JP2010248365A - 熱伝導性樹脂組成物及び熱伝導性シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる下記(a)〜(d)を満たす水添共重合体と、(B)金属水酸化物と、を含む熱伝導性樹脂組成物であって、(B)成分の金属水酸化物の累積中位径が10〜70μmであり、(B)成分中における粒子径5μm以下の金属水酸化物の含有量が、(B)成分の総量に対して20体積%以下であり、(B)成分中における粒子径70μm以上の金属水酸化物の含有量が、(B)成分の総量に対して25体積%以下である、熱伝導性樹脂組成物;
(a)ビニル芳香族単位の含有量が50質量%を越え、90質量%以下、
(b)ビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が40質量%以下、
(c)重量平均分子量が5万〜100万、
(d)共役ジエン単位に基づく二重結合の10%以上が水添されている。
【選択図】なし
Description
[1]
(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる下記(a)〜(d)を満たす水添共重合体と、(B)金属水酸化物と、を含む熱伝導性樹脂組成物であって、
前記(B)成分の前記金属水酸化物の累積中位径が10〜70μmであり、
前記(B)成分中における粒子径5μm以下の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、20体積%以下であり、
前記(B)成分中における粒子径70μm以上の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、25体積%以下である、熱伝導性樹脂組成物;
(a)ビニル芳香族単位の含有量が50質量%を越え、90質量%以下、
(b)ビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が40質量%以下、
(c)重量平均分子量が5万〜100万、
(d)共役ジエン単位に基づく二重結合の10%以上が水添されている。
[2]
樹脂組成物中における前記(A)成分の含有量が5〜25質量%であり、
樹脂組成物中における前記(B)成分の含有量が95〜75質量%である、[1]の熱伝導性樹脂組成物。
[3]
さらに、(C)ゴム用軟化剤を含む、[1]又は[2]の熱伝導性樹脂組成物。
[4]
前記(A)成分と前記(C)成分の合計量に対する、前記(C)成分の含有量が、50質量%以下である、[3]の熱伝導性樹脂組成物。
[5]
(A)水添共重合体中のビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が10質量%未満である、[1]〜[4]のいずれか一つの熱伝導性樹脂組成物。
[6]
(A)水添共重合体中のビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が10〜40質量%である、[1]〜[4]のいずれか一つの熱伝導性樹脂組成物。
[7]
[1]〜[6]のいずれか一つの熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形してなる熱伝導性シート。
(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる下記(a)〜(d)を満たす水添共重合体と、(B)金属水酸化物と、を含む熱伝導性樹脂組成物であって、
前記(B)成分の前記金属水酸化物の累積中位径が10〜70μmであり、
前記(B)成分中における粒子径5μm以下の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、20体積%以下であり、
前記(B)成分中における粒子径70μm以上の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、25体積%以下である、熱伝導性樹脂組成物である。
(a)ビニル芳香族単位の含有量が50質量%を越え、90質量%以下である。
(b)ビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が40質量%以下である。
(c)重量平均分子量が5万〜100万である。
(d)共役ジエン単位に基づく二重結合の10%以上が水添されている。
本実施形態では、(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体を用いる。
ビニル芳香族単位の含有量が本実施形態で規定する範囲のものを使用することは、柔軟性に富み、耐摩耗性、耐傷付き性、強度などに優れた共重合体組成物を得るために必要である。
なお、該水添共重合体において、水素添加されたビニル芳香族単位が含まれている場合があるが、この水素添加されたビニル芳香族単位も同じく水添共重合体中のビニル芳香族単位の含有量に含まれるものとする。
本実施形態においてビニル芳香族単位の含有量は、紫外分光光度計を用いて測定することができる。
水添共重合体におけるビニル芳香族単位の含有量は、水素添加前の共重合体中のビニル芳香族単位の含有量で把握してもよい。
かかる含有量とすることで、良好な柔軟性と耐ブロッキング性を共重合体に付与できる。
ビニル芳香族単位のブロック率とは、(A)の水添共重合体中の全ビニル芳香族単位量に対するビニル芳香族単位からなる重合体ブロックの含有量の割合をいう。
重量平均分子量を5万以上とすることで優れた靭性を付与でき、100万以下とすることで優れた成形加工性を付与できる。さらに重量平均分子量をかかる範囲とすることで低分子量成分の含有量を低減できる為、揮発成分が少ない熱伝導性樹脂組成物とできる。
その結果、発熱体等に貼付する場合であっても揮発性ガスの発生を抑制できる。
ビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が10〜40質量%の水添共重合体を使用する場合、その重量平均分子量は好ましくは10万を越え、50万未満、より好ましくは13万〜40万、さらに好ましくは15万〜30万である。
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布の形状は特に制限はなく、山(ピーク)が二ヶ所以上存在するポリモーダルの分子量分布を持つものでもよいが、山が一つであるモノモーダルの分子量分布を持つ水添共重合体が好ましい。
水素添加率が10%以上の場合、柔軟性、強度、及び伸びが熱劣化により低下することなく良好な耐熱性を付与できる。
特に耐候性に優れた熱伝導性樹脂組成物を得る場合は、水素添加率は、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、水添共重合体に架橋をする場合は、水素添加率は好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下である。
本実施形態で使用する水添共重合体は、下記一般式(イ)〜(ホ)で表される構造を有する共重合体の水素添加物からなる任意の混合物でもよい。
また、水添共重合体にビニル芳香族単位重合体が混合されてもよい。
(ロ)X−Y
(ハ)X−Y−X
(ニ)(X−Y)m−Z
(ホ)(X−Y)n−Z−Yp
(ここで、Xは共役ジエン単位とビニル芳香族単位とのランダム共重合体ブロックであり、Yはビニル芳香族単位重合体ブロックである。mは2以上の整数であり、n及びpはそれぞれ1以上の整数である。Zはカップリング剤残基を示す。)
ブロックXを共役ジエンとビニル芳香族とのランダム構造にすることで、共重合体中の結晶部分を極力少なくする、又はなくすことができ、充填剤を多量に混合することが可能となる。
第3級アミン化合物またはエーテル化合物のようなビニル量調整剤の種類と量が一定の場合、重合中のポリマー鎖に組み込まれるビニル結合含量は、重合温度によって決まる。
従って、等温で重合した重合体はビニル結合が均一に分散した重合体となる。
これに対し、昇温で重合した重合体は、初期(低温で重合)が高ビニル結合含量、後半(高温で重合)が低ビニル結合含量といった具合にビニル結合含量に差のある重合体となる。
かかる構造を有する共重合体に、水素を添加することにより特異構造の水添共重合体等が得られる。
また、ビニル芳香族単位重合体ブロックの量は、前述したKOLTHOFFの方法等で知ることができる。
水素添加前の共重合体中の共役ジエンに基づくビニル結合含量は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。
また、水添共重合体の水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。
例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン等である。
重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好ましくは0.1〜10時間である。
また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
例えば、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン等のジハロゲン化合物、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸エステル類等の酸エステル類等が挙げられる。
本実施形態において、(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体の水添前の共重合体として重合体の少なくとも1つの重合体鎖に極性基含有原子団が結合した変性共重合体を使用することができる。
変性共重合体は、特に限定されず、重合体鎖に極性基含有原子団を有するものであればよい。
極性基含有原子団としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等が挙げられる。
好ましくは水酸基、アミノ基、エポキシ基、シラノール基、又はアルコキシシラン基の少なくとも1個を重合体鎖に有するものであり、より好ましくは、水酸基、アミノ基、エポキシ基の少なくとも1個を重合体鎖に有するものである。
(i)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、
(ii)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、
(iii)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒等。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物が挙げられる。
また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
溶媒の分離の方法としては、例えば水添後の溶液にアセトンまたはアルコール等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、水添共重合体又は変性水添共重合体の溶液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
フェノール系安定剤としては、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
リン系安定剤としては、トリフェニルホスファイトが挙げられる。
