JP2010249461A - 溶融金属容器 - Google Patents
溶融金属容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010249461A JP2010249461A JP2009101293A JP2009101293A JP2010249461A JP 2010249461 A JP2010249461 A JP 2010249461A JP 2009101293 A JP2009101293 A JP 2009101293A JP 2009101293 A JP2009101293 A JP 2009101293A JP 2010249461 A JP2010249461 A JP 2010249461A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractory
- refractories
- molten metal
- fixed
- regular
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Abstract
【解決手段】溶融金属容器は、鉄皮6の内面に内張りされるパーマネントれんが7、8と、該パーマネントれんが7、8の内面に内張りされる複数の定形耐火物4及び不定形耐火物5とを備え、定形耐火物4は、相互に隙間を設けてパーマネントれんが8に挟み込まれて固定され、不定形耐火物5は、定形耐火物4相互の隙間に設けられている。
【選択図】図2
Description
しかし、この構造は、目地のあるれんが構造に比べて、熱間で使用される際に発生する熱応力を吸収しにくい構造のため、亀裂が発生し易く、さらに発生した亀裂の進展を抑制することができないという課題を有している。
また、特許文献2には、金属アルコキシド溶液または酸化物粒子が水に分散したゾル溶液を表面被覆した粒度10〜30mmの耐火物粉砕粒を10〜30質量%含有させることで熱的スポーリングまたは構造的スポーリングの亀裂伸展を抑制する方法が開示されている。
また、内張り不定形耐火物は、稼動中に高温の溶融金属にさらされるため、側壁部ならば壁横方向や縦方向、そして敷部であれば外周の方向へそれぞれ熱膨張が起こる。この時、この内張り不定形耐火物中に熱応力が発生する。
ここで、内張り不定形耐火物の厚みの減少は均一ではなく、他部位に比べて薄くなった部位には熱応力の集中が起こる。周囲の耐火物拘束力が高いと、熱応力が集中した部位はこの熱応力に耐えきれず、壁や敷から浮き上がり、剥離を起こすこととなる。
前記特許文献1〜3に開示された技術は、亀裂の発生防止や伸展抑制の効果はあるものの、上記のように稼動回数が増加して内張り耐火物が溶損して薄くなった後の剥離現象は防止できない課題があった。
その結果、プレキャストブロックあるいはれんがブロックのような定形耐火物を、内張り不定形耐火物と鉄皮の間に配置するパーマネントれんがに固定配置し、その周囲に不定形耐火物を流し込んだ基本構造を採用することにより、不定形耐火物に発生する亀裂の伸展を、この定形耐火物で阻止し、さらには耐火物の溶損が進み残厚が薄くなった場合でも、耐火物の剥離・浮上を防止する効果があることを見出した。
(1)鉄皮の内面に内張りされるパーマネントれんがと、
該パーマネントれんがの内面に内張りされる複数の定形耐火物及び不定形耐火物とを備え、
前記定形耐火物は、相互に隙間を設けて前記パーマネントれんがに挟み込まれて固定され、
前記不定形耐火物は、前記定形耐火物相互の隙間に設けられることを特徴とする溶融金属容器。
(2)前記定形耐火物は、内張り面に面する端面が一辺100mm以上、300mm以下の四角形であることを特徴とする(1)に記載の溶融金属容器。
(4)前記定形耐火物は、予め特定された当該溶融金属容器の損傷を生じ易い部位に設けられることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の溶融金属容器。
一般に埋設する定形耐火物は、周囲の不定形耐火物よりも均質で欠陥が少ない。したがって、たとえ不定形耐火物中に亀裂が発生して伸展しようとしても、定形耐火物が壊れにくいため、定形耐火物が障害になり、亀裂伸展が抑制される。さらに、この定形耐火物がパーマネントれんがに挟まれ固定されていることで、不定形耐火物に浮上・剥離の動きが起きても固定されている定形耐火物のアンカー効果で、不定形耐火物の剥離を抑える作用が生ずる。
プレキャストブロックとは、不定形耐火物をあらかじめ型枠に流し込み、養生・乾燥をしたものである。
一方、れんがブロックとは、あらかじめ成形体を焼成するかあるいはバインダーを焼き飛ばす熱処理を施したものである。
これらの定形耐火物を用いれば、きちんと管理された条件の下で製造されるため、均質で欠陥が少ない、壊れにくい耐火物となる。材料は、例えば、アルミナ系、アルミナーマグネシア系、アルミナースピネル系、マグネシア系、カルシア系、ドロマイト系などの耐火材料を使用することができる。
温度 定形耐火物の線熱膨張率 不定形耐火物の線熱膨張率
1000℃ 0.95% 0.82%
1100℃ 1.12% 0.97%
1200℃ 1.33% 1.02%
1300℃ 1.52% 1.16%
1400℃ 1.69% 1.23%
一辺が100mmより小さいと配置するブロック数が多くなり、設置施工に手間や時間を要する。
一方、一辺が300mmより大きいと重量が増加し、これもまた施工に手間や時間を要する結果となる。
形状を直方体とするのは、挟み固定するパーマネントれんがの形状が直方体のため、そのパーマれんがの間に挟み込んで固定しやすくするためである。
鉄皮内面から耐火物内張り面に至る定形耐火物の厚さは、各溶融金属容器の内張り耐火物の設計厚さとパーマネントれんが厚さを足し合わせた厚さとすればよい。
また、定形耐火物の内張り面に面する端面は、定形耐火物の端面が完全に露出していてもよく、定形耐火物が不定形耐火物によって薄く覆われた状態であってもよい。定形耐火物を覆う不定形耐火物の厚さ寸法は、定形耐火物を覆う部分不定形耐火物に発生した亀裂が定形耐火物相互の隙間に設けられる不定形耐火物に進展しない程度の厚さ寸法であれば
よく、例えば、20mm〜30mmであればよい。
この様にして、ブロックの稼動面側を周囲の不定形稼動面と同じレベルにすることで、稼動初期から終期にかけて、不定形耐火物厚さ方向に常にブロックが存在することになり、不定形耐火物の内在亀裂の伸展を阻害する効果を得ることができる。
