JP2010249119A - 角振動遠心力ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】弁が不要なターボ型ポンプを、簡潔で小型化にも適した構造で実施する事、及び、軸シールドが不要なポンプ構造も可能にする事。
【解決手段】角振動子1を角振動運動させる事によって、径貫通穴2の中にある流体に遠心力を作用させるターボ型遠心ポンプとする。角振動子1を角振動運動させるために、「共鳴振動モータ」を組合せて用いる。「共鳴振動モータ」を組入れることによってポンプ構造と駆動機構の一体化を実現し、小型化に適合する。角振動運動は、360°回り切らない揺動範囲内での角振動子1の反復回転である故に、吸入管8を角振動運動の径貫通穴2に繋ぐ構造が可能になり、シールド不要の構造を実施できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電流をポンプ圧力に変換する装置に関する。
流体ポンプとしては、容積型ポンプやターボ型ポンプが一般的である。容積型ポンプはたとえばダイヤフラムポンプであり(特許文献1参照)、ターボ型ポンプはたとえば遠心ポンプである(特許文献2参照)。
特開2004−060640号 特開2009−011767号 特開2007−289911号
容積型ポンプでは弁構造を必要とし、つまり弁のシールド機構が必要である。シールド機構は劣化し、ポンプ性能に影響するため、容積型ポンプのエネルギー変換効率はターボ型ポンプの場合よりも低い。一方、ターボ型ポンプはエネルギー変換効率に優れ、流量と吐出圧の適用幅が広いが、駆動モータをポンプ外部に取付けるため、装置全体のサイズが大きくなる。更に、一般のターボ型ポンプは、シャフト周りの液漏れ(流体漏れ)を防止すべく、軸シールド機構も必要である。軸シールドを無くすためには磁気軸を利用することも考えられるが、磁気軸は高度な磁気制御機構を必要とする。また特許文献3は、特にポンプとしての実施の詳細は開示していない。
本発明は、弁が不要なターボ型ポンプを、簡潔で小型化にも適した構造で実施するものであり、軸シールドが不要なポンプ構造も可能にする。
本発明の一観点によれば、ケースと、前記ケースに往復回転運動可能に収容される角振動子と、角振動子を保持するためにケースに設けられる保持部と、ケースに設けられる電磁コイルとを備える角振動遠心力ポンプが提供される。角振動子は、第1磁気双極子と圧送流路を有する。圧送流路は、流体を受け入れる圧送入口と、流体の出口としての圧送出口とを有する。保持部は、第1磁気双極子から発せられる磁力に基づき、角振動子を保持する。保持部は、第2磁気双極子あるいは磁性体を含む。角振動子は、保持部に対して振動可能である。磁力は、角振動子の振動の静止点と、振動の固有振動数とを規定する。固有振動数に同調させられた電流が電磁コイルに供給されると、角振動子は共振する。その結果、圧送流路内の流体に遠心力が作用することによって、圧送出口から流体が吐出される。
請求項1の発明によれば、弁が不要なターボ型ポンプを実施できるため、容積型ポンプに比べて優れる。通常の遠心ポンプでは、ポンプ構造の外部に駆動装置を要するが、本発明では遠心ポンプに「共鳴振動モータ」を組入れることによって、ポンプ構造と駆動機構の一体化を実現し、小型化に適合する。また、流体漏れのない、完全なシールド性能のポンプも実施できる。角振動子の角振動運動は、360°回り切らない範囲内の反復回転である事から、回転シャフトをシールド不要な構造が実現できている。更に本発明のポンプ
は簡潔な構造で製作が容易であり、故障要因が少ない装置となる。また、後述の表2に示すように、本発明ではポンプサイズに対する出力性能が高く、ポンプ性能を幅広く設計できる。
また、請求項2の発明によれば、図1〜図3に示すように角振動子を容易に製造できる。請求項3の発明によれば、第1磁気双極子を軸線に近く配置すると、角振動子の慣性モーメントを小さくすなわち共鳴周波数を高くできる。一方、振動子円盤の半径を大きくすると、径貫通穴を長くでき、大きな遠心力を径貫通穴内の流体に作用できる。請求項4の発明によれば、図5に示すように軸受部を搬送流体から遮断した遠心ポンプを実現できる。従って、流体に含まれる粒子(たとえば血液中の赤血球)が軸受部によってすり潰されることを防止できるため、たとえば心臓ポンプに好適である。請求項5の発明によれば、振動子円盤の共振振動を円滑に継続できる。請求項6の発明によれば、図3に示すように、径貫通穴から吐出後の流体を、ケース内で攪拌せずに外部に搬送できるため、エネルギーロスを少なくすることができる。請求項7の発明によれば、流体漏れシールド性能を向上できる。請求項8の発明によれば、図4に示すように径貫通穴を長くして遠心力を大きくしつつ、角振動子の慣性モーメントを小さくできるため、ポンプ効率を向上できる。請求項9の発明によれば、水中に細かな多数の気泡を送り込むエアーポンプを好適に実現できる。
