JP2010248976A - カム位相可変装置 - Google Patents

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史久 竹本
Masayuki Toyokawa
政行 豊川
Kazuki Ichikawa
和樹 市川
Koichiro Shinozaki
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Abstract

【課題】 カム位相可変装置において、進角側および遅角側において、バルブの中立ポジションからの作動量に対するロータの作動特性を同一にする。
【解決手段】 カム位相可変装置20であって、ハウジング22と、ハウジングとの間に進角側油室61A,62Aおよび遅角側油室61B,62Bを画成するロータ21と、進角側油室に作動油を流入させるための進角側油路91,92,95と、遅角側油室に作動油を流入させるための遅角側油路93,94,96と、進角側油路に作動油を流入させる進角ポジションと、遅角側油路に作動油を流入させる遅角ポジションと、中立ポジションとの間で連続的に作動するスプールバルブ23とを有し、スプールバルブは、中立ポジションからの作動量が同一である場合、進角側油路に対する作動油流通面積と、遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関のカム位相可変装置に係り、詳しくは進角側と遅角側とで油圧制御バルブの作動量に対するロータの作動特性を略同一にする技術に関する。
自動車等に搭載される内燃機関では、その運転状態に応じて吸気バルブや排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を変化させるべく、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変制御するカム位相可変装置(可変バルブタイミング装置,VTC)を装備したものがある。一般に、カム位相可変装置は、クランクシャフトと同期して回転するハウジングと、カムシャフトと一体に回転するロータと、油圧の供給を制御する油圧制御バルブとを備えている。ハウジングの内部には、ベーン室が形成されており、ベーン室はロータに立設されたベーンによって進角側油室(以下、進角室という)と遅角側油室(以下、遅角室という)とに区画されている。油圧制御バルブは、進角室または遅角室に油圧を供給することによって、ハウジングに対するロータの回転位相(すなわち、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相)を変化させることでバルブタイミングを連続的に可変制御する(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のカム位相可変装置では、スプールバルブによって進角室または遅角室への油圧の供給が行われている。スプールバルブでは、進角室または遅角室に対応する油路の開度は、スプールの作動量に応じて制御することができる。
特開2002−235513号
カムシャフトには、バルブスプリングによるカムトルクが回転負荷として作用するため、ロータを進角側に駆動する際には、遅角側に駆動する際よりも大きな駆動力が必要となる。また、ロータを遅角側に付勢するバイアススプリングが設けられている場合には、上述した駆動力の差が増大する。そのため、進角室に対応する油路の開度(開口断面積)と、遅角室に対応する油路の開度とを同一にしても、進角側と遅角側とではロータの作動特性に差が生じる。よって、進角室に対応する油路の開度と、遅角室に対応する油路の開度とをスプールの中立ポジションからの作動量に応じて、進角側と遅角側とで同じ特性をもって変化させるようにした場合(図9(a)参照)、スプールの作動量に対して、進角側と遅角側とでロータの駆動特性が異なるという問題が発生する(図9(b)参照)。この問題に対して、ロータの作動特性を進角側と遅角側とで同一にしようとする場合、スプールの作動量を進角側と遅角側とで変更しなければならず、制御が複雑になっていた。
本発明は以上の背景を鑑みてなされたものであって、進角側および遅角側において、バルブの中立ポジションからの作動量に対するロータの作動特性を同一にし、カム位相可変装置の制御の容易化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明は、内燃機関(1)のカム位相を所定の角度範囲をもって変化させるカム位相可変装置(20)であって、クランクシャフト(5)に同期して回転するとともに、その内周側に複数のベーン室(61,62,63)が形成されたハウジング(22)と、カムシャフト(9)と一体に回転するとともに、前記複数のベーン室を進角側油室(61A,62A,63A)と遅角側油室(61B,62B,63B)とに区画するベーン(32,33,34)がその外周側にそれぞれ立設され、最進角位置と最遅角位置との間で相対回転可能に前記ハウジングに収容されたロータ(21)と、前記進角側油室に作動油を流入させるための進角側油路(91,92,95)と、前記遅角側油室に作動油を流入させるための遅角側油路(93,94,96)と、前記進角側油路に作動油を流入させる進角ポジションと、前記遅角側油路に作動油を流入させる遅角ポジションと、前記両油路への作動油の流入を禁止する中立ポジションとの間で連続的に作動する油路切換手段(23)とを有し、前記油路切換手段は、前記中立ポジションからの作動量が同一である場合、前記進角ポジション側における前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なることを特徴とする。
この構成によれば、油路切換手段の中立ポジションから進角側または遅角側への作動量が同一である場合に、進角側油路と遅角側油路とに流入させる作動油に差を生じさせ、進角側への駆動と遅角側への駆動とでロータの作動特性を同一にすることができる。油路切換手段の作動量に応じてロータの作動特性が定まるため、カム位相可変装置の制御の容易化が図れる。
第2の発明は第1の発明において、前記ベーンの少なくとも1つは、対応する前記ベーン室とともにカムトルク駆動型位相可変手段(66)をなすことを特徴とする。第3の発明は第1の発明において、前記ベーンの少なくとも1つは、対応する前記ベーン室とともに油圧駆動型位相可変手段(64,65)をなし、前記進角側油路または前記遅角側油路と、前記油路切換手段とを介して、前記油圧駆動型位相可変手段に作動油を供給する油圧源(17)を有することを特徴とする。
この構成によれば、カムトルク駆動型位相可変手段および油圧駆動型位相可変手段においてカム位相可変装置の制御の容易化が図れる。
第4の発明は第3の発明において、前記油圧源から前記油圧切換手段に対する作動油流通面積は、前記油圧切換手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積および前記遅角側油路に対する作動油流通面積のそれぞれより大きいことを特徴とする。
この構成によれば、油圧切換手段によって信頼性良くロータの作動特性を変更することができる。
第5の発明は第3または第4の発明において、前記油路切換手段は、前記中立ポジションからの作動量が同一である場合、前記進角ポジション側における前記カムトルク駆動型位相可変手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記カムトルク駆動型位相可変手段の前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なり、前記進角ポジション側における前記油圧駆動型位相可変手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記油圧駆動型位相可変手段の前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なることを特徴とする。
この構成によれば、カムトルク駆動型位相可変手段および油圧駆動型位相可変手段の両方においてロータの作動特性を変更することができ、カム位相可変装置の制御の容易化が図れる。
第6の発明は第1〜5の発明のいずれかにおいて、前記油路切換手段は、スプールバルブであることを特徴とする。
この構成によれば、簡素な構造で油路切換手段を構成することができる。
以上の構成によれば、進角側および遅角側においてバルブの中立ポジションからの作動量に対してロータの動作特性を同一とすることができるため、カム位相可変装置の制御を容易化することができる。
第1実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図 第1実施形態に係るカム位相可変装置の分解斜視図 第1実施形態に係るカム位相可変装置の断面図 第1実施形態に係るカム位相可変装置の概略構成図 第1実施形態に係るスプールバルブの概略説明図 (a)第1実施形態に係るスプールストロークに対するスプールバルブの開口面積を示すグラフ(b)第1実施形態に係るスプールストロークに対するロータ回転速度を示すグラフ 第2実施形態に係るスプールバルブの概略説明図 (a)第2実施形態に係るスプールストロークに対するスプールバルブの開口面積を示すグラフ(b)第2実施形態に係るスプールストロークに対するロータ回転速度を示すグラフ (a)従来技術に係るスプールストロークに対するスプールバルブの開口面積を示すグラフ(b)従来技術に係るスプールストロークに対するロータ回転速度を示すグラフ
以下、図面を参照して、本発明にカム位相可変装置を自動車用エンジンに適用した第1実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は、実施形態に係るエンジン(内燃機関)1の斜視図である。図1に示すエンジン1は、DOHC4バルブ型の4サイクル直列4気筒ガソリンエンジンである。なお、エンジンはディーゼルエンジンやHCCIエンジンでもよく、気筒数等は任意に設定可能である。エンジン1のシリンダブロック2は4つの気筒を備え、各気筒にはピストン3が摺動自在に収容されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介して、シリンダブロック2に回転自在に軸支されたクランクシャフト5に連結されている。
シリンダブロック2の上部に設けられたシリンダヘッド6には、各気筒2本ずつの吸気バルブ7および排気バルブ8と、吸気バルブ7および排気バルブ8を駆動する吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10とが設けられている。クランクシャフト5の一端には、クランクシャフト5と一体に回転するクランクスプロケット11が設けられ、吸気カムシャフト9のクランクスプロケット11に対応する一端には吸気カムスプロケット12を備えたカム位相可変装置20が設けられている。また、排気カムシャフト10のクランクスプロケット11に対応する一端には排気カムスプロケット13が設けられている。クランクスプロケット11、吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13には、カムチェーン14が掛け渡されており、クランクシャフト5が1回転する間に吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10が1/2回転する。
エンジン1は、その下部にオイルポンプ17を備えている。オイルポンプ17と、クランクシャフト5とにはオイルポンプチェーン18が掛け渡されており、クランクシャフト5が回転すると、オイルポンプ17が駆動されてオイルパンに貯留されたエンジンオイル(作動油)がエンジン1の各部に圧送される。
<カム位相可変装置>
図2は実施形態に係るカム位相可変装置20の分解斜視図であり、図3は実施形態に係るカム位相可変装置20の断面図であり、図4は実施形態に係るカム位相可変装置20を示す概略構成図である。図2に示すように、カム位相可変装置20は、ロータ21、ハウジング22、スプールバルブ(油路切換手段)23、リードバルブ24、リニアソレノイド25を主要構成要素として備えている。以下、説明の便宜上、吸気カムシャフト9の軸線方向を基準として、カム位相可変装置20が設けられた側(図2中においては左下側、図3および図4においては紙面奥側)を前方として説明する。
ロータ21は、円柱状の基軸部31と、基軸部31の外周面より放射状に突設された3つのベーン32〜34とを備えている。各ベーン32〜34は、ロータ21の回転軸に対して約120°の角度間隔をもって配置されている。基軸部31の中心部には、スプールバルブ23を収容するための貫通孔35が中心軸に沿って形成されている。
ロータ21は、吸気カムシャフト9の前端に、吸気カムシャフト9と同軸に配置されている。吸気カムシャフト9の前端には、円板状のフランジ部44が形成されており、その中心にロータ21の貫通孔35と同一径の孔41が形成されている。ロータ21は、ボルト58によって吸気カムシャフト9に締結されている。吸気カムシャフト9の孔41およびロータ21の貫通孔35には、スプールバルブ23が収容される。
ロータ21を収容するハウジング22は、ロータ21の後方に配置されたバックプレート51と、ロータ21の周囲を覆うとともに、その外周面に吸気カムスプロケット12が形成された円筒状のシリンダ52と、ロータ21の前方に配置されたフロントプレート53とを備えている。バックプレート51と、シリンダ52と、フロントプレート53とは、ロータ21を収容した状態でボルト54により一体に締結されており、各部材の接合部は液密になっている。バックプレート51は、その中心部に貫通孔55が形成されており、貫通孔55の内周面は吸気カムシャフト9のフランジ部44の外周面と摺接している。フロントプレート53の中心部には、貫通孔56が形成されている。
図4に示すように、シリンダ52の内周面には、第1〜第3ベーン32〜34を相対回転可能に収容する第1〜第3ベーン室61〜63が中心軸まわりに概ね等間隔に凹設されている。本実施形態の場合、第1ベーン32および第1ベーン室61は第1OPA(油圧駆動型位相可変手段)64を構成し、第2ベーン33および第2ベーン室62は第2OPA(油圧駆動型位相可変手段)65を構成要素し、第3ベーン34および第3ベーン室63はCTA(カムトルク駆動型位相可変手段)66を構成する。
第1,第2ベーン32,33はそれぞれ、第1,第2ベーン室61,62を第1,第2OPA側進角室(進角側油室)61A,62Aと第1,第2OPA側遅角室(遅角側油室)61B,62Bとに区画する。また、第3ベーン34は、第3ベーン室63をCTA側進角室63Aと、CTA側遅角室63Bとに区画する。ロータ21は、ハウジング22に対して、第1OPA側進角室61A(第2OPA側進角室62A)の容積が最大となる最進角位置から、第1OPA側進角室61A(第2OPA側進角室62A)の容積が最小となる最遅角位置の間で相対回転可能となっている。
第1,第2OPA側進角室61A,62Aは、それぞれ第1,第2OPA側進角油路91,92を介してスプールバルブ23に連通されており、第1,第2OPA側遅角室61B,62Bは、それぞれ第1,第2OPA側遅角油路93,94を介してスプールバルブ23に連通されており、CTA側進角室63AおよびCTA側遅角室63Bは、それぞれ第1,第2CTA油路95,96を介してスプールバルブ23に連通されている。
また、第1CTA油路95と第2CTA油路96とは、それぞれ中央油路97(図3参照)を介してスプールバルブ23に連通されている。第1CTA油路95と中央油路97との間にはリードバルブ24の第1弁体24aが介装されており、中央油路97から第1CTA油路95への作動油の流れは許容されている一方、第1CTA油路95から中央油路97への作動油の流れは禁止されている。第2CTA油路96と中央油路97との間にはリードバルブ24の第2弁体24bが介装されており、中央油路97から第2CTA油路96への作動油の流れは許容されている一方、第2CTA油路96から中央油路97への作動油の流れは禁止されている。
第1ベーン32にはロックピン71とロックピンスプリング72(図2参照)とを収容する貫通孔32aが形成されており、バックプレート51にはロックピン71が嵌入するロック孔(図示しない)が形成されている。各ベーン32〜34の先端部には、シリンダ52の内周面に摺接するロータ側シール76が設けられており、シリンダ52のロータ21の基軸部31との摺接面にはハウジング側シール77が設けられている。
ロータ21の基軸部31の前面にはリードバルブ24が配置され、リードバルブ24の前面にはリードバルブカバー57が配置されている。リードバルブカバー57は、円柱形状を呈し、フロントプレート53の貫通孔56に遊嵌する。リードバルブカバー57は、その中心部にロータ21の貫通孔35と同一径の貫通孔が形成されている。
リードバルブカバー57と、ロータ21と、吸気カムシャフト9とは、ボルト58によって締結・一体化されており、リードバルブ24はロータ21の基軸部31とリードバルブカバー57との間に挟持されている。
リードバルブカバー57とフロントプレート53との間にはねじりコイルばねであるバイアススプリング59が介装されており、ハウジング22とロータ21とはバイアススプリング59によって遅角方向に相対回転するように付勢されている。リードバルブカバー57の前方にはリニアソレノイド25が設けられている。リニアソレノイド25の出力軸であるロッド25aは、リードバルブカバー57の貫通孔の軸線後方へと延び、ロータ21の貫通孔35および吸気カムシャフト9の孔41内に配置されるスプールバルブ23の前端に当接している。リニアソレノイド25は、図示しないエンジンECUによって制御され、ロッド25aを前後方向に進退する。
<スプールバルブ>
図2および図3に示すように、スプールバルブ23は、吸気カムシャフト9の孔41と、ロータ21の貫通孔35と、リードバルブカバー57の貫通孔に圧入されるバルブスリーブ81と、バルブスリーブ81に摺動自在に内嵌したスプール82と、スプール82を前方(リニアソレノイド25側)に付勢すべく、バルブスリーブ81内のスプール82の後方に配置されたリターンスプリング83とを備えている。スプール82は、リターンスプリング83側が開口した有底円筒形状を呈するとともに、その内部に中空部84を形成すべく開口端がプラグ(図示しない)によって閉鎖されている。エンジン1の運転時において、スプールバルブ23には、オイル通路19を介してオイルポンプ17から作動油が常時供給される。オイル通路19は、シリンダブロック2、吸気カムシャフト軸受101、吸気カムシャフト9の内部に形成されている。
バルブスリーブ81には、オイル通路19に連通する供給ポート105と、OPA側進角油路91,92に連通するOPA側進角ポート106と、OPA側遅角油路93,94に連通するOPA側遅角ポート107と、第1CTA油路95に連通するCTA側遅角ポート108と、第2CTA油路96に連通するCTA側進角ポート109と、中央油路97に連通するCTA側中央ポート110とが穿設されている。
スプール82は、供給ポート105からの作動油を中空部84に導入するための4つの供給孔121と、進角ポジション(スプール82が図3中で右方に移動した状態)で供給ポート105とOPA側進角ポート106とを連通させるOPA側進角グルーブ122と、遅角ポジション(スプール82が図3中で左方に移動した状態)で中空部84とOPA側遅角ポート107とを連通させるOPA側遅角グルーブ123と、進角ポジションで第2CTA油路96と中央油路97とを連通させるとともに遅角ポジションで第1CTA油路95と中央油路97とを連通させるCTA側グルーブ124と、中空部84とCTA側グルーブ124とを連通させる4つのオリフィス125とを有している。なお、中立ポジションにおいては、中央油路97のみがCTA側グルーブ124に開口する。中立ポジションから最進角ポジションまたは最遅角ポジションまでのスプール82の作動量は等しくなっている。
図5は、実施形態に係るスプールバルブ32の側面を示す概略説明図である。OPA側進角ポート106およびOPA側遅角ポート107はそれぞれ矩形を呈している。OPA側進角ポート106はOPA側遅角ポート107よりもバルブスリーブ81の周方向に幅広に(すなわち、開口面積が大きくなるように)形成されている。以下、各ポート106,107の周方向における長さを幅という。
また、スプール82が中立ポジションに位置する状態からOPA側進角グルーブ122とOPA側進角ポート106とが連通する(すなわち、OPA側進角ポート106が開き始める)までに必要な作動量と、スプール82が中立ポジションに位置する状態からOPA側遅角グルーブ123とOPA側遅角ポート107とが連通する(すなわち、OPA側遅角ポート107が開き始める)までに必要な作動量とが同じになるように、各ポート106,107および各グルーブ122,123の相対位置が設定されている。また、スプール82の最進角ポジションではOPA側進角ポート106が全開になり、最遅角ポジションではOPA側遅角ポート107が全開になるように、各ポート106,107および各グルーブ122,123の相対位置が設定されている。最進角ポジションでのOPA側進角ポート106の開口面積(最大開口面積)は、最遅角ポジションでのOPA側遅角ポート107の開口面積(最大開口面積)よりも大きくなっている。
OPA側進角ポート106およびOPA側遅角ポート107のそれぞれの最大開口面積は、オイル通路19、供給ポート105、OPA側進角グルーブ122、供給孔121(4つの合計)、中空部84、OPA側遅角グルーブ123のいずれの流路断面積よりも小さく設定されている。
<第1実施形態の作用効果>
次に、第1実施形態の作用について説明する。図6(a)は実施形態に係るスプール作動量に対するスプールバルブ23の開口面積を示すグラフであり、図6(b)は実施形態に係るスプール作動量に対するロータ回転速度を示すグラフである。図6(a),(b)では、スプール82の進角側への作動量を正、遅角側への作動量を負として表し、ロータ21の進角側への回転速度を正、遅角側への回転速度を負として表す。図6(a)に示すように、第1実施形態では、OPA側進角ポート106の幅がOPA側遅角ポート107の幅に対して広いため、スプール82の進角側または遅角側への作動量が等しい場合、OPA側進角ポート106の方がOPA側遅角ポート107の開口面積(作動油流通面積)よりも大きくなる。
OPA側進角ポート106およびOPA側遅角ポート107は、矩形を呈し、OPA側進角グルーブ122およびOPA側遅角グルーブ123はバルブスリーブ81の周方向にわたって延在しているため、OPA側進角ポート106またはOPA側遅角ポート107の開口面積はスプール82の作動量に比例して増加する。
図6(b)に示すように、スプール82の作動量に対するロータ21の回転速度は、進角側と遅角側とで概ね同一となっている。カムトルクおよびバイアススプリング59の付勢力によって、ロータ21の進角側への駆動は遅角側への駆動よりも大きな駆動力を必要とするが、OPA側進角ポート106の開口面積がOPA側遅角ポート107の開口面積よりも大きいため、第1,第2OPA側進角室61A,62Aには第1,第2OPA側遅角室61B,62Bよりも大きな油圧が加わり、進角側と遅角側とにおけるロータ21の回転に必要な駆動力の差が補われる。
第1実施形態では、ロータの回転速度は、スプール82の作動量に対して進角側と遅角側とのいずれでも概ね同一であるため、進角側と遅角側とでスプール82の作動量を変化させる必要がなく、制御が容易となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、OPA側進角ポート106の幅とOPA側遅角ポート107の幅とが等しく、かつCTA側遅角ポート108の幅とCTA側進角ポート109の幅とが異なる点で第1実施形態と相違する。CTA側遅角ポート108およびCTA側進角ポート109の幅とは、それぞれバルブスリーブ81の周方向における長さをいう。第2実施形態の他の構成については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係るスプールバルブの側面を示す概略説明図である。CTA側進角ポート109、CTA側遅角ポート108、CTA側中央ポート110はそれぞれ矩形を呈している。CTA側進角ポート109はCTA側遅角ポート108よりもバルブスリーブ81の周方向に幅広に(すなわち、開口面積が大きくなるように)形成されており、CTA側中央ポート110はCTA側進角ポート109よりもバルブスリーブ81の周方向に幅広に形成されている。
また、スプール82が中立ポジションに位置する状態からCTA側グルーブ124とCTA側進角ポート109とが連通するまでに必要な作動量と、スプール82が中立ポジションに位置する状態からCTA側グルーブ124とCTA側遅角ポート108とが連通するまでに必要な作動量とが同じになるように、各ポート108,109およびCTA側グルーブ124の相対位置が設定されている。また、スプール82の最進角ポジションではCTA側進角ポート109が全開となり、最遅角ポジションではCTA側遅角ポート108が全開となるとなるように、各ポート108,109およびCTA側グルーブ124の相対位置が設定されている。最進角ポジションでのCTA側進角ポート109の開口面積(最大開口面積)は、最遅角ポジションでのCTA側遅角ポート108の開口面積(最大開口面積)よりも大きくなっている。CTA側中央ポート110は、スプール82の全可動範囲内で、CTA側グルーブ124に対して常時全開となっている。
CTA側進角ポート109およびCTA側遅角ポート108のそれぞれの最大開口面積は、第1CTA油路95、第2CTA油路96、中央油路97、CTA側グルーブ124のいずれの流路断面積よりも小さく設定されている。
<第2実施形態の作用効果>
次に、第2実施形態の作用について説明する。スプール82が進角側へ移動すると、CTA側進角ポート109とCTA側グルーブ124とが連通し、CTA側遅角室63B内の作動油は、第2CTA油路96、CTA側グルーブ124、中央油路97、第1CTA油路95を順に通過してCTA側進角室63A内に流入可能となる。そのため、ロータ21に進角方向へのカムトルクが加わった際に、ロータ21は進角方向に回転する。一方、ロータ21に遅角方向へのカムトルクが加わった際には、第1弁体24aが第1CTA油路95から中央油路97への作動油の流れを禁止するため、CTA側進角室63A内とCTA側遅角室63B内との作動油が保持され、ロータ21は遅角方向に回転することはできない。
スプール82が遅角側へ移動すると、CTA側遅角ポート108とCTA側グルーブ124とが連通し、CTA側進角室63A内の作動油は、第1CTA油路95、CTA側グルーブ124、中央油路97、第2CTA油路96を順に通過してCTA側遅角室63B内に流入可能となる。そのため、ロータ21に遅角方向へのカムトルクが加わった際に、ロータ21は進角方向に回転する。一方、ロータ21に遅角方向へのカムトルクが加わった際には、第2弁体24bが逆流を禁止するため、各油室63A,63B内の作動油が保持され、ロータ21は遅角方向に回転することはできない。
図8(a)は実施形態に係るスプール作動量に対するスプールバルブ23の開口面積を示すグラフであり、図8(b)は実施形態に係るスプール作動量に対するロータ回転速度を示すグラフである。図8(a),(b)では、スプール82の進角側への作動量を正、遅角側への作動量を負として表し、ロータ21の進角側への回転速度を正、遅角側への回転速度を負として表す。図8(a)に示すように、第2実施形態では、CTA側進角ポート109の幅がCTA側遅角ポート108の幅に対して広いため、スプール82の進角側または遅角側への作動量が等しい場合、CTA側進角ポート109の方がCTA側遅角ポート108よりも開口面積(作動油流通面積)が大きくなる。
上述したように、ロータ21の進角方向への回転は、遅角方向への回転に比較して大きな駆動力を必要とするが、スプール82の進角側または遅角側への作動量が等しい場合、CTA側進角ポート109の開口面積はCTA側遅角ポート108の開口面積に対して大きいため、作動油がCTA側遅角室63BからCTA側遅角室63Aへと流れる際の抵抗を低減することができる。
CTA側進角ポート109およびCTA側遅角ポート108が矩形を呈し、CTA側グルーブ124がバルブスリーブ81の周方向にわたって延在しているため、CTA側進角ポート109またはCTA側遅角ポート108の開口面積はスプール82の作動量に比例して増加する。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と同様にOPA側進角ポート106の幅をOPA側遅角ポート107の幅よりも広く設定し、第2実施形態と同様にCTA側進角ポート109の幅をCTA側遅角ポート108の幅よりも広く設定している。第3実施形態の他の構成は、第1実施形態と同様である。
このように、OPA側の各ポート106,107と、CPA側の各ポート108,109とで流路断面積(作動油流通面積)を変更することによって、OPA側進角ポート106とOPA側遅角ポート107との幅の差、およびCTA側進角ポート109とCTA側遅角ポート108との幅の差を小さくすることができる。また、スプール82の作動量に対するロータ21の作動特性の制御幅を向上させることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本実施形態では、スプール82の作動量に比例してOPA側進角ポート106またはOPA側遅角ポート107の開口面積が増加するようにしたが、増加の態様は適宜選択することができる。
1・・エンジン(内燃機関)、5・・クランクシャフト、9・・吸気カムシャフト、20・・カム位相可変装置、21・・ロータ、22・・ハウジング、23・・スプールバルブ(油路切換手段)、24・・リードバルブ、25・・リニアソレノイド、32,33,34・・第1〜第3ベーン、52・・シリンダ、61〜63・・第1〜第3ベーン室、61A,62A・・OPA側進角室(進角側油室)、61B,62B・・OPA側遅角室(遅角側油室)、64,65・・第1、第2OPA(油圧駆動型位相可変手段)、66・・CTA(カムトルク駆動型位相可変手段)、81・・バルブスリーブ、82・・スプール、91,92・・第1,第2OPA側進角油路、93,94・・第1,第2OPA側遅角油路、106・・OPA側進角ポート、107・・OPA側遅角ポート

Claims (6)

  1. 内燃機関のカム位相を所定の角度範囲をもって変化させるカム位相可変装置であって、
    クランクシャフトに同期して回転するとともに、その内周側に複数のベーン室が形成されたハウジングと、
    カムシャフトと一体に回転するとともに、前記複数のベーン室を進角側油室と遅角側油室とに区画するベーンがその外周側にそれぞれ立設され、最進角位置と最遅角位置との間で相対回転可能に前記ハウジングに収容されたロータと、
    前記進角側油室に作動油を流入させるための進角側油路と、
    前記遅角側油室に作動油を流入させるための遅角側油路と、
    前記進角側油路に作動油を流入させる進角ポジションと、前記遅角側油路に作動油を流入させる遅角ポジションと、前記両油路への作動油の流入を禁止する中立ポジションとの間で連続的に作動する油路切換手段と
    を有し、
    前記油路切換手段は、前記中立ポジションからの作動量が同一である場合、前記進角ポジション側における前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なることを特徴とするカム位相可変装置。
  2. 前記ベーンの少なくとも1つは、対応する前記ベーン室とともにカムトルク駆動型位相可変手段をなすことを特徴とする、請求項1に記載のカム位相可変装置。
  3. 前記ベーンの少なくとも1つは、対応する前記ベーン室とともに油圧駆動型位相可変手段をなし、
    前記進角側油路または前記遅角側油路と、前記油路切換手段とを介して、前記油圧駆動型位相可変手段に作動油を供給する油圧源を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカム位相可変装置。
  4. 前記油圧源から前記油圧切換手段に対する作動油流通面積は、前記油圧切換手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積および前記遅角側油路に対する作動油流通面積のそれぞれより大きいことを特徴とする、請求項3に記載のカム位相可変装置。
  5. 前記油路切換手段は、前記中立ポジションからの作動量が同一である場合、前記進角ポジション側における前記カムトルク駆動型位相可変手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記カムトルク駆動型位相可変手段の前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なり、前記進角ポジション側における前記油圧駆動型位相可変手段の前記進角側油路に対する作動油流通面積と、前記遅角ポジション側における前記油圧駆動型位相可変手段の前記遅角側油路に対する作動油流通面積とが異なることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のカム位相可変装置。
  6. 前記油路切換手段は、スプールバルブであることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のカム位相可変装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101624782B1 (ko) 2013-02-06 2016-05-26 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 내연 기관의 밸브 타이밍 제어 장치
WO2019159511A1 (ja) * 2018-02-14 2019-08-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関のバルブタイミング制御装置

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