が所定の温度に満たない場合には、前記短絡管を介して前記戻り管に導入し、前記給湯機に戻す流路切替手段とを備えることを特徴とする浴槽用給湯システム。
[2]前記流路切替手段は、水温が所定温度に満たない場合には、前記往き管における前記短絡管よりも浴槽側に配置される出口部を閉塞し、かつ前記短絡管を開放して、温水を前記短絡管に導入する一方、所定の温度以上になった場合には、前記往き管の出口部を開放し、かつ前記短絡管を閉塞して、温水を前記往き管に流通させる切替弁を有する前項1に記載の浴槽用給湯システム。
[3]前記流路切替手段は、前記往き管の一部を構成する往き流路と、前記戻り管の一部を構成する戻り流路と、前記往き流路および前記戻り流路間を連通し、かつ前記短絡管を構成する短絡流路とを備え、
前記切替弁は、前記往き流路の出口部を閉塞する状態と、前記短絡流路を閉塞する状態との間で選択的に状態変更自在に構成される前項2に記載の浴槽用給湯システム。
[4]前記流路切替手段は、前記往き管内を流通する水の少なくとも一部が内部を流通するバネケーシングと、そのバネケーシング内に収容され、かつ温度変化に応じて伸縮変形する形状記憶合金バネとを有し、
前記形状記憶合金バネの伸縮変形によって、前記切替弁を作動させるようにした前項2または3に記載の浴槽用給湯システム。
[5]前記戻り管における前記短絡管よりも浴槽寄りの部分は、給湯機側から浴槽側に水の流動を許容するようになっている前項1〜4のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
[6]前記戻り管は、給湯機側から浴槽側に水の流動を許容するようになっている前項1〜5のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
[7]浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターを備え、
前記往き管における浴槽側の端部が、前記吐出口に接続されるとともに、前記戻り管における浴槽側の端部が、前記吸引口に接続され、
前記給湯口アダプターの内部に、前記流路切替手段が組み込まれている前項1〜6のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
[8]浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターを備え、
前記給湯口アダプターと給湯機との間に前記流路切替手段が設けられている前項1〜6のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
[9]浴槽および給湯機間が往き管および戻り管により連通接続されて、浴槽内の水を戻り管を介して給湯機に吸引しつつ、給湯機から温水を往き管を介して浴槽内に供給する追い焚き処理を行えるようにした浴槽設備の給湯方法であって、
前記往き管および前記戻り管間を連通接続する短絡管を設置しておき、
前記追い焚き処理を行う際に、前記往き管を流通する温水を、その水温が所定の温度に満たない場合には、前記短絡管を介して前記戻り管に導入し、前記給湯機に戻すようにしたことを特徴とする浴槽設備の給湯方法。
[10]第1流路と、
第2流路と、
前記第1,2流路間を連通接続する短絡流路と、
前記第1流路内に設けられ、前記第1流路の出口部を閉塞する短絡状態と、前記短絡流路を閉塞する非短絡状態との間で選択的に状態変更自在な切替弁と、
前記第1流路を流通する水の少なくとも一部が内部を流通するバネケーシングと、
前記バネケーシングに収容され、温度変化に応じて伸縮変形し、その伸縮変形によって前記切替弁を、前記非短絡状態と、前記短絡状態との間で作動させる形状記憶合金バネとを備え、
前記バネケーシング内の水温が所定の温度以上の場合には前記非短絡状態に切り換えられ、所定の温度未満の場合には前記短絡状態に切り換えられるように構成され、
前記非短絡状態では、前記第1流路に、その入口部から流入された水を、前記短絡流路に流通させずに、前記出口部から流出させる一方、前記短絡状態では、前記第1流路に、その入口部から流入された水を、前記出口部から流出させずに、前記短絡流路に流通させて前記第2流路に導くようにしたことを特徴とする流路切替装置。
[11]浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターであって、
出口部が前記吐出口に接続される往き流路と、
入口部が前記吸引口に接続される戻り流路と、
前記往き流路および前記戻り流路間を連通する短絡流路と、
前記往き流路内に設けられ、前記往き流路の出口部を閉塞する短絡状態と、前記短絡流路を閉塞する非短絡状態との間で選択的に状態変更自在な切替弁と、
前記往き流路に設けられ、前記往き流路を流通する水の少なくとも一部が流通するバネ室流路と、
前記バネ室流路に配置され、温度変化に応じて伸縮変形し、その伸縮変形によって前記切替弁を、前記非短絡状態と、前記短絡状態との間で作動させる形状記憶合金バネとを備え、
前記バネ室流路内の水温が所定の温度以上の場合には前記非短絡状態に切り換えられ、所定の温度未満の場合には前記短絡状態に切り換えられるように構成され、
前記非短絡状態では、前記往き流路に、その入口部から流入された水を、前記短絡流路に流通させずに、前記往き流路の出口部に流通させて前記吐出口から吐出させる一方、前記短絡状態では、前記往き流路に、その入口部から流入された水を、前記往き流路の出口部に流通させずに、前記短絡流路に流通させて前記戻り流路に導くようにしたことを特徴とする給湯口アダプター。
[12]前記切替弁を、前記往き流路の出口部を閉塞する側へ付勢するバイアスバネが、前記バネ室流路に設けられ、そのバイアスバネの内周または外周に、前記形状記憶合金バネが配置されている前項11に記載の給湯口アダプター。
発明[1]の浴槽用給湯システムによれば、往き管内に冷水(常温水)が滞留していたとしても、追い焚き開始直後には、その冷水を、短絡管に通して戻し管に導入して給湯機に戻すことができ、追い焚き開始直後に、冷水が浴槽内に供給されるのを防止することができる。
発明[2]の浴槽用給湯システムによれば、追い焚き開始時点から直ちに、冷水を短絡管および戻し管を介して給湯機に戻すことができ、冷水が浴槽内に供給されるのを、より確実に防止することができる。
発明[3]の浴槽用給湯システムによれば、流路切替手段を既存の浴槽設備に組み付けるだけで簡単に形成することができる。
発明[4]の浴槽用給湯システムによれば、温度検知手段と弁作動手段とを兼用する形状記憶合金バネを用いているため、部品点数を削減できて、構造の簡素化およびコストの削減を図ることができる。
発明[5]の浴槽用給湯システムによれば、足し水処理も支障なく行うことができる。すなわち給湯機から往き管に冷水(常温水)を供給すれば、その冷水を、往き管、短絡管および戻り管を介して浴槽内に供給することができる。
発明[6]の浴槽用給湯システムによれば、ダブル搬送方式による湯はり処理も支障なく行うことができる。すなわち給湯機から温水を、往き管および戻り管の双方に供給して、浴槽内に供給することができる。
発明[7]の浴槽用給湯システムによれば、給湯口アダプターの内部に、流路切替手段が組み込まれているため、給湯口アダプターを浴槽に組み付けるだけで簡単に、本発明の給湯システムを形成することができる。
発明[8]の浴槽用給湯システムによれば、給湯口アダプターと給湯機との間に、流路切替手段を設けるものであるため、給湯口アダプターはそのままで、外部配管上に流路切替手段を設置すれば、本発明の給湯システムを形成することができる。
発明[9]の浴槽設備の給湯方法によれば、上記と同様に、追い焚き開始直後に、冷水が浴槽内に供給するのを防止することができる。
発明[10]の流路切替装置を用いることによって、上記の作用効果を有する浴槽用給湯システムを確実に形成することができる。
発明[11]の給湯口アダプターを用いることによって、上記の作用効果を有する浴槽用給湯システムを確実に形成することができる。
発明[12]の給湯口アダプターによれば、バイアスバネ内部のスペースを有効に利用できるため、より一層小型コンパクト化を図ることができる。