50mm≦D≦Lmm
とすることが好ましい。定形耐火物間の隙間が50mmより小さいと周囲に不定形耐火物を流し込む際に、このブロック間の隙間に十分に充填できない。
一方、(L)mmより大きくなると発生した亀裂の伸展が定形耐火物によって抑制されず、隙間を伸展していくからである。
また、溶融金属容器によって、亀裂の発生しやすい部位や剥離を生じやすい部位は決まっており、例えば、溶鋼鍋の底面では湯当りブロックの周囲で亀裂や剥離が発生しやすい。したがって、定形耐火物は、溶融金属容器などの全面に配置する必要はなく、溶融金属容器の種類毎にあらかじめ特定した亀裂や剥離が発生しやすい部位に定形耐火物を配置することが、施工の容易性からも好ましい。
図1には、本発明の実施例1が示されている。実施例1は、溶鋼鍋1の敷部における湯当りブロック2の周囲に形成されるものであり、溶鋼鍋1の敷部不定形耐火物では、湯当りブロック2の周囲に亀裂が発生する。湯当りブロック2は、溶鋼鍋1の円形中心を中心として、スライディングノズルの羽口3とは反対側に設けられる。
尚、3はスライディングノズルの羽口である
そこで、定形耐火物4として、周囲の不定形耐火物5と同じ材料であるアルミナ−マグネシア系のプレキャストブロックあるいはMgO−Cれんがブロックを短辺100mm×長辺200mm×厚さ300mmのサイズに作製し、湯当りブロック2を囲むように配置した。
定形耐火物4の亀裂・剥離抑制効果を、表1に示す6条件で実溶鋼鍋1の敷部で調査した。条件Aは、アルミナ−マグネシア不定形耐火物を敷部全域に施工した。条件B、C、D、Eはアルミナーマグネシア系プレキャストブロックを、条件FはMgO−Cれんがブロックを図1に示す湯当りブロック2の周囲に配置し、その他の領域を従来のアルミナーマグネシア不定形耐火物を流し込んだ。ここで、条件B、C、Fでは定形耐火物4の設置間隔L1を200mm、条件Dでは250mm、条件Eでは400mmとした。
次に、定形耐火物4の固定については、条件C、D、E、F(実施例1〜実施例4)は、いずれも図2に示すように定形耐火物4を、鉄皮6上の第1層パーマネントれんが7上に設置し、その上側の第2層パーマネントれんが8で挟み込んで固定する構造とした。
この固定の効果を見る比較条件として、図3に示されるように、定形耐火物4を第2層パーマネントれんが8上に設置してパーマネントれんが8による挟み込んだ固定がない条件B(比較例1)を実施し、条件Cと比較できるようにした。また、定形耐火物4を全く用いない場合として条件A(比較例2)を実施した。
条件Aは、35チャージで湯当りブロック2の周囲の不定形耐火物5に多数の亀裂が発生、伸展し、さらに剥離が発生して補修が必要となった。
定形耐火物4を第2層パーマネントれんが8に固定をしない条件Bでは、亀裂は発生しなかったものの、90チャージで湯当りブロック2周辺の不定形耐火物5および定形耐火物4の剥離が発生し、補修が必要となった。
条件Cは、稼動計画の130チャージの間に亀裂、剥離は発生しなかった。
条件Dの250mm間隔では75チャージで湯当りブロック2と定形耐火物4の周辺の不定形耐火物5に小亀裂が発生したが、補修は不要であり、稼動計画の130チャージの処理が可能であった。
条件Dよりも設置間隔を400mmと大きくした条件Eは、60チャージと早い稼動時期に湯当りブロック2から亀裂が発生し、一部の亀裂が設置ブロック間を亀裂が伸展したが、補修は不要であり、稼動計画の130チャージの処理が可能であった。
条件Fでは、定形耐火物4としてMgO−Cれんがブロックを使用したが、条件Cと同じく稼動計画の130チャージの間に亀裂、剥離は発生しなかった。
溶鋼鍋の壁部の不定形耐火物では壁全域に亀裂が発生する。そこで、図3に示されるように、溶鋼鍋の壁部9に不定形耐火物10を施工するに際して、定形耐火物11として周囲の不定形耐火物10と同じ材料であるアルミナ−マグネシア系のプレキャストブロックあるいはMgO−Cれんがブロックを定形耐火物11として使用した。定形耐火物11は、短辺114mm×長辺230mm×厚さ300mmのサイズに作製し、溶鋼鍋の壁部9の全面に千鳥状に配置した。
定形耐火物11は、横方向(定形耐火物9の短辺方向)の設置間隔L3を114mm、縦方向(定形耐火物11の長辺方向)の設置間隔L4を230mmとした。
実溶鋼鍋の壁部9を表2に示す4条件で施工し、定形耐火物の有無、定形耐火物の固定の有無、定形耐火物の種類による亀裂・剥離抑制効果を調査した。
定形耐火物11を、パーマネントれんがで挟み込んで固定しない条件H(比較例4)では亀裂の発生は見られなかったが、75チャージで不定形耐火物10および定形耐火物11の剥離が発生し、補修が必要となった。
定形耐火物11をパーマネントれんがに挟み込んで固定した条件I(実施例5)では稼動計画の130チャージ間、亀裂や剥離の発生は認められなかった。定形耐火物11としてMgO−Cれんがブロックを使用した条件J(実施例6)では130チャージ間、亀裂や剥離の発生はなかった。
Claims (4)
- 鉄皮の内面に内張りされるパーマネントれんがと、
該パーマネントれんがの内面に内張りされる複数の定形耐火物及び不定形耐火物とを備え、
前記定形耐火物は、相互に隙間を設けて前記パーマネントれんがに挟み込まれて固定され、
前記不定形耐火物は、前記定形耐火物相互の隙間に設けられることを特徴とする溶融金属容器。 - 前記定形耐火物は、内張り面に面する端面が一辺100mm以上、300mm以下の四角形であることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属容器。
- 前記定形耐火物相互の隙間寸法(D)は、前記定形耐火物の一辺の寸法(L)に対して、50mm≦D≦Lmmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の溶融金属容器。