イオウ系安定剤としては、ジラウリル3,3−チオジプロピオネートが挙げられる。
アミン系安定剤としては、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバゲートが挙げられる。
本実施形態に用いる(B)金属水酸化物は、特に限定されず、例えば、公知のものを用いることができる。具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。それらの中でも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。
ここで、累積中位径とは、粉体集団の全体積を100%とする粉体集合の粒度分布において、粒子径に対する累積カーブを求め、その累積カーブが50%となる点の粒子径をいう。
粒子径は水又は有機溶剤に金属水酸化物を分散させて測定する。この時、分散できない場合は界面活性剤を使用してもよく、ホモジナイザーや超音波によって分散させてもよい。分散させる金属水酸化物粉体の濃度は1%以下である。
粒子径70μm以上の金属水酸化物成分をこの範囲とすることにより、熱伝導性、難燃性及びシート成形性が向上する。より好ましくは23体積%以下であり、さらに好ましくは20体積%以下である。
粒子径70μm以上の金属水酸化物成分が25体積%を超えると、シート表面が粗くなり熱伝導性が低下する場合がある。
また、薄物シート成形時にシート両端部からの亀裂の深さが大きくなり、シートの有効幅が狭くなる場合がある。
また、熱伝導性樹脂組成物の粘度が低くなり、燃焼時に滴下しやすくなる場合がある。
本実施形態では、(C)ゴム用軟化剤を含むことが好ましい。
本実施形態に用いる(C)ゴム用軟化剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、シリコーンオイル、合成系オイル、フッ素系オイル、鉱物オイル(石油系オイル)、合成オイルが挙げられる。好ましくは、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等が挙げられる。より好ましくは、パラフィン系オイル及びナフテン系オイルが挙げられる。パラフィン系オイル及びナフテン系オイルを用いることで、優れた耐寒性や耐久性を熱伝導性樹脂組成物に付与できる。それらの中でもパラフィン系オイルが、よりさらに好ましく、パラフィン系のなかでも芳香族環成分の少ないものが特に適している。
本実施形態の熱伝導性樹脂組成物を得る為の混練方法は、特に限定はされず、公知の方法を用いることができる。例えば、ブレード型混練機(ニーダ等)、ロール型混練機(ロールミル、テーパーロール、加圧ニーダ、バンバリーミキサ、インターナルミキサ、ラボプラストミル、ミックスラボ、エクストルーダ等)等が挙げられるが、好ましくはニーダー、ロールミル、バンバリー、エクストルーダである。
押出機の好ましい設定温度は90〜190℃であり、好ましいスクリュー回転数は5〜80rpmであり、好ましいL/D比(スクリューの長さと直径比)は20以上である。
[原料]
<(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体>
(A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体は以下に示す手順で共重合体を得た。なお、得られた重合体の特性や物性の測定は次のようにして行った。
(1)ビニル芳香族炭化水素の含有量:紫外分光光度計((株)島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
i.1,429,1946に記載の方法に準拠して測定した。
反応器:内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いた。
反応温度:重合中は70℃を保持した。水素添加反応中は65℃を保持した。
水素添加触媒:窒素置換した水素添加触媒調整用反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1Lを仕込み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加した。充分に攪拌しながら、トリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて3日間反応させたものを用いた。
シクロヘキサン10質量部を反応器に仕込んで温度70℃に調整した。1段目反応として、n−ブチルリチウム0.076質量部、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と略記する。)をn−ブチルリチウム1molに対して0.4mol添加した。スチレン8質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を3分間かけて添加し、添加終了後30分間反応させた。
2段目反応として、1,3−ブタジエン48質量部とスチレン36質量部とを含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を60分かけて一定速度で連続的に反応器に供給し、添加終了後30分間反応させた。
3段目反応としてスチレン8質量部を含有するシクロヘキサン溶液(モノマー濃度22質量%)を3分間かけて添加し、添加終了後30分間反応させ、共重合体を得た。
得られた共重合体に対し、上記水素添加触媒をチタン量換算で100質量ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水素添加反応を行った。
反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、共重合体に対して0.3質量%添加し、水素添加共重合体を得た。
動的粘弾性測定の結果、tanδのピーク温度は−15℃に存在した。
DSC測定の結果、結晶化ピークは無かった。
(B)金属水酸化物として、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名「BW53」、「BW103」、「B103」、「B73」)を使用した。表1にそれぞれの累積中位径とその含有量を示す。
ゴム用軟化剤として、出光興産(株)製、商品名「ダイアナプロセスオイルPW−380(潤滑油基油、パラフィン系オイル)」を使用した。表1にその含有量を示す。
<混練>
表1の組成物を75Lニーダー((株)モリヤマ製、加圧型ニーダー DX75−150)を用いて、150℃で5分間混練した。得られた混練物を150℃のフィダールーダーで押出しペレットを得た。
得られたペレットを用い、幅240mmのダイスを装着した65φ押出機に、ペレットを投入し、温度130℃で押出した。押出シートを圧延ロールにて圧延し厚さ0.3mmのシートを得た。
<粒子径>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 X100(日機装(株)製)を用いて測定した。なお、組成物をトルエンで溶解し、金属水酸化物の粉体を分離した後、金属水酸化物の粉体を、ヘキサメタりん酸ナトリウム溶液(0.0005mol/L)を分散媒として180mLの分散溶液を調整した。分散溶液濃度は装置が自動的に最適濃度を指示するのでそれに合わせた。
得られた粒度分布から、累積カーブを求め、累積カーブが50%となる点の粒子径より累積中位径を求めた。
また、得られた粒度分布より、粒子径5μm以下の成分の体積%、および粒子径70μm以上の成分の体積%を読み取った。
厚さ0.3mmの試験片を用い、UL94規格に準拠して測定した。
厚さ0.5mmの試験片を用い、ASTM(American Society for Testing and Materials)D5470に準拠し、樹脂材料熱抵抗測定装置(日立製作所製)を用いて熱伝導率を測定した。測定温度30℃であった。
ペレットを、130℃に設定された単軸押出機240mm幅Tダイを用い、Tダイのリップ厚みを0.5mmに調整し、押出成形してシートを得た。押出しされたシートを圧延ロールにて圧延し、0.3mm厚の熱伝導性シートを得た。熱伝導性シートの両端部からのひび割れ(亀裂)の深さの最大距離を測定し、亀裂の深さ15mm未満を「○」とした。亀裂の深さ15mm以上を「×」とした。
熱伝導性シートの中央部と、中央部から80mmの位置の両端部の厚みを夫々測定し、その差を求めた。その差が0.05mm未満を「○」とし、0.05mm以上を「×」とした。
実施例1〜3及び比較例1〜4について、表1に示す配合で熱伝導性シートを作製し、難燃性、熱伝導率及び成形安定性に関する測定を行った。その結果を表1に示す。
一方、比較例1は、可燃性であり難燃性が劣っていた、さらに熱伝導率が0.8W/m・Kであり熱伝導性も劣っていた。比較例2は、熱伝導率が0.9W/m・Kであり熱伝導性が劣っていた。比較例3は、シート外観、端部ひび割れ及び厚みムラが「×」であり、成形安定性が劣っていた。比較例4は、難燃性がV−2であり難燃性が劣っていた、さらにシート外観、端部ひび割れ及び厚みムラが「×」であり、成形安定性が劣っていた。
Claims (7)
- (A)共役ジエン単位とビニル芳香族単位からなる共重合体に水素を添加してなる下記(a)〜(d)を満たす水添共重合体と、(B)金属水酸化物と、を含む熱伝導性樹脂組成物であって、
前記(B)成分の前記金属水酸化物の累積中位径が10〜70μmであり、
前記(B)成分中における粒子径5μm以下の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、20体積%以下であり、
前記(B)成分中における粒子径70μm以上の金属水酸化物の含有量が、前記(B)成分の総量に対して、25体積%以下である、熱伝導性樹脂組成物;
(a)ビニル芳香族単位の含有量が50質量%を越え、90質量%以下、
(b)ビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が40質量%以下、
(c)重量平均分子量が5万〜100万、
(d)共役ジエン単位に基づく二重結合の10%以上が水添されている。 - 樹脂組成物中における前記(A)成分の含有量が5〜25質量%であり、
樹脂組成物中における前記(B)成分の含有量が95〜75質量%である、請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。 - さらに、(C)ゴム用軟化剤を含む、請求項1又は2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記(A)成分と前記(C)成分の合計量に対する、前記(C)成分の含有量が、50質量%以下である、請求項3に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- (A)水添共重合体中のビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が10質量%未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- (A)水添共重合体中のビニル芳香族単位重合体ブロックの含有量が10〜40質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱伝導性樹脂組成物をシート状に成形してなる熱伝導性シート。
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