図1Aはこの発明の第1実施形態である浴槽用給湯システムが適用された浴槽設備を湯はり時の状態で示すブロック図である。 図1Bは第1実施形態の浴槽設備を追い焚き時の状態で示すブロック図である。 図1Cは第1実施形態の浴槽設備を追い焚き開始直後の状態で示すブロック図である。 図1Dは第1実施形態の浴槽設備を足し水時の状態で示すブロック図である。 図2は第1実施形態の浴槽用給湯システムに適用された流路切替装置を側面方向から見た斜視図である。 図3は第1実施形態の流路切替装置を上方向から見た斜視図である。 図4は図3の流路切替装置において往き流路を開放した状態の斜視図である。 図5は図4の流路切替装置において切替弁を取り外した状態の斜視図である。 図6は第1実施形態の流路切替装置における側面断面図である。 図7は第1実施形態の流路切替装置をバネケーシングの位置で切り欠いた正面断面図である。 図8は第1実施形態の流路切替装置を短絡流路の位置で切り欠いた正面断面図である。 図9Aはこの発明の第2実施形態である浴槽用給湯システムが適用された浴槽設備を湯はり時の状態で示すブロック図である。 図9Bは第2実施形態の浴槽設備を追い焚き時の状態で示すブロック図である。 図9Cは第2実施形態の浴槽設備を追い焚き開始直後の状態で示すブロック図である。 図9Dは第2実施形態の浴槽設備を足し水時の状態で示すブロック図である。 図10は第2実施形態の浴槽設備に適用された給湯口アダプターを示す斜視図である。 図11は第2実施形態の給湯口アダプターを分解して示す斜視図である。 図12Aは第2実施形態の給湯口アダプターを通常状態で示す側面断面図である。 図12Bは第2実施形態の給湯口アダプターを通常状態で示す平面断面図である。 図13Aは第2実施形態の給湯口アダプターを短絡状態で示す側面断面図である。 図13Bは第2実施形態の給湯口アダプターを短絡状態で示す平面断面図である。 図14は第2実施形態の給湯口アダプターにおける仕切部材を分解して示す斜視図である。 図15Aは第2実施形態の給湯口アダプターにおける仕切本体を示す正面図である。 図15Bは第2実施形態の仕切本体を示す背面図ある。 図15Cは第2実施形態の仕切本体を示す側面断面図ある。 図15Dは第2実施形態の仕切本体を示す平面断面図ある。 図16Aは第2実施形態の給湯口アダプターにおける弁当たり部材を示す正面図である。 図16Bは第2実施形態の弁当たり部材を示す側面断面図である。 図17Aは第2実施形態の給湯口アダプターにおける切替弁を示す正面図である。 図17Bは第2実施形態の切替弁を示す側面断面図である。 図17Cは第2実施形態の切替弁を示す平面図である。 図18は第2実施形態の給湯口アダプターにおける雄ねじ部材を示す斜視図である。 図19は第2実施形態の給湯口アダプターにおけるねじ受け部材を示す斜視図である。 図20は第2実施形態の給湯口アダプターにおける分配部材を示す斜視図である。 図21Aは第2実施形態の分配部材を示す正面図である。 図21Bは第2実施形態の分配部材を示す側面図である。 図21Cは第2実施形態の分配部材を示す背面図である。 図22は第2実施形態の給湯口アダプターにおける隔壁部材を示す斜視図である。 図23Aは第2実施形態の隔壁部材を示す正面図である。 図23Bは第2実施形態の隔壁部材を示す側面断面図である。
<第1実施形態>
図1Aはこの発明の第1実施形態の浴槽用給湯システムが適用された浴槽設備を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の浴槽設備は、浴槽(T)と、室外給湯機(B)と、有極性の給湯口アダプター(1)と、往き管(2)と、戻り管(3)と、往き管(2)および戻り管(3)に設けられた流路切替装置(5)とを基本的な構成要素として備えている。なお後に詳述するように、流路切替装置(5)の内部には、往き管(2)および戻り管(3)間を連通接続する短絡流路(8)が内部に設けられている。
なお本実施形態(本発明)において、「水」と言う場合、基本的には、冷水、常温水(冷水)および温水(お湯)の全てを含むものである。
給湯口アダプター(1)は、浴槽(T)の周壁に取り付けられている。この給湯口アダプター(1)は、浴槽(T)内に臨む吐出口(11)および吸引口(12)を有している。吐出口(11)は、浴槽(T)内に温水(お湯)を供給するものである。吸引口(12)は、追い焚き時等に、浴槽(T)内のお湯を吸い込むものである。
往き管(2)は、流路切替装置(5)および給湯機(B)間に設けられる往き側配管(21)と、流路切替装置(5)の内部に設けられた往き流路(6)とによって構成されている。
この往き管(2)の一端側が給湯口アダプター(1)の吐出口(11)に連通接続されるとともに、他端側が給湯機(B)の給湯口に連結されており、給湯機(B)から供給された温水が、基本的には、往き管(2)を流通して、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)から浴槽(T)内に供給されるようになっている。
戻り管(3)は、流路切替装置(5)および給湯機(B)間に設けられる戻り側配管(31)と、流路切替装置(5)の内部に設けられた戻り流路(7)とによって構成されている。
この戻り管(3)の一端側が給湯口アダプター(1)の吸引口(12)に連通接続されるとともに、他端側が給湯機(B)の吸引口に連結されており、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)から吸い込まれる水が、戻り管(3)を流通して、給湯機(B)に吸引されるようになっている。
図1〜7に示すように、流路切替装置(5)は、流路切替手段を構成するものであり、状況に応じて、水の流路を選択的に切り替えることにより、水を給湯口アダプター(1)側に供給したり、あるいは戻り管(3)側に供給したりするようになっている。
流路切替装置(5)には、上記したように、往き管(2)の一部を構成する往き流路(6)と、戻り管(3)の一部を構成する戻り流路(7)とを有している。なお本実施形態においては、往き流路(6)が第1流路として構成され、戻り流路(7)が第2流路として構成されている。
流路切替装置(5)における往き流路(6)の両側部には、入口部(61)および出口部(62)が設けられている。入口部(61)は、往き側配管(21)に連結されて、給湯機(B)側に連通されるとともに、出口部(62)は、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)に接続されて、浴槽(T)側に連通されている。
流路切替装置(5)における戻り流路(7)の両側部には、入口部(71)および出口部(72)が設けられている。入口部(71)は、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)に接続されて、浴槽(T)側に連通されるとともに、出口部(72)は、戻り側配管(31)に連結されて、給湯機(B)側に連通されている。
往き流路(6)は、入口部(61)に連通する前室(63)と、出口部(62)に連通する弁室(64)とに仕切られている。さらに前室(63)および弁室(64)間の仕切壁には、両室(63)(64)間を連通する連通孔(65)が設けられている。
また図5等に示すように、弁室(64)内には、平面視長方形の弁座部(66)が設けられている。この弁座部(66)の両側部には、短絡管を構成する短絡流路(8)(8)の各一端側開口部(81)(81)が配置され、この開口部(81)(81)を介して、弁室(64)が短絡流路(8)(8)に連通されている。
なお短絡流路(8)(8)の他端側開口部(82)(82)は、戻り流路(7)の内部に連通されており、上記往き流路(6)の内部から一端側開口部(81)(81)を介して短絡流路(8)(8)に流入された水は、他端側開口部(82)(82)から戻り流路(7)内に流入されるようになっている。
弁室(64)の内周壁面における弁座部(66)に対向する位置に、上記往き流路出口部(62)の内端側が開口されている。
流路切替装置(5)には、その下面側にバネケーシング(9)が設けられている。バネケーシング(9)は、円柱状に形成されており、その一端側が、弁室(74)に対応して配置されている。なおバネケーシング(9)の他端側は閉塞されている。
流路切替装置(5)には、バネケーシング(9)の内部に対し、水を流入および流出させるバネ室流入路(51)およびバネ室流出路(52)が設けられている。バネ室流入路(51)の流入側端部は、往き流路(6)の前室(63)に連通されるとともに、流出側端部は、バネケーシング(9)の内部に連通されている。さらにバネ室流出路(52)の流入側端部は、バネケーシング(9)の内部に連通されるとともに、流出側端部は、往き流路(6)の弁室(64)に連通されている。これにより、前室(63)に供給された水の一部は、バネ室流入路(51)を介して、バネケーシング(9)内に流入されるとともに、バネケーシング(9)内の水は、バネ室流出路(52)を介して、弁室(64)に戻されるようになっている。こうしてバネケーシング(9)の内部には、給湯機(B)から供給される水の一部が流通するようになっている。
バネケーシング(9)の内部には、温度変化によって伸縮変形する形状記憶合金バネ(91)が設けられている。このバネ(91)は、バネケーシング(9)内を流通する水の温度が所定の温度に満たなくて、バネ温度が所定の温度に満たない場合には、伸長した状態(非短絡状態)となり、水温が所定の温度以上になって、バネ温度が所定温度以上になった場合には、短縮した状態(短絡状態)となるように構成されている。
またバネ(91)の一端には、弁軸(92)が固定されており、この弁軸(92)が上記弁室(64)の周壁における弁座部(66)の中央部に貫通されて、弁軸(92)の先端が弁室(64)内に配置される。さらに弁軸(92)の先端には、矩形状の切替弁(93)が取り付けられている。
そしてバネ(91)が伸長して弁軸(92)および切替弁(93)が進出した短絡状態では、切替弁(93)が、弁室(64)の内周壁面に設けられた上記往き流路出口部(62)の開口周縁部に密着してその出口部(62)が閉塞されるとともに、切替弁(93)が、短絡流路(8)(8)の一端側開口部(81)(81)から離間して、一端開口部(81)(81)が開放されるようになっている。従ってこの状態において、弁室(64)内に流入された水は、往き流路出口部(62)に供給されずに、短絡流路(8)(8)に供給されて、戻り流路(7)に流入されるようになっている。
一方、バネ(91)が短縮して弁軸(92)および切替弁(93)が後退した非短絡状態では、切替弁(93)が、往き流路出口部(62)から離間して、往き流路出口部(62)が開放されるとともに、切替弁(93)が、短絡流路(8)(8)の一端側開口部(81)(81)に密着して、その開口部(81)(81)を閉塞する。従ってこの状態において、弁室(64)内に流入された水は、短絡流路(8)(8)に供給されずに、往き流路出口部(62)に供給されて、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)を介して浴槽(T)内に供給されるようになっている。
なお図6,7に示すように、弁室(64)内における弁軸(92)の外周には、切替弁(93)を進出方向に付勢するバイアスバネ(94)が設けられている。
以上のように構成された流路切替装置(5)は、既述したように、往き流路出口部(62)が、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)に連結されるとともに、往き流路入口部(61)が、往き側配管(21)に連結される。こうして、往き側配管(21)および往き流路(6)によって、浴槽(T)および室外給湯機(B)間が連通接続される。さらに戻り流路入口部(71)が、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)に連結されるとともに、戻り流路出口部(72)が、戻り側配管(31)に連結される。こうして、戻り側配管(21)および戻り流路(7)によって、浴槽(T)および室外給湯機(B)間が連通接続される。
次に、本実施形態の浴槽用給湯システムにおいて、湯はり処理時、追い焚き処理時等の動作について説明する。
まず湯はり処理を行った場合には図1Aに示すように、室外給湯機(B)の給湯口から往き側配管(21)内に温水が供給され、その温水が流路切替装置(5)の往き流路(6)における前室(63)内に導入される。前室(63)内に導入される温水は、その一部が、バネ流入路(51)を通ってバネケーシング(9)内に導入され、その温水によりバネ(91)が所定温度以上に温められて短縮変形する。これにより切替弁(93)が後退して、往き流路出口部(62)が開放されるとともに、短絡流路(8)(8)が閉塞される。従って、前室(63)から弁室(64)内に導入される本流の温水は、往き流路出口部(62)を介して、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)から浴槽(T)内に供給される。
なお、流路切替装置(5)の前室(63)からバネケーシング(9)に導入される支流の温水は、バネケーシング(9)内を流通した後、バネ流出路(52)を通って弁室(64)内に供給されて、上記本流の温水と合流して、浴槽(T)内に供給されることになる。
ここで、湯はり処理を開始する前の状態において、流路切替装置(5)および室外給湯機(B)間の往き側配管(21)内に所定温度に満たない冷たい水が滞留していた場合には、湯はり開始直後には、その冷水が流路切替装置(5)のバネケーシング(9)内に導入されるため、バネ(91)は短縮変形せず、往き流路出口部(62)は閉塞されて、短絡流路(8)(8)が開放される。このため、湯はり開始直後の段階では、弁室(64)に供給された水(冷水)が、短絡流路(8)(8)を通って、戻り流路(7)に導かれ、そこから、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)を通って、浴槽(T)内に供給されるようになる。
このように湯はり開始直後には、吸引口(12)側から常温水が供給されることはあるが、湯はり処理を継続して行っていくうちに、所定温度以上の温水が流路切替装置(5)のバネケーシング(9)内に導入されるため、短時間のうちに、図1Aに示すように短絡流路(8)(8)が閉塞されて、往き流路出口部(62)が開放されることにより、正常通り、吐出口(11)から浴槽(T)内に温水が供給されるようになる。
なお、以上の説明では、給湯機(B)の給湯口のみから温水が供給されるようにした、いわゆるシングル搬送方式によって湯はり処理を行う場合を例に挙げて説明しているが、本実施形態の給湯システムは、給湯機(B)の給湯口および吸引口の双方から温水が供給される、いわゆるダブル搬送方式によっても支障なく湯はり処理を行うことができる。すなわち給湯機(B)の給湯口から供給される温水は、上記と同様に、往き側配管(21)および流路切替装置(5)の往き流路(6)を通って、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)から浴槽(T)内に供給される。一方、給湯機(B)の吸引口から戻り側配管(31)に供給される温水は、戻り側配管(31)および流路切替装置(5)の戻り流路(7)を通って、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)から浴槽(T)内に供給される。このようにダブル搬送方式によっても、何ら支障なく湯はり処理を行うことができる。
また、本実施形態の浴槽用給湯システムにおいて、追い焚き処理を行う場合には、給湯機(B)の給湯口から往き側配管(21)に温水が供給される一方、給湯機(B)の吸引口から戻り管(3)内が吸引される。
これにより図1Bに示すように浴槽(T)内の水が吸引口(12)を介して戻り管(3)内に吸い込まれて、給湯機(B)内に戻されて加熱される。また給湯機(B)の給湯口から供給される温水は、上記湯はり処理時と同様に、往き側配管(21)を介して、流路切替装置(5)の往き流路(6)内に供給される。こうして往き流路(6)内に温水が供給されることにより、上記したように短絡流路(8)(8)が閉塞されるとともに、往き流路出口部(62)が開放されるため、往き流路(6)内の温水は、往き流路出口部(62)を通って、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)から浴槽(T)内に供給される。こうして浴槽(T)と給湯機(B)との間を水が循環して浴槽(T)内の水が加熱される。
ここで、本実施形態の給湯システムにおいては、冬季等の寒い時期に、往き管(2)内に低温の水(冷水)が滞留した状態で追い焚き処理を行うような場合、例えば湯はり処理から長時間経過した後に、追い焚き処理を行うようなことがあっても、往き管(2)内の冷水が直接浴槽(T)内に供給されることはない。
すなわち図1Cに示すように、往き管(2)内の水が冷えていると、当然、流路切替装置(5)内のバネケーシング(9)内の水も冷えているため、バネ(91)が冷やされて伸長することにより、往き流路出口部(62)が閉塞されて、短絡流路(8)(8)が開放された短絡状態となっている。従ってこの状態で、追い焚き処理を開始した際に、往き側配管(21)内の冷水が流路切替装置(5)の往き流路(6)内に供給されたとしても、その冷水によっては、バネ(91)が温められないため、往き流路(6)の出口部(62)が閉塞されたままの短絡状態に維持され、往き流路(6)内の冷水は、短絡流路(8)(8)を介して戻り流路(7)に導入される。さらに戻り流路(7)は、給湯機(B)側に吸引されているため、短絡流路(8)(8)から戻り流路(7)に導入された冷水は、戻り流路(7)および戻り側配管(31)を通って給湯機(B)に戻されて加熱されることになる。
また言うまでもなく、追い焚き処理を継続していくうちに、給湯機(B)から供給される所定温度以上の温水が流路切替装置(5)に導入されるため、バネ(91)が所定温度以上に温められることにより、短絡流路(8)(8)が閉塞されて、往き流路出口部(62)が開放される。これにより図1Bに示すように、往き流路(6)内に供給された所定温度以上の適温の温水が、正常通り、給湯口アダプター(1)の吐出口(11)から浴槽(T)内に供給されるようになる。
このように追い焚き開始直後に、往き管(2)内に冷水が滞留していても、その冷水は、給湯機(B)に戻されるため、冷水が浴槽(T)内に供給されるのを防止することができる。従って入浴中に追い焚き処理を行った際に、冷水が入浴者に触れるような不具合を確実に防止でき、快適な入浴環境を確実に得ることができる。
また本実施形態の給湯システムにおいては、浴槽(T)内の湯温を低下させる足し水処理も支障なく行うことができる。すなわち図1Dに示すように、足し水処理を行った場合には、給湯機(B)の給湯口から冷水(常温水)が、往き側配管(21)に供給されて、流路切替装置(5)の往き流路(6)内に導入されるため、バネ(91)は温められず、往き流路出口部(62)は閉塞されているが、往き流路(6)内の冷水は、短絡流路(8)(8)を通って戻り流路(7)内に導入される。ここで足し水処理時には、戻り流路(7)は、給湯機(B)側に吸引されていないため、戻り流路(7)に導入された冷水は、戻り流路入口部(71)を通って、給湯口アダプター(1)の吸引口(12)から浴槽(T)内に供給される。このように足し水処理時には、冷水が給湯口アダプター(1)の吸引口(12)から浴槽(T)内に供給されることになる。
以上のように、本実施形態の浴槽用給湯システムによれば、追い焚き開始直後に、往き管(2)内に滞留していた冷水を、短絡流路(8)(8)に通して戻し管(3)に導入し、給湯機(B)に戻すようにしているため、追い焚き開始直後に、冷水が浴槽(T)内に供給されることはなく、冷水が入浴者に触れるような不具合を確実に防止することができる。
特に、本実施形態の給湯システムにおいては、バネ(91)が冷えた低温状態では、流路切替装置(5)の往き流路出口部(62)を切替弁(93)によって閉塞して、往き管(2)内の水が浴槽(T)内に供給されるのを防止しているため、追い焚き開始直後に冷水が浴槽(T)内に供給されるのを、より一層確実に防止することができる。すなわち仮に、本実施形態の流路切替装置(5)において、バネ(91)が冷えた状態で、往き流路出口部(62)を開放するように設定しておくと、追い焚き開始時点から、バネ(91)が温められて作動するまでの間に、往き管(2)内の冷水が往き流路出口部(62)を通過して、浴槽(T)内に供給されるおそれがある。
そこで本実施形態においては、バネ(91)が冷やされた状態で、往き流路出口部(62)を閉塞するように設定しているため、追い焚き開始時点から直ちに、往き管(2)内の水を戻し管(3)側に導入でき、冷水が浴槽(T)内に供給されるのを、より確実に防止することができる。
なお往き管(2)内に滞留する水が、所定温度以上の場合には、往き流路出口部(62)が開放されているが、その場合に、追い焚き処理を行ったとしても、往き管(2)内の適温の温水が、往き流路出口部(62)を通って、浴槽(T)内に供給されることになり、何ら不具合が生じるようなことはない。
また本実施形態の流路切替装置(5)においては、温度変化によって伸縮する形状記憶合金バネ(91)を用いて、切替弁(93)を作動させるようにしているため、水温を検知するセンサー等の温度検知手段と、切替弁(93)の切替動作を行うためのアクチュエータ等の弁作動手段とを、1本の形状記憶合金バネ(91)によって兼用できるとともに、電源等や電気配線等も一切必要としない。このため、本実施形態の流路切替装置(5)は、部品点数を削減できるとともに、電源や配線系統も設置する必要がなく、小型軽量化はもちろん、設置作業性の向上およびコストの削減を大幅に図ることができる。
また本実施形態においては、既述したように、戻し管(3)側に、浴槽(T)側への水の流れを防止するための逆止弁等の逆流防止手段を設けずに、浴槽(T)側および給湯機(B)側の双方への水の流動を許容しているため、ダブル搬送方式による湯はり処理や、足し水処理を支障なく行うことができる。もっとも、戻し管側における短絡流路(8)よりも、給湯機(B)寄りの部分に、逆流防止手段を設けていても、浴槽寄りの部分に、逆流防止手段を設けないようにすれば、少なくとも足し水処理は行うことができる。
なお本実施形態では、追い焚き時に、戻し管(3)内は、給湯機(B)側が負圧になるように吸引されているため、戻し管(3)内に逆流防止手段を設けなくとも、戻し管(3)内に導入された冷水を、上記の吸引作用によってスムーズに給湯機(B)側に戻すことができ、逆流を確実に防止することができる。
また本実施形態の給湯システムは、流路切替装置(5)等を、既存の浴槽設備に装着するだけで簡単に実現可能であり、優れた汎用性を得ることができる。
ところで、上記実施形態においては、給湯口アダプター(1)として有極性のものを用いるが、それだけに限られず、本発明においては、無極性の給湯口アダプターを採用することもできる。
また上記実施形態においては、水温検知手段と弁作動手段とを兼用する形状記憶合金バネを使用するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、温度検知センサやバイメタル等の水温検知手段と、アクチュエータ等の弁作動手段とを別々に設けるようにしても良い。
<第2実施形態>
図9A〜9Dはこの発明の第2実施形態の浴槽用給湯システムが適用された浴槽設備を示すブロック図である。これらの図に示すように、本第2実施形態の浴槽設備では、浴槽壁部に取り付けられる給湯口アダプター(100)の内部に、流路切替手段が組み込まれており、この点において、上記第1実施形態と大きく相違している。
まず第2実施形態の給湯口アダプター(100)を、概略的に説明すると、この給湯口アダプター(100)の前端部には、略円盤状の前端中空部(125)が形成されており、その前端中空部(125)内が、吐出室(101)、吸引室(102)および弁室(64)に区分けされている。吐出室(101)および弁室(64)間は、吐出側開口(112)によって連通されている。
さらに給湯口アダプター(100)における前端中空部(125)の外周壁には、吐出室(101)に連通し、かつ浴槽(T)内に開放される吐出口(11)が設けられるとともに、前端中空部(125)の前壁には、吸引室(102)に連通し、かつ浴槽(T)内に開放される吸引口(12)が設けられる。
また給湯口アダプター(100)の後側は、略3重管の構造を有しており、最外側に設けられる外側環状流路(121)と、その内側に設けられる内側環状流路(122)と、その内側に軸心に沿って設けられるバネ室流路(95)とを備えている。
さらに給湯口アダプター(100)の後部外周には、往き流路入口部(61)および戻り流路出口部(72)が設けられており、後に詳述するように往き流路入口部(61)が、外側環状流路(121)に連通されるとともに、戻り流路出口部(72)が、内側環状流路(122)に連通されている。
また外側環状流路(121)の前端部は、上記弁室(64)に連通されるとともに、内側環状流路(122)の前端部は、吸引室(102)に連通されている。
さらにバネ室流路(95)の後端部が往き流路入口部(61)に連通されるとともに、バネ室流路(95)の前端部が弁室(64)に連通されている。
またバネ室流路(95)の前端部周辺における弁室(64)と、上記内側環状流路(122)との間の仕切壁部には、両者を連通する吸引側短絡口(80)が形成されている。
さらに弁室(64)には、前後に進退自在に切替弁(93)が設けられており、図9A,9Bに示すように、切替弁(93)が後退した状態では、切替弁(93)によって吸引側短絡口(80)が閉塞され、かつ吐出側開口(112)が開放された非短絡状態となり、図9C,9Dに示すように、切替弁(93)が前進した状態では、切替弁(93)によって吐出側開口(112)が閉塞され、かつ吸引側短絡口(80)が開放された短絡状態となる。
そして非短絡状態において、図9Bに示すように、温水が往き流路入口部(61)から流入されると、ほとんどの温水(本流の温水)が、外側環状流路(121)を通って、弁室(64)に導入されるとともに、一部の温水(支流の温水)はバネ室流路(95)を通って、弁室(64)に導入されて本流と合流する。さらに弁室(64)に導入された温水は吐出側開口(112)を通って、吐出室(101)に導入されて吐出口(11)から吐出されるようになっている。
なお非短絡状態において、給湯口アダプター(100)の吸引口(12)は、吸引室(102)および内側環状流路(122)を介して、戻り流路出口部(72)に連通されている。
一方、短絡状態では、図9Cに示すように、温水が往き流路入口部(61)から流入されると、本流の温水は外側環状流路(6)を通って、弁室(64)内に導入されるとともに、支流の温水は、バネ室流路(95)を通って、弁室(64)内に導入されて本流と合流する。さらに弁室(64)に導入された温水は、吸引側短絡口(80)を通って内側環状流路(122)に導入されるようになっている。
以下、本実施形態の給湯口アダプター(100)の構成について詳細に説明する。
図10〜13に示すように、この給湯口アダプター(100)は、蓋部材(110)と、仕切本体(120)と、雄ねじ部材(130)と、ねじ受け部材(140)と、分配部材(150)と、隔壁部材(160)とを基本構成として備えている。
図10〜17に示すように、仕切本体(120)には、その前端に前方に開放された略円盤状の凹部が形成されており、その凹部の前端が蓋部材(110)によって閉塞されることにより、上記前端中空部(125)が形成されている。さらに前端中空部(125)内には、上述のように、吐出室(101)、吸引室(102)および弁室(64)が設けられている。
吐出室(101)と、吸引室(102)および弁室(64)とは、仕切本体(120)に一体形成された仕切壁によって仕切られて、非道通状態となっている。さらに吐出室(101)と、弁室(64)とは、その間に設けられた弁当たり部材(111)によって仕切られるとともに、弁当たり部材(111)に形成された吐出側開口(112)を介して、両室(101)(64)間が連通されている。
また仕切本体(120)の後側部は、2重管構造を有しており、その内筒部の内部が上記バネ室流路(95)として構成されるとともに、内筒部および外筒部間の環状流路が上記内側環状流路(122)として構成される。
なお本実施形態では、仕切本体(120)の内筒部が、バネケーシング(9)として構成される。さらに後述するように仕切本体(120)の外筒部の外側に、上記外側環状流路(121)が形成されこととなる。
バネ室流路(95)の前端は、連通口(126)を介して弁室(64)に連通されるとともに、後端は後方に開放されている。さらにバネケーシング(9)の前端外周部(前端下部)には、連通口(127)が形成されており、この連通口(127)を介して、バネ室流路(95)が、下方側、つまり外側環状流路(121)に連通されている。
弁室(64)の後側(上流側)は、連通口(128)を介して、外側、つまり外側環状流路(121)に連通されている。
内側環状流路(122)の前端における一部(上端部)は、吸引室(102)に連通されるとともに、後端は後方に開放されている。
前端中空部(125)の後壁(底壁)における弁室(64)の両側には、吸引側短絡口(80)が形成されており、この吸引側短絡口(80)を介して、弁室(64)および内側環状流路(122)間が連通されている。
バネ室流路(95)の前端(短絡口80)と、弁当たり部材(111)の吐出側開口(112)との間には、切替弁(93)が前後方向に進退自在に収容されている。
そして切替弁(93)が後退した非短絡状態では、切替弁(93)によって、吸引側短絡口(80)が閉じられるとともに、弁当たり部材(111)の吐出側開口(112)が開放される。これにより、弁室(64)が、吐出室(101)に連通されるとともに、内側環状流路(122)に対し非連通状態となる。
また切替弁(93)が進出した短絡状態では、切替弁(93)によって、弁当たり部材(111)の吐出側開口(112)が閉じられるとともに、吸引側短絡口(80)が開放される。これにより、弁室(64)が、内側環状流路(122)に連通されるとともに、吐出室(101)に対し非連通状態となる。
なお、仕切本体(120)に対する蓋部材(110)の取付方法は、蓋部材(110)の前面側から貫通したねじ(115)を仕切本体(120)にねじ込むことによって行われる。
本実施形態において、仕切本体(120)と、その仕切本体(120)に取り付けられた蓋部材(110)とによって、仕切部材(110)(120)が構成されている。
バネ室流路(95)内には、軸心方向に沿って形状記憶合金バネ(91)が配置されている。この形状記憶合金バネ(91)の前端は、切替弁(93)の裏面側に取り付けられるとともに、後端は、フック部材(96)を介して、バネケーシング(9)の後端開口部に取り付けられる。なおフック部材(96)は、それを設置した状態であっても、バネ室流路(95)の後端開口が開放された状態となっている。
本実施形態の形状記憶合金バネ(91)は、上記第1実施形態と同様に、バネ室流路(95)内を流通する水の温度が所定の温度に満たなくて、バネ温度が所定の温度に満たない場合には、伸長(進出)した状態(非短絡状態)となり、水温が所定の温度以上になって、バネ温度が所定温度以上になった場合には、短縮(後退)した状態(短絡状態)となるように構成されている。
バネケーシング(9)の後端部内周には、前方に開放するリング状のバネ収容溝(97)が設けられている。そしてバイアスバネ(94)が、その後端をバネ収容溝(97)内に収容するように取り付けられて、形状記憶合金バネ(91)の外周に配置される。さらにバイアスバネ(94)の前端が、切替弁(93)の裏面側に突出するように一体形成されたバネ支持片(98)に当接配置されている。このバイアスバネ(94)は、圧縮バネによって構成されており、その付勢力は切替弁(93)を前方へ押し出す方向に作用している。従って、形状記憶合金バネ(91)が伸長した際には、バイアスバネ(94)の付勢力に助勢されて、切替弁(93)が前方へスムーズに進出する一方、形状記憶合金バネ(91)が短縮した際には、バイアスバネ(94)の付勢力に抗して、切替弁(93)が後退するようになっている。
図10〜13,18に示すように、雄ねじ部材(130)は、前端外周にフランジを有する略円筒形状を有しており、円筒部の外周面にねじ溝(雄ねじ)が形成されている。この雄ねじ部材(130)の前端フランジ部の前面側が、仕切本体(120)の前部に設けられたフランジ部の裏面側(後面側)に取り付けられる。この取付状態では、円筒状雄ねじ部材(130)の内部に、仕切本体(120)の後側における2重管部が収容されて、雄ねじ部材(130)と、仕切本体(120)の2重管部(外筒部)との間に、上記した外側環状流路(121)が形成される。
なお仕切部材(110)(120)に対する雄ねじ部材(130)の取付方法は、以下のようにして行われる。すなわち図15B〜D等に示すように、仕切本体(120)における前端フランジ部の外周縁部には、全周にわたって後方へ突出する後方突縁部(123)が一体形成されており、その後方突縁部(123)の内周側の数箇所に係止突起(124)が周方向に間隔をおいて突出されている。
一方図18等に示すように、雄ねじ部材(130)におけるフランジ部の外周縁部には、周方向に間隔をおいて複数の係止溝(134)が形成されている。各係止溝(134)は、前面側(入口側)において周方向の一端のみが開放されるとともに、後面側(奥側)において周方向の全域が開放されており、側方(外径方向)から見た状態においてL字形に形成されている。
そして雄ねじ部材(130)のフランジ部を、仕切部材(110)120)のフランジ部裏面側における後方突縁部(123)内に嵌め込みつつ、仕切部材(110)(120)の係止突起(124)を、雄ねじ部材(130)側の係止溝(134)に前面側から挿入する。その後、仕切部材(110)(120)を周方向に少量捻回操作することにより、仕切部材(110)(120)の係止突起(124)を、係止溝(134)の入口側から周方向に位置ずれした奥端位置に侵入させて、仕切部材(110)(120)を雄ねじ部材(130)に対して前後方向に抜け出し不能とする。
その後図12等に示すように、仕切部材(110)(120)に貫通させたロックピン(116)を、雄ねじ部材(130)のフランジ部前面に設けられたいずれかの凹部(136)に嵌め込む。これにより、仕切部材(110)(120)が雄ねじ部材(130)に対し捻回不能となり、仕切部材(110)(120)と雄ねじ部材(130)とが意に反して脱外されるのを防止することができる。
図10〜13,19に示すように、ねじ受け部材(140)は、前端外周および後端外周にフランジ部を有する略円筒形状を有しており、円筒部の内周面にねじ溝(雌ねじ)が形成されている。そして、この雄ねじ部材(130)の外周面における雄ねじを、ねじ受け部材(140)における外周面の雌ねじに螺合させるように、雄ねじ部材(130)をねじ受け部材(140)にねじ込むことにより、両部材(130)(140)が固定される。
図10〜13,20,21に示すように、分配部材(150)は、内周壁および外周壁を有する略2重管構造に形成されており、内周壁および外周壁間には、前方に開放し、かつ後方に閉塞された環状流路(155)が形成されている。さらに内周壁の内部は、前後方向に貫通するように前後両端が開放されている。
さらに分配部材(150)の外周壁の上下位置には、側方に突出し、かつ内端側が環状流路(155)内に位置するように入口管部(151)および出口管部(152)が一体に形成されている。
なお本実施形態においては、入口管部(151)の内部が、上記往き流路入口部(61)として構成されるとともに、出口管部(152)の内部が、上記戻り流路出口部(72)として構成されている。
入口管部(151)の内側(挿入側)の端壁には、連通口(156)が形成されており、この連通口(156)を介して、入口管部(151)の内部(往き流路入口部61)が、環状流路(155)に連通されている。
また分配部材(150)の後壁には、入口管部(151)に対応して、連通口(157)が形成されるとともに、出口管部(152)に対応して、2つの連通口(158)(158)が形成されている。
図10〜13,22,23に示すように、隔壁部材(160)は、略円盤状のベース部の前面側に、内筒部および外筒部とを有する2重管部が軸心に沿って前方へ突出するように一体に形成された形状を有し、内筒部および外筒部間が、環状流路(162)として構成されるとともに、内筒部の内部が、中心流路(161)として構成されている。
隔壁部材(160)におけるベース部の前壁上部には、上記分配部材(150)の連通口(157)に対応して、連通口(167)が形成されるとともに、前壁下部には、上記分配部材(150)の2つの連通口(158)に対応して、2つの連通口(168)が形成されている。
上側の連通口(167)は、ベース部の内部に設けられた入り側連通路(163)を介して中心流路(161)に連通されるとともに、下側の連通口(168)は、ベース部の内部に設けられた出側連通路(164)を介して、環状流路(162)に連通されている。
なお図22に示すように隔壁部材(160)には、上端の1箇所に、上方に開放する孔が形成されるとともに、下端の2箇所に、下方に開放する孔が形成されているが、これらの孔は、熱成形時の型抜き孔として使用されるものであり、実使用時には、これらの孔はねじ(175)によって閉塞される。
図12に示すように、上記構成の分配部材(150)が、ねじ受け部材(140)の後面に重ねて配置されるとともに、分配部材(150)の後面に隔壁部材(160)が重ねて配置され、その状態で、後方から長ねじ(165)が、隔壁部材(160)および分配部材(150)に貫通されて、ねじ受け部材(140)にねじ込まれることにより、隔壁部材(160)および分配部材(150)が、ねじ受け部材(140)に組み付けられている。
この組付状態においては、分配部材(150)の環状流路(155)が、仕切本体(120)および雄ねじ部材(130)間の外側環状流路(121)に連通されている。従って、分配部材(150)の入口管部(151)に流入されたほとんどの水は、入口管部(151)から連通口(156)を通って分配部材(150)の環状流路(155)に流入されて、仕切本体(120)および雄ねじ部材(130)間の外側環状流路(121)に流入されるようになっている。
さらに分配部材(150)の上側の連通口(157)が、隔壁部材(160)の上側の連通口(167)に適合して配置されるとともに、隔壁部材(160)における2重管部の内筒部が、仕切本体(120)の内筒部に外嵌される。従って、分配部材(150)の入口管部(151)に流入された一部の水は、入口管部(151)から連通口(157)(167)を通って、隔壁部材(160)の入り側連通路(163)に流入され、さらにその水は、隔壁部材(160)の中心流路(161)を通って、仕切本体(120)のバネ室流路(95)に導入されるようになっている。
さらに分配部材(150)の下側の連通口(158)が、隔壁部材(160)の下側の連通口(168)に適合して配置されるとともに、隔壁部材(160)における2重管部の外筒部が、仕切本体(120)の外筒部に外嵌されて、隔壁部材(160)の環状流路(162)が、仕切本体(120)の内側環状流路(122)に連通される。従って、仕切部材(110)(120)の内側環状流路(122)内に吸い込まれた水は、隔壁部材(160)の環状流路(162)および出側連通路(164)に流入され、さらに連通口(168)(158)を通って、分配部材(150)の出口管部(152)に流入されて、出口管部(152)から外部に流出されるようになっている。
以上の構成の給湯口アダプター(100)を浴槽(T)の側壁に組み付ける場合には例えば、蓋部材(110)、仕切本体(120)および雄ねじ部材(130)等の槽内側の部材(110)〜(130)を上記したように組み立てる。その一方で、ねじ受け部材(140)、分配部材(150)および隔壁部材(160)等の槽外側の部材(140)〜(160)を組み立てる。
そして槽外側組立部材(140)〜(160)を、浴槽(T)の壁部に設けられた貫通孔における槽外側に配置した状態で、槽内側から槽内組立部材(110)〜(130)を、浴槽壁の貫通孔に挿入して、槽内組立部材(110)〜(130)の雄ねじ部材(130)を、上記したように、槽外組立部材(140)〜(160)のねじ受け部材(140)にねじ込んでいく。そして、雄ねじ部材(130)の前端フランジ部と、ねじ受け部材(140)の前端フランジ部とで、浴槽壁の貫通孔周縁部を挟持させることにより、給湯口アダプター(100)を浴槽壁部に組み付けるものである。
なお給湯口アダプター(100)の浴槽への組付手順は、上記の手順に限られるものではない。
また言うまでもなく、各部材間等において水密が必要な部分には、必要に応じて、パッキンやガスケット等のシール部材が介在される。
図9に示すように、こうして浴槽(T)に取り付けられた給湯口アダプター(100)における入口管部(151)に、往き側配管(21)の一端が連結されるとともに、出口管部(152)に、戻り側配管(31)の一端が連結される。さらに往き側配管(21)および戻り側配管(31)の各他端が、給湯機(B)に連結される。
また必要に応じて、給湯口アダプター(100)における槽内側に突出した部分にフィルターが外嵌される。
ここで、本実施形態においては、給湯口アダプター(100)における分配部材(150)の入口管部(151)内の往き流路入口部(61)と、分配部材(150)の環状流路(155)と、隔壁部材(160)の入り側連通路(163)と、隔壁部材(160)の中心流路(161)と、仕切本体(120)および雄ねじ部材(130)間の外側環状流路(121)と、仕切部材(110)(120)のバネ室流路(95)と、仕切部材(110)(120)の弁室(64)と、仕切部材(110)(120)と、仕切部材(110)(120)の吐出室(101)とによって、往き側流路(6)が構成されている。さらに吐出室(101)によって、往き流路出口部(62)が構成されている。
また仕切部材(110)(120)の吸引室(102)と、仕切部材(110)(120)の内側環状流路(122)と、隔壁部材(160)の環状流路(162)と、隔壁部材(160)の出側連通路(164)と、分配部材(150)における出口管部(152)内の戻り流路出口部(72)とによって、戻り側流路(7)が構成されている。さらに吸引室(102)によって、戻り流路入口部(71)が構成されている。
また往き流路(6)が、往き管(2)の一部を構成している。具体的には、往き流路(6)および往き側配管(21)によって、往き管(2)が構成されている。
さらに戻り流路(7)が、戻り管(3)の一部を構成している。具体的には、戻り流路(7)および戻り側配管(31)によって、戻り管(3)が構成されている。
さらに往き流路(6)が第1流路として構成され、戻り流路(7)が第2流路として構成されている。
さらに本実施形態においては、、吸引側短絡口(80)が短絡管および短絡流路として構成される。
また本実施形態において、流路切替手段は、給湯口アダプター(100)の往き流路(6)および戻り流路(7)を構成する各部材の他、切替弁(93)や、それを制御する形状記憶合金バネ(91)、バイアスバネ(94)等によって構成されている。
次に、本実施形態の浴槽用給湯システムにおいて、湯はり処理時、追い焚き処理時等の動作について説明する。
まず湯はり処理を行う場合には図9A,12に示すように、給湯機(B)から往き側配管(21)に供給された温水が給湯口アダプター(100)の往き流路(6)を通って浴槽(T)内に供給される。すなわち、給湯機(B)の給湯口から往き側配管(21)内に供給された温水は、給湯口アダプター(100)の入口管部(151)に供給される。入口管部(151)に供給されるほとんどの温水(本流の温水)は、連通口(156)を介して、環状流路(155)に導入され、さらに仕切部材外周の外側環状流路(121)に導入される。また一部の温水(支流の温水)は、連通口(157)(167)を介して、隔壁部材(160)の入り側連通路(163)に導入され、さらにバネ室流路(95)に導入される。そしてバネ室流路(95)内に導入された温水によって、形状記憶合金バネ(91)が所定温度以上に温められて短縮変形する。これにより切替弁(93)が後退して、吐出側開口(112)が開放されるとともに、吸引側短絡口(80)が閉塞される。従って、外側環状流路(121)に導入された上記本流の温水は、弁室(64)および吐出側開口(112)を通って、吐出室(101)に導入され、そこから吐出口(11)を介して浴槽(B)内に供給される。また、バネ室流路(95)に導入された支流の温水は、連通口(126)(127)を通って、本流の温水と合流し、弁室(64)、吐出側開口(112)および吐出室(101)を通って、吐出口(11)から浴槽(B)内に供給される。
ところで、湯はり処理を開始する前の状態において、給湯口アダプター(100)および往き側配管(21)内に所定温度に満たない冷たい水が滞留してるような場合には、湯はり開始直後には、その冷水が給湯口アダプター(100)のバネ室流路(95)内に導入されるため、バネ(91)は短縮変形せずに、切替弁(93)によって、吐出側開口(112)が閉塞されるとともに、吸引側短絡口(80)が開放された短絡状態に維持される。このため、湯はり開始直後の段階では、弁室(64)に供給された水(冷水)が、吸引側短絡口(80)を通って、戻り流路(7)の内側環状流路(122)に導入され、そこから、吸引室(102)を通って、吸引口(12)から浴槽(T)内に供給されるようになる(図9D参照)。
このように湯はり開始直後には、吐出口(11)ではなく、吸引口(12)から浴槽(T)内に比較的低温の水が供給されることはあるが、湯はり処理を継続して行っていくうちに、所定温度以上の温水が給湯口アダプター(100)のバネ室流路(95)内に導入されるため、短時間のうちに、図1Aに示すようにバネ(91)が所定温度以上に温められ、切替弁(93)によって、吐出側開口(112)が開放されるとともに、吸引側短絡口(80)が閉塞される。これにより、上記と同様、通常通り、吐出口(11)から浴槽(T)内に温水が供給されるようになる。
なお、以上の説明では、給湯機(B)の給湯口のみから温水が供給されるようにした、いわゆるシングル搬送方式によって湯はり処理を行う場合を例に挙げて説明しているが、本実施形態の給湯システムは、給湯機(B)の給湯口および吸引口の双方から温水が供給される、いわゆるダブル搬送方式によっても支障なく湯はり処理を行うことができる。すなわち給湯機(B)の給湯口から供給される温水は、上記と同様に、往き側配管(21)および給湯口アダプター(100)の往き流路(6)を通って、吐出口(11)から浴槽(T)内に供給される。一方、給湯機(B)の吸引口から戻り側配管(31)に供給される温水は、戻り側配管(31)を通って、給湯口アダプター(100)の出口管部(152)に供給される。出口管部(152)に供給された温水は、連通口(158)(168)を通り、さらに隔壁部材(160)の出側流通路(164)および環状流路(162)を通って、仕切本体(120)の内側環状流路(122)に導入される。内側環状流路(122)に導入された温水は、吸引室(102)を通って吸引口(12)から浴槽(T)内に供給される。このようにダブル搬送方式によっても、何ら支障なく湯はり処理を行うことができる。
図9B,12に示すように、本実施形態の浴槽用給湯システムにおいて、通常の追い焚き処理、つまり追い焚き開始直後から往き管(2)内に所定の温度の温水が供給される場合には、給湯機(B)の給湯口から往き側配管(21)に温水が供給される一方、給湯機(B)によって戻り管(3)内の水が吸引される。
これにより、給湯機(B)の給湯口から往き側配管(21)内に供給された温水は、上記と同様に、往き側配管(21)および給湯口アダプター(100)の往き流路(6)を通って、吐出口(12)から浴槽(T)内に供給される。
一方、浴槽(T)から給湯口アダプター(100)に吸引された水は、給湯口アダプター(100)の戻り流路(7)および戻り側配管(31)を通って給湯機(B)に吸引される。すなわち、浴槽(T)から給湯口アダプター(100)の吸引口(12)に吸引された水は、吸引室(102)を通って、仕切部材(110)(120)の内側環状流路(122)に導入され、さらに隔壁部材(160)の環状流路(162)を通って出側連通路(164)に導入される。出側連通路(164)に導入された水は、連通口(168)(158)を通って、分配部材(150)の出口管部(152)に供給され、さらに戻り側配管(31)を通って給湯機(B)に吸引される。さらに給湯機(B)に吸引された水は加熱された後、往き側配管(21)に供給されて、上記と同様に、浴槽(B)内に供給される。こうして浴槽(T)と給湯機(B)との間を水が循環して浴槽(T)内の水が加熱されていく。
ところで、本実施形態の給湯システムにおいては、冬季等の寒い時期に、往き管(2)内に低温の水(冷水)が滞留した状態で追い焚き処理を行うような場合、例えば湯はり処理から長時間経過した後に、追い焚き処理を行うようなことがあっても、冷水が浴槽(T)内に供給されることはない。
すなわち、図9C,13に示すように、往き管(2)内の水が冷えた状態では、給湯口アダプター(100)内のバネ室流路(95)内の水も冷えているため、バネ(91)が冷やされて伸長することにより、切替弁(93)が進出して、吐出側開口(112)が閉塞されるとともに、吸引側短絡口(80)が開放される。従ってこの状態で、追い焚き処理を開始した際に、給湯機(B)の作動に伴って、往き側配管(21)内の冷水が、上記したように給湯口アダプター(100)のバネ室流路(95)に供給されたとしても、その冷水によって、バネ(91)は温められないため、吐出側開口(112)が閉塞されたままの状態に維持され、入口管部(151)から弁室(64)に導入された本流および支流の冷水は、吸引側短絡口(80)を通って、給湯口アダプター(100)の戻り流路(7)に導入される。さらに戻り流路(7)は、給湯機(B)側に吸引されているため、戻り流路(7)および戻り側配管(31)を通って給湯機(B)に戻される。
また、追い焚き処理を継続していくうちに、給湯機(B)から所定温度以上の温水が往き側配管(21)に供給されて、その温水が給湯口アダプター(100)のバネ室流路(95)に導入される。このため、バネ(91)が温水によって所定温度以上に温められて縮むことにより、切替弁(93)によって、吐出側開口(112)が開放されるとともに、吸引側短絡口(80)が閉塞される。これにより図9B,12に示すように、給湯口アダプター(100)に供給された所定温度以上の適温の温水が、上記と同様、通常通り、吐出口(11)から浴槽(T)内に供給されるようになる。
このように追い焚き開始直後に、往き管(2)や給湯機(B)内に冷水が滞留していても、その冷水は、給湯機(B)に戻されるため、冷水が浴槽(T)内に供給されるのを防止することができる。従って入浴中に追い焚き処理を行った際に、冷水が入浴者に触れるような不具合を確実に防止でき、快適な入浴環境を確実に得ることができる。
また本実施形態の給湯システムにおいては、浴槽(T)内の湯温を低下させる足し水処理も支障なく行うことができる。すなわち図9D,13に示すように、足し水処理を行った場合には、給湯機(B)の給湯口から冷水(常温水)が、往き側配管(21)に供給されて、給湯口アダプター(100)の往き流路(6)内に導入されるため、バネ(91)は温められず、吐出側開口(112)は閉塞されているが、往き流路(6)に導入された冷水は、弁室(64)から吸引側短絡口(80)を通って戻り流路(7)内に導入される。ここで足し水処理時には、戻り流路(7)は、給湯機(B)側に吸引されていないため、戻り流路(7)に導入された冷水は、吸引室(102)を通って、給湯口アダプター(100)の吸引口(12)から浴槽(T)内に供給される。このように足し水処理時には、冷水が給湯口アダプター(100)の吸引口(12)から浴槽(T)内に供給されることになる。
以上のように、この第2実施形態の浴槽用給湯システムにおいても、上記第1実施形態と同様に、同様の効果を得ることができる。
その上さらに、本実施形態においては、給湯口アダプター(100)の内部に流路切替手段を組み込んでいるため、給湯口アダプター(100)を取り付けるだけで、上記の作用効果を得ることができ、換言すれば、往き側配管(2)、戻り側配管(3)や、給湯機(B)等に、別途、流路切替装置等を組み付ける必要がない。このため、簡単に組み付けることができるとともに、流路切替装置を組み付けるスペースがなくとも、支障なく採用することができる。
しかも、本実施形態の給湯口アダプター(100)によれば、切替弁(93)を進出方向に付勢するバイアスバネ(94)の内部に、形状記憶合金バネ(91)を配置している。このようにバイアスバネ(94)内のスペースを、形状記憶合金バネ(91)の設置スペースとして有効に利用しているため、例えば両バネ(91)(94)を対向状態で別々に設ける場合等と比較して、より一層の小型コンパクト化を図ることができる。
なお本実施形態においては、バイアスバネ(94)の内部(内周)に、形状記憶合金バネ(91)を収容して、小型コンパクト化を図るようにしているが、バイアスバネの外側(外周)に形状記憶合金バネを配置しても、換言すれば形状記憶合金バネの内部(内周)にバイアスバネを配置しても、上記と同様に、小型コンパクト化を図ることができる。
この発明の浴槽用給湯システムは、一般家庭等の浴槽設備に適用可能である。
1,100:給湯口アダプター
11:吐出口
12:吸引口
2:往き管
21:往き側配管
3:戻り管
31:戻り側配管
5:流路切替装置(流路切替手段)
6:往き流路(第1流路)
61:往き流路入口部(第1流路入口部)
62:往き流路出口部(第2流路入口部)
7:戻り流路(第2流路)
8:短絡流路(短絡管)
80:吸引側短絡口(短絡管)
9:バネケーシング
91:形状記憶合金バネ
93:切替弁
95:バネ室流路
B:室外給湯機
T:浴槽

Claims (12)

  1. 浴槽および給湯機間が往き管および戻り管により連通接続されて、浴槽内の水を戻り管を介して給湯機に吸引しつつ、給湯機から温水を往き管を介して浴槽内に供給する追い焚き処理を行えるようにした浴槽用給湯システムであって、
    前記往き管および前記戻り管間を連通接続する短絡管と、
    前記追い焚き処理を行う際に、前記往き管を流通する温水を、その水温が所定の温度に満たない場合には、前記短絡管を介して前記戻り管に導入し、前記給湯機に戻す流路切替手段とを備えることを特徴とする浴槽用給湯システム。
  2. 前記流路切替手段は、水温が所定温度に満たない場合には、前記往き管における前記短絡管よりも浴槽側に配置される出口部を閉塞し、かつ前記短絡管を開放して、温水を前記短絡管に導入する一方、所定の温度以上になった場合には、前記往き管の出口部を開放し、かつ前記短絡管を閉塞して、温水を前記往き管に流通させる切替弁を有する請求項1に記載の浴槽用給湯システム。
  3. 前記流路切替手段は、前記往き管の一部を構成する往き流路と、前記戻り管の一部を構成する戻り流路と、前記往き流路および前記戻り流路間を連通し、かつ前記短絡管を構成する短絡流路とを備え、
    前記切替弁は、前記往き流路の出口部を閉塞する状態と、前記短絡流路を閉塞する状態との間で選択的に状態変更自在に構成される請求項2に記載の浴槽用給湯システム。
  4. 前記流路切替手段は、前記往き管内を流通する水の少なくとも一部が内部を流通するバネケーシングと、そのバネケーシング内に収容され、かつ温度変化に応じて伸縮変形する形状記憶合金バネとを有し、
    前記形状記憶合金バネの伸縮変形によって、前記切替弁を作動させるようにした請求項2または3に記載の浴槽用給湯システム。
  5. 前記戻り管における前記短絡管よりも浴槽寄りの部分は、給湯機側から浴槽側に水の流動を許容するようになっている請求項1〜4のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
  6. 前記戻り管は、給湯機側から浴槽側に水の流動を許容するようになっている請求項1〜5のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
  7. 浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターを備え、
    前記往き管における浴槽側の端部が、前記吐出口に接続されるとともに、前記戻り管における浴槽側の端部が、前記吸引口に接続され、
    前記給湯口アダプターの内部に、前記流路切替手段が組み込まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
  8. 浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターを備え、
    前記給湯口アダプターと給湯機との間に前記流路切替手段が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴槽用給湯システム。
  9. 浴槽および給湯機間が往き管および戻り管により連通接続されて、浴槽内の水を戻り管を介して給湯機に吸引しつつ、給湯機から温水を往き管を介して浴槽内に供給する追い焚き処理を行えるようにした浴槽設備の給湯方法であって、
    前記往き管および前記戻り管間を連通接続する短絡管を設置しておき、
    前記追い焚き処理を行う際に、前記往き管を流通する温水を、その水温が所定の温度に満たない場合には、前記短絡管を介して前記戻り管に導入し、前記給湯機に戻すようにしたことを特徴とする浴槽設備の給湯方法。
  10. 第1流路と、
    第2流路と、
    前記第1,2流路間を連通接続する短絡流路と、
    前記第1流路内に設けられ、前記第1流路の出口部を閉塞する短絡状態と、前記短絡流路を閉塞する非短絡状態との間で選択的に状態変更自在な切替弁と、
    前記第1流路を流通する水の少なくとも一部が内部を流通するバネケーシングと、
    前記バネケーシングに収容され、温度変化に応じて伸縮変形し、その伸縮変形によって前記切替弁を、前記非短絡状態と、前記短絡状態との間で作動させる形状記憶合金バネとを備え、
    前記バネケーシング内の水温が所定の温度以上の場合には前記非短絡状態に切り換えられ、所定の温度未満の場合には前記短絡状態に切り換えられるように構成され、
    前記非短絡状態では、前記第1流路に、その入口部から流入された水を、前記短絡流路に流通させずに、前記出口部から流出させる一方、前記短絡状態では、前記第1流路に、その入口部から流入された水を、前記出口部から流出させずに、前記短絡流路に流通させて前記第2流路に導くようにしたことを特徴とする流路切替装置。
  11. 浴槽内に水を吐出する吐出口と、浴槽内の水を吸引する吸引口とを有し、かつ浴槽の壁部に取り付けられる給湯口アダプターであって、
    出口部が前記吐出口に接続される往き流路と、
    入口部が前記吸引口に接続される戻り流路と、
    前記往き流路および前記戻り流路間を連通する短絡流路と、
    前記往き流路内に設けられ、前記往き流路の出口部を閉塞する短絡状態と、前記短絡流路を閉塞する非短絡状態との間で選択的に状態変更自在な切替弁と、
    前記往き流路に設けられ、前記往き流路を流通する水の少なくとも一部が流通するバネ室流路と、
    前記バネ室流路に配置され、温度変化に応じて伸縮変形し、その伸縮変形によって前記切替弁を、前記非短絡状態と、前記短絡状態との間で作動させる形状記憶合金バネとを備え、
    前記バネ室流路内の水温が所定の温度以上の場合には前記非短絡状態に切り換えられ、所定の温度未満の場合には前記短絡状態に切り換えられるように構成され、
    前記非短絡状態では、前記往き流路に、その入口部から流入された水を、前記短絡流路に流通させずに、前記往き流路の出口部に流通させて前記吐出口から吐出させる一方、前記短絡状態では、前記往き流路に、その入口部から流入された水を、前記往き流路の出口部に流通させずに、前記短絡流路に流通させて前記戻り流路に導くようにしたことを特徴とする給湯口アダプター。
  12. 前記切替弁を、前記往き流路の出口部を閉塞する側へ付勢するバイアスバネが、前記バネ室流路に設けられ、そのバイアスバネの内周または外周に、前記形状記憶合金バネが配置されている請求項11に記載の給湯口アダプター。
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