- 前記定形耐火物は、予め特定された当該溶融金属容器の損傷を生じ易い部位に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の溶融金属容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009101293A JP5540555B2 (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 溶融金属容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009101293A JP5540555B2 (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 溶融金属容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010249461A true JP2010249461A (ja) | 2010-11-04 |
JP5540555B2 JP5540555B2 (ja) | 2014-07-02 |
Family
ID=43311998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009101293A Active JP5540555B2 (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 溶融金属容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5540555B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015116571A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 昭和セラミックス株式会社 | 受湯容器及びその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60140088A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-24 | 東芝セラミツクス株式会社 | 炉床構造 |
JPH01100668U (ja) * | 1987-12-25 | 1989-07-06 |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009101293A patent/JP5540555B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60140088A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-24 | 東芝セラミツクス株式会社 | 炉床構造 |
JPH01100668U (ja) * | 1987-12-25 | 1989-07-06 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015116571A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 昭和セラミックス株式会社 | 受湯容器及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5540555B2 (ja) | 2014-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5800087B2 (ja) | 溶鋼容器 | |
CN106145964B (zh) | 用于大型钢包包底工作衬的干式捣打料 | |
CN105209842A (zh) | 多层冷却面板和电弧炉 | |
JP2010230194A (ja) | 耐火物の施工方法および施工された加熱炉 | |
JP5494898B1 (ja) | 溶融金属容器のライニング構造 | |
JP5540555B2 (ja) | 溶融金属容器 | |
JP6179534B2 (ja) | 高炉樋用鏝塗り用不定形耐火物 | |
JP2011105986A (ja) | 製鉄用容器の耐火物ライニング構造 | |
JP2011241093A (ja) | 内張り流し込み材 | |
KR20130059908A (ko) | 래들의 벽체 구조 | |
KR101574777B1 (ko) | 내화벽돌 라이너 유닛 | |
EP3193115A1 (en) | Fired precast block | |
JPH09192822A (ja) | タンディッシュカバー | |
JPH10206031A (ja) | 取鍋敷部の断熱ライニング構造 | |
JP5606177B2 (ja) | 溶鋼搬送用取鍋 | |
CN106288806B (zh) | 冶金炉 | |
US3343827A (en) | Taphole for a metallurgical vessel | |
JPH08155631A (ja) | 溶融金属容器の内張り構造 | |
JPS5922928Y2 (ja) | 鋳込み容器の敷構造 | |
JP3673961B2 (ja) | 真空脱ガス装置真空槽の内張り構造 | |
JP6781813B1 (ja) | コークス炉炭化室炉壁の張り出し抑制方法 | |
JP4441056B2 (ja) | 耐火物ブロック、その製造方法及び溶湯容器 | |
JP2773226B2 (ja) | 取鍋底部の内張り構造 | |
Biswas et al. | Blast Furnace Refractory | |
KR200371423Y1 (ko) | 로체 내부에 시공되는 내화벽돌 구조 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110816 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130813 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131015 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140408 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140421 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5540555 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |