JP5763425B2 - 振動発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は振動発生装置に係り、詳しくは反動が外部に伝わるのを抑制する防振構造を有する振動発生装置に関する。
特許文献1や特許文献2が提案する小型モータとしての共鳴振動モータ(vibration generater)は、駆動電流を、重心の振動に変換したり、あるいは回転角度がある振動運動に変換したりすることで、はばたきのような運動を出力することができる新規な構成の振動発生装置である。特許文献1の図3が開示する実施例と、特許文献2が開示する液体ポンプとは、いずれも重心の振動を発生させず、回転角度のある反転運動の振動を利用している。これを角振動と規定する。このような共鳴振動モータは、双極振動子の磁力によって振動子の固有振動数を規定し、その固有振動数に同調するように電磁力を発生して加振することで共振を発生させる。この時に得られる角振動は、小型ながら大きな出力を得ることができるため、特許文献2のように液体ポンプの動力源に利用できる。
特開2007−289911号 特開2010−249119号
ところが、これら振動発生装置を実際に使用するに際しては、振動子の反動に起因する振動を装置外部に出さないことが望ましい。角振動を動力源に利用した時に、その反動の影響が装置外部に出ることを抑制する構造すなわち自己釣合系が求められる。
ここにおける本発明は、従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、角振動を動力源に利用しつつ、その反動が外部に伝わることを抑制する構造を備えた振動発生装置を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような振動発生装置を利用した液流発生装置や液体ポンプあるいは電動工具を具現することにある。
請求項1によって提供される振動発生装置は、外側ハウジング(1)と、前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されるように前記外側ハウジング(1)に収容された内側ハウジング(3)と、前記内側ハウジング(3)に対して軸回転可能に支持されるように前記内側ハウジング(3)に収容された角振動子(11)とを備える。前記角振動子(11)は第1磁気双極子となる振動子磁石(10)を有する。前記内側ハウジング(3)は、第2磁気双極子となる固定子磁石(12)を備える。前記第1磁気双極子と前記第2磁気双極子とが発生する磁場は、前記角振動子(11)の振動の静止点と、振動の共鳴周波数とを規定する。前記内側ハウジング(3)はさらに、前記角振動子(11)を共振させるための電磁力を発生する電磁コイル(14)を備える。前記電磁コイル(14)が前記共鳴周波数に一致する電磁力を発生することによって前記角振動子(11)を振動させると、前記角振動子(11)の振動の反作用で前記内側ハウジング(3)が前記外側ハウジング(1)に対して振動することが許容されるように振動発生装置は構成されている。
この構成によれば、角振動子の振動子トルクの反動は、外側ハウジングに伝わる前に、内側ハウジングの固定子トルクとして吸収される。したがって角振動子の角振動の反動は、外側ハウジングに伝わることが抑制される。
さらに請求項の構成によれば、前記振動発生装置において前記角振動子(11)は、前記内側ハウジング(3)に対して軸回転可能に支持される振動子シャフト(6)を有する。前記振動子シャフト(6)は、前記内側ハウジング(3)を貫通して前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持される。前記内側ハウジング(3)は、前記振動子シャフト(6)を介することで前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されている。この構成によれば、固定子としての内側ハウジングを外側ハウジングに対して軸回転可能に支持するための別途のシャフトは不要であり、一本の振動子シャフトで角振動子を外側ハウジングに対して軸回転可能に支持することができる。かつ振動子シャフトは内側ハウジングを、角振動子に対して軸回転可能な状態で、外側ハウジングに対して軸回転可能に支持することができる。よって振動発生装置の部品点数が少なくて済み簡素な構成を実現することができる。
請求項の構成によれば、請求項記載の振動発生装置において前記振動子シャフト(6)は、前記外側ハウジング(3)を貫通して前記外側ハウジング(1)の外部まで延びる。前記角振動子(11)の振動は、前記振動子シャフト(6)を介して前記外側ハウジング(1)の外部に取出されるように振動発生装置が構成されている。角振動子は内側ハウジングよりも内側にあり、角振動子の慣性モーメントは、内側ハウジングの慣性モーメントよりも小さくすることができる。角振動子の慣性モーメントが内側ハウジングの慣性モーメントよりも小さいと、振動子シャフトの角加速度は、内側ハウジングの角加速度よりも大きくなる。その結果、この構成によれば、振動子シャフトから得られる高速の角振動を、ポンプや工具などの各種の動力として利用することができる。
請求項の構成によれば、請求項記載の振動発生装置において前記振動子シャフト(6)は、シールド材(37)を貫通している。前記シールド材(37)は、前記振動子シャフト(6)と前記外側ハウジング(1)との間を密封している。このように外側ハウジングの振動子シャフト周囲つまり軸部にシールド材を被せる構造によって、完全な密閉が
実現された防水構造を実現することができる。従来の回転モータではメカニカルシールドで防水を行うことになるが、不完全な密閉であったため水中用途には従来の回転モータは向かなかった。本構成の振動発生装置は、従来の不完全な防水の問題をクリアすることができる。
請求項の構成によれば、請求項記載の振動発生装置において前記内側ハウジング(3)は、前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されるための固定子シャフト(4)を有する。前記振動子シャフト(6)と前記固定子シャフト(4)は、同軸上に延びるように構成されている。この構成によれば、外側ハウジングに対して内側ハウジングと角振動子とが互いに作用・反作用の関係で角振動することができるように、内側ハウジングと角振動子とをそれぞれ外側ハウジングに対して軸回転可能に支持する構成を確実に形成することができる。また固定子シャフトは、外側ハウジングを貫通しないように外側ハウジングに対して軸回動支持されると、固定子シャフトも密閉されるため振動発生装置の確実な防水を実現できる。
他の構成として請求項記載の振動発生装置において前記固定子シャフト(4)は、前記外側ハウジング(1)を貫通して前記外側ハウジング(1)の外部まで延びる。前記内側ハウジング(3)の振動は、前記固定子シャフト(4)を介して前記外側ハウジング(1)の外部に取出されるように振動発生装置が構成されている。内側ハウジングは角振動子よりも外側にあり、内側ハウジングの慣性モーメントは、角振動子の慣性モーメントよりも大きくすることができる。その結果、固定子シャフトの角加速度は振動子シャフトの角加速度よりも小さくなる。つまり固定子シャフトからは、振動子シャフトからよりも振動幅が小さいが重い力が得られる。よってこの構成によれば、力強い出力が求められる用途に固定子シャフトからの出力を利用することができる。
他の構成として請求項記載の振動発生装置において前記振動子シャフト(6)は、前記内側ハウジング(3)の内部に収容されてもよい。前記固定子シャフト(4)を第1固定子シャフトとすると、前記内側ハウジング(3)には、前記内側ハウジング(3)を前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持する第2固定子シャフトが、前記第1固定子シャフト(4)と同軸上に取付けられてもよい。この構成によれば、振動子シャフトが内側ハウジングを貫通しないため、内側ハウジングは内部を密封する密封構造を構成し易く、防水性に優れる。また第1固定子シャフトと第2固定子シャフトとによって、内側ハウジングは安定して外側ハウジングに対して軸回転可能に支持されることができる。
他の構成として前記固定子シャフト(4)と前記振動子シャフト(6)のうちの少なくとも一方は、液流を生成するために液体を押出す振動ヒレ(38)が取付けられるように構成されてもよい。この構成によれば、角振動を利用した振動ヒレの振動によって水流のような液流を生成する液流発生装置を、簡単かつ確実に実現することができる。
他の構成として前記固定子シャフト(4)と前記振動子シャフト(6)のうちの少なくとも一方は、ねじを締める締付作業を目的とするドライバー工具(35)がワンウェイクラッチ(34)を介して取付けられるように構成されてもよい。この構成によれば、角振動をワンウェイクラッチに通すことで振動発生装置は一方向の回転運動を出力することができ、その一方向の回転運動を利用することで、電動ドライバーを簡単かつ確実に実現することができる。
他の構成として前記固定子シャフト(4)と前記振動子シャフト(6)のうちの少なくとも一方は、研磨工具(31)、切断工具(32)、研削工具、穴開け工具のうちの少なくとも1つが取付けられるように構成されてもよい。この構成によれば、固定子シャフトと振動子シャフトそれぞれの角振動を利用することで、それぞれ対応する作業として研磨、切断、研削、穴開けといった各種の加工を行う電動工具を実現することができる。角振動子が与える角振動の反動は、内側ハウジングの反作用の角振動によって吸収されるため、負荷の変動によっても角振動子の角振動は中断されず、加工を継続することができる電動工具が実現されることとなる。またこの電動工具が出力する角振動は、従来の電動モータが出力するような一方向回転とは異なり往復動するため、対応する作業における工具の連れ回りや弾き飛ばしが抑制される。これによって対応する作業対象となる加工部材と工具とを互いに強く固定せずにすむため、手先の感覚を反映し易い電動工具が実現される。
他の構成として前記振動子シャフト(6)は、遠心力液体ポンプを構成するために放射状に延びるポンプ流路が構成されたポンプ羽根(20)が取付けられるように構成されてもよい。この構成によれば、外側ハウジングに液体の吸入口と吐出口とを形成することで、外側ハウジングをポンプハウジングに利用することができる。角振動子が与える角振動の反動は、内側ハウジングの角振動によって吸収されるため、ポンプハウジングの振動を抑制することができる。つまり外部への振動を抑制した自己釣合系を確保したポンプが実現される。
このように本発明によれば、角振動を動力源に利用しつつ、その反動が外部に伝わることを抑制する防振構造を備えた振動発生装置を提供することができる。さらに本発明によれば、そのような振動発生装置を利用した液流発生装置や液体ポンプあるいは電動工具を提供することができる。
図1(a)は、本発明を具体化した第1実施形態に係る無反動角振動モータの縦断面図。図1(b)は、図1(a)の1B−1B線断面図。 第2実施形態の液体ポンプを示す縦断面図。 図2に示すポンプ羽根の平面図。 図2に示す液体ポンプの実施例の入力電力と出力を示すグラフ。 第3実施形態に係る電動工具としての、研磨工具を示す断面図。 図5の変更例としての、切断工具を示す断面図。 第4実施形態に係る電動ドライバーを示す断面図。 第5実施形態に係る水中工具を示す断面図。 第6実施形態に係る水流発生装置を示す断面図。 図9の水流発生装置の作用を示す底面図。 図10の変更例としての、水流発生装置を示す底面図。
(第1実施形態)
図1(a)と図1(b)は、本発明を具体化した第1実施形態に係る振動発生装置としての自己釣合を保障する無反動角振動モータを示す。
円筒の箱状の外側ハウジング1は、弾性支持体2を介して内側ハウジング3を相対運動可能に支持する。弾性支持体2は、外側ハウジング1の底板と、外側ハウジング1よりも小さな円筒箱状の内側ハウジング3の底板との間に位置する。本実施形態では、内側ハウジング3に直結される固定子直結シャフトとしての固定子シャフト4が、外側ハウジング1の底部に設けられた第1ベアリング5によって、外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されている。固定子シャフト4は、フランジ状の取付部4aによって内側ハウジング3に一体で軸回転するように取付けられている。なお図中の上下方向は、各種部材を説明する上での便宜的な表現に過ぎず、無反動角振動モータはどのような向きに置いても支障がない。なぜならば、無反動角振動モータは重力を利用して作動するものではないからである。
振動子シャフト6は、外側ハウジング1の天板と内側ハウジング3の天板とを貫通している。振動子シャフト6を外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持するために、外側ハウジング1の天板には第2ベアリング7が取付けられている。さらに振動子シャフト6を内側ハウジング3に対して軸回転可能に支持するために、内側ハウジング3の底板には第3ベアリング8が取付けられ、内側ハウジング3の天板には第4ベアリング9が取付けられている。このように内側ハウジング3は、固定子シャフト4と振動子シャフト6とを介して、外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されている。
振動子シャフト6には、内側ハウジング3の内部に位置する球状の振動子磁石10が、振動子シャフト6と一体回転するように取付けられている。本実施形態の振動子シャフト6は、振動子磁石10を貫通した状態で振動子磁石10に直結している振動子直結シャフトである。振動子シャフト6と振動子磁石10とは、角振動子11を構成する。角振動子11は、外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されており、また内側ハウジング3に対しても軸回転可能に支持されている。
内側ハウジング3には、振動子磁石10と引合う固定子磁石12が取付けられている。振動子磁石10の磁力と固定子磁石12の磁力との引合いが、内側ハウジング3に対する角振動子11の磁力の釣合位置つまり中立安定位置を規定する。さらに言えば、振動子磁石10の磁力と固定子磁石12の磁力との引合いが、角振動子11が内側ハウジング3に対して振動する際の固有周波数(固有振動数)を規定する。
また外側ハウジング1には、外側ハウジング1に対する内側ハウジング3の中立安定位置つまり静止点を規定するために固定子磁石12の磁力が作用する外部磁性体13が取付けられている。このように弾性支持体2と外部磁性体13とのうちの少なくとも一方が、外側ハウジング1に対する内側ハウジング3の静止位置を決めるために設けられることで、内側ハウジング3は外側ハウジング1に対して安定する。このような外側ハウジング1に対する内側ハウジング3の静止点の決定は、内側ハウジング3に設けられている電磁コイル14に駆動電流を伝えるための送電ワイヤの引回しを容易にするためにも必要である。無反動角振動モータを駆動しない場合、内側ハウジング3は、弾性支持体2あるいは外部磁性体13の影響で決定される静止位置で止まっている。
このように本実施形態では、振動子シャフト6に取付ける振動体自体を、永久磁石からなる振動子磁石10で形成することによって、角振動子11を第1磁気双極子にしている。そして内側ハウジング3に、第2磁気双極子としての固定子磁石12を取付けている。第2磁気双極子は、第1磁気双極子の磁力に基づき角振動子11を保持する保持部(固定子)である。なお、永久磁石ではない材料からなる振動体に永久磁石を埋込むことによって角振動子11を第1磁気双極子にしてもよいし、内側ハウジング3自体を永久磁石で形成することで第2磁気双極子を構成してもよい。
第1磁気双極子の磁場が、第2磁気双極子の磁場と作用しあうことで、角振動子11の中立安定位置、すなわち振動の静止点が決まる。たとえば図1(a)において、振動子磁石10の右半分がS極を示し、かつ左半分がN極を示すように第1磁気双極子を形成する。そして振動子磁石10のS極に対向する右側の固定子磁石12の部分がN極を示し、かつ振動子磁石10のN極に対向する左側の固定子磁石12の部分がS極を示すように、固定子磁石12を形成する。安定位置(静止点)にある角振動子11は、振動子シャフト6の軸線回りの力を受けると静止点を中心として軸線回りの角振動を行うが、力が作用しなくなるとやがては静止点に収束する。従って、角振動子11は、内側ハウジング3内で振動系を形成している。
振動系は固有周波数を有しており、第1磁気双極子と第2磁気双極子の形状、配置、および磁石の強さを調整することで固有周波数を調整することができる。さらに角振動子11の負荷に応じても、固有周波数は変化する。角振動子11が角振動する場合の角速度の変化は、第1磁気双極子と第2磁気双極子の形状、配置、および磁石の強さで決まるが、概ね正弦波に近い変化である。
図1(b)に示すように、内側ハウジング3の内面沿いに、前記電磁コイル14が取付けられている。電磁コイル14は、外側ハウジング1の外部の図示しない駆動回路から伝送される周期電流によって駆動される。電磁コイル14は、第1磁気双極子と第2磁気双極子の間に生じる第1磁力線に対し、垂直成分を持つ第2磁力線を発生させるために配置される。
このように構成された無反動角振動モータのうち、内側ハウジング3、振動子シャフト6、第3ベアリング8、第4ベアリング9、振動子磁石10、固定子磁石12、角振動子11、および電磁コイル14が構成する共鳴振動モータ(vibration generator)は、本願発明者の特許文献1と2に示す原理で構成されるものである。これらのうち振動子シャフト6と振動子磁石10とが構成する角振動子11を、「振動子構造体」と定義する。一方、無反動角振動モータのうち、内側ハウジング3、固定子シャフト4、固定子磁石12、および電磁コイル14が構成する部分を、「固定子構造体」15と定義する。
(作用)
次に、上記のように構成された無反動角振動モータの作用を説明する。
電磁コイル14に電流を流すと、電磁コイル14から第2磁力線が発生して、角振動子11を振動させる。電磁コイル14に流す電流を周期電流とし、電流周波数を調節することによって、電磁コイル14の磁場周波数を角振動子11の固有周波数に一致させると、角振動子11は共振し、効率に優れた振動運動が生じる。
このように無反動角振動モータの振動系は、電流から提供されたエネルギーを、角振動子11の回転速度エネルギーと磁場の位置エネルギーに変換して蓄積する。無反動角振動モータに蓄積されるエネルギー量は、角振動子11の慣性モーメントをI[Kg・m2 ]とし、1周期内での最大角速度をω[ラジアン/s]とした場合、Iω2 /2[J]である。
このような角振動子11の振動運動は、角速度が周期的に+ωから0を経てそして−ωまでの範囲で変化する角加速度運動であり、これが角振動である。
つまり角振動は、角加速度をαとすると、

N=Iα …式(1)

のトルクNを伴う運動である。このように角振動は、角加速度αが作用する軸回転方向が駆動周波数に応じて正逆反転する振動運動であり、トルクNが働く回転方向も、駆動周波数に対応して正逆反転する。
本実施形態の無反動角振動モータを、負荷のない状態で、角振動子11の固有周波数に対応する適切な周波電流で駆動する。その結果、角振動子11のトルクである振動子トルクNと、振動子トルクNの反作用として、固定子構造体15のトルクである固定子トルクNとが発生する。従来の技術では、このような振動子トルクNの反作用として生じるトルク、つまり角振動子11の角振動に対する正逆反転が、振動発生装置の外側に反動として漏れ出てしまう虞があった。
しかし本実施形態では、外側ハウジング1の内部において固定子シャフト4と振動子シャフト6とを介して、角振動子11と固定子構造体15とが相互に軸回転自在に支持されている。このため、角振動子11と固定子構造体15とが相互に作用し合うことによって、静止位置を中央位置として、互いに反対の方向に作用するかつ互いに等しい大きさのトルクを有する2つの角振動(2つの角加速度運動)が発生する。振動子トルクNと固定子トルクNは、互いに作用と反作用の関係にあり、NとNが逆回転方向であり、|N|=|N|の関係をもつ。
角振動子11の慣性モーメントの大きさをI[Kg・m2 ]とし 、角加速度の大きさをα[ラジアン/s2 ]とする。さらに固定子構造体15の慣性モーメントの大きさをI[Kg・m2 ]とし、角加速度の大きさをα[ラジアン/s2 ]とすると、

・α = I・α …式(2)

となる。この式を変形すると、

α /α= I/I …式(3)

となる。
ここで角振動子1を収容する固定子構造体15のほうが、角振動子11よりも容積が大きく、また振動子シャフト6からの距離(アーム長さ)も、固定子構造体15のほうが角振動子1よりも大きい。よって固定子構造体15の慣性モーメントIのほうが、角振動子11の慣性モーメントIよりも大きいことがわかる(I>I。I/I>1)。したがって、角振動子11の角加速度αのほうが、固定子構造体15の角加速度αよりも大きいことがわかる(α>α。α/α>1)。
このように本実施形態の無反動角振動モータによれば、振動子トルクNと固定子トルクNは、互いに逆回転のベクトル方向である。そして内側ハウジング3が外側ハウジング1に内包された構造であるため、角振動子11の振動子トルクNは外側ハウジング1に達するまでに、内側ハウジング3の固定子トルクNによって打ち消されることになる。すなわちこの角振動子11と固定子構造体15との計2つの角振動は、外側ハウジング1の内部に内包されるように存在しているので、外側ハウジング1はトルクの影響を受けない状態が実現されている。
なお弾性支持体2あるいは外部磁性体13を伝わって、角振動子11と固定子構造体15との内在トルクが外側ハウジング1に影響するといえるが、この量は微少である。従って、本実施形態の無反動角振動モータによれば、角振動子11の角振動による反動が、外部に漏れずに内部で概ね吸収される。このように外側ハウジング1が内側ハウジング3を軸回転可能に支持したことによって、自己釣合系が実現される。
(実施例)
上記構成の無反動角振動モータの適切な実現例として、振動子磁石10には直径15mmの球形ネオジウム磁石を用い、固定子磁石12には角型ネオジウム磁石2個を選ぶ。また電磁コイル14には直径0.4mmのエナメル線100巻きを2つ用い、固定子シャフト4と振動子シャフト6とにはそれぞれ直径3mmの真鍮棒を用いた。外部磁性体13には角型の鉄材を用い、弾性支持体2はゴムあるいはバネであればよいが、ここではゲルゴムを用いた。電磁コイル14に供給する周波電流の駆動周波数は、概ね120Hzにした。その結果、装置外での角振動の影響が少ない、無反動角振動モータを実現することができた。
固定子シャフト4にも振動子シャフト6にも負荷を掛けないアイドリング駆動において、1Wの周波電流で、振動子シャフト6の振動角は90度になり、かつ固定子シャフト4の振動角は概ね5度になった。また概ね2Wで駆動すると、振動子シャフト6の振動角が120度になった。
図1の実施形態は、以下の作用効果(利点)を有する。
(1)無反動角振動モータは、内側ハウジング3、振動子シャフト6、第3ベアリング8、第4ベアリング9、振動子磁石10、固定子磁石12、および電磁コイル14で構成する共鳴振動モータを、固定子シャフト4、第1ベアリング5、および第2ベアリング7を用いて外側ハウジング1に組付けた構造にした。このように本実施形態の装置は、内側ハウジング3を外側ハウジング1に内包した構造であり、角振動子11と固定子構造体15が、振動子シャフト6を中心として互いに反対方向に回転することが許容される機構である。よって角振動子11による角振動の反動は、外側ハウジング1の内部で内側ハウジング3の角振動を引起こすのみであり、つまり内側ハウジング3の角振動によって吸収される。このため角振動子11による角振動の反動は外側ハウジング1には伝わり難く、結果として無反動角振動モータの振動が抑制される。このような無反動角振動モータを使用すれば、角振動子11の角振動を動力源に利用しつつ、その反動が外部に伝わることを抑制する防振構造を備えた振動発生装置を提供することができる。
(2)振動子シャフト6は、外側ハウジング1と内側ハウジング3に対し振動子磁石10を軸回転可能に支持するとともに、外側ハウジング1と内側ハウジング3を貫通する。よって振動子シャフト6は、振動子磁石10の角振動を、外側ハウジング1の外部に取出して活用することができる。振動子シャフト6の角振動の振動角は、固定子シャフト4の角振動の振動角よりも大きく、振幅のある出力を得ることができる。
(3) 固定子シャフト4は、外側ハウジング1に対して内側ハウジング3を軸回転可能に支持するとともに、外側ハウジング1を貫通する。よって固定子シャフト4は、内側ハウジング3の角振動を、外側ハウジング1の外部に取出して活用することができる。固定子シャフト4の角振動の振動角は、振動子シャフト6の角振動の振動角よりも小さいものの、固定子シャフト4からは振動子シャフト6からよりも重い力を得ることができる。
(第2実施形態)
図2と図3は、図1の無反動角振動モータを、液体ポンプを適用した本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態では振動子シャフト6にポンプ羽根20を取付けたことが、第1実施形態との相違点である。また固定子シャフト4を設けずに、振動子シャフト6が延びて内側ハウジング3の底板を貫通し、第1ベアリング5によって外側ハウジング1の底板に対して軸回転可能に支持されている。第1実施形態と重複する第2実施形態の部材には、第1実施形態と同じ部材番号を付すことで重複説明を省略する。
図2に示すように、外側ハウジング1の天板には、液体の吸入口21が形成され、外側ハウジング1の底板には吐出口22が形成されている。振動子シャフト6は、外側ハウジング1の底板に形成された第1滑り軸受構造1aと、外側ハウジング1の天板に形成された第2滑り軸受構造1bとによって、外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されている。なお弾性支持体2は、本実施形態では削除されている。
図3に示すように、円盤状のポンプ羽根20の天面23には、複数のポンプ溝24が形成されている。これらポンプ溝24は、振動子シャフト6からポンプ羽根20の周面まで放射状に延びる。
この液体ポンプの作用としては、電磁コイル14に駆動電流が入力されると角振動子11が角振動するため、ポンプ羽根20も振動子シャフト6と一体で角振動する。そうするとポンプ溝24は圧送流路として機能し、ポンプ溝24内の液体は、遠心力によって径方向外方に圧送される。ポンプ溝24で圧送された液体は、ポンプ羽根20の周面から外側ハウジング1の内部に吐出され、そして吐出口22から外側ハウジング1の外部に吐出される。
(実施例)
実施例としては、振動子磁石10の直径は20mmとし、外側ハウジング1の高さを40mmとした。またポンプ羽根20の直径を40mmとし、ポンプ羽根20の天面23と外側ハウジング1の天板との間の間隔を0.1mm程度とした。つまりポンプ羽根20の天面23が外側ハウジング1の天板に接近しているため、ポンプ溝24の内部には外側ハウジング1の天板によって区画されたポンプ流路が放射状に延びるように良好に形成される。水を液体に選び、2Wから30Wまでのそれぞれの入力電力[W]ごとに得られた、吐出圧力[KPa]と吐出流量[ml/分]との関係を図4に示す。吐出圧力は、液体ポンプから吐出された水がどれだけの高さまで持ち上げられるかを示す汲上げ高さ(水頭高)としての揚水能力で算出した。つまり汲上げ高さ0KPaのときの吐出流量が、液体ポンプの最大吐出流量を示す。
図4の「+」印で示す実線25で示すように、たとえば入力電力15Wで概ね80Hzの周波電流による駆動の場合、吐出圧力は最大で20KPaが得られた。また最大流量で3000ml/分の液体ポンプ能力が得られた。しかも外部への振動が殆どない液体ポンプを実現した。また黒丸「●」印で示す実線26で示すように、入力電力10Wの場合でも、吐出圧力は最大で15KPaが得られ、最大流量は2600ml/分の液体ポンプ能力が得られた。また「X」印で示す実線27で示すように、入力電力6Wの場合でも、最大流量は2000ml/分の液体ポンプ能力が得られた。比較例として、破線28で示す同サイズ程度の市販の電磁駆動ピストン方式の液体ポンプでは、入力電力6Wの場合の最大流量は500ml/分程度であったため、本実施形態の液体ポンプのポンプ能力が優れていることがわかる。
このように図2と図3の第2実施形態は、前記実施形態の利点(1)に加えてさらに以下の利点を有する。
(4)振動子シャフト6は、外側ハウジング1の内部に密閉されている。このため、たとえば外側ハウジングを貫通したシャフトを外部からモータ駆動するような場合に比べ、本実施形態は液体ポンプの軸シールド機構が不要であり、小型化に適する。つまり液体ポンプの密閉構造を容易に形成することができ、完全な流体漏れシールド性を実現しやすい。そして角振動子11の反動は、外側ハウジング1の内部に収容されている内側ハウジング3が角振動することで吸収されるため、外側ハウジング1自体の振動を抑制することができる。
(5)円盤状のポンプ羽根20にポンプ溝24を設け、ポンプ羽根20を外側ハウジング1の天板に対向させて配置するだけで、ポンプ流路を区画形成することができる。よってポンプ流路は製造容易である。
(6)振動子シャフト6は、内側ハウジング3の天板と底板の両方を貫通して、外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持される。内側ハウジング3は、振動子シャフト6を介することで外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されている。よって固定子シャフト4は不要であり、一本の振動子シャフト6で角振動子11を外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持することができ、かつ、内側ハウジング3を角振動子11に対して軸回転可能な状態で外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持することができる。よってポンプ全体として部品点数が少なくて済み簡素な構成にすることができる。
(7)第2実施形態の液体ポンプは、図2で示すように装置形状を円柱や立方に出来るものである。さらに図2の上部位置に吸入部としての吸入口21を設け、下部位置に吐出部としての吐出口22を設けたように、液体ポンプの互いに対極の位置に吸入部と吐出部を配置できる。従って図2の装置を1個のユニットとして、複数のユニットを直列に繋いだ液体ポンプ構造を構成することが可能であり、出力できる圧力と流量に於いて、液体ポンプとしての対応幅を広くすることが出来る。したがって液体に粘性がある場合や比重が重い場合の用途にも対応可能な構造となるように第2実施形態の液体ポンプを構成することができる。
(第3実施形態)
図5と図6は、本発明の無反動角振動モータを電動工具に適用した事例として、本発明の第3実施形態を示す。図5では、振動子シャフト6に工具部品として研磨円盤31を取付けた。図6では、振動子シャフト6に別の工具部品として円盤歯32を取付けた。これら工具部品は適宜に取替可能であり、電動工具は概ね100Hz以上の周波数電流で工具部品を角振動させることができる。図5の研磨円盤31を用いた電動工具は、加工部材Wの表面を研磨することができた。図6の円盤歯32を用いた電動工具は、木材などの加工部材Wを切断することができた。
図6の電動工具は、外側ハウジング1に収納された振動装置を2個連ねた構造である。具体的には1本の振動子シャフト6を、直列に並べた2個の振動子磁石10で共有している。この構造により強いトルクを取り出すことができる。
たとえば従来の回転モータを用いた電動工具の場合、工具の先端を加工部材の加工箇所に当てると、回転モータの出力が一方向回転であることが原因して、加工部材を弾き飛ばしてしまうような反力が生じたり、加工部材が工具と一緒に連れ回りしたりしようとするトルクが生じる場合が少なくなかった。このような反力は、工具の先端も加工箇所に対して位置ズレしたり、滑り跳ねてしまったりするように作用していた。そのため従来では、加工部材と電動工具との両者が加工作業中に位置ズレしてしまわないように、両者を強く保持しておく必要があった。
しかし、本実施形態の無反動角振動モータによって構成された電動工具は、振動子シャフト6に取付けられた工具部品を角振動させる。このため、工具の先端は、或る瞬間だけを取り出して観察すると一方向へのトルクを生じさせているが、振動子シャフト6が1秒当り100回前後の反転を行うため、作業時間全体に亘って工具の先端を観察すると振動子トルクN自体で自己キャンセル作用が生じる。つまり本実施形態では、電動工具のトルクが一方向の回転方向だけに作用し続けることはない。そのため本実施形態では、電動工具の振動する先端を加工部材の加工箇所に当てた場合に、工具の先端は加工箇所に対して定常的に安定した作業が確保される。
(実施例)
直径20mmの円盤歯32を取付けた図6の電動工具の場合、入力電力が概ね5W程度以上から木材切断が可能である。また直径20mmの研磨円盤31で加工部材Wを研磨した図5の電動工具の場合、従来の電動工具とは異なり、工具先端が回転方向にズレる力をあまり感じずに、フラットな感触で研磨作業を行うことが可能である。さらに作業者が電動工具を把持するための把持部は外側ハウジング1に形成すればよく、角振動子11の反動は内側ハウジング3の固定子トルクNが吸収しているため、作業者は角振動子11の反動が抑えられた状態で電動工具を把持することができる。よって本実施形態の電動工具は、特に手元の微妙な感覚が要求される精密作業に有効である。
なお工具部品は、円筒研磨をするための円筒部材でもよいし、穴開け加工するリーマなどでもよい。このように振動子シャフト6に取付ける工具部品は、それぞれ切断、穴開け、削り、研磨ができる工具部品であればよい。なお図5の研磨円盤31や、図6の円盤歯32は、振動子シャフト6に取付けることに限らず、固定子シャフト4に取付けてもよい。
このように図5と図6それぞれの実施形態は、第1実施形態の利点に加えてさらに以下の利点を有する。
(8)振動子シャフト6に各種の工具部品を取付けることで、無反動角振動モータを電動工具に適用することができる。角振動子11の反動は内側ハウジング3の固定子トルクNが吸収しているため、作業者は角振動子11の反動を感じにくい。さらに角振動子11の角振動は、従来の一方向回転のモータとは異なり、加工箇所に対する工具のブレを抑制するため、本実施形態の電動工具を使用する作業者は精度良く加工作業を行い易い。
(9)図6の装置は2個の振動子磁石10を連ねた構造であったが、さらに変更して、3個以上の振動子磁石10を連ねた構造にした装置も可能であり、小さな直径幅で強いトルクの電動工具も実施できる。比較的小さな直径で、かつ充分なトルク出力の電動工具にすることで、良好な作業性を得ることができる。つまりこの種の工具ホールダーは、良好な作業性を得るべく比較的小さい直径をもつモータで構成することが必須である。よって当該小型モータの複数個を直列に連結することで十分な出力を確保することができる。
(第4実施形態)
図7は、固定子シャフト4にワンウェイクラッチ機構33を組込むことで、一方向回転だけを無反動角振動モータから出力して電動ドライバーにした事例としての第4実施形態を示す。ワンウェイクラッチ機構33の出力シャフト34に、加工部品としてのドライバー工具35を取付けた。
固定子シャフト4の角振動の角加速度は、振動子シャフト6の角振動の角加速度よりも小さいが、その分、固定子シャフト4は振動子シャフト6よりも重い出力を得ることができる。よってボルトを締付けるために力強い出力が求められる電動ドライバーは、固定子シャフト4の出力を利用することで好適に実現できる。
ドライバー工具35によってねじ36などの締付けが進行する程、固定子シャフト4の負荷が大きくなり内側ハウジング3の角振動の角度がさらに縮まる。しかし、この固定子トルクNの変化に振動子トルクNが対応することで、固定子シャフト4の角振動の急激な減少は抑制される。よって、締付作業が途中で中断されることなく、本実施形態の電動ドライバーは作業を連続してねじ締付けをすることが可能となる。
このように図7の実施形態は、前述の利点に加えてさらに以下の利点を有する。
(10)固定子シャフト4にドライバー工具35を取付けることで、力強い出力でねじ締付できる。また固定子シャフト4の負荷増大を、角振動子11の振動子トルクNが吸収するため、電動ドライバーは安定してねじ締付作業を継続することができる。
(第5実施形態)
図8は、図5の事例の電動工具に対し、第2ベアリング7にシールド材37を被せた事例としての第5実施形態を示す。シールド材37には例えばゲルゴムを利用できる。シールド材37は振動子シャフト6によって挿通されつつ、外側ハウジング1と振動子シャフト6との間を密封する。さらに本実施形態では第1ベアリング5は、外側ハウジング1に埋込まれており、つまり固定子シャフト4は外側ハウジング1によって密封されている。シールド材37を被せても、振動子シャフト6は支障なく振動できるため、振動子シャフト6の角振動が工具部品としてのたとえば研磨円盤31を角振動させることによって、水中で使用可能な電動工具を図8の角振動モータによって実現できる。よって本実施形態はさらに以下の利点を有する。
(11)外側ハウジング1の振動子シャフト6周囲つまり軸部にシールド材37を被せる構造によって、外側ハウジング1の完全な密閉が実現された防水構造を実現することができる。従来の回転モータではメカニカルシールドで防水を行うことになるが、不完全な密閉であったため水中用途には従来の回転モータは向かなかった。そこで本実施形態の無反動角振動モータによって実現された電動工具は、従来の不完全な防水の問題をクリアすることができる。
(第6実施形態)
図9と図10は、図8の無反動角振動モータの振動子シャフト6に、液流たとえば水流を発生させる振動ヒレ38を取付けた水流発生装置としての第6実施形態を示す。
図9と図10に示すように、外側ハウジング1の外部において振動子シャフト6には、角振動円盤39が取付けられ、さらに角振動円盤39には振動ヒレ38が、径方向に延びるように取付けられている。電磁コイル14への電力供給によって角振動子11を角振動させると、反動で内側ハウジング3が角振動するため、振動子シャフト6を介して振動ヒレ38が振動する。振動ヒレ38の角振動円盤39への取付端38a自体が、角振動円盤39の角振動によって大きく往復動するため、振動ヒレ38は広い範囲の液体を捉えて押し出すことができる。よって本実施形態はさらに以下の利点を有する。
(12)図9に示すように、振動子シャフト6に被せたシールド材37によって、外側ハウジング1の内側を防水構造にした。したがって水中ビークルの推進装置に適した構造を具現することができる。
(13) 振動ヒレ38は、角振動円盤39を介して振動子シャフト6に取付けられている。よって大きな範囲の液体を振動ヒレ38はスイープすることができ力強い液流を出力できる。この液流を利用した水中ビークルの推進装置を実現できる。
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・図11に示すように、角振動円盤39を削除して振動ヒレ38を、直接に振動子シャフト6に取付けてもよい。また振動ヒレ38は、振動子シャフト6に取付けることに限らず、固定子シャフト4に取付けてもよい。
・振動子シャフト6は、内側ハウジング3の内部に収容されてもよい。この場合、固定子シャフト4を第1固定子シャフトとすると、内側ハウジング3には、内側ハウジング3を外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持する第2固定子シャフトが、第1固定子シャフトと同軸上に取付けられるとよい。この構成によれば、振動子シャフト6は内側ハウジング3を貫通せずに、内側ハウジング3の内部に収容されるため、内側ハウジング3は内部を密封する密封構造を構成し易く、防水性に優れる。また第1固定子シャフトと第2固定子シャフトとによって、内側ハウジング3は安定して外側ハウジング1に対して軸回転可能に支持されることができる。
1…外側ハウジング。1a…第1滑り軸受構造。1b…第2滑り軸受構造。2…弾性支持体。3…内側ハウジング。4…固定子シャフト。4a…取付部。5…第1ベアリング。6…振動子シャフト。7…第2ベアリング。8…第3ベアリング。9…第4ベアリング。10…振動子磁石。11…角振動子。12…固定子磁石。13…外部磁性体。14…電磁コイル。15…固定子構造体。20…ポンプ羽根。21…吸入口。22…吐出口。23…ポンプ羽根の天面。24…ポンプ溝。25…実線。26…実線。27…実線。28…破線。31…研磨円盤。32…円盤歯。33…ワンウェイクラッチ機構。34…出力シャフト。35…ドライバー工具。36…ねじ。37…シールド材。38…振動ヒレ。38a…取付端。39…角振動円盤。 α…角加速度。α…角振動子の角加速度。α…固定子構造物の角加速度。I…角振動子の慣性モーメント。I…固定子構造物の慣性モーメント。N…トルク。N…振動子トルク。N…固定子トルク。W…加工部材。

Claims (4)

  1. 外側ハウジング(1)と、前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されるように前記外側ハウジング(1)に収容された内側ハウジング(3)と、前記内側ハウジング(3)に対して軸回転可能に支持されるように前記内側ハウジング(3)に収容された角振動子(11)とを備える振動発生装置であって、前記角振動子(11)は第1磁気双極子となる振動子磁石(10)を有し、
    前記内側ハウジング(3)は、第2磁気双極子となる固定子磁石(12)を備え、前記第1磁気双極子と前記第2磁気双極子とが発生する磁場は、前記角振動子(11)の振動の静止点と振動の共鳴周波数とを規定し、
    前記内側ハウジング(3)はさらに、前記角振動子(11)を共振させるための電磁力を発生する電磁コイル(14)を備え、前記電磁コイル(14)が前記共鳴周波数に一致する電磁力を発生することによって前記角振動子(11)を振動させると、前記角振動子(11)の振動の反作用で前記内側ハウジング(3)が前記外側ハウジング(1)に対して振動することが許容されるように構成され
    前記角振動子(11)は、前記内側ハウジング(3)に対して軸回転可能に支持される振動子シャフト(6)を有し、
    前記振動子シャフト(6)は、前記内側ハウジング(3)を貫通して前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持され、
    前記内側ハウジング(3)は、前記振動子シャフト(6)を介することで前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されている
    ことを特徴とする、振動発生装置。
  2. 前記振動子シャフト(6)は、前記内側ハウジング(3)と前記外側ハウジング(1)を貫通して前記外側ハウジング(1)の外部まで延び、
    前記角振動子(11)の振動は、前記振動子シャフト(6)を介して前記外側ハウジング(1)の外部に取出されるように構成されている、
    請求項記載の振動発生装置。
  3. 前記振動子シャフト(6)は、シールド材(37)を貫通しており、
    前記シールド材(37)は、前記振動子シャフト(6)と前記外側ハウジング(1)と
    の間を密封している、
    請求項記載の振動発生装置。
  4. 前記内側ハウジング(3)は、前記外側ハウジング(1)に対して軸回転可能に支持されるための固定子シャフト(4)を有し、
    前記振動子シャフト(6)と前記固定子シャフト(4)は、同軸上に延びるように構成されている、
    請求項記載の振動発生装置。
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