図1(a)は、図2(a)に示す角振動子の平断面図。図1(b)は、図1(a)の1B−1B線断面図。図1(c)は縦断面図。 図2(a)は、本発明を具体化した第1実施形態に係る角振動遠心力ポンプの平断面図。図2(b)は、図2(a)の2B−2B線断面図。図2(c)は縦断面図。図2(d)は作用を示す平断面図。 図3(a)は、エネルギー変換効率に優れる第2実施形態の遠心力ポンプの平断面図。図3(b)は、図3(a)の3B−3B線断面図。図3(c)は縦断面図。図3(d)は作用を示す平断面図。 図4(a)は、第3実施形態の遠心力ポンプの平断面図。図4(b)は、図4(a)の4B−4B線断面図。 図5(a)は、第4実施形態の遠心力ポンプの平断面図。図5(b)は、図5(a)の5B−5B線断面図。 図5(a)の遠心力ポンプを、駆動制御する駆動制御装置のブロック図。 図7(a)は、第5実施形態の遠心力ポンプの断面図。図7(b)は、図7(a)の7B−7B線断面図。
図1(a)〜図1(c)に示すように、中空円筒である角振動子1は、軸方向に延びる貫通穴としての軸方向穴1aから外周面1bまで径方向に延びる径貫通穴2を2本有する。2本の径貫通穴2は、角振動子1を横切るように、角振動子1の軸線Cを通過して径方向に1直線に延びるように形成される。角振動子1に、円筒中心を軸線Cとする角振動運動を与えると、径貫通穴2は圧送流路として機能し、径貫通穴2内の流体が遠心力によって圧送され、角振動子1の外部に吐出される。角振動運動とは、360°未満の回転運動範囲で、回転運動を順回転と逆回転で周期反復する運動と定義する。なお、図1(a)には、角振動子1の内半径rと外半径rも示す。
図2(a)〜図2(c)は、角振動子1を角振動運動させるための構造を有する第1実施形態の角振動遠心力ポンプを示す。この遠心力ポンプは、特許文献3の「共鳴振動モータ」を組合わせたものである。
中空の箱状のケース3の内部に、角振動子1を収容する。ケース3は、角振動子1の軸方向穴1aに入り込んで角振動子1を回転可能に支持する一対の軸受部4を有する。軸方向穴1aの内周面と、軸受部4の外周面の互いに接触する部分には、角振動子1が滑らかに角振動運動できるようにするための表面加工をする。
ケース3は更に、吐出管9が繋がれる吐出口用空隙5と、ケース3外部から軸受部4を通過して軸方向穴1a内に達する2つの吸入口用空隙6とを有する。吐出管9を通した状態の吐出口用空隙5の周囲には、ケース3内部を外部から遮蔽する密封処理を施す。吸入管8は、ケース3外部から二又に分岐され、それぞれ吸入口用空隙6を通過して、角振動子1の軸方向穴1a内を延び、径貫通穴2に繋がれる。本実施形態では、吸入管8は径貫通穴2に差し込まれ、角振動子1の外周面1bまで延びる。吸入管8の先端8aは、径貫通穴2の角振動運動に応じた滑らかな変形が要求されるため、柔軟な材質が適切であり、例えば吸入管8にはシリコーンゴムの管を用いる。その結果、吸入管8は角振動中の径貫通穴2に、流体を連続供給できる。つまり、吸入管8が吸入口用空隙6から径貫通穴2まで延びることによって、遠心力ポンプは完全な流体漏れシールド性を発揮できる。径貫通穴2の径方向内端を圧送入口2aと称し、径貫通穴2の径方向外端を圧送出口2bと称する。圧送入口2aは、吸入管8によって、吸入口用空隙6から流体を受け入れるように当該吸入口用空隙6に接続され、圧送出口2bは、ケース3の内部空間を通じて、吐出口用空隙5に流体を流すように当該吐出口用空隙5に接続される。
角振動子1自体を磁石にすることによって、角振動子1を第1磁気双極子にする。ケース3に磁石を埋込むことによって、ケース3を第2磁気双極子とする。第2磁気双極子は、第1磁気双極子の磁力に基づき角振動子1を保持する保持部(固定子)である。なお、磁石ではない角振動子1に、磁石を埋込むことによって角振動子1を第1磁気双極子にしても良いし、ケース3自体を磁石にして第2磁気双極子にしても良い。
第1双極子の磁場が、第2磁気双極子の磁場とが作用しあう事によって、角振動子1の安定位置、すなわち振動の静止点が決まる。たとえば図2(a)と図2(b)に示すように、これら図において角振動子1の外周面1bの上半分がS極を示し、外周面1bの下半分がN極を示すように第1磁気双極子を形成する。そしてケース3は、角振動子1のS極に対向する部分がN極を示し、角振動子1のN極に対向する部分がS極を示すように形成する。
たとえば図2(a)が角振動子1の安定位置を示す場合、角振動子1は、図2(a)において軸線C回りの力を受けると、ケース3内で力の方向に応じて図2(d)に示すように軸線C回りに回転し、力の作用がなくなると図2(a)に示すように安定位置に向かって戻る。つまり角振動子1は、静止点を中心とした振動運動を行い、力が作用しないとやがては静止点に収束する。角振動子1は、ケース3内で振動系を形成している。
径貫通穴2は、角振動子1の軸線Cを通る軸方向穴1aから、外周面1bに向かって延びていれば良い。角振動子1の安定位置は、軸線C周りのどの回転位置であっても良い。角振動子1が角振動すれば、径貫通穴2内の流体に遠心力が作用してポンプ作用が生じるからである。
振動系には固有振動数があり、第1磁気双極子と第2磁気双極子の形状、配置、および磁石の強さを調整することで固有振動数を調整できる。更に角振動子1の負荷に応じて、固有振動数は変化する。角振動子1が角振動する場合の角速度の変化は、第1磁気双極子と第2磁気双極子の形状、配置、および磁石の強さで決まるが、概ね回転角に応じた正弦波に近い変化であるといえる。
なお、ケース3の第2磁気双極子は、磁石ではない磁性体であっても良い。つまり角振動子1から発する磁場が、ケース3の磁性体と作用することによって、角振動子1の静止点を規定できればよい。ケース3の第2磁気双極子または磁性体は、角振動子1から発する磁気によって角振動子1をケース3に対して保持するための保持部として機能する。
電磁コイル7は、第1磁気双極子と第2磁気双極子の間に生じる第1磁力線に対し、垂直成分を持つ第2磁力線を発生させるために配置される。図2(a)では、ケース3の外面に電磁コイル7を巻付ける。
電磁コイル7に電流を流すと、電磁コイル7から第2磁力線が発生して、角振動子1を振動させる。電磁コイル7に流す電流を周期電流とし、電流周波数を調節することによって電磁コイル7の磁場振動数を角振動子1の固有振動数に一致させると、角振動子1は共振し、効率に優れた振動運動が生じる。つまり遠心力ポンプの振動系は、電流から提供されたエネルギーを、角振動子1の回転速度エネルギーと磁場の位置エネルギーに変換して蓄積する。遠心力ポンプに蓄積されるエネルギー量は、角振動子1の慣性モーメントをI[Kg・m2 ]、1周期内での最大角速度をω[ラジアン/s]とした場合、Iω2 /2[J]である。
このような共振時に吸入管8から径貫通穴2に流体を連続供給すると、流体は径貫通穴2内で遠心力を受け、角振動子1から外方に連続吐出させられる。つまり径貫通穴2を首振り振動させることによって径貫通穴2内の流体に遠心力を付与して圧送し、圧送出口2bから吐出させる。この流体搬送エネルギーが振動系の出力エネルギーであって振動系から消費されるため、この出力エネルギーをまかなうように角振動子1を共振させる。
以上のように、「共鳴振動モータ」の機構をポンプ機構に一体に組込む構造にすることによって、角振動を利用したターボ型の遠心ポンプを実現できる。
上記実施形態は、以下の利点(作用効果)を有する。
(1) 遠心力ポンプは、角振動子1を角振動させることによって、径貫通穴2内の流体に遠心力を付与して圧送する。つまりケース3に対して角振動子1を軸受部4で機械的に回転支持した状態で、ケース3外部から電磁力で角振動子1を振動させる。よって、角振動子1に動力を付与する構成に関してケース3を密閉できる。たとえば、ケース3を貫通する回転シャフトを介して、ケース3外部から駆動モータで角振動子1を駆動するような構成とは異なり、軸シールド機構が不要であるし、小型化にも適する。
(2) また、円筒磁石からなる角振動子1に、径貫通穴2を設けるだけで角振動子1を形成できる。よって角振動子1の製造が容易である。
(3) また、角振動子1の軸方向穴1aに入り込む軸受部4の内部に、吸入管8を通す。よって、角振動子1を回転支持する構成を有効活用して、径貫通穴2に流体を供給するための構成を実現できる。軸受部4は吸入管8を安定して支持する。
図3(a)〜図3(c)は、第2実施形態の遠心力ポンプを示す。
ケース13の中空部を、円筒状に変更した。つまりケース13は、角振動子1とほぼ同じ大きさの円筒状のケース内周面13aを有し、ケース内周面13aの径は角振動子1の外径よりも僅かに大きい。ケース内周面13aが角振動子1の外周面1bを回転可能に支持すべく、互いの対向する部分には鏡面コーティングが施される。つまりケース内周面13aが軸受として機能するため、図3(b)に示すように、角振動子1の軸方向穴1aに入り込む軸受部4は不要である。吸入管8の先端8aは、角振動子1の軸方向穴1a内に流体を注ぎ込むことが出来れば良い。
吐出口用空隙5は、角振動子1が角振動する場合の径貫通穴2の往復動範囲A(図3(a)に図示)を包囲するように、ケース内周面13aにおいて周方向に延びる。吐出口カバー10は、径貫通穴2の圧送出口2bと、ケース内周面13aとの間を流体密閉すべく、吐出口用空隙5を密着して覆う。吐出口カバー10から吐出管9がケース外部に延びる。つまり圧送出口2bは、吐出口カバー10の内部を介して、吐出口用空隙5に流体を流すのであり、ケース内周面13aと角振動子1の外周面1bとの間には流体が漏れないようにする。吸入口用空隙6と吐出口用空隙5それぞれの流体漏れシールド性を保つべく、ケース内周面13aと、角振動子1の外周面1bそれぞれの曲率を調整する。図3(a)の遠心力ポンプも、電磁コイル7への周期電流供給によって駆動される。
図3(a)の遠心力ポンプは、更に以下の利点を有する。
(4) 図2(a)の遠心力ポンプでは、角振動子1の外周面1bが流体中で運動し、流体を撹拌する。しかし、図3(a)の角振動子1の外周面1bは、流体を撹拌しない構造であるため、エネルギー変換効率上で優れる。更に図3(a)の場合、吸入管8は運動しないため、角振動子1の角振動は一層滑らかであり、エネルギーロスを少なくする。更に図3(a)では、角振動子1の第1磁気双極子と、ケース13の第2磁気双極子との空隙が少ないため、磁場相互作用が強く、振動系の固有周波数を高め、高出力にできる。
図4(a)と図4(b)は、第3実施形態を示し、簡潔に作成できる遠心力ポンプの実施事例を示す。
ケース3は、四角枠型の内側ケース3aと、内側ケース3aを密閉収容する外側ケース3bとからなる。外側ケース3bに、吐出口用空隙5と吸入口用空隙6が形成される。内側ケース3aは、一対の軸受部4を介して、中空シャフト11を回転可能に支持する。中空シャフト11には、第1双極子の磁石としての角振動子1と、貫通穴支持腕12とが一体回転可能に取付けられる。貫通穴支持腕12は、内側ケース3aの四角枠の隙間を通り越して径方向に延びることによって、角振動子1よりも径方向外方に突出する貫通穴収納腕である。貫通穴支持腕12は、中空シャフト11の軸方向穴11aに連通する2本の径貫通穴2を有する。
吸入管8は、外側ケース3b外部から内側に通され、更に中空シャフト11の軸方向穴11aに通される。そして吸入管8は、二又に分岐してそれぞれ径貫通穴2に通され、貫通穴支持腕12のそれぞれ先端まで通される。内側ケース3aに、電磁コイル7を巻付ける。外側ケース3bの内面には、第2双極子すなわち保持部としての固定子磁石14を2個取付ける。つまり外側ケース3bは、内側ケース3a、電磁コイル7、固定子磁石14、および中空シャフト11を密封収納する。外側ケース3bの吐出口用空隙5には、吐出管9を取付ける。第1双極子と第2双極子による第1磁力線は、図4(a)と図4(b)ではそれぞれ上下方向に延びる。
つまり、図4(a)と図4(b)の装置は、更に以下の利点を有する。
(5) 貫通穴支持腕12は、角振動子1の外半径を小さくしつつも、径貫通穴2を長くするために用いる。角振動子1の外半径が小さい方が、角振動子1の慣性モーメントが小さいため、角振動子1の共鳴周波数を高くでき、従って強い遠心力を得やすい。つまり角振動子1の外半径が小さい方が、ポンプ出力を高くし易い。一方、径貫通穴2が長い方が、共通の周波数に対して強い遠心力を取り出し易く、ポンプ出力を高くし易い。
図4(a)と図4(b)の遠心力ポンプによれば、弁が不要で軸シールドが不要な小型ポンプを、装置サイズは1辺約3cm、装置重量は約40gで実現できる。角振動子1は、中空円筒のネオジウム磁石であり、角振動子1の外半径r2 は8.5mm、内半径r1 は3mm、軸方向寸法は15mmである。吸入管8は、外径約1mm、内径約0.4mmのシリコーンゴムホースを2本束ねて用いた。電磁コイル7は、径0.26mmのエナメ
ル線を100巻きした。
電磁コイル7に50Hz程度のパルス電流を流し、順次、パルス電流の周波数を調整すると、約70Hzの近辺で、角振動子1は固有周波数に共鳴した角振動運動した。振動角つまり振幅角度は、概ね2ラジアンになる。この結果、角振動子1は遠心ポンプとして働き、約110cmまでの揚水能力を発揮した。即ちポンプ圧力は、約11kpaである。吐出管9に対する負荷圧0での吐出流量は約50ml/分であり、ポンプ仕事量は約0.01Wである。汲み上げ高さ50cmへの揚水能力は、約30ml/分を示すことができる。
図5(a)、図5(b)、および図6は、人工心臓ポンプに適する出力が可能な第4実施形態を示す。この遠心力ポンプは、血液を破壊しない特性を示す。
図5(a)と図5(b)に示すように、扁平な円筒状のケース3は、中空シャフト11を収容する。中空シャフト11に繋いだ径貫通穴2から吐出される流体は、ケース3の内部流路3cを通り吐出管9に流れてゆく。ケース3の天板と底板は、それぞれ中央部にシャフト受け穴を有しており、このシャフト受け穴の周面が軸受部4として機能し、中空シャフト11を回転可能に支持する。ケース3の天板と底板それぞれの軸受部4のケース内側面を、弾性シール材15で覆う。ケース3の天板と底板それぞれの軸受部4のケース外側面は、補助ケース3dによって覆われている。中空シャフト11は弾性シール材15を貫いているが、中空シャフト11の側面は弾性シール材15と密封接着されている。弾性シール材15によって、ケース3内側の流体(つまりケース内部流路3cの流体)は、軸受部4から遮断される。
中空シャフト11の両端には、それぞれ吸入管8が接続される。中空シャフト11のそれぞれ端部は、軸受部4を通過する。吸入管8は、補助ケース3dに形成された吸入口用空隙6を通り抜けつつ、補助ケース3dに密着固定される。つまり、補助ケース3dの外部に流体が存在しても、この補助ケース3dの外部の流体は、補助ケース3dによって、軸受部4から遮断される。
図5(a)と図5(b)の装置は、更に以下の利点を有する。
(6) 上述の構成は、本実施形態の装置が体内に埋め込まれる事を想定している。つまり、軸受部4は、弾性シール材15と補助ケース3dによって、密閉されている。その結果、吸入管8から遠心力ポンプに流入して、そして遠心力を付与されて吐出管9から外部に吐出される流体は、軸受部4に接することがない。ここで、微細な粒子を搬送する流体すなわち「搬送流体」として、例えば赤血球などの粒子を搬送する血液を本実施形態のポンプによって圧送する場合を考える。その場合、搬送流体に含まれる粒子(例えば、血液中の赤血球)などは、軸受部4によってすり潰されることが防止される。
吸入管8は、補助ケース3dに密着固定されるが、補助ケース3dの内側の吸入管8の部分は、中空シャフト11の角振動運動に応じて滑らかに変形できる。その結果、中空シャフト11はケース3に対して回転可能である。弾性シール材15には、例えば飴ゴムや、シリコーンゴムが適用できる。
さらに図5(a)と図5(b)に示すように、中空シャフト11には、振動子としての扁平な振動子円盤(回転円盤)16が、一体回転可能に取付けられている。振動子円盤16は、比重が小さな非磁性体材料によって形成され、例えばプラスチックで形成される。振動子円盤16には、それぞれ第1双極子としての2個の振動子磁石17を、軸線周りに180°間隔で取付ける。それぞれの振動子磁石17のN極とS極は、軸線方向に並ぶ。2個の振動子磁石17は、互いに同じ方向を向いている。たとえば2個の振動子磁石17のN極は、いずれもケース3の天板に向かい、2個の振動子磁石17のS極は、いずれも
ケース3の底板に向かう。このように振動子円盤16は、2個の第1双極子(17)を有する角振動子として機能する。
振動子円盤16は4本の径貫通穴2を90°間隔に有する。それぞれ径貫通穴2は、中空シャフト11の内部に連通し、振動子円盤16の内周面から外周面まで延びる。
ケース3の天板には、2個の固定子磁石14を180°間隔で配置し、更に6個の電磁コイル7を、図5(a)に示すように取付ける。2個の固定子磁石14のN極とS極は、互いに同じ方向に向かい、且つ振動子磁石17とは逆方向に向かって取付けられる。つまり、固定子磁石14のS極は、振動子磁石17のS極に向かい、固定子磁石14のN極は振動子磁石17のN極に向かう。6個の電磁コイル7は、固定子磁石14とは重ならないように配置されている。具体的には、6個の電磁コイル7のうちの4個は、90°間隔で、それぞれ固定子磁石14から45°の位置に配置されている。そして残りの2個の電磁コイル7は、固定子磁石14を避けて、他の電磁コイル7から45°の位置に配置されている。
ケース3の底板にも、同様に2個の固定子磁石14と、6個の電磁コイル7を取付ける。ケース3の天板の固定子磁石14は、ケース3の底板の固定子磁石14に対向し、磁力は互いに引き合うように働いている。ケース3の天板と底板の1対(2個)の固定子磁石が、第2双極子を構成する。つまりケース3には2個の第2双極子が、それぞれ振動子円盤16の2個の第1双極子とは反発する方向に取り付けられた事になる。従って、振動子円盤16は軸線を中心としてその周りに回転可能であるが、振動子磁石17が固定子磁石14に対して軸心周りに90°となる位置で、静止位置となる。ケース3の底板の電磁コイル7は、それぞれケース3の天板の電磁コイル7と軸方向に向き合う。
上述の装置は、更に以下の利点を有する。
(7) 振動子磁石17を軸線に近く配置すると、振動子円盤16の角振動運動が高い共鳴周波数を得るように調整し易い。一方、振動子円盤16の半径を大きくすると、径貫通穴2を長くでき、大きな遠心力を径貫通穴2内の流体に作用させることができる。
この構造は、ケース3内部にある搬送流体に含まれる粒子を、すり潰さないにしつつ、搬送流体にポンプ特性を与える。つまり、軸受部4を、弾性シール材15と補助ケース3dによって、搬送流体から遮断した。すなわち、中空シャフト11と、シャフト受け穴としての吸入口用空隙6との接触面を、搬送流体から密封遮断した。その結果、搬送流体中の粒子のすり潰しを防いでいる。
(8) また、従来の遠心力ポンプは、モータなどの駆動源を、ケース3の外部に配置する必要があったため、駆動源とシャフトの間のシールが不可欠であった。しかし、本実施形態の遠心力ポンプでは、駆動源をケース3の外部に配置しなくて済むため、ケース3の密封を確実にし易い。
ケース3は、複数の吐出口用空隙5を有し、それぞれに吐出管9が取付けられる。ケース3の内部は、流体が一定方向に流れ易い形状にする。図5(b)に矢印で示すように、振動子円盤16の外周面から吐出された流体は、一旦、振動子円盤16の上面と下面にそれぞれ沿って径方向内方に向かって流れ、そして吐出管9に入り、ケース3の外部に吐出される。
例えば、それぞれ径貫通穴2の長さを概ね3.5cmとする。それぞれ径貫通穴2の断面は矩形であり、4本の径貫通穴2の合計した断面積を概ね0.5cm2 に構成しておく。角振動子1が40サイクル以上で固有の共鳴振動数を持つように、振動子磁石17と固定子磁石14の大きさと距離を調整して配置しておく。また、振動子円盤16は外径70
mm、厚み8mmとする。
電磁コイル7は周期駆動するが、1周期を位相分割して個々のコイルを駆動するタイミングと電流の正逆を、角振動運動し易いように制御する。「表1」に、制御の一例を示す。ここで、6個の電磁コイル7を、180°間隔の電磁コイル7毎に、2個の第1コイル7a、2個の第2コイル7b、2個の第3コイル7cの計3組として便宜上名付け、第0相から第7相までの計8相の励磁パターンを表1に示す。表1において、「+」は、励磁した電磁コイル7からの振動子磁石17に対する引力駆動を示し、「−」は励磁した電磁コイル7からの振動子磁石17に対する斥力駆動を示す。
Figure 2010249119
遠心力ポンプの負荷圧が変動する場合、振動子円盤16の固有周波数も変動する。振動子円盤16の周波数変動を、遠心力ポンプの駆動制御にフィードバックするために、振動子円盤16の位置と回転方向を感知する位置センサ20(図5(a)に示す)をケース3に取付け、そして図7の駆動制御回路21を用いる。駆動制御回路21は、第1駆動回路22aによって第1コイル7aを駆動し、第2駆動回路22bによって第2コイル7bを駆動し、そして第3駆動回路22cによって第3コイル7cを駆動する。図7の発振回路23と駆動制御回路21は、振動子円盤16を、振動角が概ね1.5ラジアン、振動周波数が概ね40サイクル/秒で初期駆動する。その後、駆動制御回路21は、位置センサ20の検出結果を位置判定回路24を介して受取り、そして振動角が約2ラジアン、振動周波数が約40サイクル/秒になるように制御モードを切替えることによって、振動子円盤16の共鳴角振動運動を継続させる。つまり駆動制御回路21は、電磁コイル7を表1に示すように順次励磁することによって、振動子円盤16の共振振動を継続させる。
その結果、図5(a)の流体ポンプは、負荷圧13kpaの状態で、7500ml/分の吐出流量の液体ポンプとして機能する。この液体ポンプは、血液の内容物を壊さない特性を発揮するため、血液ポンプに適用でき、人工心臓ポンプを実施することができる。
図7は、エアーポンプに適する出力が可能な第5実施形態を示す。
つまり図7の装置は、簡潔な構造で、水中に空気を送ることが出来る。吸入管8としてのシリコーンゴムの管を、中空シャフト11の内部を通して振動子1を貫き、そして径貫通穴2に通している。装置を水槽18の底あるいは壁面に固定し、吸入管8の先端を水面19から外に出しておく。
角振動子1の一部あるいは全体が磁石で構成され、そして角振動子1の磁力は、固定子磁石14と図7の上下方向に引き合っている。電磁コイル7に周波電流を流した状態で、角振動子1が共鳴して角振動運動になるよう、周波数を調整する。角振動運動によって径貫通穴2に生じるポンプ圧力は、吸入管8から取り込んだ気体たとえば空気を、水中に、細かな多数の気泡として吐き出す。この作用は、例えば観賞用水槽に用いるようなエアー
ポンプに適している。
以下、本発明の遠心力ポンプの論理及びポンプ能力試算を詳述する。
説明のために、図1(a)に示すように、角振動子1の内半径をr1 [m]、外半径をr2 [m]とする。また、角振動子1の軸線Cから、径貫通穴2の先端までの長さ(径貫通穴長さ)をr3 [m]とする。図1では径貫通穴長さr3 =外半径r2 であるが、図4のような場合は径貫通穴長さr3 >外半径r2 になる。径貫通穴2の直径Φ[m]とする。径貫通穴2を複数にする事も可能であるので、1つの角振動子1における径貫通穴2の個数をs[個]とする。角振動運動の角速度は、正弦波状に変化する場合とする。
角振動子1の角振動運動の振動角をα[ラジアン](図2(d)参照)、角振動運動の周波数をf[サイクル/s]とする。角振動運動中では、角速度ω[ラジアン/s]は変化するが、平均した角速度ω1 とすると、ω1 =2αfである。径貫通穴2内に存在する物体には、遠心加速度a[m/s2 ]が作用する。等加速度の円運動において角速度がω1 の場合、円筒中心からr[m]の径貫通穴2中央位置の物体には、遠心加速度a=rω1 2が作用する。
角振動運動で角速度ωが正弦波状に変化して、1周期平均の角速度がω1 の場合、周期の位相位置をθ[ラジアン]、1周期=2π[ラジアン]とすると、周期位相位置に対する角速度ω(θ)は、
ω(θ)=(π/2)ω1sinθである。この場合、円筒中心からr[m]位置の径貫通穴2内の物体に作用する遠心加速度aは、
a(θ)=(π2 /4)rω1 2sin2θである。
1周期平均の遠心加速度をa1 は、1サイクルの積分を平均した算定から、
1 =(π2 /4)rω1 2である。
従って、径貫通穴2内部に満たした液体には、平均した遠心加速度
1 =(π2 /4)rω1 2=π2 rα2 2
が、円筒中心から円筒側面に作用すると想定できる。
径貫通穴2の断面積をS[m2 ]とすると、S=πs(Φ/2)2 である。径貫通穴2内の液体容量y[m3 ]は、y=Sr3 である。液体比重をg[g/cm3 ]、径貫通穴2内液体重量をm[kg]とすると、m=1000gyである。径貫通穴2内液体には、円筒中心から円筒側面に向かう遠心力F[N]が作用し、平均するとF[N]=ma1 、即ちF=62.5π2 gSr3 2α2 2 である。この遠心力がポンプ吐出力であり、ポンプ圧力をA[N/m2 ]とすると、A=F/S、即ちA=250π2 gr3 2α2 2
である。 A[N/m2 ]はA[pa]と同じである故、ポンプ圧力をB[kpa]で表わす場合、B=A/1000である。
液体が径貫通穴2を通過するために必要な平均時間t[s]は、t=√(r3 /a1
であり、液体の平均した径貫通穴2の通過速度v[m/s]は,v=r3 /t である。ポンプ出力側の負荷圧が0の場合の、1秒間の吐出容量をY[m2 /s]とし、1秒間の吐出重量をM[kg/s]とすると、Y=y/t であり、M=m/t である。負荷圧が0での1分間の吐出流量Z[ml/分]は、Z=6×107 Y である。ポンプ作用で消費する1秒当りの仕事量をP[N・m/s]とすると、P=Fvであり、単位は[N・m/s]、即ち[W]である。
整理して、3つのポンプ出力諸元、すなわちポンプ圧力B[kpa]、負荷圧0での1分間吐出流量Z[ml/分]、およびポンプ仕事量P[W]をそれぞれ以下のポンプ与諸元で示す。ポンプ与諸元としては、径貫通穴の長さr3 [m]、径貫通穴2の直径Φ[m
]、径貫通穴個数s[個]、角振動運動の振動角α[ラジアン]、角振動運動の周波数f[サイクル/s]、および液体比重g[g/cm3 ]がある。
B=(π2 /4)gr3 2α2 2
Z=7500000π2 sΦ2 3 αf
P=31.25π4 sgΦ2 3 3α3 3
これらB,Z,Pの3式は、径貫通穴の長さr3 と振動角αと周波数fに対して、ポンプ圧力Bは2乗に比例し、負荷圧0での1分間吐出流量Zは比例し、ポンプ仕事量Pは3乗に比例する事を明示する。さらに、負荷圧0での1分間吐出流量Zとポンプ仕事量Pは共に、径貫通穴2の数sに比例し、径貫通穴2の直径Φの2乗に比例する事を示している。
さらに、負荷圧A1 [pa]がかかる場合の流量を算定する。負荷圧分を減じた補正ポンプ圧力をA2 [pa]、これに対応する補正遠心力をF2[N] 、補正遠心加速度をa2[m/s2] とすると、A2=A−A1, F2=A2S , a2=F2/m である。
この場合に液体が径貫通穴2を通過するために必要な補正平均時間をt2 とすると、T2=√(r3/a2) である。1秒間の補正吐出容量 Y2[m3]は、 Y2 =y/t2 となり、求める1分間補正流量をZ2 [ml/分]とすると、
Z2=60000000Y2 である。
これをポンプ与諸元と負荷圧A1 で示す。
2 =1500000πsΦ2 √(25π2 3 2α2 2 −A1/10g2
上述の各式に、具体的な数値を代入すると、ポンプ能力を試算できる。代入例を、表2に示す。表2は、扱う液体を、比重1の水とした場合の算定である。
Figure 2010249119
表2において、条件1と出力1と負荷出力1は、径貫通穴2の長さr3 が1cmで、径貫通穴2の直径Φが1mmの場合に、振動角が1ラジアンで100サイクルの共鳴角振動運動をさせた場合を示す。この場合、出力としてのポンプ圧力は2.4kpaであり、負荷圧0での吐出流量は73ml/分である。更に、ポンプ出力は0.003Wであり、負荷圧が1kpaの場合の吐出流量は57ml/分になる事を示す。
条件2は、既述した図4の実施事例に対応する。条件3はパソコンサーバー冷却用に適合できるマイクロポンプの能力に対応し、3cmサイズで実施できる事を示す。条件4は人工心臓ポンプの能力に対応している。条件5は、1cmサイズのマイクロポンプとして実施できる能力事例を示している。条件6は、8cmサイズのマイクロポンプとして実施できる能力事例を示している。
このように表2は、長さ1cm〜4cmの径貫通穴2が、1ラジアン〜2ラジアンの振動角で、50サイクル〜200サイクルの角振動運動を行なった場合に、以下のようなポンプ諸元を与える。ポンプ圧力は2kpa〜40kpa、負荷圧0での流量は5ml/分〜13000ml/分、そしてポンプ仕事量は1mW〜8Wの幅広い性能設定ができるポンプである。
上記各実施形態は、以下のように変更可能である。
・径貫通穴2の延びる方向は、角振動子1に対して径方向であることに限らず、斜めであったり途中で曲がっていても構わない。換言すれば、角振動子1の往復回転運動によって生じる遠心力を受けて、流路内の流体が吐出口に向かって圧送されるように流路が延びていればよい。
・径貫通穴2の本数は、2本であることに限らず、1本だけでも良いし3本以上でも良い。
1…角振動子。1a…軸方向穴。1b…外周面。2…圧送流路を構成する径貫通穴。2a…圧送入口。2b…圧送出口。3,13…ケース。3c…ケース内部流路。4…軸受部。5…吐出口用空隙。6…吸入口用空隙。7…電磁コイル。8…吸入管。9…吐出管。10…吐出口カバー。11…中空シャフト。12…径貫通穴支持腕。13a…ケース内周面。14…保持部と第2磁気双極子をそれぞれ構成する固定子磁石。15…弾性シール材。16…振動子円盤。17…第1磁気双極子を構成する振動子磁石。18…水槽。19…水面。20…位置センサ。21…駆動制御回路。22a…第1駆動回路。22b…第2駆動回路。22c…第3駆動回路。23…発振回路。24…位置判定回路。

Claims (9)

  1. ケース(3)と、前記ケース(3)に往復回転運動可能に収容される角振動子(1)と、前記角振動子(1)を保持するために前記ケース(3)に設けられる保持部(14)と、前記ケース(3)に設けられる電磁コイル(7)とを備える角振動遠心力ポンプであって、
    前記角振動子(1)は第1磁気双極子(17)と圧送流路(2)を有し、前記圧送流路(2)は、流体を受け入れる圧送入口(2a)と、前記流体の出口としての圧送出口(2b)とを有し、
    前記保持部(14)は前記第1磁気双極子(17)から発せられる磁力に基づき前記角振動子(1)を保持し、前記保持部(14)は第2磁気双極子(14)あるいは磁性体を含み、前記角振動子(1)は前記保持部(14)に対して振動可能であり、前記磁力は前記角振動子(1)の振動の静止点と、前記振動の固有振動数とを規定することと、
    前記固有振動数に同調させられた電流が前記電磁コイル(7)に供給されると前記角振動子(1)は共振し、その結果、前記圧送流路(2)内の前記流体に遠心力が作用することによって、前記圧送出口(2b)から前記流体が吐出されることを特徴とする、角振動遠心力ポンプ。
  2. 前記角振動子(1)は軸線回りに回転運動し、前記角振動子(1)は、軸方向に延びる軸方向穴(1a)を有し、前記圧送流路(2)は前記軸方向穴(1a)から径方向外方に延びることを特徴とする、請求項1記載の角振動遠心力ポンプ。
  3. 前記角振動子(1)は、前記軸方向穴(1a)を有する中空シャフト(11)と、前記中空シャフト(11)に一体回転可能に取付けられる振動子円盤(16)とによって構成され、前記振動子円盤(16)は前記圧送流路(2)を区画形成するための径貫通穴(2)を有し、前記振動子円盤(16)に前記第1磁気双極子(17)が設けられ、
    前記電磁コイル(7)と前記第2磁気双極子(14)は、それぞれ前記軸線に沿った方向で前記振動子円盤(16)に対向可能なように前記ケース(3)に配置されることを特徴とする、請求項2記載の角振動遠心力ポンプ。
  4. 前記ケース(3)は、前記圧送流路(2)から吐出された流体を外部に流すためのケース内部流路(3c)を区画形成し、
    前記角振動遠心力ポンプは更に、
    前記角振動子(1)を前記ケース(3)に対して回転可能に支持する軸受部(4)と、
    前記軸受部(4)を前記ケース内部流路(3c)に対して密閉する弾性シール材(15)と
    を備えることを特徴とする、請求項3記載の角振動遠心力ポンプ。
  5. 複数の前記電磁コイル(7)が、前記振動子円盤(16)の周方向に並べられ、
    前記ケース(3)には、前記振動子円盤(16)の位置と回転方向を検出する位置センサ(20)が設けられ、
    前記角振動遠心力ポンプは、前記位置センサ(20)の検出結果が入力される駆動制御回路(21)に接続され、前記駆動制御回路(21)は、複数の前記電磁コイル(7)を順次励磁することによって前記振動子円盤(16)の共振振動を継続させることを特徴とする、請求項3または4記載の角振動遠心力ポンプ。
  6. 前記角振動子(1)は、前記軸線の周りを取り囲む外周面(1b)を有し、前記ケース(13)は、前記角振動子(1)の前記外周面(1b)を回転運動可能に支持するケース内周面(13a)を有することを特徴とする、請求項2〜5何れか一項記載の角振動遠心力ポンプ。
  7. 前記圧送出口(2b)は、前記角振動子(1)の前記外周面(1b)において開口し、
    前記ケースには、前記圧送出口(2b)と前記ケース内周面(13a)との間を密閉する吐出口カバー(10)が設けられ、前記吐出口カバー(10)は、前記角振動子(1)が共振状態の場合の前記圧送出口(2b)の往復動範囲を包囲するように、前記ケース内周面(13a)において周方向に延び、
    前記吐出口カバー(10)から吐出管(9)が延び、前記圧送出口(2b)から吐出された流体は、前記吐出管(9)を通って前記ケース(3)の外部に吐出されることを特徴とする、請求項6記載の角振動遠心力ポンプ。
  8. 前記角振動子(1)には、前記圧送流路(2)を区画形成する径貫通穴(2)を有して径方向に延びる径貫通穴支持腕(12)が設けられ、前記径貫通穴支持腕(12)は、前記角振動子(1)よりも径方向外方に突出するように形成されることを特徴とする、請求項1〜7何れか一項記載の角振動遠心力ポンプ。
  9. 前記角振動遠心力ポンプは更に、前記ケース(3)の外部から前記角振動子(1)の軸方向穴(1a)の内部に連結される吸入管(8)を有し、前記角振動遠心力ポンプは、前記吸入管(8)から取り込んだ気体を、液体中に送り込むエアーポンプとして機能することを特徴とする、請求項1〜8何れか一項記載の角振動遠心力ポンプ。
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